JPH05183493A - 移動端末の位置登録方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動端末の位置登録を行うデータベースを備
えた通信方式の通信サービス提供者が網内における移動
端末の位置登録情報を正確に把握して精度が高くかつ適
切なトラヒック制御やチャネル割り当て数の決定など行
なえるようにする。 【構成】 網側の位置登録手段は、移動端末に位置登録
指示を行う場合に、位置登録指示を行う移動端末につい
て地域指定を行って、ある特定の地域の移動端末につい
てのみ位置登録を行うように指示して位置登録を行わせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、利用者が携帯する移動
端末を用いる移動通信方式での移動端末の位置登録方式
に関する。本発明は、特に、通信網（以下網という。）
が通信サービスの提供に必要な移動端末の位置情報を収
集する場合の位置登録方式に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の移動端末の位置登録方式には、移
動端末がゾーン等の変化を検出して位置登録信号を基地
局へ送出し、これを受信した基地局が位置登録を実施す
る方法と、定期的に基地局が移動端末を呼び出して応答
させることにより位置登録を実施させる方法とがある。
この基地局が移動端末を定期的に呼び出す方法では、定
期的な呼出間隔は基地局で管理され、必要に応じて変更
できる。さらに上記２方法を組み合わせた位置登録方法
がある。

【０００３】移動端末からの自主的な位置登録要求によ
り位置登録を行う方法と基地局から呼び出しを行って位
置登録を行う方法とを組み合わせた場合、一つの移動端
末における一つの状態に対して、最初の位置登録は移動
端末が状態（例えばエリアや端末設置環境など）の変化
を検出して発する位置登録信号によっている。２回目以
降は、基地局から定期的に行われる位置登録要請に応答
する形式で行われる。この場合の基地局から位置登録要
請を行う位置登録要請信号の構成を図３に示す。この位
置登録要請信号は、移動端末番号と位置登録信号を網に
対して送出するように指令する位置登録信号送出命令と
から構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の基地
局から定期的に移動端末に対して位置登録要請を行う方
式では、基地局は位置登録を要請する移動端末を指定す
るため、移動端末を一つずつ呼び出す必要があった。ま
た、初期登録のため、あらかじめ移動端末からの位置登
録信号が基地局で受信されている必要があった。さら
に、基地局から定期的な呼び出しを行う場合にも、エリ
アや端末状態が変化して位置登録信号を基地局へ送る必
要が生じた移動端末は自動的に基地局へ位置登録信号を
送出し続ける必要があった。このため、通信サービス提
供者は位置登録の情報によって移動端末の現況を精度よ
く把握して適切な通信サービスを提供することが難しい
問題があった。

【０００５】本発明は、このような問題を解決するもの
で、移動端末を利用する移動通信方式において、サービ
ス提供者が網内における移動端末の位置情報を正確に把
握することができる位置登録方式を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、移動端末の位
置情報を記憶する位置登録データベースを網内に備え、
網の位置登録手段は、移動端末に対して位置登録信号の
送出を指令する位置登録要請信号を送出する手段と、こ
の信号に応答する移動端末からの位置登録信号を受信し
てこの位置登録信号に基づいて上記位置登録データベー
スに位置情報を登録する手段とを備え、移動端末は、上
記位置登録要請信号を受信すると自機の位置登録信号を
送出する手段を備えた移動端末の位置登録方式におい
て、上記位置登録手段は、ある特定の地域に属する移動
端末に対して位置登録信号の送出を指令する地域指定手
段を含むことを特徴とする。

【０００７】なお、位置登録要請信号は、位置登録信号
の送出を指令する送出命令とともにある特定の地域を指
定する信号を含むことができる。また、位置登録要請信
号は、位置登録信号の送出が指令されたある特定の地域
の周辺地域の移動端末の位置登録信号の送出を禁止する
送出停止命令を含むことができる。

【０００８】さらに、位置登録要請信号は、ある特定の
地域内の移動端末の位置登録要求を禁止する送出停止命
令を含むこともできる。

【０００９】

【作用】本発明は、網からの移動端末に対する位置登録
要請方式において、移動端末に対する地域指定を行う点
に特徴がある。すなわちある特定のエリアに所在する移
動端末に対してのみ位置登録信号を送出するように指令
する位置登録要請信号を送出し、指定されたエリアに所
在する指定された移動端末のみが位置登録信号を送出す
る。この位置登録信号により網の位置登録データベース
の位置情報が更新あるいは登録される。この結果、網は
ある特定のエリアに属する移動端末数等の存在状況を位
置登録データベースの位置情報に基づいて把握でき、精
度の高いトラヒック予測を行って、チャネル割り当て数
の決定あるいはトラヒック制御ができる。

【００１０】また、指定地域以外のエリアに属する移動
端末に対しては自発的な位置登録信号の送出を一時的に
停止することを指令する位置登録要請信号を送出するこ
とにより、位置登録要請シーケンスが行われている場合
の他のエリアからの位置登録手続きを一時停止させるこ
とも可能である。

【００１１】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１２】まず図２に本発明の位置登録手順が実施さ
れる移動端末を含む移動通信方式の構成および位置登録
の手順を示す。

【００１３】本発明実施例の移動通信方式の構成を説明
する。移動端末ａの位置情報を登録する位置登録データ
ベースｈは伝達網ｇに接続されている。また、伝達網ｇ
には移動端末に対する位置登録指示、あるいは制御を行
うオペレーションシステムｉが接続されている。各無線
基地局ｄを集約する交換機ｆが伝達網ｇに接続されてい
る。無線基地局ｄは無線ゾーンを形成し、移動端末ａに
対する呼び出しエリアｃ１、ｃ２・・を形成する。な
お、呼び出しエリアｃは複数の無線基地局エリアで構成
されている。

【００１４】ここで、本発明の特徴とする点は、オペレ
ーションシステムｉが指示し、無線基地局ｄから移動端
末ａに対して位置登録信号を送出するように指示する位
置登録要請信号は、ある特定の呼び出しエリア内の移動
端末のみが位置登録信号を送出するように命令する信号
構成となっている点にある。

【００１５】次に本実施例による移動端末ａの位置登録
手順を説明する。

【００１６】オペレーションシステムｉは、必要なとき
に位置登録指示および制御信号を任意の呼び出しエリア
（例えばｃ１、ｃ２）あるいは任意の無線基地局エリア
へ送出する（）。上述のように一般に呼び出しエリア
は複数の無線基地局エリアで構成されており、オペレー
ションシステムｉは自由に呼び出しエリアを設定でき、
位置登録指示を行う地域を設定できる。この位置登録指
示および制御信号は該当するエリアの無線基地局ｄから
制御信号により移動端末ａに通知される（）。

【００１７】この制御信号の構成を説明する。図１は無
線基地局から移動端末に通知される位置登録要請信号の
構成を示すものである。すなわち、位置登録信号を送出
するように移動端末に指示する位置登録信号送出命令と
ともに、呼び出しエリアや無線基地局コード（無線ゾー
ンの識別コードに対応）の登録位置の指定情報の呼び出
しエリアコードを含む。また位置登録の対象が指定エリ
ア内の全移動端末か特定の移動端末番号をもつ移動端末
かを指定する情報を含んでいる。

【００１８】さらに、位置登録要請信号には、移動端末
からの自発的な位置登録要求を一時停止させる位置登録
信号送出停止命令を含むことができる。このような位置
登録の一時停止としては、例えば呼び出しエリアがｃ２
の場合に、隣接するｃ１のエリアに対して位置登録を一
時停止するような制御信号を送出する場合である
（）。この位置登録信号送出停止命令を含む制御信号
は、複数のエリアで共通使用することができ、位置登録
要請シーケンスが動作中に指定エリア以外、あるいは指
定エリアを含めた移動端末からの自発的位置登録要求を
停止させる。これは、位置登録要請により位置登録を行
っている間に生ずる移動端末からの自発的な位置登録要
求を一時停止することにより、本発明による位置登録要
請シーケンスに基づく計測の精度を高めるものである。
この移動端末の位置登録要求の一時停止を指令する命令
は、位置登録要請を行う指定エリアの周辺のエリアに対
して行う場合と、位置登録要請を行う指定エリア内の移
動端末に行う場合とがある。位置登録要請を行う指定エ
リア内へ行う場合には、位置登録信号送出命令とともに
自発的な位置登録を禁止する命令との両方の命令を含む
信号構成となる。

【００１９】呼び出しを受けた該当移動端末ａは、位置
登録信号を送出する（）。移動端末ａは位置登録受付
け信号を受け取るまで周期的に位置登録信号を送出する
ことは従来の位置登録方式と同じである。このとき、複
数の移動端末からランダムに送出される位置登録信号を
受け付ける方法は従来の位置登録方式と同じである。

【００２０】網では、移動端末ａから送出された位置登
録信号に加えて、位置の確定に必要な呼び出しエリアコ
ードや無線基地局のコードとともに、位置登録データベ
ースｈへ通知される。位置登録データベースｈでは、こ
れらの情報をもとに位置登録情報更新を行う（）。位
置登録情報は、端末番号（ＭＳＮ）と呼び出しエリアコ
ード（ＲＡ）との対応で記憶されている。位置登録情報
の更新が終わった移動端末に対しては位置登録受付け信
号を送出して位置登録受け付けを通知する。該当の移動
端末ではこれを受信することにより位置登録信号の送出
を停止する。

【００２１】位置登録情報更新が実施された後、オペレ
ーションシステムｉから位置登録データベースｈを検索
することにより、該当エリアにおける移動端末数の正確
な値が判明する。また、対象が特定の移動端末の場合は
該当エリア内に存在しているかが確定できる。通話中の
移動端末についてはその位置が確定しているため、本発
明の位置登録要請に応答する必要はない。オペレーショ
ンシステムｉで必要な情報が得られた後、通常実施され
ている移動端末からの位置登録を許可する信号を該当エ
リアに対する制御信号によって送信する。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、網は、任意の時に
任意の呼び出しエリアや任意の無線ゾーンにおける移動
端末の存在状況を正確に知ることができるので、精度の
高いトラヒック予測に基づくチャネル割り当て数の決定
やトラヒック制御ができる。すなわち、任意のエリアに
おいて実時間で発着信可能な移動端末数の位置登録状況
が把握できることから、発着信トラヒックの最大値が正
確に判明する。したがって、過大なトラヒック予測値の
算出をすることがなく、これに基づくトラヒック制御を
行うことにより効率的な回線運用が可能となる。特に通
勤時間帯のように移動端末を所持する膨大な人が駅やオ
フィス街などの特定の地域に集中する場合は、該当エリ
ア内の移動端末数を正確に把握し逐次最適なチャネル数
を割り当てることができる。さらに、移動端末の所持者
は逐次移動しているためエリア内の移動端末数も共に変
動する。したがって、任意の時間に該当エリア内の移動
端末数を正確に知ることは、割り当てチャネル数の制御
の精度を上げることができる。

【００２３】また、本発明の位置登録要請シーケンスが
動作中は該当エリア内における通常の位置登録を停止す
ることもできるため、位置登録データベースの記憶対応
形式が端末番号対呼び出しエリアとなっていても、位置
情報が更新された（移動端末が移動していない場合は同
じ情報を書き込むことを含む）移動端末を抽出すること
により、呼び出しエリア単位よりも小さい無線ゾーン単
位の位置登録が監視できる。したがって、特定の移動端
末の移動状況を呼び出しエリア単位よりも細かい無線ゾ
ーン単位で追跡できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における位置登録要請信号の構成図。

【図２】本発明における位置登録の構成および手順を説
明する図。

【図３】従来の位置登録要請信号の構成図。

【符号の説明】

ａ 移動端末 ｃ 呼び出しエリア ｄ 無線基地局 ｅ アンテナ ｆ 交換機 ｇ 伝達網 ｈ 位置登録データベース ｉ オペレーションシステム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動端末の位置情報を記憶する位置登録
   データベースを網内に備え、 網の位置登録手段は、 移動端末に対して位置登録信号の送出を指令する位置登
   録要請信号を送出する手段と、 この信号に応答する移動端末からの位置登録信号を受信
   してこの位置登録信号に基づいて上記位置登録データベ
   ースに位置情報を登録する手段とを備え、 移動端末は、上記位置登録要請信号を受信すると自機の
   位置登録信号を送出する手段を備えた移動端末の位置登
   録方式において、 上記位置登録手段は、 ある特定の地域に属する移動端末に対して位置登録信号
   の送出を指令する地域指定手段を含むことを特徴とする
   移動端末の位置登録方式。
2. 【請求項２】 位置登録要請信号は、位置登録信号の送
   出を指令する送出命令とともにある特定の地域を指定す
   る信号を含む請求項１記載の移動端末の位置登録方式。
3. 【請求項３】 位置登録要請信号は、位置登録信号の送
   出が指令されたある特定の地域の周辺地域の移動端末の
   位置登録信号の送出を禁止する送出停止命令を含む請求
   項２記載の移動端末の位置登録方式。
4. 【請求項４】 位置登録要請信号は、ある特定の地域内
   の移動端末の位置登録要求を禁止する送出停止命令を含
   む請求項２記載の移動端末の位置登録方式。