JPH0519191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシーム溶接機の電極輪の回転駆動装置
をユニツト化したもので、組み付け、組替えが簡
単にできるようにしたシーム電極輪の駆動装置に
関する。

（従来の技術） シーム溶接は、上下一対のシーム溶接用回転電
極として、円盤状の電極輪が用いられ、被溶接物
を上下から電極輪で挟持し、電極を回転駆動しな
がら電流を流して溶接を行う。

従来、シーム溶接機の電極輪を駆動する場合、
たとえば第１図に示すように溶接機３０の体内に
減速機３１を備えた電動機３２を設置し、この減
速機の出力側にギヤーボツクスを介して出力側に
２本の出力軸ａ，ｂを平行に備え、この２本の出
力軸と、電極輪のナール３４，３５を駆動するス
プライン軸３６，３７とを連結して両電極輪３
８，３９を同じ周速度で回転させているのが一般
的である。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、叙述した従来形の駆動装置は、
一般に大形で、機械の容量に応じてその都度設計
しなければならなかつた。また、溶接機の内側に
は溶接トランス４０を組み込むほか駆動装置を組
込むスペースも設ける必要があるため、機械本体
の奥行きがいきおい大きくなるだけでなく、機内
での組付けやメンテナンスが容易でなく、コスト
アツプにもつながるという制約があつた。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案は上記の問題を解消するもの
で、その概要は、シーム溶接機の一対の電極輪を
回転駆動する装置において、溶接機本体側に着脱
可能に取りつけられる取付板１４と、この取付板
の上に支持される２台の減速機１５，１６と１台
の電動機１７とからなり、前記電動機１７の出力
軸１８は、駆動伝達機構を介して一方の減速機１
５の入力軸２１に連結されており、前記減速機１
５の入力軸２１と同一軸芯線上に延出した連結軸
２２は他方の減速機１６の入力軸２３とカツプリ
ング２４を介して連結されていて、これら減速機
からの二つの出力軸２５，２６は各電極輪９，１
０を回転駆動するためのスプライン軸２７，２８
と連結されるものである。

（作用） そして、本考案では、駆動装置を完全にユニツ
ト化し小型、軽量に製作することができ、機内の
設置スペースが省略できるほか、従来のように溶
接機の機種ごとに駆動装置を設計する必要がな
く、コスト低減は勿論、駆動装置を機外へ壁掛け
式に簡単に取りつけることができ、保守点検がき
わめて容易になる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説
明する。

なお、第２図は本考案ユニツトをシーム溶接機
に使用した場合の側面図、第３図は本考案を具体
的に設計した正面図。また第４図は同じく平面
図、第５図は側面図である。

１はシーム溶接機の本体、２は本体固定の下部
アーム、３は上部アーム、４は上部アームに固定
の加圧シリンダ、５は上部電極ヘツドで、加圧シ
リンダ４によりガイドケース６を上下動するラム
７に支持されている。８は下部アーム２に固定の
下部電極ヘツド、９，１０は上下電極輪、１１及
び１２は上部電極輪９と下部電極輪１０をその電
極面に噛み込んで補助的に摩擦回転するナール駆
動輪、１３はナール駆動輪１１と１２の駆動源と
なる駆動ユニツトで、このユニツトは、１枚の取
付板１４に、２台の減速機１５，１６と１台の電
動機１７が取付けられていて、電動機１７の出力
軸１８に取りつけられたプーリ１９と、一方の減
速機１５の入力軸２１に取りつけられたプーリ２
９との間は、ベルト２０等の駆動伝達機構を介し
て連結されている。そして、この減速機１５の入
力軸２１と同一軸芯線上に延出した連結軸２２
は、他方の減速機１６の入力軸２３とカツプリン
グ２４を介して連結されており、これら二つの出
力軸２５，２６は各ナール駆動用のスプライン軸
２７，２８を介してそれぞれ連結されている。

符号５０は電動機１７と減速機１５との駆動伝
達機構を覆うカバーである。

以上の構成から、加圧開放した上・下電極輪
９，１０の間に、被溶接物Ｗを挿入し、上部電極
輪９を加圧シリンダ４で下降させて被溶接物を電
極加圧する。そして電動機１７の回転駆動によつ
て駆動力が二つの減速機１５，１６から出力さ
れ、同一回転数の出力を各出力軸２５，２６を介
してナール駆動輪１１，１２に与え、それぞれの
電極輪９，１０を駆動する。この電極輪間の加
圧、駆動のもとに溶接電流を流しながら、電極間
に被溶接物を移動、通過させてシーム溶接を行
う。

次に第６図及び第７図は、本考案ユニツトの取
付け位置の変化を示したもので、ここでは同一機
能をもつ構成部品は同一符号で表し、詳細説明は
省略する。本考案の駆動ユニツトは取付け角度や
取付け位置を目的に応じて自由に変化させること
ができるから、たとえば水平面内で左右の電極輪
を回転駆動する場合は、第６図のように溶接機本
体の上部に設置したり、あるいは第７図のように
地上側の平面上に設置するなど、各種シーム溶接
機に応じて簡単に取付けることができる。

なお、本実施例ではシーム溶接機の電極輪の回
転駆動装置に関してのみ説明したが、本考案の精
神はこれに限定されるものでなく、他の産業分野
の機械類の駆動装置としても利用できることは言
うまでもない。

（考案の効果） 以上、本考案によれば、各電極輪を回転するた
めの駆動軸を二つの減速機の出力軸にそれぞれ連
結すると共に、一方の減速機の入力軸と同一軸芯
線上に延出した連結軸をカツプリングを介して他
方の減速機の入力軸と連結し、かつ一方の減速機
の入力軸には駆動伝達機構を介して電動機を連結
したものであるから、従来の電極輪駆動装置に較
べ、駆動装置を完全にユニツト化し小型、軽量に
製作することができ、機内設置スペースの制約を
うけず、本考案ユニツトの取付け角度や取付け位
置を各種溶接機に応じて自由に変化させることが
でき、機内の構造をよりシンプルに設計すること
ができるほか、コスト低減は勿論、駆動装置を機
外に壁掛け式に簡単に取りつけることができ、保
守点検がきわめて容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシーム溶接機に使われていた電
極輪駆動装置の実施例を示す側面図。第２図は本
考案ユニツトをシーム溶接機に使用した場合の側
面図、第３図は本考案を具体的に設計した場合の
正面図。第４図は同じく平面図、第５図は同じく
側面図。第６図は水平面内で相対向する電極輪を
溶接機の上部に設置した駆動ユニツトで回転駆動
する場合の実施例を示す正面図。第７図は同じく
電極輪を地上側の平面部位に設置した駆動ユニツ
トで回転駆動する場合の実施例を示す平面図。 符号の説明、１……シーム溶接機本体、２……
下部アーム、３……上部アーム、４……加圧シリ
ンダ、５……上部電極ヘツド、６……ガイドケー
ス、７……ラム、８……下部電極ヘツド、９……
上部電極輪、１０……下部電極輪、１１，１２…
…ナール駆動輪、１３……駆動ユニツト、１４…
…取付板、１５，１６……減速機、１７……電動
機、１８……電動機の出力軸、１９……プーリ、
２０……ベルト、２１……減速機１５の入力軸、
２２……減速機１５の連結軸、２３……減速機１
６の入力軸、２４……カツプリング、２５……減
速機１５の出力軸、２６……減速機１６の出力
軸、２７，２８……スプライン軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シーム溶接機の一対の電極輪を回転駆動する装
   置において、溶接機本体側に着脱可能に取りつけ
   られる取付板１４と、この取付板の上に支持され
   る２台の減速機１５，１６と１台の電動機１７と
   からなり、前記電動機１７の出力軸１８は、駆動
   伝達機構を介して一方の減速機１５の入力軸２１
   に連結されており、前記減速機１５の入力軸２１
   と同一軸芯線上に延出した連結軸２２は他方の減
   速機１６の入力軸２３とカツプリング２４を介し
   て連結されていて、これら減速機からの二つの出
   力軸２５，２６は各電極輪９，１０を回転駆動す
   るためのスプライン軸２７，２８と連結されるシ
   ーム溶接用電極輪駆動ユニツト。