JPH0518074Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は成形品を成形した樹脂シートのトリミ
ング装置に係るものである。

（従来の技術） 従来のトリミングプレス装置において、第５図
に示すように、固定トリミング刃を装着したベツ
ドａと、可動トリミング刃を装着した可動トリミ
ング枠ｂの間に成形物の成形が済んだ樹脂シート
を供給するには、固定トリミング刃の形状によつ
て、上下する搬送装置ｃを設ける必要があるが、
その搬送装置にはモーター、可圧エアー等の別個
の動力装置を用いているもので、可動トリミング
枠と、搬送装置の駆動タイミングを合わせる必要
があるのみでなく、搬送装置の動力装置に故障を
生じたときは、それを修理するまでトリミングが
不可能になる欠点があつた。また、固定トリミン
グ刃又はダイを下向きにして上側の固定トリミン
グ枠に装着し、可動トリミング刃を上向きにし
て、上下動する下側の可動トリミング枠に装着
し、固定トリミング刃又はダイと、可動トリミン
グ刃とによつて手を挟まないようにする安全重視
のトリミング装置はすでに公知であるが、樹脂シ
ートの搬送装置を設けて別個の動力により駆動す
ることは、第５図について説明したと同じであつ
て、おなじような欠点がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は前項に説明した安全重視のトリミング
装置の可動トリミング枠によつて樹脂シートの搬
送装置を突き上げ、搬送装置に必要な上下作動の
動力を不用にすることを解決しようとする技術的
課題とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記技術的課題を最も合理的に解決す
ることを目的とするものであつて、固定トリミン
グ刃又はダイを下向きにして上側の固定トリミン
グ枠に装着し、可動トリミング刃を上向きにし
て、上下動する下側の可動トリミング枠に装着し
たトリミング装置において、該トリミング装置に
成形シートを移送して供給するクランプチエンを
装着したチエン枠を設け、そのチエン枠を固定ト
リミング枠と可動トリミング枠との間に通し、可
動トリミング枠にチエン枠に突き当つてそのその
チエン枠を該可動トリミング枠により上昇させる
衝合面を設けたことを特徴とし、特に、クランプ
チエンに可動トリミング枠の上昇及び下降に調和
させるモータ等の動力装置を使用せず、上昇中に
於て樹脂シートを可動トリミング刃に接触させる
ことなく、該しかも可動トリミング刃より早く固
定トリミング枠に接触させるようにするものであ
る。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
据付板２の四隅の樹脂シートａの送りに支障を生
じない位置に支柱３を立てたトリミング機枠１を
示す。支持台５の四隅にガイド柱６を立て、ガイ
ド柱６の上端に上側の固定トリミング枠７を装着
したトリミングプレス枠４を構成し、支持台５に
ピストンロツド９を上方に突出したシリンダ８を
固定し、ガイド柱６に摺動筒１１を嵌めて上下動
を自由にし下側の可動トリミング枠１０をピスト
ン９の上端に取付け、固定トリミング枠７に成形
品ｂの形に合わせた位置決め片１３の下端部にダ
イ１４を設けた固定トリミング刃１２を下向きに
装着する。このトリミング刃１２はダイだけにす
ることもできる。可動トリミング枠１０上には成
形品ｂの形状に合わせて前記位置決め片１３に嵌
まると共にダイ１４の内周に合致する切断刃１６
を設けた可動トリミング刃１５を上向きに装着す
る。

２１は上側走行部によつて樹脂シートａの耳縁
を掴着してトリミング位置の方向に送る一対のク
ランプチエンであつて、チエン枠２２の両側のス
プロケツト２３，２４の間に掛け渡す。スプロケ
ツト２３，２４は第３図に示すように軸２３ａ，
２４ａに固定する。この軸２３ａ又は２４ａはモ
ータにより間欠的に送りの駆動をするものである
が、図面には省略してある。

チエン枠２２はトリミング機枠１の支柱３の対
応面に設けた上下の案内棒２５に滑動子２５ａを
嵌めて上下動を自由とし、かつ固定トリミング枠
７と可動トリミング枠１０の間に通したもので、
ガイド柱６は、チエン枠２２の外側を通るが、固
定トリミング刃１２と可動トリミング刃１５とは
チエン枠２２の内側にある。

チエン枠２２の下降の限度は、案内棒２５の長
さにより、ピストンロツド９の収縮による可動ト
リミング刃１５の下降の限度（第３図）より上方
にするもので、これにより樹脂シートａの送り移
動が自由になる。可動トリミング枠１０の上面に
は上昇の途中でチエン２２の下面に突き当たる突
出片２６を設け、その上面を衝合面２７とする。
突出片２６には緩衝ばねを設けることができる。

本実施例は樹脂シートａの成形品が固定トリミ
ング刃１２の下面に停止するのと関係的にシリン
ダ８にトリミング指令を与えてピストンロツド９
の伸長と収縮の一往復を生じさせるもので、第３
図の位置からピストンロツド９の伸長により可動
トリミング枠１０と可動トリミング刃１５とが上
昇すると、可動トリミング刃１５の上方部が成形
品ｂに嵌まると同時的に衝合面２７がチエン枠２
２の下面に突き当ててとクランプチエン２１及び
樹脂シートａ連動上昇し、第４図に示すように可
動トリミング刃１５の切断刃１６を固定トリミン
グ刃１２のダイの内周部に接してトリミングを行
う。

ピストンロツド９は該トリミングのすぐあとで
収縮して可動トリミング枠１０と可動トリミング
刃１５の下降を強制し、チエン枠２２は自重によ
り第３図の位置に戻る。尤も可動トリミング枠１
０に固定したチエンの類によりチエン枠２２の下
降が遅れないようにすることもできる。トリミン
グされた成形品ｂは固定トリミング枠７に設けた
真空吸引装置２８により吸引し、図示しない受板
を側方から進出し、固定トリミング枠１０に加圧
エアーを送つて排出する等の付加装置を設けて、
トリミングされた成形品ｂの排出と、可動トリミ
ング刃１５上から撤去を行う。

（考案の効果及び作用） 本考案の必須的構成要件を充たす構成によつて
生ずる作用は前記の実施例の作用の説明によつて
理解できるであろう。

本考案はトリミング装置に成形品を成形した樹
脂シートを移送して供給するクランプチエンを装
着したチエン枠を上下移動を可能にして設け、且
つ固定トリミング枠と、可動トリミング枠との間
に通し、可動トリミング枠にチエン枠の衝合面を
設けたものであつて、可動トリミング枠のトリミ
ング作動のための上昇を制御すれば、チエン枠が
前記トリミング枠の衝合面により突き当てて自動
的に持ち上げられる連動上昇を生ずるから、チエ
ン枠自体に可動トリミング枠の上昇と時間を合わ
せるためのモータ等の駆動装置を必要とせず、可
動トリミング枠の上昇に極く正確に時間合わせを
した上昇及び可動トリミング枠の下降に合わせた
自重下降を生じさせ、時間合わせ機構が全くいら
ない装置にすることができる効果を持つ。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１〜４図は本考案の一実施例を示
し、第１図は正面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線切
断拡大平面図、第３，４図は作動を示した一部の
正面図である。第５図は従来装置を例示した正面
図である。 １……トリミング機枠、５……支持台、６……
ガイド柱、７……固定トリミング枠、９……ピス
トンロツド、１０……可動トリミング枠、１２…
…固定トリミング刃、１５……可動トリミング
刃、２１……クランプチエン、２２……チエン
枠、２５……案内棒、２７……衝合面、２５ａ…
…滑動子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定トリミング刃又はダイを下向きにして上側
   の固定トリミング枠に装着し、可動トリミング刃
   を上向きにして、上下動する下側の可動トリミン
   グ枠に装着したトリミング装置において、 該トリミング装置に成形シートを移送して供給
   するクランプチエンを装着したチエン枠を上下移
   動可能に設け、そのチエン枠を固定トリミング枠
   と可動トリミング枠との間に通し、可動トリミン
   グ枠に、チエン枠に突き当つてそのそのチエン枠
   を該可動トリミング枠により上昇させる衝合面を
   設けたことを特徴とする樹脂シートのトリミング
   装置。