JPH05189127A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JPH05189127A
JPH05189127A JP252592A JP252592A JPH05189127A JP H05189127 A JPH05189127 A JP H05189127A JP 252592 A JP252592 A JP 252592A JP 252592 A JP252592 A JP 252592A JP H05189127 A JPH05189127 A JP H05189127A
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Ryozo Yanagisawa
亮三 柳澤
Katsuyuki Kobayashi
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Kiyoshi Kaneko
潔 兼子
Atsushi Tanaka
淳 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 座標入力部を構成する振動伝達板周辺部で発
生する反射波の影響を低減できる座標入力装置の構造を
提供する。 【構成】 座標入力部を構成する振動伝達板8には、そ
の辺部中央に振動センサ6が設けられている。また、振
動伝達板8の中央部には、入力有効エリアAの周囲が設
定され、その周囲の振動伝達板8周辺部での反射波のみ
が伝達される斜線領域(境界Cの外側)の振動伝達速度
を、振動入力点から振動センサ6まで直接伝達される直
接波の伝達速度よりも遅く設定する。この斜線の領域を
通って振動センサに入力される反射波は直接波よりも遅
く振動センサに到達するため、反射波の振動検出に対す
る影響が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は座標入力装置、特に振動
ペンから振動伝達板上に画成された所定の入力有効領域
に入力された振動を前記振動伝達板に設けられた振動セ
ンサにより検出することにより前記振動ペンの振動伝達
板上での入力座標を検出する座標入力装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】座標入力装置として、従来より各種の入
力装置が知られている。この種の装置では、所定の入力
面上に座標系を設定し、所定方式の入力部材により入力
面に入力を行ない、入力面上の座標系における座標情報
を検出する。
【0003】検出方式としては、振動ペンなどによる入
力部材を用い、振動伝達板などから構成された入力タブ
レットに超音波振動を入力し、入力タブレットに設けた
振動センサによりこの振動を検出し、タブレット上での
振動伝達時間から座標値を検出する方式が知られてい
る。
【0004】このような座標入力装置では、振動伝達板
の端部で入力振動が反射し、その反射波により振動セン
サによる検出に誤差を生じないように、振動伝達板の周
辺部に防振材を装着する構造が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来構成
では、防振材の制振能力が不充分、あるいは、防振材装
着により新たな反射波が生じ、その影響を避けるため、
直接波(以下、反射波に対し、振動ペン反射から振動セ
ンサまで直接伝達する振動を直接波という)と反射波の
伝達時間がある一定時間以上差がでるように直接波の伝
達経路より反射波の伝達経路を長くする構成をとる必要
があった。このためには、振動伝達板の周囲に一定の大
きさの入力無効領域を設ける必要があり、装置がそのぶ
んだけ大型化するという問題があった。
【0006】本発明の課題は、以上の問題を解決し、座
標入力部を構成する振動伝達板周辺部で発生する反射波
の影響を低減できる座標入力装置の構造を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明においては、振動ペンから振動伝達板上に
画成された所定の入力有効領域に入力された振動を前記
振動伝達板に設けられた振動センサにより検出すること
により前記振動ペンの振動伝達板上での入力座標を検出
する座標入力装置において、前記振動伝達板周辺部で発
生する反射波の伝達領域であって、かつ前記振動ペン入
力点から振動センサまで直接伝達される直接波の伝達領
域でない振動伝達板上の前記入力有効領域周囲の所定領
域の振動伝達速度を前記直接波の伝達速度よりも遅く設
定した構成を採用した。
【0008】
【作用】以上の構成によれば、反射波のみが伝達される
振動伝達板上の前記所定領域においては、振動伝達速度
が前記振動ペンの入力点から振動センサまで直接伝達さ
れる直接波の伝達速度よりも遅く設定されるため、この
領域を通って振動センサに入力される反射波は直接波よ
りも遅く振動センサに到達するため、反射波の振動検出
に対する影響が低減される。
【0009】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づき、本発明を
詳細に説明する。
【0010】<装置の構成>図1(a)は本発明を採用
した情報入出力装置の構造を示している。図1(a)の
情報入出力装置は振動伝達板8からなる入力タブレット
に振動ペン3によって座標入力を行なわせ、入力された
座標情報にしたがって入力タブレットに重ねて配置され
たCRTからなる表示器11’に入力画像を表示するも
のである。
【0011】図において符号8で示されたものはアクリ
ル、ガラス板などからなる振動伝達板で振動ペン3から
伝達される振動をその辺部中央に4個設けられた振動セ
ンサ6に伝達する。本実施例では振動ペン3から振動伝
達板8を介して振動センサ6に伝達された超音波振動の
伝達時間を計測することにより振動ペン3の振動伝達板
8上での座標を検出する。
【0012】振動伝達板8は振動ペン3から伝達された
振動が周辺部で反射されて中央部の方向に戻るのを防止
するためにその周辺部分をシリコンゴムなどから構成さ
れた防振材7によって支持されている。図1(b)は、
図1(a)のa−a´線に沿った断面で、防振材7は振
動伝達板8の周辺部に装着される。振動伝達板8の周辺
部8d(図1(a)の斜線部に相当する部分)は、図8
に関連して後述するようにテーパー状に構成される。
【0013】図中の実線で示した矩形の領域Aは、入力
が可能な有効エリアである。この入力有効エリアおよび
振動伝達板8まわりの詳細な構成および作用については
後でより詳細に説明する。
【0014】振動伝達板8はCRT(あるいは液晶表示
器など)など、ドット表示が可能な表示器11’上に配
置され、振動ペン3によりなぞられた位置にドット表示
を行なうようになっている。すなわち、検出された振動
ペン3の座標に対応した表示器11’上の位置にドット
表示が行なわれ、振動ペン3により入力された点、線な
どの要素により構成される画像はあたかも紙に書き込み
を行なったように振動ペンの軌跡の後に現れる。
【0015】また、このような構成によれば表示器1
1’にはメニュー表示を行ない、振動ペンによりそのメ
ニュー項目を選択させたり、プロンプトを表示させて所
定の位置に振動ペン3を接触させるなどの入力方式を用
いることもできる。
【0016】振動伝達板8に超音波振動を伝達させる振
動ペン3は、内部に圧電素子などから構成した振動子4
を有しており、振動子4の発生した超音波振動を先端が
尖ったホーン部5を介して振動伝達板8に伝達する。
【0017】図2は振動ペン3の構造を示している。振
動ペン3に内蔵された振動子4は、振動子駆動回路2に
より駆動される。振動子4の駆動信号は図1の演算およ
び制御回路1から低レベルのパルス信号として供給さ
れ、低インピーダンス駆動が可能な振動子駆動回路2に
よって所定のゲインで増幅された後、振動子4に印加さ
れる。
【0018】電気的な駆動信号は振動子4によって機械
的な超音波振動に変換され、ホーン部5を介して振動板
8に伝達される。
【0019】振動子4の振動周波数はアクリル、ガラス
などの振動伝達板8に板波を発生させることができる値
に選択される。また、振動子駆動の際、振動伝達板8に
対して図2の垂直方向に振動子4が主に振動するような
振動モードが選択される。また、振動子4の振動周波数
を振動子4の共振周波数とすることで効率のよい振動変
換が可能である。
【0020】上記のようにして振動伝達板8に伝えられ
る弾性波は板波であり、表面波などに比して振動伝達板
8の表面の傷、障害物などの影響を受けにくいという利
点を有する。
【0021】再び、図1(a)において、振動伝達板8
の辺部中央に設けられた4つの振動センサ6も圧電素子
などの機械〜電気変換素子により構成される。4つの振
動センサ6の各々の出力信号は波形検出回路9に入力さ
れ、後述の波形検出処理により、各センサへの振動到着
タイミングを検出する。この検出タイミング信号は演算
制御回路1に入力される。
【0022】演算制御回路1は波形検出回路から入力さ
れた検出タイミングにより各センサへの振動伝達時間を
検出し、さらにこの振動伝達時間から振動ペン3の振動
伝達板8上での座標入力位置を検出する。
【0023】検出された振動ペン3の座標情報は演算制
御回路1において表示器11’による出力方式に応じて
処理される。すなわち、演算制御回路は入力座標情報に
基づいてビデオ信号処理装置10を介して表示器11’
の出力動作を制御する。
【0024】<演算制御回路1の構成>図3は図1の演
算制御回路1の構造を示している。ここでは主に振動ペ
ン3の駆動系および振動センサ6による振動検出系の構
造を示している。
【0025】マイクロコンピュータ31は内部カウン
タ、ROMおよびRAMを内蔵している。駆動信号発生
回路12は図1の振動子駆動回路2に対して所定周波数
の駆動パルスを出力するもので、マイクロコンピュータ
31により座標演算用の回路と同期して起動される。
【0026】タイマ33の計数値はマイクロコンピュー
タ11の制御により4つの振動センサ6に対応するラッ
チ回路34a〜34dにラッチされる。
【0027】一方、前記の波形検出回路9は、各振動セ
ンサ6の出力から後述のようにして振動伝達時間を計測
するための検出信号のタイミング情報を出力する。これ
らのタイミング情報は入力ポート35にそれぞれ入力さ
れる。
【0028】波形検出回路9から入力されるタイミング
信号が入力ポート35を介して入力されると、ラッチ回
路34a〜34d内の各振動センサ6に対応する記憶領
域にタイマ33の計時時間が記憶される。
【0029】すなわち、タイマ33の出力データのラッ
チ値として振動伝達時間が表現され、この振動伝達時間
値に基づきマイクロコンピュータ31により座標演算が
行なわれる。このとき、判定回路36は複数の振動セン
サ6からの波形検出のタイミング情報がすべて入力され
たかどうかを判定し、マイクロコンピュータ31に報知
する。
【0030】なお、表示器11’の出力制御処理は入出
力ポート37を介して行なわれる。
【0031】<振動伝達時間検出の説明>図4は図1の
波形検出回路9に入力される検出波形と、それに基づく
振動伝達時間の計測処理を説明するものである。図4に
おいて符号41で示されるものは振動ペン3に対して印
加される駆動信号パルスである。このような波形により
駆動された振動ペン3から振動伝達板8に伝達された超
音波振動は振動伝達板8内を通って振動センサ6に検出
される。
【0032】振動伝達板8内を振動センサ6までの距離
に応じた時間tgをかけて進行した後、振動は振動セン
サ6に到達する。図4の符号42は振動センサ6が検出
した信号波形を示している。本実施例において用いられ
る板波は分散性の波であり、そのため検出波形のエンベ
ロープ421と位相422の関係は振動伝達距離に応じ
て変化する。
【0033】ここで、エンベロープの進む速度を群速度
Vg、位相速度をVpとする。この群速度および位相速
度の違いから振動ペン3と振動センサ6間の距離を検出
することができる。
【0034】まず、エンベロープ421のみに着目する
と、その速度はVgであり、ある特定の波形上の点、た
とえばピークを図4の符号43のように検出すると、振
動ペン3および振動センサ6の間の距離dはその振動伝
達時間をtgとして d=Vg・tg …(1) この式は振動センサ6の1つに関するものであるが、同
じ式により他の2つの振動センサ6と振動ペン3の距離
を示すことができる。
【0035】さらに、より高精度な座標値を決定するた
めには、位相信号の検出に基づく処理を行なう。図4の
位相波形422の特定の検出点、たとえば振動印加か
ら、ピーク通過後のゼロクロス点までの時間をtpとす
れば振動センサと振動ペンの距離は d=n・λp+Vp・tp …(2) となる。ここでλpは弾性波の波長、nは整数である。
【0036】前記の(1)式と(2)式から上記の整数
nは n=[(Vg・tg−Vp・tp)/λp+1/N] …(3) と示される。ここでNは0以外の実数であり、適当な数
値を用いる。たとえばN=2とし、±1/2波長以内で
あれば、nを決定することができる。
【0037】上記のようにして求めたnを(2)式に代
入することで、振動ペン3および振動センサ6間の距離
を正確に測定することができる。
【0038】図3に示した2つの振動伝達時間tgおよ
びtpの測定のため、波形検出回路9はたとえば図5に
示すように構成することができる。
【0039】図5において、振動センサ6の出力信号は
前述の増幅回路51により所定のレベルまで増幅され
る。
【0040】増幅された信号はエンベロープ検出回路5
2に入力され、検出信号のエンベロープのみが取り出さ
れる。抽出されたエンベロープのピークのタイミングは
エンベロープピーク検出回路53によって検出される。
ピーク検出信号はモノマルチバイブレータなどから構成
された信号検出回路54によって所定波形のエンベロー
プ遅延時間検出信号Tgが形成され、演算制御回路1に
入力される。
【0041】また、このTg信号のタイミングと、遅延
時間調整回路57によって遅延された元信号から検出回
路58により位相遅延時間検出信号Tpが形成され、演
算制御回路1に入力される。
【0042】すなわち、Tg信号は単安定マルチバイブ
レータ55により所定幅のパルスに変換される。また、
コンパレートレベル供給回路56はこのパルスタイミン
グに応じてtp信号を検出するためのしきい値を形成す
る。この結果、コンパレートレベル供給回路56は図3
の符号44のようなレベルとタイミングを有する信号4
4を形成し、検出回路58に入力する。
【0043】すなわち、単安定マルチバイブレータ55
およびコンパレートレベル供給回路56は位相遅延時間
の測定がエンベロープピーク検出後の一定時間のみしか
作動しないようにするためのものである。
【0044】この信号はコンパレータなどから構成され
た検出回路58に入力され、図4のように遅延された検
出波形と比較され、この結果符号45のようなtp検出
パルスが形成される。
【0045】以上に示した回路は振動センサ6の1つ分
のもので、他のそれぞれのセンサに対しても同じ回路が
設けられる。センサの数を一般化してh個とすると、エ
ンベロープ遅延時間Tg1〜h、位相遅延時間Tp1〜
hのそれぞれh個の検出信号が演算制御回路1に入力さ
れる。
【0046】図3の演算制御回路では上記のTg1〜
h、Tp1〜h信号を入力ポート35から入力し、各々
のタイミングをトリガとしてタイマ33のカウント値を
ラッチ回路34に取り込む。前記のようにタイマ33は
振動ペンの駆動と同期してスタートされているので、ラ
ッチ回路34にはエンベロープおよび位相のそれぞれの
遅延時間を示すデータが取り込まれる。
【0047】<座標位置の演算>図6は、振動センサ6
を振動伝達板8の角部に3つ配置した場合の座標値の検
出を説明するためのものである。
【0048】図6のように振動伝達板8の角部に3つの
振動センサ6を符号S1からS3の位置に配置すると、
図4に関連して説明した処理によって振動ペン3の位置
Pから各々の振動センサ6の位置までの直線距離d1〜
d3を求めることができる。さらに演算制御回路1でこ
の直線距離d1〜d3に基づき振動ペン3の位置Pの座
標(x、y)を3平方の定理から次式のようにして求め
ることができる。
【0049】 x=X/2+(d1+d2)(d1−d2)/2X …(4) y=Y/2+(d1+d3)(d1−d3)/2Y …(5) ここでX、YはS2、S3の位置の振動センサ6と原点
(位置S1)のセンサのX、Y軸に沿った距離である。
【0050】以上のようにして振動ペン3の位置座標を
リアルタイムで検出することができる。なお、図1
(a)のように3つをこえる数のセンサを配置する場合
には、有効振動を検出した少なくとも3つのセンサを適
当なアルゴリズムにより選択することにより、上式を適
用することが考えられる。
【0051】<振動伝達板およびその入力有効領域の説
明>ここで、図7の(a)及び(b)の様な振動伝達板
8に、周辺に防振材7を装着し、有効エリアAを図示の
矩形領域に設定した構成を考える。
【0052】本発明においては、さらに図7の斜線部に
おける振動伝達速度が、有効なエリアAを含む斜線部で
ない部分より遅くなるように構成する(このための機械
的な構成は後述する)。
【0053】図7の振動伝達速度が遅い斜線部の領域
は、境界Cの外側に構成される。
【0054】この境界Cは、各振動センサ6(図7の実
施例の場合は4センサ)それぞれに対して、その振動セ
ンサ6と一番近傍の有効エリアAの両側の角部と結んだ
直線により画成される。
【0055】この境界Cは、振動センサ6に対する有効
エリアからの直接波伝達エリアの境界となる。したがっ
て、斜線のように振動伝達速度が相対的に遅い領域を設
定した場合、各センサに対する直接波は、この伝達速度
が相対的に遅い領域は通らないことになる。
【0056】図7の(a)、(b)は、反射波の代表的
なもの2つについて示している。
【0057】まず、図7(a)では、図の下部の振動セ
ンサ6に対して、一番近傍の有効エリアAの角部から入
力した場合の直接波と反射波について示している。この
場合の直接波は、ほぼ境界Cの直線上を伝達するので、
速く伝達する。
【0058】これに対し、反射波(この場合はこの振動
センサ6の外側の振動伝達板8端面からの反射波であ
り、防振材7により完全に制振されていない反射波であ
る)の伝達領域は、斜線領域の振動伝達速度の遅い領域
である。
【0059】したがって、従来の構成の場合と比べて、
直接波と反射波の伝達経路の距離差を短くしても、時間
的には、従来と同様に直接波と反射波を離すことが可能
になる。
【0060】図7(b)についても同様である。反射波
は、周囲に装着した防振材7の装着面により発生したも
のである。この場合の反射波は、図示のように、反射波
伝達経路の一部においてのみ、伝達速度の遅い領域を通
るのであるが、すべて相対的に伝達速度の速い領域を伝
達する直接波に対しては、従来構成に対して、反射波と
直接波の伝達経路距離差を小さくすることが可能であ
る。
【0061】これにより、従来よりも入力無効エリアの
面積を小さくできる。また、従来と同じ面積の入力有効
エリアを設定した場合、上記構成により反射波の影響が
低減されるため、入力精度が向上し、したがって、逆に
いえば、従来と同じ入力精度を実現すればよいのであれ
ば、従来よりも入力有効エリアを拡大でき、あるいは、
同一の入力有効エリアであれば、振動伝達板8の面積を
小さくし装置全体を小型化することができる。
【0062】以上2つの代表的な反射波について述べた
が、上記の構成をとることにより、すべての反射波と直
接波に対し、上記と同様なことが言える。
【0063】振動伝達板8上に速度の相対的に速い領域
と遅い領域を設ける具体的な構成を図8〜図12に例示
する。図8および図10〜図12は図7(a)の線部分
a−a’の断面構造を示したものである(ただし、図8
および図10〜図12において、防振材の図示は省略す
る)。
【0064】図8は、速度を振動伝達板の板厚を変えて
変化させた場合である。周知の様に、本発明で用いる板
波は、伝達速度(群速度Vg、位相速度Vp )は、F(板
波の周波数)とD(振動伝達板の厚さ)の積に対して、
図9で示すような関係を示すことは一般的に知られてい
る。
【0065】したがって、例えばF・D<1〔MHz・
mm〕とすれば、Fを一定にすれば、板厚を薄くするこ
とにより、伝達速度を遅くすることができる。従って、
図8に示すように、断面a−a’において、b及びb’
を前記境界Cとすると、b及びb’より外側において、
しだいに、ゆるやかに板厚が薄くなる構成とすることに
より、図7の斜線のように相対的に振動伝達速度の遅い
領域を設けることができる。
【0066】図10の構成は、振動伝達板の材質を変化
させて伝達速度を設定している。一般に、振動伝達速度
は振動媒体の性質、とくに弾性率と比重に左右されるこ
とは知られている。例えば、本実施例において、振動伝
達板をガラス板とする。ガラス板の中でも、鉛板ガラス
はソーダ石灰ガラスより比重が大きく振動伝達速度は遅
い。本構成では、図10に示すように、b−b’間では
ソーダ石灰ガラスを用い、b−a及び、b’−a’領域
において、鉛板ガラスあるいは端部へ徐々に鉛成分を増
加することにより、図7の斜線の相対的に振動伝達速度
の遅い領域を設けることができる。勿論、鉛以外にも、
振動伝達板の比重を上げる、あるいは、弾性率を下げる
ものであれば他の材料でも良い。
【0067】また、図11のように、振動伝達板8に、
高分子材料、樹脂ゴム等の振動伝達速度の遅い材料8a
を装着することにより、装着する前に比べて、振動伝達
速度を遅くすることができる。本実施例においては、b
からa及びb’からa’にかけて、テーパーをもたせた
樹脂による部材8aを装着している。これは、前記実施
例と同様に、b及びb’つまり境界Cにおける急激な音
響インピーダンス変化による反射波発生を防ぐためであ
る。この様に、樹脂高分子材料、ゴム等の材料を上記の
様に装着することにより、図7の斜線の相対的に振動伝
達速度の遅い領域を設けることができる。
【0068】さらに異なる振動伝達板8の構成例を図1
2に示す。従来例においては、振動伝達板8の表面に、
摩耗防止などの目的で、樹脂状のシート層を形成する提
案がなされている。本実施例は、このような従来構成に
おいて、図11の様にb−a及びb’−a’の領域のみ
振動伝達板8と樹脂シート8cとの接着層8bを設け、
他の部分はこの接着層8bを設けない構成とした。この
構成により、接着層8bを設けた部分は、図11におけ
る場合と同様に、相対的に伝達速度を遅くすることがで
き、図7の斜線の相対的に振動伝達速度の遅い領域を設
けることができる。
【0069】つまり、接着層8bを設けない領域では、
振動ペン3により押されて入力する場合以外は接触しな
いか、あるいは接触しても、接着層bの部分に比べて、
振動伝達板8との振動エネルギーの伝達はわずかである
ため、振動伝達に変化は生じない。上記実施例は、上記
従来例に限らず、一般的に振動伝達板8に樹脂等のシー
トを重ねた構成においても有効である。
【0070】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、振動ペンから振動伝達板上に画成された所定の入力
有効領域に入力された振動を前記振動伝達板に設けられ
た振動センサにより検出することにより前記振動ペンの
振動伝達板上での入力座標を検出する座標入力装置にお
いて、前記振動伝達板周辺部で発生する反射波の伝達領
域であって、かつ前記振動ペン入力点から振動センサま
で直接伝達される直接波の伝達領域でない振動伝達板上
の前記入力有効領域周囲の所定領域の振動伝達速度を前
記直接波の伝達速度よりも遅く設定した構成を採用して
いる。
【0071】このため、反射波のみが伝達される振動伝
達板上の前記所定領域においては、振動伝達速度が振動
ペン入力点から直接振動センサまで伝達される直接波の
伝達速度よりも遅く設定されるため、この領域を通って
振動センサに入力される反射波は直接波よりも遅く振動
センサに到達するため、反射波の振動検出に対する影響
が低減され、従来と同じ面積の入力有効エリアを設定し
た場合、上記構成により反射波の影響が低減されるた
め、入力精度が向上し、したがって、逆にいえば、従来
と同じ入力精度を実現すればよいのであれば、従来より
も入力有効エリアを拡大でき、あるいは、同一の入力有
効エリアであれば、振動伝達板8の面積を小さくし装置
全体を小型化することができるという優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した情報入出力装置の構成を示し
た説明図である。
【図2】図1の振動ペンの構造を示した説明図である。
【図3】図1の演算制御回路の構造を示したブロック図
である。
【図4】振動ペンと振動センサの間の距離測定を説明す
る検出波形を示した波形図である。
【図5】図1の波形検出回路の構成を示したブロック図
である。
【図6】振動センサの配置例を示した説明図である。
【図7】図1の装置の振動伝達板8およびその入力有効
範囲を示した説明図である。
【図8】図1の装置の振動伝達板8の構成例を示した説
明図である。
【図9】板波の一般的な性質を示した線図である。
【図10】図1の装置の振動伝達板8の構成例を示した
説明図である。
【図11】図1の装置の振動伝達板8の構成例を示した
説明図である。
【図12】図1の装置の振動伝達板8の構成例を示した
説明図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路 3 振動ペン 4 振動子 6 振動センサ 7 防振材 8 振動伝達板 51 前置増幅器 35、37 入力ポート 52 エンベロープ検出回路 54、58 信号検出回路 59 A/D変換回路 91 ピークホールド回路 92 加算回路 93 コンパレータ 510 ラッチ回路
フロントページの続き (72)発明者 兼子 潔 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 淳 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 谷石 信之介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動ペンから振動伝達板上に画成された
    所定の入力有効領域に入力された振動を前記振動伝達板
    に設けられた振動センサにより検出することにより前記
    振動ペンの振動伝達板上での入力座標を検出する座標入
    力装置において、 前記振動伝達板周辺部で発生する反射波の伝達領域であ
    って、かつ前記振動ペン入力点から振動センサまで直接
    伝達される直接波の伝達領域でない振動伝達板上の前記
    入力有効領域周囲の所定領域の振動伝達速度を前記直接
    波の伝達速度よりも遅く設定したことを特徴とする座標
    入力装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0655704A1 (en) * 1993-11-12 1995-05-31 Canon Kabushiki Kaisha Coordinate input apparatus
WO2002044882A1 (fr) * 2000-12-01 2002-06-06 Seiko Instruments Inc. Panneau tactile ultrasonore

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