JPH05179457A - CuおよびCu合金へのNiめっき方法 - Google Patents
CuおよびCu合金へのNiめっき方法Info
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- JPH05179457A JPH05179457A JP35877091A JP35877091A JPH05179457A JP H05179457 A JPH05179457 A JP H05179457A JP 35877091 A JP35877091 A JP 35877091A JP 35877091 A JP35877091 A JP 35877091A JP H05179457 A JPH05179457 A JP H05179457A
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- alloy
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- plated
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Cu およびCu合金を素材としたコネクタのめっ
きに関し、該素材に対してNi−P合金めっきを施し安価
に耐食性を向上させるものである。 【構成】 CuおよびCu合金にP含有量が10% 未満のNi−
P合金めっきを施す第1工程と、引き続きP含有量が10
% 以上のNi−P合金めっきを施す第2工程と、さらに 7
00℃以上で、かつ第2工程のNi−P合金めっき膜の融点
未満で加熱する第3工程とからなることを特徴とするCu
およびCu合金へのNiめっき方法。 【効果】 本発明はCuおよびCu合金に, Ni−P合金めっ
きを施しNiめっき膜の耐食性を向上させた。
きに関し、該素材に対してNi−P合金めっきを施し安価
に耐食性を向上させるものである。 【構成】 CuおよびCu合金にP含有量が10% 未満のNi−
P合金めっきを施す第1工程と、引き続きP含有量が10
% 以上のNi−P合金めっきを施す第2工程と、さらに 7
00℃以上で、かつ第2工程のNi−P合金めっき膜の融点
未満で加熱する第3工程とからなることを特徴とするCu
およびCu合金へのNiめっき方法。 【効果】 本発明はCuおよびCu合金に, Ni−P合金めっ
きを施しNiめっき膜の耐食性を向上させた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CuおよびCu合金へのNi
めっき方法に関し、安価にNiめっきの耐食性を向上させ
るものである。
めっき方法に関し、安価にNiめっきの耐食性を向上させ
るものである。
【0002】
【従来の技術】CuおよびCu合金 (以下、単にCuという)
は、電気伝導性、熱伝導性に優れることから、電子材料
・部品として広範囲に使用されている。CuへのNiめっき
方法は比較的容易であり、Cu表面を脱脂した後、酸で活
性化し、電気めっきや無電解めっきを施している。そし
て、本発明はCuを素材としたコネクタのめっき方法に関
連するものである。
は、電気伝導性、熱伝導性に優れることから、電子材料
・部品として広範囲に使用されている。CuへのNiめっき
方法は比較的容易であり、Cu表面を脱脂した後、酸で活
性化し、電気めっきや無電解めっきを施している。そし
て、本発明はCuを素材としたコネクタのめっき方法に関
連するものである。
【0003】Niめっきは、コネクタ材料のSnやAuの下地
めっきとしてよく用いられてる。コネクタの表面機能は
低接触抵抗であることであり、下地のNiめっきは低接触
抵抗となるように選定されたSnやAuの最表面めっきの初
期性能を維持することを役割とする。下地のNiめっきの
耐食性が不十分であれば、ピンホ−ルを基点とした腐食
進行のため、最表層めっきであるSnやAuの表面機能が低
下する。従って、耐食性を向上させる単純な手段として
は、腐食基点となるピンホ−ルを極力抑える意味から、
めっき層を厚く設計することである。
めっきとしてよく用いられてる。コネクタの表面機能は
低接触抵抗であることであり、下地のNiめっきは低接触
抵抗となるように選定されたSnやAuの最表面めっきの初
期性能を維持することを役割とする。下地のNiめっきの
耐食性が不十分であれば、ピンホ−ルを基点とした腐食
進行のため、最表層めっきであるSnやAuの表面機能が低
下する。従って、耐食性を向上させる単純な手段として
は、腐食基点となるピンホ−ルを極力抑える意味から、
めっき層を厚く設計することである。
【0004】最近、コネクタの下地めっきとして、Ni−
P合金めっきが注目されている。Ni−P合金めっきは無
電解めっきの代表的なものであり、還元材として次亜リ
ン酸ナトリウムを用い、その還元力によって外部電源を
用いずにNiを析出させている。このとき、還元材からP
がNiめっき膜中に共析する。
P合金めっきが注目されている。Ni−P合金めっきは無
電解めっきの代表的なものであり、還元材として次亜リ
ン酸ナトリウムを用い、その還元力によって外部電源を
用いずにNiを析出させている。このとき、還元材からP
がNiめっき膜中に共析する。
【0005】Niめっき膜中にPが含有されると、Pが5
Wt% (以下、単に%として表示する)程度まではNiの過
飽和固溶体であるが、5%からさらにP含有量が増加す
るとアモルファスライクの構造に次第に移り変わる。そ
してP含有量が10%以上となる高PのNiめっき膜では、
耐食性が著しく向上することが示されている。これはP
の3s,3p バンドの電子がNiのdバンドの空孔を埋
め、Ni−P合金の表面活性を低下させるためと説明され
ている。
Wt% (以下、単に%として表示する)程度まではNiの過
飽和固溶体であるが、5%からさらにP含有量が増加す
るとアモルファスライクの構造に次第に移り変わる。そ
してP含有量が10%以上となる高PのNiめっき膜では、
耐食性が著しく向上することが示されている。これはP
の3s,3p バンドの電子がNiのdバンドの空孔を埋
め、Ni−P合金の表面活性を低下させるためと説明され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、コネクタ下地めっきであるNiめっき膜の耐
食性の向上である。単純にめっき膜を厚くするにはコス
ト高をまねき、特に表面めっきにAuを用いる場合には、
めっき厚は重大なコスト支配要素となってしまう。ま
た、12%程度の高Pのめっき膜を作製する場合、めっき
液の価格が高くさらにこのめっきの析出速度が遅いため
にこれまたコスト高をまねいてしまう。
する課題は、コネクタ下地めっきであるNiめっき膜の耐
食性の向上である。単純にめっき膜を厚くするにはコス
ト高をまねき、特に表面めっきにAuを用いる場合には、
めっき厚は重大なコスト支配要素となってしまう。ま
た、12%程度の高Pのめっき膜を作製する場合、めっき
液の価格が高くさらにこのめっきの析出速度が遅いため
にこれまたコスト高をまねいてしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、コス
トが安定しているP含有量が10% 未満のNi−P合金めっ
きの後、引き続きP含有量が10% 以上のNi−P合金めっ
きを施す2層めっきとした。そしてさらに、第3工程で
熱処理を施すことにより、Niと素材のCuを相互に拡散さ
せ、結果としてめっき表面層のP含有量を著しく高める
ことを試みた。ここで、表面機能を保持するための下地
めっきの耐食性は下地めっき表面の 100オングストロ−
ム程度で決定されるため、第2めっき厚さは僅かで良く
析出速度が遅いという欠点は軽減される。
トが安定しているP含有量が10% 未満のNi−P合金めっ
きの後、引き続きP含有量が10% 以上のNi−P合金めっ
きを施す2層めっきとした。そしてさらに、第3工程で
熱処理を施すことにより、Niと素材のCuを相互に拡散さ
せ、結果としてめっき表面層のP含有量を著しく高める
ことを試みた。ここで、表面機能を保持するための下地
めっきの耐食性は下地めっき表面の 100オングストロ−
ム程度で決定されるため、第2めっき厚さは僅かで良く
析出速度が遅いという欠点は軽減される。
【0008】すなわち、本発明の要旨とするところは、
CuおよびCu合金にP含有量が10% 未満のNi−P合金めっ
きを施す第1工程と、引き続きP含有量が10% 以上のNi
−P合金めっきを施す第2工程と、 700℃以上で、かつ
第2工程のNi−P合金めっき膜の融点未満で加熱する第
3工程とからなることを特徴とするCuおよびCu合金への
Ni−P合金めっき方法である。
CuおよびCu合金にP含有量が10% 未満のNi−P合金めっ
きを施す第1工程と、引き続きP含有量が10% 以上のNi
−P合金めっきを施す第2工程と、 700℃以上で、かつ
第2工程のNi−P合金めっき膜の融点未満で加熱する第
3工程とからなることを特徴とするCuおよびCu合金への
Ni−P合金めっき方法である。
【0009】第1工程のNi−P合金めっきは、基本的に
は市販実績が豊富でコストも安定している8〜10% のも
のを選ぶのが好ましい。また、電気めっきによるNi−P
合金めっきを包含する。そして、第2工程のP含有量が
10% 以上のNi−P合金めっきへの移行は工程を切ること
なく連続的に実施し、各めっき液の温度と浸漬時間で所
望のめっき厚さを設定する。
は市販実績が豊富でコストも安定している8〜10% のも
のを選ぶのが好ましい。また、電気めっきによるNi−P
合金めっきを包含する。そして、第2工程のP含有量が
10% 以上のNi−P合金めっきへの移行は工程を切ること
なく連続的に実施し、各めっき液の温度と浸漬時間で所
望のめっき厚さを設定する。
【0010】さらに、第3の加熱工程は、Ni−P合金め
っきの表面清浄性を保持するため、窒素、アルゴン、真
空等の無酸化雰囲気、水素もしくは水素・窒素混合気流
中の還元雰囲気で行われ、生産性を考慮して 700℃以上
とする。また、Ni−P合金はP含有量の増加に伴って融
点が低下するため、第2工程のNi−P合金めっき膜の融
点未満とした。
っきの表面清浄性を保持するため、窒素、アルゴン、真
空等の無酸化雰囲気、水素もしくは水素・窒素混合気流
中の還元雰囲気で行われ、生産性を考慮して 700℃以上
とする。また、Ni−P合金はP含有量の増加に伴って融
点が低下するため、第2工程のNi−P合金めっき膜の融
点未満とした。
【0011】
【作用および効果】本発明によって得られたNi−P合金
めっき膜は、素材とめっきの界面から表面に向かってP
濃度が徐々に増加したものとなり、めっき表層が高Pの
めっき膜となる。従って、高PのNiめっき1層の場合よ
りも比較的安価にNi−P合金めっき膜の耐食性を向上さ
せ、結果としてこの上にSnやAuめっきを厚く施す必要が
ない。
めっき膜は、素材とめっきの界面から表面に向かってP
濃度が徐々に増加したものとなり、めっき表層が高Pの
めっき膜となる。従って、高PのNiめっき1層の場合よ
りも比較的安価にNi−P合金めっき膜の耐食性を向上さ
せ、結果としてこの上にSnやAuめっきを厚く施す必要が
ない。
【0012】
【実施例】2mm×20mm×50mmのCuに一般的なめっき前処
理を施し、市販の無電解Niめっき液 (日本カニゼン製S
−753)に15分間浸漬し、さらに市販の高Pタイプの無電
解Niめっき液 (上村工業製ニムデンHDX) に5分間浸
漬した。こうして得られた無電解Ni2層めっきを施した
Cuを 700℃で10分間、真空熱処理を施した。さらに、こ
の無電解Niめっき後に熱処理を施したCuを斜めにカット
し、断面をEPMAで分析したところ、NiとCuが相互に
拡散して表層のP含有量が増加し、15% にまで達してい
るのが確認された。図1に本実施例で測定したEPMA
の分析結果を示す。
理を施し、市販の無電解Niめっき液 (日本カニゼン製S
−753)に15分間浸漬し、さらに市販の高Pタイプの無電
解Niめっき液 (上村工業製ニムデンHDX) に5分間浸
漬した。こうして得られた無電解Ni2層めっきを施した
Cuを 700℃で10分間、真空熱処理を施した。さらに、こ
の無電解Niめっき後に熱処理を施したCuを斜めにカット
し、断面をEPMAで分析したところ、NiとCuが相互に
拡散して表層のP含有量が増加し、15% にまで達してい
るのが確認された。図1に本実施例で測定したEPMA
の分析結果を示す。
【0013】また、比較材として、Cuに一般的なめっき
前処理を施し、高Pタイプの無電解Niめっきに50分間浸
漬してケイ光X線式膜厚計で測定したところ、めっき厚
さ 4μm 、P含有量が12%の結果が得られた。従って、
本実施例の熱処理により、表層のP含有量が3%程度増
加していることになる。
前処理を施し、高Pタイプの無電解Niめっきに50分間浸
漬してケイ光X線式膜厚計で測定したところ、めっき厚
さ 4μm 、P含有量が12%の結果が得られた。従って、
本実施例の熱処理により、表層のP含有量が3%程度増
加していることになる。
【0014】さらに、同様にして作成した2層めっき後
に熱処理をしたものと比較材を1NのHNO3 に浸漬し
腐食減量を測定した。その結果、2層めっき後に熱処理
を施したものは単位面積当たりの腐食減量が15mg /(m2m
in) であるのに対し、比較材は20mg /(m2min) であっ
た。
に熱処理をしたものと比較材を1NのHNO3 に浸漬し
腐食減量を測定した。その結果、2層めっき後に熱処理
を施したものは単位面積当たりの腐食減量が15mg /(m2m
in) であるのに対し、比較材は20mg /(m2min) であっ
た。
【0015】
【図1】 本発明における無電解めっきされたCuの断面
のEPMA分析結果である。
のEPMA分析結果である。
Claims (1)
- 【請求項1】 CuおよびCu合金にP含有量が10% 未満の
Ni−P合金めっきを施す第1工程と、引き続きP含有量
が10% 以上のNi−P合金めっきを施す第2工程と、前記
第1層および第2層のNi−P合金めっきを施した素材を
700℃以上で、かつ第2工程のNi−P合金の融点未満の
温度で加熱する第3工程とからなることを特徴とするCu
およびCu合金へのNiめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35877091A JPH05179457A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | CuおよびCu合金へのNiめっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35877091A JPH05179457A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | CuおよびCu合金へのNiめっき方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05179457A true JPH05179457A (ja) | 1993-07-20 |
Family
ID=18461021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35877091A Pending JPH05179457A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | CuおよびCu合金へのNiめっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05179457A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6123589A (en) * | 1998-04-23 | 2000-09-26 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | High-frequency connector with low intermodulation distortion |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP35877091A patent/JPH05179457A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6123589A (en) * | 1998-04-23 | 2000-09-26 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | High-frequency connector with low intermodulation distortion |
US6454618B1 (en) | 1998-04-23 | 2002-09-24 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | High-frequency connector with low intermodulation distortion |
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