JPH05186916A

JPH05186916A - 精紡機

Info

Publication number: JPH05186916A
Application number: JP4154385A
Authority: JP
Inventors: Fritz Stahlecker; フリッツ・シュターレッカー; Hans Stahlecker; ハンス・シュターレッカー
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-05-25
Filing date: 1992-05-20
Publication date: 1993-07-27
Also published as: US5279103A; DE4117176A1; BR9201945A; CH685504A5

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】デリベリローラ対のデリベリ速度は入り口ロ
ーラ対の引込速度より約１〜２％遅くして、本積紡機の
全稼動中のドラフトが明確且つ一定の関係を保持出来る
様にし、従って繊維束長の均一化が期待可能となり高積
度のドラフト値が維持出来る。【構成】搬送装置７により繊維束４がケンス５から供
給される延伸装置３をそれぞれ含むいくつかの精紡ポジ
ション２を具備した精紡機１において、そのデリベリ速
度が延伸装置３の入り口ローラ対の引込み速度よりもお
よそ１〜２％だけ遅いデリベリローラ対２０がそれぞれ
配置される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、一方の機械側に配置されたそれ
ぞれ延伸装置を含むいくつかの精紡ポジション、紡糸さ
れるべき繊維材料を繊維束の形式で受容するケンスに対
する設置場所、および繊維束をケンスから延伸装置へ供
給する搬送装置を具備し、かつこの搬送装置は付属する
延伸装置の入り口ローラ対の前に配置される精紡機に関
する。

【０００２】紡糸されるべき繊維材料がケンスから引き
出される繊維束の形式で供給されるリング精紡機は公知
である（ＧＢ特許第１０１５７８０号）。ケンスは、い
くつかの列をなしてリング精紡機の前に設置される。繊
維束はケンスの上方に配置されたロールによりケンスか
ら引き出され、搬送ベルトにより個別の精紡ポジション
の延伸装置に供給される。ここでそれぞれ対をなして配
置された搬送ベルトが提供されるが、それらは繊維束を
それらの間に受容して案内する。延伸装置の区域では搬
送ベルトの転向ロールがあるが、それらは繊維束をそれ
ぞれ延伸装置に供給するデリベリローラ対として機能す
る。転向ロールの一方にはこのロールと延伸装置の下側
ローラとの間に挿入できる摩擦ロールが係合するため、
デリベリローラ対および搬送ベルトの駆動は入り口下側
ローラにより伝えられる。したがって、デリベリローラ
対のデリベリ速度は入り口ローラ対の引込み速度に合致
する。

【０００３】事前公開されなかった以前のドイツ特許出
願書（第Ｐ４１０９０９６．９号）において、デリベリ
ローラ対を既にデリベリローラ対と延伸装置の入り口ロ
ーラ対との間で予備ドラフトが発生する速度で回転さ
せ、したがってデリベリローラ対は繊維束の総ドラフト
に関与する、つまりある意味で延伸装置に帰属すること
も提案されている。

【０００４】本発明の目的は、冒頭に挙げた形式の精紡
機を全稼動時間中のドラフトに関して明確で一定の関係
が存在するように構成することにある。

【０００５】この目的は、デリベリローラ対のデリベリ
速度は入り口ローラ対の引込み速度よりもおよそ１〜２
％だけ遅いことにより達成される。

【０００６】このようにして、繊維束はデリベリローラ
対と延伸装置の入り口ローラ対との間で張られて保持さ
れるのであり、それによりドラフトは発生しない、つま
り延伸装置の総ドラフトに関して少なくとも実際的に考
慮すべきドラフトは発生しないことが保証される。ここ
で本発明は、実地では繊維束の供給における一定の変動
ないし不規則性は不可避であるという認識を前提にして
いる。繊維束は実際には搬送装置に対して正確に真直ぐ
ではなく、多かれ少なかれ際立つ波形状で進入するので
ある。搬送装置は繊維束ができればやや延伸されるよう
に作用するが、前記の波形状のため異なる繊維束長さが
供給される。延伸装置内でのドラフトがこれらの異なる
繊維束長さを以て行われるならば、許容できない程大き
なドラフト変動が延伸装置で生じるため、糸品質が劣化
する。この恐れは、デリベリローラ対と延伸装置の入り
口ローラ対との間に（小さな）予備ドラフトが生じる際
にも存在する。本発明により、繊維束はデリベリローラ
対と延伸装置の入り口ローラ対との間で少し予備緊張さ
れるが、それによりドラフトは発生しないことが提供さ
れる。したがって延伸装置に進入する繊維束長さは均一
化されるため、高い精度を持つドラフト値が維持でき
る。

【０００７】本発明の合理的な構成において、デリベリ
ローラ対と延伸装置の付属する入り口ローラ対との間の
繊維束走行方向での間隔は紡糸された繊維材料のステー
プル長さよりも大きいことが提供される。好ましくは、
この間隔はステープル長さの数倍とされる。それによ
り、繊維束の予備緊張が大きな長さにわたって行われ、
繊維束の損耗または好ましくないドラフトは生じないこ
とが保証される。

【０００８】本発明のその他の特徴および長所は、図面
に示された実施態様に関する以下の説明から明らかとな
る。

【０００９】図面は精紡機の部分断面の概略図を示して
おり、そこで紡糸すべき繊維材料は繊維束として搬送装
置により精紡ポジションの延伸装置に供給されるが、こ
れらの搬送装置は繊維束をそれぞれ精紡機の上方に設置
されたケンスから引き出す。

【００１０】優先的にはリング精紡機である精紡機１の
うちで、精紡ポジション２およびその延伸装置３だけが
示されている。この形式の精紡機は通常、機械長手方向
に並置されたそのような多数の精紡ポジションを両側に
有する。延伸装置３は、三シリンダー式延伸装置として
形成されている。延伸装置３には比較的細い繊維束４、
すなわちおよそ０．３〜０．８番手の繊度を持つ繊維束
４が供給される。これらの繊維束４は、精紡機１の上方
の台座６に設置されたケンス５から引き出される。ケン
ス５の直径は通常は精紡機１のピッチすなわち各精紡ポ
ジション２の相互の間隔よりも大きいため、ケンス５は
詳しくは図示されていないやり方で各機械側にいくつか
の機械長手方向に延びる列をなして設置される。

【００１１】ケンス５から延伸装置３への搬送中の繊維
束４のドラフトを回避するために、繊維束４はケンス５
から延伸装置３まで搬送装置により案内される。これら
の搬送装置は搬送ベルト７からなるが、それは繊維束を
運ぶその車間部分がケンス５の上方ではじまるほぼ水平
な区間１２およびほぼ機械中央で下方へ延伸装置３に向
かって延びる区間１３を持つアングル状の運行を示すよ
うに案内されている。搬送ベルト７は、それらがそれぞ
れ二つの繊維束４を搬送できるような幅に製作される。
これらの両繊維束４は二つの隣接した延伸装置３、すな
わち公知のやり方で上側ローラ２３として共通の双子押
えローラを有する延伸装置３に供給される。

【００１２】搬送ベルト７の繊維束を運ぶ車間部分は、
滑り板１４，１６により覆われる。水平な区間１２に係
合する滑り板１４は、その自重を以て搬送ベルト７およ
びそれにより運ばれる繊維束４の上に搭載される。滑り
板１４はその端に転向案内部１５を有するが、それは繊
維束４を転向ロール１０の範囲において下へ延びる区間
１３に向けて下方へ転向させる。滑り板１６は好ましく
はばね鋼板から作られ、その上端を以て懸架装置１７に
懸架されている。区間１３の範囲では、この滑り板１６
は機械長手方向に貫通するひとつないしいくつかの棒材
１８により一定の初張力を以て搬送ベルト７に押し当て
られる。

【００１３】搬送ベルト７の垂直区間１３の端には駆動
される転向ロール８があるが、これは好ましくは機械長
手方向に延びて機械端で駆動されるローラとして形成さ
れる。駆動は、機械端の歯車箱内の三シリンダー式延伸
装置３の下側ローラ２２，２４，２５の駆動に応じて公
知のやり方で行われる。

【００１４】転向ロール８には押えローラ１９が係合す
るが、このローラはそれぞれ二つの繊維束４の範囲を越
えて延びて、転向ロール８と共にデリベリローラ対２０
を形成する。転向ロール８は少なくとも４５ｍｍの直径
を有するため、それは搬送ベルト７の確実な駆動を可能
にする。それに対して押えローラ１９は小さな直径を有
するが、その直径は好ましくは三シリンダー式延伸装置
３の上側ローラの直径に合致する。押えローラ１９は、
矢印（Ｅ）と（Ｆ）で示されたように、転向ロール８の
円周方向に調整できる。

【００１５】繊維束４はケンス５の上方に設置された転
向ロール９を越えて矢印方向（Ａ）に上方へ引き出さ
れ、次に機械中央に向かって矢印（Ｂ）の方向へ案内さ
れる。機械中央の範囲では、繊維束は下方へ矢印（Ｃ）
の方向へ案内された後に、延伸装置３に進入する。そこ
で繊維束は所望の鮮度にドラフトされ、続いて加撚装置
特にリング精紡機のリングスピンドルに向かって矢印方
向（Ｄ）へ進む。

【００１６】実地のテストにより、繊維束４の供給され
る長さは通常はデリベリローラ対２０の周速度に合致す
るものよりも常に幾分大きいことが判明した。これはお
そらく本質的には、繊維束４は延伸された状態ではな
く、むしろ一種の波形状態で搬送ベルト７に供給される
ためであろう。この波形が搬送ベルト７および滑り板１
４，１６の範囲において少し延伸されるとしても、この
波形は維持されるのである。したがって、繊維束４が異
なる長さを以て延伸装置３に進入するため、望ましいド
ラフトからの逸脱が生じる恐れがある。他方で、供給さ
れた大きな長さのためにデリベリローラ対２０と延伸装
置３の入り口ローラ対２１との間の範囲においてループ
が形成され、それは長い稼動時間後に大きなトラブルを
惹起する恐れもある。この危険を回避するために、実験
においてデリベリローラ対２０のデリベリ速度が延伸装
置３の入り口ローラ対２１の引込み速度よりもおよそ１
〜２％、好ましくは１．５％だけ小さいのが有利である
ことが確認された。このようにして繊維束４はデリベリ
ローラ対２０と入り口ローラ対２１との間で少し張られ
て延伸されるため、長さの均一性が得られるが、その際
に繊維束４ににおけるドラフト、すなわち繊維相互の相
対運動は生じない。その場合に、デリベリローラ対２０
と付属する延伸装置３の入り口ローラ対２１との間隔は
紡糸される繊維束のステープル長さの数倍となることが
有利である。この場合には、供給された長さの特に優れ
た均一性が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は精紡機の部分断面の概略図である。

【符号の説明】

１精紡機２精紡ポジション３延伸装置４繊維束５ケンス７搬送ベルト８転向ロール１４，１６滑り板１９対向ロール２０デリベリローラ対２１入り口ローラ対

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者フリッツ・シュターレッカードイツ連邦共和国7347 バト、ウーベルキンゲン、ヨゼフ−ナイトハルト−シュトラーセ 18 (72)発明者ハンス・シュターレッカードイツ連邦共和国7334 ズッセン、ハルデンシュトラーセ 20

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一方の機械側に配置されたそれぞれ延伸
装置を含むいくつかの精紡ポジション、紡糸されるべき
繊維材料を繊維束の形式で受容するケンスに対する設置
場所、および繊維束をケンスから延伸装置へ供給する搬
送装置を具備し、かつこの搬送装置は付属する延伸装置
の入り口ローラ対の前に配置される精紡機において、デ
リベリローラ対（２０）のデリベリ速度は入り口ローラ
対（２１）の引込み速度よりもおよそ１〜２％だけ遅い
ことを特徴とする精紡機。
【請求項２】デリベリローラ対（２０）と延伸装置
（３）の付属する入り口ローラ対（２１）との間の間隔
は紡糸された繊維材料のステープル長さよりも大きいこ
とを特徴とする請求項１記載の精紡機。
【請求項３】搬送装置は繊維束を運ぶその車間部分が
滑り板（１４，１６）により覆われる搬送ベルト（７）
を具備することを特徴とする請求項１または２記載の精
紡機。
【請求項４】搬送ベルト（７）の繊維束を運ぶ車間部
分は精紡機の上方に設置されたケンス（５）から機械中
央へ延びる区間（１２）および下方へ延伸装置（３）の
範囲に向かって延びる区間（１３）を具備し、かつ下方
へ延びる区間（１３）の端にはデリベリローラ対（２
０）を形成するために対向ロール（１９）が係合する好
ましくは駆動される転向ロール（８）が配置されること
を特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の精紡機。
【請求項５】対向ロール（１９）は転向ロール（８）
の円周方向に調整できることを特徴とする請求項４記載
の精紡機。