JPH05187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、長期にわたり寝た状態等の人に使用
される床擦れ防止マツトに関し、詳しくは発汗に
伴う菌の繁殖を抑制するとともに防臭を図り、こ
のようになしながら、表層にしわが寄つて接触感
が低下するのを回避し、かつ圧力空気を充填させ
る床擦れ防止マツトの耐久性を向上させようとす
る技術に関する。

［背景技術］ 従来、床擦れ防止マツトの材質はウレタンシー
ト等の単体及びナイロン等の繊維にゴムやウレタ
ンシートを接着もしくはコーテイングしたもの等
が用いられているが、床擦れ防止マツトを長期間
使用すると、マツト表面に菌が付着及び繁殖し、
衛生上問題が生じ、又、使用者に悪影響を与える
とともに寝たきり患者特有の悪臭を発するという
問題があつた。

［考案の目的］ 本考案はこのような問題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、マツト表面の
菌の繁殖を防ぎ、使用者の菌による悪影響を防止
するとともに寝たきりに伴う悪臭の発生を防止す
ることができ、かかる場合に、マツト表面にしわ
が生じるのを抑制して、接触感を損なうのを回避
することができ、かつ空気袋に圧力空気を充填さ
せる床擦れ防止マツトの耐久性を向上させること
ができる床擦れ防止マツトを提供することにあ
る。

［考案の開示］ 本考案の床擦れ防止マツトは、抗菌性、防臭性
を有する抗菌防臭素材層１と気体を通さない気密
性を有する気密素材層２とを一体化したシート３
により加工され内部に空気袋４が形成された床擦
れ防止マツトであつて、マツト外面側が抗菌防臭
素材層１となり、マツト内面側が気密素材層２と
なるようにしたことを特徴とするものであり、こ
のように構成することによつて、上記目的を達成
したものである。つまり、マツト外面側が抗菌防
臭素材層１としてあるから、外面側の抗菌防臭素
材層１によりマツト表面の菌の繁殖が防止され、
使用者への菌の移転がなく、常に衛生的な状態に
保たれ、菌の繁殖がない故、寝たきりに伴う悪臭
の発生を抑制することができ、加えて、抗菌性、
防臭性を有する抗菌防臭素材層１と気体を通さな
い気密性を有する気密素材層２とを一体化したシ
ート３により加工され内部に空気袋４が形成され
た床擦れ防止マツトであつて、空気袋４に圧力空
気を充填する場合の動きにおいて、表層の抗菌防
臭素材層１と裏層の気密素材層２とが一体化され
ていて、表層の抗菌防臭素材１にしわが生じ難
く、床擦れ防止マツトとして接触感がよくなり、
かつ気体を通さない気密素材層には抗菌防臭素材
層が一体化されていて、気密素材層の耐圧力強度
を高めることができ、空気袋に圧力空気を充填さ
せる床擦れ防止マツトの耐久性を向上できるよう
にしたものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

床擦れ防止マツトＡは上のシート３と下のシー
ト３とを適宜間隔を隔てて溶着して上下のシート
３，３間に蛇行する一連の空気袋４を構成したも
のであり、この空気袋４に空気ポンプから圧力空
気を導入して膨張させてベツト上等において使用
するものである。

シート３は抗菌性、防臭性を有する抗菌防臭素
材層１と気体を通さない気密性を有する気密素材
層２から形成され、第１図に示すように、抗菌防
臭素材層１と水密素材層２とが一体化され、そし
てマツト外面側が抗菌防臭素材層１となり、マツ
ト内面側が気密素材層２となるようにしてある。

このように、マツト外面側が抗菌防臭素材層１
とすることで、外面側の抗菌防臭素材層１により
マツト表面の菌の繁殖が防止され、使用者への菌
の移転がなく、常に衛生的な状態に保たれ、菌の
繁殖がない故、寝たきりに伴う悪臭の発生を抑制
するのである。

そして抗菌防臭素材層１としては、天然繊維、
合成樹脂繊維及びこれらの複合繊維に、薬剤名が
DC5700（ダウコーニング5700抗微生物処理剤）を
使用した東洋紡績株式会社の「東洋紡バイオシ
ル」と称する抗菌防臭処理（繊維上の菌の増殖を
抑制し、防臭効果を示す）を行つたものを使用す
るものである。そして「東洋紡バイオシル」と称
する抗菌防臭処理は、あくまで繊維素材に付着し
た微生物のみにその効果を及ぼし、微生物による
繊維素材そのもののぜい化、変色などの変化また
は繊維素材に付着した白せん菌などの有害な菌が
増殖するのを抑える効果がある。ところで汗その
ものは臭いはないが、皮膚表面の汗が肌着や靴下
などに吸収され、その汗に細菌が繁殖して汗の中
の尿素などを含んだ分泌物が分解される。この結
果、多量のアンモニヤなどの刺激的なガスが発生
し、これが臭気の原因になると考えられている。
又、抗菌防臭素材層１としては、小松精錬株式会
社において実施されている「高抗菌、防臭素材マ
ーバスＭ」と称するものを使用してもよい。この
「高抗菌、防臭素材マーバスＭ」はポリエステル
繊維に「マーバス」と称する改質加工を加えたも
のに更に高抗菌、防臭処理を加えたものであり、
この「マーバス」と称する改質加工は、ポリエス
テル繊維の幹ポリマーにアクリル酸、メタアクリ
ル酸及びメタクリル酸のような親水性モノマーを
グラフト反応させて永久吸湿加工を施してある。
この「マーバス」と称する改質加工により、ポリ
エステル繊維に天然繊維のような永久吸湿特性を
得、静電気の帯電防止特性が加えられ、このよう
な帯電防止により、塵あいが付着して汚れるのを
防止し、更に油性、水性いずれの汚れも簡単に落
ち、洗濯の再汚染もなくすことができ、それでい
てポリエステル繊維の固有の特性である速乾性、
寸法安定性及びイージイ・ケアな特性はそのまま
残すことができ、その使用に際して、接触感が良
く、高級感が出、マツト上に敷いたシーツの滑り
を抑制するのである。そしてこのような「マーバ
ス加工」と抗菌物質を化学的にポリエステル繊維
に結合させたのが、小松精錬株式会社の「高抗
菌、防臭素材マーバスＭ」と称するものである。

［考案の効果］ 以上要するに本考案は、マツト外面側が抗菌防
臭素材層としてあるから、外面側の抗菌防臭素材
層によりマツト表面の菌の繁殖が防止され、使用
者への菌の移転がなく、常に衛生的な状態に保た
れ、菌の繁殖がない故、寝たきりに伴う悪臭の発
生を抑制することができ、しかも、抗菌性、防臭
性を有する抗菌防臭素材層と気体を通さない気密
性を有する気密素材層とを一体化したシートによ
り加工され内部に空気袋が形成された床擦れ防止
マツトであるから、空気袋に圧力空気を充填する
場合の動きにおいて、表層の抗菌防臭素材層と裏
層の気密素材層とが一体化されていて、表層の抗
菌防臭素材にしわが生じ難く、床擦れ防止マツト
として接触感がよくなるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図であり、 １は抗菌防臭素材層、２は気密素材層である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 抗菌性、防臭性を有する抗菌防臭素材層と気
   体を通さない気密性を有する気密素材層とを一
   体化したシートにより加工され内部に空気袋が
   形成された床擦れ防止マツトであつて、マツト
   外表面が抗菌防臭素材層となり、マツト内面側
   が気密素材層となるようにした床擦れ防止マツ
   ト。 (2) 抗菌防臭素材層は抗微生物処理剤にて抗菌処
   理されている実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の床擦れ防止マツト。