JPH05180962A - 移動型電子機器 - Google Patents

移動型電子機器

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JPH05180962A
JPH05180962A JP36075491A JP36075491A JPH05180962A JP H05180962 A JPH05180962 A JP H05180962A JP 36075491 A JP36075491 A JP 36075491A JP 36075491 A JP36075491 A JP 36075491A JP H05180962 A JPH05180962 A JP H05180962A
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time
reception
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mobile electronic
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JP36075491A
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Inventor
Takeshi Sasaki
健 佐々木
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の移動体のトータル時間やスプリット時
間等を各移動体毎に計時し、外部装置と接続することな
く計時データの交換を可能にすることを目的とする。 【構成】 リーダー装置100が、スタート地点、中間
地点及びゴール地点に設置され、各地点のリーダ装置1
00からIDコードを含む電磁波がIDコードタグ80
に送信される。このIDコードタグ80は電子腕時計6
0に着脱可能に装着されており、電磁波を受け取ると、
自己のIDコードを電磁波に含めてリーダー装置100
に送信する。リーダー装置100は、受け取ったIDコ
ードを計時・認識処理装置に送信し、計時・認識処理装
置がスプリットタイムやトータル時間、スタート合図か
らスタート地点通過までのタイムラグ時間及びトータル
時間からタイムラグ時間を減算した正式のトータル時間
等を算出する。各時間情報を計時・認識処理装置からリ
ーダー装置100を介して電子腕時計60に送信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は計時システムに関し、詳
細には、任意のデータを記憶するとともに、着脱可能な
通信処理部を備え、外部とエネルギーの授受を行なうこ
とによりデータの交換を行なって種々のデータ処理を行
なう計時システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、計時システムにおいては、電子機
器と外部装置との間でのデータの授受は、RS232C
コードや電話回線等を使用して行なわれており、また、
電子機器の作動の開始は、電子機器自体のキー操作等に
より行なわれている。例えば、電子腕時計においては、
近時機能が多角化し、ストップウォッチ機能等が付加さ
れている。このような電子腕時計のストップウォッチ機
能を利用して100メートル競走や200メートル競走
等のスタートからゴールまでのトータル時間の計時や、
マラソン競走におけるスタートからゴールまでのトータ
ル時間及びマラソン競走の10キロメートル毎の各ラッ
プタイムの計時等を行なう場合、スタート地点でキー操
作を行なってストップウォッチをスタートさせ、ゴール
地点で再度キー操作を行なってストップウォッチを停止
させる。また、従来の電子手帳等においては、メモリカ
ード等が着脱可能となっており、メモリカード等を入れ
替えることにより、種々のデータを利用して情報処理を
行なわせることができる。またこのような電子手帳は、
RS232Cコードによりパーソナルコンピュータに接
続して、情報処理システムを構築し、パーソナルコンピ
ュータとデータの交換を行なって、種々のデータ処理を
行なうことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の計時システムにあっては、外部装置との間で
のデータの授受は、RS232Cコードや電話回線等を
使用して行なうようになっており、また電子機器の作動
の開始は、電子機器自体のキー操作等により行なうよう
になっていたため、いちいち人間がキー操作を行なって
動作を行なわせたり、外部装置との間でデータの授受を
行なうのにコードの接続を行なう必要があった。その結
果、電子機器の利用性が悪いだけでなく、電子機器の利
用範囲が限定されるという問題があった。また、外部装
置との間のデータ授受を電話回線を使用して行なう場合
には、電話機能を必要とし、コストが高くなるだけでな
く、電子機器自体が大型化して、携帯性に欠けるという
問題があった。例えば、100メートル競走等のトラッ
ク競技において、スタートからゴールまでのトータル時
間を計時するためには、スタートの時点でキー操作し
て、電子腕時計等のストップウォッチ機能をスタートさ
せ、ゴールの時点で再度キー操作してストップウォッチ
機能を停止させる必要がある。このようなキー操作は、
競技を行なっているものが行なうことは困難であり、利
用性が悪い。また、競技者の通過を検出して、スタート
からゴールまでのトータル時間を計時する計時装置で
は、複数の競技者により競技するようなときには、計時
装置が、少なくとも競技者の数だけの計時機能を備えて
おり、複数の競技者がスタートした時点で全ての計時機
能の計時を開始させ、競技者がゴールする毎に、計時機
能を1つずつ停止させている。このようにして停止させ
た複数の競技者毎の計時時間に対しては、どの計時時間
がどの競技者の計時時間に対応するかが明確でないた
め、人間が、競技者の順位と照らし合わせて、どの計時
時間がどの競技者に対応するかをチェックし、各競技者
のトータル時間を決定する必要があり、利用性が悪いと
いう問題があった。さらに、マラソン競走のように、多
数の競技者に対してトータル時間を計時するとともに、
10キロメートル毎等の各スプリットタイムをも計時す
る競技においては、トータル時間の計時は、上記トータ
ル時間の計時を行なう競技と同様の方法で行なうことが
できるが、スプリットプタイムの計時は、競技者が多数
であり、競技の途中で競技者の順位が頻繁に入れ替わる
ことから、10キロメートル毎の通過時間をトータル時
間を計時する計時機能から人間が読み取り、各競技者毎
に、10キロメートル毎の通過時間のリストを作って計
算しなければならず、利用性が極端に低下するという問
題があった。そこで、本発明は、移動体と移動体の通過
地点に配置した外部装置との間で、移動体識別情報と移
動関連情報の授受を行ない、移動体の通過を外部装置で
検出して、その移動体の移動関連情報を移動体に送信す
ることにより、外部装置とコードや電話回線で接続する
ことなく、またキー操作を行なうことなく、データの交
換を行なうことができるようにして、電子機器や情報処
理装置の利用性を向上させることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、移動可能に形成された移動
型の機器本体に、該機器本体が所定間隔をおいて設置さ
れた各外部送信装置に接近する都度、該外部の送信装置
から送信された機器識別情報及び移動関連情報を受信す
る受信手段と、この受信手段により受信された機器識別
情報が自己の有する自己情報と適合する情報か否かを判
断する適合判断手段と、前記受信手段により受信された
前記機器識別情報が適合すると前記適合判断手段が判断
したとき、前記受信手段により受信された前記移動関連
情報を出力する受信情報出力手段と、を備えたことを特
徴としている。この場合、移動型電子機器は、例えば、
請求項2に記載するように、前記受信情報出力手段から
出力された前記移動関連情報を記憶する記憶手段をさら
に備えていてもよい。請求項3記載の発明は、移動可能
に形成された移動型の機器本体に、該機器本体が所定間
隔をおいて設置された各外部送信装置に接近する都度、
該外部送信装置から送信された機器識別情報及び移動関
連情報を受信する受信手段と、この受信手段により受信
された機器識別情報が適合する情報か否かを判断する適
合判断手段と、前記受信された前記機器識別情報が適合
すると前記適合判断手段が判断したとき、前記機器識別
情報が前記受信手段により受信された時点における受信
時刻を示す受信時刻情報と前記受信手段により受信され
た前記移動関連情報とを出力する受信情報出力手段と、
を備えたことを特徴としている。この場合、移動型電子
機器は、例えば、請求項4に記載するように、前記受信
情報出力手段から出力された前記移動関連情報及び前記
受信時刻情報を記憶する記憶手段をさらに備えていても
よく、請求項5に記載するように、前記受信情報出力手
段から出力される受信時刻情報及び自己の機器識別情報
を外部に送信する送信手段をさらに備えていてもよい。
また、移動型電子機器は、例えば、請求項6に記載する
ように、前記受信情報出力手段から出力される受信時刻
情報、移動関連情報及び自己の機器識別情報を外部に送
信する送信手段とをさらに備えていてもよい。また、前
記受信情報出力手段は、例えば、請求項7に記載するよ
うに、前記受信情報出力手段が、前記情報を視覚表示出
力する表示手段であってもよく、請求項8に記載するよ
うに、前記受信情報出力手段が、前記情報を印刷出力す
る印刷手段であってもよい。また、前記受信情報出力手
段は、例えば、請求項9に記載するように、前記情報を
視覚表示出力するとともに、併せて印刷出力する手段で
あってもよい。
【0005】
【作用】請求項1記載の発明では、移動可能に形成され
た移動型の機器本体に、該機器本体が所定間隔をおいて
設置された各外部送信装置に接近する都度、該外部送信
装置から送信された機器識別情報及び移動関連情報を、
受信手段により受信する。この受信手段により受信され
た機器識別情報が自己の有する自己情報と適合する情報
か否かを、適合判断手段により判断する。前記受信手段
により受信された前記機器識別情報が適合すると前記適
合判断手段が判断したとき、受信情報出力手段により前
記受信手段により受信された前記移動関連情報を出力す
る。したがって、移動型の機器本体が所定間隔をおいて
設置された各外部送信装置に接近する都度、該外部送信
装置から機器識別情報と移動関連情報を受信し、その機
器識別情報が自己の有する自己情報と適合すると、受信
した移動関連情報を出力することができる。その結果、
移動型電子機器において、必要な移動関連情報を迅速、
かつ確実に入手することができる。また、例えば、この
ようにして入手した移動関連情報を表示出力や印刷出力
すれば、さらに、移動関連情報を移動型電子機器におい
て有効に利用することができる。請求項3記載の発明に
よれば、前記受信情報出力手段が、前記機器識別情報が
前記受信手段により受信された時点における受信時刻を
示す受信時刻情報と前記受信手段により受信された前記
移動関連情報とを出力する。したがって、移動型電子機
器において、必要な外部送信装置を通過した時刻情報や
移動関連情報を迅速、かつ確実に入手することができ、
これらの情報を有効に利用することができる。請求項4
記載の発明によれば、前記受信情報出力手段が出力する
前記受信時刻情報と前記移動関連情報を記憶手段に記憶
することができる。したがって、移動型電子機器におい
て、必要な時刻情報や移動関連情報をより一層有効に利
用することができる。請求項5及び請求項6記載の発明
によれば、前記受信情報出力手段が出力する前記受信時
刻情報や前記移動関連情報及び自己の機器識別情報を外
部に送信することができる。したがって、外部送信装置
において、確実に移動型電子機器に必要な情報を送信で
きたことを確認することができるとともに、移動型電子
機器の通過時刻を知ることができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。図1〜図3は、本発明に係る移動型電子機器の
第1実施例を示す図であり、マラソン競技のトータル時
間及びスプリット時間等の計時用に適用されたものであ
る。図1は、計時装置1のブロック構成図であり、計時
装置1は、計時・認識処理装置10、スタータ装置20
及び複数のリーダー装置30A〜30F等を備えてい
る。
【0007】計時・認識処理装置10は、計時・認識部
11、制御部12、ディスプレイ13、プリンタ14、
キーボード15、電光掲示板出力ポート16、RAM
(Random Access Memory)17及び拡張ポート18等を
備えており、計時・認識部11には、スタータ装置20
及び各リーダー装置30A〜30Fが接続されている。
【0008】スタータ装置20は、例えば、スタート用
のピストル等であり、作動されると、スタート信号を計
時・認識部11に出力する。
【0009】リーダー装置(外部送信装置)30A〜3
0Fは、それぞれスタート地点、10キロメートル中継
地点、20キロメートル中継地点、30キロメートル中
継地点、40キロメートル中継地点及びゴール地点に設
置されており、それぞれ各地点を通過する競技者(移動
体)から出力されるエネルギーを検出して、検出信号を
計時・認識部11に出力する。
【0010】なお、各リーダー装置30A〜30Fは、
図1では、計時・認識部11に有線で接続されているよ
うに記載されているが、有線で接続するものに限るもの
ではなく、例えば、図2に示すように、リーダー装置3
0A〜30Fに発信機40を接続して、発信機40から
計時・認識部11に検出信号を送信するようにしてもよ
い。この場合、計時・認識処理装置10に受信機を設
け、受信機で受信した検出信号を計時・認識部11に出
力する。また、各リーダー装置30A〜30Fには、リ
ーダー番号が付与されており、例えば、スタート地点の
リーダー装置30Aからゴール地点のリーダー装置30
Fへと順番に、R1〜R7が付与されている。
【0011】計時・認識部11は、少なくともマラソン
競技に参加する競技者の数だけトータル時間及び各地点
までの経過時間を計時する計時機能を有しており、それ
ぞれの計時機能をあらかじめ設定されたIDコードと対
応させて管理する。計時・認識部11は、スタータ装置
20からスタート信号が入力されると、全ての計時機能
の計時を開始し、また各リーダー装置30A〜30Fか
ら検出信号が入力されると、通過した競技者のIDコー
ドを認識するとともに、対応する地点の通過時間(経過
時間)を計時する。計時・認識部11は、認識したID
コードや計時した計時時間を制御部12に出力する。
【0012】制御部12は、CPU(Central Processi
ng Unit)、RAM(Random AccessMemory)及びROM
(Read Only Memory)、また必要に応じて磁気ディスク
装置等の外部記憶装置を備え、計時・認識部11から入
力されるIDコード及び計時データから各競技者毎のス
プリットタイム、トータルタイム、タイムラグ時間、正
式なトータルタイム及び着順等を計算し、これらの各情
報をRAM17に記憶する。
【0013】RAM17は、図3に示すように、各競技
者毎、すなわち後述するように、競技者に渡されるID
コードタグ装置に割り当てられたIDコード毎に、領域
区分され、領域区分された各領域に、スタート地点の通
過時刻情報、10Km中継地点の通過時刻情報、20K
m中継地点の通過時刻情報、30Km中継地点の通過時
刻情報、40Km中継地点の通過時刻情報、ゴール地点
の通過時刻情報、スタート/10Km間の中間時間情
報、10Km/20Km間の中間時間情報、20Km/
30Km間の中間時間情報、30Km/40Km間の中
間時間情報、40Km/ゴール間の中間時間情報、スタ
ート/ゴール間のトータル時間情報、10Km中継地点
における着順情報、20Km中継地点における着順情
報、30Km中継地点における着順情報、40Km中継
地点における着順情報、タイムラグ時間除法及び正式の
トータル時間情報等が書き込まれる。
【0014】ディスプレイ13は、制御部12の処理結
果や、キーボード15から入力された各種データ及びコ
マンド等を表示する。
【0015】キーボード15は、制御部12に処理させ
る処理内容のコマンドや各種データ、特に、各競技者の
ゼッケン番号や登録番号を入力する。
【0016】プリンタ14は、制御部12での処理結果
や各種データ、特に、各競技者のトータルタイムやスプ
リットタイムを記録紙に記録出力する。
【0017】電光掲示板出力ポート16には、図外の電
光掲示板が直接接続されたり、電光掲示板にデータを送
信する発信機が接続され、制御部12は、この電光掲示
板出力ポート16を介して計時データ、例えば、スター
ト合図の時点からスタート位置までのタイムラグ時間、
スタートから現在までの経過時間、さらには先頭の競技
者の各中継地点でのスプリットタイム等を出力し、電光
掲示板に表示出力させる。
【0018】拡張ポート18には、外部記憶装置、例え
ば、フロッピィディスク装置やハードディスク装置、あ
るいは他のディスプレイやプリンタ等が接続され、計時
データ等の各種データの入・出力に利用される。なお、
この拡張ポート17の利用形態としては、上記利用形態
に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0019】一方、各競技者は、図4に示すIDコード
装置(移動型電子機器)50を装着する。IDコード装
置50は、ケース51にバンド52が取り付けられてお
り、バンド52により競技者の腕に装着される。ケース
51の表面は、ガラス53で覆われており、このガラス
53によりケース51内が保護されている。ケース51
の内部には、IC基板54が収納されており、IC基板
54には、LSI(Large Scale Integrated Circuit)
や各種回路部品及びアンテナ56等が装着されている。
LSI55には、ゼッケン番号や登録番号等のIDコー
ド(移動体を識別するための識別情報)を所定のエネル
ギーとして放出するプログラムが組み込まれており、ア
ンテナ56から前記各リーダー装置30A〜30FにI
Dコードを含む所定のエネルギーを放出する。IDコー
ド装置50のIDコードを含む所定のエネルギーを放出
する方法としては、例えば、IDコード装置50が電池
を内蔵しており、上記リーダー装置30A〜30Fから
放出される所定の信号を検出したときにIDコードを含
むエネルギーを放出したり、常にIDコードを含むエネ
ルギーを放出し、このエネルギーを、所定のライン上を
IDコード装置50を装着した競技者が通過したときの
みリーダー装置30A〜30Fが検出するようなもので
あってもよい。また、エネルギー放出方法としては、前
記リーダー装置30A〜30Fが電磁界を放出し、この
電磁界をアンテナ56が受け取ると、LSI55が駆動
して、IDコードを含むエネルギーを放出するようにし
てもよい。
【0020】また、ケース51の側面には、ゼッケン番
号あるいは登録番号を表示するシール57が貼付されて
おり、このゼッケン番号や登録番号は、LSI55にプ
ログラムされ、IDコードとして放出される。
【0021】次に、作用を説明する。マラソン競技を行
う場合、各競技者毎にゼッケン番号あるいは登録番号を
割り当て、割り当てた番号に対応するIDコード装置5
0をシール57を確認しながら各競技者に配付する。各
競技者は、このIDコード装置50を腕に装着した状態
で競技を行うことになる。
【0022】一方、スタート地点、各中継地点及びゴー
ル地点にリーダー装置30A〜30Fを配置し、計時・
認識処理装置10の計時・認識部11に接続する。ま
た、この計時・認識部11にスタータ装置20を接続す
る。その後、キーボード15から競技者のIDコードと
競技者の氏名等の必要なデータを入力し、計時・認識処
理装置10のRAM17に競技者を登録する。これによ
り、競技者の人数とそのIDコードが認識される。この
とき、競技者の人数が、図5に示すように、スタートラ
インに一線に並ぶことが不可能なほど多いときには、ス
タートライン上に並んだ競技者と、後方に並んだ競技者
とでは、スタートラインを通過する時間が異なることと
なる。例えば、図5では、競技者A〜Dと競技者Eとで
は、競技者A〜Dは、スタートの合図とともにスタート
ラインを通過することとなるが、競技者Eが、スタート
の合図からスタートラインを通過するまでには、タイム
ラグ時間が発生することになる。
【0023】そこで、後述するように、本実施例では、
各競技者がスタートラインを通過する時間をスタート地
点のリーダー装置30Aにより検出し、スタートの合図
の時点からスタートラインを通過するまでの時間をタイ
ムラグ時間として算出して、正式なスタート時間やトー
タル時間等を算出している。
【0024】この状態で、競技者がスタート位置に集合
すると、スタータ装置20が作動されることとなるが、
このとき、計時・認識処理装置10は、図6に示すよう
に、スタータ装置20の開始動作を走査し(ステップS
1、S2)、スタータ装置20が作動されると、スター
タ装置20からスタート信号が計時・認識部11に入力
され、計時・認識部11は、少なくとも登録された競技
者の数だけ計時機能を作動させて計時を開始する。
【0025】各競技者が走り出し、スタート地点を通過
すると、IDコード装置50からIDコードを含むエネ
ルギーが放出され、このエネルギーをスタート地点に設
置されたリーダー装置30Aが受け取る。リーダー装置
30Aは、このエネルギーをIDコード装置50から受
け取ると、検出信号を計時・認識部11に出力し、計時
・認識部11は、検出信号により通過した競技者のID
コードを認識するとともに、その競技者の通過時刻を検
出する。また、計時・認識部11は、IDコードを検出
したリーダー装置30A〜30Fがどのリーダー装置3
0A〜30Fであるかを、検出したリーダー装置30A
〜30Fのリーダー番号R1〜R6により認識する。上
記各リーダー装置30A〜30Fによる検出処理を、各
競技者が各中継地点を通過する毎に行ない、同様の処理
を行なって、各競技者が各リーダー装置30A〜30F
を通過した時刻を競技者のID及び読み取ったリーダー
装置30A〜30Fのリーダー番号R1〜R6に基づい
て認識する(ステップS3〜7)。
【0026】計時・認識処理装置10は、上記IDコー
ド及びリーダー番号R1〜R6を認識すると、このID
コード情報及びリーダー番号R1〜R6に基づいて、図
3に示した各情報を記憶するためのアドレスを競技者
毎、すなわちIDコード毎にRAM17に作成し(ステ
ップS8)、作成したアドレスの示すエリアに検出され
た通過時刻を示す通過時刻情報を記憶する(ステップS
9)。この通過時刻に基づいて通過時間を電光掲示板出
力ポート16を介して電光掲示板16に表示出力した
り、ディスプレイ13に表示出力し、またプリンタ14
により記録紙に記録出力する(ステップS10)。
【0027】順次各リーダー装置30A〜30Fを競技
者が通過する毎に、上記IDコード及び検出したリーダ
ー番号R1〜R6を認識し、RAM17の通過時刻情報
を作成したアドレスの所定エリアに記憶するとともに、
通過時刻の表示と印刷を行なうと、各競技者毎に、相前
後する通過時刻情報とIDコード情報に基づいて、中間
時間情報、すなわち、各リーダー装置30A〜30Fの
設置されている中継地点間を通過するのに要した中間時
間(スプリット時間)を算出し、算出した中間時間時情
報(スプリット時間情報)をRAM17の該当するID
コードの所定エリアに記憶するとともに、当該中間時間
情報を示すスプリット時間をディスプレイ13や電光掲
示板に表示出力し、またプリンタ14により記録紙に記
録出力する(ステップS11)。
【0028】また、通過時刻情報とIDコード情報に基
づいて、各競技者毎に、着順を算出し、算出した着順情
報をRAM17の該当するIDコードの所定エリアに記
憶するとともに、着順をディスプレイ13や電光掲示板
に表示出力し、またプリンタ14により記録紙に記録出
力する(ステップS12)。
【0029】さらに、スタータの作動したスタート開始
時刻(スタート合図の時刻)、ゴール地点に設置された
リーダー装置30Fの検出した通過時刻(ゴール通過時
刻)及びIDコード情報に基づいて、各競技者毎に、ス
タート開始時刻からゴール地点通過までのトータル時間
情報を算出し、算出したトータル時間情報をRAM17
の該当するIDコードの所定エリアに記憶する。また、
このトータル時間情報の示すトータル時間をディスプレ
イ13や電光掲示板に表示出力するとともに、プリンタ
14により記録紙に記録出力する(ステップS13)。
【0030】次に、スタート開始時刻、スタート地点に
設置されたリーダー装置30Aの検出した通過時刻(ス
タート通過時刻)及びIDコード情報に基づいて、各競
技者毎に、スタート開始時刻からスタート地点通過まで
の時間ラグ時間情報を算出し、このタイムラグ時間情報
をRAM17の該当するIDコードの所定エリアに記憶
する。このタイムラグ時間情報の示すタイムラグ時間を
ディスプレイ13や電光掲示板に表示出力するととも
に、プリンタ14により記録紙に記録出力する(ステッ
プS14)。
【0031】さらに、上記トータル時間情報、タイムラ
グ時間情報及びIDコード情報に基づいて、正式(公
式)のトータル時間を算出し、このトータル時間情報を
RAM17の該当するIDの所定エリアに記憶する。ま
た、この公式のトータル時間をディスプレイ13や電光
掲示板に表示出力するとともに、プリンタ14により記
録紙に記録出力する(ステップS15)。
【0032】上記処理を各競技者について行うことによ
り、各競技者についてそのトータル時間、各中継地点間
等のスプリット時間、タイムラグ時間、公式のトータル
時間及び各地点毎の着順を計算し、RAM17に記憶す
ることができ、このRAM17に記憶した時間情報や着
順情報をディスプレイ13や電光掲示板等に表示出力し
たり、プリンタ14から記録紙に記録出力することがで
きる。
【0033】したがって、多数の競技者がその順位が入
れ替わりながら、所定の中継点を通過して、ゴールする
場合に、各競技者毎に、そのトータル時間を計時するこ
とができるだけでなく、中継地点間毎等のスプリット時
間や着順をも、人間が介在することなく、容易、正確、
かつ速やかに決定することができ、スプリット時間やト
ータル時間を有効に利用することができる。さらに、非
常に多くの競技者が参加する場合に、スタートの合図か
ら実際にスタート地点を通過するまでのタイムラグ時間
を算出し、実際にスタート地点を通過してからゴール地
点を通過するまでの公式(正式)のトータル時間をも、
算出して、正式の順位を決定することができる。
【0034】図7〜図14は、本発明に係る移動型電子
機器の第2実施例を示す図であり、上記第1実施例同様
にマラソン競技のトータル時間及びスプリット時間等の
計時用に適用されたものである。
【0035】図7は、移動型電子機器としての電子腕時
計60の斜視図である。電子腕時計60は、本体ケース
61にタグルーム62が形成されており、本体ケース6
1のタグルーム62部分には、蓋63が取り付けられて
いる。蓋63は、本体ケース61のタグルーム62部分
に螺合することにより取り付けられており、蓋63を着
脱することによりタグルーム62を開閉することができ
る。この蓋63を開閉することにより、図8に示すID
コードタグ80を収納し、また取り出すことができる。
この本体ケース61のタグルーム62部分には、窓64
が形成されており、窓64は、ガラスにより内部が保護
されている。
【0036】また、本体ケース61には、表示部65及
びスイッチ66〜69が設けられており、スイッチ6
8、69は、図7では図示していないが、後述する図1
1に表示している。表示部65は、例えば、液晶表示装
置により構成されており、電子腕時計60からの種々の
情報、例えば、現在時間、ストップウォッチモードでの
トータル時間、スプリット時間等を表示する。また、本
体ケース61には、バンド70が取り付けられており、
電子腕時計60は、このバンド70により競技者の腕に
装着される。
【0037】前記IDコードタグ80は、図8に示すよ
うに、円筒上のケース81内にアンテナ82、回路基板
83が収納されており、ケース81の一方側の底面に
は、電極板84が取り付けられている。電極板84に
は、同心円状の複数の電極85が形成されており、各電
極85は、図9に示すように、ピン86により回路基板
83に形成された配線パターンに接続されている。また
この回路基板83と電極板84とは、接着ピン87によ
り固定されており、接着ピン87は、電極板84に半田
付けされている。
【0038】再び図8において、回路基板83には、こ
の配線パターンが形成されているとともに、LSI(La
rge Scale Integrated Circuit)88や他の回路素子8
9が搭載されており、これらLSI88や回路素子89
は、前記回路基板83に形成された配線パターンとワイ
ヤーボンディングにより接続されている。
【0039】上記アンテナ82は、回路基板83の配線
パターンに接続されており、外部からの電磁波(エネル
ギー)を受け取り、また外部に電磁波を放出する。
【0040】IDコードタグ80は、電子腕時計60の
タグケース62内に収納されると、図10に示すよう
に、タグケース62内に形成されたコネクトピン90に
IDコードタグ80の電極85が接触し、コネクトピン
90は、台座91及びフレキシブルコード92及び電極
板93を介して、後述する電子腕時計60の回路に接続
されている。また、IDコードタグ80は、タグケース
62内に収納され、蓋63が閉じられると、蓋63に取
り付けられたバネ94により、その電極板84が上記コ
ネクトピン90に押し付けられ、電極85とコネクトピ
ン90とが接触する。
【0041】図11は、電子腕時計60及びIDコード
タグ80との間で電磁波を送り、また受け取る外部装置
としてのリーダー装置100のブロック図である。
【0042】前記IDコードタグ80の回路基板83に
は、A・D変換器95、シグナルプロセッサー96が形
成されており、シグナルプロセッサー96には、さらに
メモリ(記憶手段)97が形成されている。
【0043】A・D変換器95は、アンテナ82で受け
取った電磁波に含まれているアナログ信号をディジタル
信号に変換してシグナルプロセッサー96に出力し、ま
た、シグナルプロセッサー96から入力されるディジタ
ル信号をアナログ信号に変換してアンテナ82に出力す
る。
【0044】シグナルプロセッサー96は、アンテナ8
2が電磁波を受信すると作動し、メモリ97からデータ
を読み出して、A・D変換器95を介してアンテナ82
から外部に放出させ、また、電子腕時計60の回路を作
動させる制御信号やアンテナ82が受け取ったデータを
メモリ97に記憶させたり、電子腕時計60の回路に出
力する。
【0045】メモリ97は、例えば、ROM(Read Onl
y Memory)やEPROM(Electrically Programmable
ROM)が使用され、任意のあらかじめ設定されたデータ
等が記憶される。このデータとしては、例えば、IDコ
ードや処理プログラム及び電子腕時計60の回路に出力
する命令コード等であり、メモリ97としてEPROM
を使用することにより、このデータを書き換えて使用す
ることができる。このメモリ97に記憶される命令コー
ドとしては、例えば、図12に示すようなものがあり、
図12において、A、Bは、それぞれ図11のラインA
及びラインBを介して出力する命令コードを示してい
る。シグナルプロセッサー96は、このメモリ97に記
憶されているIDコード等をA・D変換器95及びアン
テナ82を介して電磁波に含ませて外部に放出させ、ま
た命令コードを電子腕時計60の回路に出力する。
【0046】一方、電子腕時計60は、CPU71、電
池72及びブザー73等を備えるとともに、上記表示部
65及びスイッチ66〜69を備えており、また図示し
ない発振器や分周器等を備えている。
【0047】電池72としては、例えば、リチウム電池
が使用され、電池72は、電子腕時計60の各部に電源
を供給する。CPU71は、内蔵メモリに時計やストッ
プウォッチとしてのプログラムを記憶するとともに、ワ
ークメモリを備えており、内蔵メモリのプログラムに従
って電子腕時計60の各部を制御して、計時処理やスト
ップウォッチ処理等を行なう。
【0048】スイッチ66〜69は、電子腕時計60に
各種処理を行なわせるために入力するものであり、スイ
ッチ66は、ストップウォッチモードにおいてスタート
ストップを指示するスタート・ストップスイッチであ
る。スイッチ67は、例えば、ラップとスプリットの切
り換えを行なうスイッチであり、スイッチ68は、モー
ドシフトスイッチである。また、スイッチ69は、数値
訂正スイッチである。
【0049】ブザー73は、スイッチ66〜69の設定
操作によりアラーム時刻が設定され、現在時刻が設定さ
れたアラーム時刻になると、CPU71がブザー73を
駆動させることによりブザー音を発生する。
【0050】また、外部送信装置であるリーダー装置1
00は、アンテナ61、A・D変換器102、シグナル
プロセッサー62及び入出力インターフェイス104等
を備えており、リーダー装置100は、上記実施例のリ
ーダー装置30A〜30Fと同様に、マラソン競技のス
タート地点、10キロメートル中継地点、20キロメー
トル中継地点、30キロメートル中継地点、40キロメ
ートル中継地点及びゴール地点に設置され、各地点のリ
ーダー装置100には、リーダー番号が付与されてい
る。
【0051】アンテナ101は、IDコードタグ80の
アンテナ82と同様のものであり、外部に電磁波を放出
し、また外部からの電磁波を受け取る。A・D変換器1
02は、アンテナ101から入力されるアナログ信号を
ディジタル信号に変換してシグナルプロセッサー103
に出力し、またシグナルプロセッサー103から入力さ
れるディジタル信号をアナログ信号に変換してアンテナ
101に出力する。
【0052】入出力インターフェイス104には、パー
ソナルコンピュータ等のマラソン競技の計時処理装置が
コードを介して直接接続されたり、図2に示したよう
に、発信機40に接続される。発信機40は、リーダー
装置100から入力されるデータを所定の電波に載せ
て、マラソン大会本部等に設置されている上記実施例に
示した計時・認識処理装置10に送る。
【0053】シグナルプロセッサー103は、内部メモ
リに記憶されたプログラムに従ってリーダー装置100
の各部を制御して、リーダー装置100としての処理を
行なう。すなわち、リーダー装置100は、電源が投入
されると、常時、アンテナ101から電磁波を放出し、
電子腕時計60のIDコードタグ80からの電磁波を受
け取ると、その電磁波に含まれているデータ、例えば、
IDコード等を読み出して、入出力インターフェイス1
04を介して出力する。また、入出力インターフェイス
104を介して計時・認識処理装置10から送られてく
る種々の計時データ、例えば、スタートからの経過時間
や各中継地点毎のスプリット時間等を電磁波に載せてア
ンテナ101から放出する。
【0054】次に、作用を説明する。本実施例において
も、上記実施例と同様にマラソン競技を行う場合につい
て説明すると、この場合、各競技者毎にゼッケン番号あ
るいは登録番号を割り当て、割り当てた番号に対応する
IDコードタグ80及び当該割り当てた番号シール11
0(図13参照)を各競技者に配付する。各競技者は、
受け取ったIDコードタグ80をタグルーム62に収納
するとともに、番号シール110を窓64に張り付け
る。このようにIDコードタグ80をタグルーム62に
収納し、番号シール110を窓64に張り付けると、バ
ンド70により電子時計60を腕に装着し、この電子時
計60を装着した状態で競技を行うことになる。
【0055】一方、スタート地点、ゴール地点及び各中
継地点にリーダー装置100を、上記図5と同様に、配
置し、リーダー装置100をケーブルを介してあるいは
発信機40と受信機を介して計時・認識処理装置10に
接続する。
【0056】その後、計時・認識処理装置10には、参
加競技者のIDコードと競技者の氏名等の必要なデータ
を入力し、これにより競技者の人数とそのIDコードが
認識される。リーダー装置100の設置が完了すると、
計時・認識処理装置10から各リーダー装置100に電
磁波の出力の命令が出力され、各リーダー装置100か
らは、電磁波の出力が開始される。
【0057】この状態で、競技者がスタート位置に集合
し、スタータ装置が作動されると、スタータ装置からス
タート信号が計時・認識処理装置10に入力され、計時
・認識処理装置10は、少なくとも登録された競技者の
数だけ計時機能を作動させて計時を開始する。
【0058】一方、競技者は、スタータ装置が作動され
ると、電子腕時計60のスイッチ66を投入して、スタ
ートさせる。電子腕時計60は、スイッチ66が投入さ
れて、スタートされると、図14に示すように、各リー
ダー装置100からの出力を走査して、出力を検出する
かどうかチェックする(ステップP1、P2)。
【0059】各競技者が走り出し、スタート地点を通過
すると、スタート地点に設置されたリーダー装置100
から放出されている電磁波をIDコードタグ80のアン
テナ82が受け取る。このスタート地点に設置されたリ
ーダー装置100から放出されている電磁波を受け取る
と、電磁波からIDコード情報及びリーダー番号を取り
出し、またIDコードタグ80は、シグナルプロセッサ
ー96がメモリ97に記憶されている自己のIDコード
を読み出す(ステップP3)。この自己のIDコードと
受信したIDコードとが一致するかどうかチェックし
(ステップP4)、一致しないときには、リーダー装置
100からの情報は、自己に関する情報ではないと判断
し、そのまま処理を終了する。ステップP4で、受信し
たIDコードと自己のIDコードとが一致するときに
は、リーダー装置100から電磁波を受け取った時刻を
スタート地点を通過した時刻として検出する(ステップ
P5)。
【0060】通過時刻を検出すると、検出した通過時刻
をシグナルプロセッサー96のメモリ97の所定エリア
に記憶する(ステップP6)。この通過時刻に基づいて
通過時間を表示部65に表示出力する(ステップP
7)。
【0061】また、電子腕時計60は、スタート地点の
リーダー装置100から電磁波を受け取ると、そのID
コードタグ80のシグナルプロセッサー96が、メモリ
97から読み出したIDコードを電磁波に含ませて放出
させ、リーダー装置100は、このIDコードを読み取
って、計時・認識処理装置10に出力する。また、ID
コードタグ80のシグナルプロセッサー96は、メモリ
97からストップウォッチ開始コードを読み出し、CP
U71に出力する。CPU71は、ストップウォッチ開
始コードが入力されると、ストップウォッチ機能を開始
させる。したがって、大会本部の計時・認識処理装置1
0により時間の計時が開始されるとともに、スタート地
点を通過したときに、各競技者の電子腕時計60のスト
ップウォッチの計時が開始される。すなわち、数十人が
参加するマラソン競技においては、スタートの開始の合
図と各競技者がスタート地点を通過した時間とは、同時
であると設定しても問題はないが、近時、数千から万を
超える競技者が参加するマラソン大会では、スタート開
始の合図と各競技者がスタート地点を通過する時間と
は、相当のずれが生じるが、本実施例のように、スター
ト地点に設置したリーダー装置100からの電磁波によ
りスタート地点を通過した競技者のIDコードを読み取
って、各競技者がスタート地点を通過した時間を計時す
るとともに、各競技者が装着している電子腕時計60に
よりスタート地点から計時を開始することにより、各競
技者は、自己の装着している電子腕時計60により、自
分がスタート地点を通過してからの経過時間やスプリッ
ト時間を知ることができる。
【0062】競技が進行し、各競技者が10キロメート
ルの中継地点を通過すると、当該中継地点に設置された
リーダー装置100から競技者の腕に装着された電子時
計60のIDコードタグ80に電磁波が送り込まれ、I
Dコードタグ80は、電磁波を受け取ると、上記同様
に、メモリ97からIDコードを読み出して、電磁波に
のせてリーダー装置100に放出する。リーダー装置1
00は、IDコードを受け取ると、そのIDコードを計
時・認識処理装置10に出力し、計時・認識処理装置1
0は、IDコードを受け取ると、上記実施例と同様に、
各中継地点の通過時間等を計測して、スプリット時間の
算出を行なう。また、IDコードタグ80は、上記ID
コードの出力と同時にCPU71に、経過時間を計時さ
せる。さらに、電子腕時計60は、上記ステップP1か
らステップP7の処理を同様に行なう。このとき、相前
後する通過時刻情報、すなわち、前の中継地点の通過時
刻と今回の中継地点の通過時刻に基づいて中間時間情報
(スプリット時間)を算出し、その中間時間情報をメモ
リ97に記憶するとともに、当該中間時間を表示部65
に表示出力する(ステップP8)。
【0063】また、この通過時刻情報に基づいて、着順
を算出し、算出した着順情報をIDコードタグ80に転
送して、メモリ97に記憶するとともに、表示部65に
表示出力する(ステップP9)。
【0064】さらに競技が進行し、次々と中継地点を通
過すると、上記同様に、各中継地点のリーダー装置10
0からの電磁波により、IDコードタグ80が作動し
て、IDコードをリーダー装置100に出力するととも
に、CPU71に命令コードを出力して、各中継地点間
のスプリット時間の計時及び着順の算出を指示する。こ
のようにしてCPU71で計時された各中継地点間のス
プリット時間及び着順は、メモリ97に記憶される。
【0065】競技が終盤を迎え、競技者がゴール地点を
通過すると、ゴール地点に設置されたリーダー装置10
0からの電磁波をIDコードタグ80が受け取る。この
ゴール地点のリーダー装置100の放出する電磁波に
は、電子腕時計60のストップウォッチを停止させるコ
ードが含まれている。IDコードタグ80は、このリー
ダー装置100からの電磁波を受け取ると、上記同様
に、IDコードをリーダー装置100に出力するととも
に、メモリ97からストップ命令コードを読み出し、C
PU71に出力する。CPU71は、ストップ命令が入
力されると、ストップウォッチを停止させ、40キロメ
ートルの中継地点からゴール地点までのスプリット時間
の算出及び着順の算出を行なってメモリ97に記憶する
とともに、表示出力し(ステップP3〜ステップP
9)、またスタートからゴールまでのトータル時間を算
出して、メモリ97に記憶するとともに、トータル時間
を表示部65に表示出力する(ステップP10)。
【0066】さらに、スタート開始時刻、スタート地点
の通過時刻の各情報に基づいてタイムラグ時間を算出
し、タイムラグ時間情報をメモリ97に記憶するととも
に、表示部65に表示出力する(ステップP11)。ま
た、トータル時間情報及びタイムラグ時間情報に基づい
て、公式のトータル時間を算出し、この公式のトータル
時間情報をメモリ97に記憶するとともに、表示部65
に表示出力する(ステップP12)。
【0067】したがって、競技者が携帯する電子腕時計
60においても、スプリット時間やトータル時間だけで
なく、タイムラグ時間及び公式のトータル時間や着順を
そのつど表示出力させることができ、また、その計時結
果をメモリ97等に記憶することができる。また、大会
本部の計時・認識処理装置10では、各競技者の装着し
ている電子腕時計60のIDコードタグ80から放出さ
れる電磁波に含まれているIDコードにより、どの競技
者が中継地点及びゴール地点を通過したかを検出するこ
とができ、各競技者毎に、公式のトータル時間やスプリ
ット時間を計時することができるとともに、スタート地
点の通過時間をもリーダー装置100で検出することに
より、各競技者がスタート地点を実際に通過したときか
らのトータル時間やスプリット時間を計時して、記憶す
ることができる。競技者は、スイッチ7〜10の操作を
行うことにより、公式のトータル時間を表示させること
により、自己の公式のトータル時間を知ることができ
る。その結果、大会本部は、多数の参加者に対して、計
時・認識処理装置10からプリントアウトして、記録紙
を渡す必要がなく、大会運営上の手間を省くことができ
る。
【0068】なお、上記他の実施例において、大会本部
の計時・認識処理装置10で計時したスプリット時間や
公式のトータル時間を、競技者が携帯する電子腕時計6
0で算出しているが、これに限るものではなく、例え
ば、図1に示したような計時・認識処理装置10で算出
し、各競技者が中継地点やゴール地点を通過したとき、
各リーダー装置100から電磁波に含ませて放出させ、
IDコードタグ80のメモリ97として上記EPROM
等の書き込み可能なメモリを使用することにより、この
スプリット時間や公式のトータル時間をIDコードタグ
80のメモリ97に記憶させるようにしてもよい。
【0069】図15、図16は、本発明の移動型電子機
器の第3実施例を示す図であり、本実施例は、上記第2
実施例において、IDコードタグと電子腕時計の回路と
のデータの交換をアンテナを介して行うものである。そ
こで、本実施例の説明にあたり、上記実施例と同様の構
成部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0070】図15は、IDコードタグ120の斜視図
であり、IDコードタグ120は、上記第2実施例と同
様に、円筒状のケース81内にアンテナ82、回路基板
83が収納されているが、ケース81の一方側の底面に
は、電極板は取り付けられていない。また、回路基板8
3には、同様に、LSI88や回路素子89が搭載され
ており、配線パターンが形成されている。
【0071】図16は、電子腕時計130及びリーダー
装置100のブロック図である。本実施例では、IDコ
ードタグ120と電子腕時計130の回路との間で、リ
ーダー装置100と電子腕時計130との間の通信と同
様に、電磁波等のエネルギーを使用して通信を行なう。
【0072】そのため、本実施例のIDコードタグ12
0のシグナルプロセッサー121は、そのためのプログ
ラムを内蔵しており、その他の構成は、上記第2実施例
と同様である。
【0073】また、電子腕時計130は、IDコードタ
グ120と通信を行なうための通信部131を備えてお
り、通信部131は、アンテナ132及びA・D変換器
133で構成されている。電子腕時計130の他の構成
は、上記第2実施例の電子腕時計60のものと同様であ
り、ただ、CPU134が、通信部131を介してID
コードタグ120と通信を行なうためのプログラム等を
備えていることが異なる。
【0074】したがって、本実施例においても、上記第
2実施例と同様に、多数の競技者がその順位が入れ替わ
りながら、所定の中継点を通過して、ゴールする場合
に、各競技者毎に、そのトータル時間を計時することが
できるだけでなく、中継地点間毎等のスプリット時間や
着順をも、人間が介在することなく、容易、正確、かつ
速やかに決定することができ、スプリット時間やトータ
ル時間を有効に利用することができる。さらに、非常に
多くの競技者が参加する場合に、スタートの合図から実
際にスタート地点を通過するまでのタイムラグ時間を算
出し、実際にスタート地点を通過してからゴール地点を
通過するまでの公式(正式)のトータル時間をも、算出
して、正式の順位を決定することができる。
【0075】また、上記各実施例においては、リーダー
装置30A〜30Fやリーダー装置100が、図2に示
したように、スタートラインやゴールライン及び各中継
地点ラインの側方に設置されている場合について説明し
たが、これに限るものではなく、例えば、図17に示す
ように、スタートライン、ゴールライン及び各中継地点
ラインの上方に設置するものであってもよく、このよう
にラインの上方に設置することにより、複数の競技者が
並んでライン上を通過する場合にも、正確に通過時刻を
検出することができ、また、電子腕時計50、電子腕時
計60及び電子腕時計130との間で、正確に情報のや
り取りを行なうことができる。
【0076】なお、上記各実施例においては、マラソン
競技に適用した場合について説明したが、これに限るも
のではなく、100メートル競走や200メートル競走
等にも、同様に適用できる。また、競技だけでなく、検
査物体等が、所定の工程を通過して最終地点(ゴール地
点)まで移動する場合に、そのトータル時間や途中の所
定区間での所要時間(スプリット時間)を決定する場合
にも、同様に適用することができる。
【0077】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、移動型の
機器本体が所定間隔をおいて設置された各外部送信装置
に接近する都度、該外部送信装置から機器識別情報と移
動関連情報を受信し、その機器識別情報が自己の有する
自己情報と適合すると、受信した移動関連情報を出力す
ることができるので、移動型電子機器において、必要な
移動関連情報を迅速、かつ確実に入手することができ
る。また、例えば、このようにして入手した移動関連情
報を表示出力や印刷出力すれば、さらに、移動関連情報
を移動型電子機器において有効に利用することができ
る。
【0078】請求項3記載の発明によれば、前記受信情
報出力手段が、前記機器識別情報が前記受信手段により
受信された時点における受信時刻を示す前記受信時刻情
報と前記受信手段により受信された前記移動関連情報と
を出力するので、移動型電子機器において、必要な外部
送信装置を通過した時刻情報や移動関連情報を迅速、か
つ確実に入手することができ、これらの情報を有効に利
用することができる。
【0079】請求項4記載の発明によれば、前記受信情
報出力手段が出力する受信時刻情報と前記移動関連情報
を記憶手段に記憶することができるので、移動型電子機
器において、必要な時刻情報や移動関連情報をより一層
有効に利用することができる。
【0080】請求項5及び請求項6記載の発明によれ
ば、前記受信情報出力手段が出力する前記受信時刻情報
や移動関連情報及び自己の機器識別情報を外部に送信す
ることができるので、外部送信装置において、確実に移
動型電子機器に必要な情報を送信できたことを確認する
ことができるとともに、移動型電子機器の通過時刻を知
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る移動型電子機器を適
用した計時装置のブロック構成図。
【図2】リーダー装置の一例の設置状態を示す図。
【図3】図1の計時装置のRAMへの各時間情報の記憶
状態を示す図。
【図4】IDコード装置の斜視図。
【図5】マラソン競技を行なう場合の作用説明図。
【図6】本発明の第1実施例の計時処理及び時間情報算
出処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2実施例に係る移動型電子機器とし
ての電子腕時計の斜視図。
【図8】図7の電子腕時計に装着されるIDコードタグ
の斜視図。
【図9】図8のIDコードタグの電極板部分の拡大斜視
図。
【図10】図8のIDコードタグを図7の電子腕時計に
装着したときのIDコードタグと電極との接続状態を示
す図。
【図11】本発明の第2実施例に係る電子腕時計及びリ
ーダー装置の回路ブロック図。
【図12】図11の電子腕時計とリーダ装置との間で交
信される命令の一例を示す図。
【図13】図7の電子腕時計の各種情報を表示している
状態を示す図。
【図14】本発明の第2実施例の計時処理及び時間情報
算出処理を示すフローチャート。
【図15】本発明の第3実施例のIDコードタグの斜視
図。
【図16】本発明の第3実施例に係る電子腕時計及びリ
ーダー装置の回路ブロック図。
【図17】リーダー装置の他の例の設置状態を示す図。
【符号の説明】
1 計時装置 10 計時認識処理装置 11 計時・認識部 12 制御部 13 ディスプレイ 14 プリンタ 15 キーボード 16 電光掲示板出力ポート 17 RAM 18 拡張ポート 20 スタータ装置 30A〜30F、100 リーダー装置 40 発信機 50 IDコード装置 51 ケース 52 バンド 53 ガラス 54 IC基板 55 LSI 56 アンテナ 60、130 電子腕時計 65 表示部 62 タグルーム 71、134 CPU 80、120 IDコードタグ 82 アンテナ 95 A・D変換器 96、121 シグナルプロセッサー 97 メモリ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動可能に形成された移動型の機器本体
    に、 該機器本体が所定間隔をおいて設置された各外部送信装
    置に接近する都度、該外部の送信装置から送信された機
    器識別情報及び移動関連情報を受信する受信手段と、 この受信手段により受信された機器識別情報が自己の有
    する自己情報と適合する情報か否かを判断する適合判断
    手段と、 前記受信手段により受信された前記機器識別情報が適合
    すると前記適合判断手段が判断したとき、前記受信手段
    により受信された前記移動関連情報を出力する受信情報
    出力手段と、 を備えたことを特徴とする移動型電子機器。
  2. 【請求項2】 前記受信情報出力手段から出力された前
    記移動関連情報を記憶する記憶手段をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の移動型電子機器。
  3. 【請求項3】 移動可能に形成された移動型の機器本体
    に、 該機器本体が所定間隔をおいて設置された各外部送信装
    置に接近する都度、該外部送信装置から送信された機器
    識別情報及び移動関連情報を受信する受信手段と、 この受信手段により受信された機器識別情報が適合する
    情報か否かを判断する適合判断手段と、 前記受信された前記機器識別情報が適合すると前記適合
    判断手段が判断したとき、前記機器識別情報が前記受信
    手段により受信された時点における受信時刻を示す受信
    時刻情報と前記受信手段により受信された前記移動関連
    情報とを出力する受信情報出力手段と、 を備えたことを特徴とする移動型電子機器。
  4. 【請求項4】 前記受信情報出力手段から出力された前
    記移動関連情報及び前記受信時刻情報を記憶する記憶手
    段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の移動
    型電子機器。
  5. 【請求項5】 前記受信情報出力手段から出力される受
    信時刻情報及び自己の機器識別情報を外部に送信する送
    信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の
    移動型電子機器。
  6. 【請求項6】 前記受信情報出力手段から出力される受
    信時刻情報、移動関連情報及び自己の機器識別情報を外
    部に送信する送信手段とをさらに備えたことを特徴とす
    る請求項3記載の移動型電子機器。
  7. 【請求項7】 前記受信情報出力手段が、前記情報を視
    覚表示出力する表示手段であることを特徴とする請求項
    1から請求項6のいずれかに記載の移動型電子機器。
  8. 【請求項8】 前記受信情報出力手段が、前記情報を印
    刷出力する印刷手段であることを特徴とする請求項1か
    ら請求項6のいずれかに記載の移動型電子機器。
  9. 【請求項9】 前記受信情報出力手段が、前記情報を視
    覚表示出力するとともに、併せて印刷出力する手段であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに
    記載の移動型電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006136415A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Ntt Docomo Inc タグ装置及び通過時刻計測システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006136415A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Ntt Docomo Inc タグ装置及び通過時刻計測システム
JP4567419B2 (ja) * 2004-11-10 2010-10-20 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 通過時刻計測システム

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