JPH0519137A - 光フアイバカプラの保護方法 - Google Patents

光フアイバカプラの保護方法

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JPH0519137A
JPH0519137A JP20005491A JP20005491A JPH0519137A JP H0519137 A JPH0519137 A JP H0519137A JP 20005491 A JP20005491 A JP 20005491A JP 20005491 A JP20005491 A JP 20005491A JP H0519137 A JPH0519137 A JP H0519137A
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optical fiber
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fiber coupler
coupler
case
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Hideyori Sasaoka
英資 笹岡
Tetsuya Kawakami
哲也 川上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境変化に対して、極めて安定な特性の光フ
ァイバカプラの保護方法を実現する。 【構成】 ケース3に光ファイバカプラを挿入する。被
覆部1は、硬度の高い接着剤5で固定する。裸ファイバ
部2は、硬度の低い接着剤6で固定する。被覆部を硬度
の高い接着剤で固定することにより、振動等による特性
変動を防止でき、裸ファイバ部を硬度の低い接着剤を使
用することにより、裸ファイバ部に加わる応力を極めて
小さいものとすることができ、偏波特性の変動を無視で
きる程度にすることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の分岐/結合、ある
いは、分波/合波を行なう光ファイバカプラの保護方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバカプラは、複数本の光ファイ
バ間で光を分岐・結合するデバイスであり、複数本の光
ファイバの被覆の一部を除去し、相互に接触させた後、
加熱することにより融着、延伸を行なって製造される。
融着延伸された部分(テーパー部)は、裸ファイバが露
出している上、ファイバ径が細くなっているためケース
に収納するなどしてテーパー部を保護する必要がある。
【0003】従来の光ファイバカプラ保護方法の一例を
図2に示す。(A)図は側面図、(B)図は上面図、
(C)図はC−C断面図、(D)図はD−D断面図を示
す。図中、1は光ファイバの被覆部、2は裸ファイバ
部、3はケース、4は蓋、7は接着剤である。この実施
例では、2本の光ファイバにより光ファイバカプラが構
成されており、被覆を除去された裸ファイバ部が融着延
伸されてカプラ部を形成している。この光ファイバカプ
ラは、ケース内に収容され、被覆部および裸ファイバ部
の融着、延伸されていない部分を、接着剤7によりケー
ス3に固定した後、蓋4をかぶせて接着剤で封止してい
る。ケース3および蓋4の材料は、石英ガラスが用いら
れる。光ファイバの被覆部における接着剤で固定された
部分の断面を(C)図に示し、裸ファイバ部の融着、延
伸されていない部分を接着剤で固定した部分の断面を
(D)図に示す。これらの固定部分においては、固定を
より強固なものにするため、被覆部および裸ファイバ部
とも同一の硬度の高い接着剤を全周にわたって塗布し
て、固定されている。
【0004】このような従来の保護方法は、特に、裸フ
ァイバ部が全周にわたって硬度が高い接着剤が塗布され
て固定されているため、温度等の外部環境の変化に伴
い、接着剤、あるいは、ケースが膨張、収縮して、裸フ
ァイバ部に不均一な応力が加えられることがわかった。
この応力は、光ファイバに複屈折を生じさせ、カプラの
偏波特性を変動させてしまう。特に、偏波保持光ファイ
バを用いたカプラにおいては、カプラの重要な特性パラ
メータであるクロストークがこの応力により劣化してし
まうという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するためになされたもので、環境変化に対し
て、極めて安定な特性の光ファイバカプラの保護方法を
実現することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1にお
いては、光ファイバカプラをケースに収納、固定するこ
とにより裸ファイバ部を保護する光ファイバカプラの保
護方法において、裸ファイバ部と被覆部では異なる接着
剤を用いてケースに固定することを特徴とするものであ
り、請求項2においては、請求項1において、裸ファイ
バ部はより硬度の低い接着剤により、被覆部はより硬度
の高い接着剤によりケースに固定することを特徴とする
ものである。
【0007】
【作用】従来の保護方法は、裸ファイバ部が全周から硬
度の高い接着剤で固定されているため、接着剤あるいは
ケースの膨張、収縮に伴う応力が直接裸ファイバ部に加
わってしまった。また、この応力を低減するために、被
覆部と裸ファイバ部とも、硬度の低い接着剤を使用する
と、ケースへの固定が不十分となり、振動等により特性
の変動が生じていた。
【0008】一方、本発明による保護方法では、被覆部
と裸ファイバ部とを硬度の異なる接着剤により固定する
ので、たとえ、接着剤あるいはケースが膨張収縮して
も、接着剤の特性に応じて、裸ファイバ部に直接働く応
力を低減させ、裸ファイバ部を保護することができる。
【0009】また、被覆部を硬度の高い接着剤で固定す
ることにより、振動等による特性変動を防止できる。ま
た、接着剤からの応力は、被覆層で緩和されるため、裸
ファイバ部まで達する応力はわずかであり、偏波特性の
変動はほとんど問題にならない。裸ファイバ部を硬度の
低い接着剤を使用することにより、裸ファイバ部に加わ
る応力を極めて小さいものとすることができ、偏波特性
の変動を無視できる程度にすることが可能である。
【0010】以上説明したように、本発明の保護方法
は、カプラ特性が振動等によって変動しないよう充分に
ファイバを固定しつつ、裸ファイバへの応力を大幅に低
減するものである。この結果、温度等の外部環境が変化
しても、カプラの偏波特性は安定に保たれる。また、こ
のことは、偏波保持光ファイバを用いたカプラにおいて
はクロストークが環境変化に対して安定であることを意
味する。
【0011】
【実施例】図1は本発明の保護方法の一実施例を説明す
るためのもので、(A)図は側面図、(B)図は上面
図、(C)図はC−C断面図、(D)図はD−D断面図
である。図中、図2と同様な部分には同じ符号を付して
説明を省略する。5,6は接着剤である。この実施例で
は、接着剤5は硬度の高い紫外線硬化樹脂、接着剤6は
硬度の低い紫外線硬化樹脂を用いた。
【0012】光ファイバの被覆部1における接着剤で固
定された部分の断面は、(C)図に示すように、接着剤
5でケースに固定されている。具体例としては、接着剤
5は、ヤング率3.5kg/mm2 の紫外線硬化型樹脂
を用いた。
【0013】裸ファイバ部2は、この実施例では、融
着、延伸されていない部分を接着剤6によりケースに固
定した。接着剤5に比して、接着剤6を少なくしてもよ
い。具体例としては、接着剤6は、ヤング率0.025
kg/mm2の紫外線硬化型樹脂を用いた。
【0014】本発明による方法の効果を確認するため、
複数の偏波保持光ファイバカプラを製造し、本発明の方
法および従来の方法でケースに収納した後、クロストー
クの温度特性を評価した。ケースへの収納方法は、本発
明によるものは図1、従来の方法によるものは図2に示
したとおりである。
【0015】図3は上記の評価に用いた実験装置であ
る。図中、11は光源、12はパワーメータ、13はコ
ネクタ付き光ファイバ、14はレンズ、15は偏光子、
16は検光子、17は本線入射側光ファイバ端末、18
は本線出射側光ファイバ端末、19は支線入射側光ファ
イバ端末、20は支線出射側光ファイバ端末、21は被
測定光ファイバカプラ、22は恒温槽である。
【0016】被測定光ファイバカプラ21は、室温での
クロストークがほぼ等しい光ファイバカプラに対して、
図1で説明した本発明による保護方法で保護したもの
と、図2で説明した従来の保護方法でケースに収納した
ものを用意した。被測定光ファイバカプラを、図3に示
した測定系にセットし、本線と支線のクロストークの温
度依存性を測定した。被測定光ファイバカプラ21は、
恒温槽22の中に入れ、本線と支線におけるそれぞれの
入射側と出射側の計4本の光ファイバ端末17〜20を
恒温槽22外に取り出した。光源11より出た光は、偏
光子15を介することによりX偏波の光のみが本線入射
側光ファイバ端末17に入るようにした。本線出射側光
ファイバ端末18および支線出射側光ファイバ端末20
より出た光は、それぞれ検光子16により特定の偏波成
分のみが抽出され、パワーメータ12で光パワーが測定
される。
【0017】恒温槽の温度を−40〜+70℃まで変化
させながら、本線側と支線側の出射光のX,Y偏波成分
の光パワーを測定し、クロストークの温度依存性を求め
た。本発明の保護方法を適用した被測定光ファイバカプ
ラについての測定結果を図4に、従来の保護方法を適用
した被測定光ファイバカプラによる測定結果を図5に示
した。従来の保護方法は、低温でのクロストーク劣化が
見られるのに対し、本発明の保護方法を適用したもの
は、極めて安定したクロストーク特性が得られている。
【0018】さらに、本発明の保護方法によるものと、
従来の保護方法によるものとについて、20サンプルず
つ用意し、同様な測定を行ない、−40℃におけるクロ
ストーク劣化量を評価した。度数分布図にまとめた結果
を図6,図7に示したが、図6に示す本発明の保護方法
によるものの方が、図7に示す従来の保護方法によるも
のに対して、明らかにクロストークの劣化量が小さいこ
とが確認された。
【0019】また、温度依存性測定後のサンプルについ
て、振動試験を実施したが、本発明の保護方法を適用し
た光ファイバカプラは、外観および特性上において、な
んら劣化のないことが確認された。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光ファイバカプラの特性が、外部環境劣化に
対して極めて安定となる効果がある。特に、偏波保持光
ファイバを用いた光ファイバカプラなど、偏波特性を重
視する光ファイバカプラに利用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護方法の一実施例を説明するための
もので、(A)図は側面図、(B)図は上面図、(C)
図はC−C断面図、(D)図はD−D断面図である。
【図2】従来の光ファイバカプラ保護方法の一例を示す
もので、(A)図は側面図、(B)図は上面図、(C)
図はC−C断面図、(D)図はD−D断面図を示す。
【図3】光ファイバカプラの特性の測定装置の説明図で
ある。
【図4】本発明の保護方法を適用した被測定光ファイバ
カプラのクロストーク特性の測定結果を示す線図であ
る。
【図5】従来の保護方法を適用した被測定光ファイバカ
プラのクロストーク特性の測定結果を示す線図である。
【図6】本発明の保護方法を適用した被測定光ファイバ
カプラのクロストーク劣化量の度数分布図である。
【図7】従来の保護方法を適用した被測定光ファイバカ
プラのクロストーク劣化量の度数分布図である。
【符号の説明】
1 光ファイバの被覆部 2 裸ファイバ部 3 ケース 4 蓋 5,6,7 接着剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバカプラをケースに収納、固定
    することにより裸ファイバ部を保護する光ファイバカプ
    ラの保護方法において、裸ファイバ部と被覆部では異な
    る接着剤を用いてケースに固定することを特徴とする光
    ファイバカプラの保護方法。
  2. 【請求項2】 裸ファイバ部はより硬度の低い接着剤に
    より、被覆部はより硬度の高い接着剤によりケースに固
    定することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバカ
    プラの保護方法。
JP3200054A 1991-07-15 1991-07-15 光ファイバカプラの保護方法 Expired - Lifetime JP2985395B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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