JPH05193345A - 自動車用暖房装置 - Google Patents

自動車用暖房装置

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JPH05193345A
JPH05193345A JP4190928A JP19092892A JPH05193345A JP H05193345 A JPH05193345 A JP H05193345A JP 4190928 A JP4190928 A JP 4190928A JP 19092892 A JP19092892 A JP 19092892A JP H05193345 A JPH05193345 A JP H05193345A
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heating
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    • F23NREGULATING OR CONTROLLING COMBUSTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸気泡発生のような危険な熱伝達媒体状態を
回避すると共に、車内への迅速な熱供給を可能にする自
動車用暖房装置を提供せんとするものである。 【構成】 自動車用暖房装置は熱伝達媒体回路9を備え
ている。この熱伝達媒体は車両暖房ファン15を付設し
た少なくとも1個の熱交換器14と、エンジンに依存し
ない、燃料で運転される加熱装置11と、循環ポンプ1
0と、温度センサ17とを含んでいる。循環ポンプの回
転数は温度センサによって検出された熱伝達媒体温度に
依存して制御装置18によって制御される。暖房運転の
少なくとも一部範囲において熱伝達媒体温度の上昇時
に、温度センサ17を介して検出された実際値と比較し
て、目標値として設定された温度上昇速度(単位時間当
たりの温度変化)に応じて、制御装置18が循環ポンプ
10の回転数を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱伝達媒体回路が車両
暖房ファンを付設した少なくとも1個の熱交換器と、エ
ンジンに依存しない、燃料で運転される加熱装置と、循
環ポンプと、熱伝達媒体温度用の温度センサとを含み、
循環ポンプの回転数が温度センサによって検出された熱
伝達媒体温度に依存して制御装置によって制御される自
動車用の暖房装置、特に自動車の車内用の暖房装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ドイツ連邦共和国特許第3521372
号明細書によって、自動車用暖房装置、特に自動車の車
内の暖房装置が知られている。この暖房装置は熱伝達媒
体回路を有し、この熱伝達媒体回路は車両暖房ファンを
付設した少なくとも1個の熱交換器と、エンジンに依存
しない、燃料で運転される加熱装置と、循環ポンプと、
熱伝達媒体温度用の温度センサとを含んでいる。例えば
自動車ガラスの霜取りのため、この自動車用暖房装置に
よってできるだけ迅速に車内に熱を供給できるようにす
るために、循環ポンプの回転数は温度センサによって検
出された熱伝達媒体温度に依存して制御装置を介して次
のように制御される。すなわち、温度センサによって検
出された熱伝達媒体温度が設定値よりも低いときに、循
環ポンプの回転数を低下させるように制御される。これ
により、車両冷媒回路の冷媒のような熱伝達媒体は、エ
ンジンに依存しない、燃料で運転される加熱装置によっ
て迅速に所定の温度まで温められる。この所定の温度で
車両暖房ファンのスイッチが入れられるので、暖房装置
のスイッチを入れた後できるだけ早く温風を車内に供給
することができる。しかし、自動車用の暖房装置のこの
ような設計の場合には、特に熱伝達媒体が非常に迅速に
温められるので、熱伝達媒体が部分的に蒸気相に移行し
て蒸気泡を発生し、その際危険な状態が生ずることが判
った。このような場合、暖房装置の運転の中断や、燃料
で運転される、エンジンと無関係の加熱装置の損傷が発
生し得る。
【0003】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3920
505号明細書により、エンジンに依存しない加熱装置
を備えた車両暖房装置が知られている。この場合、エン
ジンに依存しない加熱装置の出口側とその入口側の間の
短絡回路が適当な案内管によって形成され、それにより
エンジンに依存しない加熱装置で発生した熱が先ず最初
に熱伝達媒体による車内の暖房に役立てられる。そし
て、この短絡回路のバイパスが適当な弁を介して少なく
とも部分的に開放して熱伝達媒体回路全体に通じるの
で、熱伝達媒体が熱伝達媒体回路全体を益々流通し、全
体が更に温められる。エンジンに依存しない加熱装置を
備えたこの車両暖房装置の場合には、車内を迅速に暖め
るために、迂回管路と温度調整弁を備えた適当な管装置
が設けられている。この管装置はそれを実施するために
はかなりの組み込みコストを必要とする。短絡回路内に
設けられたこの迂回管路は特別に敷設しなければなら
ず、かつ所定の方法で車両の冷媒回路に組み込まなけれ
ばならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、本発明
は、できるだけ簡単な構造でかつ少ない組み込みコスト
で、蒸気泡発生のような危険な熱伝達媒体状態を回避し
つつ、車内へのできるだけ迅速な熱供給を可能にする、
冒頭に述べた種類の自動車用暖房装置、特に自動車の車
内用の暖房装置を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は本発明に従
い、暖房運転の少なくとも一部範囲において熱伝達媒体
温度の上昇時に、温度センサを介して検出された実際値
と比較して、目標値として設定された温度上昇速度、す
なわち単位時間当たりの温度変化に応じて、制御装置が
循環ポンプの回転数を制御することによって解決され
る。
【0006】それにより、本発明の暖房装置の場合に
は、電気的または完全に電子的な方法で、すなわちエン
ジンに依存しない加熱装置を車両の熱伝達媒体回路に組
み込むために付加的な接続管を用いないで、制御装置を
介して循環ポンプの回転数を次のように制御する。すな
わち、経験的に求められる温度上昇速度の目標値を循環
ポンプの回転数制御のために設定することにより、熱伝
達媒体を迅速に温めるときにも、熱伝達媒体内の蒸気泡
発生のような熱伝達媒体の危険な状態が確実に回避され
るように制御する。この温度上昇速度は単位時間当たり
の温度変化であり、この温度変化は熱伝達媒体回路内で
の蒸気泡発生に関する確かな情報を認め得る量である。
例えば、熱伝達媒体内のこの蒸気泡発生が始まる所定の
温度上昇速度は、試験によって検出される。この温度上
昇速度は本発明による暖房装置の場合には目標値として
設定される。この場合、目標値の設定により、危険な熱
伝達媒体状態を確実に回避しつつ熱伝達媒体を温めるこ
とができるようにするために、特に安全範囲が一緒に取
り入れられる。それによって、本発明による暖房装置
は、寒い季節でも、例えば車両内部ガラスの霜取りのた
めに、できるだけ迅速に熱を車内に供給することができ
る。従って、一方では走行の安全性が、他方では走行快
適性が大幅に改善される。
【0007】特に制御装置によって暖房装置のスイッチ
を入れた後で、循環ポンプはその定格出力で運転され
る。この定格出力での運転は、いわゆるエンジン予熱相
(M−相)の間、自動車のエンジン内の流れがエンジン
のいろいろな測定個所でほぼ均一な部品温度となるまで
行われる。この均一な部品温度は、デジタル式エンジン
電子装置を備えた車両の場合には、申し分のない始動の
ための重要な条件となる。
【0008】本発明による自動車用暖房装置の場合には
特に制御装置が次のように作動する。すなわち、例えば
所定の温度または所定の温度勾配に達することによって
制御装置に信号で報告されるM−相の終了時に、循環ポ
ンプの回転数を低下させるように作動する。これによ
り、エンジンに依存しない加熱装置を通る流量が少なく
なるので、加熱装置によって発生した熱は熱伝達媒体を
迅速に温めるために有効利用され、それによって車内へ
の迅速な熱供給を行うことができる。
【0009】制御装置のこのような制御の場合特に、回
転数が予め定めた最小値まで無段階に低下させられる。
勿論、回転数を段階的に低下させることができる。本発
明による自動車用暖房装置の場合に実際値が目標値を上
回るときには、循環ポンプの回転数が再び高められる。
この回転数の上昇は循環ポンプの定格回転数または定格
運転出力まで段階的にまたは無段階に行うことができ
る。すなわち、この条件の下で実際値が目標値を上回る
ときには、熱伝達媒体がきわめて迅速に温められるこ
と、すなわちエンジンに依存しない加熱装置の作動時に
きわめて大きな温度上昇勾配が得られ、蒸気泡発生の危
険が大きくなることを意味する。従って、この蒸気泡発
生やこれに基づく熱伝達媒体の危険な状態を回避するた
めに、循環ポンプの回転数が再び高められるので、熱伝
達媒体回路の流量が多くなり、温度上昇速度が再び低下
する。
【0010】制御装置は特に、所定の熱伝達媒体温度の
ときに目標温度上昇速度が零の値に達するまで、循環ポ
ンプの回転数を制御する。この予め定めた熱伝達媒体の
温度は例えば約70℃である。この熱伝達媒体温度に達
するときに、熱伝達媒体回路内の熱伝達媒体はほぼその
運転温度であり、その際連続的な加熱が好ましい。従っ
て、予め定めたこの熱伝達媒体温度に達するときに、本
発明による暖房装置の場合には制御装置によって循環ポ
ンプの回転数を調節しつつ予め定めた熱伝達媒体をほぼ
一定に保つ。これにより、車両の熱伝達媒体回路全体の
故障が効果的に防止される。
【0011】目標値として設定された熱伝達媒体の温度
上昇速度の値は、約8〜20K/分の範囲内にある値が
好ましいことが判った。特に、約12K/分の目標値が
合目的である。温度上昇速度のこの目標値の選択に依存
して、車両の熱伝達媒体回路全体のその都度の状態を考
慮しながら自動車用暖房装置を調和させることができ
る。
【0012】制御装置を備えた自動車用暖房装置の好ま
しい実施形では、目標値として設定された熱伝達媒体の
温度上昇速度が階段状電圧ジェネレータによって電圧と
して生じるという利点がある。この階段状電圧ジェネレ
ータは約0Vから約5Vまで階段状に高められる電圧を
発生する。この電圧上昇は特に約10分間のうちに行わ
れる。制御装置のこのような回路設計の場合には、温度
センサによって検出された実際値は、P−コントローラ
(比例コントローラ)を介して電圧として生じる目標値
と比較される電圧である。この場合に得られる比較結果
に依存して、特に循環ポンプモータの最終段が制御され
る。
【0013】本発明による自動車用暖房措置の制御装置
の前記の詳細は、目標値と実際値のアナログ式の処理
と、それに対応する循環ポンプモータの最終段の制御に
関する。更に、本発明による自動車用暖房装置の制御装
置は加熱装置の運転制御部に統合可能である。この場
合、制御は好ましくはマイクロコンピュータで制御され
る処理によって実施される。
【0014】自動車用暖房装置の他の好ましい実施形に
よれば、温度センサと場合によって循環ポンプは、エン
ジンに依存しない加熱装置に統合されている。それによ
って、組み込みコストを更に低減することができる。本
発明による自動車用暖房装置の場合に、充分なエンジン
予熱を保証するために、次のように設計することができ
る。すなわち、加熱装置の全負荷段に達した後初めて、
熱伝達媒体用設定温度を上回った後で、加熱装置の運転
時間のための所定の設定時間を上回った後で、あるいは
予め定めた温度勾配を下回った後で、制御装置が循環ポ
ンプの回転数を制御するように設計することができる。
この場合、設定温度としては例えば約0℃が考慮に入れ
られる。このような設計の場合には、熱伝達媒体が充分
なエンジン予熱のために好ましい温度に達するまで、循
環ポンプは定格出力運転で作動する。このエンジン予熱
に好ましい温度は例えば0℃に達する。予め定めた温度
勾配としては特に、約2〜5K/分が考慮に入れられ
る。
【0015】好ましい実施形では、温度センサがPTC
−特性を有する。
【0016】
【実施例】次に、図を参照して本発明を好ましい実施例
に基づいて詳しく説明する。図1は、自動車用暖房装置
を備えた、冷却媒体回路のような熱伝達媒体回路の一例
を略示している。エンジンブロック4を冷却するための
液状熱伝達媒体は冷却媒体出口2から出て温度調整弁5
を経て冷却器1に達する。冷却器1の出口はエンジンブ
ロック4の熱伝達媒体入口3に接続されている。この範
囲にエンジン駆動の循環ポンプ7が付設されている。熱
伝達媒体温度が所定の値よりも低いときには、冷却器1
からの熱放出を防止するために、温度調整弁5が閉じ
る。そのとき、熱伝達媒体は熱伝達媒体出口2から冷却
器1を迂回するバイパス管6を経て熱伝達媒体入口3に
還流する。熱伝達媒体が所定の温度を上回ると、温度制
御弁5が開放し、熱伝達媒体が冷却器1を経て熱伝達媒
体入口3に還流する。
【0017】熱伝達媒体はエンジン駆動の循環ポンプ7
によってエンジンブロック4から他の熱伝達媒体出口8
を経て、全体を9で示した暖房回路に搬送される。この
暖房回路9は循環ポンプ10、エンジンに依存しないで
燃料で運転される加熱装置11および熱交換器14、い
わゆる車両熱交換器を含んでいる。この車両熱交換器に
は車両暖房ファン15が付設されている。この車両暖房
ファンにスイッチが入ると、熱交換器14によって熱が
車両室内16に放出される。この車両室内は図1におい
て一点鎖線の右側にある部分によって略示してある。加
熱装置11は入口12と出口13を備えている。熱交換
器14の出口側は熱伝達媒体回路を閉鎖するために熱伝
達媒体入口3の範囲に接続されている。加熱装置11は
更に、燃焼空気と燃料を図示していないバーナー装置に
供給するための燃焼空気ファン28と配量ポンプ27を
備えている。加熱装置11は更に、25で示した運転制
御部を備えている。統合構造の場合には、この運転制御
部に温度センサ26が付設されている。
【0018】加熱装置11の出口13の範囲において好
ましくはこの加熱装置に統合されて配置された温度セン
サは、図1において17で示してある。この温度センサ
は加熱装置11の出口における熱伝達媒体の温度を測定
する。加熱装置11には更に循環ポンプ10が統合され
ている。温度センサ17の出力部は制御装置18に接続
されている。この制御装置の出力部は循環ポンプ10に
接続されている。
【0019】制御装置18の詳細および温度センサ17
や循環ポンプ10とのその協働作用について、次に図2
に基づき説明する。温度センサ17は例えばPTC挙動
をとり、その出力部を経て、測定された熱伝達媒体温度
WTに対応する電圧値を供給する。この電圧値は演算部
20のプラス入力部に供給される。演算部20のマイナ
ス入力部には、その瞬間の温度目標値に対応する電圧が
供給される。この目標値Tsollは階段状電圧ジェネレー
タ21によって発生する。階段状電圧ジェネレータ21
は例えば約10分間内に0Vから5Vまで階段状に変化
する電圧を発生し、それによって所望の温度上昇速度の
ための目標温度上昇曲線を設定する。演算部20の他に
増幅部材29を含む比例コントローラ22を経て、階段
状電圧ジェネレータ21によって発生した目標値Tsoll
は、温度センサ17によって測定された実際電圧Tist
と比較される。比較結果に応じて、エンジン24の最終
段23で循環ポンプに適当に調節された電圧が加えられ
る。実際値が目標値を上回る限り、循環ポンプ10は最
高回転数nで運転される。実際値が目標値を下回ると、
循環ポンプの回転数nが低下し、それによって実際温度
が上昇することになる。 制御装置18を備えた自動車
の暖房装置の原理的な制御および作用を、アナログ式に
作動する図2の実施例と、マイクロプロセッサで制御さ
れる図4の実施例について、図3のグラフに基づき説明
する。この図3のグラフには、横軸に時間が分(t)で
記入され、2本の縦軸に、暖房回路9内の熱伝達媒体の
摂氏温度TWTと流量VWTが記入されている。最初、例え
ば温度−20℃、流量VWT=0から出発する。
【0020】暖房装置にスイッチを入れた後、エンジン
と無関係の加熱装置11の循環ポンプ10は定格出力、
すなわちその定格回転数で作動する。熱伝達媒体の流量
WTが一点鎖線で示してある。この流量はほぼ循環ポン
プ10の回転数nに比例するがしかし、熱伝達媒体の温
度が低いときにはその粘性が高いので回転数nに対して
線形に比例しない。VWTの値は加熱装置11を始動させ
た後、エンジンブロック4の良好な流通に必要とされる
ような例えば200リットル/時間の値まで急激に上昇
する。熱伝達媒体の加熱により、この熱伝達媒体の粘性
が低下するので、初めのうちは循環ポンプ10の回転数
nが一定であるにもかかわらず、流量V WTが上昇する。
【0021】破線Aは、本発明による制御を行わないと
きの、時間に対する熱伝達媒体温度TWTの経過を示して
いる。この熱伝達媒体温度TWTの経過には、本発明で得
られる熱伝達媒体温度経過が対比される。この場合、図
2のアナログ式の実施例の場合の熱伝達媒体温度経過が
1 の二点鎖線で示してあり、そして図4のマイクロプ
ロセッサ制御の例の場合の熱伝達媒体温度経過がB2
破線で示してある。
【0022】曲線AとB1 またはB2 の対比から判るよ
うに、本発明による解決策によって、例えば70℃の温
度までの熱伝達媒体の加熱が非常に迅速に行われる。熱
伝達媒体の実際の温度を示す曲線B1 ,B2 は両方共少
なくとも一部が、Tsoll1 ,Tsoll2 の実線で示した直
線に非常に近似する。この直線の勾配dT/dtは所望
の温度上昇速度の目標値を示す。
【0023】図2のアナログ式制御の実施例の場合に
は、曲線B1 の点Wまでの下側範囲において、曲線Aの
場合のような従来の温度上昇速度に対する近似が生じ
る。点Wは次のようにすることによって生じる。すなわ
ち、本システムの場合に階段状電圧ジェネレータがシス
テムの実際の初期温度(本例では−20℃)に対応する
温度目標値を設定しないで、上述のように仮の初期温度
(例えば−50℃)に対応する0Vの電圧から出発する
ことによって生じる。実際温度TWTがTsollと呼ばれる
直線と交叉する点Wから、曲線B1 は階段状電圧ジェネ
レータによって設定され図に理想化して示したこの直線
soll1 に追従する。従って、この場合にも、本例では
70℃である所望の熱伝達媒体温度が非常に迅速に得ら
れる。熱伝達媒体温度の迅速な上昇は本発明では、循環
ポンプ10の回転数nの制御によって点Wから流量VWT
を減らすことにより達成される。
【0024】曲線Cも本発明による制御に関する。たと
え循環ポンプ10がその定格出力で作動しても、0℃以
下の低い温度範囲において、流量VWTはほぼ点Wまで増
加する。この現象は、熱伝達媒体が冷却液のようにこの
低い温度のときにゼリー状に固まる傾向があることに起
因する。熱伝達媒体がゼリー状に固まることは、循環ポ
ンプ10のほぼ一定の定格出力にもかかわらず、流量V
WTが増加する方向に変化することを意味する。そして、
制御装置18を介して点Wから循環ポンプ10の回転数
nが低下させられる。すなわち、流量VWTが減少し、そ
して曲線B1 に対応して熱伝達媒体の温度TWTがコマン
ドとしての働きをする目標値Tsollに近接するまで迅速
に上昇する。例えば10分経過後、熱伝達媒体は約70
℃の最高目標温度Tsollに対応する温度に達した。車両
室内16への連続的な熱放出の場合にもこの温度を保つ
ようにするために、制御装置18を介して流れの量を再
び増加させることができる。この場合、循環ポンプ10
の回転数と流量VWTが再び増加する。
【0025】図4のマイクロコンピュータ制御式の制御
に対応する実施例の場合、図3の図示において、熱伝達
媒体の目標温度曲線Tsoll2 と実際温度TWTは理想的な
場合には曲線B2 に一致する。その場合制御は、図4の
フローチャートから判るように、加熱装置のスタート
後、普通の予備加熱を行い、そしてドイツ連邦共和国特
許出願公開第3822899号明細書に記載されている
ように制御機器によって公知の方法で実施される部分負
荷範囲で始動した後、加熱装置が全負荷運転で作動する
や否や開始される。加熱装置が全負荷に切り換えられる
まで約2分経過するので、この時間の間循環ポンプ10
はほとんど制御されないで定格出力範囲で回転する。そ
れによって、エンジンブロック4内の一様な流れが保証
される。
【0026】図3の曲線B1 ,B2 は曲線Aと比較し
て、次のことを明示している。すなわち、本発明の場合
熱伝達媒体が制御装置18によって非常に迅速に温めら
れるので、図1の熱交換器を介して車両暖房ファン15
により、暖房のスイッチを入れた後で非常に迅速に、高
い温度レベルの温風を車両室内16に放出可能であるこ
とを明示している。
【0027】図3の曲線Cと関連して曲線B1 から読み
取れるように、制御装置18を使用して暖房のスイッチ
を入れることにより、所定の時間の間、階段状電圧ジェ
ネレータ21を介して温度上昇速度Tがその目標値T
sollまで高められる。暖房のスイッチを入れた後で温度
上昇速度の実際値Tist が目標値Tsollを上回るときに
は、実際値が目標値に近づくまで、循環ポンプはその定
格出力で作動する。この近接の個所は図3のグラフでは
ほぼ点Wである。点Wでの目標値Tsollと実際値Tist
のこの近似の際、循環ポンプ10の回転数nが低下す
る。続いて実際値T ist が目標値Tsollを上回るときに
は、循環ポンプ10の回転数nが再び高められる。制御
装置18は好ましくは、温度センサ17によって例えば
約70℃の所定の熱伝達媒体温度TWTが達成されるま
で、循環ポンプ10の回転数を制御する。この所定の熱
伝達媒体温度TWTに達した後で、制御装置18を介して
循環ポンプ10の回転数を調節しながらこの熱伝達媒体
温度がほぼ一定に保たれる。
【0028】熱伝達媒体の温度上昇速度の目標値Tsoll
が約5〜20K/分の範囲であると好ましいことが判っ
た。特に、この目標値Tsollは約12K/分に達する。
図4には、本発明による暖房装置を運転するためのマイ
クロコンピュータ制御の解決策の一例がフローチャート
で示してある。ステップS1では、燃料で運転されエン
ジンと無関係の図1の加熱装置11が運転される。ステ
ップS1のすぐ後のステップS2では、循環ポンプ10
が定格出力で作動する。すなわち、循環ポンプがその定
格回転数で作動する。それに続くステップS3では、例
えば加熱装置11の運転制御部25の質問部を介して、
加熱装置11が既に全負荷運転で作動しているかどうか
質問される。ノーの場合には、この質問に対してイエス
と答えるまで、質問が連続的に繰り返される。これは予
備加熱相および部分負荷スタートに基づいてステップS
2の後約2分間行われる。
【0029】ステップS3における質問に対する答えが
イエスのときには、循環ポンプ10の本発明による本来
の制御プロセスが、コマンドとしての所定の目標温度勾
配によって開始される。ステップS4〜S7では、温度
センサ17によって二つの異なる時間に熱伝達媒体の温
度n,n+1が測定される。これから、ステップS7に
おいて、そこに記載された式に応じて熱伝達媒体温度上
昇速度の実際値Tist が計算されて求められる。そして
ステップS8において、Tist <Tsollであるか否かが
質問される。この質問に対してイエスであるときには、
ステップS12において、循環ポンプ10の出力または
循環ポンプの回転数が最低であるか否かが質問される。
ステップS12のこの質問に対してノーであるときに
は、循環ポンプ10の出力または回転数が特に1段だけ
絞られ、そして制御プロセスがステップS4等によって
開始されて再び行われる。ステップS12における質問
に対してイエスであるときには、場合によって何らかの
理由で部分負荷の状態にある加熱装置11が全負荷運転
に切り換えられ、そして制御プロセスがステップS4等
によって開始されて再び行われる。
【0030】これに対して、ステップS8の質問にノー
であるときには、他のステップS9においてTist >T
sollであるか否かが質問される。この質問に対してノー
である場合には、方法ステップがステップS4によって
開始されて再び行われる。これに対して、ステップS9
でイエスであるときには、他のステップS10において
循環ポンプ10の出力または回転数が既に最大であるか
否かが質問される。この質問に対してノーであるときに
は、循環ポンプ10の出力または回転数が特に1段だけ
高められるかまたは全般的に見て高められる。これに対
してステップS10においてイエスであるときには、ス
テップS11において例えば、加熱装置11が部分負荷
で作動しているか否かが質問される。この場合答えがノ
ーであるときには、加熱装置11が部分負荷運転に切り
換えられる。これに対してステップS11においてイエ
スであるときには、加熱装置11が制御中断に切り換え
られる。それに続いて、図4のプログラムのプロセスで
は、ステップS4によって再び続行する。
【0031】図4に例として示したこのプロセスの場合
には、単位時間当たりの温度変化dT/dtがコマンド
としての働きをし、熱伝達媒体内での蒸気泡発生を効果
的防止するために、この温度変化が目標値Tsollを上回
らないようにすべきである。図4に補足的に示した、全
負荷、部分負荷および制御中断への加熱装置11の切り
換えは、本発明の実施のための必須の要求ではなく、加
熱装置11がいろいろな出力段で運転可能である場合の
ための補足的なものである。加熱装置11がこのような
負荷範囲に依存する運転を許容しないときには当然、図
4のフローチャートにおいて対応する分枝が省略され
る。
【0032】図5に基づいて、本発明による暖房のとき
の制御方法の実施例を説明する。この実施例は広い範囲
にわたって連続的な暖房制御を提供する。この連続的な
暖房制御は、燃焼空気ファン28と配量ポンプ27の出
力に対する制御によって可能である。約80〜85℃の
熱伝達媒体の温度範囲にいわゆる蒸気衝撃限界がある。
液状熱伝達媒体内の蒸気泡発生を避けるためには、この
蒸気衝撃限界を上回らないようにすべきである。図3と
図4の方法のアナログ式の適用では、この範囲において
も温度変化速度が曲線B2 による実際値として検出さ
れ、所定の目標値Tsoll2 と比較される。
【0033】図6にはフローチャートが示してある。こ
の場合、図4と同じまたは類似のステップには同じ参照
符号が付けてある。この実施例の場合、熱伝達媒体温度
の目標値と実際値との間の比較結果に依存して、循環ポ
ンプ回転数の制御の他に、加熱出力が高められ、最低限
に絞られるかあるいは所定の方法で低下させられる。従
って、図4とのこの相違について、加熱装置運転の切り
換えに関連して説明する(例えば図6のステップS11
のノーの答えに続くステップやステップS12のイエス
の答えに続くステップ参照)。
【0034】この実施例の場合には、流量の制御と加熱
出力の制御により、特に蒸気衝撃限界の近くの温度限界
範囲を最適に利用することができ、その際そのために或
る温度安全限界を設定する必要がない。しかも、蒸気泡
発生が効果的に避けられる。この実施例では全体とし
て、前記の両実施例に対して高められた熱伝達媒体の温
度レベルによって、このような暖房の効率が更に改善さ
れる。
【0035】本発明の好ましい実施例の詳細について説
明したが、本発明はこの詳細に限定されるものではな
く、当業者が本発明の思想を逸脱することなく必要に応
じて行うことができる多数の変更や変形が可能である。
特に、制御装置18は加熱装置11の運転制御部25の
制御回路に統合可能である。制御装置18を運転制御部
に統合する場合には、運転制御部で使用される温度セン
サ26が制御装置18のための温度センサ17として有
利に使用される。更に、温度上昇速度Tsollのための目
標値は、その都度与えられる詳細な事柄を考慮して、次
のように選択される。すなわち、熱伝達媒体内の蒸気泡
発生と、それによって生じる車両暖房装置の危険な状態
と、エンジンとは無関係の、燃料に運転される加熱装置
11の危険な状態が確実に避けられるように選択され
る。Tsollのそれぞれの標準的な値は例えば試験によっ
て求めることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による暖房
装置は、蒸気泡発生のような危険な熱伝達媒体状態を回
避すると共に、車内へのできるだけ迅速な熱供給を可能
にするという利点がある。本発明による暖房装置は更
に、構造が簡単で、かつ組み込みコストが少なくて済む
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車暖房装置を概略的に示すた
めのブロック線図である。この場合、循環ポンプと温度
センサはエンジンとは無関係の加熱装置に統合されてい
る。
【図2】図1に示した自動車暖房装置の場合に制御装置
の実施例の回路図である。
【図3】本発明の自動車暖房装置の場合に制御装置によ
って行われる回転数制御を明らかにするためのグラフで
ある。
【図4】図1に概略的に示した暖房装置の作動態様を明
らかにするため、あるいはこの暖房装置の運転方法を明
らかにするためのフローチャートである。
【図5】図1の自動車暖房装置の制御方法の他の実施例
を明らかにするためのグラフである。
【図6】図5の制御方法を実施するための、図4と類似
のフローチャートである。
【符号の説明】
1 冷却器 2 熱伝達媒体出口 3 熱伝達媒体入口 4 エンジンブロック 5 温度調整弁 6 バイパス管 7 エンジンで運転される循環ポンプ 8 エンジンブロック4における他の冷却
媒体出口 9 加熱回路 10 循環ポンプ 11 エンジンに依存しない加熱装置 12 入口 13 出口 14 熱交換器または車両熱交換器 15 車両暖房ファン 16 車両室内 17 温度センサ 18 制御装置 20 演算部 21 階段状電圧ジェネレータ 22 P−コントローラ 23 最終段 24 循環ポンプ10のモータ 25 運転制御部 26 温度センサ 27 配量ポンプ 28 燃焼空気ファン S1〜S12 図4のフローチャートにおけるステ
ップ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝達媒体回路(9)が車両暖房ファン
    (15)を付設した少なくとも1個の熱交換器(14)
    と、エンジンに依存しない、燃料で運転される加熱装置
    (11)と、循環ポンプ(10)と、熱伝達媒体温度
    (TWT)用の温度センサ(17)とを含み、循環ポンプ
    (10)の回転数が温度センサ(17)によって検出さ
    れた熱伝達媒体温度(TWT)に依存して制御装置(1
    8)によって制御される自動車用の暖房装置、特に自動
    車の車内用の暖房装置において、暖房運転の少なくとも
    一部範囲において熱伝達媒体温度の上昇時に、温度セン
    サ(17)を介して検出された実際値(Tist )と比較
    して、目標値として設定された温度上昇速度、すなわち
    単位時間当たりの温度変化(Tsoll)に応じて、制御装
    置(18)が循環ポンプ(10)の回転数を制御するこ
    とを特徴とする暖房装置。
  2. 【請求項2】 暖房装置のスイッチを入れた後で、実際
    値(Tist )が温度上昇速度の目標値(Tsoll)を上回
    るときに、実際値が目標値に近づくまで、循環ポンプ
    (10)をその定格出力で作動させることを特徴とする
    請求項1の暖房装置。
  3. 【請求項3】 目標値(Tsoll)が実際値(Tist )を
    上回るときに、循環ポンプ(10)の回転数を低下させ
    ることを特徴とする請求項1または2の暖房装置。
  4. 【請求項4】 回転数が段階的に低下させられることを
    特徴とする請求項3の暖房装置。
  5. 【請求項5】 所定の熱伝達媒体温度(TWT)に達した
    ときに、温度上昇速度Tsollが零の値をとることを特徴
    とする請求項1から4までのいずれか一つの暖房装置。
  6. 【請求項6】 所定の熱伝達媒体温度(TWT)が約70
    ℃であることを特徴とする請求項5の暖房装置。
  7. 【請求項7】 所定の熱伝達媒体温度(TWT)に達した
    ときに、この熱伝達媒体温度が制御装置(18)を介し
    て循環ポンプ(10)の回転数を制御しながらほぼ一定
    に保たれることを特徴とする請求項5または6の暖房装
    置。
  8. 【請求項8】 目標値として設定された熱伝達媒体の温
    度上昇速度(Tsoll)が約8〜20K/分の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つの
    暖房装置。
  9. 【請求項9】 目標値として設定された熱伝達媒体の温
    度上昇速度(Tsoll)が約12K/分であることを特徴
    とする請求項8の暖房装置。
  10. 【請求項10】 目標値として設定された熱伝達媒体の
    温度上昇速度(Tso ll)が階段状電圧ジェネレータ(2
    1)によって所定の時間内に上昇する電圧として発生す
    ることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つ
    の暖房装置。
  11. 【請求項11】 階段状電圧ジェネレータ(21)によ
    って発生する電圧が0Vから5Vまで階段状に高められ
    ることを特徴とする請求項10の暖房装置。
  12. 【請求項12】 電圧の上昇が約10分の時間内に行わ
    れることを特徴とする請求項10の暖房装置。
  13. 【請求項13】 温度センサ(17)によって検出され
    た実際値が、PI−コントローラ(22)を介して、電
    圧として発生した目標値と比較される電圧であることを
    特徴とする請求項10から12までのいずれか一つの暖
    房装置。
  14. 【請求項14】 得られた比較結果に依存して、循環ポ
    ンプモータ(24)の最終段(23)が制御されること
    を特徴とする請求項13の暖房装置。
  15. 【請求項15】 温度センサ(17)がPTC特性を有
    することを特徴とする請求項1から14までのいずれか
    一つの暖房装置。
  16. 【請求項16】 温度センサ(17)がエンジンとは無
    関係の加熱装置(11)に統合されていることを特徴と
    する請求項1から15までのいずれか一つの暖房装置。
  17. 【請求項17】 循環ポンプ(10)がエンジンとは無
    関係の加熱装置(11)に統合されていることを特徴と
    する請求項1から16までのいずれか一つの暖房装置。
  18. 【請求項18】 循環ポンプ(10)の回転数のための
    制御装置(18)が暖房装置(11)の運転制御部に統
    合されていることを特徴とする請求項1から17までの
    いずれか一つの暖房装置。
  19. 【請求項19】 充分なエンジン予熱を保証するため
    に、加熱装置(11)のスイッチを入れた後で循環ポン
    プ(10)の回転数が先ず最初に最大となり、加熱装置
    (11)の全負荷段に達した後で初めて制御装置(1
    8)によって調節されることを特徴とする請求項1から
    18までのいずれか一つの暖房装置。
  20. 【請求項20】 充分なエンジン予熱を保証するため
    に、熱伝達媒体の設定温度または加熱装置(11)の運
    転時間の設定時間を上回った後で初めて、あるいは所定
    の温度勾配(TW )を下回った後で初めて、制御装置
    (18)が循環ポンプ(10)の回転数を制御すること
    を特徴とする請求項1から19までのいずれか一つの暖
    房装置。
  21. 【請求項21】 設定温度が約0℃であることを特徴と
    する請求項20の暖房装置。
  22. 【請求項22】 所定の温度勾配(TW )が約2〜5K
    /分であることを特徴とする請求項1から20までのい
    ずれか一つの暖房装置。
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