JPH05184388A - モノクローナル抗体、その製造法および用途 - Google Patents

モノクローナル抗体、その製造法および用途

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JPH05184388A
JPH05184388A JP3263686A JP26368691A JPH05184388A JP H05184388 A JPH05184388 A JP H05184388A JP 3263686 A JP3263686 A JP 3263686A JP 26368691 A JP26368691 A JP 26368691A JP H05184388 A JPH05184388 A JP H05184388A
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endothelin
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Nobuhiro Suzuki
伸宏 鈴木
Chieko Kitada
千恵子 北田
Hirokazu Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンドセリン−2前駆体を特異的に認識するモ
ノクローナル抗体を提供する。 【構成】ヒトビッグエンドセリン−2あるいはそのC端
ペプチドに結合性を有するモノクローナル抗体、該抗体
を生産するハイブリドーマ細胞、および該モノクローナ
ル抗体を用いる被検液中のヒトビッグエンドセリン−2
あるいはそのC端ペプチドの定量法。 【効果】本発明の抗体を用いることによりビッグエンド
セリン−1,ビッグエンドセリン−3やET−2と交差
反応することなく、極めて高感度にヒトビッグエンドセ
リン−2(bigET−2)を測定することができる。
この測定法は、培養細胞およびヒト血漿中のbigET
−2を検出し得ることからbigET−2の生理的、病
態生理的役割の解明、ひいては生化学的試薬として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒトビッグエンドセリン
−2(big ET−2と略すこともある)に結合特異
性を有する点で有用かつ新規な抗体に関する。更に詳し
くは、抗原抗体反応に基づくヒトビッグエンドセリン−
2の測定法の開発、およびヒトビッグエンドセリン−2
あるいはエンドセリン−2が関与する疾患の診断に有用
な抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン−1は血管内皮細胞の培養
上清中に見出された21個のアミノ酸からなるペプチド
であり、極めて強力かつ持続的な血管平滑筋収縮活性な
らびに血圧上昇活性を有する。また、エンドセリン−1
のcDNAの解析から、その生合成過程の中間体とし
て、アミノ酸約40個からなるビッグエンドセリン−1の
存在も想定されている。これまでにエンドセリン−1お
よびビッグエンドセリン−1に結合性を有するモノクロ
ーナル抗体が作製され、高感度な酵素免疫測定法が開発
されたことによりエンドセリン−1の生理的役割・病態
との関連の解明に向けて幅広い研究を展開することが可
能となった(柳沢ら,ネイチャー(Nature),332, 44
1, (1988),伊藤ら,フェブスレターズ(FEBS Letter
s),231 ,440 (1988),特開平1−206997号,特
開平2−72877号,特開平2−238894号)。
【0003】一方、染色体DNAの解析から、新たにエ
ンドセリン−2,エンドセリン−3およびそれらのcD
NAが見出され、エンドセリンが遺伝子ファミリーを形
成していることが明らかにされた(柳沢ら、プロシージ
ングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエ
ンス(Pro.Natl.Acad.Sci.U.S.A.),85, 6964 (198
8),井上ら、プロシージングス・オブ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンス(Pro.Natl.Acad.Sci.U.S.
A.),86,2863(1989),特願平1−274990号,特願平
2−257492号)。以下のアミノ酸配列にも示されるよう
に(アンダーライン参照)、エンドセリン−1とエンド
セリン−2とは2残基、エンドセリン−1とエンドセリ
ン−3とは6残基異なっている。エンドセリン−1(ブ
タ、ヒト、イヌ、ラット、マウス、ウシ由来。エンドセ
リン−αと呼ばれたこともあった。) Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met
Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His
Leu Asp Ile Ile Trp(配列番号:1) エンドセリン−2(ヒト、イヌ由来) Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu
Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His
Leu Asp Ile Ile Trp(配列番号:2) エンドセリン−3(ラット、ヒト、ブタ、ウサギ由来。
エンドセリン−γと呼ばれたこともあった。) Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys
Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His
Leu Asp Ile Ile Trp(配列番号:3) 既に、エンドセリン−3に結合性を有するモノクローナ
ル抗体が作製され、その特異的な測定法も開発されたこ
とから(特願平2−194081号)、エンドセリン−
3の生理的および病態生理的役割に関する研究を推進す
ることも可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、エンドセリン−
1およびエンドセリン−3と比較し、エンドセリン−2
の生理的および病態生理的役割に関する研究は、これま
でほとんど進展していない。この主たる原因として、こ
れまでエンドセリン−2あるいはエンドセリン−2前駆
体を特異的に認識するモノクローナル抗体が作製されて
おらず、さらにエンドセリン−2あるいはエンドセリン
−2前駆体を特異的かつ高感度に測定する免疫学的測定
法が開発されていないことが挙げられる。これらの免疫
学的手法は、エンドセリン−2の研究、特に代謝経路、
分泌機構、リセプターシステム、病態との関連等に関す
る研究を総合的に行う上で最も有効な手段の一つと考え
られ、該手法の確立が各界から切望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、最近明ら
かにされたヒトエンドセリン−2前駆体のアミノ酸配列
(特願平3−143127号)から、ヒト由来のエンド
セリン−2の直接の前駆体であるヒトビッグエンドセリ
ン−2の配列に注目し、鋭意努力した結果、ヒトビッグ
エンドセリン−2に特異的な結合性を有するモノクロー
ナル抗体を作製することができた。即ち、下記に示すヒ
トビッグエンドセリン−1(ヒトビッグエンドセリン−
2との相同性 38残基中30残基:79%)およびヒ
トビッグエンドセリン−3(ヒトビッグエンドセリン−
3との相同性 41残基または42残基中26残基:6
2または63%)と0.5%以下の交差反応性しか示さ
ない、ヒトビッグエンドセリン−2に結合性を有するモ
ノクローナル抗体を作製した。 ヒトビッグエンドセリン−1 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met
Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His Leu
Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro Glu His
Val Val Pro Tyr Gly Leu Gly Ser Pro Arg
Ser(配列番号:4) ヒトビッグエンドセリン−2 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu
Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His Leu
Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro Glu Gln
Thr Ala Pro Tyr Gly Leu Gly Asn Pro Xaa
(ただし、Xaa=ProまたはXaa=Pro Ar
gである)(配列番号:5) 以後、ヒトビッグエンドセリン−2についてXaa=P
roの構造のものを、ヒトビッグエンドセリン−2(1
−37)あるいはbigET−2(1−37)と、また
Xaa=Pro Argの構造のものを、ヒトビッグエ
ンドセリン−2(1−38)あるいはbigET−2
(1−38)と表わすこともある。
【0006】ヒトビッグエンドセリン−3 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys
Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His Leu
Asp Ile Ile Trp Ile Asn Thr Pro Glu Gln
Thr Val Pro Tyr Gly Leu Ser Asn Tyr Arg
Gly Ser Phe Arg Xaa(Xaa=Gly−OHまたはXaa=
NH2)(配列番号:6) さらに該抗体を用いてヒトビッグエンドセリン−2を高
感度にかつ特異的に検出し得る免疫測定法を開発した。
すなわち、本発明はヒトビッグエンドセリン−2あるい
はそのC端ペプチドに結合性を有する新規なモノクロー
ナル抗体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマ、該抗体の製造法、および該抗体を用いた競合法あ
るいはサンドイッチ法によるヒトビッグエンドセリン−
2およびそのC端ペプチドの免疫測定法に関する。ヒト
ビッグエンドセリン−2 C端ペプチドとしては、たと
えば式 Val Asn Thr Pro Glu Gln Thr
Ala Pro Tyr Gly Leu Gly Asn Pro Xaa(ただ
し、Xaa=ProまたはXaa=Pro Argであ
る)(配列番号:7) で表わされるヒトビッグエンドセリン−2 C端ペプチ
ド(22−37)(Xaa=Pro)あるいは(22−
38)(Xaa=Pro Arg)が挙げられる。
【0007】本発明のモノクローナル抗体の調製に当っ
ては、ヒトビッグエンドセリン−2あるいはそのC端ペ
プチドとキャリアー蛋白との複合体をつくり、このもの
を動物に接種して免疫を行い、該免疫動物から抗体価の
高い個体を選び、最終免疫2〜5日後に脾臓あるいはリ
ンパ節を採取、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫
細胞と融合させ、安定的に力価の高い抗体を産生するハ
イブリドーマを選択し、モノクローナルなハイブリドー
マを得ることによる。免疫抗原としては、天然精製標
品、合成標品等いずれも使用でき、先に述べたヒトビッ
グエンドセリン−2あるいはそのC端ペプチドが用いら
れる。また免疫抗原として、ヒトビッグエンドセリン−
2の遺伝子配列を含むプラスミドを導入された細菌ある
いは細胞の生産物が用いられる場合もある。本発明で用
いられる種々のペプチドは、ペプチド合成の公知の常套
手段で製造しうる。固相合成法、液相合成法のいずれに
よってもよい。例えば固相法によりヒトビッグエンドセ
リン−2を合成する場合、メリーフィールドの固相ペプ
チド合成方法〔ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカ
ル ソサィエティ(J.Am.Chem.Soc.),85,2149(1963)〕
を用いるのが好ましい。不溶性樹脂としては当該技術分
野で知られたもののいずれであってもよく、例えばクロ
ロメチル化されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合
体、フェナシルアセティックメチル化されたスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体のようなポリスチレン型樹
脂、ポリジメチルアクリルアミド樹脂のようなポリアミ
ド型樹脂が挙げられる。C末端のN−保護アミノ酸を不
溶性樹脂に結合させた後、ヒトビッグエンドセリン−2
のC末端側から保護アミノ酸を常法に従って順次結合
し、次いでフッ化水素で処理した後、ジスルフィド結合
を形成させ目的とするヒトビッグエンドセリン−2を合
成することができる。N−保護アミノ酸としては、α−
アミノ基はすべてBoc基で保護し、セリンおよびスレ
オニンの水酸基はBzl基で、グルタミン酸、アスパラ
ギン酸のω−カルボン酸はOBzl基、リジンのε−ア
ミノ基はCl−Z基、システインのチオール基はAcm
基、MeBzl基、チロシンの水酸基はBr−Z基、ヒ
スチジンのイミダゾール基およびアルギニンのグアニド
基はTos基、トリプトファンのインドール基はCHO
基で保護するのが好ましい。
【0008】液相法による合成の手段としては、たとえ
ば「ザ ペプチズ(The Peptides)」、第1巻(1966
年)、Schroder and Lubke 著、Academic Press, New Y
ork,U.S.A.あるいは“ペプチド合成"、泉屋ら著、丸善
株式会社(1975年)に記載された方法、たとえばアジド
法、クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、DC
C法、活性エステル法、ウッドワード試薬Kを用いる方
法、カルボジイミダゾール法、酸化還元法、DCC/ア
ディテイブ(例、HONB,HOBt,HOSu)法な
どがあげられる。また、本発明で用いられる種々のペプ
チドとして、ヒトビッグエンドセリン−2の遺伝子配列
を含むプラスミドを導入された細菌あるいは細胞の生産
物が用いられる場合もある。これら、遺伝子操作による
ヒトビッグエンドセリン−2関連ペプチドの作製法とし
て、例えばET−2前駆体 cDNAの発現ベクターを
導入した形質転換CHO−K1細胞の産生物を用いる方
法(例えば特願平3−143127号)が挙げられる。
【0009】哺乳動物を免疫するために用いられる免疫
抗原とキャリアー蛋白との蛋白複合体に関しては、キャ
リアー蛋白の種類およびキャリアーとハプテンとの混合
比は、キャリアーにカプリングさせて免疫したハプテン
に対して抗体が効率よく出来れば、どの様なものをどの
様な比率でカプリングさせてもよいが、例えば、牛血清
アルブミンや牛チログロブリン、ヘモシアニン等を重量
比でハプテン1に対し0.1〜20、好ましくは1〜5の割
合でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンと
キャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いるこ
とが出来るが、グルタルアルデビトやカルボジイミド、
マレイミド活性エステル等が好都合に用いられる。縮合
生成物は温血動物に対して投与により抗体産生が可能な
部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与され
る。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイ
ントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投
与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ行われ
る。用いられる温血動物としては、たとえばマウス、ラ
ット、ウサギなどがあげられる。
【0010】次に、免疫された温血動物、たとえばマウ
スから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜
5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれ
る抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、
抗ヒトビッグエンドセリン−2抗体産生ハイブリドーマ
を調製することができる。融合操作は既知の方法、たと
えばケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Natu
re)、256、495 (1975)〕に従い実施できる。融合促進
剤としてはポリエチレングリコール(PEG)やセンダイ
ウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用い
られる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P3U
1、SP2/0などがあげられるが、特にP3U1が好
ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細
胞)数と骨髄細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1
程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG60
00)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ま
しくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることに
より効率よく細胞融合を実施できる。
【0011】抗ヒトビッグエンドセリン−2抗体産生ハ
イブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用で
きるが、たとえばヒトビッグエンドセリン−2、ヒトビ
ッグエンドセリン−2のC端ペプチドあるいは、それら
をキャリヤー蛋白質に結合させた複合体を吸着させた固
相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を
添加し、次に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で
標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる
細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用
いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合した
モノクローナル抗体を検出するELISA(Enzyme-link
ed immunosorbent assay)法、抗免疫グロブリン抗体ま
たはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培
養上清を添加し、HRPで標識したヒトビッグエンドセ
リン−2、あるいはヒトビッグエンドセリン−2のC端
ペプチドを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を
検出するEIA(Enzyme immunoassay)法などがあげられ
る。ハイブリドーマの選別、育種は通常HAT(ヒポキ
サンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加して、10
〜20%牛胎児血清(FCS)を含む動物細胞用培地
(例、RPMI1640)で行われる。ハイブリドーマ培養
上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様
にして測定できる。このようにして得られたハイブリド
ーマからヒトビッグエンドセリン−2やそのC端ペプチ
ドに結合性を有する抗体を製造する方法としては、通常
の細胞培養法や腹水形成法などが用いられる。細胞培養
法においては、ハイブリドーマをたとえば、10〜15
%FCS含有RPMI1640培地、無血清培地などの
動物細胞培養用培地中で培養し、その培養上清液から抗
体を取得することができる。一方、腹水形成法を用いて
腹水から回収する方法では、ハイブリドーマと主要組織
適合性が一致する動物に、プリスタン(2,4,6,1
0,14−テトラメチルペンタデカン)などの鉱物油を
腹水内に投与した後、ハイブリドーマを約10 7個腹腔
内投与する。ハイブリドーマは10〜18日ほどで腹水
腫瘍を形成し、血清および腹水中に高濃度に抗体を産生
する。
【0012】抗ヒトビッグエンドセリン−2抗体の分離
精製は上記したハイブリドーマの培養上清あるいはハイ
ブリドーマを投与された動物の腹水などから、免疫グロ
ブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、
等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEA
E)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合
物あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの活
性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗
体を得る特異的精製法〕に従って行われる。ヒトビッグ
エンドセリン−2の一部領域(たとえばN端部分、C端
部分、中間部分)と反応するモノクローナル抗体を産生
するハイブリドーマおよび、ヒトビッグエンドセリン−
2とは反応するがその一部領域とは反応しないモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマの選別はたとえば
その一部領域に相当するペプチドとハイブリドーマが産
生する抗体との結合性を測定することにより行うことが
できる。
【0013】本発明においては、ヒトビッグエンドセリ
ン−2(配列番号:5)に結合性を有し、エンドセリン
−2(配列番号:2)と反応しないモノクローナル抗体
およびヒトビッグエンドセリン−2 C端ペプチド(配
列番号:7)に結合性を有するモノクローナル抗体が得
られる。
【0014】ヒトビッグエンドセリン−2の測定法には
通常、以下に述べる競合法が用いられるが、後述するサ
ンドイッチ法を用いるのがより好ましい。競合法におい
ては、本発明で得られた抗ヒトビッグエンドセリン−2
抗体と、被検液および標識化ヒトビッグエンドセリン−
2あるいはそのC端ペプチドとを競合的に反応させたの
ち、抗体に結合した標識剤の割合を測定することによ
り、被検液中のヒトビッグエンドセリン−2、あるいは
ヒトビッグエンドセリン−2のC端ペプチドを定量す
る。
【0015】該標識剤あるいは後記の抗体の標識剤とし
ては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質など
が挙げられる。放射性同位元素としては、例えば
125I,131I,3H,14Cなどが、上記酵素としては、
安定で比活性の大きなものが好ましく、例えばβ−ガラ
クトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスフ
ァターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等
が、蛍光物質としては、フルオレスカミン、フルオレッ
センイソチオシアネートなどが、発光物質としては、ル
ミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニ
ンなどがそれぞれ挙げられる。さらに、抗体あるいはヒ
トビッグエンドセリン−2、あるいはそのC端ペプチド
と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いること
もできる。
【0016】上記の標識剤の活性の測定に当っては、抗
体に結合した標識剤と遊離の標識剤とを分離(以後B/
F分離と略す)する必要があるが、標識剤として酵素を
用いた場合には、このための試薬に、測定に用いられる
抗体に対する抗体を不溶化したもの、あるいは不溶化し
たプロテインA等の活性吸着剤が有利に用いられる。例
えば、抗IgG抗体(抗ヒトビッグエンドセリン−2抗
体に対する抗体に相当)を固相として用い、これと反応
性のある上記抗体を介して標識化ヒトビッグエンドセリ
ン−2を固相にある抗IgG抗体に結合させ、該固相上
の標識剤を測定することによって行なうことができる。
標識剤として酵素を用いた場合には、不溶化担体上の酵
素活性の測定には通常の比色法あるいは蛍光法が用いら
れる。標識剤にラジオアイソトープ等、非蛋白性物質を
用いた場合には、B/F分離に上記の試薬以外にも例え
ば不溶化しない抗ヒトビッグエンドセリン−2に結合性
を有する抗体、硫酸ナトリウム、デキストラン炭末、ポ
リエチレングリコール等の試薬が用いられる。いずれの
方法においても上清中あるいは沈降物中の標識剤の活性
を測定する。上記の不溶化に当っては、物理的吸着を用
いてもよく、また通常蛋白質あるいは酵素等を不溶化、
固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよ
い。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロ
ースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリル
アミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等が挙
げられる。
【0017】競合法においては、例えばヒトビッグエン
ドセリン−2の測定の場合、抗ヒトビッグエンドセリン
−2抗体、被検液、標識化ヒトビッグエンドセリン−
2、およびB/F分離用試薬は、どのような順序に反応
させることも可能であり、また全部あるいは一部を同時
に反応させてもよいが、少なくとも標識化ヒトビッグエ
ンドセリン−2は、被検液と抗ヒトビッグエンドセリン
−2抗体との反応と同時に、あるいは反応後に遅れて反
応系に加えられることが好ましい。ただし硫酸ナトリウ
ム、デキストラン炭末、ポリエチレングリコール等のB
/F分離試薬は主として反応系の最後に用いられる。一
方、サンドイッチ法においては不溶化した抗ヒトビッグ
エンドセリン−2抗体に被検液を接触(反応)させ(1
次反応)、さらに標識化抗ヒトビッグエンドセリン−2
抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標
識剤の活性を測定することにより被検液中のヒトビッグ
エンドセリン−2を定量することができる。1次反応と
2次反応は同時に行なってもよいし時間をずらして行な
ってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれ
らに準じることができる。
【0018】2次反応に用いられるヒトビッグエンドセ
リン−2抗体としては、1次反応に用いられる抗ビッグ
エンドセリン−2抗体とはヒトビッグエンドセリン−2
の該抗体と結合する部位が相異なる抗体が好ましく用い
られる。たとえば1次反応で用いられる抗体がヒトビッ
グエンドセリン−2のC端部に結合性を有する場合、2
次反応では、好ましくはC端部以外(例、N端部)と結
合する抗ヒトビッグエンドセリン−2抗体が用いられ、
また1次反応で用いられる抗体がヒトビッグエンドセリ
ン−2のN端部に結合性を有する場合、2次反応では、
好ましくはN端部以外(例、C端部)と結合する抗ヒト
ビッグエンドセリン−2抗体が用いられる。サンドイッ
チ法によるヒトビッグエンドセリン−2の免疫学的測定
法において特に好ましくは、エンドセリン−2とは反応
するが、エンドセリン−2のC端ペプチド、Cys−His
−Leu−Asp−Ile−Ile−Trp(配列番号:8)とは
反応しない抗エンドセリン−2モノクローナル抗体とヒ
トビッグエンドセリン−2C端ペプチド(22−37)
あるいは(22−38)に対するモノクローナル抗体と
が用いられる。サンドイッチ法による免疫測定法におい
ては、固相用抗体および標識用抗体いずれもいかなるク
ラス、サブクラスのものでもよく、また、抗体活性が保
持されているなら、それらからFc’あるいはFc領域
を除去したF(ab’)2画分、Fab’画分あるいはF
ab画分でもよい。サンドイッチ法による免疫測定法に
おいて、モノクローナル抗体を用いる場合、固相用抗体
あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類
である必要はなく、測定感度や特異性を向上させる等の
目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
【0019】また、本発明で得られた抗体を用いる免疫
測定法は、ヒトビッグエンドセリン−2あるいはエンド
セリン−2が関与する疾患の診断および予後管理に使用
し得る。被検試料としては、血漿、血清、尿、脳脊髄
液、腹水、胸水、羊水等の体液や、痰、便などが使用し
得る。これらの試料は、そのまま、あるいは各種緩衝液
で希釈あるいは抽出後濃縮し、イムノアッセイの試料と
し得る。試料の希釈あるいは抽出に用いられる溶媒とし
てはどのような緩衝液あるいは有機溶媒を用いてもよい
が、好ましくはイムノアッセイ用緩衝液、水、生理食塩
水、酢酸緩衝液、アセトン、クロロホルム−メタノール
あるいは、界面活性剤を含むこれらの溶液が用いられ
る。また、濃縮は、試料を直接減圧下、あるいは常圧、
窒素気流下濃縮してもよいし、また試料をイオン交換あ
るいは逆相クロマトグラフィー用担体あるいは抗ヒトビ
ッグエンドセリン−2抗体結合担体に添加したのち、適
当な溶出条件で溶出後、減圧下あるいは常圧、窒素気流
下濃縮しても良い。濃縮用担体として特に好ましくは、
逆相クロマトグラフィー用担体のC2,C8あるいはC
18カートリッジが用いられる。濃縮物はイムノアッセイ
用緩衝液に溶解後、イムノアッセイの試料とする。さら
に、本発明で得られた抗ヒトビッグエンドセリン−2抗
体はヒトビッグエンドセリン−2の免疫組織染色法等に
も用いる事ができる。その方法は、例えば標識化抗ヒト
ビッグエンドセリン−2抗体を用いる直接法、抗ヒトビ
ッグエンドセリン−2抗体および該抗体に対する抗体の
標識化されたものを用いる間接法等に準ずることができ
る。
【0020】本発明明細書においてアミノ酸等を略号で
表示する場合、IUPAC−IUBCommission on Bioc
hemical Nomenclature による略号あるいは当該分野に
おける慣用略号に基づくものであり、その例を下記す
る。アミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に
明示しなければL−体を示すものとする。 PAM :フェニルアセタミドメチル BHA :ベンツヒドリルアミン Boc :t−ブチルオキシカルボニル Cl−Z:2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Bг−Z:2−ブロモーベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル OBzl:ベンジルエステル Tos :p−トルエンスルホニル MeBzl:4−メチルベンジル Acm :アセトアミドメチル HOBt:1−ベンゾトリアゾール DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド PBS :リン酸緩衡化生理食塩水 PMSF:フェニルメチルスルホニルフルオライド Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Met :メチオニン Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン Cys :システイン Glu :グルタミン酸 Trp :トリプトファン Pro :プロリン
【0021】
【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれに限定されるべきものではな
い。
【0022】後述の実施例で用いられているマウスモノ
クローナル抗体bET−20aを産生するハイブリドー
マ細胞bET−20は財団法人発酵研究所(IFO)に受託
番号IFO 50256として平成2年9月21日から
寄託されている。また、該ハイブリドーマは通商産業省
工業技術院微生物工業研究所(FRI)に受託番号FERM
BP−3132としてブダペスト条約に基き平成2年
10月16日から寄託され、FRIに保管されている。
【0023】実施例1 I ペプチドの合成 (I−1)bigET−2(22−37): H−Val−A
sn−Thr−Pro−Glu−Gln−Thr−Al
a−Pro−Tyr−Gly−Leu−Gly−Asn
−Pro−Pro−OH(配列番号:7,Xaa=Pr
o)の合成 市販の Boc-Pro-OCH2-PAM樹脂 (アプライド バイオシ
ステムズ社製) 0.77g(0.5 n mole)を用い、ペプチド合
成機(アブライド バイオシステムズ社製モデル430A)
を使用し、合成した。樹脂上のBoc基を50%トリフルオ
ロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊離させた
後、このアミノ基に、Boc-Pro, Boc-Asn, Boc-Gly, Boc
-Leu, Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Ala, Boc-Thr(Bzl), Boc-Gl
n, Boc-Glu(OBzl), Boc-Valをbig ET-2(22-37)のアミノ
酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。さらにDC
Cまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導体で
再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸でアセ
チル化し、bigET-2(22−37)-OCH2-PAM樹脂 2.35gを得
た。
【0024】この樹脂0.30gをp−クレゾール0.55g共
存下無水フッ化水素5mlで0℃, 60分間処理した後、フ
ッ化水素を減圧留去し、残渣をエチルエーテル5mlで2
回洗浄した後、残渣を50%-酢酸水5mlで抽出した。不
溶物を濾去し、50%-酢酸水5mlで洗浄した。濾液、洗
液を合し、2〜3mlに減圧濃縮し、セファデックスLH
−20(2×90cm)のカラムに付し、50%-酢酸で溶出し
た。主要画分を集め濃縮し0.1%トリフルオロ酢酸水100
mlに溶解し、YMC−ODS AM120 S−50樹
脂カラム(2.6×7cm)に付し、0.1%トリフルオロ酢酸
水と50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)
の間での直線型濃度勾配で溶出した。主要画分を合
し、凍結乾燥し、白色粉末77mgを得た。 アミノ酸分析値 Asp 1.92(2), Thr 1.76(2), Glu 2.04(2), Gly 2.00
(2), Ala 1.02(1), Val 1.00(1), Pro 3.90(4), Leu 0.
99(1), Tyr 0.95(1), 質量分析による (M+H)+ 1654.776 HPLC溶出時間 20.0分 カラム条件 カラム: WAKOSIL 5C18-200(4.6×250) 溶離液: A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0ml/分 (I−2) big ET-2(1-37);H-Cys-Ser-Cys-Ser-Ser-Trp-
Leu-Asp-Lys-Glu-Cys-Val-Tyr-Phe-Cys-His-Leu-Asp-Il
e-Ile-Trp-Val-Asn-Thr-Pro-Glu-Gln-Thr-Ala-Pro-Tyr-
Gly-Leu-Gly-Asn-Pro-Pro-OH(配列番号:5,Xaa=
Pro)の合成 市販の Boc-Pro-OCH2-PAM樹脂 (アプライド バイオシ
ステムズ社製) 0.78g(0.5 n mole)を用い、ペプチド合
成機(アプライド バイオシステムズ社製モデル430A)
を使用し、合成した。樹脂上のBoc基を50%トリフルオ
ロ酢酸/塩化メチレンで処理し、アミノ基を遊離させた
後、このアミノ基に、Boc-Pro, Boc-Asn, Boc-Gly, Boc
-Leu, Boc-Tyr(Br-Z), Boc-Ala, Boc-Thr(Bzl), Boc-Gl
n, Boc-Glu(OBzl), Boc-Val, Boc-Trp(CHO), Boc-Ile,
Boc-Asp(0Bzl), Boc-His(DNP), Boc-Cys(MeBzl),Boc-Ph
e, Boc-Lys(Cl-Z), Boc-Ser(Bzl)をbig ET-2(1-37)のア
ミノ酸配列通り順にHOBt/DCCで活性化し縮合した。さら
にDCCまたは、HOBt/DCCで活性化した同じアミノ酸誘導
体で再度縮合をした後、未反応のアミノ基は無水酢酸で
アセチル化し、保護されたbig-ET-2(1-37)-OCH2-PAM 樹
脂を得た。これをN,N'-ジメチルホルムアミド30mlに懸
濁し、チオフェノール3mlを加え、室温で2時間ゆるや
かに撹拌した後グラスフィルター上に樹脂を濾過し、N,
N'-ジメチルホルムアミドとジクロロメタンで洗浄の後
乾燥し3.36gの樹脂を得た。
【0025】この樹脂0.71gをp−クレゾール1.50g,
1,4−ブタンジチオール1.0ml共存下無水フッ化水素 10m
lで0℃, 60分間処理した後、フッ化水素を減圧留去
し、残渣をエチルエーテル5mlで2回洗浄した後、残渣
をトリフルオロ酢酸4mlで抽出した。不溶物を濾去し、
トリフルオロ酢酸2mlで2回洗浄した。これを2.5M-ウ
レア水溶液750mlにそそぎ、氷冷下にpH8.25に調節し、
緩やかに空気を吹き込みながら一晩撹拌した。Ellmanテ
ストが陰性になったことを確認した後、全溶液をYMC
−ODS AM120 S−50樹脂カラム(2.6×7c
m)に付し、0.1%トリフルオロ酢酸水と50%アセトニト
リル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)の間での直線型濃
度勾配で溶出した。主要画分を合し、濃縮した後セファ
デックスLH−20(2×90cm)のカラムに付し、50%-酢
酸で溶出した。主要画分を凍結乾燥し、白色粉末35mg
を得た。これを20%アセトニトリル10mlに溶解し、DEAE
セルロファインカラム(2.6×6cm)に付し、同溶媒と
アセトニトリル20%含有の0.5M−酢酸アンモニウムと
の直線型濃度勾配で溶出し、主要画分を再度YMC−O
DS AM120 S−50樹脂カラム(2.6×7cm)に
付し、29%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含
有)で溶出し、主要画分を凍結乾燥し、7mgの白色粉末
を得た。
【0026】アミノ酸分析値 Asp 3.84(4), Thr 1.76(2), Ser 2.87(3), Glu 3.04
(3), Pro 4.22(4), Gly 2.11(2), Cys 1.20(2),Val 1.8
3(2), Ile 1.77(3), Leu 3.00(3), Tyr 1.90(2), Phe
0.95(1), Lys 0.93(1), His 0.88(1) 質量分析による (M+H)+ 4181.731 HPLC溶出時間 26.5分 カラム条件 カラム: WAKOSIL 5C18-200(4.6×250) 溶離液: A液(0.1%-トリフルオロ酢酸水) B液(0.1%-トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル) を用いA液からB液へ直線型濃度勾配溶出(50分) 流速 : 1.0ml/分 II.抗bigET−2(22−37)モノクローナル抗体の
作製 (II−1)免疫原の作製 上記Iで得られたbigET−2(22−37)と牛チログ
ロブリン(TG)とを以下に述べるマレイミド架橋法に
より縮合させ、免疫原とした。即ち、ポリペプチド1.9
μmoleを400μlの0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8に溶
解させ、N−(γ−マレイミドブチリロキシ)サクシニ
ミド(以下GMBS)28.2μmoleを含むDMF溶液100
μlと混合し、室温で60分反応させた。一方、TG 20
mg(40 nmole)を0.15M食塩を含む 0.02Mリン酸緩
衝液、pH 6.8、1.4mlに溶解させ、N−サクシニミ
ジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(以
下SPDPと略す)2.5mg(8.0 μmole)を含むDM
F溶液100μlを混合したのち室温40分間反応させた。
反応後、ジチオスレイトール 24.6mg(160 μmole)
を含む0.1M酢酸緩衝液、pH 4.5、0.5mlを加え、室
温20分反応させたのち、セファデックスG−25カラムで
分画を行ない、SH基の導入されたTG10mg(20 nm
ole)を得た。次にマレイミド基導入ポリペプタイド 95
0nmoleと、SH基導入TG 12nmole とを混合し、4
℃で2日間反応させたのち、生理食塩水に対し、4℃で
2日間透析した。
【0027】(II−2)免疫 6〜8週令のBALB/C雌マウスに上記II−1記載の
免疫原100 μg/匹をアジュバントとともに皮下免疫し
た。以後3週間おきに2〜3回追加免疫を実施した。 (II−3)西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識
化bigET−2(22−37)の作製 bigET−2(22−37) 650 nmoleを400μlの0.1M
リン酸緩衝液、pH 6.8に溶解させ、GMBS 2.7mg
(9.8μmole)を含むDMF溶液 100μlと混合し、室
温で60分反応させた。反応後、セファデックスG−25
カラムで分画を行ないマレイミド基の導入されたポリペ
プチド390nmoleを得た。一方、HRP 8mg(200nmo
le)を0.15M食塩を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH 6.
8、1.14mlに溶解させ、SPDP 1.56mg(5.0μmole)
を含むDMF溶液60μlを混合したのち室温40分間反応
させた。反応後、ジチオスレイトール10.5mg(68μmol
e)を含む 0.1M酢酸緩衝液、pH4.5、0.4mlを加
え、室温20分反応させたのち、セファデックスG−25カ
ラムで分画を行ない、SH基の導入された酵素4.8mg
(120 nmole)を得た。次に、マレイミド基導入big
ET−2(22−37) 390nmoleとSH基導入ペルオキシ
ダーゼ120nmole とを混合し、4℃、16時間反応させ
た。反応後、ウルトロゲルAcA44(LKB−ファルマ
シア社製)カラムで分画し、ペルオキシダーゼ標識化b
igET−2を得た。
【0028】(II−4)細胞融合 bigET−2(22−37)を免疫中のマウスに対して、2
50μgの免疫原を生理食塩水 0.25mlに溶解させたもの
を静脈内に接種することにより最終免疫を行なった。最
終免疫3日後のマウスから脾臓を摘出し、ステンレスメ
ツシュで圧迫、ろ過し、イーグルズ・ミニマム・エツセ
ンシヤルメデイウム(MEM)に浮遊させ、脾臓細胞浮
遊液を得た。細胞融合に用いる細胞として、BALB/
Cマウス由来ミエローマ細胞 P3−× 63.Ag8.U1
(P3U1)を用いた〔カレント トピツクス イン マ
イクロバイオロジー アンド イムノロジー、81、1(19
78)〕。細胞融合は、原法〔ネイチャー、256、495(197
5)〕に準じて行なった。即ち、脾臓細胞およびP3U1
をそれぞれ血清を含有しないMEMで3度洗浄し、脾臓
細胞とP3U1数の比率を5:1になるよう混合して、
800 回転で15分間遠心を行なって細胞を沈殿させた。上
清を充分に除去した後、沈殿を軽くほぐし、45%ポリエ
チレングリコール(PEG)6000(コッホライト社製)
を0.3ml加え、37℃温水槽中で7分間静置して融合を行
なった。融合後細胞に毎分2mlの割合でMEMを添加
し、合計12mlのMEMを加えた後 600回転15分間遠心
して上清を除去した。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清
を含有するGITメデイウム(和光純薬)(GIT−1
0FCS)にP3U1が1ml当り2× 106個になるよ
うに浮遊し、24穴マルチデイシユ(リンブロ社製)に1ウ
ェル1mlずつ 120ウェルに播種した。播種後、細胞を
37℃で5%炭酸ガスフラン器中培養した。24時間後H
AT(ヒポキサンチン1×10~4M、アミノブリテリン4
×10~7M、チミジン 1.6×10~3M)を含んだGIT−10
FCS培地(HAT培地)を1ウェル当り1mlずつ添
加することにより、HAT選択培養を開始した。HAT
選択培養は、培養開始3、6、9日後に旧液を1ml捨
てたあと、1mlのHAT培地を添加することにより継
続した。ハイブリドーマの増殖は、細胞融合後9〜14日
で認められ、培養液が黄変したとき(約1×106セル/m
l)、上清を採取し、後述するEIA法で、抗体価を測
定した。
【0029】(II−5) ハイブリドーマのスクリーニ
ング ハイブリドーマ培養上清中の抗体価を以下の方法により
測定した。まず、抗マウスイムノグロブリン抗体結合マ
イクロプレートを作製した。抗マウスイムノグロブリン
抗体(IgG画分、カッペル社製)を 20μg/ml含む
0.1M炭酸緩衝液、pH 9.6溶液を 96ウェルマイクロプ
レートに 100μlずつ分注し、4℃で24 時間放置し
た。次に、プレートをPBSで洗浄したのち、ウェルの
余剰の結合部位をふさぐため25%ブロックエース(雪印
乳業社製)を含むPBSを300μlずつ分注し、少なく
とも4℃で 24時間処理した。次に、該プレートにバッ
ファーE(10%ブロックエース、2mg/ml BSA、
0.4M NaCl、2mM EDTAおよび0.1%NaN3
を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7.0)50μlおよびハイ
ブリドーマ培養上清50μlを加え、室温4時間反応させ
た。反応後、PBSで洗浄したのち、上記II−3で作製
したHRP標識化bigET−2(22−37)〔1%BS
A 0.4M NaCl,2mM EDTAを含む0.02Mリン
酸緩衝液、pH7(バッファーC)で100倍希釈〕100μl
を加え、4℃で16時間反応させた。反応後PBSで洗浄
したのち、固相上の酵素活性をTMBマイクロウェルペ
ルオキシダーゼ基質システム(KIRKEGAARD & PERRY LA
B,INC. フナコシ薬品(株)取扱い)を100μl加え、室
温で20分反応させた。1Mリン酸100μlを加え、反応
を停止させたのち、450nmの吸収をプレートリーダー
(MTP−32,コロナ社製)で測定した。このようにし
て、ハイブリドーマの増殖が認められた全240ウェルの
上清を調べたところ、No.70,96,101および196のウ
ェルに強い抗体価が検出された。
【0030】(II−6)クローニング 抗体活性が陽性を示したNo.70,96,101および196の
ウェルの各ハイブリドーマを限界希釈法によるクローニ
ングに付した。即ちハイブリドーマが 1.5個/mlにな
るようRPMI1640−20FCSに浮遊させ、96穴マイク
ロプレート(ヌンク社製)に1ウェル当り 0.2mlずつ分
注した。分注する際、フィーダー細胞としてBALB/
Cマウスの胸腺細胞をウェル当り5× 105個になるよう
に加えた。約1週間後には細胞の増殖が認められるよう
になり、上清中の抗体価を上記II−5記載のEIA法に
より調べたところ、No.70のハイブリドーマでは 30ク
ローン中12クローンが、No.96のハイブリドーマでは7
0クローン中6クローンが、No.101のハイブリドーマ
では30クローン中25クローンが抗体を産生していた。こ
れらのクローンのうち、bET−20(No.70のクロー
ンに由来)、bET−22(No.96のクローンに由来)
およびbET−24(No.101のクローンに由来)を選択
した。さらにNo. 196のハイブリドーマからは、3回の
クローニングののち、bET−25クローンを選択し
た。
【0031】(II−7)モノクローナル抗体のクラス・
サブクラスの決定 次に、培養上清を用いて、これらのクローンが産生する
モノクローナル抗体、bET−20a、bET−22
a、bET−24aおよびbET−25aのクラス、サ
ブクラスを調べた。まずマイクロプレートに、bigE
T−2(22−37)を物理吸着により固定した。即ちbi
gET−2(22−37)を5μg/mlの濃度で、0.1M炭
酸緩衝液、pH9.6に溶解し、100μlずつ各ウェルに分
注した。4℃で1日放置したのち、PBSで洗浄し、上
記II−5で述べた方法に従って、ウェルの余剰の結合部
位をブロックエースでふさいだ。このようにして作製し
たbigET−2(22−37)結合マイクロプレートを用
いて、アイソタイプタイピングキット( Mouse-Typer
(登録商標)Sub-Isotyping Kit バイオラッド社製)を
用いるエンザイム−リンクトイムノソーベントアッセイ
(ELISA)によってクラス、サブクラスを調べた。
その結果bET−20a、bET−22a、bET−2
4aおよびbET−25aは全て、IgG1、κクラス
に属することが分かった。
【0032】(II−8)大量のモノクローナル抗体の調
製 ミネラルオイル 0.5mlを腹腔内投与されたマウス、あ
るいは未処置マウス(BALB/C)にハイブリドーマ
bET−20、bET−22あるいはbET−24 1
〜3×106セル/匹を腹腔内注射したのち、10〜30日後
に抗体含有腹水を採取した。次に、bET−20の腹水
から常法に従って、Protein Aカラム(IPA-300,Re
pligen 社製)によりモノクローナル抗体を精製した。
その結果、腹水1mlより5.8mgの抗体が精製され
た。
【0033】実施例2.競合法−EIA 上記II−5記載の抗マウスイムノグロブリン抗体結合マ
イクロプレートに、バッファーCで希釈した抗bigE
T−2モノクローナル抗体含有培養上清50μl、および
各bigET C端ペプチド(特開平2−238894号、特
願平2−194081号)を加え、室温で1時間反応させたの
ち、上記II−3記載HRP標識化bigET−2(22−3
7)(バッファーCで100倍希釈)を加え、4℃で16時間
反応させた。抗bigET−2モノクローナル抗体含有
培養上清の希釈倍数としては、bET−20(×75)、
bET−22(×20)、bET−24(×15)およびb
ET−25(×5)を用いた。結果を図1に示す。図
中、−●−がbigET−2(22−37)、−○−がbi
gET−1(22−38)、−△−がbigET−3(22−4
2)および−□−がbigET−3(22−41)NH2を示
す。図1から、これらの抗体を用いることにより、約3
〜12ng/ml(約0.15ng〜0.6ng/well)の
bigET−2(22−37)を測定し得ることがわかる。
また、これらの抗体はbigET−1あるいはbigE
T−3のC端ペプチドとはほとんど交差反応しないこと
が明らかとなった。
【0034】実施例3.サンドイッチ法−EIA (1)bET−20aのF(ab')2画分の調製 上記実施例II−7記載のbET−20aをコロジオンバ
ッグ(エムエス機器社製)で7.5mg/mlにまで濃縮し
たのち、0.1M NaClを含む0.1M酢酸緩衝液(pH
4.5)に対し透析した。該抗体溶液1mlにペプシン
(シグマ社、2回結晶)0.19mgを加え、37℃、20時間
反応させたのち、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8で平衡化
したスーパーロース12カラムを用いるFPLC(ファル
マシア社製)でF(ab')2画分を精製した。 (2)HRP標識化bET−20a F(ab')2の作製 上記実施例3の(1)記載bET−20a F(ab')2
画分1.6mg(16n mole)/ml、1mlにGMBS、225n
moleを含むDMF50μlを加え、室温で60分反応させ
た。反応液をセファデックスG−25カラム(1×30cm、
溶離液、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8)で分離し、得ら
れたマレイミド基の導入されたF(ab')2画分と、上記
実施例1のII−3記載の方法により調製されたSH基の
導入されたHRP5.5mgとを混合し、コロジオンバッ
グで約0.3mlにまで濃縮したのち、4℃で16時間放置し
た。反応液を溶離液に0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5を用
いるウルトロゲルAcA44カラム(10mmφ×40mm)に供
し、F(ab')2−HRP複合体画分を精製した。
【0035】(3)サンドイッチ法−EIA サンドイッチ−EIAの固相用抗体として、ET−1の
N端部を認識するモノクローナル抗体で、ET−2とも
160%の交差反応性を示す、AwETN40〔ジャーナル
・オブ・イムノロジカル・メソッズ(J. Immunol. Meth
ods),118, 245(1989),バイオケミカル・アンド・バイ
オフィジカル・リサーチ・コミュニケーション(Bioche
m. Biophys. Res. Commun., 164, 74(1989)〕を用い
た。精製したAwETN40 20μg/mlを含む 0.1M
炭酸緩衝液、pH 9.6溶液を 96ウェルマイクロプレー
トに100μlずつ分注し、4℃で24時間放置した。ウェ
ルの余剰の結合部位をPBSで4倍希釈したブロックエ
ース(雪印乳業社製、大日本製薬社販売 )300μlを加
え不活化した。以上のように調製したプレートにバッフ
ァーEで希釈したbigET−2(1−37)、bigET
−1(1−38)(ヒト)、bigET−3(1−41)NH
2(ペプチド研究所より購入)およびET−2(ペプチ
ド研究所より購入)標準液100μlを加え、4℃で24時
間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記実施例3の
(2)で作製したbigET−2(1−37)F(ab’)
2−HRP(バッファーCで150倍希釈)100μlを加え、
4℃で24時間反応させた。PBSで洗浄したのち、上記
実施例1のII−5記載の方法により固相上の酵素活性を
測定した。結果を図2に示す。図中、−●−がbigE
T−2(1−37)、−○−がbigET−1(1−38)(ヒ
ト)、−△−がbigET−3(1−41)NH2、また−
▲−がET−2の標準曲線を示す。この測定法を用いる
ことにより、1pg/ml(0.1pg/well)のb
igET−2(1−37)を、bigET−1(1−38)ある
いはbigET−3(1−41)NH2と0.1%以下の交差反
応性で検出し得ることが分った。即ち、本発明のbig
ET−2(22−37)(ヒト)に対するモノクローナル抗
体と、bigET−2(1−37)のN端部を認識するモ
ノクローナル抗体とを用いるサンドイッチ法による免疫
学的測定法によりbigET−2(1−37)を、big
ET−1(1−38)、bigET−3(1−41)NH2,E
T−2と交差反応することなく、極めて高感度に測定す
ることができる。
【0036】実施例4.ヒト腎ガン細胞ACHNの培養
上清中のbigET−2免疫活性の検出と同定 ヒト腎ガン細胞ACHNはET−2を産生することが知
られている(フェブスレターズ(FEBS Lett.), 274, 13
6-140, 1990)。そこで、実施例3で作製したサンドイッ
チ−EIAを用いて、ACHNの産生するbigET−
2免疫活性の検出と同定を行なった。ACHN細胞を1
0%のウシ胎児血清と非必須アミノ酸液(大日本製薬販
売)を含むイーグルミニマムエッセンシャルメディウム
中で培養し、コンフルエント2日後の培養上清4リット
ルを得た。該上清をゲル体積1.5mlのAwETN4
0結合固相〔3mgのAwETN40を1gのTres
yl Toyopearl(TOSOH社製)に常法に
従い結合させたもの〕に供し、PBS 10 mlで洗浄
したのち、3mlの蒸留水で洗浄し、1mlの0.1%
TFA含有60%CH3CNで溶出した。溶出液をSp
eed Vac(Sarvant社製)で濃縮し、逆相
−HPLCで分析した。逆相−HPLCの条件は以下の
通りである。カラムはTSK,ODS−80TM(4.
6×250mm,TOSOH社製)、溶出条件はA液:
5%CH3CN,0.5%TFA;B液:60%CH3
N,0.5%TFAであり、B液の割合を最初の5分間
で0から40%に、次の20分間で40から65%に、
さらに次の5分間に65から100%に上昇させ、1m
l/分の流速で溶出した。各分画(0.5ml)から一
部をとり、実施例3記載のサンドイッチ−EIAで測定
した。標準試料としてbigET−3(1−41)N
2、ET−3、bigET−1、ET−1、bigE
T−2(1−37)およびET−2(以上ペプチド研
製)、さらにbigET−2(1−38)(特願平3−
143127号)を用い、その溶出位置を調べた。溶出
結果を図3に示す。ACHNの培養上清には、bigE
T−2免疫活性が検出され、その溶出位置から、その分
子種はbigET−2(1−38)であることが明らか
になった。
【0037】実施例5.ヒト血漿中のbigET−2免
疫活性の検出と同定 健常人血漿30mlを以下のプロテアーゼ阻害剤を含む
等量のPBS(0.2mM PMSF,2μM E64,
2μg/mlペプチタチン,2μg/mlロイペプチ
ン、2mM EDTA,2000KIU/mlアプロチ
ニンおよび0.6mMホスホラミドン)で希釈した。次
に実施例4記載の方法により、bigET−2免疫活性
をAwETN40結合固相により濃縮し、逆相−HPL
Cで分析した。結果を図4に示す。健常人血漿中にもb
igET−2免疫活性が検出され、その主たる分子種は
bigET−2(1−38)であることが明らかとなっ
た。
【0038】
【効果】本発明のヒトビッグエンドセリン−2あるいは
そのC端ペプチドに結合性を有するモノクローナル抗体
を用いることにより、ビッグエンドセリン−1,ビッグ
エンドセリン−3やET−2と交差反応することなく、
極めて高感度にヒトビッグエンドセリン−2を測定する
ことができる。この測定法は、培養細胞およびヒト血漿
中のbigET−2を検出し得ることからbigET−
2の生理的、病態生理的役割の解明におおいに役立つも
のである。
【0039】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys
Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0040】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0041】配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20。
【0042】配列番号:4 配列の長さ:38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro Glu His Val Val Pro Tyr Gly 20 25 30 Leu Gly Ser Pro Arg Ser 35。
【0043】配列番号:5 配列の長さ:37 又は 38 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴: 存在位置:37 他の情報:Xaa=Pro またはPro Arg 配列 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro Glu Gln Thr Ala Pro Tyr Gly 20 25 30 Leu Gly Asn Pro Xaa 35。
【0044】配列番号:6 配列の長さ:41 又は 42 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴: 存在位置:42 他の情報:Xaa=Gly-OH またはNH2 配列 Cys Thr Cys Phe Thr Tyr Lys Asp Lys Glu Cys Val Tyr Tyr Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp Ile Asn Thr Pro Glu Gln Thr Val Pro Tyr Gly 20 25 30 Leu Ser Asn Tyr Arg Gly Ser Phe Arg Xaa 35 40。
【0045】配列番号:7 配列の長さ:16 又は 17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:C末端型フラグメント 配列の特徴: 存在位置:16 他の情報:Xaa=Pro またはPro Arg 配列 Val Asn Thr Pro Glu Gln Thr Ala Pro Tyr Gly Leu Gly Asn Pro Xaa 1 5 10 15。
【0046】配列番号:8 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメント型:N末端型フラグメント
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクローナル抗bigET−2(22−37)抗
体4種類を用いた競合法−EIAによる、bigET−
2(22−37)(−●−)、bigET−1(22−38)(−
○−)、bigET−3(22−42)(−△−)、および
bigET−3(22−41)NH2(−□−)の測定結果
を示している。
【図2】bigET−2のN端部に対する抗体と本発明
により得られたC端部に対する抗体を用いたサンドイッ
チ法−EIAによる、bigET−2(1−37)(−●
−)、bigET−1(1−38)(−○−)、bigE
T−3(22−41)NH2(−△−)およびET−2(−
▲−)の測定結果を示している。
【図3】腎臓ガン細胞ACHNの産生するbigET−
2免疫活性の、逆相−HPLCによる分析および本発明
により得られたサンドイッチ−EIAによる検出結果を
示しており、bigET−2(1−38)が主たる分子種
であることが明らかにされた。
【図4】健常人血漿中bigET−2免疫活性の、逆相
−HPLCによる分析および本発明により得られたサン
ドイッチ−EIAによる検出結果を示しており、big
ET−2(1−38)が主たる分子種であることが明らか
にされた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B 9015−2J // C12N 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトビッグエンドセリン−2あるいはその
    C端ペプチドに結合性を有するモノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】ヒトビッグエンドセリン−2が式 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu
    Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His Leu
    Asp Ile Ile Trp Val Asn Thr Pro Glu Gln
    Thr Ala Pro Tyr Gly Leu Gly Asn Pro Xaa
    (ただし、Xaa=ProまたはXaa=Pro Ar
    gである) のアミノ酸配列を有するものである、請求項1記載のモ
    ノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】ヒトビッグエンドセリン−2に結合性を有
    し、式 Cys Ser Cys Ser Ser Trp Leu
    Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His Leu
    Asp Ile Ile Trp のアミノ酸配列を有するエンドセリン−2と反応しな
    い、請求項1記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】式 Val Asn Thr Pro Glu Gln Thr
    Ala Pro Tyr Gly Leu Gly Asn Pro Xaa(ただ
    し、Xaa=ProまたはXaa=Pro Argであ
    る) で表わされるヒトビッグエンドセリン−2 C端ペプチ
    ドに結合性を有する、請求項3記載のモノクローナル抗
    体。
  5. 【請求項5】bET−20aである、請求項4記載のモ
    ノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】ヒトビッグエンドセリン−2あるいはその
    C端ペプチドに結合性を有するモノクローナル抗体を産
    生するハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】bET−20である、請求項6記載のハイ
    ブリドーマ。
  8. 【請求項8】請求項6記載のハイブリドーマを培養する
    ことを特徴とするヒトビッグエンドセリン−2あるいは
    そのC端ペプチドに結合性を有するモノクローナル抗体
    の製造法。
  9. 【請求項9】ヒトビッグエンドセリン−2に結合性を有
    する抗体と、被検液および標識化ヒトビッグエンドセリ
    ン−2あるいは標識化ヒトビッグエンドセリン−2 C
    端ペプチドとを競合的に反応させ、該抗体に結合した標
    識化ヒトビッグエンドセリン−2あるいは標識化ヒトビ
    ッグエンドセリン−2 C端ペプチドの割合を測定する
    ことを特徴とする、被検液中のヒトビッグエンドセリン
    −2あるいはそのC端ペプチドの定量法。
  10. 【請求項10】担体上で不溶化したヒトビッグエンドセ
    リン−2に結合性を有する抗体に被検液を接触させた
    後、標識化されたヒトビッグエンドセリン−2に結合性
    を有する抗体を接触させ、不溶化担体上の標識剤の活性
    を測定することを特徴とする、被検液中のヒトビッグエ
    ンドセリン−2の定量法。
  11. 【請求項11】担体上で不溶化したヒトビッグエンドセ
    リン−2に結合性を有する抗体、および標識化されたヒ
    トビッグエンドセリン−2に結合性を有する抗体の一方
    がヒトビッグエンドセリン−2 C端ペプチドに結合性
    を有するポリクローナル抗体あるいはモノクローナル抗
    体であり、他方がヒトビッグエンドセリン−2に結合性
    を有するが、上記ヒトビッグエンドセリン−2 C端ペ
    プチドとは反応しないポリクローナル抗体あるいはモノ
    クローナル抗体である、請求項10記載のヒトビッグエ
    ンドセリン−2の定量法。
  12. 【請求項12】担体上で不溶化したヒトビッグエンドセ
    リン−2に結合性を有するが、ヒトビッグエンドセリン
    −2 C端ペプチドと反応しないモノクローナル抗体
    と、標識化されたbET−20aとを用いる、請求項1
    1記載のヒトビッグエンドセリン−2の定量法。
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