JP2010221010A - 管内移動体用アクチュエータおよびその制御方法、内視鏡 - Google Patents

管内移動体用アクチュエータおよびその制御方法、内視鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることができる管内移動体用アクチュエータおよびその制御方法、内視鏡を提供すること。
【解決手段】本発明の管内移動体用アクチュエータは、膨張して管壁に接触した時に管内移動体と管壁との間を埋める第1の部分と、前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1膨張収縮部材と、前記第1膨張収縮部材を駆動させる駆動手段と、前記第1膨張収縮部材および前記駆動手段を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記駆動手段による駆動によって前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御すること、を特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は管内移動体用アクチュエータおよびその制御方法、内視鏡に係り、特に、管壁に推進力を伝えて管内を移動する技術に関する。
内視鏡の大腸挿入は、大腸が体内で曲がりくねった構造であること、体腔に固定されていない部分があることなどから、非常に難しい。そのため、挿入手技の習得には多くの経験を必要とし、挿入手技が未熟の場合には、患者に大きな苦痛を与える結果となる。
大腸部位の中で特に挿入が難しいと言われているのは、S状結腸と横行結腸である。S状結腸と横行結腸はその他の結腸とは異なり体腔内に固定されていない。そのため、自身の長さの範囲にて体腔内で任意な形状をとることができ、また、内視鏡挿入時の接触力により体腔内で変形する。
大腸挿入においては、挿入時の腸管への接触を少しでも減らすために、S状結腸や横行結腸を直線化することが重要である。直線化のために多くの手技がこれまで提案されているが、同時に、曲がった腸管を手繰り寄せて湾曲度合いを低減するための挿入補助具がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1,2には、可撓管部の外周面に螺旋状に4本の膨張・収縮が可能な変動チューブ巻回されており、各変動チューブ内の圧力を変動させて4本の変動チューブを順次膨張・収縮させることにより、外皮の外周面を順次膨張・収縮させて先端側から手元側に膨張部を移動させて腸管を手繰り寄せる技術が開示されている。
特開平11−9545号公報 特開2006−223895号公報
しかしながら、複数の変動チューブの上下運動だけではチューブの接触面を移動させる効果はほとんどない。腸管のひだが、膨張したチューブ間の溝に効率的に入った場合にのみ手繰り寄せる効果があるが、S状結腸ではひだはほとんど存在せず、また手繰り寄せる過程で腸管は直線化しひだの突起量は小さくなるため、手繰り寄せる効果は著しく低減する。したがって、一つのバルーンによって係止力を発生させて腸壁に係止させ、かつ推進力を発生させて腸壁に対し相対的に移動させることは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることができる管内移動体用アクチュエータおよびその制御方法、内視鏡を提供すること、を目的とする。
前記目的を達成するために本発明の管内移動体用アクチュエータは、膨張して管壁に接触した時に管内移動体と前記管壁との間を埋める第1の部分と、前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1膨張収縮部材と、前記第1膨張収縮部材を駆動させる駆動手段と、前記第1膨張収縮部材および前記駆動手段を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記駆動手段による駆動によって前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御すること、を特徴とする。
本発明によれば、駆動手段による駆動によって第1膨張収縮部材の第1の部分が第2の部分になるようにして管内移動体と管壁との相対位置を変化させるように制御するので、管内移動体を移動させることができる。
本発明の一態様として、前記駆動手段は、前記第1膨張収縮部材とともに管内移動方向に並べて配置され、かつ前記管内移動体に固定された第2膨張収縮部材であって、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材を膨張させて前記管壁に係止させた後、前記第2膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御すること、を特徴とする。
本発明によれば、第1膨張収縮部材を膨張させて管壁に係止させた後、第2膨張収縮部材を膨張させて第1膨張収縮部材を押圧させるので、確実に管内移動体を移動させることができる。
本発明の一態様として、前記制御部は、前記第2膨張収縮部材によって前記第1膨張収縮部材を押圧させることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材を押圧させることにより管壁を手繰り寄せるので、確実に管内移動体と管壁との相対位置を変化させることができる。
本発明の一態様として、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより管壁を手繰り寄せるように制御するので、管壁に推進力を発生させてより確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることができる。
本発明の一態様として、前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管壁に係止させた状態で収縮状態の前記第2膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材は、膨張させて管壁に係止させた状態で収縮状態の第2膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さるので、第2膨張収縮部材の膨張により確実に第1膨張収縮部材を押圧することができる。
本発明の一態様として、前記第2膨張収縮部材は、変形する方向に指向性を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第2膨張収縮部材は、変形する方向に指向性を有するので、管壁を手繰り寄せる量を多くすることができる。
本発明の一態様として、前記第1膨張収縮部材および前記第2膨張収縮部材の少なくとも1つはバルーンであること、を特徴とする。
本発明の一態様として、前記管内移動体に設けられ管内移動方向に前記第1膨張収縮部材および前記第2膨張収縮部材とともに並べて配置されるものであって前記第2膨張収縮部材に対して前記第1膨張収縮部材を挟んで反対側に配置される第3膨張収縮部材を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第2膨張収縮部材に対して前記第1膨張収縮部材を挟んで反対側に配置される第3膨張収縮部材を有するので、管内移動体を移動させる方向を任意に選択できる。
本発明の一態様として、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材を膨張させて前記管壁に係止させる前に、前記第3膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材を膨張させて管壁に係止させる前に、第3膨張収縮部材を膨張させて第1膨張収縮部材を押圧させるように制御するので、管壁を手繰り寄せる量を多くすることができる。
本発明の一態様として、前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管壁に係止させた状態で収縮状態の前記第3膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材は、膨張させて管壁に係止させた状態で収縮状態の第3膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さるので、第3膨張収縮部材の膨張により確実に第1膨張収縮部材を押圧することができる。
本発明の一態様として、前記第3膨張収縮部材は、変形する方向に指向性を有すること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第3膨張収縮部材は、変形する方向に指向性を有するので、より確実に管壁を手繰り寄せる量を多くすることができる。
本発明の一態様として、管内移動方向の後方から前記第1膨張収縮部材、前記第2膨張収縮部材の順に配置されていること、を特徴とする。
かかる態様によれば、管内移動方向の後方から第1膨張収縮部材、第2膨張収縮部材の順に配置されているので、管内移動体を管内移動方向の前方に移動させることができる。
本発明の一態様として、前記管内移動体には、前記第1膨張収縮部材と前記第2膨張収縮部材の組み合わせが複数設けられていること、を特徴とする。
かかる態様によれば、管内の複数の箇所で管壁を手繰り寄せて確実に管内移動体を移動させることができる。
本発明の一態様として、前記制御部は、前記第2膨張収縮部材の内圧が前記第1膨張収縮部材の内圧以上となるように制御することを特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材から押圧されることなく第2膨張収縮部材を十分な大きさに膨張させることができ、推進力の低下を防止することができる。
本発明の一態様として、前記管壁に係止して前記管内移動体の位置を保持する保持部材が前記管内移動体に設けられていること、を特徴とする。
かかる態様によれば、第1膨張収縮部材と第2膨張収縮部材が管壁に係止していなくても、保持部材により管内移動体の位置を保持することができる。
前記目的を達成するために本発明の内視鏡は、前記のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータを備えること、を特徴とする。
前記目的を達成するために本発明の管内移動体用アクチュエータの制御方法は、膨張して管壁に接触した時に管内移動体と管壁との間を埋める第1の部分と前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備えその一部が前記管内移動体に固定された第1膨張収縮部材を駆動させることによって、前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御すること、を特徴とする。
本発明によれば、確実に管壁を手繰り寄せて管内移動体を移動させることができる。
電子内視鏡の構成図である。 第1実施形態の実施例1における挿入部の先端部の拡大断面図である。 駆動バルーンと係止バルーンの圧力を制御するバルーン制御装置のブロック構成図である。 第1実施形態の実施例1における推進動作のタイムチャート図である。 図4に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて、第1実施形態の実施例1における各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 第1実施形態の実施例2における挿入部の先端部の拡大断面図である。 図4に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて、第1実施形態の実施例2における各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 第2実施形態の挿入部10の先端部10aの拡大断面図である。 第2実施形態において3つのバルーンを使用して正進動作を行うときのタイムチャート図である。 図9に示すタイムチャート図に対応させて、各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 第2実施形態において2つのバルーンを使用して逆進動作を行うときのタイムチャート図である。 図11に示す正進動作のタイムチャート図に対応させて、各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 第2実施形態において3つのバルーンを使用した逆進動作のタイムチャート図である。 図13に示すタイムチャート図に対応させて、各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 第3実施形態における挿入部の先端部の拡大断面図である。 推進バルーンと保持バルーンの圧力を制御するバルーン制御装置のブロック構成図である。 第3実施形態における推進動作のタイムチャート図である。 図17に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて、第3実施形態における各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 第4実施形態における挿入部の先端部の拡大断面図である。 推進バルーンと保持バルーンの圧力を制御するバルーン制御装置のブロック構成図である。 第4実施形態における推進動作のタイムチャート図である。 図21に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて、第4実施形態における各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。 内視鏡用移動装置への適用例を示す図である。 各バルーンの内圧と推進力との関係の一例を示した説明図である。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔電子内視鏡の説明〕
図1において、電子内視鏡1は、被検体の管内に挿入され当該管内を移動する管内移動体である挿入部10と、挿入部10の基端部分に連設された操作部12とを備えている。挿入部10の先端に連設された先端部10aには、被検体内の被観察部位の像光を取り込むための対物レンズと像光を撮像する撮像素子(いずれも図示せず)が内蔵されている。撮像素子により取得された被検体内の画像は、コード14に接続されたプロセッサ装置のモニタ(いずれも図示せず)に内視鏡画像として表示される。
また、先端部10aには、被観察部位に光源装置(図示せず)からの照明光を照射するための照明窓や、鉗子口16と連通した鉗子出口、送気・送水ボタン12aを操作することによって、対物レンズを保護する観察窓の汚れを落とすための洗浄水やエアーが噴射されるノズルなどが設けられている。
先端部10aの後方には、複数の湾曲駒を連結した湾曲部10bが設けられている。湾曲部10bは、操作部12に設けられたアングルノブ12bが操作されて、挿入部10内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部10aが被検体内の所望の方向に向けられる。
湾曲部10bの後方には、可撓性を有する軟性部10cが設けられている。軟性部10cは、先端部10aが被観察部位に到達可能なように、且つ術者が操作部12を把持して操作する際に支障を来さない程度に患者との距離を保つために、1〜数mの長さを有する。
先端部10aには、管内を移動する進行方向に並べて配置され、かつ固定された膨張収縮部材として、後述する駆動バルーン20と係止バルーン22が取り付けられている。駆動バルーン20と係止バルーン22は、おもに膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなり、バルーン内の圧力を制御するバルーン制御装置18に接続されている。
なお、先端部10aにおいて駆動バルーン20と係止バルーン22は互いに隣接して配置され、挿入部10の周方向に周全体に形成される。また、駆動バルーン20と係止バルーン22は挿入部10の周方向に一様な形状として軸対称となっていてもよく、また、挿入部10の周方向に一様な形状ではなく軸対称となっていなくてもよい。
また、駆動バルーン20と係止バルーン22は、湾曲部10bや軟性部10cに配置してもよい。
上記のように構成された電子内視鏡1で、例えば、大腸や小腸のように複雑に屈曲した管路の内壁面を観察する場合には、駆動バルーン20と係止バルーン22が収縮した状態で挿入部10を被検体内に挿入し、光源装置を点灯して被検体内を照明しながら、撮像素子により得られる内視鏡画像をモニタで観察する。
先端部10aが管路に到達すると、バルーン制御装置18により駆動バルーン20と係止バルーン22の膨張・収縮を制御して、管路の内壁面に押圧力を作用させる。これにより、管路の内壁面が手繰り寄せられ、挿入部10が管路の内壁面に対し相対的に進行方向の前方または後方に推進する。
なお、推進動作のフローの詳しい説明は後述する。また、以下の説明において、先端部10aが進行方向の前方に推進する動作を正進動作とし、先端部10aが進行方向の後方に推進する動作を逆進動作とする。
〔管内移動体用アクチュエータの説明〕
次に、管内移動体用アクチュエータについて説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。第1実施形態では、バルーンの数を2つにしている。
(実施例1)
<管内移動体用アクチュエータの構成>
図2は、第1実施形態の実施例1における挿入部10の先端部10aの拡大断面図である。図2に示すように、実施例1においては、挿入部10の先端部10aに進行方向の前方から順に、駆動バルーン20と係止バルーン22の2つのバルーンが設けられている。
また、駆動バルーン20と係止バルーン22が管壁に接触していない時に、挿入部10の先端部10aの位置を管内のほぼ中央に保持するための保持バルーン23も設けられている。
この駆動バルーン20と係止バルーン22と保持バルーン23は、ともに全体が膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなる。
係止バルーン22は膨張時に管壁の内壁面に接して係止することができる膨張特性を有するバルーンであり、駆動バルーン20は膨張時であっても先端部10aが管路の断面の略中心位置に位置する限り管壁の内壁面に接しない膨張特性を有するバルーンである。
また、駆動バルーン20と係止バルーン22は、互いに形状が異なることが好ましい。
なお、図2に示すように収縮時に係止バルーン22が駆動バルーン20に必ずしも覆い被さっている必要はなく、後述するように、少なくとも係止バルーン22が膨張して腸壁40(図5参照)を係止した時に、係止バルーン22が駆動バルーン20に覆い被さっていればよい。
また、図3は、駆動バルーン20と係止バルーン22と保持バルーン23の圧力を制御するバルーン制御装置18のブロック構成図である。図3に示すように、駆動バルーン20と係止バルーン22と保持バルーン23を個々に独立して内圧が調整できる構造となっており、バルブ開閉制御部30と圧力制御部32を介して、吸引ポンプ34と吐出ポンプ36が接続されている。
図2に示すように、先端部10aの内部には、駆動バルーン20に連通し気体が送られる送気管24と、係止バルーン22に連通し気体が送られる送気管26と、保持バルーン23に連通し気体が送られる送気管27が設けられている。この送気管24と送気管26と送気管27は、湾曲部10b及び軟性部10c、コード14(図1参照)の内部を通ってバルーン制御装置18(図1,図3参照)に接続されている。
なお、後述する推進動作のフローは、バルブ開閉制御部30によって各バルーンに接続されたバルブ(不図示)の開閉を制御し、圧力制御部32によって吸引ポンプ34と吐出ポンプ36を制御することによって実行される。
<推進動作のフロー>
図4は、第1実施形態の実施例1における推進動作のタイムチャート図である。なお、後述するように、第1実施形態の実施例2における推進動作も図4のタイムチャート図で表される。
また、図5は、図4に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて、第1実施形態の実施例1における各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
なお、本実施例では推進動作として、正進動作について説明する。
まず、駆動バルーン20と係止バルーン22をともに収縮させた状態で、電子内視鏡1の先端部10aを測定対象(ここでは例えば、大腸とする)内に挿入している状態を考える。なお、このとき、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させておく。
そして、図5(a)に示すように、駆動バルーン20と係止バルーン22をともに収縮させた状態から、保持バルーン23を収縮させる一方で係止バルーン22に気体を充填して膨張させて、係止バルーン22を腸壁40に係止させる(図4の工程A)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図5(b)のように表わすことができる。図5(b)に示すように、係止バルーン22は駆動バルーン20に覆い被さるように膨張し、腸壁40に係止している。また、ここで、係止バルーン22において、膨張して腸壁40に接触した時に、挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。
次に、駆動バルーン20に気体を充填して膨張させる(図4の工程B)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図5(c)のように表わすことができる。
図5(c)に示すように、係止バルーン22を腸壁40に係止させた状態で、駆動バルーン20を膨張させていくことにより、駆動バルーン20は係止バルーン22を徐々に押圧していく。そして、係止バルーン22は、先端部10aの進行方向の後方に向かってその表面が順々に繰り出されるように押されていく、または、その表面を移動させるように押されていく。また、前記のように、係止バルーン22において第1の部分と第2の部分を備えていると考えたときには、先端部10aの進行方向の前方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、と考えることができる。これにより、係止バルーン22は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の後方(図5(c)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
すなわち、係止バルーン22がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の後方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられる。したがって、図5(c)の白矢印のように、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の前方に推進(正進)する。
次に、係止バルーン22から気体を吸引して収縮させて、係止バルーン22を腸壁40から離間させる一方で、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させる(図4の工程C)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図5(d)のように表わすことができる。
なお、本実施形態では、この時、係止バルーン22を腸壁40から離間させても、腸壁40は先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられた状態を維持しているものとして考える。
また、図4の工程Cにおいては、腸壁40のたわみ量によっては係止バルーン22が腸壁40から離間せず当接したままの状態となることも考えられるが、係止バルーン22が腸壁40に係止力を与えていなければよい。
次に、駆動バルーン20から気体を吸引して収縮させる(図4の工程D)。これにより、バルーンの膨張および収縮の様子は、図5(e)に示すように、上記の図5(a)で示した状態に戻る。
以降、正進動作を継続する場合には、工程A〜工程Dを繰り返す。
なお、駆動バルーン20と係止バルーン22の並び順を反対にして、挿入部10の先端部10aに進行方向の前方から係止バルーン22、駆動バルーン20の順にすれば、逆進動作が可能である。
また、駆動バルーン20と係止バルーン22のようにバルーンを使用する代わりに、比較的伸縮性の低いポリウレタンや布のような素材により所望の形状や大きさに膨張収縮が可能な膨張収縮部材を使用してもよい。尚、伸縮性の低い材料を用いる場合には、圧力に対する膨張量の変化は小さいため、推進に必要な所望の径(形状)を初期形状として作製することが好ましい。
以上が、第1実施形態の実施例1における具体的な推進動作のフローの説明である。
なお、駆動バルーン20と係止バルーン22の組み合わせを、複数個所に設けてもよい。
(実施例2)
実施例2では、実施例1とは異なり、駆動バルーン20に代えて膨張変形する際に変形指向性を有するバルーンを使用する。
<管内移動体用アクチュエータの構成>
図6は、第1実施形態の実施例2における挿入部10の先端部10aの拡大断面図である。図6に示すように、実施例2においては、実施例1と異なる点として駆動バルーン20の代わりに指向性駆動バルーン28が設けられている。
指向性駆動バルーン28と係止バルーン22は、挿入部10の周方向に周全体に形成される。指向性駆動バルーン28は、係止バルーン22の内側に隣接して配置されていることが望ましい。
指向性駆動バルーン28は、ラテックスゴムなどの天然ゴムからなるが、一部分をその他の部分よりも肉厚を大きくすることにより膨張収縮して変形する方向に指向性を有する。本実施例では、図6に示すように係止バルーン22と接する面28aの部分を、他の部分よりも肉厚を大きくしている。なお、指向性駆動バルーン28は、係止バルーン22と接する面28aの部分に低膨張材を備えることにより、膨張収縮して変形する方向に指向性を持たせてもよい。一方、係止バルーン22は、全体が膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなる。
なお、指向性駆動バルーン28と係止バルーン22は挿入部10の周方向に一様な形状として軸対称となっていてもよく、また、挿入部10の周方向に一様な形状ではなく軸対称となっていなくてもよい。
また、実施例2の各バルーンの圧力を制御するバルーン制御装置18のブロック構成や作用は、図3に示す実施例1の内容に対し、バルーンの構成を指向性駆動バルーン28と係止バルーン22に変更する以外は共通である。
<推進動作のフロー>
第1実施形態の実施例2における具体的な推進動作のタイムチャート図は、実施例1の図4のタイムチャート図と共通である。
また、図7は、図4に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて、第1実施形態の実施例2における各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
第1実施形態の実施例2の推進動作は、駆動バルーン20を指向性駆動バルーン28に置き換えることにより、前記の実施例1とほぼ共通している。しかし、指向性駆動バルーン28は係止バルーン22と接する面28aの部分を他の部分よりも肉厚を大きくしている点が、実施例1の駆動バルーン20と異なっている。
そのため、図7(c)に示すように、指向性駆動バルーン28は、膨張する際に係止バルーン22の方向に膨張し、実施例1の駆動バルーン20に比べ、膨張するときに係止バルーン22を押圧しやすくなっている。
したがって、係止バルーン22は、先端部10aの進行方向の後方に向かってその表面が順々に繰り出されるように押されていく量が多くなる。または、前記のように、係止バルーン22において第1の部分と第2の部分を備えていると考えると、先端部10aの進行方向の前方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく量が多くなる、と考えることができる。これにより、腸壁40は先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられる量が多くなる。
以上より、図7(c)の白矢印のように、実施例1に比べて、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の前方に推進(正進)する量が多くなる。
なお、指向性駆動バルーン28と係止バルーン22の並び順を反対にして、挿入部10の先端部10aに進行方向の前方から係止バルーン22、指向性駆動バルーン28の順にすれば、逆進動作が可能である。
また、指向性駆動バルーン28と係止バルーン22のようにバルーンを使用する代わりに、比較的伸縮性の低いポリウレタンや布のような素材により所望の形状や大きさに膨張収縮が可能な膨張収縮部材を使用してもよい。尚、伸縮性の低い材料を用いる場合には、圧力に対する膨張量の変化は小さいため、推進に必要な所望の径(形状)を初期形状として作製することが好ましい。
なお、指向性駆動バルーン28と係止バルーン22の組み合わせを、複数個所に設けてもよい。
以上のように本実施形態では、係止バルーン22を膨張させて腸壁40に係止させた後、駆動バルーン20または指向性駆動バルーン28を膨張させて係止バルーン22を押圧させるように制御するので、腸壁40を滑ることなく、確実に腸壁40を手繰り寄せて先端部10aを移動させることができる。
また、本実施形態では、図4の工程Bにおいて、駆動バルーン20または指向性駆動バルーン28を膨張させるときの内圧P2は、腸壁40を係止状態にある係止バルーン22の内圧P1以上となるように制御する態様が好ましい。
例えば実施例1の場合において、図5(b)に示したように腸壁40を係止状態にある係止バルーン22が駆動バルーン20に覆い被さるように膨張しているとき、駆動バルーン20の内圧P2が係止バルーン22の内圧P1より小さいと、駆動バルーン20は係止バルーン22から押圧されて十分な大きさに膨張することができず、駆動バルーン20の膨張径が小さくなくなってしまい、推進力(駆動力)の低下を招く要因となる。
これに対して、駆動バルーン20の内圧P2が係止バルーン22の内圧P1以上となるように制御することにより、駆動バルーン20は係止バルーン22から押圧されることなく十分な大きさ(膨張径)に膨張することが可能となり、推進力の低下を防止することができる。
尚、本実施形態のように駆動バルーン20または指向性駆動バルーン28を膨張させることによって腸壁40を係止状態にある係止バルーン22を押圧させるように制御する方式(回転バルーン方式)の推進力は、駆動バルーン20または指向性駆動バルーン28の膨張量(膨張径)に比例して増加する傾向にある。
一般に、腸壁40を係止状態にある係止バルーン22の内圧P1は5.6〜8.2[kPa]程度で制御される。このため、駆動バルーン20または指向性駆動バルーン28の内圧P2は少なくとも5.6[kPa]以上、好ましくは8.2[kPa]以上で制御することが好ましい。
ここで、一例として、係止バルーン22の内圧P1と駆動バルーン20の内圧P2と推進力との関係を図24に示す。同図から分かるように、P1>P2の関係を満たす場合に得られる推進力は不十分であるが(評価△又は×)、P1≦P2の関係を満たす場合には十分な推進力が得ることが可能である(評価◎又は○)。
尚、各バルーンの内圧P1、P2は、バルーン制御装置18(図1、図3参照)によって制御される。本実施形態では、各バルーンの内圧を検出する圧力検出手段(不図示)が設けられており、バルーン制御装置18は、圧力検出手段による検出結果に基づき、各バルーンの内圧P1、P2がそれぞれ所定の圧力範囲となるように制御を行っている。これにより、高精度な圧力制御が可能となり、推進力を効率的に得ることができる。
また、既に実用化されている係止バルーン22を応用することができ、技術的実現性が高い。また、既に実用化されている係止バルーン22の係止力(腸壁40に対するグリップ力)を、そのまま応用することができる。
また、係止バルーン22と駆動バルーン20や指向性駆動バルーン28を別々に設けることで、それぞれの機能に特化した技術開発ができる。例えば、駆動バルーン20や指向性駆動バルーン28は腸壁40に接触しないため、その材質、形状および大きさなどにおいて指向性を重視できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、バルーンの数を3つにしている。
<管内移動体用アクチュエータの構成>
図8は、第2実施形態の挿入部10の先端部10aの拡大断面図である。図8に示すように、挿入部10の先端部10aに第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46の3つのバルーンを並べて配置されている。第1駆動バルーン42に対して係止バルーン44を挟んで反対側に、第2駆動バルーン46が配置されている。そして、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46は、挿入部10に固定されている。
第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46は、全体が膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなる。
なお、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46は、挿入部10の周方向に周全体に形成される。また、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46は挿入部10の周方向に一様な形状として軸対称となっていてもよく、また、挿入部10の周方向に一様な形状ではなく軸対称となっていなくてもよい。
また、少なくとも係止バルーン44と第1駆動バルーン42、係止バルーン44と第2駆動バルーン46は、互いに形状が異なることが好ましい。
なお、図8に示すように収縮時に係止バルーン44が第1駆動バルーン42や第2駆動バルーン46に必ずしも覆い被さっている必要はなく、後述するように、少なくとも係止バルーン44が膨張して腸壁40を係止した時に、係止バルーン44が第1駆動バルーン42や第2駆動バルーン46に覆い被さっていればよい。
なお、第2実施形態の各バルーンの圧力を制御するバルーン制御装置18のブロック構成や作用は、図3に示す第1実施形態の実施例1の内容に対し、バルーンの構成を第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46に変更する以外は共通である。
また、図8に示すように、先端部10aの内部には、第1駆動バルーン42に連通し気体が送られる送気管48と、係止バルーン44に連通し気体が送られる送気管50と、第2駆動バルーン46に連通し気体が送られる送気管52とが設けられている。この送気管48と送気管50と送気管52は、湾曲部10b及び軟性部10c、コード14(図1参照)の内部を通ってバルーン制御装置18(図1,図3参照)に接続されている。
<推進動作のフロー>
まず、正進動作について説明する。
第2実施形態では、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46の合計3つのバルーンを有している。
まず、3つのバルーンのうち第1駆動バルーン42と係止バルーン44の2つのバルーンを使用することにより、第1実施形態の実施例1の駆動バルーン20と係止バルーン22と同様の正進動作を行うことができる。なお、詳しい動作フローについては説明が重複するので省略する。
次に、第1駆動バルーン42と係止バルーン44に、さらに第2駆動バルーン46を追加して合計3つのバルーンを使用して正進動作を行うときの動作について説明する。
図9は、第2実施形態において3つのバルーンを使用して正進動作を行うときのタイムチャート図である。
また、図10は、図9に示すタイムチャート図に対応させて、各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
まず、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態で、電子内視鏡1の先端部10aを測定対象(ここでは例えば、大腸とする)内に挿入している状態を考える。なお、このとき、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させておく。
そして、図10(a)に示すように第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態から、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させる(図9の工程A)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図10(b)のように表わすことができる。図10(b)に示すように、第2駆動バルーン46が膨張することにより、係止バルーン44は第1駆動バルーン42側に押し出され、第1駆動バルーン42に覆い被さる状態になる。
次に、保持バルーン23を収縮させる一方で係止バルーン44に気体を充填して膨張させて、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図9の工程B)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図10(c)のように表わすことができる。
また、ここで、係止バルーン44において、膨張して腸壁40に接触した時に挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。
次に、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張させると同時に、第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させる(図9の工程C)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図10(d)のように表わすことができる。
図10(d)に示されるように、第1駆動バルーン42を膨張させていくことにより、第1駆動バルーン42は係止バルーン44を徐々に押圧していく。さらに、第2駆動バルーン46を収縮させていくので、係止バルーン44は、先端部10aの進行方向の後方に向かってその表面が腸壁40に接した状態で順々に繰り出されるように押されていく、または、その表面を移動させるように押されていく。また、前記のように、係止バルーン44において第1の部分と第2の部分を備えていると考えたときには、先端部10aの進行方向の前方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、と考えることができる。これにより、係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の後方(図10(d)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
すなわち、係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の後方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられる。したがって、図10(d)の白矢印のように、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の前方に推進(正進)する。
ここで、前記のように、係止バルーン44を腸壁40に係止させる図9の工程Bの前に、図9の工程Aにおいて、第2駆動バルーン46の膨張により係止バルーン44は第1駆動バルーン42側に押し出され、第1駆動バルーン42に覆い被さる状態にしておいた。そのため、図9の工程Cにおいて、係止バルーン44が先端部10aの進行方向の後方に向かってその表面が腸壁40に接した状態で順々に繰り出されるように押される量は、前記の2つのバルーンを使用する場合(第1実施形態の場合、または第2実施形態において2つのバルーンを使用する場合)に比べて多くなる。
したがって、腸壁40が先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられる量が多くなり、図10(d)の白矢印のように、前記の2つのバルーンを使用する場合に比べて、先端部10aが腸壁40に対し相対的に進行方向の前方に推進(正進)する量が多くなる。
次に、係止バルーン44から気体を吸引して収縮させて、係止バルーン44を腸壁40から離間させる一方で、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させる(図9の工程D)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図10(e)のように表わすことができる。
次に、第1駆動バルーン42から気体を吸引して収縮させる(図9の工程E)。これにより、バルーンの膨張および収縮の様子は、図10(f)に示すように、上記の図10(a)で示した状態に戻る。
以降、正進動作を継続する場合には、工程A〜工程Eを繰り返す。
以上が、第2実施形態において3つのバルーンを使用した正進動作の説明である。
次に、逆進動作について説明する。
まず、3つのバルーンのうち、係止バルーン44と第2駆動バルーン46の2つのバルーンを使用することにより、管内移動体用アクチュエータを逆進させることができるので、以下に、詳しい動作フローについて説明する。
図11は、第2実施形態において2つのバルーンを使用して逆進動作を行うときのタイムチャート図である。また、図12は、図11に示す正進動作のタイムチャート図に対応させて、各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
まず、係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態で、電子内視鏡1の先端部10aを測定対象(ここでは例えば、大腸とする)内に挿入している状態を考える。なお、このとき、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させておく。
そして、図12(a)に示すように第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態から、保持バルーン23を収縮させる一方で係止バルーン44に気体を充填して膨張させて、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図11の工程A)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図12(b)のように表わすことができる。また、ここで、係止バルーン44において、膨張して腸壁40に接触した時に挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。
次に、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させる(図11の工程B)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図12(c)のように表わすことができる。
図12(c)に示すように、第2駆動バルーン46を膨張させていくことにより、第2駆動バルーン46は係止バルーン44を徐々に押圧していく。そして、係止バルーン44は、先端部10aの進行方向の前方に向かってその表面が順々に繰り出されるように押されていく、または、その表面を移動させるように押されていく。また、前記のように、係止バルーン44において第1の部分と第2の部分を備えていると考えたときには、先端部10aの進行方向の後方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、と考えることができる。これにより、係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の前方(図12(c)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
すなわち、係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の前方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の前方に手繰り寄せられる。したがって、図12(c)の白矢印のように、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の後方に推進(逆進)する。
次に、係止バルーン44から気体を吸引して収縮させて、係止バルーン44を腸壁40から離間させる一方で、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させる(図11の工程C)。この時の膨張および収縮の様子は、図12(d)のように表わすことができる。
次に、第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させる(図11の工程D)。これにより、バルーンの膨張および収縮の様子は、図12(e)に示すように、上記の図12(a)で示した状態に戻る。
以降、逆進動作を継続する場合には、工程A〜工程Dを繰り返す。
以上が、第2実施形態において2つのバルーンを使用した逆進動作の説明である。
次に、この第2駆動バルーン46と係止バルーン44に、さらに第1駆動バルーン42を追加して合計3つのバルーンを使用した逆進動作について説明する。
図13は、第2実施形態において3つのバルーンを使用した逆進動作のタイムチャート図である。
また、図14は、図13に示すタイムチャート図に対応させて、各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
まず、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態で、電子内視鏡1の先端部10aを測定対象(ここでは例えば、大腸とする)内に挿入している状態を考える。なお、このとき、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させておく。
そして、図14(a)に示すように第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態から、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張させる(図13の工程A)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図14(b)のように表わすことができる。図14(b)に示すように、第1駆動バルーン42が膨張することにより、係止バルーン44は第2駆動バルーン46側に押し出され、第2駆動バルーン46に覆い被さる状態になる。
次に、保持バルーン23を収縮させる一方で係止バルーン44に気体を充填して膨張させて、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図13の工程B)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図14(c)のように表わすことができる。また、ここで、係止バルーン44において、腸壁40に接触した時に挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。
次に、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させると同時に、第1駆動バルーン42から気体を吸引して収縮させる(図13の工程C)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図14(d)のように表わすことができる。
図14(d)に示すように、第2駆動バルーン46を膨張させて第1駆動バルーン42を収縮させていくことにより、第2駆動バルーン46は係止バルーン44を徐々に押圧していく。そして、係止バルーン44は、先端部10aの進行方向の前方に向かってその表面が順々に繰り出されるように押されていく、または、その表面を移動させるように押されていく。また、前記のように、係止バルーン44において第1の部分と第2の部分を備えていると考えたときには、先端部10aの進行方向の後方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、と考えることができる。これにより、係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の前方(図14(d)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
すなわち、係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の前方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の前方に手繰り寄せられる。したがって、図14(d)の白矢印のように、電子内視鏡1の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の後方に推進(逆進)する。
ここで、前記のように、係止バルーン44を腸壁40に係止させる図13の工程Bの前に、図13の工程Aにおいて、第1駆動バルーン42の膨張により係止バルーン44は第2駆動バルーン46側に押し出され、第2駆動バルーン46に覆い被さる状態にしておいた。そのため、図13の工程Cにおいて、係止バルーン44が先端部10aの進行方向の前方に向かってその表面が腸壁40に接した状態で順々に繰り出されるように押される量は、前記の2つのバルーンを使用する場合(第1実施形態の場合、または第2実施形態において2つのバルーンを使用する場合)に比べて多くなる。
したがって、腸壁40が先端部10aの進行方向の前方に手繰り寄せられる量が多くなり、図14(d)の白矢印のように、前記の2つのバルーンを使用する場合に比べて、先端部10aが腸壁40に対し相対的に進行方向の後方に推進(逆進)する量が多くなる。
次に、係止バルーン44から気体を吸引して収縮させて、係止バルーン44を腸壁40から離間させる一方で、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させる(図13の工程D)。この時のバルーンの膨張および収縮の様子は、図14(e)のように表わすことができる。
次に、第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させる(図13の工程E)。これにより、バルーンの膨張および収縮の様子は、図14(f)に示すように、上記の図14(a)で示した状態に戻る。
以降、逆進動作を継続する場合には、工程A〜工程Eを繰り返す。
以上が、第2実施形態において3つのバルーンを使用した逆進動作の説明である。
なお、第2実施形態において、第1駆動バルーン42や第2駆動バルーン46に代えて、各々のバルーンについて第1実施形態の実施例2で説明した指向性駆動バルーン28を使用してもよい。
また、第1駆動バルーン42や係止バルーン44や第2駆動バルーン46のようにバルーンを使用する代わりに、比較的伸縮性の低いポリウレタンや布のような素材により所望の形状や大きさに膨張収縮が可能な膨張収縮部材を使用してもよい。尚、伸縮性の低い材料を用いる場合には、圧力に対する膨張量の変化は小さいため、推進に必要な所望の径(形状)を初期形状として作製することが好ましい。
なお、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46の組み合わせを、複数個所に設けてもよい。
以上のように本実施形態では、係止バルーン44を膨張させて腸壁40に係止させる前に、第2駆動バルーン46を膨張させて係止バルーン44を押圧させるように制御し、次に、係止バルーン44を膨張させて腸壁40に係止させた後、第1駆動バルーン42を膨張させて係止バルーン44を押圧させるように制御するので、確実に腸壁40を手繰り寄せて先端部10aを移動させることができ、腸壁40を手繰り寄せる量を多くすることができる。
また、本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様に、第1駆動バルーン42または第2駆動バルーン46を膨張させるときの内圧P2(図9の工程C、図11の工程B、図13の工程C)は、腸壁40を係止状態にある係止バルーン44の内圧P1以上となるように制御する態様が好ましい。本態様によれば、第1駆動バルーン42または第2駆動バルーン46は、係止バルーン44に押圧されることなく十分な大きさ(膨張径)に膨張することができ、推進力の低下を防止することができる。
また、既に実用化されている係止バルーン44を応用することができ、技術的実現性が高い。また、既に実用化されている係止バルーン44の係止力(腸壁40に対するグリップ力)を、そのまま応用することができる。
また、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46を別々に設けることで、それぞれの機能に特化した技術開発ができる。例えば、第1駆動バルーン42と第2駆動バルーン46は腸壁40に接触しないため、その材質、形状および大きさなどにおいて指向性を重視できる。
また、前記のような正進動作と逆進動作を適宜組み合わせて行うことにより、先端部10aを進行方向の前後に移動させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
<管内移動体用アクチュエータの構成>
図15は、第3実施形態における挿入部10の先端部10aの拡大断面図である。図15に示すように、第3実施形態においては、挿入部10の先端部10aに、推進バルーン60が設けられている。そして、推進バルーン60は、挿入部10に固定されている。また、推進バルーン60が管壁に接触していない時に、挿入部10の先端部10aの位置を管内のほぼ中央に保持するための保持バルーン23も設けられている。
推進バルーン60は、固定長部64と、その両端に接続された第1可変長部62と第2可変長部66により構成されている。
推進バルーン60の具体的な構成としては、全体が膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなり第1可変長部62と第2可変長部66の部分のみに形状記憶素材や人工筋肉などが貼り合わされた構成、または、固定長部64のみが膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなり第1可変長部62と第2可変長部66の部分が形状記憶素材や人工筋肉などからなる構成が考えられる。
なお、全体が膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなり第1可変長部62と第2可変長部66の部分のみに形状記憶素材や人工筋肉などが貼り合わされた構成の場合、形状記憶素材や人工筋肉などを第1可変長部62と第2可変長部66の部分に相当する面全体に貼り合わせてもよく、また、形状記憶素材や人工筋肉などを第1可変長部62と第2可変長部66の部分に相当する面に筋状に貼り合わせてもよい。
また、図15に示すように、先端部10aの内部には、推進バルーン60に連通し気体が送られる送気管68と、保持バルーン23に連通し気体が送られる送気管27とが設けられている。この送気管68と送気管27は、湾曲部10b及び軟性部10c、コード14(図1参照)の内部を通ってバルーン制御装置70(図16参照)に接続されている。
また、図16は、推進バルーン60と保持バルーン23の圧力を制御するバルーン制御装置70のブロック構成図である。図16に示すように、推進バルーン60と保持バルーン23を個々に独立して内圧が調整できる構造となっており、バルブ開閉制御部72と圧力制御部74を介して、吸引ポンプ76と吐出ポンプ78が接続されている。
また、バルーン制御装置70には、第1可変長部62と第2可変長部66を制御する可変長部制御部80も設けられている。
なお、後述する推進動作のフローは、バルブ開閉制御部72によって各バルーンに接続されたバルブ(不図示)の開閉を制御し、圧力制御部74によって吸引ポンプ76と吐出ポンプ78を制御すること、および可変長部制御部80によって第1可変長部62と第2可変長部66に備わる形状記憶素材などを加熱または冷却することにより収縮状態または膨張状態になるように制御することによって実行される。
<推進動作のフロー>
図17は、本発明の管内移動体用アクチュエータについて、第3実施形態の具体的な推進動作のタイムチャート図である。また、図18は、図17に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
まず、図18(a)に示すように、推進バルーン60を収縮させた状態とし、保持バルーン23を膨張させて、保持バルーン23を腸壁40に係止させている。
次に、図18(b)に示すように、推進バルーン60の収縮状態を維持しつつ、第1可変長部62の収縮状態を維持して第2可変長部66に備わる形状記憶素材などを加熱して膨張状態にする(図17の工程A)。
次に、図18(c)に示すように、推進バルーン60に内圧が規定値になるまで気体の充填を行い膨張状態にして腸壁40に当接して密着させ、保持バルーン23から排気して保持バルーン23を腸壁40から離間させる(図17の工程B)。
ここで、推進バルーン60の内圧における規定値とは、腸壁40のたるみをなくして推進バルーン60を腸壁40に当接して密着させた時の圧力値であって、腸壁40を破らず、腸壁40を滑らない圧力値である。
次に、図18(d)に示すように、第1可変長部62に備わる形状記憶素材などを加熱して収縮状態から膨張状態にする一方、第2可変長部66に備わる形状記憶素材などを冷却して膨張状態から収縮状態にする(図17の工程C)。
これにより、推進バルーン60は、先端部10aの進行方向の後方に向かって推進力を発生させるので、腸壁40を手繰り寄せることができる。
次に、図18(e)に示すように、保持バルーン23に気体を充填して膨張状態にし、保持バルーン23を腸壁40に係止させ、推進バルーン60からの排気を行い、推進バルーン60を収縮状態にする(図17の工程D)。
次に、図18(f)に示すように、第1可変長部62に備わる形状記憶素材などを冷却して膨張状態から収縮状態にする(図17の工程E)。これにより、バルーンの膨張および収縮の様子は、図18(a)で示した状態に戻る。
以降、正進動作を継続する場合には、工程A〜工程Dを繰り返す。
なお、第1可変長部62と第2可変長部66の並び順を反対にして、挿入部10の先端部10aに進行方向の前方から第2可変長部66、第1可変長部62の順にすれば、逆進動作が可能である。
以上のように、推進バルーン60(第1膨張収縮部材)を腸壁40に係止させた状態で、第1可変長部62(駆動手段)を収縮状態から膨張状態にする一方、第2可変長部66(駆動手段)を膨張状態から収縮状態にする。これにより、第1可変長部62が推進バルーン60の表面を押圧して、または、第2可変長部66が推進バルーン60の表面を引っ張って、推進バルーン60の表面を移動させる。
また、ここで、推進バルーン60において、膨張して腸壁40に接触した時に挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。すると、推進バルーン60は先端部10aの進行方向の前方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、または引っ張られるとも考えることができる。
このため、推進バルーン60の表面から腸壁40に推進力が伝わり、腸壁40を手繰り寄せることができる。
以上が第3実施形態の管内移動体用アクチュエータの推進動作のフローの説明である。
なお、推進バルーン60を、複数個所に設けてもよい。
[第4実施形態]
<管内移動体用アクチュエータの構成>
図19は、第4実施形態における挿入部10の先端部10aの拡大断面図である。図19に示すように、第4実施形態においては、挿入部10の先端部10aに、推進バルーン90が設けられている。そして、推進バルーン90は、挿入部10に固定されている。また、推進バルーン90が管壁に接触していない時に、挿入部10の先端部10aの位置を管内のほぼ中央に保持するための保持バルーン23も設けられている。
図19に示すように、推進バルーン90は、全体が膨張収縮自在なラテックスゴムなどの天然ゴムからなり、第1サブ気室92と主気室94と第2サブ気室96の3つの圧力室を構成している。そして、主気室94の両側に第1サブ気室92と第2サブ気室96が配置されている。
また、3つの圧力室内に気体を充填させて最も膨張させたときに、第1サブ気室92と第2サブ気室96の体積に対し主気室94の体積が大きくなる構成となっている。
また、図19に示すように、先端部10aの内部には、第1サブ気室92に連通し気体が送られる送気管98と、主気室94に連通し気体が送られる送気管100と、第2サブ気室96に連通し気体が送られる送気管102と、保持バルーン23に連通し気体が送られる送気管27とが設けられている。この送気管98と送気管100と送気管102と送気管27は、湾曲部10b及び軟性部10c、コード14(図1参照)の内部を通ってバルーン制御装置104(図20参照)に接続されている。
また、図20は、推進バルーン90と保持バルーン23の圧力を制御するバルーン制御装置104のブロック構成図である。図20に示すように、推進バルーン90と保持バルーン23を個々に独立して内圧が調整できる構造となっており、さらに、推進バルーン90の第1サブ気室92と主気室94と第2サブ気室96の3つの圧力室も個々に独立して内圧が調整できる構造となっており、バルブ開閉制御部106と圧力制御部108を介して、吸引ポンプ110と吐出ポンプ112が接続されている。
なお、後述する推進動作のフローは、バルブ開閉制御部106によって各バルーンに接続されたバルブ(不図示)の開閉を制御し、圧力制御部108によって吸引ポンプ110と吐出ポンプ112を制御することによって実行される。
<推進動作のフロー>
図21は、本発明の管内移動体用アクチュエータについて、第4実施形態の具体的な推進動作のタイムチャート図である。また、図22は、図21に示す推進動作のタイムチャート図に対応させて各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
まず、図22(a)に示すように、第1サブ気室92と主気室94と第2サブ気室96を収縮させた状態とし、保持バルーン23を膨張させて、保持バルーン23を腸壁40に係止させている。
次に、図22(b)に示すように、第1サブ気室92と主気室94の収縮状態を維持しつつ、第2サブ気室96を膨張状態にする(図21の工程A)。
次に、図22(c)に示すように、主気室94に内圧が規定値になるまで気体の充填を行い膨張状態にして腸壁40に当接して密着させ、保持バルーン23から排気して保持バルーン23を腸壁40から離間させる(図21の工程B)。
ここで、主気室94の内圧における規定値とは、腸壁40のたるみをなくして主気室94を腸壁40に当接して密着させた時の圧力値であって、腸壁40を破らず、腸壁40を滑らない圧力値である。
次に、図22(d)に示すように、第1サブ気室92を収縮状態から膨張状態にする一方、第2サブ気室96を膨張状態から収縮状態にする(図21の工程C)。
これにより、主気室94は、先端部10aの進行方向の後方に向かって推進力を発生させるので、腸壁40を手繰り寄せることができる。
次に、図22(e)に示すように、保持バルーン23に気体を充填して膨張状態にし、保持バルーン23を腸壁40に係止させ、主気室94からの排気を行い、主気室94を収縮状態にする(図21の工程D)。
次に、図22(f)に示すように、第1サブ気室92を膨張状態から収縮状態にする(図21の工程E)。これにより、バルーンの膨張および収縮の様子は、図22(a)で示した状態に戻る。
以降、正進動作を継続する場合には、工程A〜工程Dを繰り返す。
なお、第1サブ気室92と第2サブ気室96の並び順を反対にして、挿入部10の先端部10aに進行方向の前方から第2サブ気室96、第1サブ気室92の順にすれば、逆進動作が可能である。
以上のように、推進バルーン90(第1膨張収縮部材)の主気室94を腸壁40に係止させた状態で、第1サブ気室92(駆動手段)を収縮状態から膨張状態にする一方、第2サブ気室96(駆動手段)を膨張状態から収縮状態にする。これにより、第1サブ気室92が主気室94を押圧して、または、第2サブ気室96が主気室94を引っ張って、主気室94の表面を移動させる。
また、ここで、推進バルーン90において、膨張して腸壁40に接触した時に挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。すると、推進バルーン90は先端部10aの進行方向の前方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、または引っ張られるとも考えることができる。
このため、主気室94の表面から腸壁40に推進力が伝わり、腸壁40を手繰り寄せることができる。
以上が第4実施形態の管内移動体用アクチュエータの推進動作のフローの説明である。
なお、推進バルーン90を、複数個所に設けてもよい。
<変形例>
また、前記の実施形態では、電子内視鏡1の挿入部10に直接バルーンを取り付けた例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、図23に示す内視鏡用移動装置120に適用することも可能である。
内視鏡用移動装置120は、挿入部10が挿入固定される筒体122と、筒体122の先端に取り付けられた前記の駆動バルーン20と係止バルーン22と保持バルーン23、または、前記の指向性駆動バルーン28と係止バルーン22と保持バルーン23、または、前記の第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46と保持バルーン23、または、前記の推進バルーン60と保持バルーン23、または、前記の推進バルーン90と保持バルーン23のいずれかの仕様のバルーンと、筒体122から延びたコード124が接続される、筒体122の先端に取り付けられたバルーンの仕様に対応した前記のバルーン制御装置18、またはバルーン制御装置70、またはバルーン制御装置104と同様の構成を有するバルーン制御装置126とから構成される。図23では、駆動バルーン20と係止バルーン22と保持バルーン23を代表して示している。
そして、挿入部10を被検体内に挿入する際には、筒体122に挿入部10を挿入して固定し、バルーン制御装置126で上記実施形態と同様の制御を行って挿入部10を移動させる。
以上、本発明の管内移動体用アクチュエータおよびその制御方法、内視鏡について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…電子内視鏡、10…挿入部、10a…先端部、18,70,104,126…バルーン制御装置、20…駆動バルーン、22,44…係止バルーン、23…保持バルーン、28…指向性駆動バルーン、42…第1駆動バルーン、46…第2駆動バルーン、60,90…推進バルーン、120…内視鏡用移動装置、122…筒体

Claims (17)

  1. 膨張して管壁に接触した時に管内移動体と前記管壁との間を埋める第1の部分と前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内移動体に固定された第1膨張収縮部材と、
    前記第1膨張収縮部材を駆動させる駆動手段と、
    前記第1膨張収縮部材および前記駆動手段を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記駆動手段による駆動によって前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御すること、
    を特徴とする管内移動体用アクチュエータ。
  2. 前記駆動手段は、前記第1膨張収縮部材とともに管内移動方向に並べて配置され、かつ前記管内移動体に固定された第2膨張収縮部材であって、
    前記制御部は、前記第1膨張収縮部材を膨張させて前記管壁に係止させた後、前記第2膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御すること、
    を特徴とする請求項1の管内移動体用アクチュエータ。
  3. 前記制御部は、前記第2膨張収縮部材によって前記第1膨張収縮部材を押圧させることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御すること、
    を特徴とする請求項2の管内移動体用アクチュエータ。
  4. 前記制御部は、前記第1膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより前記管壁を手繰り寄せるように制御すること、
    を特徴とする請求項2または3の管内移動体用アクチュエータ。
  5. 前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管壁に係止させた状態で収縮状態の前記第2膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さること、
    を特徴とする請求項2乃至4のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  6. 前記第2膨張収縮部材は、変形する方向に指向性を有すること、
    を特徴とする請求項2乃至5のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  7. 前記第1膨張収縮部材および前記第2膨張収縮部材の少なくとも1つはバルーンであること、
    を特徴とする請求項2乃至6のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  8. 前記管内移動体に設けられ管内移動方向に前記第1膨張収縮部材および前記第2膨張収縮部材とともに並べて配置されるものであって前記第2膨張収縮部材に対して前記第1膨張収縮部材を挟んで反対側に配置される第3膨張収縮部材を有すること、
    を特徴とする請求項2乃至7のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  9. 前記制御部は、前記第1膨張収縮部材を膨張させて前記管壁に係止させる前に、前記第3膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御すること、
    を特徴とする請求項8の管内移動体用アクチュエータ。
  10. 前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管壁に係止させた状態で収縮状態の前記第3膨張収縮部材の少なくとも一部に覆い被さること、
    を特徴とする請求項8または9の管内移動体用アクチュエータ。
  11. 前記第3膨張収縮部材は、変形する方向に指向性を有すること、
    を特徴とする請求項8乃至10のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  12. 前記管内移動方向の後方から前記第1膨張収縮部材、前記第2膨張収縮部材の順に配置されていること、
    を特徴とする請求項2乃至11のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  13. 前記管内移動体には、前記第1膨張収縮部材と前記第2膨張収縮部材の組み合わせが複数設けられていること、
    を特徴とする請求項2乃至12のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  14. 前記制御部は、前記第2膨張収縮部材の内圧が前記第1膨張収縮部材の内圧以上となるように制御することを特徴とする請求項2乃至13のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  15. 前記管壁に係止して前記管内移動体の位置を保持する保持部材が前記管内移動体に設けられていること、
    を特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータ。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1つの管内移動体用アクチュエータを備えること、
    を特徴とする内視鏡。
  17. 膨張して管壁に接触した時に管内移動体と管壁との間を埋める第1の部分と前記管壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備えその一部が前記管内移動体に固定された第1膨張収縮部材を駆動させることによって、前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内移動体と前記管壁との相対位置を変化させるように制御すること、
    を特徴とする管内移動体用アクチュエータの制御方法。
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