JPH05184530A - 管内挿入具装置 - Google Patents

管内挿入具装置

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JPH05184530A
JPH05184530A JP4005158A JP515892A JPH05184530A JP H05184530 A JPH05184530 A JP H05184530A JP 4005158 A JP4005158 A JP 4005158A JP 515892 A JP515892 A JP 515892A JP H05184530 A JPH05184530 A JP H05184530A
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JP
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shape memory
memory alloy
cooling
air
tube
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Withdrawn
Application number
JP4005158A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hirata
康夫 平田
Hideyuki Adachi
英之 安達
Yorio Matsui
頼夫 松井
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05184530A publication Critical patent/JPH05184530A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】体腔内に挿入される挿入部(12)内に設置さ
れ、選択的に加熱されて湾曲部(18)を湾曲駆動させ
る形状記憶合金(22a,22b)と、この形状記憶合
金部材にエアコンプレッサ(32)から冷却用空気を供
給するチューブ(20a,20b)と、このチューブ中
から空気を排出して形状記憶合金部材(22a,22
b)への冷却用空気の供給を停止する負圧タンク(3
4)と、このチューブ(20a,20b)をエアコンプ
レッサ(32)と負圧タンク(34)とに選択的に連通
する電磁弁(38)と、これらの電磁弁の切換えと形状
記憶合金の加熱とを制御し、形状記憶合金を加熱すると
きにチューブを負圧タンクに連通させる制御回路装置
(30)とを具備する管内挿入具装置(10) 【効果】形状記憶合金を強制的に冷却すると共に、この
冷却時期を正確に制御して湾曲部の湾曲操作性を向上す

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡あるいはカテー
テル等の医療用あるいは工業用管における管内挿入用の
挿入部に設けられた湾曲部を、形状記憶合金部材により
湾曲駆動させる管内挿入具装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内視鏡にあっては、先端側より先
端硬性部、湾曲部、可撓管部を順次連結してなる挿入部
の後端部に操作部を連結して構成されている。こうした
内視鏡は、手元の操作部により湾曲部を湾曲操作するこ
とが行われていて、先端部とつながった操作ワイヤを挿
入部内から操作部内に渡って挿通する他、操作部内にア
ングルノブとつながるドラムを回転自在に配置し、この
ドラムに操作ワイヤの端部が固定されている。そして、
アングルノブを回転操作することによりドラムを回転さ
せて操作ワイヤを通じ湾曲部を湾曲させるようになって
いる。
【0003】ところが、こうしたアングルノブを使って
湾曲操作する内視鏡は、ギア機構を用いてトルクを軽く
したりする他、フリーエンゲージ機構などを必要とする
ために、どうしても操作系が複雑になったり、また操作
部の重量が重くなるなどの問題がある。
【0004】そこで、これに鑑み特開昭59−4871
0号公報、実開昭59−2344号公報に示すようなも
のが提案されている。これは内視鏡の挿入部に複数本の
形状記憶合金を軸方向に挿入し、この形状記憶合金に通
電して加熱したり、形状記憶合金の近くに加熱手段を設
けて加熱して変形させ、内視鏡の挿入部を湾曲させるも
のである。
【0005】挿入部を湾曲させたのち、この湾曲を元の
状態に戻す場合には、形状記憶合金が体液等で冷却され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように形状記憶合
金を用いて湾曲部を湾曲させる内視鏡においては、挿入
部内に冷却用の流体を供給し、所要の形状記憶合金だけ
を強制的に冷却することにより湾曲部の湾曲操作性を向
上することが可能である。この場合には、例えばチュー
ブを冷却流体供給手段として挿入部内に設け、このチュ
ーブの後端にコンプレッサを接続し、先端は形状記憶合
金の設置部位に近接させて配置し、このチューブ先端か
ら形状記憶合金に吹付ける冷却流体たる空気により所要
の形状記憶合金だけを強制的に冷却することができる。
【0007】しかし、内視鏡の挿入部が長くなると、冷
却流体を供給するチューブも長くなる。強制冷却を停止
するため、コンプレッサの出口側を遮断してもチューブ
先端からはしばらくの間冷却流体が供給され、その間、
形状記憶合金が冷却されることになる。これは、コンプ
レッサで加圧された空気が冷却流体としてチューブに供
給されるため、コンプレッサの出口側を遮断して形状記
憶合金の冷却を停止しても、チューブ内に高圧の空気が
残留するからである。このチューブ内に残留する高圧の
冷却用空気は圧力の低いチューブ先端側へと流れ、コン
プレッサ出口側を遮断した後も形状記憶合金の強制冷却
が続く。更にチューブが長くなればそれだけチューブ内
に残留する冷却用空気量も多くなり、チューブ先端から
の供給が止まるまでの時間が長くなると共に、加熱側の
形状記憶合金へも冷却用空気が供給されることになる。
このため、形状記憶合金の昇温速度したがって湾曲速度
が低下し、正確に形状記憶合金の冷却ができなくなると
いう欠点がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、形状記憶合金を強制的に
冷却するとともに、この冷却を正確に制御して湾曲部の
湾曲操作性を向上することができる管内挿入具装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の管内挿入具装置
は、湾曲部が設けられて管内に挿入される挿入部と、こ
の挿入部内に設置されて上記湾曲部を湾曲駆動させる形
状記憶合金部材と、この形状記憶合金部材を選択的に加
熱する加熱手段と、この形状記憶合金部材の設置部位に
形状記憶合金部材を冷却するための冷却媒体を供給する
冷却管路と、この冷却管路に冷却媒体を供給する高圧の
冷却媒体源と、この冷却管路中から冷却媒体を排出して
形状記憶合金部材の設置部位への冷却媒体の供給を停止
する排出手段と、この冷却管路を前記冷却媒体源と排出
手段とに選択的に連通する切換手段と、この切換手段と
加熱手段とを制御し、加熱手段により形状記憶合金部材
を加熱するときに前記冷却管路を排出手段に連通させる
制御手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
【作用】この管内挿入具装置によると、挿入部に設けら
れた湾曲部を湾曲駆動する場合は、制御手段で制御され
た加熱手段を通じて形状記憶合金部材を加熱する。この
とき、制御手段は切換手段を通じて冷却管路を排出手段
に連通させている。このため、冷却管路から形状記憶合
金部材の設置部位に冷却媒体が供給されることがなく、
形状記憶合金部材が迅速に加熱され、湾曲部が迅速かつ
正確に湾曲駆動される。そして、この形状記憶合金部材
を元の状態に戻す場合には、制御手段は切換手段を通じ
て冷却管路を高圧の冷却媒体源に連通させ、所要の形状
記憶合金部材を強制的に冷却する。
【0011】
【実施例】図1から図4は本発明の医療用として形成し
た管内挿入具装置の第1実施例を示す。図1に概略的に
示すように、この管内挿入具装置10は体腔内に挿入さ
れる挿入部12と、この挿入部12を制御する制御装置
14とを備える。この挿入部12は、例えば内視鏡、カ
テーテルあるいはプローブ等の体腔内に挿入されて湾曲
操作する必要のある挿入具のものであればどのようなも
のであってもよい。
【0012】この挿入部12は、非圧縮性で内部が電気
的に絶縁されているシース16(例えば、密巻きコイル
にポリテトラフルオロエチレン製のスリーブを内挿した
もの)と、このシース16の先端側にを口金17を介し
て固定された湾曲部18とを備える。このシース16の
後端側には冷却管路20を形成するチューブ20a,2
0bが継手19,19を介して接続され、これらのチュ
ーブ20a,20bの他端側は制御装置14に接続され
る。
【0013】上記シース16の内部には形状記憶合金部
材22として、加熱すると軸方向に収縮し、冷却すると
元の長さに戻る本実施例では2本の形状記憶合金22
a,22bを延設してある。これらの形状記憶合金22
a,22bの先端は、図2に詳細に示すように非通電部
23と通電部25とで形成された結合部材24を介し
て、その先端を湾曲部18の先端に固定したアングルワ
イヤ26の後端に結合されている。また、形状記憶合金
22a,22bの後端は、図3の(A)および(B)に
詳細に示すように継手19,19の通孔を通して後端側
に突出し、この突出部が固定部材27により継手19,
19を介してシース16に固定されている。継手19の
中央部に示す開口19aは後述する冷却媒体を通して、
形状記憶合金22a,22bを冷却するためのものであ
る。
【0014】更に、これらの形状記憶合金22a,22
bにはそれぞれ2本の通電線28,28が接続されてお
り、形状記憶合金22a,22bの各後端部は図3の
(A)に示すように固定部材27にかしめ接続された通
電線28と電気的に接続され、前端部は図2に示すよう
に結合部材24の通電部25を介して通電線28に電気
的に接続されている。これらの通電線28,28は図1
に示すように、チューブ20a,20b内を挿通され、
チューブ20a,20bの後端側でシール用パッキン2
9,29を介して外部に引出され、制御装置14に接続
されている。通電線28,28の引出し部位におけるチ
ューブ20a,20bの漏洩が好適に防止される。
【0015】図1に示すように、制御装置14は、各通
電線28の後端が結合された制御回路装置30と、エア
コンプレッサ32と、エアタンク34と、減圧機36
と、電磁弁38とを備える。この制御回路装置30は通
電線28を介して上記形状記憶合金22に電力を供給し
て加熱させると共に、切換手段たる電磁弁38を制御す
る。エアコンプレッサ32は例えば通気口15を通して
吸引した空気を圧縮して高圧の冷却媒体すなわち冷却用
空気を形成する冷却媒体源として作用する。また、減圧
機36は例えば真空ポンプでもよく、エアタンク34内
に大気圧よりも低い負圧を形成し、これらの減圧機36
およびエアタンク34はチューブ20a,20b内から
空気を排出する排出手段として作用する。これらのエア
コンプレッサ32およびエアタンク34は、制御回路装
置30で制御される電磁弁38によりチューブ20a,
20bの一方あるいは双方と、連通あるいは遮断され
る。
【0016】図4に示すように、本実施例では電磁弁3
8は2つの電磁弁38a,38bで形成されており、チ
ューブ20a,20bのいずれかが電磁弁38a,38
bを通してエアコンプレッサ32に接続されると、これ
らのチューブ20a,20bおよび継手19の通孔19
aを通って形状記憶合金22a,22bに冷却用空気が
吹付けられ、冷却される。また、チューブ20a,20
bのいずれかが電磁弁38a,38bを通してエアタン
ク34に連通されると、これらのチューブ20a,20
b内の空気がエアタンク34内に吸引されてチューブ内
の空気圧力が低下し、形状記憶合金22a,22bへの
冷却用空気の吹付けが停止する。
【0017】次ぎに上記管内挿入具装置10の作動につ
いて説明する。挿入部12を体腔内に挿入した後、この
先端側の湾曲部18を湾曲させる場合は、制御回路装置
30を動作させ、通電線28,28を介して所要の形状
記憶合金22a,22bに通電し、加熱する。形状記憶
合金22a,22bは後端部が図1に示すように非圧縮
性のシース16の後端側で固定部材27を介して固定さ
れているため、所定の温度まで上昇して収縮すると、結
合部材24を介して先端側に固定されたアングルワイヤ
26を引張り、湾曲部18を湾曲させる。
【0018】一方、電磁弁38はこれに連動して、チュ
ーブ20a,20bをエアコンプレッサ32あるいはエ
アタンク34に連通する。例えば、図1に矢印Dで示す
方向に湾曲させる場合には、制御回路装置30は形状記
憶合金22bを通電加熱すると共に、電磁弁38a,3
8bにも信号を送る。図4に示すように電磁弁38b
は、チューブ20bをエアタンク34に連通させ、通電
加熱していない側の電磁弁38aは、チューブ20aを
コンプレッサ32と連通する。すなわち、制御回路装置
30は、通電加熱側の形状記憶合金22bを冷却するチ
ューブ20bはエアタンク34と連通され、非通電側の
形状記憶合金22aを冷却するチューブ20aはコンプ
レット32に連通されるように制御している。
【0019】したがって、図4に実線で示すように、コ
ンプレッサ32と連通したチューブ20aには空気が供
給されて形状記憶合金22aが冷却され、エアタンク3
4と連通されたチューブ22b内に残留していた冷却用
の空気は減圧機36(図1)で大気圧よりも低い圧力に
減圧されたエアタンク23の内部に吸引されて形状記憶
合金22aの側へ流れることがない。なお、挿入部12
内に送られた空気は通気口15を通して外部に排気され
る。
【0020】逆に、図1の矢印Uで示す方向に湾曲させ
る場合は、上記と逆に切換える。この場合の冷却用空気
の流れが図4に点線で示されている。
【0021】したがって、本実施例の管内挿入具装置1
0によれば、湾曲部18を所要の方向に湾曲するために
必要な形状記憶合金22a,22bの加熱を開始すると
直に、この形状記憶合金22a,22bの冷却停止する
ため、極めて正確かつ迅速な湾曲操作が可能となる。
【0022】図5は第1実施例の変形例を示す。なお、
以下の実施例あるいは変形例では、第1実施例と同様な
部分には同様な符号を付してその説明を省略する。図5
に示すように、この変形例による管内挿入具装置40は
上記第1実施例における制御装置14のエアタンク34
および減圧機36を省略したものである。排出手段は、
電磁弁38に連通しかつ制御装置44の外部に連通する
排気通路45,45で形成されている。
【0023】この変形例における管内挿入具装置40の
作動は、ほぼ第1実施例と同様であるが、制御装置44
の電磁弁38はチューブ20a,20b内の冷却用空気
を負圧のエアタンクではなく配置通路45,45を通し
て外気に排出する。シース16の先端側は開放されて冷
却用空気を吹出すことができるものの、チューブ20
a,20b内に残留する冷却用空気は、電磁弁38を介
して大気中にも排出することができる。このため、コン
プレッサ32からの冷却用空気の供給を停止すると、チ
ューブ20a,20bの内部に残された冷却用空気の圧
力が急速に減圧され、形状記憶合金22a,22bへ吹
付ける時間が短くなる。
【0024】したがって、加熱を開始した後に、不必要
に形状記憶合金22に冷却用空気を吹付ける時間が短
く、正確な湾曲操作が可能となる。更に、上記の第1実
施例に比べて構造が簡略化され、製造コストを低減する
ことができる。
【0025】図6から図9は本発明の第2実施例を示
す。図6に示す第2実施例の管内挿入具装置50は小腸
8(図7)等の体腔内を観察する医療用の内視鏡51を
備える。
【0026】図6、図8および図9に示すようにこの内
視鏡51の挿入部52は、樹脂からなる可撓性を有した
マルチルーメンチューブ54に光伝送用のイメージガイ
ド・ライトガイドァイバー55を組込み、その先端側に
は対物レンズ56を備えた先端硬性部57が接続されて
いる。この先端硬性部57の先端面には、図6に示すよ
うに挿入部52内に延設されたチャンネル53が開口し
ている。符号59は挿入部52に設けられた湾曲部を示
す。
【0027】また、マルチルーメンチューブ54の先端
側には加熱されると軸方向に収縮し、冷却されると軸方
向に伸長するワイヤ状の形状記憶合金(SMA)22
a,22bが延設されている。これらの形状記憶合金2
2a,22bの先端部は結合部材24を介してアングル
ワイヤ26に結合され、この結合部材24はマルチルー
メンチューブ54に対して進退自在となっている。ま
た、形状記憶合金22a,22bの後端部は,固定部材
27によりマルチルーメンチューブ54に固定されると
共に通電線28に接続されている。この通電線28は手
元側に設けた通電制御部(図示しない)に接続され、手
元側操作により各形状記憶合金22a,22bを通電加
熱できるようになっている。
【0028】更に、形状記憶合金22a,22bが配設
されている部分のマルチルーメンチューブ54外側には
バルーン58が装着され、このバルーン58の内部はマ
ルチルーメンチューブ54に独立して設けた図示しない
チャンネルと連通しており、内視鏡51の手元側操作部
より、水等の流体を注入することでこのバルーン58を
膨張させることができできるようになっている。なお、
バルーン58と連通するチャンネルの手元側には、図示
しないポンプとそのポンプからの流体供給を制御する充
填制御弁とが接続されている。
【0029】図7に示すように、この第2実施例におけ
る内視鏡51の挿入部52は、経口的に十二指腸7まで
挿入した後、先端に設けられたバルーン58に水、ある
いは造影剤等の流体を注入して膨張させ、小腸8の蠕動
運動によってこの小腸8内を進入させる。
【0030】内視鏡51の先端硬性部57が目的部位に
まで達した後は、挿入部52を引抜きながら小腸8管腔
内を観察する。その時、バルーン58は膨張させたま
ま、あるいは必要に応じてある程度バルーン58内の流
体を抜いて、バルーン58を必要量収縮させることも可
能である。
【0031】観察視野を変換させる場合には、上記実施
例と同様に挿入部52の先端に設けた所要の形状記憶合
金22a,22bに通電線28を介して電流を流す。そ
の結果、通電された形状記憶合金22a,22bが加熱
されて収縮し、図9に示すように挿入部52の先端側の
湾曲部59が湾曲する。この湾曲操作時に加熱された形
状記憶合金22a,22bは体温以上の温度となるが、
この形状記憶合金22a,22bが組み込まれている挿
入部52の外表には、内部に流体が注入されたバルーン
58が装着されており、形状記憶合金22a,22bが
発する熱はこのバルーン58内の流体でほとんどが吸熱
されて小腸8管壁に熱が伝わらないようになっている。
そして形状記憶合金22a,22bへの通電が停止され
た際には、手元側に設けられた図示しない充填制御弁が
働き、自動的にバルーン58内の冷却水が手元側にて排
出される。そして、再び充填制御弁が切換えられ、同時
にポンプが作動してバルーン58内に冷却水を注入し、
形状記憶合金22a,22bの熱を再び吸熱できるよう
に準備される。なお、挿入部52を抜去する際、あるい
は必要に応じてバルーン58内の流体を手元側で手動に
て排出、注入して流体を置換することにより、繰返しの
湾曲操作にも対応して冷却できるようになっている。
【0032】図10から図12は第2実施例の変形例を
示す。この変形例による管内挿入具装置60は上記第2
実施例のものとほぼ同様な内視鏡61を備える。この内
視鏡61の挿入部62は先端硬性部67から直接形状記
憶合金22a,22bを延設し、これらの形状記憶合金
22a,22bが組み込まれている挿入部62の外表面
上に少なくともこれらの形状記憶合金22a,22bの
軸方向長さ以上にわたる2つのバルーン58,68が装
着されている。これらの各バルーン58,68にはそれ
ぞれ個々に手元側から流体を注入して膨張させることが
できるようになっている。
【0033】図11に示すように、この内視鏡61を挿
入する際は十二指腸7で先端側のバルーン68を膨張さ
せ、小腸8の蠕動に合わせて挿入していく。そして先端
側のバルーン68は形状記憶合金22a,22bの収縮
で湾曲できる程度にまで収縮させ、少量の流体をこのバ
ルーン68内に残しておき、後側のバルーン58を膨張
させてこの挿入部62の先端部を小腸8に係止させてお
く。この状態で前述と同様に所要の形状記憶合金22
a,22bを通電加熱して収縮させ、挿入部62の先端
側を湾曲させて視野を変換させる。
【0034】形状記憶合金22a,22bの発する熱は
膨張したバルーン58内の流体、および先端側のバルー
ン68内に残る少量の流体により吸熱され、生体である
小腸8の管壁には直接伝わらないようになっている。ま
たこのように形状記憶合金22a,22bの冷却をバル
ーン58,68内の流体ですばやく吸熱することで行な
うことにより、湾曲状態から中立状態へ戻す速度も速く
なり、その結果湾曲操作の応答性も向上することとな
る。
【0035】上記のような内視鏡51,61を用いるこ
とにより、生体に熱的な損傷を与えることなく、安全に
小腸内での湾曲操作が可能となり、その結果、視野変換
が自在となることで観察時、病変部を見落とすことなく
診断することができる。
【0036】なお、これらの第2実施例および変形例に
おける内視鏡51,61の挿入部52,62の内部に
も、上記第1実施例およびその変形例と同様に冷却管路
を延設し、これらの冷却管路を通して形状記憶合金22
a,22bに冷却用空気を吹付けて冷却することが可能
なことは明らかであり、この場合には上述の制御装置を
用いて冷却管路中の圧力を制御することが好ましい。
【0037】図13は、このような制御装置の更に他の
変形例における冷却系の制御図を示す。図13に示すよ
うに、この制御装置74では、形状記憶合金22a,2
2bに延設されるチューブ20a、20bにそれぞれ3
ポート2位置方向制御弁で形成された電磁弁38a,3
8bが接続されている。これらの電磁弁38a,38b
にはエアコンプレッサ32から圧縮空気が供給される。
【0038】エアコンプレッサ32の駆動電源装置76
は操作装置78(例えばジョイステック)の主電源で駆
動する。さらに操作装置78からは湾曲動作信号を出力
しており、制御回路装置30はこの信号を受けて制御線
路31a,31bから電磁弁38a,38bにON−O
FFの制御信号を送り、形状記憶合金22a,22bに
も適当な通電加熱を行なうようになっている。また、制
御回路装置30も操作装置78の主電源で駆動されてお
り、操作装置78の主電源がOFFになると電磁弁38
a,38bに供給される制御信号もOFFとなる。
【0039】図14は電磁弁38の作動について電磁弁
38aを例にとって示す。電磁弁38aは制御線路31
aを通じて制御回路装置30からLow(OFF)信号
を受けとると、図14の(A)に示すように、エアコン
プレッサ32とチューブ20aとの間を連通し、制御線
路31aを通じてHigh(ON)信号を受けとると、
図14の(B)に示すようにエアコンプレッサ32とチ
ューブ20aとの間を遮断する。電磁弁38bについて
も同様である。
【0040】更に、駆動電源装置76には図15の
(A)に概略的に示すように、コンデンサと抵抗素子と
からなる遅延回路77を設けてある。
【0041】この制御装置74によると、操作装置78
の主電源がONしているときは、上述の第1実施例と同
様に動作する。そして、操作装置78の主電源がOFF
されると、遅延回路77に蓄積された電力によりエアコ
ンプレッサ32は図15の(B)にタイムチャートで示
すように更に所定時間To駆動を続ける。
【0042】一方、操作装置78の主電源がOFFされ
た時は、電磁弁38a,38bの一方あるいは双方に制
御線路31a,31bを通じてOFF(Low)信号が
送られているので、図15の(A)に示すように電磁弁
38a,38bはエアコンプレッサ32にチューブ20
a,20bを連通し、形状記憶合金22a,22bに冷
却用空気を送る。
【0043】図16は、駆動電源装置76に上述の遅延
回路77(図15)を設ける代わりに、エアコンプレッ
サ32と電磁弁38の間にエアタンク83を設けた制御
装置84を示す。
【0044】この制御装置84は操作装置78の主電源
を切って、コンプレッサ32が停止した後も、しばらく
の間はエアタンク83内に蓄えられた圧縮空気が放出さ
れるので、形状記憶合金22a,22bの冷却を行なう
ことができる。
【0045】更に図16に示すように、形状記憶合金部
材22の近傍に熱電対92を設け、熱電対92と、操作
装置78(図13,16)の主電源96と、コンプレッ
サ32と、ゲート回路97とで図示のような回路を構成
してもよい。このゲート回路97は、熱電対92の出力
信号に応じて回路が閉じるようになっている。
【0046】この場合、操作装置78の主電源96がO
Nの時はゲート回路97に関係なく、コンプレット32
は駆動する。そして、主電源96をOFFした時、形状
記憶合金部材22が加熱された直後であれば熱電対92
の出力は高く、ゲート回路97は閉じる。したがって、
コンプレッサ32は依然として駆動を続け形状記憶合金
部材22に冷却空気を送ることになる。
【0047】形状記憶合金部材22が冷却されてくる
と、熱電対92の出力が低くなり、ゲート回路97は開
く。すると、コンプレッサ32への電力供給が止まり駆
動が停止する。
【0048】したがって、これらの制御装置74,84
によると、内視鏡等による観察あるいは必要な処置を終
了し、主電源を切った後も所定時間冷却用空気を送るこ
とができるため、形状記憶合金22a,22bは主電源
を切る直前まで加熱されていた時でも確実に冷却される
ことになる。このため、長時間高温状態におかれること
による形状記憶合金22a,22bの劣化が防止され
る。
【0049】
【発明の効果】以上明らかなように、本発明の管内挿入
具装置によると、加熱を止めた形状記憶合金部材を強制
的に冷却するとともに、形状記憶合金部材の加熱を開始
した後は、形状記憶合金部材へ送る冷却媒体を最小限に
することで、湾曲速度を速くし、湾曲操作性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による管内挿入具装置の全体
を概略的に示す図式的な説明図である。
【図2】図1の挿入具内における形状記憶合金部材とア
ングルワイヤとを結合する状態の概略的な断面図であ
る。
【図3】図1の挿入具内における形状記憶合金部材と通
電線との連結状態を示す断面図である。
【図4】図1の挿入具内の形状記憶合金部材に冷却媒体
を供給する機構を示す説明図である。
【図5】図1の変形例による医療用挿入具の制御装置を
概略的に示す説明図である。
【図6】他の実施例による医療用挿入具の挿入具を概略
的に示す説明図である。
【図7】図6の挿入具を体腔内に挿入した状態の説明図
である。
【図8】図6の挿入具の先端部の概略的な断面図であ
る。
【図9】図6の挿入具の先端部を湾曲させて示す概略的
な断面図である。
【図10】図6の変形例による挿入具の図8と同様な断
面図である。
【図11】図10の挿入具を体腔内に挿入した状態の説
明図である。
【図12】図10の挿入具の先端部の湾曲状態を示す説
明図である。
【図13】挿入具内の形状記憶合金部材に冷却媒体を供
給する制御装置の更に他の変形例の概略的な回路図であ
る。
【図14】図13の制御装置における電磁弁の作動状態
を示す簡略化した説明図である。
【図15】図13の駆動電源装置に遅延回路を設けた変
形例の概略的な回路および作動を説明する説明図であ
る。
【図16】エアコンプレッサの出口側にエアタンクを設
けた制御装置の更に他の変形例の概略的な回路図であ
る。
【図17】図13の駆動電源装置の変形例の概略的な説
明図である。
【符号の説明】
10,40,50,60…管内挿入具装置、12,5
2,62…挿入部、14,44,74,84…制御装
置、16…シース、18,59…湾曲部、20a,20
b…チューブ、22a,22b…形状記憶合金、26…
アングルワイヤ、28…通電線、30…制御回路装置、
32…エアコンプレッサ、38…電磁弁。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】一方、電磁弁38はこれに連動して、チュ
ーブ20a,20bをエアコンプレッサ32あるいはエ
アタンク34に連通する。例えば、図1に矢印Dで示す
方向に湾曲させる場合には、制御回路装置30は形状記
憶合金22bを通電加熱すると共に、電磁弁38a,3
8bにも信号を送る。図4に示すように電磁弁38b
は、チューブ20bをエアタンク34に連通させ、通電
加熱していない側の電磁弁38aは、チューブ20aを
コンプレッサ32と連通する。すなわち、制御回路装置
30は、通電加熱側の形状記憶合金22bを冷却するチ
ューブ20bはエアタンク34と連通され、非通電側の
形状記憶合金22aを冷却するチューブ20aはコンプ
レッ32に連通されるように制御している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】したがって、本実施例の管内挿入具装置1
0によれば、湾曲部18を所要の方向に湾曲するために
必要な形状記憶合金22a,22bの加熱を開始すると
直に、この形状記憶合金22a,22bの冷却停止す
るため、極めて正確かつ迅速な湾曲操作が可能となる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】一方、操作装置78の主電源がOFFされ
た時は、電磁弁38a,38bの一方あるいは双方に制
御線路31a,31bを通じてOFF(Low)信号が
送られているので、図1の(A)に示すように電磁弁
38a,38bはエアコンプレッサ32にチューブ20
a,20bを連通し、形状記憶合金22a,22bに冷
却用空気を送る。また、図14の(B)は電磁弁38a
が切換わった状態を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】更に図1に示すように、形状記憶合金部
材22の近傍に熱電対92を設け、熱電対92と、操作
装置78(図13,16)の主電源96と、コンプレッ
サ32と、ゲート回路97とで図示のような回路を構成
してもよい。このゲート回路97は、熱電対92の出力
信号に応じて回路が閉じるようになっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】この場合、操作装置78の主電源96がO
Nの時はゲート回路97に関係なく、コンプレッ32
は駆動する。そして、主電源96をOFFした時、形状
記憶合金部材22が加熱された直後であれば熱電対92
の出力は高く、ゲート回路97は閉じる。したがって、
コンプレッサ32は依然として駆動を続け形状記憶合金
部材22に冷却空気を送ることになる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湾曲部が設けられて管内に挿入される挿
    入部と、この挿入部内に設置されて上記湾曲部を湾曲駆
    動させる形状記憶合金部材と、この形状記憶合金部材を
    選択的に加熱する加熱手段と、この形状記憶合金部材の
    設置部位に形状記憶合金部材を冷却するための冷却媒体
    を供給する冷却管路と、この冷却管路に冷却媒体を供給
    する高圧の冷却媒体源と、この冷却管路中から冷却媒体
    を排出して形状記憶合金部材の設置部位への冷却媒体の
    供給を停止する排出手段と、この冷却管路を前記冷却媒
    体源と排出手段とに選択的に連通する切換手段と、この
    切換手段と加熱手段とを制御し、加熱手段により形状記
    憶合金部材を加熱するときに前記冷却管路を排出手段に
    連通させる制御手段とを具備することを特徴とする管内
    挿入具装置。
JP4005158A 1992-01-14 1992-01-14 管内挿入具装置 Withdrawn JPH05184530A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007135756A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Olympus Corp 内視鏡装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007135756A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Olympus Corp 内視鏡装置
US8400500B2 (en) 2005-11-16 2013-03-19 Olympus Corporation Endoscope with alternating irradiate light

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