JPH0518764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電子写真複写装置や静電記録装置など
に好適な小型で軽量な二成分現像装置に関する。

〔従来技術〕

従来、この種現像装置として、底部に貯えられ
る二成分現像剤を攪拌しうる汲上げローラにより
上位に配置された現像スリーブに着磁供給する型
式のものが知られている。この型式において、現
像後の現像剤消費差（濃度斑）の解消や、供給さ
れたトナーとの混合のために、現像後、現像剤は
現像ローラから離脱され、偏流板、スクリユー等
により軸方向に移動させられ、汲上げローラ上
（剤滞留部）に落下し、攪拌されて再び現像ロー
ラに着磁搬送される。

しかし、この型式では、汲上げローラが大型で
あり、現像装置がスペース、重量ともに大きくな
る欠点を有し、また現像剤の片寄り貯溜を防ぐた
め複雑な調整を必要とする欠点を有している。

そのため、汲上げローラを持たず、また現像剤
滞留部を持たないで、トナーを現像ローラ上の現
像剤に直接供給し、現像ローラ近傍において現像
剤を現像ローラ軸方向に循環攪拌させる装置が提
案されている。例えば、本出願人による特願昭61
−52217号に記載された装置があるが、この装置
では、一つの移動手段により一端に寄せられた現
像剤がその圧力により他の一つの移動手段の搬送
路に入り込むが、その際、前述の一つの移動手段
の搬送方向とは逆の方向にも圧力がかかり、搬送
能力を減少させ、良好な軸方向循環搬送ができな
い。また、レイアウトによつては重力等の外力の
作用により搬送路に入り込みにくい場合がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、従来の欠点を解消する、小型・軽量
の二成分現像装置において、現像スリーブ近傍に
配置した軸方向の循環攪拌を確実になしうるため
の新規且つ有用な手段を提供することを目的とす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記目的を達成するために、固定磁
石群を内蔵し、表面に現像剤を付着させながら一
方向に回転する現像スリーブと、該現像スリーブ
上に形成される貯溜部には、軸方向に沿つて並列
に配置され、貯溜されている現像剤を現像スリー
ブの軸方向に沿つてそれぞれ異なる方向に移動さ
せる第一及び第二の現像剤移動手段と、該第一及
び第二の現像剤移動手段との間の軸方向の端位置
には、第一の現像剤移動手段から第二の現像剤移
動手段への現像剤取り入れ口と、第二の現像剤移
動手段の他の端位置には、現像スリーブ側に現像
剤を戻すための現像剤排出口を設け、該現像剤取
り入れ口と対向する位置には、現像剤を第一の現
像剤移動手段側から第二の現像剤移動手段側に移
動させる磁性体を備えたことを特徴とするもので
ある。

〔実施例〕

本考案の構成を実施例について説明する。第１
図には、本考案の現像装置の概略断面図であり、
現像装置１は静電潜像担持体である感光体２に近
接して配置されている。

現像装置１の内部の上方にトナータンク３が設
けられ、トナータンク３の補給トナーは補給ロー
ラ４の回転により適宜量現像スリーブ５側へ供給
される。現像装置１の内部には感光体２と接近し
て現像スリーブ５が設けられ、その内部に固定磁
石群５ａを有し、図示していない駆動手段により
現像スリーブ５は矢印Ａ方向に回転し、現像スリ
ーブ５の表面に二成分系現像剤を着磁搬送する。

現像スリーブ５の表面に着磁搬送される現像剤
は現像装置１の端部に設けられたドクター６によ
り一定量に規制された後、感光体２上の静電潜像
を可視像化する。

現像装置１の端部に設けられたドクターブレー
ド６と補給ローラ４との間の現像スリーブ５の上
において、余剰の現像剤の滞留部を構成し、該滞
留部には、第一スクリユー７が設けられ、この第
一スクリユー７の背後、すなわち補給ローラ４側
に第二スクリユー８が配置され、第二スクリユー
８はＵ字状をなしスクリユーケース９内に位置し
ている。

第一スクリユー７と第二スクリユー８はいずれ
も現像スリーブ５上でその軸方向に位置し、第２
図に示されるように、駆動手段１０により夫々回
転方向を逆にして駆動される。すなわち、第一ス
クリユー７は現像剤を第１図で奥側から手前に向
かつて移送し（第２図の矢印Ｂ方向）、第二スク
リユー８は手前から奥側に向かつて移送する（第
２図の矢印Ｃ方向）。このため第二スクリユー８
を収納するＵ字状のスクリユーケース９（第２図
において矢印Ｄで示される部分）は、第一スクリ
ユー７により移動させられた現像剤を第２図の矢
印Ｄ方向に受け入れることができる取り入れ口９
ａを切り欠き状に形成し、この取り入れ口９ａよ
り受け入れた現像剤を第二スクリユー８により手
前から奥側（第２図の矢印Ｃ方向）へとＵ字状ス
クリユーケース９内で移動せしめ、且つＵ字状ス
クリユーケース９の奥側の底部に設けた開口部９
ｂより落下せしめ、第一スクリユー７の奥側の端
部に向わせる（第２図Ｅ方向）構成となつてい
る。

このように第一スクリユー７から第二スクリユ
ー８、第二スクリユー８から第一スクリユー７へ
と現像剤は現像スリーブの軸方向に循環攪拌され
るが、本考案では第一スクリユー７から第二スク
リユー８へ向かう第二スクリユー８のスクリユー
ケース９の現像剤取り入れ口９ａに対向するスク
リユーケース９の位置に磁石１１を取付けてい
る。

以上の構成により、現像スリーブ５に着磁した
現像剤は現像装置１の出口端に設けられたドクタ
ー６により一定量以上についてかき落され、余剰
現像剤の貯溜部に位置する第１スクリユー７及び
第二スクリユー８によつて軸方向に循環攪拌作用
を与えられる。この第一スクリユー７により奥側
から手前（第２図の矢印Ｂ方向）に移送された現
像剤は、第二スクリユー８のスクリユーケース９
に設けられた取り入れ口９ａに位置し、この際取
り入れ口９ａに対向する位置に取付けられた磁石
１１の磁力に引きつけられ、第２図Ｄ方向に向う
ようにスクリユーケース９内に積極的に取り込ま
れる。スクリユーケース９内に取り込まれた現像
剤は第二スクリユー８により手前から奥側（第２
図の矢印Ｃ方向）へとスクリユーケース９内を搬
送され、スクリユーケース９の奥側に設けた開口
部９ｂより落下し、現像スリーブ５上に戻され、
現像スリーブ５上を第一スクリユー７により奥側
から手前へと移送される。現像剤は第２図の矢印
方向Ｂ，Ｄ，Ｃ，Ｅで示される循環攪拌系路を経
ながら攪拌され搬送されるため、消費量の片寄り
や軸方向のトナー補給むらによる軸方向の現像剤
濃度むらを起こすことがない。

スクリユーケース９の取り入れ口９ａと対向す
る位置に磁石１１を設けない場合、第一スクリユ
ー７の移送端部において、現像剤はブロツク状に
なり、第二スクリユー８のスクリユーケース９の
現像剤取り入れ口９ａからスクリユーケース９内
に入り込みうるが、その量は限られ、現像剤取り
入れ口９ａと第一スクリユー７の端部との間に現
像剤が滞留する。しかし磁石１１をスクリユーケ
ース９の取り入れ口９ａと対向する位置に設ける
ことにより、前記滞留する現像剤を生じることな
く、円滑に移送することができる。

なお、スクリユーケース９に設けた磁石１１に
は、現像剤が着磁することになるが、磁石１１の
磁力にも限定があり、着磁する現像剤の量は現像
装置として問題になる量でもなく、且つ第二スク
リユー８の回転により掻き落されるので、一定量
以上着磁はしない。

第３図イ，ロには、本考案の別の実施例を示
す。この実施例が第１図、第２図で示した実施例
（以下第一実施例という）と異なる点は、第一実
施例における第一スクリユー７の代りに第二実施
例では、現像スリーブ５に近接するように配置し
た斜板１２上に現像剤の流れに対して角度をもつ
た偏流板１３を設けた構成を採用している。

偏流板１３を立設した斜板１２により、現像剤
は現像スリーブ５上の余剰現像剤を斜板１２の端
部で掬われ且つ偏流板１３の作用で第３図ロで示
される矢印Ｂ方向に移動せしめられ、Ｂ方向端部
に移動した現像剤はスクリユーケース９の端部に
形成された切り欠き部である取り入れ口９ａの位
置において該取り入れ口９ａに対向するスクリユ
ーケース９に設けられた磁石１１により引きつけ
られ、スクリユーケース９内に送り込まれる。ス
クリユーケース９内にはスクリユー８が設けら
れ、該スクリユー８によつてスクリユーケース９
内に送り込まれた現像剤は第３図ロにおける矢印
Ｃ方向に送られ、第一の実施例と同様、スクリユ
ーケース９の端部に設けた開口端９ｂから落下
し、更に偏流板１３を立設した斜板１２によりＢ
方向に移動せしめられる。

なお、現像剤取り入れ口に面する位置には、実
施例において磁石を設けているが、要するに磁性
を有する部材であればよく、そのため電磁石を用
いることもできる。

〔効果〕

本考案の構成により、現像スリーブ上において
余剰現像剤を現像スリーブの回転方向と逆方向の
第一移動部材の端部から第二移動部材の端部への
搬送を確実に行ないうることができ、このため現
像スリーブ上で第一移動部材と第二移動部材との
間で軸方向に且つ互いに反対方向に現像剤は移動
攪拌され、小型で軽量の二成分現像装置として好
適であり、しかも、第一移動部材の端部において
従来のように溜り部を生じることがなく、よつて
第一移動部材の送り方向とは逆にかかる圧力によ
る搬送能力が低下することなく、また、第一移動
部材の端部に位置する現像装置の側板に対する現
像剤の溜り部による圧力を緩和することができ、
現像装置の側板に位置する軸受部への現像剤の侵
入を防ぎ得るものであり、このため軸受部の損傷
等を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の二成分現像装置の断面図で
あり、第２図は、第１図の本考案の二成分現像装
置の平面図であり、第３図イ，ロは、本考案の他
の実施例を示す二成分現像装置の断面図、斜視図
である。 ４……補給ローラ、５……現像スリーブ、６…
…ドクター、７……第一移動部材、８……第二移
動部材、９……スクリユーケース、１１……磁
石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定磁石群を内蔵し、表面に現像剤を付着させ
   ながら一方向に回転する現像スリーブと、該現像
   スリーブ上に形成される貯溜部には、軸方向に沿
   つて並列に配置され、貯溜されている現像剤を現
   像スリーブの軸方向に沿つてそれぞれ異なる方向
   に移動させる第一及び第二の現像剤移動手段と、
   該第一及び第二の現像剤移動手段との間の軸方向
   の端位置には、第一の現像剤移動手段から第二の
   現像剤移動手段への現像剤取り入れ口と、第二の
   現像剤移動手段の他の端位置には、現像スリーブ
   側に現像剤を戻すための現像剤排出口を設け、該
   現像剤取り入れ口と対向する位置には、現像剤を
   第一の現像剤移動手段側から第二の現像剤移動手
   段側に移動させる磁性体を備えたことを特徴とす
   る二成分現像装置。