JPH05193082A - 軟質フッ素樹脂を含む積層材料 - Google Patents
軟質フッ素樹脂を含む積層材料Info
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- JPH05193082A JPH05193082A JP4009487A JP948792A JPH05193082A JP H05193082 A JPH05193082 A JP H05193082A JP 4009487 A JP4009487 A JP 4009487A JP 948792 A JP948792 A JP 948792A JP H05193082 A JPH05193082 A JP H05193082A
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- Japan
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- resin
- soft fluororesin
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- ethylene
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ポリアミド樹脂の優れた特性を生かし、耐メタ
ノール性、耐酸性等の耐薬品性にも優れた積層材料の提
供。 【構成】軟質フッ素樹脂およびまたはエチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂からなる層と、ポリアミド樹
脂からなる層をエチレンとフルオロオレフインの共重合
樹脂、軟質フッ素樹脂およびポリアミドの3成分混合樹
脂層を介して、熱溶着する。 【効果】軟質フッ素樹脂を含む積層材料は、基材の前処
理を要さず熱溶着のみで製造できるため、共押出し成形
によるチューブやホース成形が容易であり耐サワーガソ
リン性、耐酸性、耐メタノール性に優れた積層材料を得
ることができる。
ノール性、耐酸性等の耐薬品性にも優れた積層材料の提
供。 【構成】軟質フッ素樹脂およびまたはエチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂からなる層と、ポリアミド樹
脂からなる層をエチレンとフルオロオレフインの共重合
樹脂、軟質フッ素樹脂およびポリアミドの3成分混合樹
脂層を介して、熱溶着する。 【効果】軟質フッ素樹脂を含む積層材料は、基材の前処
理を要さず熱溶着のみで製造できるため、共押出し成形
によるチューブやホース成形が容易であり耐サワーガソ
リン性、耐酸性、耐メタノール性に優れた積層材料を得
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素樹脂とポリアミド
樹脂を含む積層体に関するもので、例えばアルコール、
酸等に対する高度の耐薬品性が要求されるホース、チュ
ーブ、ガスケット等の用途に好適な材料を提供するもの
である。
樹脂を含む積層体に関するもので、例えばアルコール、
酸等に対する高度の耐薬品性が要求されるホース、チュ
ーブ、ガスケット等の用途に好適な材料を提供するもの
である。
【0002】
【従来技術とその問題点】近年、フッ素樹脂は耐候性、
耐薬品性、非粘着性等の特徴を活かした分野に使用され
ているが、フッ素樹脂には高価格という問題があり、必
要な機能を保持させながらより低価格化を目的として各
種積層体が検討されている。
耐薬品性、非粘着性等の特徴を活かした分野に使用され
ているが、フッ素樹脂には高価格という問題があり、必
要な機能を保持させながらより低価格化を目的として各
種積層体が検討されている。
【0003】一方ポリアミド樹脂は、諸特性のバランス
のとれた材料であり、特に高強度、靱性、耐摩擦摩耗
性、加工性等に特徴を有するものであり、自動車部品、
電気部品、一般機械部品等多くの用途に使用されてい
る。また、ポリアミド樹脂の中でその引張弾性率が50
00Kgf/cm2以下のいわゆる柔軟ナイロン樹脂はその柔
軟性を生かし、自動機械、ロボット、自動車等のチュー
ブ、ホース等として広く使用されている。
のとれた材料であり、特に高強度、靱性、耐摩擦摩耗
性、加工性等に特徴を有するものであり、自動車部品、
電気部品、一般機械部品等多くの用途に使用されてい
る。また、ポリアミド樹脂の中でその引張弾性率が50
00Kgf/cm2以下のいわゆる柔軟ナイロン樹脂はその柔
軟性を生かし、自動機械、ロボット、自動車等のチュー
ブ、ホース等として広く使用されている。
【0004】しかしこれらのポリアミド樹脂は欠点とし
て耐メタノール性、耐酸性が劣るため、これらへの耐性
が特に要求される用途への適用は問題があった。例えば
自動車用燃料ホースの材料として、ナイロン11あるい
はナイロン12が使用されているが、このホースはメタ
ノール系燃料では膨潤し使用が困難である。また、耐サ
ワーガソリン性を要求される部位では寿命が短いという
欠点を有する。そこでこれらポリアミド樹脂とフッ素樹
脂の積層により接液部の耐薬品性を向上させようとする
試みが多くなされている。しかしながら一般にフッ素樹
脂は他樹脂との相溶性に欠けるため、その積層にはフッ
素樹脂表面のコロナ放電処理あるいはナトリウムエッチ
ング処理等の前処理を必要とし、さらにこれらの両層を
接着剤を介して積層する方法がとられている。しかしな
がらこの方法は例えば積層ホースの製造時に工程が複雑
となり操作が煩雑になるという欠点を有している。
て耐メタノール性、耐酸性が劣るため、これらへの耐性
が特に要求される用途への適用は問題があった。例えば
自動車用燃料ホースの材料として、ナイロン11あるい
はナイロン12が使用されているが、このホースはメタ
ノール系燃料では膨潤し使用が困難である。また、耐サ
ワーガソリン性を要求される部位では寿命が短いという
欠点を有する。そこでこれらポリアミド樹脂とフッ素樹
脂の積層により接液部の耐薬品性を向上させようとする
試みが多くなされている。しかしながら一般にフッ素樹
脂は他樹脂との相溶性に欠けるため、その積層にはフッ
素樹脂表面のコロナ放電処理あるいはナトリウムエッチ
ング処理等の前処理を必要とし、さらにこれらの両層を
接着剤を介して積層する方法がとられている。しかしな
がらこの方法は例えば積層ホースの製造時に工程が複雑
となり操作が煩雑になるという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】本発明はポリアミド
樹脂の優れた特性を生かし、かつ耐メタノール性、耐酸
性等の耐薬品性にも優れた積層材料を提供するものであ
り、さらには基材の前処理を要さず、かつ加熱融着のみ
で容易に積層化できる積層体を提供するものである。
樹脂の優れた特性を生かし、かつ耐メタノール性、耐酸
性等の耐薬品性にも優れた積層材料を提供するものであ
り、さらには基材の前処理を要さず、かつ加熱融着のみ
で容易に積層化できる積層体を提供するものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはかかる問
題点にかんがみポリアミド樹脂とフッ素系樹脂との積層
化について鋭意検討の結果、耐薬品性の層としてエチレ
ンとフルオロオレフインの共重合樹脂を主成分として用
い、ポリアミド樹脂との接着層として軟質フッ素樹脂と
ポリアミド樹脂の混合樹脂を主成分とした樹脂を用いる
ことで目的とする加熱融着のみで容易に積層化できる積
層体が得られることを見出し、本発明に到達した。
題点にかんがみポリアミド樹脂とフッ素系樹脂との積層
化について鋭意検討の結果、耐薬品性の層としてエチレ
ンとフルオロオレフインの共重合樹脂を主成分として用
い、ポリアミド樹脂との接着層として軟質フッ素樹脂と
ポリアミド樹脂の混合樹脂を主成分とした樹脂を用いる
ことで目的とする加熱融着のみで容易に積層化できる積
層体が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、耐薬品性の層を形成するフッ素
樹脂としては、耐熱性、耐候性、機械的特性、耐薬品性
および溶融成形性等を考慮した結果、エチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂が適当であった。しかしなが
ら、エチレンとフルオロオレフインの共重合樹脂とポリ
アミド樹脂は単なる熱圧着では接着できず、この両者に
相溶性のある接着層を介在させる必要があった。この中
間層の樹脂としては本発明者らが特公昭62ー3432
4に開示している、すくなくとも一種以上の含フッ素単
量体を含む一種以上の単量体と、分子内に二重結合とペ
ルオキシ結合を同時に有する単量体とを共重合せしめて
そのガラス転移温度が室温以下である含フッ素弾性共重
合体 (幹ポリマー)を製造し、この幹ポリマー100
重量部に対してエチレンとフルオロオレフイン単量体2
0〜80重量部グラフト重合せしめたものである軟質フ
ッ素樹脂とポリアミド樹脂との混合樹脂が最適であっ
た。この軟質フッ素樹脂はエチレンとフルオロオレフイ
ンの共重合樹脂、ポリアミド樹脂の双方に相溶性を有し
ており、エチレンとフルオロトレフインの共重合樹脂、
ポリアミド樹脂間の良好な熱溶融接着層を形成する。
樹脂としては、耐熱性、耐候性、機械的特性、耐薬品性
および溶融成形性等を考慮した結果、エチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂が適当であった。しかしなが
ら、エチレンとフルオロオレフインの共重合樹脂とポリ
アミド樹脂は単なる熱圧着では接着できず、この両者に
相溶性のある接着層を介在させる必要があった。この中
間層の樹脂としては本発明者らが特公昭62ー3432
4に開示している、すくなくとも一種以上の含フッ素単
量体を含む一種以上の単量体と、分子内に二重結合とペ
ルオキシ結合を同時に有する単量体とを共重合せしめて
そのガラス転移温度が室温以下である含フッ素弾性共重
合体 (幹ポリマー)を製造し、この幹ポリマー100
重量部に対してエチレンとフルオロオレフイン単量体2
0〜80重量部グラフト重合せしめたものである軟質フ
ッ素樹脂とポリアミド樹脂との混合樹脂が最適であっ
た。この軟質フッ素樹脂はエチレンとフルオロオレフイ
ンの共重合樹脂、ポリアミド樹脂の双方に相溶性を有し
ており、エチレンとフルオロトレフインの共重合樹脂、
ポリアミド樹脂間の良好な熱溶融接着層を形成する。
【0008】ここで使用する分子内に二重結合とペルオ
キシ結合を同時に有する単量体としては、t-ブチルペル
オキシメタクリレート、t-ブチルペルオキシクロトネー
ト等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt-ブチルペ
ルオキシアリルカーボネート、p-メンタンペルオキシア
リルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボネート類
が例示できる。
キシ結合を同時に有する単量体としては、t-ブチルペル
オキシメタクリレート、t-ブチルペルオキシクロトネー
ト等の不飽和ペルオキシエステル類、およびt-ブチルペ
ルオキシアリルカーボネート、p-メンタンペルオキシア
リルカーボネート等の不飽和ペルオキシカーボネート類
が例示できる。
【0009】また、含フッ素弾性共重合体の組成として
は、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロ
ペン(HFP)の二元共重合体、VDF、HFPおよび
テトラフルオロエチレン(TFE)との三元共重合体、
およびVDFとクロロトリフルオロエチレン(CTF
E)の二元共重合体などが例示されるが、とくにその組
成を限定するものではない。
は、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロ
ペン(HFP)の二元共重合体、VDF、HFPおよび
テトラフルオロエチレン(TFE)との三元共重合体、
およびVDFとクロロトリフルオロエチレン(CTF
E)の二元共重合体などが例示されるが、とくにその組
成を限定するものではない。
【0010】また耐薬品性層に使用する樹脂はエチレン
とフルオロオレフインの共重合樹脂の他、エチレンとフ
ルオロオレフインの共重合樹脂セグメントを有している
軟質フッ素樹脂、さらにはこの両樹脂の混合樹脂が使用
できる。これらの耐薬品性層に使用する樹脂は要求され
る積層体の耐薬品性、各層の厚みならびに柔軟性の程度
によって選択される。耐薬品性はエチレンとフルオロオ
レフインの共重合樹脂のように結晶性が高く硬い樹脂の
方が良好であるが、ホース等に用いる場合には屈曲性が
損われることになる。さらに接着層に用いる軟質フッ素
樹脂とポリアミド樹脂の混合樹脂にも必要に応じてエチ
レンとフルオロオレフインの共重合樹脂を添加すること
が望ましい。接着層の樹脂混合比率もその要求される柔
軟性の程度ならびに薬品の透過性等を勘案して決定され
るが、混合するポリアミド樹脂の量はエチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂と軟質フッ素樹脂の混合樹脂
100重量部に対して、10〜120重量部が望まし
い。この範囲よりポリアミド樹脂が少ない場合には外層
であるポリアミド樹脂との接着性が弱くなるし、またこ
の範囲を越える場合には耐薬品性層との接着性が損われ
る。これらの樹脂の混合方法としては、一般の熱可塑性
樹脂で用いられているような、二本ロール、押出成形機
などを使用した溶融混練法が適している。 ポリアミド
樹脂としては市販されている各種のものが使用できるが
ホース等に用いる積層体の柔軟性を考えるとその引張弾
性率が5000Kgf/cm2以下のいわゆる柔軟ナイロン樹
脂が望ましい。またポリアミド樹脂に可塑剤を添加して
柔軟性を向上させたものも使用できる。
とフルオロオレフインの共重合樹脂の他、エチレンとフ
ルオロオレフインの共重合樹脂セグメントを有している
軟質フッ素樹脂、さらにはこの両樹脂の混合樹脂が使用
できる。これらの耐薬品性層に使用する樹脂は要求され
る積層体の耐薬品性、各層の厚みならびに柔軟性の程度
によって選択される。耐薬品性はエチレンとフルオロオ
レフインの共重合樹脂のように結晶性が高く硬い樹脂の
方が良好であるが、ホース等に用いる場合には屈曲性が
損われることになる。さらに接着層に用いる軟質フッ素
樹脂とポリアミド樹脂の混合樹脂にも必要に応じてエチ
レンとフルオロオレフインの共重合樹脂を添加すること
が望ましい。接着層の樹脂混合比率もその要求される柔
軟性の程度ならびに薬品の透過性等を勘案して決定され
るが、混合するポリアミド樹脂の量はエチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂と軟質フッ素樹脂の混合樹脂
100重量部に対して、10〜120重量部が望まし
い。この範囲よりポリアミド樹脂が少ない場合には外層
であるポリアミド樹脂との接着性が弱くなるし、またこ
の範囲を越える場合には耐薬品性層との接着性が損われ
る。これらの樹脂の混合方法としては、一般の熱可塑性
樹脂で用いられているような、二本ロール、押出成形機
などを使用した溶融混練法が適している。 ポリアミド
樹脂としては市販されている各種のものが使用できるが
ホース等に用いる積層体の柔軟性を考えるとその引張弾
性率が5000Kgf/cm2以下のいわゆる柔軟ナイロン樹
脂が望ましい。またポリアミド樹脂に可塑剤を添加して
柔軟性を向上させたものも使用できる。
【0011】本発明においては各層の厚みは限定的では
なく、その用途に応じて適した厚みになるよう要求特性
を考慮して各層の厚みを決定すればよいが、一般的には
価格面からフッ素樹脂の層をできるだけ薄くして用いる
方が有利である。
なく、その用途に応じて適した厚みになるよう要求特性
を考慮して各層の厚みを決定すればよいが、一般的には
価格面からフッ素樹脂の層をできるだけ薄くして用いる
方が有利である。
【0012】本発明の積層材料は熱溶着のみで製造でき
ることから、共押出し成形による3層構造のホース成形
が可能であり、とくに耐メタノール性あるいは耐サワー
ガソリン性の向上を図る自動車用燃料ホースには極めて
有用である。
ることから、共押出し成形による3層構造のホース成形
が可能であり、とくに耐メタノール性あるいは耐サワー
ガソリン性の向上を図る自動車用燃料ホースには極めて
有用である。
【0013】
【実施例】以下、実施例および参考例をもって本発明を
詳述するが、これらに限定されるものではない。
詳述するが、これらに限定されるものではない。
【0014】
(A)軟質フッ素樹脂の製造 100L容量のステンレス製オートクレーブに純水15
0Kg、過硫酸カリウム400g、パーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム50g、リン酸二水素カリウム500
gおよびブロンR−113で5%に希釈したt−ブチル
ペルオキシアリルカーボネート200gを加え、排気後
フッ化ビニリデンモノマー15Kg、クロロトリフルオ
ロエチレンモノマー12.2Kgを仕込み、攪拌しなが
ら10〜13Kg/cm2の圧力、50℃の温度で10時間重
合反応をおこなった。生成物として固形分濃度16.5
%の白色ラテックス145.5Kgが得られた。
0Kg、過硫酸カリウム400g、パーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム50g、リン酸二水素カリウム500
gおよびブロンR−113で5%に希釈したt−ブチル
ペルオキシアリルカーボネート200gを加え、排気後
フッ化ビニリデンモノマー15Kg、クロロトリフルオ
ロエチレンモノマー12.2Kgを仕込み、攪拌しなが
ら10〜13Kg/cm2の圧力、50℃の温度で10時間重
合反応をおこなった。生成物として固形分濃度16.5
%の白色ラテックス145.5Kgが得られた。
【0015】次の段階で、300L容量のステンレス製
オートクレーブに前記ラテックス136.7Kg(固形
分22.56Kg)と純水45.5Kg、パーフルオロ
オクタン酸アンモニウム50gを加え、排気および窒素
置換を繰り返した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶液1L
を加え、クロロトリフルオロエチレン15.4Kg、エ
チレン3.7を各々3回分割して仕込み、攪拌しながら
3〜12Kg/cm2の圧力、温度40℃で16時間重合をお
こなった。スラリーとして得られた生成物を遠心分離機
により瀘過分離し、80℃で2日乾燥して白色粉末の軟
質フッ素樹脂35.7Kgを得た。この重合体中のエチ
レンとクロロトリフルオロエチレンの含量は36.8重
量%であつた。
オートクレーブに前記ラテックス136.7Kg(固形
分22.56Kg)と純水45.5Kg、パーフルオロ
オクタン酸アンモニウム50gを加え、排気および窒素
置換を繰り返した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶液1L
を加え、クロロトリフルオロエチレン15.4Kg、エ
チレン3.7を各々3回分割して仕込み、攪拌しながら
3〜12Kg/cm2の圧力、温度40℃で16時間重合をお
こなった。スラリーとして得られた生成物を遠心分離機
により瀘過分離し、80℃で2日乾燥して白色粉末の軟
質フッ素樹脂35.7Kgを得た。この重合体中のエチ
レンとクロロトリフルオロエチレンの含量は36.8重
量%であつた。
【0016】(B)軟質フッ素樹脂ペレットの製造 前記(A)で得た軟質フッ素樹脂を30mm口径の押出成
形機(L/D=22)を使用し、180〜200℃の温
度でペレット化した。
形機(L/D=22)を使用し、180〜200℃の温
度でペレット化した。
【0017】(C)混合樹脂シートの製造 耐薬品性層(内層) (B)で得た軟質フッ素樹脂ペレットおよびエチレンと
フルオロオレフインの共重合樹脂として市販のECTF
E樹脂(アライド社製、商品名Halar 500 ペレット)を
表2に示す配合割合でタンブラー混合し、混合樹脂をL
/D=22の30mm口径の押出機ならびにシートダイか
ら180〜250℃の温度で押出し、巾150mm、厚み
0.5mmおよび1.0mmのシートを製造した。
フルオロオレフインの共重合樹脂として市販のECTF
E樹脂(アライド社製、商品名Halar 500 ペレット)を
表2に示す配合割合でタンブラー混合し、混合樹脂をL
/D=22の30mm口径の押出機ならびにシートダイか
ら180〜250℃の温度で押出し、巾150mm、厚み
0.5mmおよび1.0mmのシートを製造した。
【0018】 中間層 (B)で得た軟質フッ素樹脂ペレット、ECTFEおよ
びポリアミド樹脂としてナイロン12(宇部興産社製、
商品名3035JUペレットを80℃にて2時間乾燥さ
せたもの)を表2に示す配合割合でタンブラー混合し、
混合樹脂をL/D=22の30mm口径の押出機ならびに
シートダイから180〜250℃の温度で押出し、巾1
50mm、厚み0.5mmおよび1.0mmのシートを製造し
た。
びポリアミド樹脂としてナイロン12(宇部興産社製、
商品名3035JUペレットを80℃にて2時間乾燥さ
せたもの)を表2に示す配合割合でタンブラー混合し、
混合樹脂をL/D=22の30mm口径の押出機ならびに
シートダイから180〜250℃の温度で押出し、巾1
50mm、厚み0.5mmおよび1.0mmのシートを製造し
た。
【0019】(D)ポリアミド樹脂シートの製造 外層 上記で使用したナイロン12ペレット(80℃にて2時
間乾燥させたもの)をL/D=22の30mm口径の押出
機ならびにシートダイから180〜235℃の温度で押
出し巾150mm、厚み1.0、1.5および2.0mmのシ
ートを製造した。
間乾燥させたもの)をL/D=22の30mm口径の押出
機ならびにシートダイから180〜235℃の温度で押
出し巾150mm、厚み1.0、1.5および2.0mmのシ
ートを製造した。
【0020】(E)各シートの引張弾性率の測定 前記(B)〜(D)で得た1mm厚シートからJIS K
6301に規定された3号ダンベル状試験片を打抜き、
インストロン型の引張試験機にて23℃で10mm/minの
速度で引張った。得られた応力−歪曲線の初期の直線部
分の傾きから引張弾性率を算出した。その結果を表1に
示すが、耐薬品性層ならびに中間層では構成樹脂の配合
により弾性率で表わされる柔軟性が変化することがわか
る。
6301に規定された3号ダンベル状試験片を打抜き、
インストロン型の引張試験機にて23℃で10mm/minの
速度で引張った。得られた応力−歪曲線の初期の直線部
分の傾きから引張弾性率を算出した。その結果を表1に
示すが、耐薬品性層ならびに中間層では構成樹脂の配合
により弾性率で表わされる柔軟性が変化することがわか
る。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例1】 (A)積層体の製造 調製例(C)で得た耐薬品性層(内層)の0.5mm厚シ
ートから100×100mmを切出したものを1mm厚、2
00mm角のステンレス製平板の中央部に置き、シートの
片側の50×100mmの部分に溶着防止のために0.1m
m厚の中間層樹脂シート100×100mmを重ね、さら
にPTFEフィルムおよび調製例(D)で得た外層のポ
リアミド樹脂シート(1.0mm厚)を同様に重ね、1mm
厚、200mm角のステンレス製平板を載せた。
ートから100×100mmを切出したものを1mm厚、2
00mm角のステンレス製平板の中央部に置き、シートの
片側の50×100mmの部分に溶着防止のために0.1m
m厚の中間層樹脂シート100×100mmを重ね、さら
にPTFEフィルムおよび調製例(D)で得た外層のポ
リアミド樹脂シート(1.0mm厚)を同様に重ね、1mm
厚、200mm角のステンレス製平板を載せた。
【0023】このステンレス板に挟まれたシートを25
0℃に加熱された圧縮成形機に入れ、最初の10分間は
圧力をかけない状態で余熱後、水冷された圧縮成形機に
移し、20Kgf/cm2の圧力で5分間加圧、冷却して積層
体(2mm厚)を作成した。
0℃に加熱された圧縮成形機に入れ、最初の10分間は
圧力をかけない状態で余熱後、水冷された圧縮成形機に
移し、20Kgf/cm2の圧力で5分間加圧、冷却して積層
体(2mm厚)を作成した。
【0024】(B)積層体の接着性の評価 前記(A)で製造した積層体のシートから未溶着部が長
手方向にくるように巾25mm長さ100mmの試験片を切
り出し、各層間の接着力をJIS−K6854[接着剤
の剥離接着強さ試験方法]に準じ、常温における180
度剥離接着強さを測定した。この結果を表2に示した。
結果は剥離試験における引張荷重曲線の波状部の谷側の
平均値ならびに山側の平均値で示した。
手方向にくるように巾25mm長さ100mmの試験片を切
り出し、各層間の接着力をJIS−K6854[接着剤
の剥離接着強さ試験方法]に準じ、常温における180
度剥離接着強さを測定した。この結果を表2に示した。
結果は剥離試験における引張荷重曲線の波状部の谷側の
平均値ならびに山側の平均値で示した。
【0025】
【表2】
【0026】(C)積層体の耐薬品性の評価 前記(A)と同一の方法で溶着防止のPTFEフィルム
を挟まずに全面溶着した積層体を製造した。
を挟まずに全面溶着した積層体を製造した。
【0027】 耐酸性の評価 ASTM−C868−77に準拠した山崎式ライニング
テスターにより耐薬品性層を内側にして常温で60%硝
酸に浸漬した際の30日後の積層体の重量変化を測定し
た結果を、ポリアミド樹脂のみの2mm厚シートを用いた
場合の参考例とともに表2に示したが参考例と比較し
て、本発明の積層体では明らかに内面の耐酸性が向上し
ている。
テスターにより耐薬品性層を内側にして常温で60%硝
酸に浸漬した際の30日後の積層体の重量変化を測定し
た結果を、ポリアミド樹脂のみの2mm厚シートを用いた
場合の参考例とともに表2に示したが参考例と比較し
て、本発明の積層体では明らかに内面の耐酸性が向上し
ている。
【0028】 耐メタノール性の評価 底板が66mmφ(34.2cm2)、高さ50mmのステンレ
ス製カップ(上部にネ部を設けてシートで蓋ができるよ
うにしたもの)にメタノールを100cc入れ、耐薬品性
層が内側になるようにした、2mm厚×85mmφの積層体
シートに金網を合せたもので蓋をし、周辺部をシールし
て締め込んだ。この容器を下向きにしてメタノールが積
層体に接する形でオーブンに入れ、その重量変化を測定
し40℃における透過量(mg/hr)を算出した。また14
日間経過後の積層体自体の重量変化率も測定した。
ス製カップ(上部にネ部を設けてシートで蓋ができるよ
うにしたもの)にメタノールを100cc入れ、耐薬品性
層が内側になるようにした、2mm厚×85mmφの積層体
シートに金網を合せたもので蓋をし、周辺部をシールし
て締め込んだ。この容器を下向きにしてメタノールが積
層体に接する形でオーブンに入れ、その重量変化を測定
し40℃における透過量(mg/hr)を算出した。また14
日間経過後の積層体自体の重量変化率も測定した。
【0029】その結果をポリアミド樹脂のみの2mm厚シ
ートを用いた場合の参考例とともに表2に示したが、参
考例(-8.3% の重量減) と比較して、本発明の積層体で
は明らかに内面の耐メタノール性およびメタノールのバ
リヤー性が向上している。
ートを用いた場合の参考例とともに表2に示したが、参
考例(-8.3% の重量減) と比較して、本発明の積層体で
は明らかに内面の耐メタノール性およびメタノールのバ
リヤー性が向上している。
【0030】
【比較例1】中間層の樹脂配合で軟質フッ素樹脂を含ま
ない、ECTFE/ナイロン12=100/50とした
ものの積層体を実施例1(A)と同様の方法で製造し、
実施例1(B)と同様に各層との接着性の評価を行なっ
た。結果を表3に示したが、実施例1と比較して、接着
強さのバラツキが多く、中間層のECTFE/ナイロン
12のブレンド状態の不均一性が明らかである。
ない、ECTFE/ナイロン12=100/50とした
ものの積層体を実施例1(A)と同様の方法で製造し、
実施例1(B)と同様に各層との接着性の評価を行なっ
た。結果を表3に示したが、実施例1と比較して、接着
強さのバラツキが多く、中間層のECTFE/ナイロン
12のブレンド状態の不均一性が明らかである。
【0031】
【表3】
【0032】
【比較例2】0.5mm厚の耐薬品性層と1.5mm厚のポ
リアミド層の2層積層体を実施例1(A)と同様の方法
で製造し、実施例1(B)と同様にして接着性の評価を
行なった。結果を表4に示したが、実施例1と比較して
ごく低い接着力しか有しておらず、本発明の中間層を設
ける効果が明らかである。
リアミド層の2層積層体を実施例1(A)と同様の方法
で製造し、実施例1(B)と同様にして接着性の評価を
行なった。結果を表4に示したが、実施例1と比較して
ごく低い接着力しか有しておらず、本発明の中間層を設
ける効果が明らかである。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明の軟質フッ素樹脂を含む積層材料
は、熱溶着のみで製造できることから、共押出し成形に
よるチューブやホース成形が容易であり耐サワーガソリ
ン性、耐酸性に優れた高強度、靭性を有する自動車用燃
料ホースとして好適である。
は、熱溶着のみで製造できることから、共押出し成形に
よるチューブやホース成形が容易であり耐サワーガソリ
ン性、耐酸性に優れた高強度、靭性を有する自動車用燃
料ホースとして好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 151/00 JDH 7142−4J // C08F 259/08 MQJ 7142−4J (C08L 27/12 77:00) 9286−4J
Claims (6)
- 【請求項1】軟質フッ素樹脂あるいはエチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂からなる層と、ポリアミド樹
脂からなる層を軟質フッ素樹脂とポリアミドの混合樹脂
層を介して熱溶着してなることを特徴とする軟質フッ素
樹脂を含む積層材料。 - 【請求項2】エチレンとフルオロオレフインの共重合樹
脂と軟質フッ素樹脂の混合樹脂からなる層と、ポリアミ
ド樹脂からなる層を軟質フッ素樹脂とポリアミドの混合
樹脂層を介して熱溶着してなることを特徴とする軟質フ
ッ素樹脂を含む積層材料。 - 【請求項3】軟質フッ素樹脂あるいはエチレンとフルオ
ロオレフインの共重合樹脂からなる層と、ポリアミド樹
脂からなる層をエチレンとフルオロオレフインの共重合
樹脂、軟質フッ素樹脂、ポリアミドの3成分混合樹脂層
を介して熱溶着してなることを特徴とする軟質フッ素樹
脂を含む積層材料。 - 【請求項4】エチレンとフルオロオレフインの共重合樹
脂と軟質フッ素樹脂の混合樹脂からなる層と、ポリアミ
ド樹脂からなる層をエチレンとフルオロオレフインの共
重合樹脂、軟質フッ素樹脂およびポリアミドの3成分混
合樹脂層を介して熱溶着してなることを特徴とする軟質
フッ素樹脂を含む積層材料。 - 【請求項5】軟質フッ素樹脂がすくなくとも一種以上の
含フッ素単量体を含む一種以上の単量体と、分子内に二
重結合とペルオキシ結合を同時に有する単量体とを共重
合せしめて、そのガラス転移温度が室温以下である含フ
ッ素弾性共重合体(幹ポリマー)を製造し、この幹ポリ
マー100重量部に対してエチレンとフルオロトレフイ
ンの単量体を20〜80重量部グラフト重合せしめた請
求項1〜4記載の軟質フッ素樹脂を含む積層材料。 - 【請求項6】フルオロオレフインがクロロトリフルオロ
エチレンあるいはテトラフルオロエチレンである請求項
1〜5記載の軟質フッ素樹脂を含む積層材料。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009487A JPH05193082A (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 軟質フッ素樹脂を含む積層材料 |
US07/912,197 US5441782A (en) | 1991-07-16 | 1992-07-13 | Plastic laminate having polyamide resin surface layer and fluororesin surface layer |
DE69223095T DE69223095T2 (de) | 1991-07-16 | 1992-07-15 | Kunststofflaminat mit einer Oberflächenschicht aus Polyamidharz und einer Oberflächenschicht aus Fluorharz |
EP19920112020 EP0523644B1 (en) | 1991-07-16 | 1992-07-15 | Plastic laminate having polyamide resin surface layer and fluororesin surface layer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4009487A JPH05193082A (ja) | 1992-01-22 | 1992-01-22 | 軟質フッ素樹脂を含む積層材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05193082A true JPH05193082A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=11721591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4009487A Pending JPH05193082A (ja) | 1991-07-16 | 1992-01-22 | 軟質フッ素樹脂を含む積層材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05193082A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995011940A1 (fr) * | 1993-10-29 | 1995-05-04 | Daikin Industries, Ltd. | Composition de resine thermoplastique et stratifie a base de cette composition |
JP2014168952A (ja) * | 2013-03-01 | 2014-09-18 | Ti Automotive (Fuldabrueck) Gmbh | 多層燃料パイプ |
-
1992
- 1992-01-22 JP JP4009487A patent/JPH05193082A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1995011940A1 (fr) * | 1993-10-29 | 1995-05-04 | Daikin Industries, Ltd. | Composition de resine thermoplastique et stratifie a base de cette composition |
US5891538A (en) * | 1993-10-29 | 1999-04-06 | Baikin Industries, Ltd. | Thermoplastic resin composition and laminate comprising the same |
JP2014168952A (ja) * | 2013-03-01 | 2014-09-18 | Ti Automotive (Fuldabrueck) Gmbh | 多層燃料パイプ |
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