JPH0517925Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、圧縮変形後の復元力にすぐれた主
としてスポーツに好適な靴底を提供することにあ
る。

（従来の技術） スポーツに履用する靴底は、着地衝撃を吸収・
緩和する機能を備えると同時に、圧縮変形後の復
元速度を早める反発性が不可欠である。

従来品においては、着地衝撃を吸収緩和する手
段として、靴底の全体又は踵部その他の所望部に
粘弾性に富む素材を内蔵することは公知である。

（考案が解決しようとする問題点） かかる粘弾性に富む素材を内蔵した靴底は、着
地衝撃吸収性に富む長所はある反面、圧縮変形後
の復元速度が遅い、つまり、反発機能に欠ける欠
点があり、そのために対地接触時間が長くなつて
キツク力が減殺され、疾走力にマイナス作用をき
たすところに問題があつた。

（問題点を解決するための手段） この考案は、反発弾性に富む素材からなる楕円
形パイプと、粘弾性に富む素材とを適宜に組合わ
せた部材を、靴底の踵部に内蔵したことを特徴と
する靴底にした。

（作用） 反発弾性に富む素材からなる楕円形パイプは、
それ自体圧縮すると変形し、圧縮を解くと直ちに
復元する機能を有する。

一方、粘弾性に富む素材は衝撃吸収緩和性にす
ぐれている。したがつて、これらを後述する実施
例のように組合わせることによつて、着地衝撃を
吸収緩和すると同時に、反発復元性が早くなる。

（実施例） 第１図乃至第４図に示すように、合成樹脂その
他の反発弾性に富む素材からなる楕円形パイプ１
の内部に、発泡体その他の粘弾性に富む素材２を
充填した部材Ａを、靴底３の踵部４に内蔵した靴
底である。

他の実施例は、第５図に示すように、前記楕円
形パイプ１の内部に、前記粘弾性に富む素材２を
略1/2程度充填した部材Ａにして、靴底の踵部に
内蔵するものである。

又第６図、第７図に示すように、前記楕円形パ
イプ１を中空のままその上面又は下面に、前記粘
弾性に富む素材２を接着した部材Ａにして、靴底
の踵部に内蔵するものである。

なお、前記楕円形パイプ１及び粘弾性に富む素
材２の圧縮反発性を異にした部材Ａを構成するこ
とは容易であり、靴底の踵部に内蔵する手段は、
該部材Ａが露見しないようにする場合のほか、踵
部に該部材Ａを挿脱する穴を設けておいて、圧縮
反発性を異にした部材Ａと入替えできるようにす
る場合とがあり、後者の場合は、スポーツの種目
や体重によつて圧縮反発性の異る部材Ａに取替え
たり、又部材Ａが損傷や老化したときに取替えが
可能になり、より有益である。

さらに、図面は省略したが、前記楕円形パイプ
１と前記粘弾性に富む素材との組合わせ態様は任
意に実施できる。

（考案の効果） この考案は、楕円形パイプ１と粘弾性に富む素
材２とを組合わせた部材Ａを靴底の踵部４に内蔵
したから、この靴底を用いた靴を履用すると、着
地時に踵部４にかかる体重負荷と衝撃によつて楕
円形パイプ１は圧縮されて変形するが、踵をあげ
ると同時に楕円形パイプ１は反発復元する。この
圧縮変形からの反発復元が早いため対地接触時間
が短縮すると共に、反発性を利してキツク力が向
上し疾走に有利である。又着地時に受ける衝撃は
粘弾性に富む素材２が吸収緩和してクツシヨン効
果を奏し、足を痛める率は減少する。

かくて、この考案靴底を備えた靴は、運動量の
多いジヨギングその他のスポーツにおいて疾走力
を高め、適度のクツシヨン性を有するため足の疲
労を緩和するなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施数例を示すもので、第１
図は靴底の斜視図、第２図は部材Ａの斜視図、第
３図は部材Ａの圧縮変形状態の説明断面図、第４
図は部材Ａの圧縮復元状態の説明断面図、第５図
乃至第７図は部材Ａの他の実施例を示す断面図で
ある。 １……楕円形パイプ、２……粘弾性素材、３…
…靴底、４……踵部、Ａ……部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 反発弾性に富む素材からなる楕円形パイプと、
   粘弾性に富む素材とを適宜に組合わせた部材を、
   靴底の踵部に内蔵したことを特徴とする靴底。