JP2795045B2 - 調理器 - Google Patents

調理器

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JP2795045B2
JP2795045B2 JP10261792A JP10261792A JP2795045B2 JP 2795045 B2 JP2795045 B2 JP 2795045B2 JP 10261792 A JP10261792 A JP 10261792A JP 10261792 A JP10261792 A JP 10261792A JP 2795045 B2 JP2795045 B2 JP 2795045B2
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幸生 野村
吉保 近藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材表面に塗布し、比
較的低温度で焼成することにより形成される、長期にわ
たる撥水性と清浄性および耐沸騰水性を備えた塗膜を容
器の内面に形成した調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、調理器容器の内面に汚れが付着し
ても容易に拭き取りが可能な清浄性と防錆が可能な撥水
性を長期にわたって維持できる塗膜の要望がますます強
くなっている。この目的に対して一般にフッ素コート膜
が利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のフッ素コート膜
のうちポリテトラフルオロエチレン系樹脂は、基材への
付着性が悪く、このため長期にわたって強固な塗膜を密
着維持するために、基材の表面をブラスティングなどに
よる物理的方法や、化学薬品による侵食エッチングによ
り極度に粗面化した後、この表面上に速やかにフッ素樹
脂プライマーを塗布し、乾燥後さらに重ねてトップコー
ト用フッ素樹脂塗料を塗布した後、380℃の高温で焼
成していた。このため塗膜形成にあたり基材表面の粗面
化と高温での焼成という高度な技術を必要とし、一般的
な塗装形態での対応が困難であった。さらに塗布したフ
ッ素コート膜の状態は、改質顔料等の添加のため基材そ
のままの表面状態と色感とを生かした利用が不可能であ
った。
【0004】一方、フッ素コート膜のうちポリフルオロ
ビニリデン系樹脂は、比較的低温度で焼成でき、さらに
透明であったが、清浄性、撥水性、基材への密着性に劣
っていた。
【0005】本発明はこれらの課題を解決するものであ
り、1回の塗布と比較的低温度での焼成で塗膜を形成す
ることで、ごく一般的な塗装の形態での対応を可能に
し、長期にわたって撥水性と清浄性を維持することがで
き、また透明でもある塗膜を容器の内面に有する調理器
を提供することを第1の目的としている。
【0006】さらに、基材への密着性を向上することで
耐沸騰水性も備えた塗膜を容器の内面に有する調理器を
提供することを第2の目的としている。
【0007】これらはともに長期にわたって塗膜の変質
がなく、水垢や調理物等の付着物の容易な離形性と防錆
を目的とした撥水性の維持が可能な容器を備えた調理器
を提供できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明の第1の手段は、少なくともポリフルオ
ロビリニデン樹脂とフルオロアルキルシロキサン化合物
を有し、前記ポリフルオロビリニデン樹脂に対して前記
フルオロアルキルシロキサン化合物を0.1重量%〜1
5重量%添加してなる混合物により得られる撥水性塗膜
を容器の内面に形成してなる調理器を提供する。
【0009】第2の目的を達成するための本発明の第2
の手段は、上記第1の手段の混合物に対してアクリル樹
脂を0.1重量%〜50重量%添加してなる混合物によ
り得られる撥水性塗膜を容器の内面に形成してなる調理
器を提供する。
【0010】
【作用】上記第1の手段によれば、通常の方法で脱脂し
た基材表面にこの組成物を容易に塗布することができ、
130℃〜240℃の比較的低温度で焼成することによ
り、加熱する段階で2成分中比較的低分子量であるフル
オロアルキルシロキサン化合物が表層部に移動しながら
ポリフルオロビリニデン樹脂とトポロジー的にからみ合
って固定化され、ポリフルオロビリニデン樹脂の撥水性
と清浄性をさらに向上させた塗膜が得られる。
【0011】この状態は、塗膜の表面にフルオロアルキ
ルシロキサン化合物が単に付着した状態とは異なり、表
層部分にフルオロアルキルシロキサン化合物が分布した
状態で塗膜成分になっている。このため塗膜の表面の温
度が高くなった場合、ポリフルオロビリニデン樹脂の表
面硬度が低下することにより清浄性が低下しても、表面
に付着したフルオロアルキルシロキサン化合物が清浄性
が低下を補う。また、仮に表面に付着したフルオロアル
キルシロキサン化合物が消失しても、塗膜を洗う、擦
る、拭く等の操作を施すことで、フルオロアルキルシロ
キサン化合物を含む新しい撥水性を有する層が露出する
し、また仮に、フルオロアルキルシロキサン化合物が分
布した表層部分が消失しても、ポリフルオロビリニデン
樹脂そのものの撥水性により、長期にわたって撥水性、
清浄性、金属の防錆力が維持できる。 このように従来
のフッ素コートのように基材の前処理を厳重に行うこと
なく、通常の脱脂し処理で塗膜の十分な密着性と均一性
を確保できることから、極めて塗膜化が容易である。
【0012】この効果は、フルオロアルキルシロキサン
化合物の混合量を必要以上増大させても表面部分の上記
の効果は一定である一方で、混合組成物や硬化した塗膜
の白濁化が生じるとともに、基材への塗布時に基材表面
ではじき現象を発現させるため、塗膜の均一性と基材へ
の密着性の低下を招くものとなる。
【0013】このように従来のフッ素コートのように基
材の前処理を厳重に行うことなく、通常の脱脂処理で塗
膜の十分な密着性と均一性を確保できることから、極め
て塗膜化が容易である。
【0014】第2の手段によれば、アクリル樹脂がポリ
フルオロビリニデン樹脂、あるいはフルオロアルキルシ
ロキサン化合物とトポロジー的にからみ合い、ポリフル
オロビリニデン樹脂の基材への密着性を向上させること
で耐沸騰水性も備えた撥水性塗膜が得られる。
【0015】以上の目的を達成するために、本発明の撥
水性塗膜をステンレス(SUS430)容器の内面に形
成して水容器となし、これを装着してジャーポットを構
成すると、塗膜形成のための焼成温度が130℃以上と
比較的低温であるため、ステンレスの酸化皮膜生成が起
こらない。このため、基材の色感が塗膜を通してそのま
ま利用できることから、飲料水(食品)を充填すること
に対する美麗感を損なうことがない。さらに水の沸騰の
繰り返しよる水垢等の基壁への付着に対して容易に洗浄
でき、この洗浄によって上記の撥水性の復元ができるの
で長期の持続が可能である。
【0016】以上の目的に対して本発明の撥水性塗膜を
容器の内面に形成し、本体に装着して調理器を構成する
と、調理物のこびりつきが発生しても容易に離形し、簡
単な洗浄で上記の効果が現れるので長期にわたって美麗
さ、清潔感が維持できる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の調理器の実施例としてジャ
ーポットを例にとり説明する。図1において、1はジャ
ーポットの本体、2はこの基材で構成された湯保持容器
で、これを本体1に装着し、この上部はヒンジ4により
開閉自在な蓋3で覆われている。5は湯保持容器2の中
に貯められた湯である。6は湯5を排出するためのポン
プツマミで、7は湯排出口である。また、8は本体1に
給電するための電源コードである。そして、前記湯保持
容器2は次のようにして形成している。
【0018】ポリフルオロビニリデン樹脂に対して全量
が100重量%になるようにフルオロアルキルシロキサ
ン化合物としてヘプタデカフルオロデカチルトリメトキ
シシランを混合し、溶剤で固形分75重量%に希釈し、
塗膜形成組成物とした。通常の脱脂剤で脱脂処理したス
テンレス(SUS430)基材表面に、この組成物を焼
成後の塗膜の厚みとして15±5μmとなるように塗布
し、200℃×60分焼成を施し、無色透明の塗膜を形
成した。
【0019】次に、動作を説明する。電源コード8によ
り給電し、蓋3により外界と遮断した状態で、湯保持容
器2中の水を加熱し沸騰した後、95℃以上の温度に常
時保温されている。従って、上記に示した撥水性塗膜に
湯5が常時接触状態で保持されているので、湯5中に溶
け込んでいた成分の塗膜表面部への析出物が汚れとして
付着し、堆積する。保温されている湯5は、必要に応じ
てポンプツマミ6の動作により排出する。湯5がなくな
れば、新たな水を注ぎ入れることで沸騰する。この動作
を繰り返す状態でジャーポットが使用される。
【0020】この塗膜の撥水性を試験するために、湯保
持容器2の内壁表面に水10μlを滴下してこの水滴の
接触角を測定し、その結果を(表1)に示した。
【0021】
【表1】
【0022】この結果から明らかなようにヘプタデカフ
ルオロデカチルトリメトキシシランの混合の上限値は塗
膜の状態から15重量%である。さらに接触角が一定の
値を維持できるヘプタデカフルオロデカチルトリメトキ
シシランの混合の下限値は0.1重量%であり、この範
囲内で本発明の目的が達成できる。
【0023】なお、本発明の目的を達成できるフルオロ
アルキルシロキサン化合物としては、トリオキシフルオ
ロシロキサン、トリクロロフルオロシロキサンで総称さ
れる化合物が有効である。
【0024】なお、組成物の基材への塗布に当たって
は、アルコールのほか、塩素系、ケトン系、芳香族炭化
水素系の溶剤で任意に希釈すればよく、塗布の方法はス
プレー、浸漬引き上げ、ローラ等でなされる。基材は金
属、ガラス、その他塗膜形成時の焼成に耐えられるもの
であればプラスチック等の基材も使用でき、上記に示し
た性能が得られる。また塗布する基材は板状であること
を問わない。
【0025】(実施例2)上記に示したポリフルオロビ
ニリデン樹脂にフルオロアルキルシロキサン化合物とし
てヘプタデカフルオロデカチルトリメトキシシランを1
重量%添加した混合物に対して全量が100重量%にな
るようにアクリル樹脂としてポリメタクリル酸メチル樹
脂を混合し、溶剤で固形分75重量%に希釈し、塗膜形
成組成物とし、上記に示した方法でステンレス(SUS
430)基材表面に塗膜を形成した。この基材で図1に
示したジャーポットの湯保持容器2を構成し、本体1に
装着した。
【0026】この撥水性塗膜の性能を実用に即して試験
するために、湯保持容器2に水を入れ、湯を沸かし、6
0分保持し、湯を排出し、注水するいう一連の操作を1
000回繰り返し実施した。この間100回毎に2.5
重量%のクエン酸水溶液で煮沸洗浄し、撥水性塗膜の汚
れの洗浄をした後、実施例1と同様の方法で水の接触角
を測定し、塗膜の表面状態を観察した結果を(表2)に
示す。
【0027】
【表2】
【0028】この結果から明らかなようにアクリル樹脂
の混合の下限値は剥離率から1重量%である。さらに接
触角が一定の値を維持できるアクリル樹脂の混合の下限
値は50重量%であり、この範囲内で本発明の目的が達
成できる。
【0029】なお、本実施例において、アクリル樹脂の
代わりにエポキシ樹脂を使用しても同様の効果が得られ
るものである。
【0030】また、各実施例では、調理器としてジャー
ポットの例について説明したが、この効果は各種の調理
器についても、同様な効果を発揮することができるもの
である。
【0031】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、第1
の発明によれば、通常の方法で脱脂した基材表面に本発
明の混合物を容易に塗布することができ、130℃以上
の比較的低温度で焼成することにより、加熱する段階で
2成分中比較的低分子量であるフルオロアルキルシロキ
サン化合物が表層部に移動しながらポリフルオロビリニ
デン樹脂とトポロジー的にからみ合い固定化され、ポリ
フルオロビリニデン樹脂の撥水性と清浄性をさらに向上
させた塗膜が得られる。そして仮に撥水性を失ったとし
ても、塗膜を拭く等の操作を施すことで、撥水性を有す
る層が露出するので、長期にわたって撥水性、清浄性が
維持できる。
【0032】第2の発明によれば、アクリル樹脂がポリ
フルオロビリニデン樹脂、あるいはフルオロアルキルシ
ロキサン化合物トポロジー的にからみ合い、ポリフルオ
ロビリニデン樹脂の基材への密着性を向上させること
で、長期にわたって耐沸騰水性も備えた撥水性塗膜が得
られる。
【0033】また、本発明によれば、撥水性塗膜を内面
に形成した容器を装着した調理器を構成すると、長期の
実用に対して撥水性、清浄性、防錆性に変化がなく、基
材の色感を利用できることから、この効果は大きいもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるジャーポットの構成図
【符号の説明】
1 本体 2 湯保持容器 3 蓋 4 ヒンジ 5 湯 6 ポンプツマミ 7 湯排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 36/00 - 36/42 A47J 27/00 - 27/64

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリフルオロビリニデン樹脂
    とフルオロアルキルシロキサン化合物を有し、前記ポリ
    フルオロビリニデン樹脂に対して前記フルオロアルキル
    シロキサン化合物を0.1重量%〜15重量%添加して
    なる混合物により得られる撥水性塗膜を容器の内面に形
    成してなる調理器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の混合物に対してアクリル
    樹脂を0.1重量%〜50重量%添加してなる混合物に
    より得られる撥水性塗膜を容器の内面に形成してなる調
    理器。
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