JPH05190850A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH05190850A
JPH05190850A JP19027092A JP19027092A JPH05190850A JP H05190850 A JPH05190850 A JP H05190850A JP 19027092 A JP19027092 A JP 19027092A JP 19027092 A JP19027092 A JP 19027092A JP H05190850 A JPH05190850 A JP H05190850A
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ion
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Abstract

(57)【要約】 【目的】イオン注入に起因した結晶欠陥を効果的に防止
でき、半導体装置の微細化に十分対応でき、スループッ
トの低下を生じさせることがなく、工程全体の温度を極
力低く抑えることができる、半導体装置の製造方法を提
供する。 【構成】半導体装置の製造方法は、(イ)シリコン基板
に不純物をイオン注入する第1のイオン注入工程と、
(ロ)600乃至800゜Cの温度でアニールする第1
のアニール工程と、(ハ)第1のイオン注入工程でイオ
ン注入されたシリコン基板の領域に、不純物をイオン注
入する第2のイオン注入工程と、(ニ)高温、短時間ア
ニールを行う第2のアニール工程、から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶欠陥の発生を抑制
し得る半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置のトランジスタ部のソース・
ドレイン領域を形成するために、あるいはコンタクトホ
ール形成後コンタクトホール部の接触抵抗を下げるため
に、イオン注入が行われている。
【0003】例えば、トランジスタ部のソース・ドレイ
ン領域を形成するために、先ず、SiO2から成るサイ
ドウォールを有するLDD構造が設けられたゲート電極
を形成する。その後、As+、BF2 +、P+、B+等を1
×1015乃至1×1016/cm2の高濃度でイオン注入
し、次いでFA(Furnace Annealing)法やRTA(Rap
id Thermal Annealing)法等のアニール処理によって、
イオン注入された不純物を熱拡散させて活性化させる。
アニール処理の条件は、例えばFA法においては800
〜900゜C、20〜60分間である。また、RTA法
においては900乃至1100゜C、約10秒間であ
る。このような方法においては、図10の(A)に示す
ように、アニール時、サイドウォール端部30を起点と
してシリコン基板に転位50が発生し(以下、このよう
な結晶欠陥をサイドウォール端欠陥ともいう)、あるい
は注入されたイオンの濃度ピーク近傍のシリコン基板に
転位ループ52が発生する。
【0004】尚、図10の(A)中、1はシリコン基
板、10はLOCOS構造から成る素子分離絶縁領域、
20はゲート電極、22はゲート酸化膜、24はポリシ
リコン層、26はシリサイド層、28はSiO2から成
るサイドウォール、30はサイドウォール端部、32は
ソース・ドレイン形成領域上に形成された熱酸化膜、4
0はソース・ドレイン領域領域である。
【0005】コンタクトホール部に関しても同様であ
る。即ち、コンタクトホール部を通して、例えばソース
・ドレイン領域のようなコンタクトホール部の下部に対
して高濃度でイオン注入を行い、次いでイオン注入され
た不純物を熱拡散させて活性化させる。このような方法
においては、アニール時、例えばSiO2から成る層間
絶縁膜62に形成されたコンタクトホール部62下方の
シリコン基板領域64に転位ループ等の結晶欠陥70が
発生する(図10の(B)参照)。
【0006】一方、素子分離領域の形成のために、シャ
ロー・トレンチをシリコン基板に形成し、次いで、この
シャロー・トレンチにSiO2等の絶縁物を埋め込み、
所謂トレンチ素子分離領域を形成する技術が知られてい
る。後の工程でソース・ドレイン領域形成のためにシリ
コン基板1にイオン注入を行い次いでアニール処理を施
すと、図11に示すように、トレンチ素子分離領域12
に隣接したソース・ドレイン領域40に結晶欠陥80が
生じる。シャロー・トレンチ内にSiO2を埋め込まな
い状態でシリコン基板1にイオン注入を行い次いでアニ
ール処理を施す実験を行ってみたところ、トレンチ素子
分離領域に隣接したソース・ドレイン領域に結晶欠陥が
同じように生じることから、この現象はシャロー・トレ
ンチの形状にも一因があると考えられる。尚、図11に
示した構造の半導体素子においても、サイドウォール端
欠陥や、注入されたイオンの濃度ピーク近傍のシリコン
基板に転位ループが発生しているが、図面の簡素化のた
め、これらの結晶欠陥の図示は省略した。
【0007】これらの結晶欠陥の発生防止は、例えば以
下の方法により或る程度抑制することができることは周
知である。 (A)イオン注入の低エネルギー化によってイオン注入
時に受けるシリコン基板の損傷を少なくする。 (B)イオン注入後の回復アニールの温度を高くする。 (C)サイドウォールの一部分をエッチングによって除
去する。 (D)酸素のノックオン現象を防止する。 (E)イオン注入時のドーズ量を少なくする。
【0008】イオン注入を複数回に分けて行うことは、
例えば特開昭62−200723号公報から公知であ
る。この公報に記載された方法は、所要のドーズ量を分
割した少量のドーズ量でのイオン注入を複数回に分けて
行うとともに、これら複数回のイオン注入の夫々の直後
に熱処理を行うことを特徴とする。全ドーズ量は1014
/cm2オーダーであり、熱処理の条件は、温度114
0゜C、時間20〜40分であり、用いるイオン種はB
+である。この方法では、所要のドーズ量を分割した少
量のドーズ量でのイオン注入を複数回に分けて行うこと
によって、結晶欠陥の発生を抑制している。熱処理は、
高温且つ長時間である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のイオン注入を低
エネルギー化する方法では、拡散層のシート抵抗の増加
という問題がある。また、イオンの加速電圧が低くなる
に従いイオン電流を増加させることが困難となり、その
結果、スループットの低下を招くという問題もある。更
には、シリコン基板に注入される不純物の濃度が低くな
るため、トランジスタの駆動能力の低下が生じる。
【0010】イオン注入後の回復アニールの温度を高く
する方法では、熱拡散によってソース・ドレイン領域に
おける接合深さが深くなり、その結果、半導体装置の微
細化に対応できないという問題がある。この問題を回避
するために回復アニールの温度を低くすると、結晶欠陥
残存率の増加を招き、あるいは又、イオン注入された不
純物の活性化率の低下を招き、その結果、接合リーク電
流の増加につながる。
【0011】サイドウォール端部に起因した応力が存在
している状態でアニール処理を行うことは、サイドウォ
ールの端部近傍に結晶欠陥が生じる原因となる。従っ
て、サイドウォールの一部分をエッチングによって除去
すれば、サイドウォール端部に起因した応力を除去する
ことができ、この結果、サイドウォールの端部近傍にお
ける結晶欠陥の発生を防止することができる。しかしな
がら、このサイドウォールの一部分をエッチングによっ
て除去する方法は、イオン注入に起因した2次欠陥(転
位ループ)発生の防止には有効でない。
【0012】通常、ソース・ドレイン領域を形成するた
めのイオン注入は、シリコン基板表面に形成されたSi
2膜を通して行われる。イオン注入時、SiO2膜中の
2がイオンと衝突してシリコン基板中に入り込む現象
を酸素のノックオン現象という。この現象によっても結
晶欠陥が生じる。この酸素のノックオン現象はシリコン
窒化スルー膜を用いて防止することができる。しかる
に、極薄膜(10nm程度)のシリコン窒化膜を正確な
制御下形成する方法は知られておらず、従って、この方
法も半導体装置の微細化への対応が困難であるという問
題がある。
【0013】イオン注入時のドーズ量を少なくする方法
では、シリコン基板に充分な量の不純物を導入すること
ができず、拡散層のシート抵抗の増加、トランジスタの
駆動能力の低下を招く。
【0014】上記の特開昭62−200723号に開示
されたイオン注入法では、熱処理温度が高すぎて、熱拡
散によってソース・ドレイン領域における接合深さが深
くなり、その結果、半導体装置の微細化に対応できない
という問題がある。また、1回のドーズ量が1014/c
2オーダーであるため、総ドーズ量を1015/cm2
ーダーとするためには、相当回数のイオン注入を行わな
ければならず、実用的でない。更に、2〜3回程度のイ
オン注入によって1015/cm2オーダーの総ドーズ量
を得ようとした場合、イオン注入1回当たりのドーズ量
が多くなり、イオン注入によって結晶欠陥が発生してし
まい、このような結晶欠陥を除去することができない。
前のイオン注入工程において発生した結晶欠陥を後のイ
オン注入工程で除去するという技術思想は認められな
い。
【0015】半導体メモリーのセルサイズが小さくなる
程、高濃度の不純物の導入が要求される。その理由は、
1つのメモリーセル当たり蓄積しなければならない電荷
量は変化しないが、メモリーセルの面積は確実に小さく
しなければならないからである。
【0016】以上のような問題点を解決するために、不
純物のイオン注入から活性化処理に亙る工程の温度を極
力低く抑えることができ、しかも、より高濃度の不純物
をシリコン基板に導入してもシリコン基板に結晶欠陥を
生じないイオン注入方法が求められている。
【0017】従って、本発明の目的は、イオン注入に起
因した結晶欠陥を効果的に防止でき、半導体装置の微細
化に十分対応でき、スループットの低下を生じさせるこ
とがなく、工程全体の温度を極力低く抑えることができ
る、半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、(イ)シ
リコン基板に不純物をイオン注入する第1のイオン注入
工程と、(ロ)600乃至800゜Cの温度でアニール
する第1のアニール工程と、(ハ)第1のイオン注入工
程でイオン注入されたシリコン基板の領域に、不純物を
イオン注入する第2のイオン注入工程と、(ニ)高温、
短時間アニールを行う第2のアニール工程、から成るこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法により達成するこ
とができる。
【0019】第2のアニール工程はRTA法によって行
うことが望ましい。アニールの条件は、900乃至11
00゜C、1乃至60秒であることが望ましい。
【0020】本発明の方法の好ましい第1の態様におい
ては、第2のイオン注入工程におけるイオン注入条件を
以下のように選択することが好ましい。即ち、(a)第
2のイオン注入工程によってシリコン基板に形成される
アモルファス化される領域の深さD20が、第1のイオン
注入工程によって形成されたアモルファス化された領域
の深さD10よりも浅く(図1の(A)及び(C)参
照)、且つ、(b)第2のイオン注入工程によってシリ
コン基板に形成されるアモルファス化される領域の深さ
20が、第1のアニール工程によって形成された結晶欠
陥領域の深さD11よりも深い(図1の(B)及び(C)
参照)。
【0021】本発明の方法の好ましい第2の態様におい
ては、第2のイオン注入工程におけるイオン注入条件を
以下のように選択することが好ましい。即ち、第2のイ
オン注入工程によってシリコン基板に形成されるアモル
ファス化領域の深さが、第1のイオン注入工程によって
形成されたアモルファス化領域の深さと同程度あるいは
浅くなるように、第2のイオン注入工程におけるイオン
注入条件を選択する。より具体的には、第2のイオン注
入工程によってシリコン基板に形成されるアモルファス
化領域の深さが、第1のイオン注入工程によって形成さ
れたアモルファス化領域の深さと同じ乃至1.3倍程度
深くなるように、あるいは0.4倍程度まで浅くなるよ
うに、第2のイオン注入工程におけるイオン注入条件を
選択する。
【0022】これは、例えば、第2のイオン注入工程に
おけるイオン加速電圧を、第1のイオン注入工程におけ
るイオン加速電圧の50乃至130%、より好ましくは
50乃至100%にすることによって達成することがで
きる。あるいは又、第2のイオン注入工程におけるイオ
ンドーズ量を、第1のイオン注入工程におけるイオンド
ーズ量の20乃至100%にすることによって達成する
こともできる。
【0023】本発明の方法においては、第2のイオン注
入工程において、Asイオン、Pイオン、BF2イオン
を使用することができるが、Siイオン等の電気的に中
性のイオンを注入することもできる。
【0024】尚、第1のイオン注入工程、第1のアニー
ル工程及び第2のイオン注入工程を連続的に行うことに
よって、シリコン基板表面に層間膜等を一切形成させな
いことが望ましい。その理由は、層間膜が形成される
と、第1のイオン注入工程時のイオン注入領域と、第2
のイオン注入工程時のイオン注入領域とが一致しなくな
るからである。
【0025】本発明の方法において、第1のイオン注入
工程を複数回のイオン注入工程に分けることができる。
この場合、各々のイオン注入工程の後に第1のアニール
工程を実施する。このように複数回に第1のイオン注入
工程を分けた場合には、上記の好ましい第1の態様にお
いては、第1のイオン注入工程において形成されたアモ
ルファス化された領域の深さD10とは、第1のイオン注
入工程の完了時のD10を指す。また、第1のアニール工
程において形成された結晶欠陥領域の深さD11とは、第
1のイオン注入工程の完了時のD11を指す。
【0026】第2の好ましい態様においても、第1のイ
オン注入工程を複数回のイオン注入工程に分けることが
できる。この場合、各々のイオン注入工程の後に第1の
アニール工程を実施する。この場合、第1のイオン注入
工程におけるイオン加速電圧とは、第1のイオン注入工
程における複数回のイオン注入中の最大のイオン加速電
圧を意味する。そして、或るイオン注入におけるイオン
加速電圧を、前回のイオン注入におけるイオン加速電圧
の50乃至130%、より好ましくは50乃至100%
にすることが望ましい。あるいは又、第1のイオン注入
工程におけるイオンドーズ量とは、第1のイオン注入工
程における複数回のイオン注入中最大のイオンドーズ量
を意味する。そして、或るイオン注入におけるイオンド
ーズ量を、前回のイオン注入におけるイオンドーズ量の
20乃至100%にすることが望ましい。
【0027】第2の好ましい態様においては、第1のイ
オン注入工程においてドーパントとして、例えばA
+、BF2 +、P+を使用する場合、第2のイオン注入工
程において使用するドーパントとして、第1のイオン注
入工程で使用したドーパントと同一のドーパントを使用
するか、あるいはSi+を使用することが望ましい。第
1及び第2のイオン注入工程の各々におけるイオンドー
ズ量は1×1015/cm2以上であることが好ましい。
第1のイオン注入工程を複数回のイオン注入工程に分け
る場合には、各々のイオン注入時のイオンドーズ量を1
×1015/cm2以上にすることが好ましい。
【0028】第2の好ましい態様においては、第1のイ
オン注入工程及び第2のイオン注入工程でイオン注入さ
れるイオン種をAs+とすることができる。第2のイオ
ン注入工程におけるイオン加速電圧は、第1のイオン注
入工程におけるイオン加速電圧の50乃至130%、よ
り好ましくは50乃至100%である。そして、より好
ましくは、全Asイオンドーズ量は2×1015/cm2
以上であり、第2のイオン注入工程におけるAsイオン
ドーズ量は、1×1015/cm2以上である。この態様
においても、第1のイオン注入工程を複数回のイオン注
入工程に分け、各々のイオン注入工程の後に第1のアニ
ール工程を実施することができる。この場合、第1のイ
オン注入工程におけるイオン加速電圧とは、第1のイオ
ン注入工程における複数回のイオン注入中の最大のイオ
ン加速電圧を意味する。そして、或るイオン注入におけ
るイオン加速電圧を、前回のイオン注入におけるイオン
加速電圧の50乃至130%、より好ましくは50乃至
100%にすることが望ましい。また、第1のイオン注
入工程における2回目以降のAsイオンドーズ量を1×
1015/cm2以上にすることが望ましい。
【0029】
【作用】本発明によれば、第1のイオン注入工程によっ
てアモルファス化された高濃度のイオン注入領域は、低
温での第1のアニール工程において固相成長して結晶性
が回復する。この第1のアニール工程の際、第1のイオ
ン注入の条件によっては、シリコン基板に結晶欠陥領域
が発生する。しかしながら、第2のイオン注入を行うこ
とで、かかる結晶欠陥領域が破壊あるいは除去される。
次いで、高温、短時間アニールを行う第2のアニール工
程によって不純物の活性化及び結晶性の回復を行うこと
ができる。この結果、半導体装置中の結晶欠陥の発生を
効果的に抑制することができる。
【0030】第1のアニール工程において拡散深さが変
化しないように、第1のアニール工程は600乃至80
0゜Cの温度で行う必要がある。800゜Cを越える
と、拡散深さが深くなる。また、600゜C未満では、
アモルファス化された高濃度のイオン注入領域の固相成
長による結晶性の回復が充分ではない。
【0031】第2のアニール工程の温度は第1のアニー
ル工程の温度よりも高温であることが重要である。不純
物の活性化は、より後の工程で行うことが望ましいから
である。また、拡散深さを変化させないために、短時間
のアニール処理とすることが必要である。
【0032】本発明の方法において、第2のイオン注入
工程において電気的に中性のイオンを使用すれば、第2
のイオン注入工程におけるレジスト処理が不要となり、
ウェハ全面にイオン注入を1回行えばよく、工程の簡略
化が図れる。
【0033】即ち、As+、P+、BF2 +、B+等の不純
物はpタイプ、nタイプの導電性の相違がある。そのた
め、ソース・ドレイン領域に対して、導電性のタイプ別
にレジスト処理を行いこれらのイオンを注入しなければ
ならない。従って、pタイプ及びnタイプの導電性を有
するイオン種を第2のイオン注入工程に用いる場合、2
回のレジスト処理及びイオン注入を行わなければならな
い。
【0034】一方、第2のイオン注入工程において電気
的に中性のイオン、例えばSi+を注入する場合、2回
のイオン注入を行う必要がなく、しかもウェハ全面にイ
オン注入を行うことができるのでレジスト処理も不要で
あり、工程の簡略化が図れる。更には、電気的に中性の
イオンをイオン注入する場合、第2のアニール工程にお
いて活性化されたとき、導電性を有していないために接
合の深さを変動させる可能性が少ない。それ故、注入エ
ネルギー(加速電圧)やドーズ量の自由度が大きいとい
う利点がある。
【0035】
【実施例】以下、先ず図1〜図4に基づき本発明の半導
体装置の製造方法の原理を説明し、次に、本発明の半導
体装置の製造方法の具体例を説明する。
【0036】(本発明の原理)0.5μmルールの半導
体装置の製造に本発明の半導体装置の製造方法を適用す
る。半導体装置の製造に使用した半導体素子の模式的な
一部断面図を図2に示す。半導体素子のゲート電極20
はLDD構造を有する。LOCOS構造の素子分離絶縁
領域10の厚さを290nmとした。ゲート電極20は
WSi/リン(P)ドープポリシリコンから成るポリサ
イド構造から形成されている。WSi層26及びリンド
ープポリシリコン層24の厚さをそれぞれ100nmと
した。ゲート酸化膜22の厚さは11nmである。LD
D構造におけるスペーサは、SiO2から成るサイドウ
ォール28にて構成した。ソース・ドレイン領域となる
シリコン基板表面には10nmの熱酸化膜32が形成さ
れている。
【0037】この半導体素子を使用して、第1のイオン
注入工程を熱酸化膜32を通して行った。第1のイオン
注入工程において、As+の注入ドーズ量を一定(5×
101 5/cm2)とし、加速電圧を20keVから50
keVまで変化させた。その後、第1のアニール工程を
FA法にて行った。アニールの条件を800゜C、30
分間とした。
【0038】こうして得られた試料の、第1のイオン注
入工程によって形成されたシリコン基板のアモルファス
化された領域100の深さ(以下、第1ダメージ層深さ
ともいう)D10(図1の(A)参照)と、第1のアニー
ル工程にて発生したサイドウォール端欠陥50の深さ
(以下、第1欠陥層深さともいう)D11(図1の(B)
参照)との関係を調べた。その結果を図3に示す。これ
らの深さは、イオン注入時の注入エネルギー(加速電
圧)が高くなるに従い深くなる。図3から明らかなよう
に、第1ダメージ層深さD10は、第1欠陥層深さD11
3倍程度もある。
【0039】もしも、第2のイオン注入工程において形
成されるシリコン基板のアモルファス化された領域10
2の深さ(以下、第2ダメージ層深さともいう)D
20(図1の(C)参照)が、第1欠陥層深さD11よりも
深ければ、第2のイオン注入によって第1のアニール工
程で発生した結晶欠陥を除去することができる。
【0040】しかも、第2ダメージ層深さD20が第1ダ
メージ層深さD10よりも十分浅ければ、第2のアニール
工程にて発生する結晶欠陥を減少あるいは消滅させるこ
とができる(図1の(D)参照)。何故ならば、図3か
らも明らかなように、イオン注入によって形成されたシ
リコン基板のアモルファス化された領域の深さが浅けれ
ば浅い程、アニール工程にて発生する結晶欠陥の深さも
浅くなるからである。
【0041】以上の深さの関係を纏めると、 D10 20 11 となる。このような条件を満たすように第2のイオン注
入の条件を決定すれば、シリコン基板の結晶欠陥の発生
を抑制することができる。
【0042】以上の知見に基づき、第1のイオン注入工
程及び第2のイオン注入工程におけるイオン注入の条件
を次に述べるように更に詳しく調べたところ、D10=D
20あるいはD10<D20の場合でさえも、半導体装置中の
結晶欠陥の抑制に効果があることが判った。
【0043】即ち、図2に示した構造を有する半導体素
子を使用して、第1のイオン注入工程を熱酸化膜32を
通して行った。第1のイオン注入工程において、As+
の注入ドーズ量を5×1015/cm2とし、加速電圧を
40keVとした。その後、第1のアニール工程をFA
法にて行った。アニールの条件を800゜C、30分間
とした。
【0044】こうして得られた試料の、第1のイオン注
入によって形成されたシリコン基板のアモルファス化さ
れた領域(以下、第1のアモルファス化領域ともいう)
110とアモルファス化されていないシリコン基板の領
域(以下、結晶領域ともいう)110Aの境界部分を詳
細に調べたところ、図4の(A)に模式的な一部断面図
を示すように、第1のアモルファス化領域110から格
子間Siが結晶領域110Aに弾き出されていることが
判った。尚、図4の(A)においては、格子間Siを黒
点で表示した。そして、第1のアニール工程を実施する
ことによって、弾き出された格子間Siに起因して、図
4の(B)に模式的な一部断面図を示すように、結晶領
域110Aには格子間型の転位である結晶欠陥が形成さ
れることが判った。尚、図4の(B)においては、この
格子間型の転位を×印で表示した。第1のアモルファス
化領域の深さが浅いところに位置するこの格子間型の転
位に起因して、サイドウォール端欠陥等が生じると考え
られる。
【0045】第2のイオン注入工程において、As+
注入ドーズ量を3×1015/cm2とし、加速電圧を4
0keVとした。即ち、第2のイオン注入工程における
イオン加速電圧を、第1のイオン注入工程におけるイオ
ン加速電圧と同一とした。その後、第2のアニール工程
をRTA法にて行った。アニールの条件を1050゜
C、10秒間とした。
【0046】こうして得られた試料の、第2のイオン注
入によって形成されたシリコン基板のアモルファス化さ
れた領域(以下、第2のアモルファス化領域ともいう)
120とアモルファス化されていないシリコン基板の領
域(結晶領域)120Aの境界部分を詳細に調べたとこ
ろ、図4の(C)に模式的な断面図を示すように、第2
のアモルファス化領域120から結晶領域120Aに弾
き出された格子間Siは少なく、第2のアモルファス化
領域120に空孔型欠陥が多く形成されていることが判
った。尚、図4の(C)においては、空孔型欠陥を白丸
で表示した。
【0047】第2のアニール工程後、結晶領域120A
から結晶欠陥が消滅していた。これは、結晶領域120
Aに存在していた格子間Siと第2のアモルファス化領
域120に形成された空孔型欠陥とが相互作用して、格
子間Siが結晶領域120Aから無くなるからであると
考えられる。
【0048】(実施例−1)図2に示した半導体素子を
使用して、本発明の方法に基づき半導体装置を作製し
た。作製の条件は以下のとおりである。 第1のイオン注入工程: 熱酸化膜32を通して行う。 使用イオン種 As+ 加速電圧 20keV ドーズ量 5×1015/cm2 第1のアニール工程 : FA法 800゜C×30分間 第2のイオン注入工程: 使用イオン種 P+ 加速電圧 10keV ドーズ量 3×1015/cm2 第2のアニール工程 : RTA法 1100゜C×10秒間
【0049】尚、第1のイオン注入工程、第1のアニー
ル工程及び第2のイオン注入工程を連続的に行い、シリ
コン基板表面に層間膜等を形成させないようにした。
【0050】このような工程を経て得られた半導体装置
の結晶欠陥発生状態を評価するために、サイドウォール
端欠陥の発生率を測定した。サイドウォール端欠陥の発
生率とは、図7の平面図に示すように、ゲート電極20
のサイドウォール28の端部30の全長をL0、活性化
アニール後にソース・ドレイン領域40に発生した結晶
欠陥の領域50Aの長さL1、L2、L3、L4等の長さの
合計をLとした場合、L/L0で定義される。尚、図7
の左側のソース・ドレイン領域におけるサイドウォール
端欠陥の図示は省略した。測定の結果、サイドウォール
端欠陥の発生率は0%であった。
【0051】(実施例−2)第2のイオン注入工程にお
いて、P+の代わりに、Si+を使用した点を除き、実施
例−1と同様の条件で半導体装置を製造した。こうして
得られた半導体装置のサイドウォール端欠陥の発生率を
測定した。その結果、Si+を使用してもサイドウォー
ル端欠陥の発生率は0%であった。
【0052】(比較例−1)実施例−1にて説明した工
程から第2のイオン注入工程を除いたところ、得られた
半導体装置のサイドウォール端欠陥の発生率は約7〜1
2%であった。また、実施例−1にて説明した工程の順
序を変えて、第1のイオン注入工程、第2のイオン注入
工程、第1のアニール工程、第2のアニール工程とした
場合、得られた半導体装置にはサイドウォール端欠陥の
発生が認められた。
【0053】(実施例−3)第2のイオン注入工程にお
いてP+又はAs+の加速電圧を一定(10keV)とし
且つP+又はAs+の注入ドーズ量を変化させたことを除
き、実施例−1と同様の製造方法で半導体装置を製造
し、サイドウォール端欠陥の発生率を測定した。イオン
の注入ドーズ量とサイドウォール端欠陥の発生率の関係
を図5に示す。図5から明らかなように、第2のイオン
注入工程におけるイオン注入ドーズ量が増加するに従
い、サイドウォール端欠陥の発生率が低下する。但し、
イオン注入ドーズ量を余りに増加させると、結晶欠陥が
再び発生する。
【0054】図5から、第2のイオン注入工程における
イオンドーズ量を、第1のイオン注入工程におけるイオ
ンドーズ量の概ね20乃至100%にすることが好まし
いことが判る。尚、As+を第1及び第2のイオン注入
工程にて使用する場合、全As+ドーズ量は2×1015
/cm2以上であり、第2のイオン注入工程におけるA
+ドーズ量は、1×1015/cm2以上であることが望
ましい。
【0055】(実施例−4)第2のイオン注入工程にお
いて、P+の注入ドーズ量を一定(3×1014/cm2
とし、P+の加速電圧を変化させたこと、及び第2のア
ニール工程の温度を変えたことを除き、実施例−1と同
様の製造方法で半導体装置を製造し、サイドウォール端
欠陥の発生率を測定した。イオンの注入エネルギー(加
速電圧)とサイドウォール端欠陥の発生率の関係を図6
に示す。図6から明らかなように、第2のイオン注入工
程におけるイオン注入エネルギー(加速電圧)が増加す
るに従い、サイドウォール端欠陥の発生率が低下する。
尚、イオン注入エネルギー(加速電圧)を余りに増加さ
せると、結晶欠陥が再び発生する。
【0056】(実施例−5)図2に示した半導体素子を
使用して、本発明の方法に基づき半導体装置を作製し
た。作製の条件は以下のとおりである。 第1のイオン注入工程: 熱酸化膜32を通して行う。 使用イオン種 As+ ドーズ量 5×1015/cm2 加速電圧 20keV 30keV 及び 40keV 第1のアニール工程 : FA法 800゜C×30分間 第2のイオン注入工程: 使用イオン種 As+ ドーズ量 3×1015/cm2 加速電圧 種々変化 第2のアニール工程 : RTA法 1050゜C×10秒間
【0057】(比較例−2)また、比較のために、第2
のイオン注入工程を除き、第1のイオン注入工程、第1
のアニール工程、第2のアニール工程を経た半導体装置
を作製した。
【0058】こうして得られた各半導体装置試料のサイ
ドウォール端欠陥の発生率を測定した。結果を図8に示
す。尚、図8において、曲線a,b,cは、それぞれ、
第1のイオン注入工程における加速電圧が40keV,
30keV及び20keVのときのサイドウォール端欠
陥の発生率を表す。また、A,B及びCは、それぞれ、
比較例−2において、第2のイオン注入工程におけるA
+加速電圧が40keV,30けV,20keVのと
きのサイドウォール端欠陥の発生率を表す。
【0059】図8からも明らかなように、第1のイオン
注入工程におけるイオン加速電圧と、第2のイオン注入
工程におけるイオン加速電圧とが等しい場合、即ち、第
2のイオン注入工程において形成されたアモルファス化
領域の深さが、第1のイオン注入工程で形成されたアモ
ルファス化領域の深さとほぼ同じのとき、作製された半
導体装置中の結晶欠陥は最も少なくなる。また、第2の
イオン注入工程を実施することによって、半導体装置中
の結晶欠陥を飛躍的に減少させることができる。第2の
イオン注入工程におけるイオン加速電圧が、第1のイオ
ン注入工程におけるイオン加速電圧よりも高い場合、即
ち、第2のイオン注入工程において形成されたアモルフ
ァス化領域の深さが、第1のイオン注入工程で形成され
たアモルファス化領域の深さよりも深い場合、半導体装
置中の結晶欠陥は増加する傾向にある。以上の結果か
ら、第2のイオン注入工程におけるイオン加速電圧が、
第1のイオン注入工程におけるイオン加速電圧の好まし
くは50〜130%、より好ましくは50〜100%で
あるとき、結晶欠陥を効果的に抑制し得る。
【0060】(比較例−3)図2に示した半導体素子を
使用して、以下の条件で半導体装置を作製した。 第1のイオン注入工程: 熱酸化膜32を通して行う。 使用イオン種 As+ ドーズ量 5×1015/cm2 加速電圧 20keV 第1のアニール工程 : FA法 800゜C×30分間 尚、第2のイオン注入工程及び第2のアニール工程は行
わなかった。こうして得られた半導体装置試料のサイド
ウォール端欠陥の発生率を測定したところ、42%であ
った。
【0061】(比較例−4)図2に示した半導体素子を
使用して、以下の条件で半導体装置を作製した。 第1のイオン注入工程: 熱酸化膜32を通して行う。 使用イオン種 As+ ドーズ量 5×1015/cm2 加速電圧 20keV 第2のアニール工程 : RTA法 1050゜C×10秒間 第1のアニール工程及び第2のイオン注入工程は行わな
かった。こうして得られた半導体装置試料のサイドウォ
ール端欠陥の発生率を測定したところ、16%であっ
た。
【0062】以上に説明した、実施例−5、比較例−
2、比較例−3及び比較例−4で得られたサイドウォー
ル端欠陥の発生率を纏めると、以下のとおりとなる。
【0063】(実施例−6)実施例−6においては、高
濃度のAs+をシリコン基板にイオン注入することによ
ってN+拡散層をシリコン基板に形成する。浅い接合を
形成するためには、イオン種としてAs+を使用するこ
とが最も有利であるからである。As+のイオン注入に
よって、N+拡散層がシリコン基板に形成される。
【0064】以下に説明する方法を、LOCOS法にて
形成された素子分離領域を有する半導体素子に対して適
用することによってサイドウォール端欠陥の発生を防止
できることは勿論であるが、実施例−6では、シャロー
・トレンチ構造によってトレンチ素子分離領域が形成さ
れた半導体素子に対して本発明の半導体装置の製造方法
を適用する例を説明する。
【0065】図9に模式的な一部断面図を示す半導体素
子を作製した。この半導体素子は、素子分離領域12を
除き、図2に示した半導体素子と同様の構造を有する。
素子分離領域12は、シャロー・トレンチ構造から構成
されている。
【0066】図9に示した半導体素子を使用して、半導
体装置を以下の条件で作製した。 第1のイオン注入工程: 熱酸化膜32を通して行う。 使用イオン種 As+ 加速電圧 20keV ドーズ量 5×1015/cm2 第1のアニール工程 : FA法 800゜C×30分間 第2のイオン注入工程: 使用イオン種 As+ 加速電圧 10keV ドーズ量 3×1015/cm2 第2のアニール工程 : RTA法 1050゜C×10秒間
【0067】このような工程を経て得られた半導体装置
のトレンチ素子分離領域12に隣接したソース・ドレイ
ン領域40をTEM観察した。その結果、かかるソース
・ドレイン領域には結晶欠陥が認められなかった。これ
は、第2のイオン注入を行うことで、ソース・ドレイン
領域40の表面近くの結晶欠陥領域が破壊され、次い
で、高温、短時間アニールを行う第2のアニール工程に
よって不純物の活性化及び結晶性の回復が行われたから
であると考えられる。
【0068】(比較例−5)図9に模式的な一部断面図
を示す、シャロー・トレンチ構造から構成されている素
子分離領域12を有する半導体素子を基に、第1のイオ
ン注入工程、第1のアニール工程及び第2のアニール工
程を経た、即ち、第2のアニール工程を施していない半
導体装置を作製した。作製の条件は実施例−6と同様と
した。こうして作製した半導体装置のトレンチ素子分離
領域12に隣接したソース・ドレイン領域をTEM観察
した。その結果、図11に示したと同様に、かかるソー
ス・ドレイン領域には長さ20nm程度の微細な結晶欠
陥が多数認められた。
【0069】(実施例−7)実施例−7においては、実
施例−6と同様にシャロー・トレンチ構造を有する素子
分離領域12を有する半導体素子を例にとり説明する
が、実施例−6と異なり、第2のイオン注入工程におい
てP+をイオン注入する。
【0070】図9に示した半導体素子を使用して、半導
体装置を以下の条件で作製した。 第1のイオン注入工程: 熱酸化膜32を通して行う。 使用イオン種 As+ 加速電圧 20keV ドーズ量 5×1015/cm2 第1のアニール工程 : FA法 800゜C×30分間 第2のイオン注入工程: 使用イオン種 P+ 加速電圧 10keV ドーズ量 3×1015/cm2 第2のアニール工程 : RTA法 1050゜C×10秒間
【0071】このような工程を経て得られた半導体装置
のトレンチ素子分離領域12に隣接したソース・ドレイ
ン領域をTEM観察した。その結果、かかるソース・ド
レイン領域には結晶欠陥が認められなかった。
【0072】図10の(B)に示した状態、即ち、第1
のイオン注入工程及び第1のアニール工程が完了した状
態では、コンタクトホール部下方のシリコン基板領域6
4には結晶欠陥70が含まれている。次いで、第2のイ
オン注入工程及び第2のアニール工程を実施することに
よって、コンタクトホール部下方のシリコン基板領域6
4における結晶欠陥70の発生を抑制することができ
る。
【0073】以上、本発明を好ましい実施例に基づいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。各イオン注入工程及びアニール工程における
条件は、半導体装置中の結晶欠陥の発生を効果的に抑制
することができるような条件に適宜選択することができ
る。半導体素子の構造は例示であり、各種の構造を有す
る半導体素子から半導体装置を本発明の製造方法に基づ
き作製することができる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、シリコン基板に導入す
べき不純物量を減らすことなく、しかも拡散長の増加を
招くことなく、半導体装置中の結晶欠陥の発生を効果的
に抑制することができる。従って、半導体装置の拡散領
域のシート抵抗を増加させることがなく、接合リーク電
流を低減することができ、例えば半導体メモリーのデー
タ保持能力を改善することができる。
【0075】また、第2のイオン注入工程において電気
的に中性のイオンを使用すれば、第2のイオン注入工程
におけるレジスト処理が不要となり、ウェハ全面にイオ
ン注入を1回行えばよいので、工程の簡略化が図れるば
かりか、注入エネルギー(加速電圧)やドーズ量の自由
度が大きいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の好ましい態様に係る製造方法の
各工程の概要を示す、半導体素子の一部断面図である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法に適したLOC
OS法による素子分離領域を有する半導体素子の一部断
面図である。
【図3】第1の態様に係る本発明の半導体装置の製造方
法における、イオン注入によって発生したシリコン基板
のアモルファス化された領域の深さと、アニール工程に
て発生したサイドウォール端欠陥の深さとの関係を表す
図である。
【図4】本発明の第2の好ましい態様に係る製造方法の
原理を示す、半導体素子の一部断面図である。
【図5】第1の態様に係る本発明の半導体装置の製造方
法における、イオンの注入ドーズ量とサイドウォール端
欠陥の発生率の関係を表す図である。
【図6】第1の態様に係る本発明の半導体装置の製造方
法における、イオンの加速電圧とサイドウォール端欠陥
の発生率の関係を表す図である。
【図7】サイドウォール端欠陥の発生率を説明するため
の半導体装置の模式的な平面図である。
【図8】第2の好ましい態様の製造方法における、イオ
ンの加速電圧とサイドウォール端欠陥の発生率の関係を
表す図である。
【図9】本発明の半導体装置の製造方法に適したシャロ
ー・トレンチ構造の素子分離領域を有する半導体素子の
一部断面図である。
【図10】従来の半導体装置の結晶欠陥を表す図であ
る。
【図11】従来のシャロー・トレンチ構造の素子分離領
域に隣接したソース・ドレイン領域における結晶欠陥を
表す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 10,12 素子分離絶縁領域 20 ゲート電極 28 サイドウォール 30 サイドウォール端部 32 熱酸化膜 40 ソース・ドレイン領域 50,52,70,80 結晶欠陥 62 コンタクトホール部 64 コンタクトホール部下方のシリコン基板領域 100 第1のイオン注入工程によって発生したアモル
ファス化された領域 102 第2のイオン注入工程において発生したアモル
ファス化された領域 110 第1のアモルファス化領域 110A 結晶領域 120 第2のアモルファス化領域 120A 結晶領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/316 21/336 8617−4M H01L 21/265 Q 7342−4M 21/94 A 7377−4M 29/78 301 P

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)シリコン基板に不純物をイオン注入
    する第1のイオン注入工程と、 (ロ)600乃至800゜Cの温度でアニールする第1
    のアニール工程と、 (ハ)第1のイオン注入工程でイオン注入されたシリコ
    ン基板の領域に、不純物をイオン注入する第2のイオン
    注入工程と、 (ニ)高温、短時間アニールを行う第2のアニール工
    程、 から成ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】第2のイオン注入工程によってシリコン基
    板に形成されるアモルファス化される領域の深さが、第
    1のイオン注入工程によって形成されたアモルファス化
    された領域の深さよりも浅くなり、且つ第2のイオン注
    入工程によってシリコン基板に形成されるアモルファス
    化される領域の深さが、第1のアニール工程によって形
    成された結晶欠陥領域の深さよりも深くなるように、第
    2のイオン注入工程におけるイオン注入条件を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】第2のイオン注入工程によってシリコン基
    板に形成されるアモルファス化領域の深さが、第1のイ
    オン注入工程によって形成されたアモルファス化領域の
    深さと同程度あるいは浅くなるように、第2のイオン注
    入工程におけるイオン注入条件を選択することを特徴と
    する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】第1のイオン注入工程で形成されたアモル
    ファス化領域の深さと同程度あるいは浅いアモルファス
    化領域をシリコン基板に形成するために、第2のイオン
    注入工程におけるイオン加速電圧を、第1のイオン注入
    工程におけるイオン加速電圧の50乃至130%にする
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】第1のイオン注入工程で形成されたアモル
    ファス化領域の深さと同程度かあるいは浅いアモルファ
    ス化領域をシリコン基板に形成するために、第2のイオ
    ン注入工程におけるイオンドーズ量を、第1のイオン注
    入工程におけるイオンドーズ量の20乃至100%にす
    ることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造
    方法。
  6. 【請求項6】第2のイオン注入工程において、電気的に
    中性のイオンを注入することを特徴とする請求項1、請
    求項2又は請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置
    の製造方法。
  7. 【請求項7】第1のイオン注入工程及び第2のイオン注
    入工程でイオン注入されるイオン種はAs+であり、 第2のイオン注入工程におけるイオン加速電圧は、第1
    のイオン注入工程におけるイオン加速電圧の50乃至1
    00%であることを特徴とする請求項3に記載の半導体
    装置の製造方法。
  8. 【請求項8】全Asイオンドーズ量は2×1015/cm
    2以上であり、第2のイオン注入工程におけるAsイオ
    ンドーズ量は、1×1015/cm2以上であることを特
    徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
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