JPH0519278U - ユニツト式フツク回転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 給電用ケーブル敷設等の現場工事を不用とす
ることにより、既設揚重機やホイスト等にも簡単に装着
できるようにした。 【構成】 下端に駆動鎖車６を有する遠隔操作可能な回
転駆動装置５と、揚重フック１外周に嵌着された従動鎖
車７と、前記駆動鎖車と従動鎖車を連結する無端鎖８と
からなり、前記揚重フックを回転自在に垂設するフック
ブロック２に配設される揚重フックの回転装置におい
て、前記フックブロックに前記回転駆動装置に連結され
る蓄電式給電装置１１を配備すると共に、前記フックブ
ロック近傍に配設されるシーブホイール４ａに発電器を
連設し、シーブホイールの回転により前記蓄電式給電装
置へ充電する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は揚重用フック装置における回転装置に関し、特にユニット式で装着が 容易な、かつ遠隔操作可能なフック回転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

クレーンやホイスト等の揚重機のフックを遠隔操作によって自在に回転させよ うとする装置が、例えば特開昭５６−１４１２８８号公報、実開昭５９−８８０ ８３号公報等で従来より提案されている。これらの装置は歯車伝達機構を用いて フックを回転させるものであるが、フックの揺動に起因して歯車の噛合いが外れ たり、歯の折損を生じるなどのトラブルが多発する上に構造も複雑となり、実用 化するには多くの問題を抱えていた。

【０００３】 かかる問題点を効率的に解決すべく本出願人は簡単な構成で精度の高い回転制 御を可能とする回転式フック装置を創案し、実願平１−１２２０５０号として先 に出願した。

【０００４】 図３は周知の一般的な揚重装置に前記回転式フック装置を適用した一実施例を 示す断面構造図である。図において１は揚重用フック（以下単にフックと言う） であり、２は前記フック１を例えばスラスト軸受３を介して回転自在に垂設する フックブロックである。このフックブロック２は通常シーブホイール４ａを軸支 する軸４ｂに保持枠２ａを介して保持されている。而してフックブロック２は前 述したようにフック１を回転自在に垂設すると共に前記シーブホイール４ａと軸 ４ｂとからなるシーブブロック４に追従して昇降する構成となっている。５は前 記フックブロック２に立設固定された回転駆動装置であり、この回転駆動装置５ はその下端に駆動鎖車６を有し、この駆動鎖車６が前記フックブロック２の設定 下方に位置するよう固定されている。駆動鎖車６と同レベルに位置するフック１ の外周には従動鎖車７が嵌着されており、この従動鎖車７と前記駆動鎖車６には 無端鎖８が張設されている。而して回転駆動装置５を回転駆動することにより、 フック１を正逆自在に回転させることができる。係る回転式フック装置は、簡単 な構成ではあるが無端鎖８の可撓性を有効に活用し、フック１が揺動した状態で も確実に、しかも安全にフック１を回転させることができ、被揚重物や吊具の正 確な方向制御が可能であり、製造コストが安く、しかも無端鎖８の取替えや、伸 び調整が容易にでき、メンテナンス性に優れるなど種々の優れた効果を有してい る。

【０００５】 しかしながら回転駆動装置５として電動方式を用いたものでは給電ケーブルを 、またエアーモーターを用いるものでは圧縮空気送給ホースを敷設する必要があ り、既設の揚重機や簡易クレーンであるホイスト等に前記回転式フック装置を適 用するときの阻害要因となっていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前述した回転式フック装置のさらなる改良を図り、給電用ケーブル敷 設等の現場工事を不用とすることにより、前述した既設揚重機やホイスト等にも 簡単に装着できるようにしたユニット式フック回転装置の提供をその課題とする ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決する本考案に基づくユニット式フック回転装置は、下端に駆動 鎖車を有する遠隔操作可能な回転駆動装置と、揚重フック外周に嵌着された従動 鎖車と、前記駆動鎖車と従動鎖車を連結する無端鎖とからなり、前記揚重フック を回転自在に垂設するフックブロックに配設される揚重フックの回転装置におい て、前記フックブロックに前記回転駆動装置に連結される蓄電式給電装置を配備 すると共に、前記フックブロック近傍に配設されるシーブホイールに発電器を連 設し、シーブホイールの回転により前記蓄電式給電装置へ充電するよう構成され たことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

本考案のユニット式フック回転装置（以下単にフック回転装置と言う）は、フ ックブロックに蓄電式給電装置を配備し、この給電装置によって回転駆動装置を 駆動させる構造となっている。このため給電ケーブルを敷設するなどの現場工事 を不用とすることができる。また前記給電装置には発電器を連結し、シーブホイ ールの回転を利用して充電するよう構成されているため給電装置の充電期間を究 めて長くすることが可能となる。

【０００９】

【実施例】

図１および図２は本考案に基づくフック回転装置１０の一実施例を示す正面図 および側面図である。この図１および図２において、前記図３と同符号のものは 同一物を示すため説明を省略する。

【００１０】 さて、本考案のフック回転装置１０は回転駆動装置５が立設固定されたフック ブロック２にバッテリー、即ち蓄電式給電装置１１が配備されている。この給電 装置１１は前記回転駆動装置５に給電するためのもので、回転駆動装置５の出力 に応じた容量のもの、例えば回転駆動装置５に０．１５ＫＷのギヤードモーター を用いたものでは１２Ｖ１８ＡＨの容量があれば充分である。

【００１１】 またフックブロック２の近傍に配設されるシーブホイール４ａにはジェネレー ター、即ち発電器１２が連設されている。本実施例においては、シーブホイール ４ａの外周にホイールギヤ１３ａを取付けると共にこのホイールギヤ１３ａに歯 合するピニオンギヤ１３ｂを有する発電器１２をフックブロック２に固定した。 つまり発電器１２はホイールギヤ１３ａおよびピニオンギヤ１３ｂを介してシー ブホイール４ａに連設されている。発電器１２内には増速機構が設けられており 、フックブロック２の昇降に伴うシーブホイール４ａの回転を利用して発電する 。本実施例において前記発電器１２は、制御装置１４を介して前記給電装置１１ に連結されており、発電器１２の発電作用により給電装置１１は自動的に充電さ れる。また給電装置１１も制御装置１４を介して回転駆動装置５に連結されてお り、例えば無線操縦により制御装置１４を制御することにより回転駆動装置５を 遠隔操作で駆動することが可能となる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案のフック回転装置は、前述した回転式フック装置の有する特徴、即ち無 端鎖の可撓性を有効に活用し、フックが揺動した状態、あるいは無負荷状態でも 確実に、しかも安全にフックを回転させることができ、被揚重物や吊具の正確な 方向制御が可能である点や、簡単な構成であることから製造コストが安く、しか も無端鎖の取替えや、伸び調整が容易にでき、メンテナンス性に優れている点に 加えて、以下の優れた実用的効果を有する。即ち、フックブロック上に蓄電式給 電装置と発電器を配備していることから給電ケーブルを敷設するなどの現場工事 を一切不用とすることができる。このためフック回転装置をユニット式とするこ とができ、一層コンパクトなものとすることができる上に、ホイスト等の比較的 小型の揚重機に対しても容易にかつ簡単に装着することが可能となる。さらに給 電装置は発電器から常に充電されていることから特別に充電する手間が省け、仮 に充電するとしてもその周期を極めて長くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に基づくフック回転装置の一実施例を示
す正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】周知の一般的な揚重装置に回転式フック装置を
適用した一実施例を示す断面構造図である。

【符号の説明】 １ フック ２ フックブロック ２ａ 保持枠 ３ スラスト軸受 ４ シーブブロック ４ａ シーブホイール ４ｂ 軸 ５ 回転駆動装置 ６ 駆動鎖車 ７ 従動鎖車 ８ 無端鎖 １０ フック回転装置 １１ 給電装置 １２ 発電器 １３a ホイールギヤ １３ｂ ピニオンギヤ １４ 制御装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端に駆動鎖車を有する遠隔操作可能な
   回転駆動装置と、揚重フック外周に嵌着された従動鎖車
   と、前記駆動鎖車と従動鎖車を連結する無端鎖とからな
   り、前記揚重フックを回転自在に垂設するフックブロッ
   クに配設される揚重フックの回転装置において、前記フ
   ックブロックに前記回転駆動装置に連結される蓄電式給
   電装置を配備すると共に、前記フックブロック近傍に配
   設されるシーブホイールに発電器を連設し、シーブホイ
   ールの回転により前記蓄電式給電装置へ充電するよう構
   成されたことを特徴とするユニット式フック回転装置。