JPH05186544A - 芳香族系液状樹脂の製造法 - Google Patents

芳香族系液状樹脂の製造法

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JPH05186544A
JPH05186544A JP4024290A JP2429092A JPH05186544A JP H05186544 A JPH05186544 A JP H05186544A JP 4024290 A JP4024290 A JP 4024290A JP 2429092 A JP2429092 A JP 2429092A JP H05186544 A JPH05186544 A JP H05186544A
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aromatic
liquid resin
alcohol
resin
aromatic liquid
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JP4024290A
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Tadao Miyama
忠夫 深山
Yukio Nohayashi
幸雄 野林
Hajime Yoshida
肇 吉田
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Mitsubishi Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、耐熱性に優れて、臭気がな
く、取扱い作業上も好ましい芳香族系液状樹脂を収率よ
く製造する方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明に係る芳香族系液状樹脂の製造法は、
芳香族化合物又は、芳香族化合物を主成分とする留分と
ホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応させて製造す
る際に、反応系内にアルコールを加えることを特徴とす
るものである。特に、炭素数3ないしは4のアルコール
を用いると、優れた効果が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粘・接着剤、塗料、プ
ラスチック加工等広い分野において改質剤、軟化剤等の
用途に供しうる芳香族系液状樹脂の製造法に関する。
【0002】更に詳しくは、芳香族化合物又は芳香族化
合物を主成分とする留分とホルムアルデヒドから芳香族
系液状樹脂を製造するに際し反応系内にアルコ−ルを加
えて反応することで液状樹脂収率を向上させることがで
き、耐熱性が高く、揮発分、臭気の低い芳香族系液状樹
脂の製造法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、一般に芳香族系液状樹脂は、スチ
レン、α−メチルスチレン誘導体のような側鎖に2重結
合を有するオレフィン類や、石油類の熱分解により得ら
れる沸点範囲140〜280℃程度の分解油留分を重合
して製造されている。
【0004】この分解油留分もオレフィン類を主成分と
するため、スチレン、α−メチルスチレン誘導体を原料
とする場合と同様に、得られた芳香族系液状樹脂から完
全に2重結合を除去することは困難である。そのためオ
レフィン類を原料とした芳香族系液状樹脂は一般に耐熱
性や臭気に劣る欠点がある。
【0005】2重結合を減少させる目的で芳香族系液状
樹脂を二次的に水添する方法が知られているが、製造コ
ストの上昇は避けられず、芳香族系液状樹脂の安価であ
るという大きな特長を有利に導く方法とはいい難い。
【0006】また、他の芳香族系液状樹脂としてキシレ
ン樹脂、液状クマロン樹脂がある。しかしながら、キシ
レン樹脂は2重結合は含まないが、含酸素官能基である
エ−テル結合、メチロ−ル結合などを含むため耐熱性が
充分ではなく揮発分も多いのが一般的である。
【0007】液状クマロン樹脂は含酸素化合物のクマロ
ンを含む石炭乾留留分を用いるため、一般に臭気が高く
取扱い作業上好ましくない。
【0008】本発明者らは、以上のような従来の芳香族
系液状樹脂についての考察から、2重結合も酸素原子も
含まない芳香族系液状樹脂の合成法を検討した結果、オ
レフィン類を含まない芳香族化合物又は芳香族化合物を
主成分とする留分とホルムアルデヒドを酸触媒の存在下
で反応し得られた2重結合も酸素原子も含まない芳香族
樹脂の固形樹脂分を蒸留分離することで2重結合も酸素
原子も含まない芳香族系液状樹脂が得られることを見い
出し、発明の名称「エポキシ樹脂系接着剤組成物」で
(特開平3−292380号公報)特許出願中である。
【0009】この芳香族系液状樹脂は、2重結合も酸素
原子も含まないため耐熱性、揮発分、臭気の点で優れた
性状を示したが、固形樹脂製造の副生品として得られる
ため収率が低いという問題が生じた。
【0010】そこで、芳香族樹脂中の液状留分を増大さ
せるために芳香族化合物又は芳香族化合物を主成分とす
る留分に対するホルムアルデヒドのモル比を下げること
で、芳香族樹脂中の液状樹脂選択率を向上させることは
できる。しかしながら固形を含めた芳香族樹脂全体の収
率の低下が見られ工業上得策とはいい難い。
【0011】本発明でいう液状樹脂とは便宜上芳香族樹
脂中の沸点が常圧換算340℃〜470℃の留分を示
し、固形樹脂とは470℃以上の留分を示すものとし
て、液状と固形を区別する。一般に液状樹脂とは常温で
流動性を有するものを示し、この沸点範囲に拘束される
ものではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、臭気がなく、取扱い作業上も好ましい芳香族液状樹
脂を収率よく製造する方法を提供しようとするものであ
る。
【0013】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、全体の樹
脂収率を下げることなく液状樹脂選択率を向上させる方
法について鋭意研究を重ねた結果、アルコ−ルを加えて
反応することで、全体の樹脂収率を下げることなく液状
樹脂選択率を向上させることができ、しかも得られる芳
香族系液状樹脂は耐熱性が高く、揮発分、臭いが低い優
れた性質を保持していることを見い出し本発明を完成さ
せた。本発明の製造方法は、芳香族化合物又は芳香族化
合物を主成分とする留分とホルムアルデヒドを酸触媒の
存在化で反応させ、芳香族系液状樹脂を製造するに際
し、反応系内にアルコールを加えることにより芳香族系
液状樹脂を製造することからなっている。
【0014】なお、アルコ−ルの添加が全体の樹脂収率
を下げることなく液状樹脂の選択率を向上させる理由は
明らかではないが、アルコ−ルの代わりに水を用いた系
では添加効果が現れず、アルコ−ルそのものが何らかの
役割を果たしていることは明らかである。
【0015】本発明に係わる製造方法に供せられる芳香
族原料(以下、「原料油」という)としては、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼ
ン、トリメチルベンゼン、デュレン、イソデュレン等、
ベンゼン環にメチル基又はエチル基のような比較的炭素
数の少ない置換基が1〜4個置換したベンゼン誘導体及
びインダン誘導体、ナフタリン、アントラセン等の各種
縮合多環芳香族化合物の誘導体ならびにそれらの混合物
又はそれらの一部を含む留分であれば特に制約はない。
【0016】また、プロピル基、ブチル基のような比較
的炭素数の多い置換基を有する芳香族化合物あるいはパ
ラフィン、ナフテン等の非芳香族化合物が含まれていて
も、これらの化合物はホルムアルデヒドとの反応性が低
いかあるいは全くないため単に溶媒として作用するだけ
であり、見掛上の液状樹脂の収率は低下するが、原料油
中に上記の反応性芳香族化合物が含まれていれば特に問
題はない。
【0017】ただし、後述のホルムアルデヒドと原料油
のモル比を決定する際は、原料油中の反応性芳香族化合
物の含有量を考慮する必要がある。
【0018】一般的にはトルエン、改質系または分解系
混合キシレン留分、キシレン製造あるいは異性化等の塔
底油から得られるC9 あるいはC10芳香族留分等が実用
上好ましい原料油となる。なかでもC9 芳香族留分が本
発明には最適の原料である。
【0019】本発明で用いられるホルムアルデヒドは、
反応系内で単量体のホルムアルデヒドを生成するもので
あれば、出発原料としてはいかなる形態のものでもよ
く、例えば市販の各種濃度のホルマリン又はトリオキサ
ン、パラホルムアルデヒドのような重合物等をそのまま
用いることができるが、触媒濃度を低下させず(ホルマ
リンは水溶液であるので触媒濃度を低下させる)、低価
格で容易に入手できるパラホルムアルデヒドが最適であ
る。
【0020】また、何らかの方法で別途発生させたガス
状ホルムアルデヒドを原料油、触媒(液状の場合)、溶
媒等に溶解させて反応系内に仕込むこともできる。
【0021】本発明に用いる触媒は液状の酸触媒であれ
ば特に制約はなく、硫酸、リン酸、ピロリン酸、過塩素
酸等を用いることができる。また原料油に溶解するパラ
トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素、フッ化水素、各
種塩化アルミニウム等を用いることも出来るが、これら
の触媒は再使用が困難である。
【0022】また、固体酸触媒を用いることも原理的に
は可能であるが、反応の進行にともない著しい粘度増加
があるので触媒の分離工程で多量の稀釈溶媒を用いる必
要があり、工業上有利な触媒とは言えない。
【0023】安価で再使用が容易な点で硫酸が有利であ
り、各種濃度の硫酸が使用可能であるが、スルフォン化
を防ぐためには稀硫酸が最適である。
【0024】本発明は過剰の原料油を用いるため、溶媒
は必要としないが、必要に応じて反応に関与しない溶媒
(例えばイソパラフィン)を適当量加えることができ
る。本発明に用いるアルコールは、本反応に悪影響を及
ぼさない限り特に限定はしない。従って、ノルマルアル
コール類やイソアルコール類、例えば、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、イソアミルアルコール、2−エチルヘキシルアルコ
ール、n−ノニルアルコール、n−デシルアルコール等
の単体又はこれらの混合物でよい。
【0025】好ましくは、炭素数1〜8のアルコールの
単独又は、これらの混合物がよい。炭素数9以上のアル
コールを用いた場合は、反応後のアルコール除去操作で
微量のアルコールが残るおそれがあり、かかる場合は、
微かながらアルコール臭がすることがある。炭素数1〜
2のアルコールは沸点が低いため、重合反応の際の反応
装置からアルコールが蒸発消失しないようにする必要が
あり、装置の設備、操業費、安全面で配慮点が生ずる。
更に好ましくは、n−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコールがよい。
【0026】本発明に係わる反応装置は、特に形状を問
わず通常のバッチ式、セミ流通式、流通式等を用いるこ
とができるが、バッチ式が最も実用的である。
【0027】本発明の芳香族系液状樹脂を得るために
は、原料油中の反応性芳香族化合物に対するアルコール
のモル比は0.1〜0.5、より好ましくはモル比0.
2〜0.3が適切である。アルコールの添加時期は、反
応当初ないしは反応途中のいずれの時点でもよい。
【0028】一方、反応性芳香族化合物に対するホルム
アルデヒドのモル比は1以下に、好ましくは0.7以下
に抑える必要がある。モル比が1を越えると、酸素原子
を含まない芳香族系液状樹脂を製造することが困難にな
る。
【0029】本反応に係る触媒使用量は、反応条件と密
接に関連するため一概に規定できないが、一般的には反
応性芳香族化合物に対する硫酸のモル比を0.5以下
に、好ましくはモル比0.2〜0.3が適切である。
【0030】本反応の反応温度は、原料油及び触媒の種
類及び量等に依存するため一概に規定できないが、一般
的には60〜180℃、好ましくは80〜120℃が用
いられる。
【0031】本反応の反応時間は、原料油及び触媒の種
類及び量等に依存するため一概に規定できないが、一般
的には0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間が用い
られる。
【0032】反応生成物から目的とする芳香族系液状樹
脂を得るためには触媒除去、洗浄(微量酸性物質の除
去)、未反応油、溶媒(使用した場合)及び重質生成物
の除去が必要であるが、これらは以下に述べる方法で実
施することができる。
【0033】触媒分離はそのままあるいは適切な稀釈溶
媒を加えて、通常の油水分離操作で実施することができ
る。回収した触媒は反応中生成する水で稀釈されている
が、そのままあるいは高濃度の酸を追加して濃度調整す
ることにより再使用が可能である。
【0034】洗浄工程は、微量の酸性物質の混入による
製品の品質劣化を防ぐための工程である。通常はアルカ
リ水による中和処理と水又は温水による洗浄を繰り返す
方法が採用される。
【0035】洗浄処理をした油層には、アルコール、未
反応油、樹脂が含まれている。従って製品の芳香族系液
状樹脂を単離するためには、アルコール、未反応油、生
成した樹脂の重質生成物の除去が必要であり、これらの
除去操作は一段で実施することも多段で実施することも
できる。
【0036】即ちアルコール、未反応油は同時にあるい
は別々に通常の常圧蒸留あるいはエバポレーター等の操
作で除去した後、製品の芳香族系液状樹脂を減圧蒸留等
で回収する多段操作を採用することもできるし、通常の
減圧蒸留装置を用いて徐々に減圧度を上げながら、要求
性状に応じた沸点範囲の芳香族系液状樹脂を回収する一
段操作を採用することもできる。
【0037】蒸留温度範囲は原料油の種類、目的とする
芳香族系液状樹脂の要求性状によるため一概に規定でき
ないが、通常5mmHg以下の減圧下、好ましくは2mmHg以
下の減圧下で常圧換算340〜470℃の留分より、目
的とする芳香族系液状樹脂が得られる。
【0038】
【実施例】以下に本発明の内容を具体的に明らかにする
ために実施例を示すが、これは一例であり、本発明は、
これに限定されるものではない。
【0039】実施に際し、製造した芳香族系液状樹脂の
臭気は室温での官能試験とし、揮発減量はJIS K
2540に準拠し、105℃、3時間後の揮発分として
測定した。
【0040】また、本液状樹脂の耐熱性は、ガラス容器
(30mmφ×100mm)中に試料30gをとりギヤオー
ブン中105℃で72時間エージング後の外観(色相)
変化を観察した。
【0041】
【実施例1】撹拌装置、還流冷却器を備えた4つ口フラ
スコに原料油として改質系キシレン塔底油の150〜1
80℃の沸点範囲を持つC9 芳香族留分240gを採取
し、n−プロピルアルコール(JIS K 8838)
7gを加え、さらに、市販工業用92%パラホルムアル
デヒド(住友化学工業(株)製)35gを加え、ゆっく
り撹拌しながら75%稀硫酸(JIS K 8951を
稀釈調製)75gを滴下した。使用した改質系キシレン
塔底油の組成を表1に示す。
【0042】稀硫酸滴下後、反応温度を100〜110
℃に昇温し、そのまま激しくかき混ぜながら3時間反応
した。反応終了後、室温にまで冷し、滴下ロートに内容
物を移し静置すると硫酸層が下層に分離するまでこれを
除去した。
【0043】引続き洗浄水のpHが7を示すまで2〜3
回水洗を繰り返した。得られた油層を蒸留フラスコに移
し、最初は10mmHgの減圧蒸留で未反応油等を除去し、
芳香族樹脂の全量として185gを得た。
【0044】次に、1mmHgにまで減圧度を上げて、常圧
換算340〜470℃までの留分に目的とする芳香族系
液状樹脂103gを得た。得られた芳香族樹脂及び芳香
族系液状樹脂収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分
及び耐熱性の結果を表2に示す。
【0045】
【実施例2】実施例1と同一装置を用い、n−プロピル
アルコールの量を15gに増加して、実施例1と同一原
料油、同一条件下で反応及び触媒除去・水洗をした後、
同一条件下で減圧蒸留を実施したところ、芳香族樹脂1
98g、目的とする芳香族系液状樹脂128gを得た。
【0046】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表2に示す。
【0047】
【実施例3】実施例1と同一装置を用い、アルコールに
n−プロピルアルコールの代わりにn−ブチルアルコー
ル(試薬)15gを用いて、実施例1と同一原料油、同
一条件下で反応及び触媒除去・水洗をした後、同一条件
下で減圧蒸留を実施したところ、芳香族樹脂195g、
目的とする芳香族系液状樹脂116gを得た。
【0048】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表2に示す。
【0049】
【実施例4】実施例1と同一装置を用い、アルコールに
n−プロピルアルコールの代わりに2−エチルヘキシル
アルコール(試薬)15gを用いて、実施例1と同一原
料油、同一条件下で反応及び触媒除去・水洗をした後、
同一条件下で減圧蒸留を実施したところ、芳香族樹脂1
87g、目的とする芳香族系液状樹脂97gを得た。
【0050】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表2に示す。
【0051】
【実施例5】実施例1と同一装置を用い、アルコールに
n−プロピルアルコールの代わりにメタノール(JIS
K 8891)15gを用いて、実施例1と同一原料
油、同一条件下で反応及び触媒除去・水洗をした後、同
一条件下で減圧蒸留を実施したところ、芳香族樹脂17
5g、目的とする芳香族系液状樹脂101gを得た。
【0052】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表2に示す。
【0053】
【実施例6】実施例1と同一装置を用い、アルコールに
n−プロピルアルコール(JISK 8838)7.5
gとn−ブチルアルコール(試薬)7.5gを用いて、
実施例1と同一原料油、同一条件下で反応及び触媒除去
・水洗をした後、同一条件下で減圧蒸留を実施したとこ
ろ、芳香族樹脂197g、目的とする芳香族系液状樹脂
122gを得た。
【0054】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表2に示す。
【0055】
【比較例1】実施例1と同一装置を用い、アルコールを
加えないで、実施例1と同一原料油、同一条件下で反応
及び触媒除去・水洗をした後、同一条件下で減圧蒸留を
実施したところ、芳香族樹脂187g、目的とする芳香
族系液状樹脂82gを得た。
【0056】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表3に示す。
【0057】
【比較例2】実施例1と同一装置を用い、市販工業用9
2%パラホルムアルデヒドの量のみを20gに変更しア
ルコールを加えないで実施例1と同一操作で反応を実施
したところ、芳香族樹脂144g、目的とする芳香族系
液状樹脂72gを得た。
【0058】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表3に示す。
【0059】
【比較例3】実施例1と同一装置を用い、アルコールの
代わりに水15gを用いて、実施例1と同一原料油、同
一条件下で反応及び触媒除去・水洗をした後、同一条件
下で減圧蒸留を実施したところ、芳香族樹脂149g、
目的とする芳香族系液状樹脂62gを得た。
【0060】得られた芳香族樹脂及び芳香族系液状樹脂
の収率、ならびに本液状樹脂の臭気、揮発分及び耐熱性
の結果を表3に示す。
【0061】
【比較例4〜6】従来の液状樹脂として、それぞれ順番
にC9 系液状樹脂(日石化学製「ネオポリマーL
0」)、キシレン樹脂(三菱ガス化学製「ニカノールL
L」)、クマロン液状樹脂(新日鐡化学製「エスクロン
L−20」)を選んだ。臭気、揮発分及び耐熱性の結果
を表3に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【発明の効果】本発明は、表2の結果からアルコールを
反応系内に加えることで芳香族樹脂収率を下げることな
く、芳香族系液状樹脂収率を向上させることができ工業
上有用であることが分かる。
【0066】また、本発明により得られた芳香族系液状
樹脂は、耐熱性が高く揮発分、臭気が低く取扱い作業上
きわめて優れた性質を有していることから、粘・接着
剤、塗料、プラスチック加工等幅広い分野においての改
質剤、軟化剤等の用途に適用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物又は芳香族化合物を主成分
    とする留分とホルムアルデヒドを酸触媒の存在下で反応
    させ、芳香族系液状樹脂を製造するに際し、反応系内に
    アルコ−ルを加えることを特徴とする芳香族系液状樹脂
    の製造法。
  2. 【請求項2】 芳香族化合物又は芳香族化合物を主成分
    とする留分として、トルエン、改質系又は分解系混合キ
    シレン、又はキシレン製造あるいは異性化の塔底油から
    得られる炭素数9ないし10個の芳香族留分を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の芳香族系液状樹脂の製造
    法。
  3. 【請求項3】 ホルムアルデヒドとしてパラホルムアル
    デヒド、触媒として硫酸を用いることを特徴とする請求
    項1又は2記載の芳香族系液状樹脂の製造法。
  4. 【請求項4】 アルコ−ルとして炭素数1〜8のアルコ
    −ルの単独又はこれらの混合物を用いることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の芳香族系液状樹
    脂の製造法。
  5. 【請求項5】 アルコールとして炭素数3若しくは4の
    アルコールの単独、又はこれらの混合物を用いることを
    特徴とする請求項4記載の芳香族系液状樹脂の製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0753540A2 (en) 1995-07-12 1997-01-15 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Polycarbonate resin composition

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EP0753540A2 (en) 1995-07-12 1997-01-15 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Polycarbonate resin composition

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