JPH05186347A - 細胞障害性制癌剤の副作用軽減および制癌作用増強剤 - Google Patents
細胞障害性制癌剤の副作用軽減および制癌作用増強剤Info
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- JPH05186347A JPH05186347A JP19391692A JP19391692A JPH05186347A JP H05186347 A JPH05186347 A JP H05186347A JP 19391692 A JP19391692 A JP 19391692A JP 19391692 A JP19391692 A JP 19391692A JP H05186347 A JPH05186347 A JP H05186347A
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- carcinostatic
- cytotoxic
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 副作用が強いため使用するのが難しい細胞障
害性制癌剤を用いる癌の化学治療法の改善を目的とす
る。 【構成】 式(I): 【化3】 (式中、lは1〜3の整数、mは0または1〜3の整
数、nは0または1〜3の整数)で表わされるニトロト
リアゾール誘導体を有効成分とする細胞障害性制癌剤の
副作用軽減および制癌作用増強剤。 【効果】 細胞障害性制癌剤の副作用を軽減させ、かつ
その制癌作用をも著しく増強させることができる。
害性制癌剤を用いる癌の化学治療法の改善を目的とす
る。 【構成】 式(I): 【化3】 (式中、lは1〜3の整数、mは0または1〜3の整
数、nは0または1〜3の整数)で表わされるニトロト
リアゾール誘導体を有効成分とする細胞障害性制癌剤の
副作用軽減および制癌作用増強剤。 【効果】 細胞障害性制癌剤の副作用を軽減させ、かつ
その制癌作用をも著しく増強させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞障害性制癌剤の副
作用を軽減し、かつ制癌作用を増強することができる助
剤に関する。
作用を軽減し、かつ制癌作用を増強することができる助
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞障害性制癌剤を用いる、いわゆる癌
の化学治療法は、体の複数の個所および白血病などの全
身に分布する癌の治療法であり、そうした細胞障害性制
癌剤としてアルキル化剤系制癌剤、抗生物質系制癌剤、
代謝拮抗性制癌剤などが知られている。しかし、細胞障
害性制癌剤は正常組織に対しても障害を与えるため体重
減少などの副作用が激しく、治療に必要な量を投与する
ことができないことが致命的な欠点とされている。
の化学治療法は、体の複数の個所および白血病などの全
身に分布する癌の治療法であり、そうした細胞障害性制
癌剤としてアルキル化剤系制癌剤、抗生物質系制癌剤、
代謝拮抗性制癌剤などが知られている。しかし、細胞障
害性制癌剤は正常組織に対しても障害を与えるため体重
減少などの副作用が激しく、治療に必要な量を投与する
ことができないことが致命的な欠点とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞障害性
制癌剤がもつ強い細胞毒性を緩和し、該制癌剤による化
学治療効果を増強する助剤を提供することを目的とす
る。
制癌剤がもつ強い細胞毒性を緩和し、該制癌剤による化
学治療効果を増強する助剤を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、
【0005】
【化2】
【0006】(式中、lは1〜3の整数、mは0または
1〜3の整数、nは0または1〜3の整数)で表わされ
るニトロトリアゾール誘導体を有効成分として含有する
細胞障害性制癌剤の副作用軽減および制癌作用増強剤
(以下、本発明の制癌助剤という)に関する。
1〜3の整数、nは0または1〜3の整数)で表わされ
るニトロトリアゾール誘導体を有効成分として含有する
細胞障害性制癌剤の副作用軽減および制癌作用増強剤
(以下、本発明の制癌助剤という)に関する。
【0007】
【作用】ニトロトリアゾール誘導体(I)は公知化合物
であり、それ自体には制癌作用はないが、該トリアゾー
ル誘導体が単独投与で固形腫瘍内に存在する放射線抵抗
性の低酸素細胞に対する放射線感受性を高める作用を有
することが本発明者の一人により見出されている(特開
昭61-194019 号公報)。また、オシンスキーらによっ
て、該誘導体を投与すると動物の固形腫瘍内の生理系に
異常が生じて腫瘍内の酸性が増大し、癌の温熱治療効果
が高められることが明らかにされている(ラジオセンシ
ティゼイション ニューズレター(Radiosensitization
Newsletter)、Vol.9、No. 3、12〜14(1990))。
であり、それ自体には制癌作用はないが、該トリアゾー
ル誘導体が単独投与で固形腫瘍内に存在する放射線抵抗
性の低酸素細胞に対する放射線感受性を高める作用を有
することが本発明者の一人により見出されている(特開
昭61-194019 号公報)。また、オシンスキーらによっ
て、該誘導体を投与すると動物の固形腫瘍内の生理系に
異常が生じて腫瘍内の酸性が増大し、癌の温熱治療効果
が高められることが明らかにされている(ラジオセンシ
ティゼイション ニューズレター(Radiosensitization
Newsletter)、Vol.9、No. 3、12〜14(1990))。
【0008】これらの先行技術はいずれも放射線治療法
や温熱治療などの物理的治療に関するものであり、ニト
ロトリアゾール誘導体(I)の単独投与による物理的治
療効果の増強効果が知られているだけである。
や温熱治療などの物理的治療に関するものであり、ニト
ロトリアゾール誘導体(I)の単独投与による物理的治
療効果の増強効果が知られているだけである。
【0009】本発明者らは、ニトロトリアゾール誘導体
(I)の癌治療に関する研究を進めた結果、該誘導体
(I)が化学的治療法である細胞障害性制癌剤の副作用
を軽減するだけでなく、その制癌作用をも著しく増強す
ることを見出した。ニトロトリアゾール誘導体(I)が
かかる効果を奏する作用機序は現在検討中であり詳細は
不明であるが、該誘導体(I)が体内で細胞障害性制癌
剤と共存することによって該制癌剤の副作用である体重
減少が抑制されていることから、ニトロトリアゾール誘
導体(I)が制癌剤分子の副作用を補償する作用が起こ
ったものと考えられる。また、制癌作用の増強効果につ
いては、細胞障害性制癌剤の制癌作用が癌細胞核内のD
NAを変性して癌細胞を不活性化することにあることか
ら、ニトロトリアゾール誘導体(I)は制癌剤の細胞核
内への浸透を促進して核内濃度を高める働きをしている
ものと推察される。
(I)の癌治療に関する研究を進めた結果、該誘導体
(I)が化学的治療法である細胞障害性制癌剤の副作用
を軽減するだけでなく、その制癌作用をも著しく増強す
ることを見出した。ニトロトリアゾール誘導体(I)が
かかる効果を奏する作用機序は現在検討中であり詳細は
不明であるが、該誘導体(I)が体内で細胞障害性制癌
剤と共存することによって該制癌剤の副作用である体重
減少が抑制されていることから、ニトロトリアゾール誘
導体(I)が制癌剤分子の副作用を補償する作用が起こ
ったものと考えられる。また、制癌作用の増強効果につ
いては、細胞障害性制癌剤の制癌作用が癌細胞核内のD
NAを変性して癌細胞を不活性化することにあることか
ら、ニトロトリアゾール誘導体(I)は制癌剤の細胞核
内への浸透を促進して核内濃度を高める働きをしている
ものと推察される。
【0010】
【実施例】本発明の有効成分である式(I)で表わされ
るニトロトリアゾール誘導体としては、2−(3′−ニ
トロ−1′−トリアゾリル)酢酸アミド、2−(3′−
ニトロ−1′−トリアゾリル)酢酸メタノールアミド、
2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)酢酸−1″
−メトキシメチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−
トリアゾリル)酢酸−1″−エトキシメチルアミド、2
−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−
プロポキシメチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−
トリアゾリル)酢酸エタノールアミド、2−(3′−ニ
トロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−メトキシエチ
ルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)
酢酸−2″−エトキシエチルアミド、2−(3′−ニト
ロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−プロポキシエチ
ルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)
プロピオン酸アミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリ
アゾリル)プロピオン酸メタノールアミド、2−(3′
−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸−1″−
メトキシメチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−ト
リアゾリル)プロピオン酸−1″−エトキシメチルアミ
ド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピ
オン酸−1″−プロポキシメチルアミド、2−(3′−
ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸エタノール
アミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プ
ロピオン酸−2″−メトキシエチルアミド、2−(3′
−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸−2″−
エトキシエチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−ト
リアゾリル)プロピオン酸−2″−プロポキシエチルア
ミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロ
ピオン酸プロパノールアミド、2−(3′−ニトロ−
1′−トリアゾリル)プロピオン酸−3″−メトキシプ
ロピルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリ
ル)プロピオン酸−3″−エトキシプロピルアミド、2
−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸
−3″−プロポキシプロピルアミドなどがあげられる。
るニトロトリアゾール誘導体としては、2−(3′−ニ
トロ−1′−トリアゾリル)酢酸アミド、2−(3′−
ニトロ−1′−トリアゾリル)酢酸メタノールアミド、
2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)酢酸−1″
−メトキシメチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−
トリアゾリル)酢酸−1″−エトキシメチルアミド、2
−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−
プロポキシメチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−
トリアゾリル)酢酸エタノールアミド、2−(3′−ニ
トロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−メトキシエチ
ルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)
酢酸−2″−エトキシエチルアミド、2−(3′−ニト
ロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−プロポキシエチ
ルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)
プロピオン酸アミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリ
アゾリル)プロピオン酸メタノールアミド、2−(3′
−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸−1″−
メトキシメチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−ト
リアゾリル)プロピオン酸−1″−エトキシメチルアミ
ド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピ
オン酸−1″−プロポキシメチルアミド、2−(3′−
ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸エタノール
アミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プ
ロピオン酸−2″−メトキシエチルアミド、2−(3′
−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸−2″−
エトキシエチルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−ト
リアゾリル)プロピオン酸−2″−プロポキシエチルア
ミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロ
ピオン酸プロパノールアミド、2−(3′−ニトロ−
1′−トリアゾリル)プロピオン酸−3″−メトキシプ
ロピルアミド、2−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリ
ル)プロピオン酸−3″−エトキシプロピルアミド、2
−(3′−ニトロ−1′−トリアゾリル)プロピオン酸
−3″−プロポキシプロピルアミドなどがあげられる。
【0011】本発明で用いるニトロトリアゾール誘導体
(I)は前記のとおり公知化合物であり、ヒトに1〜2
g/回投与しても副作用が発現しないことが知られてい
る。本発明における誘導体(I)の有効量は併用される
細胞障害性制癌剤の種類や量によって異なるが、制癌剤
の投与量の1/10〜3倍の範囲であり、通常約10〜2000
mg/回である。投与方法は経口投与、静脈内投与、動脈
内投与あるいは局所投与などが採用され、投与方法に応
じて錠剤、カプセル剤、注射剤など通常の剤形で使用さ
れる。投与時期は制癌剤の投与前2時間以内か同時投与
が好ましく、同時投与するばあいは制癌剤と誘導体
(I)の両者を含有する製剤とするのが有利である。さ
らに、マイクロウェーブなどによる局所温熱治療を併用
すると、より一層その効果が高まる。
(I)は前記のとおり公知化合物であり、ヒトに1〜2
g/回投与しても副作用が発現しないことが知られてい
る。本発明における誘導体(I)の有効量は併用される
細胞障害性制癌剤の種類や量によって異なるが、制癌剤
の投与量の1/10〜3倍の範囲であり、通常約10〜2000
mg/回である。投与方法は経口投与、静脈内投与、動脈
内投与あるいは局所投与などが採用され、投与方法に応
じて錠剤、カプセル剤、注射剤など通常の剤形で使用さ
れる。投与時期は制癌剤の投与前2時間以内か同時投与
が好ましく、同時投与するばあいは制癌剤と誘導体
(I)の両者を含有する製剤とするのが有利である。さ
らに、マイクロウェーブなどによる局所温熱治療を併用
すると、より一層その効果が高まる。
【0012】本発明の制癌助剤は前記のとおり癌細胞核
内のDNA を変性させて不活性化する細胞障害性制癌剤に
対して有効であり、そうした細胞障害性制癌剤として
は、たとえばアルキル化剤系制癌剤、抗生物質系制癌
剤、代謝拮抗性制癌剤などがあり、アルキル化剤系制癌
剤としてはたとえば塩酸ナイトロジェンマスタード−N
−オキシド、メルファラン、シクロホスファミド、イホ
スファミドなどのナイトロジェンマスタード類;カルボ
コン、チオテパなどのエチレンイミン類;塩酸ニムスチ
ン、ラニムスチンなどのニトロソ尿素類;ピポブロマン
などのトリアッシ類などがあげられ、抗生物質系制癌剤
としてはたとえば塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビ
シン、塩酸アクラルビシン、ピラルビシンなどのアント
ラサイクリン系抗生物質;ブレオマイシン、ペプレオマ
イシンなどのブレオマイシン類;マイトマイシンCなど
のマイトマイシン類;アクチノマイシンDなどのアクチ
ノマイシン類;ネオカルチノスタチンなどのポリペプチ
ド類などがあげられ、さらに代謝拮抗性制癌剤としては
たとえばメトトレキサートなどの葉酸拮抗物質;ロイコ
ボリンカルシウムなどの抗葉酸拮抗物質;フルオロウラ
シル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフ
ールなどのピリミジン拮抗物質;シタラビン、サイクロ
シチジン、エノシタビンなどのシトシンアラビノシド
類;メルカプトプリン、チオイノシンなどのプリン代謝
拮抗物質などがあげられる。そのほかの細胞障害性制癌
剤としてはシスプラチン、ノバントロンなどがあげられ
る。これらは単独または混合して使用してもよい。
内のDNA を変性させて不活性化する細胞障害性制癌剤に
対して有効であり、そうした細胞障害性制癌剤として
は、たとえばアルキル化剤系制癌剤、抗生物質系制癌
剤、代謝拮抗性制癌剤などがあり、アルキル化剤系制癌
剤としてはたとえば塩酸ナイトロジェンマスタード−N
−オキシド、メルファラン、シクロホスファミド、イホ
スファミドなどのナイトロジェンマスタード類;カルボ
コン、チオテパなどのエチレンイミン類;塩酸ニムスチ
ン、ラニムスチンなどのニトロソ尿素類;ピポブロマン
などのトリアッシ類などがあげられ、抗生物質系制癌剤
としてはたとえば塩酸ドキソルビシン、塩酸ダウノルビ
シン、塩酸アクラルビシン、ピラルビシンなどのアント
ラサイクリン系抗生物質;ブレオマイシン、ペプレオマ
イシンなどのブレオマイシン類;マイトマイシンCなど
のマイトマイシン類;アクチノマイシンDなどのアクチ
ノマイシン類;ネオカルチノスタチンなどのポリペプチ
ド類などがあげられ、さらに代謝拮抗性制癌剤としては
たとえばメトトレキサートなどの葉酸拮抗物質;ロイコ
ボリンカルシウムなどの抗葉酸拮抗物質;フルオロウラ
シル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフ
ールなどのピリミジン拮抗物質;シタラビン、サイクロ
シチジン、エノシタビンなどのシトシンアラビノシド
類;メルカプトプリン、チオイノシンなどのプリン代謝
拮抗物質などがあげられる。そのほかの細胞障害性制癌
剤としてはシスプラチン、ノバントロンなどがあげられ
る。これらは単独または混合して使用してもよい。
【0013】つぎに本発明の制癌助剤を実施例に基づい
て説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
て説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0014】実施例1〜3および比較例1〜4 L−1210白血病細胞105 個を8週令のマウス(平均体
量:20g)の腹腔内に注入し、該注入日および6日目に
それぞれ表1に示す細胞障害性制癌剤と2−(3′−ニ
トロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−メトキシエチ
ルアミド(以下、AK−2123という)の生理食塩水溶液を
同表に示す量で同時に腹腔内に投与し、注入日から7日
後の体重変化および60日後の生存数を調べた。なお、ル
ボキシルについてはさらに11日目にも投与した。結果を
表1に示す。
量:20g)の腹腔内に注入し、該注入日および6日目に
それぞれ表1に示す細胞障害性制癌剤と2−(3′−ニ
トロ−1′−トリアゾリル)酢酸−2″−メトキシエチ
ルアミド(以下、AK−2123という)の生理食塩水溶液を
同表に示す量で同時に腹腔内に投与し、注入日から7日
後の体重変化および60日後の生存数を調べた。なお、ル
ボキシルについてはさらに11日目にも投与した。結果を
表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1から、AK−2123自体には副作用も制癌
作用もないが、細胞障害性制癌剤と併用することによ
り、制癌剤の消化器官に対する副作用(体重減少)を軽
減し、しかも制癌作用を大幅に増強させていることがわ
かる。
作用もないが、細胞障害性制癌剤と併用することによ
り、制癌剤の消化器官に対する副作用(体重減少)を軽
減し、しかも制癌作用を大幅に増強させていることがわ
かる。
【0017】実施例4および比較例5〜6 癌細胞としてL−1210に代えてP−388 細胞を106 個腹
腔内に注入したほかは実施例1と同様にして7日後の体
重変化および60日後の生存数を調べた。結果を表2に示
す。
腔内に注入したほかは実施例1と同様にして7日後の体
重変化および60日後の生存数を調べた。結果を表2に示
す。
【0018】
【表2】
【0019】表2から、移植癌細胞の種類を変え、細胞
数を10倍に増やしても体重減少の軽減および制癌作用の
増強効果が明確に奏されていることがわかる。
数を10倍に増やしても体重減少の軽減および制癌作用の
増強効果が明確に奏されていることがわかる。
【0020】実施例5 体重150 〜200 gの雌ラットの脚部に106 個のグエリン
腫瘍細胞を移植した。固形腫瘍の体積が1.5 〜2.0ml と
なった1週間後に、AK−2123単独(200mg/kg)、シス
プラチン単独(3.0mg/kg)およびAK−2123(200mg/k
g)とシスプラチン(1.5mg/kg)との併用で静脈内投与
した。併用のばあいは、シスプラチン投与5分前にAK
−2123を投与した。これらの投与は3日目ごとに5回行
ない、腫瘍細胞の体積が25mlに増大する日数、120 日後
の生存率および平均生存日数を調べた。結果を表3に示
す。
腫瘍細胞を移植した。固形腫瘍の体積が1.5 〜2.0ml と
なった1週間後に、AK−2123単独(200mg/kg)、シス
プラチン単独(3.0mg/kg)およびAK−2123(200mg/k
g)とシスプラチン(1.5mg/kg)との併用で静脈内投与
した。併用のばあいは、シスプラチン投与5分前にAK
−2123を投与した。これらの投与は3日目ごとに5回行
ない、腫瘍細胞の体積が25mlに増大する日数、120 日後
の生存率および平均生存日数を調べた。結果を表3に示
す。
【0021】
【表3】
【0022】表3から明らかなように、AK−2123単独
(200mg/kg)治療を行なっても腫瘍増殖を抑制せず、生
存日数も増えていない。シスプラチンを3.0mg/kg投与す
る治療を行なうと腫瘍増殖が抑制され、生存日数および
120 日生存率が増える。これに対し、AK−2123を併用
したばあいには、シスプラチンの投与量をAK−2123を
併用しないばあいの1/2 に減らしても、シスプラチン単
独2倍量投与のばあいよりも腫瘍増殖を抑制し、生存日
数および120 日生存率を向上させており、AK−2123が
シスプラチンの抗腫瘍効果を増強することが示された。
(200mg/kg)治療を行なっても腫瘍増殖を抑制せず、生
存日数も増えていない。シスプラチンを3.0mg/kg投与す
る治療を行なうと腫瘍増殖が抑制され、生存日数および
120 日生存率が増える。これに対し、AK−2123を併用
したばあいには、シスプラチンの投与量をAK−2123を
併用しないばあいの1/2 に減らしても、シスプラチン単
独2倍量投与のばあいよりも腫瘍増殖を抑制し、生存日
数および120 日生存率を向上させており、AK−2123が
シスプラチンの抗腫瘍効果を増強することが示された。
【0023】実施例6 温熱治療と併用することにより、本発明の薬剤の効果が
増大することをつぎの実験により確認した。
増大することをつぎの実験により確認した。
【0024】実施例5と同様に処置したラットに表4に
示す薬剤を投与した。実験番号6−2(シスプラチン単
独投与)および実験番号6−3(シスプラチンとAK−
2123の併用)では投与回数を3回とし、実験番号6−4
ではAK−2123静脈内投与、温熱処置、シスプラチン腹
腔内投与の順での治療を1回施しただけである。温熱処
置は周波数2450MHzのマイクロウェーブをあてること
により腫瘍部の温熱(約43℃)治療を45分間行なった。
示す薬剤を投与した。実験番号6−2(シスプラチン単
独投与)および実験番号6−3(シスプラチンとAK−
2123の併用)では投与回数を3回とし、実験番号6−4
ではAK−2123静脈内投与、温熱処置、シスプラチン腹
腔内投与の順での治療を1回施しただけである。温熱処
置は周波数2450MHzのマイクロウェーブをあてること
により腫瘍部の温熱(約43℃)治療を45分間行なった。
【0025】腫瘍が25mlに増大する日数、治療開始30日
後および120 日後の治療率(%)、平均生存日数を調べ
た。結果を表4に示す。
後および120 日後の治療率(%)、平均生存日数を調べ
た。結果を表4に示す。
【0026】
【表4】
【0027】この結果から治療回数を3回に減らしたば
あいでも、毎回AK−2123を併用(200mg/kg,i.v.)す
ると、シスプラチンの投与量が半量でも高い治癒率およ
び平均生存日数がえられることが明らかである。また、
これらの治療法に43℃,45分間の局所温熱を併用する
と、たった1回の治療で高い治癒率と平均生存日数がえ
られることもわかった。
あいでも、毎回AK−2123を併用(200mg/kg,i.v.)す
ると、シスプラチンの投与量が半量でも高い治癒率およ
び平均生存日数がえられることが明らかである。また、
これらの治療法に43℃,45分間の局所温熱を併用する
と、たった1回の治療で高い治癒率と平均生存日数がえ
られることもわかった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば細胞障害性制癌剤の副作
用を軽減させ、さらにその制癌作用をも著るしく増強さ
せることができる。
用を軽減させ、さらにその制癌作用をも著るしく増強さ
せることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:41) 7252−4C (72)発明者 コノバリョバ ニイナ ペトロブナ ロシア連邦、242432 チェルノゴロブカ、 モスコフスコイ オブラスチ、3 ウリ ツ、3−1 (72)発明者 ボルコバ ルドミラ ミカエロブナ ロシア連邦、242432 チェルノゴロブカ、 モスコフスコイ オブラスチ、1 ウリ ツ、13−6 (72)発明者 ルゴブスカヤ ナタリヤ ユロエブナ ロシア連邦、242432 チェルノゴロブカ、 モスコフスコイ オブラスチ、ストロイテ ル ウリツ、4−53
Claims (2)
- 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、lは1〜3の整数、mは0または1〜3の整
数、nは0または1〜3の整数)で表わされるニトロト
リアゾール誘導体を有効成分とする細胞障害性制癌剤の
副作用軽減および制癌作用増強剤。 - 【請求項2】 式(I)のニトロトリアゾール誘導体と
細胞障害性制癌剤とからなる制癌製剤。
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