JPH05186736A - 熱硬化型撥水性塗膜とこれを有する調理器 - Google Patents

熱硬化型撥水性塗膜とこれを有する調理器

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JPH05186736A
JPH05186736A JP460192A JP460192A JPH05186736A JP H05186736 A JPH05186736 A JP H05186736A JP 460192 A JP460192 A JP 460192A JP 460192 A JP460192 A JP 460192A JP H05186736 A JPH05186736 A JP H05186736A
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JP
Japan
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coating film
water
repellent coating
base material
cooking device
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Pending
Application number
JP460192A
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English (en)
Inventor
Yoshiyasu Nobuto
吉保 延藤
Yukio Nomura
幸生 野村
Tsuneo Shibata
恒雄 柴田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の表面に比較的低温度で焼成でき、耐沸
騰水性のある撥水塗膜を形成し基材の色感をそのまま利
用でき、容易に汚れの除去可能にする。 【構成】 少なくとも一般式 【化1】 に該当する1種若しくは2種以上の混合により合成した
レゾール型ホルムアルデヒド樹脂と、フルオロアルキル
シロキサン化合物とを有し、前記フルオロアルキルシロ
キサン化合物を0.1重量%〜5.0重量%添加してな
る混合物を基材表面に塗布してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基材の表面に塗布し、加
熱硬化することにより長期にわたって撥水性と離形性の
良好な熱硬化型撥水性塗膜、及びこの塗膜を容器の内面
に形成した調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年汚れが付着しても拭き取ることで容
易に除去、清浄化ができ、同時に撥水力の長期に渡る維
持による防錆が可能である塗膜の要望がますます強くな
ってきている。この目的に対して一般にフッ素コート膜
が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のフッ素コート膜
は、基材への付着性が悪く、長期間に渡って強固に塗膜
を密着維持するために、基材の表面をブラスティングな
どによる物理的方法や、化学薬品による侵食エッチング
により極度に粗面化し、この処理の直後、この表面上に
速やかにフッ素樹脂プライマー塗料を施し、乾燥後さら
に重ねてトップコート用フッ素樹脂塗料を380℃の高
温で焼成して形成していた。このため、基材表面の粗面
化と焼成に高温を必要とするものであることから、皮膜
形成に当たって高度の技術を必要とするもので、一般的
な塗装形態での対応が困難であった。さらに塗布したフ
ッ素塗膜の状態は、改質顔料等の添加のために基材その
ままの表面状態と色感とを生かした利用が不可能である
とともに、各種色調への着色の要望に応じられなかっ
た。またこの塗膜は軟質のため、擦傷の発生が生じやす
いものであった。さらに、プラスチックス表面への塗布
もできなかった。
【0004】本発明はこれらの課題を解決するものであ
り、1回の塗布焼成で熱硬化型撥水性塗膜を形成するこ
とで、ごく一般的な塗装の形態での対応を可能とし、長
期に渡って撥水性を維持するこが可能であり、無色透明
の塗膜が形成できるので基材表面の状態と色感を活かす
ことができ、さらに任意の着色を可能にすることを第1
の目的にしている。
【0005】第2の目的は、長期に渡って塗膜の変質が
なく、水垢や調理物等の付着物の容易な離形性と防錆を
目的とした撥水性の維持が可能な容器を備えた調理器を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めの本発明の第1の手段は、少なくとも一般式
【0007】
【化2】
【0008】に該当する1種若しくは2種以上の混合に
より合成したレゾール型ホルムアルデヒド樹脂と、フル
オロアルキルシロキサン化合物とを有し、前記フルオロ
アルキルシロキサン化合物は0.1重量%〜5.0重量
%とした熱硬化型撥水性塗膜を形成するものである。
【0009】第2の目的を達成するための本発明の第2
の手段は、熱硬化型撥水性塗膜を容器の内面に形成した
容器を装着して調理器を構成するものである。
【0010】
【作用】少なくとも一般式(化2)に該当する1種若し
くは2種以上の混合により合成したレゾール型ホルムア
ルデヒド樹脂と、フルオロアルキルシロキサン化合物を
混合し、塗膜形成用組成物を構成することにより、通常
の方法で脱脂処理した基材表面に、この組成物を容易に
塗布することができ、130℃以上の比較的低い温度で
焼成を施すと、フルオロアルキルシロキサン化合物が塗
膜の表面層部に移行しながら塗膜成分と化学的に結合
し、強固な熱硬化型撥水性塗膜が形成される。
【0011】この塗膜の形成上の必要条件は、上記の3
成分が相溶性を示す範囲内で混合されており、かつ混合
の状態で安定であり、これを基材表面に塗布し、加熱す
る段階で3成分中比較的低分子量であるフルオロアルキ
ルシロキサン化合物が表層部分に移行しながら一般式
(化2)に該当する1種若しくは2種以上の混合により
合成したレゾール型ホルムアルデヒド樹脂が硬化反応課
程で生じる水酸基と反応して塗膜成分となり、固定され
目的の熱硬化型撥水性塗膜を形成する。
【0012】この状態は、塗膜の表面部に単にフルオロ
アルキルシロキサン化合物が付着した状態ではなく、表
層部分にフルオロアルキルシロキサン化合物が分布した
状態で塗膜成分になっているため、仮に表面の撥水性が
消失しても塗膜の新層部分を、洗う、擦る、拭く等の操
作で促すことで、撥水性を有する層が露出するので長期
に渡って撥水性、汚れの付着の抑制、付着した汚れの容
易な除去性が維持でき、この結果、金属の防錆力が維持
できるものとなる。
【0013】この様に、従来のフッ素コートの様に基材
の前処理を厳重に行なうことなく、通常の脱脂処理で塗
膜の十分な密着性と均一性が確保できることから極めて
塗膜化が容易である。
【0014】この効果は、フルオロアルキルシロキサン
化合物の混合量を必要以上に増大させても表面部分の上
記の効果は一定であり、逆に混合組成物や硬化した塗膜
の白濁化を招き、同時に基材への塗布時に基材表面では
じき現象を発現する結果、塗膜はじきを生じて均一化を
損ない、基材への密着性の低下を来すものとなる。
【0015】また、第2の目的を達成するために本発明
の熱硬化型撥水性塗膜をステンレス430容器の内面に
形成して水容器となし、これを装着してジャーポットを
構成すると、塗膜形成のための焼成温度が130℃以上
と比較的低温であるので、ステンレスの酸化皮膜の生成
が起こらないため、基材の色感が塗膜を通してそのまま
利用できることから飲料水(食品)を充填することに対
する美麗感を損なう事がない。さらに水の沸騰の繰り返
しによる水垢等の器壁への付着に対して容易に洗浄がで
き、この洗浄をすることによって上記の撥水性の再付加
ができるので長期の持続が可能である。また塗膜の損傷
もほとんど生じない。
【0016】第2の目的に対して本発明の熱硬化型撥水
性塗膜を容器の内面に形成し、本体に装着して調理器を
構成すると、調理物のこびりつきが発生しても容易に離
形し簡単な洗浄で上記の効果が現われるので長期に渡っ
て美麗さ、清潔感が維持できる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)少なくとも一般式(化2)に該当する1種
若しくは2種以上の混合により合成したレゾール型ホル
ムアルデヒド樹脂と、フルオロアルキルシロキサン化合
物としてヘキサデカフルオロデカチルトリメトキシシラ
ン(以下HDFと称する)とを混合し、2−ブタノンで
固形分25重量%に希釈し、塗膜形成用組成物を構成し
た。通常の脱脂剤で脱脂処理したステンレス430基材
表面にこの組成物を焼成後の塗膜厚みとして15±5μ
mとなるように塗布し、200℃×60分焼成を施し、
褐色透明の本発明の塗膜を形成した。これを沸騰水中に
200時間浸漬した後、塗膜の表面に水10μlを滴下
し、この接触角の測定結果を図1に示した。この結果か
ら明らかなように、HDFの混合の上限は混合組成物の
濁りの状態から5重量%である。さらに接触角が一定の
値を維持できるHDF混合の下限量は0.1重量%であ
り、本発明の目的が達成できる。
【0018】ここに示したと同様の結果をもたらす一般
式(化2)に該当するものは次のものが有効である。
【0019】ヒドロキシジフェニルジメチルエタン(ビ
スフェノールA)、ヒドロキシジフェニルメチルエチル
エタン、ヒドロキシジフェニルジエチルエタン、ジヒド
ロキシジフェニルエタン(ビスフェノールF)、テトラ
ブロムビスフェノールA及びF、テトラクロロビスフェ
ノールA及びF、テトラフロロビスフェノールA及びF
である。
【0020】上記の他に効果のある化合物は、4,4'-ジ
ヒドロキシジフェニール、4,4'-ジヒドロキシジフェニ
ールスルホンとこれらのテトラフルオロ化合物が有効で
ある。
【0021】本発明の目的を達成できるフルオロアルキ
ルシロキサン化合物は、トリオキシフルオロシロキサ
ン、トリクロロフルオロシロキサンで総称される化合物
が有効である。
【0022】なお、組成物の基材への塗布に当たって
は、アルコール、塩素系、ケトン系、芳香族炭化水素系
の溶剤で任意に希釈し混合組成物を形成すればよく、塗
布の方法はスプレー、浸漬引き上げ、ローラ等でなされ
る。基材は金属、ガラス、その他塗膜の形成時の焼成に
耐えるものであればプラスチックス等の基材が使用で
き、上記に示した性能が得られる。また塗布する基材は
板状であることを問わない。
【0023】(実施例2)テトラ臭化ジヒドロキシジフ
ェニルジメチルエタンにより合成したレゾール型ホルム
アルデヒド樹脂99.5重量%に対して、HDFの0.5
重量%を混合し、この混合物85重量%に対してルチル
型酸化チタンを15重量%を均一に分散して2−ブタノ
ン/トリクロールエタン=50/50混合溶剤で固形分
25重量%に希釈し塗膜形成用組成物を構成した。通常
の脱脂剤で脱脂処理した板厚み4mmのソーダガラス基材
表面にこの組成物を焼成後の塗膜厚みとして15±5μ
mとなるように塗布し、180℃×60分焼成を施し、
本発明の塗膜を形成した。これを沸騰水中に200時間
浸漬した後の、塗膜表面の状態、塗膜の基材との密着性
を試験した結果、外観は良好、ごばん目テープ剥離試験
では剥離なし、水10μlをガラス基材表面に落とした
ときの接触角は114゜であった。
【0024】(実施例3)以下、本発明の第2の発明の
一実施例についてジャーポットを例にとり説明する。図
2に示したジャーポットの構成断面図に基づいて、この
構成を説明する。2は実施例1に示したと同様の方法に
よりステンレス容器でできた湯保持容器であり、この内
側に本発明による褐色透明な熱硬化型撥水性塗膜が形成
されている。この湯保持容器2を本体1に装着し、この
上部はヒンジ4により開閉自在な蓋3で覆われている。
5は湯である。6は湯を排出するためのポンプツマミ
で、7は湯排出口である。8は本体1に給電する電源コ
ードである。
【0025】次に動作を説明する。電源コード8により
給電し、蓋3により外界と遮断した状態で湯保持容器2
に保持されている水を加熱し沸騰した後、95℃以上の
温度に常時保持されている。従って、上記に示した熱硬
化型撥水性塗膜に湯が常時接触状態で保持されているの
で、湯中に溶け込んでいた成分の塗膜表面部への析出が
汚れとして付着し、堆積する。保温されている湯5は必
要に応じてポンプツマミ6により排出する。湯がなくな
れば新たな水を注ぎいれることで沸騰する。この動作を
繰り返す状態でジャーポットが使用される。
【0026】熱硬化型撥水性塗膜の性能を実用に即して
試験するために、水を入れ、湯を沸かし、60分保持
し、湯を排出し、注水する動作を1000回実施した。
この間100回毎に熱硬化型撥水塗膜の汚れの洗浄を
2.5重量%としたクエン酸水溶液で煮沸洗浄した後、
上記と同様の方法で水の接触角を測定し、図3の結果を
得た。また錆の発生は全く見られなかった。この結果か
ら長期に渡る使用に対して本発明の目的を満たすもので
ある。ここではジャーポットの例について説明したが、
この効果は各種の調理器について有効に効果を発揮する
ことができるものである。
【0027】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、第1
の発明によれば、少なくとも一般式(化2)に該当する
1種若しくは2種以上の混合により合成したレゾール型
ホルムアルデヒド樹脂に対してフルオロアルキルシロキ
サン化合物の0.1重量%〜5.0重量%を添加した混
合物を各種の基材の表面に、通常の脱脂処理後、1回の
塗布焼成で熱硬化型撥水性塗膜を形成することで、ごく
一般的な塗装の形態での対応を可能とし、長期に渡って
撥水性を維持するこが可能であり、無色透明の塗膜が形
成できるので、基材表面の状態と色感を活かすことがで
き、さらに任意の着色を可能にした。
【0028】また、第2の発明によれば、熱硬化型撥水
性塗膜を調理器の容器の内面に形成し、本体に装着する
ことで長期の実用に対して撥水性に変化がない。この結
果、錆の発生がなく、汚れの洗浄が容易に実施でき、基
材の色感を利用できる調理器が構成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の目的であるフルオロアルキルシ
ランの量と水の接触角の関係を示した性能図
【図2】同第2の目的である調理器の一例であるジャー
ボットの構成図
【図3】同第2の目的である調理器の一例であるジャー
ポット内壁面の水の接触角性能図
【符号の説明】 1 本体 2 湯保持容器 3 蓋 4 ヒンジ 5 湯 6 ポンプツマミ 7 湯排出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一般式 【化1】 に該当する1種若しくは2種以上の混合により合成した
    レゾール型ホルムアルデヒド樹脂と、フルオロアルキル
    シロキサン化合物とを有し、前記フルオロアルキルシロ
    キサン化合物は0.1重量%〜5.0重量%とした熱硬
    化型撥水性塗膜。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱硬化型撥水性塗膜を容器
    の内面に形成してなる調理器。
JP460192A 1992-01-14 1992-01-14 熱硬化型撥水性塗膜とこれを有する調理器 Pending JPH05186736A (ja)

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