JP2973698B2 - 撥水性表面体とこれを有する調理器 - Google Patents

撥水性表面体とこれを有する調理器

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂の表面や
基材の表面に前記熱硬化性樹脂をコーティングした熱硬
化性被覆体に水性と離形性を付与し、これらの特性の
長期にわたる保持ができる水性表面体の提供と、この
撥水性表面体を容器の壁面に適用した調理器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、汚れが付着しても長期に渡って単
に拭き取るだけで容易に清浄化が継続でき、同時に
力の長期に渡る維持による防錆が可能である水性表面
の要望がますます強くなってきている。この目的に対し
て現状は一般にフッ素コート膜が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、フッ素コート膜
は基材への密着性が悪く、長期間に渡って強固に塗膜を
密着維持するためには、基材の表面をブラスティングな
どによる物理的方法や、化学薬品による侵食エッチング
により極度に疎面化し、この処理の直後に、この表面上
に速やかにフッ素樹脂プライマー塗料を施し、乾燥後さ
らに重ねてトップコート用フッ素樹脂塗料を塗布した
後、380℃の高温で焼成して形成していた。このため
基材表面の粗面化と高温の焼成を必要とするものである
ことから、皮膜形成に当たって高度の技術を必要とする
ものであった。さらに塗布したフッ素塗膜の状態は、改
質顔料等の添加のために基材そのままの表面状態と色感
とを生かした利用が不可能であるとともに各種色調への
着色の要望に応じられなかった。さらに焼成温度が38
0℃と高いためにプラスチックスへの適用ができなかっ
た。
【0004】本発明はこれらの課題を解決するものであ
る。あらかじめ形成された熱硬化性樹脂体や基材に塗布
された熱硬化性被覆体の表面の必要とする部分にアルコ
キシフルオロアルキルシロキサンを付着し、熱硬化性樹
脂や熱硬化性被覆体の表面部分に潜在する反応性の官能
基と前記アルコキシフルオロシロキサンとを化学結合さ
せることでフルオロアルキルシロキサンの薄膜を形成す
る。これにより長期に渡って良好な水性と離形性の保
持性を付与した水性表面体を形成することを第1の目
的にしている。
【0005】第2の目的は、長期に渡って調理時の加熱
や水蒸気に対して変質がなく、水垢や調理物等の付着や
こびり着き後の容易な離形性と防錆を目的とした水性
の維持が可能な容器を備えた調理器を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための本発明の第1の手段は、反応性の官能基を有す
る熱硬化性樹脂や熱硬化性被覆体の表面にアルコキシフ
ルオロアルキルシロキサンを付着させ、前記反応性の官
能基と化学結合して前記熱硬化性樹脂や熱硬化性被覆体
の表面部にフルオロアルキルシロキサンの薄膜を形成し
てなる水性表面体を形成するものである。
【0007】第2の目的を達成するための本発明の第2
の手段は、請求項1記載の水性表面体を容器の表面に
形成して調理器を構成するものである。
【0008】
【作用】あらかじめ形成された熱硬化性樹脂や基材に塗
布された熱硬化性被覆体の表面の必要とする部分にアル
コキシフルオロアルキルシロキサンを付着すると、熱硬
化性樹脂や熱硬化性被覆体の表面部分に潜在する反応性
の官能基と前記アルコキシフルオロアルキルシロキサン
とが化学的に酸素元素を介して結合し、フルオロアルキ
ルシロキサンの薄膜が形成される。これにより熱硬化性
樹脂や基材に塗布された熱硬化性被覆体はそれらの表面
部分が水性と離形性を具備した状態に改質され、かつ
この薄膜が単なる付着ではなく化学結合によるため長期
に渡って安定に維持できるものとなる。この方法は、熱
硬化性樹脂や熱硬化性被覆体にカルボキシル基、水酸
基、アミド基、アミノ基などの反応性の官能基が潜在す
るものであればこれらの組成や成分、物体の形状に左右
されることなく容易に均一な水性と離形成の付与が可
能である。さらに100℃〜200℃で加熱することで
より強固な薄膜となり、耐沸騰水性が付与できるものと
なる。この状態は、熱硬化性樹脂や熱硬化性被覆体の表
面部に単にフルオロアルキルシロキサンが付着した状態
ではなく、表層部分にフルオロアルキルシロキサンが化
学的に結合し、その表面部分に密に分布した状態で薄膜
成分を形成することから、長期に渡って水性、汚れの
付着の抑制、付着した汚れの容易な除去性が維持でき、
この結果、金属の防錆力が維持できるものとなる。この
様に従来のフッ素コートの様に基材の前処理を厳重に行
なうことなく、通常の脱脂処理で十分な密着性と均一性
が確保できることから、極めて薄膜化が容易なものとな
る。また熱硬化性樹脂や熱硬化性被覆体であれば支障な
く適用ができるものである。
【0009】この薄膜は極めて薄くかつ無色透明である
ので熱硬化性樹脂や熱硬化性被覆体の色調、生地をその
まま生かすことができる。
【0010】第2の目的を達成するために、本発明の
水性表面体を容器の壁面として形成して調理器を構成す
ると、薄膜形成のための加熱温度が100℃〜200℃
と比較的低温であるので、容器の基材がステンレスであ
ればこの表面に酸化皮膜の生成が起こらない程度であ
り、熱硬化性樹脂であっても変形や変質を発生すること
なく基材の色感や生地が利用できることから飲料水(食
品)を充填することに対する美麗感を損なう事がない。
さらに水の沸騰の繰り返しによる水垢等の器壁への付着
に対して容易に洗浄ができ、この洗浄をすることによっ
て上記の水性の長期の持続が可能である。また被覆体
の損傷もほとんど生じないことから防錆性の効果が得ら
れることから長期に渡って美麗さ、清潔感が維持でき
る。
【0011】
【実施例】(実施例1) 以下、第一の発明の実施例について述べる。ビスフェノ
ールAとエピクロールヒドリンとによるエポキシ樹脂と
してエピコート1010(油化シェルエポキシ(株)
製)70重量%(固形分)とレゾール型フエノールホル
ムアルデヒド樹脂30重量%(固形分)との混合溶液に
より通常の脱脂剤で脱脂処理したステンレス430の両
面に、加熱硬化後の被覆厚みが10±5μmになる様に
塗布し、200℃×60分焼成を施し、無色透明の熱硬
化性被覆体を形成した。この表面にアルコキシフルオロ
アルキルシロキサン化合物としてヘキサデカフルオロデ
カチルトリメトキシシランの5重量%としたメタノール
溶液に熱硬化性被覆体の表面を20分間浸漬しフルオロ
アルキルシロキサンの薄膜を化学結合させて形成した。
この面をメタノールで洗浄し未反応物を除去後150℃
×60分加熱し本発明の水性表面体を構成した。この
水性表面体と未処理の基材とフッ素コート膜を形成し
た基材とを100時間経過する毎に新しい水道水に交換
しながら沸騰水中に連続2000時間浸漬した後、塗膜
表面の状態、塗膜の基材との密着性、純水10μlによ
る接触角を試験し、(表1)に示した。
【0012】
【表1】
【0013】この結果から明らかなように、本発明の
水性表面体はフッ素コート膜に相当する水性と汚れの
離形性を持ち、かつ基材の感覚が生かせるものである。
【0014】本発明の目的が達成でき、ここに示したと
同様の結果をもたらすには長時間の耐沸騰水性を確保す
るための熱硬化性樹脂の使用が不可欠であり、加熱硬化
した後になお反応性の管能基が残存している状態の熱硬
化性樹脂や被覆表面が有効であり、この条件が満たされ
れば特に限定するものではない。また発明の目的を達成
できるアルコキシフルオロアルキルシロキサン化合物
は、トリメトキシフルオロアルキルシロキサンで総称さ
れる化合物が有効である。混合物の基材への塗布に当た
っては、アルコール、塩素系、ケトン系、芳香族炭化水
素系の溶剤で任意に希釈し混合溶液を構成すればよく、
塗布の方法はスプレー、浸漬引き上げ、ローラ等でなさ
れる。基材は金属、ガラス、その他塗膜の形成時の焼成
に耐えるものであればプラスチックス等の基材が使用で
き、上記に示した性能が得られる。この実施例に示した
様な苛酷な条件以外での使用であれば上記の薄膜形成後
の加熱は省略できる。また基材は板状であることを問わ
ない。
【0015】(実施例2) ビスフェノールAとエピクロールヒドリンとによるエポ
キシ樹脂としてエピコート828(油化シェルエポキシ
(株)製)80重量%(固形分)と無水トリメリット酸
20重量%(固形分)とを混合し2ブタノンにより希釈
した溶液を6μmの厚みにアルマイト処理したアルミニ
ューム板の両面に、加熱硬化後の被覆厚みが10μmに
なる様に塗布し、200℃×60分焼成を施し、無色透
明の熱硬化性被覆体を形成した。次に実施例1に示した
と同様の方法により水性表面体を構成した。封孔処理
アルマイトと同時に実施例1と同様の耐沸騰水試験を行
い(表2)に示す結果を得た。
【0016】
【表2】
【0017】この結果から明らかなように、本発明の
水性表面体はアルマイト処理のみのアルミニューム板に
比較して優れた汚れの離形性を持ち、かつ基材の感覚が
従来のアルマイトと変わらないものとなる。アルマイト
の種類としては発色アルマイトや硬質アルマイトによっ
ても同様の結果をもたらすものである。
【0018】(実施例3) 以下、第二の発明の実施例としてジャーポットを例にと
り説明する。図1に示したジャーポットにおいて、1は
ジャーポットの本体、2は実施例1に示したと同様の方
法により得られた水性表面体をステンレス430によ
る水容器の内面に構成された貯湯容器である。この貯湯
容器2の上部はヒンジ4により開閉自在な蓋3で覆われ
ている。5は貯湯容器2の中に溜められた湯である。6
は湯5を排出するためのポンプツマミ、7は湯排出口で
ある。また8は電源コードで、本体1の底部に取り付け
てあるヒータ9に給電するためのものである。
【0019】次に動作を説明する。電源コード8により
ヒータ9に給電し、蓋3により外界と遮断した状態で、
貯湯容器2中の水を加熱し沸騰した後、95℃以上の温
度に常時保持されている。従って、貯湯容器2の撥水性
表面体に湯5が常時接触状態で保持されているので、湯
5中に溶け込んでいた成分が2の水性表面上に析出
し、汚れとして付着して順次堆積して汚れて行く。保温
されている湯5は、必要に応じてポンプツマミ6により
湯排出口7から排出する。湯5がなくなれば、新たな水
を注ぎ入れることで沸騰を行う。この動作を繰り返す状
態でジャーポットが使用される。
【0020】貯湯容器2の内壁に構成している水性表
面体の性能を実用に即して試験するために、湯を沸か
し、60分保持し、湯を排出し、注水するという一連の
操作を1000回繰り返し実施した。この間100回毎
水性表面体に堆積した汚れの洗浄を、水で濡らした
ふきんで拭き取った時の汚れの除去した状態を調べた。
次いで汚れを拭き取った後の水性表面体の10μlの
水による接触角を測定し、その結果を(表3)に示し
た。
【0021】
【表3】
【0022】この結果から、長期に渡る使用に対して本
発明の目的を満たすものである。また錆の発生は全く見
られなかった。
【0023】ここではジャーポットの例について説明し
たが、この効果は各種の調理器についても、同様に効果
を発揮することができるものである。
【0024】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、第一
の発明によれば、反応性の官能基を有する熱硬化性樹脂
または熱硬化性被覆体の表面にアルコキシフルオロアル
キルシロキサンを付着させ、前記反応性の官能基と化学
結合して前記熱硬化性樹脂または熱硬化性被覆体の表面
にフルオロアルキルシロキサンの薄膜を容易に形成して
水性表面体とすることで長期に渡って水性を維持で
きることから、汚れの容易な除去、防錆力が付与でき無
色透明の塗膜が形成できるので基材表面の状態と色感及
び生地を活かすことができるとともに任意の着色を可能
にした。第二の発明は、長期に渡って調理時の加熱や水
蒸気に対して変質がなく、水垢や調理物等の付着やこび
りつき物質の容易な離形性と防錆を目的とした水性の
維持が可能な容器を備えた調理器を提供することができ
この効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるジャーボットの概略構成
を示す断面図
【符号の説明】
1 本体 2 貯湯容器 3 蓋 5 湯 8 電源コード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 7/04 - 7/18 A47J 36/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応性の官能基を有する熱硬化性樹脂また
    熱硬化性被覆体の表面にアルコキシフルオロアルキル
    シロキサンを付着させ、前記反応性の官能基と化学結合
    して前記熱硬化性樹脂または熱硬化性被覆体の表面に
    ルオロアルキルシロキサンの薄膜を形成してなる水性
    表面体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の水性表面体を容器の壁面
    として形成してなる調理器。
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