JPH05180197A - 遠心型送風機における滞留水の排水用応圧作動弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心型送風機のファンケーシング内の底部に
種々の原因で滞留する水を、ファン停止時に排水しファ
ンケーシングの腐食やモーターのベアリングの破損を防
止することを目的とする。 【構成】 遠心型送風機において、ファンケーシング１
０内の底部に、排水孔１４を形成するとともに、この排
水孔１４をファン回転中は閉鎖し、ファン停止時に開放
するように働く応圧作動弁Ｂを、装着したことを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、遠心型送風機に関す
るもので、更に詳細にはファンケーシングの底部に滞留
する水を、ファン停止時に除去する応圧作動弁に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】遠心型送風機は産業用として種々の用途
に使用されているが、例えば、図１に示すボイラの缶体
１に設けたバーナー２に送風ダクト３を介して燃焼用の
空気を送風する遠心型送風機Ａでは、ボイラを多缶設置
した場合に煙道９設置上の制約等により、ボイラ停止時
に燃焼ガスが逆流して、送風機のファンケーシング１０
内に結露水が溜り、ケーシングが腐蝕したり、モーター
のベアリングが破損したりする問題点がある。このよう
な問題点は、ボイラの試運転時に缶体に使用したキャス
タ８から蒸発する水分によってももたらされる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うに、ボイラに付設の遠心型送風機では、ボイラ停止時
に燃焼ガスが逆流してファンケーシング内に結露水が溜
り、ケーシングが腐蝕したりモーターが破損したりする
のを防止するため、ケーシング内の底部に応圧作動弁を
設けた遠心型送風機を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
遠心型送風機において、ファンケーシング内の底部に排
水孔を形成するとともに、この排水孔をファン回転中は
閉鎖し、ファン停止時に開放するように働く応圧作動弁
を装着したことを特徴としている。

【０００５】

【作用】この発明によれば、遠心型送風機のファンケー
シングの底部に設けた応圧作動弁は、ファン回転中はケ
ーシングの内圧により作動弁を押し下げて排水孔を閉
じ、回転停止により作動弁に備えたスプリングの弾力に
より作動弁を介して排水孔を開くのでファンケーシング
内に侵入した水を排出することができる。

【０００６】

【実施例】以下、この発明の第１の実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図１は、ボイラに付設する機器類
の配置を示す説明図であって、Ａは、ボイラの缶体１に
設けたバーナー２に燃焼用の空気を送風する遠心型送風
機を示す。この送風機Ａとバーナー２との間には送風ダ
クト３が挿入してある。前記缶体１は、多数の水管４で
上部ヘッダー５と下部ヘッダー６を連結し、水管４群に
よって囲まれた空間を燃焼室７とするものであり、この
燃焼室７の上下の要所に対しては周知の耐火部材として
のキャスタ８を塗着してある。図中９は煙道である。

【０００７】遠心型送風機Ａは、図２に示すようにファ
ンケーシング１０とファン１１および回転軸１２（モー
ター軸）からなり、ファン１１の中心部より空気を吸込
みファン１１の回転により空気を矢印の方向へ送風する
構成となっている。前記ファンケーシング１０の底部に
図３〜図４に示す円形の凹部１３を形成し、この凹部１
３内に複数の排水孔１４とガイド孔１５を設けている。
この排水孔１４には前記ファン１１の回転による圧力上
昇により自動的に閉じ、回転停止によって自動的に開く
応圧作動弁Ｂを前記凹部１３内に設けている。図中１６
は、送風機Ａを支持する支持部材である。

【０００８】応圧作動弁Ｂは、図４〜図５に示すよう
に、前記ファンケーシング１０の凹部１３に装着してあ
って、作動弁本体１７とＯリング１８及びスプリング１
９並びに軸用Ｅワッシャ２０からなり、作動弁本体１７
は、図４〜図５に示すように円盤形状の受圧部１７ａと
ファンケーシング１０の凹部１３に設けたガイド孔１５
に挿入するガイド桿部１７ｂとＯリング１８を装着する
受座部１７ｃ及び抜け止め用のＥワッシャ２０を嵌着す
る溝１７ｄを形成している。Ｏリング１８は、ファン１
１が回転中の風圧を排水孔から逃さないためのパッキン
グであって、前記受座部１７ｃに装着してある。スプリ
ング１９は、前記ガイド桿部１７ｂの外径に挿入してあ
って、作動弁本体１７をバネ圧により開方向に支持しこ
のバネ圧及び高さは前記ファン１１の回転によって作動
弁本体１７が閉じるように設定調整してある。抜け止め
用のＥワッシャ２０は、ファンケーシング１０の外側に
突出したガイド桿部１７ｂの溝１７ｄに嵌着して作動弁
本体１７を係止する。

【０００９】この発明の応圧作動弁の作用について説明
する。遠心型送風機を運転中は、図４に示すようにファ
ン１１の回転によりファンケーシング１０内の内圧が上
昇し、応圧作動弁Ｂの作動弁本体１７は上面に圧力を受
けスプリング１９を圧下し、Ｏリング１８を凹部１３に
圧着して気密を保持する。一方、ファン１１の回転停止
によりファンケーシング１０内の内圧がなくなると、図
５に示すようにスプリング１８の弾力により作動弁本体
１７が上昇して排水孔１４が開いた状態となるので、フ
ァン１１の停止時にファンケーシング１０内に水が進入
しても直ちに排出される。又、ファン１１が回転時に水
が進入しても、上記のようにファン１１が停止すること
で水はケーシング外に排出されるので、長期に亘って水
を滞留することはない。

【００１０】つぎに、上記実施例にかわる第２実施例に
ついて説明する。図６に示すように、ファンケーシング
１０の底部に排水孔１４を設け、この排水孔１４を覆う
ように任意の形状のバネ板２１（応圧作動弁Ｂ）を設
け、このバネ板２１の片方側を所定の位置より上方に折
曲げて、前記排水孔１４が開口するようにバネ板２１の
他方側の所定の位置をファンケーシング１０に鋲２２又
は小ネジ等により固定する。固定したバネ板２１の片方
側は弾力により上方に上がり排出口１４を開口するが、
ファン回転時はファンケーシング１０内の内圧によりバ
ネ板２１は圧下されてケーシング内面に密着する。した
がって、ファンが停止するとバネ板の片方側は弾力によ
り上がり排出口１４が開いて水が流出する。

【００１１】つぎに、第３の実施例について説明する。
図７に示すような、椀状の弾力部材２３（応圧作動弁
Ｂ）の中心をファンケーシング１０の底中心部に鋲２４
又は小ネジ等で固定し、この弾力部材２３の外径より内
側の任意の位置に排水孔１４を設けたものである。この
椀状部材２３は、例えば合成ゴム等で成形したもので、
ファン回転時の内圧によりケーシング内面に密着し、回
転停止時に原状に復する性質を有するものである。作用
の説明は第２実施例と同様であるので省略する。

【００１２】又、第１実施例をより確実に作動させるた
め、ファンケーシング１０の外側に図示しないファン用
モーターに通信線を介して接続した電磁石を設け、この
電磁石に前記作動弁本体１７のガイド桿部１７ｂを係着
し、ファン用モータが稼動すれば電磁石を介して作動弁
を閉じ、停止すれば開弁する構成とすることも実施に応
じて適用することができる。（図示省略）

【００１３】

【発明の効果】この発明は、以上のように構成したので
次のような効果がある。即ち、遠心型送風機のファンケ
ーシングの底部に排水孔を設け、ファンの停止によって
自動的に開く応圧作動弁を設けたので、種々の原因でフ
ァンケーシング内に水が滞留しても、ファン停止時に滞
留した水を排水孔を介してケーシング外に排出すること
ができる。したがって、従来のように長期に亘ってケー
シング内に水が滞留し腐食等の不都合を改善できる。
又、ファン回転中は作動弁が閉じるので、ファンの性能
が低下することはなく効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を実施した遠心型送風機とボイラ及び
機器類の配置を示す説明図である。

【図２】図１の遠心型送風機の断面図である。

【図３】図２の遠心型送風機の一部を破断して示す、第
１の実施例のファンケーシングの底部の平面図である。

【図４】この発明の第１の実施例である応圧作動弁のフ
ァン回転中の状態を示す断面図である。

【図５】図４の応圧作動弁のファン停止時の状態を示す
断面図である。

【図６】この発明の第２実施例を示す断面図である。

【図７】この発明の第３実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

Ａ 遠心型送風機 Ｂ 応圧作動弁 １０ ファンケーシング １４ 排水孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遠心型送風機Ａにおいて、ファンケーシ
   ング１０内の底部に、排水孔１４を形成するとともに、
   この排水孔１４をファン回転中は閉鎖し、ファン停止時
   に開放するように働く応圧作動弁Ｂを、装着したことを
   特徴とする遠心型送風機における滞留水の排水用応圧作
   動弁。