JPH05177388A - 溶接あるいはろう付けにおける接合対象部材の酸化を防止する装置 - Google Patents

溶接あるいはろう付けにおける接合対象部材の酸化を防止する装置

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JPH05177388A
JPH05177388A JP34492091A JP34492091A JPH05177388A JP H05177388 A JPH05177388 A JP H05177388A JP 34492091 A JP34492091 A JP 34492091A JP 34492091 A JP34492091 A JP 34492091A JP H05177388 A JPH05177388 A JP H05177388A
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gas
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pipe
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JP34492091A
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Kimito Kasukabe
公人 春日部
Hajime Sugiyama
肇 杉山
Tatsutomo Nishihara
達知 西原
Yukio Ueda
幸夫 植田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接合対象部材の酸化を防止しながら、溶接や
ろう付けによる接合を、低コストかつ一定品質でおこな
える装置を得ることにある。 【構成】 酸化される部位に密閉された置換ガス保持空
間を形成する、すくなくとも一組の手段、不活性ガスあ
るいは還元性ガスからなる置換ガスを置換ガス保持空間
に供給する手段、置換ガスの流量を制御する手段、置換
ガス保持空間に供給された置換ガスの体積変化を吸収す
る手段および置換ガス保持空間に存在する酸化物質と置
換ガスとの置換度を測定する手段を具備している。 【効果】 接合部の表裏に関連する部分が置換ガスによ
っておおいながら接合するので、接合対象部材の酸化を
防げるばかりか、酸化物質と置換ガスとの置換度を最適
値に維持させ、溶接あるいはろう付けにおける置換ガス
の膨張収縮も防ぐことができ、しかも、炉や真空設備な
どの高価な装置を必要としないので、きわめて低いコス
トで品質のたかい接合をおこなえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、管のような中空部材
の接合を溶接やろう付けによっておこなうときに、接合
対象部材の酸化を防止する装置に関している。
【0002】
【従来の技術】従来、中空部材の内面における接合部の
裏面となる関連する部分を酸化させることなしに、中空
部材の接合をおこなうことは、不活性ガスあるいは還元
性ガスをもちいた炉中ろう付あるいは真空ろう付けによ
ってなされている。
【0003】また、溶接学会から昭和41年度に発行さ
れた溶接便覧の3章、10項、243ペ−ジには、接合
対象部材を密閉容器の内部にいれ、103 mmHg程度
の真空に引き、高純度のアルゴンガスで容器内を満た
し、容器内でイナ−トガス溶接をおこなう制御雰囲気溶
接が記載されている。さらに、251ペ−ジには、溶接
部の裏面に裏あて金を配置し、裏あて金にあるみぞにイ
ナ−トガスを流してビ−ド裏面をシ−ルドし、溶接をお
こなう方法も記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの酸化防止接合
方法のうち、炉中ろう付あるいは真空ろう付けによるも
のは、装置コストがきわめてたかく、多量生産向きであ
って、小量多品種の接合に採用することができない。
【0005】イナ−トガスア−ク溶接における制御雰囲
気溶接は、不活性ガスによる酸化物質の置換度とその信
頼性が真空度に支配されるため、高価な真空設備を必要
とする。さらに、裏あて金のみぞにシ−ルドガスを流し
ながらイナ−トガス溶接をおこなう方法は、溶接ビ−ト
に気孔や割れの発生を防止したり、溶接ビ−ドの外観不
良を防止することを目的としていて、酸化物質のシ−ル
ドを確実におこなうことができないため、溶接による酸
化をさけられない。
【0006】本発明の目的は、溶接やろう付けによる接
合を、低コストで、しかも、一定した品質でおこなえる
ようにさせる、接合対象部材の酸化を防止する装置を提
供することにある。
【0007】
【解決するための手段】上記目的を達成するために、本
発明の溶接あるいはろう付けによる接合対象部材の酸化
を防止する装置は、ろう付けあるいは溶接によって接合
される接合対象部材を含み、接合対象部材におけるろう
付けあるいは溶接などによって酸化される部位に密閉さ
れた置換ガス保持空間を形成する、すくなくとも一組の
第一の手段と、不活性ガスあるいは還元性ガスからなる
置換ガスを置換ガス保持空間に供給する第二の手段と、
置換ガス保持空間に供給された置換ガスの流量を制御す
る手段と、置換ガス保持空間に供給された置換ガスの体
積変化を吸収する第三の手段と、置換ガス保持空間に存
在する酸化物質と置換ガスとの置換度を測定する第四の
手段とを具備している。
【0008】上記目的を達成するために、本発明の溶接
あるいはろう付けによる接合対象部材の酸化を防止する
装置は、ろう付けあるいは溶接などによって接合される
両端が開放されかつ中空の接合対象部材を含み、密閉さ
れた置換ガス保持空間を接合対象部材の内部に形成させ
る少なくともひとつの第一の手段と、不活性ガスあるい
は還元性ガスからなる置換ガスを置換ガス保持空間に供
給する第二の手段と、置換ガス保持空間に供給された置
換ガスの流量を制御する手段と、置換ガス保持空間に供
給された置換ガスの体積変化を吸収する第三の手段と、
置換ガス保持空間に存在する酸化物質と置換ガスとの置
換度を測定する第四の手段とを具備している。
【0009】上記目的を達成するために、本発明の溶接
あるいはろう付けによる接合対象部材の酸化を防止する
装置は、ろう付けあるいは溶接などによって端部同志を
接合される、両端が開放された中空の接合対象部材を含
み、密閉された第一の置換ガス保持空間を接合対象部材
の内部に形成させるとともに、接合部の外側にも密閉さ
れた第二の置換ガス保持空間を形成させる少なくとも一
組の第一の手段と、不活性ガスあるいは還元性ガスから
なる置換ガスを置換ガス保持空間に供給する第二の手段
と、置換ガス保持空間に供給された置換ガスの流量を制
御する手段と、置換ガス保持空間に供給された置換ガス
の体積変化を吸収する第三の手段と、置換ガス保持空間
に存在する酸化物質と置換ガスとの置換度を測定する第
四の手段とを具備している。
【0010】上記目的を達成するために、本発明の溶接
あるいはろう付けによる接合対象部材の酸化を防止する
装置は、接合対象部材を収容する密閉された置換ガス保
持空間をもつすくなくとも一組の第一の手段と、置換ガ
ス保持空間に不活性ガスあるいは還元性ガスからなる置
換ガスを供給する第二の手段と、置換ガス保持空間に供
給された置換ガスの体積変化を吸収する第三の手段と、
置換ガス保持空間に存在する酸化物質と置換ガスとの置
換度を測定する第四の手段とを具備している。
【0011】
【作用】接合は、置換ガスを置換ガス保持空間に第二の
手段によって送り込み、置換ガス保持空間に存在する酸
化物質と置換ガスとの置換度を第四の手段によって測定
し、ここに存在していた酸化物質が置換ガスによって置
換されたら、溶接あるいはろう付けをおこない、冷却す
ることによってなされる。
【0012】溶接あるいはろう付けをおこなうときに、
接合対象部材におけるろう付けあるいは溶接などによっ
て酸化される部位、たとえば、接合対象部材における溶
接ビ−ドに関連する部分は、第二の手段によって供給さ
れた不活性あるいは還元ガスからなる置換ガスによって
おおわれるため、酸化が防止される。
【0013】置換ガス保持空間に存在する酸化物質と置
換ガスとの置換度は、溶接あるいはろう付けに先行し
て、第四の手段によって測定され、しかも、溶接あるい
はろう付けに際して発生する密閉空間にある置換ガスの
膨張およびこのあとになされる冷却に際して発生する密
閉空間にある置換ガスの収縮は第二の手段によって吸収
されるので、ろう付けあるいは溶接にもとずく酸化の防
止を確実におこなえ、品質のたかい接合をおこなえる。
【0014】
【実施例】本発明の溶接あるいはろう付けにおける接合
対象部材の酸化を防止する装置の実施例は、以下に、図
1、図2および図3とともに説明する。
【0015】図1に示す装置は、たとえば、空調装置の
配管を接合対象部材としている。この配管は、ふたつの
管部材1、2からなっていて、管部材2が端部を拡管さ
れ、管部材1がこの拡管部分にはめこまれ、管部材2の
端面および管部材1の周面がろう付けあるいは溶接3に
よって接合されている。
【0016】本発明による装置は、ろう付けあるいは溶
接に際して、これらの管部材1、2の接合部3の裏面、
すなわち管部材1、2の内面が酸化しないようにさせる
ものである。装置自体は、管部材1、2に置換ガス保持
空間aを形成させる手段と、この置換ガス保持空間aに
不活性あるいは還元性ガスなどの置換ガスを供給する手
段と、置換ガス保持空間aから置換ガスを排出する手段
と、置換ガス保持空間aにおける酸化物質と置換ガスと
の置換度を測定する手段とを具備している。
【0017】置換ガス保持空間形成手段は接続具4、5
からなっている。接続具は、たとえばゴム成形物からな
っていて、管部材1、2の端部がはまるへこみあるいは
盲穴をもっているとともに、ガス入口bをもつ接続部が
接続具4に、ガス出口cをもつ接続部が接続具5にそれ
ぞれ設けられていて、管部材1、2にはめられたとき
に、管部材1と管部材2との内部に密閉された置換ガス
保持空間aを形成することができる。
【0018】置換ガス保持空間に置換ガスを供給するた
めの手段は、ヘリウム、アルゴン、などの不活性ガスあ
るいは窒素ガスのような還元性ガスからなる置換ガスの
供給源12と、置換ガス供給源12から置換ガス保持空
間aに異なる流量の置換ガスを供給する複数の置換ガス
供給配管8、18とを具備している。置換ガス供給源1
2は、たとえば前記ガスを充填されたボンベからなって
いて、ガス出口を置換ガス供給元配管13に接続されて
いる。置換ガス供給配管8、18は接続具4と置換ガス
供給元配管13とのあいだに接続されている。置換ガス
供給配管は、それぞれ、置換ガス供給弁A、Bおよび置
換ガス流量調節器P、Qをもっていて、置換ガス供給弁
A、Bのいずれかを選択することによって、置換ガス保
持空間aに異なる流量の置換ガスを供給することができ
るようにさせている。
【0019】置換ガス保持空間aから置換ガスを排出す
る手段は系外酸化物質侵入防止弁Cおよび系外ガス滞留
保持空間eを具備している。これらは、接続具5にある
ガス出口cを形成する接続部につながれている置換ガス
排出配管10に、管継手および置換ガス逃し配管9aに
よって接続されている。置換ガス逃し配管9aには圧力
調整用開口fが設けられている。系外ガス滞留保持空間
eは、溶接およびろう付けに際して、置換ガス保持空間
a、dの熱上昇にともなう置換ガスの体積膨張が溶接お
よびろう付けの疎外要因とならないようにさせるための
もので、たとえば、これに必要な容積もつ容器によっ
て、必要容積に関連する長さを置換ガス逃し配管9aに
あたえたりすることによって形成されている。
【0020】置換ガス保持空間aにおける酸化物質と置
換ガスとの置換度を測定する手段は置換度測定器11お
よび測定ガス供給弁Dを具備している。置換度測定器1
1はたとえば酸素濃度計からなっていて、ガス入口が測
定配管15によって測定ガス供給弁Dに接続されてい
る。測定配管15の端部は置換ガス排出配管10に接続
された前述の管継手に接続されていて、測定ガス供給弁
Dを開くことによって、置換ガス保持空間aにある置換
ガスを置換度測定器11に送り込むことができるように
させている。なお、測定配管15には、必要応じて、置
換ガス保持空間aにある置換ガスを置換度測定器11に
強制的に送り込むサンプリングポンプが設けられる。
【0021】接合は、部材1を部材2にはめ、接続具
4、5を部材1、2にはめ、これによって部材1、2の
内部に形成された置換ガス保持空間aに置換ガス供給源
12にから供給することによって開始される。供給は置
換ガス供給弁Aおよび系外酸化物質侵入防止弁Cを開く
ことによってなされる。供給量は、置換ガス保持空間a
に存在する酸化物質を含む空気を追い出し、置換ガス保
持空間aを置換ガスで置換することができ、しかも、酸
素濃度計11が必要とするサンプリングガスを満足させ
る量である。置換ガスが供給されたら、系外酸化物質侵
入防止弁Cを閉じかつ測定ガス供給弁Dを開き、酸素濃
度計11によって置換ガスの酸素濃度を測定し、酸素濃
度が所定値に到達したら、置換ガス供給弁Aを閉じ、置
換ガス供給弁Bを開き、置換ガス保持空間aの置換度を
よりたかめながら、管部材のろう付けあるいは溶接をお
こなう。
【0022】溶接あるいはろう付けは系外酸化物質侵入
防止弁Cを開いておこなう。これによって、置換ガス保
持空間aの置換ガスが溶接あるいはろう付けによって発
生する熱によって体積膨張しても、系外ガス滞留保持空
間eがこれを吸収することができる。接合が終了したら
接合部3の溶融金属が固化するまで放置する。このとき
に、系外ガス滞留保持空間eから置換ガスが置換ガス保
持空間aに供給され、冷却にともなう置換ガスの体積収
縮を打ち消すことができる。固化したら、置換ガス供給
弁Bを閉じて、置換ガス保持空間aにたいする置換ガス
の供給をとめ、酸化防止対象部分の温度が酸化温度以下
になるのをまち、部材1、2から接続具4、5を取り外
すことによって、作業は終了する。
【0023】酸素濃度の測定に際して、濃度が所定値よ
りもたかいときには、測定ガス供給弁Dを閉じ、系外酸
化物質侵入防止弁Cを開いて、置換ガス逃し管9aの圧
力調整用開口fからガスを置換ガス保持空間aにみちび
いて、目的とする置換度にさせる。また、目的とする置
換度を得たのちにも、酸素濃度計11によって置換度測
定をおこなう必要がある場合には、これを必要とする過
程において、置換ガス供給弁Aあるいは置換ガス供給弁
Bを開いて、酸素濃度計11が必要とする以上の量のサ
ンプリングガスを酸素濃度計11に供給し、圧力調整用
開口fからの系外酸化物質の流入がないようさせたあ
と、系外酸化物質侵入防止弁Cを開き、余剰のサンプリ
ングガスを圧力調整用開口fから排出させて、酸素濃度
計11が必要とするサンプリングガス量を酸素濃度計1
1に供給することによっておこなえる。なお、系外酸化
物質が置換ガス保持空間aに侵入するおそれのないと
き、あるいは、侵入量が目標とする酸化度を許容してい
るときには、置換ガスを供給せずに、系外酸化物質侵入
防止弁Cを開き、ろう付けあるいは溶接作業を開始し、
ろう付けおよび溶接によって発生する熱による置換ガス
の体積膨張をなどに応じられるようにする。
【0024】つぎにより具体的な作業例を説明する。接
合対象部材1、2は外径19.05mm、肉厚1.0m
m、長さ400mmの銅パイプである。管部材2にはろ
う付け溶接で貫用的になされている拡管をおこない、管
部材1をこの拡管部分に挿入する。接続具4、5を管部
材1、2にはめ、外径が8mm、肉厚が1.5mmのプ
ラスチックチュ−ブを接続具4の接続部に接続する。置
換ガス排出配管10の端部にはT字形の分岐管からなる
管継手を接続する。分岐管における残るふたつのガス出
入口の一方にはプラスチックチュ−ブによって置換ガス
流量調節器Pおよび置換ガス供給弁Aを接続し、他方に
はプラスチックチュ−ブによって置換ガス流量調節器Q
および置換ガス供給弁Bを接続する。置換ガス供給弁
A、BをT字形の分岐管によって置換ガス供給元配管1
3に接続する。また、接続具5は、接続具4と同じもの
を採用し、ガス出口cをもつ接続部にプラスチックチュ
−ブからなる置換ガス排出配管10を接続し、このチュ
−ブの他端にT字形の分岐管を接続する。分岐管におけ
る残るふたつのガス出入口のうち、一方のそれには置換
ガス逃し配管9aを接続する。系外ガス滞留保持空間e
は置換ガス逃し配管9に長さ2mのものをもちいること
によって形成し、系外酸化物質侵入防止弁Cをこのチュ
−ブの端部に接続する。分岐管の他方は、プラスチック
チュ−ブからなる測定配管15によって、測定ガス供給
弁Dおよび酸素濃度計11に接続する。酸素濃度計11
は、測定ガス量200ml/分、測定範囲0.1PPm
〜100%仕様をもつものからなっている。
【0025】置換ガスは窒素ガスである。置換ガス流量
調節器Pは0.1kg/cm3 G、置換ガス流量調節器
Qは300ml/分に設定し、置換ガス供給弁Aと系外
酸化物質侵入防止弁Cおよび測定ガス供給弁Dを開き、
置換ガス保持空間aおよび酸素濃度計11に窒素ガスを
供給する。酸素濃度計11の指示濃度が100PPmに
低下したら、置換ガス供給弁Aを閉じ、置換ガス供給弁
Bを開き、窒素ガスを置換ガス保持空間aにみちびきな
がら、管部材1、2のろう付けをおこなう。ろう付けは
ごく一般的になされているバ−ナ方式の銀ろう付けであ
る。管部材1、2が冷却するのをまって、置換ガス供給
弁Aを閉じ、置換ガス保持空間aにたいする窒素ガスの
供給を止める。接合された管部材1、2は、内部に酸化
スケ−ルがなく、むしろ還元作用を認められ、しかも、
欠陥のない接合をなされている。なお、ろう付け作業の
おわった直後に、つまり接合部3の溶融金属が固化する
前に、置換ガス供給弁A、Bを閉じ、測定配管15への
ガス供給をとめ、系外酸化物質侵入防止弁Cを閉じる
と、溶接熱によって置換ガス保持空間aの置換ガスが膨
張し、溶融状態にある溶融金属が吹き飛ぶ現象が観察さ
れたが、溶融金属が固化したあとにはこのような現象が
発生しなかった。
【0026】また、あらたに管部材を準備し、ろう付け
を同様にしておこない、ろう付け終了後に数秒経過した
あと、接合部3へ水を噴霧して、接合部3を冷却をおこ
なったが、この場合も、管部材1、2の内部に酸化スケ
−ルがなくかつ欠陥のないろう付けがなされ、しかも、
ろう付け後の冷却時間の短縮もおこなえた。さらに、ろ
う付けの直後に、置換ガスの供給を止め、系外酸化物質
侵入防止弁Cを開き、冷却過程における置換ガス保持空
間aにある置換ガスの体積増減を圧力調整用開口fおよ
び系外ガス滞留保持空間eを機能させることによって吸
収しても、同様の酸化抑制効果を得られた。さらに、酸
素濃度計11の指示濃度が0.1%あるいは1.0%に
低下したときに、300ml/分の窒素ガスを供給しな
がら、ろう付けをおこなうようにしたところ、ろう付け
の進行にともなって、置換ガス保持空間aの酸素濃度が
急速に低下し、最初の場合と遜色のない酸化スケ−ル抑
制効果を得られた。このことは、接合を開始するための
酸化物質濃度が、かならずしも低濃度である必要はな
く、酸化物質濃度の低下速度を加味して接合開始濃度を
選定すればよいことをしめしている。
【0027】さらにまた、接合対象部材1、2として、
外径25mmおよび6.35mmの銅パイプを準備し、
最初の場合にしたがう接合作業をおこなったが、同様の
酸化抑制効果が得られている。このことから、酸化スケ
−ルの抑制効果は、酸化防止対象部に存在する酸化物
質、つまり、置換ガス保持空間aに存在する空気中の酸
素をいかに追い出したかにより、接合対象部材の大きさ
および形状に関係しないことを明らかにしている。
【0028】さらにまた、外径21.7mm、厚み2.
8mm、長さ200mmのステンレスパイプを溶接対象
部材1、2とし、最初の場合と同様に置換ガスを置換ガ
ス保持空間aに供給し、酸素濃度が1%に低下したとき
にイナ−トガスア−ク溶接をおこない、接合された部材
1、2が冷却するのをまって、窒素ガスの供給をとめる
ことによって、酸化スケ−ルが抑制された溶接をおこな
えた。溶接継手の形状は平突合せである。
【0029】図2は本発明の装置の他の実施例を示して
いる。接合対象部材は、図1に関連して示した装置と同
様に、配管部材2が端部を拡管され、管部材1がこの拡
管部分にはめこまれたもので、管部材2の端面および管
部材1の周面をろう付けあるいは溶接3によって接合さ
れ空調装置の配管である。
【0030】本発明による装置は、ろう付けあるいは溶
接に際して、これらの管部材の接合部3の裏面のみなら
ず、表面も酸化しないようにさせるものである。置換ガ
ス保持空間形成手段は、図1に関連して示した装置と同
様に構成された接続具4および接続具5を具備してい
る。これらの接続具4、5は管部材1、2の各々にはめ
られ、部材1、2の内部に置換ガス保持空間aを形成し
ている。が、この装置ではさらに容器6を具備してい
る。容器6は、両端を閉塞された中空筒形もので、貫通
孔を上壁および下壁に設けられているとともに、上壁に
ガス入口をもつ接続部を、周壁にガス出口c’をもつ接
続部を設けられている。この容器6は、管部材1、2に
挿入されているとともに、開口と管部材の周面とのあい
だに形成されるすき間がシ−ルされている。容器6の内
部には高周波誘導加熱コイル14が組み込まれている。
このコイル14は、管部材1、2の接合部の周囲に配置
されている。
【0031】置換ガス供給手段は置換ガス供給配管8お
よび置換ガスの供給源12を具備している。置換ガス供
給配管8は置換ガス供給弁Aおよび置換ガス流量調節器
Pを具備している。置換ガス流量調節器Pは、置換ガス
保持空間aに供給される置換ガス流量を変化させられる
流量調整機構をもつものからなっている。置換ガス供給
源12は、たとえば、ヘリウム、アルゴン、窒素ガスな
どの不活性ガスあるいは還元性ガスからなる置換ガスを
充填されているボンベからなっていて、ガス出口に置換
ガス供給元配管13をつながれている。置換ガス供給配
管8はこの置換ガス供給元配管13および接続具4にあ
るガス入口bをもつ接続部に接続されていて、置換ガス
供給源12からの置換ガスの置換ガス保持空間a、dに
供給するとともに、供給流量を変えることができる。
【0032】置換ガス排出手段は系外ガス滞留保持空間
eをもつ置換ガス分岐配管9aからなっている。この置
換ガス逃し配管9aは容器6にあるガス出口c’をもつ
接続部につながれ、端部が開放されている。置換ガス分
岐配管9bは管継手を介在して置換ガス排出配管10に
つながれ、置換ガス保持空間aに供給された置換ガスが
容器6の置換ガス保持空間dにも供給されるようにして
ある。
【0033】置換度測定手段は測定ガス供給弁Dおよび
置換度測定器11を具備している。置換度測定器11
は、たとえば酸素濃度計からなっている。接続具5にあ
るガス出口cをもつ接続部は置換ガス排出配管10に接
続され、置換ガス排出配管10は測定ガス供給弁Dに接
続され、測定ガス供給弁Dは測定配管15によって酸素
濃度計11に接続されている。必要に応じて、サンプリ
ングポンプが測定ガス供給弁Dと酸素濃度計11とのあ
いだにつながれる。
【0034】接合は、図1に関連して説明した装置と同
様に、置換ガス供給弁Aを開きかつ置換ガス流量調節器
Pの流量を調節して、酸素濃度計11が必要とするサン
プリングガス量および置換ガス保持空間a、dの形状お
よび大きさを満足し、圧力調整用開口fからの漏れ量を
配慮した量の不活性ガスあるいは還元性ガスからなる置
換ガスを、管部材1、2にある置換ガス保持空間aおよ
び容器6にある置換ガス保持空間dに置換ガス供給源1
2から供給し、酸素濃度計11によって置換ガス保持空
間a、dの置換度を計測する。このあと、置換ガス流量
調節器Pの流量をふたたび調節して、置換ガス保持空間
a、dに目的とする置換度を保持させ、あるいは、より
置換度を高めて、溶接あるいはろう付け作業を開始す
る。溶接あるいはろう付けが終了したあとは、部材1と
部材2の接合部3の溶融金属が固化するまで放置する。
このときに、置換ガス供給弁Aを開き、置換ガス流量調
節器Pの流量を調節して、置換ガスを置換ガス保持空間
a、dにみちびくとともに、圧力調整用開口fから置換
ガスを排気させて、冷却にともなう置換ガスの体積収縮
の打ち消しをおこなう。接合部3が固化したら、置換ガ
ス供給弁Aを閉じ、置換ガス保持空間a、dへの置換ガ
スの供給をとめ、部材1、2の酸化防止対象部の温度が
酸化温度以下になるのをまつことによって、溶接作業が
終了する。
【0035】この実施例においても、目的とする置換度
を得たのちに、酸素濃度計11によって置換度測定をお
こなう必要がある場合、これを必要とする過程におい
て、置換ガス供給弁Aを開いて、酸素濃度計11が必要
とする以上の量のサンプリングガスを酸素濃度計11に
供給し、圧力調整用開口fからの系外酸化物質の流入が
ないようさせるとともに、系外酸化物質侵入防止弁Cを
開いて、余剰のサンプリングガスを圧力調整用開口fか
ら排出し、酸素濃度計11が必要とするサンプリングガ
ス量を酸素濃度計11へ供給することによっておこなえ
る。そして、系外酸化物質が置換ガス保持空間a、dに
侵入するおそれのないとき、あるいは、侵入量が目標と
する酸化度を許容しているときには、置換ガスを供給せ
ずに、ろう付けあるいは溶接作業を開始することによっ
て、系外ガス滞留保持空間eが溶接およびろう付けによ
って発生する熱による置換ガスの体積膨張を吸収する。
【0036】図3は本発明の装置のさらに他の具体例を
示している。接合対象部材は、図1に関連して示した装
置と同様に、配管部材2が端部を拡管され、管部材1が
この拡管部分にはめこまれたもので、管部材2の端面お
よび管部材1の周面をろう付けあるいは溶接3によって
接合され空調装置の配管である。
【0037】本発明による装置は、ろう付けあるいは溶
接に際して、これらの管部材全体が酸化しないようにさ
せるものである。この装置における置換ガス保持空間形
成手段は容器6を具備している。容器6は、たとえば、
プラスチック板の組立物からなっている。ベ−スとなる
部分には、中央に管部材2を保持する座が設けられてい
るとともに、座の中央に位置してガス入口bをもつ接続
部を設けられている。カバ−となる部分は、周面壁にお
ける底面壁に近い部分にガス出口c、c’をもつ接続部
を設けられていて、ベ−ス上に配置されたときに、密閉
された置換ガス保持空間aを形成するとともに、置換ガ
スがガス入口bから管部材1、2の置換ガス保持空間a
に送り込まれたときに、管部材1、2の自由端から容器
6の置換ガス保持空間dをとおり、ガス出口cあるいは
ガス出口c’から外部に排出されるようにしている。高
周波誘導加熱コイル14はろうを溶融するためのもの
で、管部材1、2の接合部3の周囲に位置して、容器6
の内部に配置されかつこの容器6に支持されている。
【0038】置換ガス供給手段は、流量の異なる置換ガ
スを置換ガス保持空間形成手段の置換ガス保持空間に供
給する置換ガス供給配管8および置換ガスの供給源12
を具備している。置換ガスの供給源12は、たとえば、
ヘリウム、アルゴン、窒素ガスなどの不活性ガスあるい
は還元性ガスからなる置換ガスが充填されボンベからな
っている。置換ガス供給配管8は置換ガス供給弁Aおよ
び置換ガス流量調節器Pを具備している。置換ガス流量
調節器Pは、よく知られたデジタル設定式の流量制御手
段をもつもので、デジタル設定器20a、20b、20
cをマスフロ−コントロ−ラによって選択し、選択され
たデジタル設定器によって切換器19を作動させ、異な
る流量の置換ガスの供給をおこなうものからなってい
る。この置換ガス供給配管は、接続具4にあるガス入口
に管継手によって接続されているとともに、置換ガスの
供給源12のガス出口につながれている置換ガス供給元
配管13に接続されていて、置換ガス流量調節器Pによ
って、置換ガス供給源12からの置換ガスを異なる流量
でもって置換ガス保持空間a、dに供給することができ
る。
【0039】置換ガス吸収手段は、容器6におけるガス
出口c’をもつ接続部につながれた置換ガス逃し配管9
aからなっている。この置換ガス逃し配管9aは、溶接
およびろう付けに際して、熱上昇にともなう置換ガス保
持空間a、dにおける置換ガスの体積膨張が溶接および
ろう付けの疎外要因とならない長さをもつとともに、端
部に圧力調整用開口fをもっている。
【0040】置換度測定手段は測定配管15および置換
度測定器11を具備している。置換度測定器11は測定
配管15によって測定ガス供給弁Dに接続され、測定ガ
ス供給弁Dは置換ガス排出配管10によって容器6にお
けるガス出口cをもつ接続部につながれている。置換度
測定器自体は酸素濃度計からなっている。必要に応じ
て、サンプリングポンプが酸素濃度計11と容器6との
あいだにつながれる。
【0041】部材1、2の接合は、図1および図2に関
連して説明した装置と同様に、置換ガス供給弁A”を開
き、デジタル設定器Pa、Pb、Pcを選択して置換ガ
ス流量調節器P”を調節して、酸素濃度計11が必要と
するサンプリングガス量および置換ガス保持空間aの形
状および大きさを満足し、置換ガス逃し配管9aの圧力
調整用開口fからの漏れ量を配慮した量の不活性ガスあ
るいは還元性ガスからなる置換ガスを、管部材1、2に
ある置換ガス保持空間aおよび容器6にある置換ガス保
持空間dに置換ガス供給源12から供給し、酸素濃度計
11によって置換ガス保持空間a、dの酸素濃度を計測
する。このあと、置換ガス流量調節器Pを調節して、置
換ガス保持空間a、dが目的とする酸素濃度を保持さ
せ、あるいは、より酸素濃度を高めたあと、高周波誘導
加熱コイル14に通電して、溶接あるいはろう付け作業
をおこなう。溶接あるいはろう付けが終了したあと、管
部材1、2の接合部3の溶融金属が固化するまで放置す
る。このときに、置換ガス供給弁Aを開き、置換ガス流
量調節器Pの流量を調節して、置換ガスを置換ガス保持
空間a、dにみちびくとともに、置換ガス逃し配管9a
の圧力調整用開口fから置換ガスを排気して、冷却にと
もなう置換ガスの体積収縮の打ち消しをおこなう。そし
て、接合部3が固化したら、置換ガス供給弁Aを閉じ、
置換ガス保持空間aにたいする置換ガスの供給をとめ、
部材1、2の酸化防止対象部の温度が酸化温度以下にな
るのをまち、容器6から管部材1、2を取り出すことに
よって、接合作業が終了する。
【0042】この実施例においても、目的とする置換度
を得たのちに、酸素濃度計11によって置換度測定をお
こなう必要がある場合、これを必要とする過程におい
て、置換ガス供給弁Aを開きかつ置換ガス流量調節器P
の流量を調整して、酸素濃度計11が必要とする以上の
量のサンプリングガスを酸素濃度計11に供給し、圧力
調整用開口fから系外酸化物質の流入がないようさせる
とともに、系外酸化物質侵入防止弁Cを開いて、余剰の
サンプリングガスを圧力調整用開口fから排出させて、
酸素濃度計11が必要とするサンプリングガス量を酸素
濃度計11へ供給することによっておこなえる。そし
て、系外酸化物質が置換ガス保持空間a、dに侵入する
おそれのないとき、あるいは、侵入量が目標とする酸化
度を許容しているときに、置換ガスを供給せずに、系外
酸化物質侵入防止弁Cを開いて、溶接作業を開始し、溶
接熱による置換ガスの体積膨張をなどに応じられる。
【0043】この装置において、容器6が直径150m
m、高さ200mmをもつものからなり、置換ガス逃し
配管9aが内径10mm、長さ50mmのプラスチック
チュ−ブからなり、接合対象部材1、2が外径9.53
mm、肉厚1.0mm、長さ300mmの銅パイプから
なるとともに、パイプ2をろう付け溶接で貫用的におこ
なわれているように拡管し、パイプ1をこの拡管部に挿
入した状態において容器6の内部に設置し、ガス置換配
管系に10ml/分にて窒素ガスを供給し、置換ガス保
持空間a、dの酸素濃度が酸素濃度計11によって0.
1%になるまで置換し、それから、容器6などのガス置
換系に500ml/分の窒素ガスを供給し、高周波発振
器により20kwの電流を高周波加熱コイル14に流し
て、高周波ろう付け溶接をおこなったあと、窒素ガスの
供給を止め、部材1、2が冷却するのをまって、容器6
から取り出したところ、ろう付け面およびその裏面に、
つまり、管部材の内外面に酸化スケ−ルのないろう付け
おこなうことができた。
【0044】図4〜図6は複数の接合対象部材の接合を
同時おこなえるようにさせて、効率よく接合作業をおこ
なえる本発明の装置を示している。
【0045】図4に示す装置は、置換ガス保持空間形成
手段および置換ガス供給手段をもつユニットをn組具備
し、各々の置換ガス保持空間形成手段における置換ガス
保持空間a1 〜an にある置換ガスの体積変化を吸収す
る手段および各々の置換ガス保持空間形成手段における
置換ガス保持空間a1 〜an にある置換ガスの置換度を
測定する手段を一組づつ具備している。
【0046】接合対象部材は、ふたつの管部材11 〜1
n 、21 〜2n からなっていて、管部材21 〜2n が端
部を拡管され、管部材11 〜1n がこの拡管部分にはめ
こまれ、管部材21 〜2n の端面および管部材11 〜1
n の周面がろう付けあるいは溶接3によって接合されて
いる。
【0047】各々の置換ガス保持空間形成手段は、図1
に示す装置と同様に構成された接続具41 〜4n 、51
〜5n からなっている。
【0048】置換ガス供給手段は流量の異なる置換ガス
を置換ガス保持空間形成手段の置換ガス保持空間に供給
する置換ガス供給配管81 〜8n 、181 〜18n およ
び置換ガスの供給源12を具備している。置換ガスの供
給源12は、ガス出口を置換ガス供給配管弁Fにつなが
れている。置換ガス供給配管81 〜8n は置換ガス供給
弁A1 〜An および置換ガス流量調節器P1 〜Pn を、
置換ガス供給配管81〜8n 、181 〜18n は置換ガ
ス供給弁B1 〜Bn および置換ガス流量調節器Q1 〜Q
n をそれぞれ具備している。これらの置換ガス供給配管
は、接続具41〜4n の各々にあるガス入口に管継手に
よって、置換ガスの供給源12のガス出口にある置換ガ
ス供給配管弁Fに置換ガス供給元配管13および管継手
によって接続されていて、置換ガス流量調節器P1 〜P
n 、Q1 〜Qn によって、置換ガス供給源12からの置
換ガスを異なる流量でもって置換ガス保持空間a1 〜a
nに供給することができる。
【0049】置換ガス体積変化吸収手段は、弁E1 〜E
n 、系外ガス滞留保持空間eおよび系外酸化物質侵入防
止弁Cを具備している。弁E1 〜En は各々の接続具5
のガス出口cに接続されている。系外ガス滞留保持空間
eおよび系外酸化物質侵入防止弁Cは置換ガス逃し配管
9aによって弁E1 〜En に接続されている。置換ガス
逃し配管9aは端部が開放されている。なお、系外ガス
滞留保持空間eは置換ガス保持空間a1 〜an に供給さ
れた置換ガスを滞留させるためのもので、たとえば、置
換ガス逃し配管9aの長さを選択することによって形成
されている。
【0050】置換度測定手段は測定ガス供給弁D1 〜D
n および置換度測定器11を具備している。測定ガス供
給弁D1 〜Dn 、は接続具5のガス出口cにある管継手
に接続され、置換度測定器11は測定配管15によって
測定ガス供給弁D1 〜Dn に接続されている。置換度測
定器自体は、たとえば、よく知られた酸素濃度計からな
っていて、測定ガス供給弁D1 〜Dn を開くことによっ
て、置換ガス保持空間a1 〜an の各々にある置換ガス
の酸素濃度を測定することができる。
【0051】この装置において、各々の接続具51 〜5
n のガス出口cにある管継手には、さらに、弁F1 〜F
n が接続されている。弁F1 〜Fn は配管によって隣接
するユニットのガス入口にある管継手に接続されてい
て、弁F1 〜Fn のすべてを開き、置換ガス供給源12
にたいして最上流側に位置するユニットに置換ガスの供
給をおこなうと、この置換ガスが残るユニットのすべて
にも供給されるようにしている。
【0052】接合作業は、管部材11 〜1n を管部材2
1 〜2n に挿入し、これらの管部材に接続具41 〜4
n 、51 〜5n をはめて、置換ガス保持空間a1 〜an
を形成し、置換ガス供給源12の弁F、置換ガス供給弁
1 〜An を開くことによって開始される。置換ガス
は、これによって、置換ガス供給源12から置換ガス流
量調節器P1 〜Pn および置換ガス供給弁A1 〜An
とおって置換ガス保持空間a1 〜an に供給される。供
給は、置換ガス保持空間a1 〜an の形状および大きさ
と、置換度測定器11が必要とするサンプリンガス量と
を満足させる量をおこなう。これは、たとえば、測定ガ
ス供給弁D1 〜Dn を開き、置換ガス保持空間a1 〜a
n に供給された置換ガスを置換度測定器11に送り、置
換度を測定しながら、必要に応じて弁E1 〜En を開放
して、置換ガス保持空間a1 〜an に置換ガス量の設定
をおこなう。このときに、接続具5につながれた弁F1
〜Fnを開くことによって、置換ガスが置換ガス保持空
間a1 〜an に順次にみちびかれるので、置換ガスの供
給を効率よくおこなえる。
【0053】つぎに、置換ガス保持空間a1 〜an の各
々における溶接あるいはろう付けに適合する置換ガス流
量を設定する。これは、弁E1 〜En を開き、置換ガス
供給弁B1 〜Bn を開き、置換ガス保持空間a1 〜an
の各々に置換ガスをさらに供給することによってなされ
る。これがおわると、弁F1 〜Fn を閉じ、各々の管部
材の溶接あるいはろう付けがおこなれる。溶接あるいは
ろう付けに際して、置換ガス保持空間の置換ガスが熱膨
張するが、弁E1 〜En が開いているので、系外ガス滞
留保持空間eによって吸収される。
【0054】接合が終了したら、管部材11 〜1n 、2
1 〜2n の接合部3の溶融金属が固化するまで放置す
る。これは、置換ガス保持空間a1 〜an に置換ガス流
量調節器Q1 〜Qn および置換ガス供給弁B1 〜Bn
よって供給し、系外酸化物質の侵入を阻止しつつ、置換
ガスの体積収縮を打ち消しをおこなうことによって、あ
るいは、置換ガス供給弁B1 〜Bn を閉じて、置換ガス
保持空間a1 〜an にたいする置換ガスの供給をとめ、
酸化物質滞留保持空間eにある置換ガスを置換ガス保持
空間a1 〜an にみちびくことによっておこなわれる。
接合部が固化したら、固化前の熱収縮状況を維持したま
ま、あるいは、置換ガス供給弁B1 〜Bnを閉じて置換
ガス保持空間a1 〜an への置換ガスの供給をとめると
ともに、系外酸化物質侵入防止弁Cを閉じて、部材11
〜1n 、21 〜2n の酸化防止対象部の温度が酸化温度
以下になるまで放置する。酸化防止対象部の温度が所定
温度になったら、接続具を溶接対象部材11 〜1n 、2
1 〜2n からはずし、溶接対象部材を取り出すことによ
って接合作業が終了する。
【0055】つぎにより具体的な作業例を説明する。接
合対象部材11 〜1n 、21 〜2nは外径19.05m
m、肉厚1.0mm、長さ400mmの銅パイプであ
る。管部材2にはろう付け溶接において貫用的になされ
ている拡管をおこない、管部材1を拡管部分に挿入す
る。管部材11 〜1n 、21 〜2n に接続具41 〜4
n 、51 〜5n をはめる。系外ガス滞留保持空間eは置
換ガス逃し配管9に長さ2mのものをもちいることによ
って形成する。酸素濃度計11は、測定ガス量200m
l/分、測定範囲0.1PPm〜100%仕様をもつも
のからなっている。
【0056】置換ガスは窒素ガスである。流量調節器P
1 〜Pn は0.1kg/cm3 G、流量調節器Q1 〜Q
n は500ml/分に設定し、置換ガス供給弁Aと系外
酸化物質侵入防止弁Cおよび測定ガス供給弁Dを開き、
置換ガス保持空間aおよび酸素濃度計11に窒素ガスを
供給する。酸素濃度計11の指示濃度が100PPmに
低下したら、置換ガス供給弁A1 〜An を閉じかつ置換
ガス供給弁B1 〜Bnを開き、窒素ガスを置換ガス保持
空間aにみちびきながら、管部材11 〜1n 、21 〜2
n のろう付けをおこなう。ろう付けはごく一般的になさ
れているバ−ナ方式の銀ろう付けである。管部材1、2
が冷却するのをまって、置換ガス供給弁A1 〜An を閉
じ、置換ガス保持空間aにたいする窒素ガスの供給を止
めた。
【0057】また、接合対象部材11 〜1n 、21 〜2
n として、外径9.53mm、肉厚0.7mm、長さ4
00mmの銅パイプをもちいて、上記と同じ作業をろう
付けまでおこない、ろう付けが終了した時点で、冷却と
並行して置換ガス供給弁A1〜An 、弁F1 〜Fn 、D1
〜Dn を開いて、置換ガス保持空間a2 へ窒素ガスを
送り込み、ふたたび上記とおなじ作業をおこなった。
【0058】いずれの接合対象部材も、パイプ内部に酸
化スケ−ルのない、むしろ還元作用が認められかつ溶接
欠陥の無いろう付けを実現することができた。さらに、
これらとおなじ接合対象部材をもちいいて、置換ガス保
持空間a1 〜an に対する酸素濃度計11の指示濃度が
0.1%、および2.0%に低下したときに、500m
l/分の窒素ガスを供給しながらろう付けをおこない、
他はおなじ作業をおこなったところ、ろう付けの進行と
とともに、置換ガス保持空間a1 〜an の酸素濃度が急
速に低下する傾向にあった。が、上記と遜色のない酸化
スケ−ルの抑制効果をもつろう付けをおこなえた。
【0059】さらにまた、接合対象部材1、2として、
外径21.7mmおよび肉厚2.8mmの銅パイプを準
備し、最初の場合にしたがって置換ガスを供給し、酸素
濃度が1%に低下するのまって、イナ−トガスア−ク溶
接をおこない、接合された部材1、2が冷却するのをま
って、窒素ガスの供給をとめることによって、酸化スケ
−ルが抑制された溶接をおこなえた。溶接継手の形状は
平突合せである。
【0060】図5に示す装置も、置換ガス保持空間形成
手段および置換ガス供給手段をもつユニットをn組具備
し、各々の置換ガス保持空間形成手段における置換ガス
保持空間a1 〜an にある置換ガスの体積変化を吸収す
る手段および各々の置換ガス保持空間形成手段における
置換ガス保持空間a1 〜an にある置換ガスの置換度を
測定する手段を一組づつ具備している。
【0061】接合対象部材は、ふたつの管部材11 〜1
n 、21 〜2n からなっていて、管部材21 〜2n が端
部を拡管され、管部材11 〜1n がこの拡管部分にはめ
こまれ、管部材21 〜2n の端面および管部材11 〜1
n の周面がろう付けあるいは溶接3によって接合されて
いる。
【0062】各々の置換ガス保持空間形成手段は、図2
に示す装置と同様に構成された接続具41 〜4n 、51
〜5n および容器61 〜6n からなっている。
【0063】置換ガス供給手段は流量の異なる置換ガス
を置換ガス保持空間形成手段の置換ガス保持空間に供給
する置換ガス供給配管81 〜8n 、181 〜18n およ
び置換ガスの供給源12を具備している。置換ガスの供
給源12は、ガス出口を置換ガス供給配管弁Fにつなが
れている。置換ガス供給配管81 〜8n は置換ガス供給
弁A1 〜An および置換ガス流量調節器P1〜Pn を、
置換ガス供給配管81〜8n 、181 〜18n は置換ガ
ス供給弁B1 〜Bn および置換ガス流量調節器Q1 〜Q
n をそれぞれ具備している。これらの置換ガス供給配管
は、接続具41〜4n の各々にあるガス入口に管継手に
よって、置換ガスの供給源12のガス出口にある置換ガ
ス供給配管弁Fに置換ガス供給元配管13および管継手
によって接続されていて、置換ガス流量調節器P1 〜P
n 、Q1 〜Qn によって、置換ガス供給源12からの置
換ガスを異なる流量でもって置換ガス保持空間a1 〜a
nに供給することができる。
【0064】置換ガス体積変化吸収手段は弁E1 〜E
n 、系外ガス滞留保持空間eおよび系外酸化物質侵入防
止弁Cを具備している。弁E1 〜En は接続具51 〜5
n のガス出口cに接続されている。系外ガス滞留保持空
間eおよび系外酸化物質侵入防止弁Cは置換ガス逃し配
管9aによって弁E1 〜En に接続されている。置換ガ
ス逃し配管9aは端部が開放されている。なお、系外ガ
ス滞留保持空間eは置換ガス保持空間a1 〜an に供給
された置換ガスを滞留させるためのもので、たとえば、
置換ガス逃し配管9aの長さを選択することによって形
成されている。
【0065】置換度測定手段は測定ガス供給弁D1 〜D
n および置換度測定器11を具備している。測定ガス供
給弁D1 〜Dn は接続具51 〜5n のガス出口cにある
管継手に接続され、置換度測定器11は測定配管15に
よって測定ガス供給弁D1 〜Dn に接続されている。置
換度測定器自体は、たとえば、よく知られた酸素濃度計
からなっていて、測定ガス供給弁D1 〜Dn を開くこと
によって、置換ガス保持空間a1 〜an の各々にある置
換ガスの酸素濃度を測定することができる。
【0066】この装置において、各々の接続具51 〜5
n のガス出口cにある管継手には、さらに、弁F1 〜F
n が接続されている。弁F1 〜Fn は配管によって隣接
するユニットのガス入口にある管継手に接続されてい
て、弁F1 〜Fn のすべてを開き、置換ガス供給源12
にたいして最上流側に位置するユニットに置換ガスの供
給をおこなうと、この置換ガスが残るユニットのすべて
にも供給されるようにしている。
【0067】接合は、管材11 〜1n を管部材21 〜2
n に挿入し、をこれらの管部材に接続具41 〜4n 、5
1 〜5n はめて、置換ガス保持空間a1 〜an を形成
し、弁F1 〜Fn 、置換ガス供給弁A1 〜An を開くこ
とによって開始される。置換ガスは、これによって、置
換ガス供給源12から置換ガス流量調節器P1 〜Pn
よび置換ガス供給弁A1 〜An をとおって置換ガス保持
空間a1 〜an に供給される。供給は、置換ガス保持空
間a1 〜an の形状および大きさと、置換度測定器11
が必要とするサンプリンガス量とを満足させる量をおこ
なう。これは、たとえば、測定ガス供給弁D1 〜Dn
開き、置換ガス保持空間a1 〜an に供給された置換ガ
スを置換度測定器11に送り、置換度を測定しながら、
必要に応じて、弁E1 〜En を開放して、置換ガス保持
空間a1 〜an における置換ガス量の設定をおこなう。
このときに、接続具5につながれた弁F1 〜Fn を開く
ことによって、置換ガスが置換ガス保持空間a1 〜an
に順次にみちびかれるので、置換ガスの供給を効率よく
おこなえる。
【0068】つぎに、置換ガス保持空間a1 〜an の各
々における溶接あるいはろう付けに適合する置換ガス流
量を設定する。これは、弁E1 〜En を開き、置換ガス
供給弁B1 〜Bn を開き、置換ガス空間の各々に置換ガ
スをさらに供給することによってなされる。これがおわ
ると、置換ガス排出切換機構弁F1 〜Fn を閉じ、各々
の管部材の溶接あるいはろう付けがおこなれる。置換ガ
ス保持空間a1 〜anの置換ガスが溶接あるいはろう付
けによって熱膨張するが、弁E1 〜En が開いているの
で、系外ガス滞留保持空間eによって吸収される。
【0069】接合が終了したら、管部材11 〜1n 、2
1 〜2n の接合部31 〜3n の溶融金属が固化するまで
放置する。これは、置換ガス保持空間a1 〜an に置換
ガス流量調節器Q1 〜Qn および置換ガス供給弁B1
n によって供給し、系外酸化物質の侵入を阻止しつ
つ、置換ガスの体積収縮を打ち消しをおこなうことによ
って、あるいは、置換ガス供給弁B1 〜Bn を閉じて、
置換ガス保持空間a1 〜an にたいする置換ガスの供給
をとめ、系外ガス保持空間eにある置換ガスを置換ガス
保持空間a1 〜an にみちびくことによっておこなわれ
る。接合部が固化したら、固化前の熱収縮状況を維持し
たまま、あるいは、置換ガス供給弁B1 〜Bn を閉じ
て、置換ガス保持空間a1 〜an への置換ガスの供給を
とめるとともに、系外酸化物質侵入防止弁Cを閉じて、
管部材11 〜1n 、21 〜2n の酸化防止対象部の温度
が酸化温度以下になるまで放置する。酸化防止対象部の
温度が所定温度になったら、接続具を管部材11 〜1
n 、21 〜2n からはずし、溶接対象部材を取り出すこ
とによって、これらの管部材にたいする接合作業が終了
する。
【0070】図6に示す装置も、置換ガス保持空間形成
手段および置換ガス供給手段をもつユニットをn組具備
し、各々の置換ガス保持空間形成手段における置換ガス
保持空間a1 〜an にある置換ガスの体積変化を吸収す
る手段および各々の置換ガス保持空間形成手段における
置換ガス保持空間a1 〜an にある置換ガスの置換度を
測定する手段を一組づつ具備している。
【0071】接合対象部材は、ふたつの管部材11 〜1
n 、21 〜2n からなっていて、管部材21 〜2n が端
部を拡管され、管部材11 〜1n がこの拡管部分にはめ
こまれ、管部材21 〜2n の端面および管部材11 〜1
n の周面がろう付けあるいは溶接3によって接合されて
いる。
【0072】各々の置換ガス保持空間形成手段は、図3
に示す装置と同様に構成された接続具41 〜4n 、51
〜5n および容器61 〜6n からなっている。
【0073】置換ガス供給手段は、流量の異なる置換ガ
スを置換ガス保持空間形成手段の置換ガス保持空間に供
給する置換ガス供給配管81 〜8n 、181 〜18n
よび置換ガスの供給源12を具備している。置換ガスの
供給源12は、ガス出口を置換ガス供給配管弁Fにつな
がれている。置換ガス供給配管81 〜8n は置換ガス供
給弁A1 〜An および置換ガス流量調節器P1 〜Pn
具備している。置換ガス流量調節器P1 〜Pn は、よく
知られたデジタル設定式の流量制御手段をもつもので、
デジタル設定器20a、20b、20cをマスフロ−コ
ントロ−ラによって選択し、選択されたデジタル設定器
によって切換器19を作動させ、異なる流量の置換ガス
の供給をおこなうようになっている。これらの置換ガス
供給配管は、接続具41 〜4n の各々にあるガス入口に
管継手によって、置換ガスの供給源12のガス出口にあ
る置換ガス供給配管弁Fに置換ガス供給元配管13およ
び管継手によって接続されていて、置換ガス流量調節器
1 〜Pn によって置換ガス供給源12からの置換ガス
を異なる流量でもって置換ガス保持空間a1 〜anに供
給することができる。
【0074】置換ガス体積変化吸収手段は、弁E1 〜E
n 、系外ガス滞留保持空間eおよび系外酸化物質侵入防
止弁Cを具備している。弁E1 〜En は接続具51 〜5
n のガス出口cに接続されている。系外ガス滞留保持空
間eおよび系外酸化物質侵入防止弁Cは置換ガス逃し配
管9aによって弁E1 〜En に接続されている。置換ガ
ス逃し配管9aは端部が開放されている。なお、系外ガ
ス滞留保持空間eは置換ガス保持空間a1 〜an に供給
された置換ガスを滞留させるためのもので、たとえば、
置換ガス逃し配管9aの長さを選択することによって形
成されている。置換度測定手段は測定ガス供給弁D1
n および置換度測定器11を具備している。測定ガス
供給弁D1 〜Dn は接続具51 〜5n のガス出口cにあ
る管継手に接続され、置換度測定器11は測定配管15
によって測定ガス供給弁D1 〜Dn に接続されている。
置換度測定器自体は、たとえば、よく知られた酸素濃度
計からなっていて、測定ガス供給弁D1 〜Dn を開くこ
とによって、置換ガス保持空間a1 〜an の各々にある
置換ガスの酸素濃度を測定することができる。
【0075】この装置において、各々の接続具51 〜5
n のガス出口cにある管継手には、さらに、弁F1 〜F
n が接続されている。弁F1 〜Fn は配管によって隣接
するユニットのガス入口にある管継手に接続されてい
て、弁F1 〜Fn のすべてを開き、置換ガス供給源12
にたいして最上流側に位置するユニットに置換ガスの供
給をおこなうと、この置換ガスが残るユニットのすべて
にも供給されるようにしている。
【0076】接合は、管材11 〜1n を管部材21 〜2
n に挿入し、これらの管部材に接続具41 〜4n 、51
〜5n をはめて、置換ガス保持空間a1 〜an を形成
し、弁F1 〜Fn 、置換ガス供給弁A1 〜An を開く
ことによって開始される。置換ガスは、これによって、
置換ガス供給源12から置換ガス流量調節器P1 〜P
および置換ガス供給弁A 〜An をとおって置換ガス
保持空間a1 〜an に供給される。供給は、置換ガス保
持空間a1 〜an の形状および大きさと、置換度測定器
11が必要とするサンプリンガス量とを満足させる量を
おこなう。これは、たとえば測定ガス供給弁D1 〜Dn
を開き、置換ガス保持空間a1 〜an に供給された置換
ガスを置換度測定器11に送り、置換度を測定しなが
ら、流量調節器Piを選択し、必要に応じて、弁E1
n を開放して、置換ガス保持空間a1〜an に置換ガ
ス量の設定をおこなう。このときに、弁F1 〜Fn を開
くことによって、置換ガスが置換ガス保持空間a1 〜a
n に順次にみちびかれるので、置換ガスの供給を効率よ
くおこなえる。
【0077】つぎに、置換ガス保持空間a1 〜an の各
々における溶接あるいはろう付けに適合する置換ガス流
量を設定する。これは、弁E1 〜En を開き、置換ガス
供給弁B1 〜Bn を開き、置換ガス空間の各々に置換ガ
スをさらに供給することによってなされる。これがおわ
ると、弁F1 〜Fn を閉じ、各々の管部材の溶接あるい
はろう付けがおこなれる。置換ガス空間の置換ガスが溶
接あるいはろう付けによって熱膨張するが、弁E1 〜E
n が開いているので、系外ガス滞留保持空間eによって
吸収される。
【0078】接合が終了したら、管部材11 〜1n 、2
1 〜2n の接合部31 〜3n の溶融金属が固化するまで
放置する。これは、置換ガス保持空間a1 〜an に置換
ガス流量調節器Q1 〜Qn および置換ガス供給弁B1
n によって供給し、系外酸化物質の侵入を阻止しつ
つ、置換ガスの体積収縮の打ち消しをおこなうことによ
って、あるいは、置換ガス供給弁B1 〜Bn を閉じて、
置換ガス保持空間a1 〜an にたいする置換ガスの供給
をとめ、系外ガス滞留保持空間eにある置換ガスを置換
ガス保持空間a1 〜an にみちびくことによってなされ
る。接合部31 〜3n が固化したら、固化前の熱収縮状
況を維持したまま、あるいは、置換ガス供給弁B1 〜B
n を閉じて置換ガス保持空間a1 〜an への置換ガスの
供給をとめるとともに、系外酸化物質侵入防止弁Cを閉
じ、部材11 〜1n 、21 〜2n の酸化防止対象部の温
度が酸化温度以下になるまで放置する。酸化防止対象部
の温度が所定温度になったら、接続具を管部材11 〜1
n 、21 〜2n からはずし、管部材を取り出すことによ
って接合作業が終了する。
【0079】この装置にて、接合対象部材11 〜1n
1 〜2n が外径9.53mm、肉厚1.0mm、長さ
300mmの銅パイプからなるとともに、パイプ21
nをろう付け溶接にて貫用的におこなわれているよう
に拡管し、パイプ11 〜1nをこの拡管部に挿入したも
のからなり、容器61 〜6n 直径200mmおよび高さ
200mmのものからなり、置換ガス逃し配管9aが内
径10mm、長さ50mmのプラスチックチュ−ブから
なり、置換ガス流量調節器P1 〜Pn の設定器20a1
〜20an を10ml/分に、設定器20b1 〜20b
n を500ml/分に、設定器20c1 〜20cn を3
00ml/分にそれぞれ設定し、高周波発振器により2
0kwの電流を高周波加熱コイル141 〜14n に流し
て、高周波ろう付け溶接をおこなったあと、窒素ガスの
供給を止めて、パイプ11 〜1n、21 〜2n が冷却す
るのをまって、容器6から取り出したところ、ろう付け
面およびその裏面に、つまり、管部材の内外面に酸化ス
ケ−ルのないろう付けおこなうことができた。なお、こ
の場合、nは3である。
【0080】
【発明の効果】本発明の溶接あるいはろう付けによる接
合対象部材の酸化を防止する装置は、以上説明したよう
に、接合対象部材における接合部の表面および裏面に関
連する部分が不活性あるいは還元ガスからなる置換ガス
によっておおって、溶接およびろう付けにもとずく接合
対象部材の酸化を防げるるばかりか、溶接あるいはろう
付けに先行して、接合対象部材および容器の内部空間に
存在する酸化物質と置換ガスとの置換度を所定値に維持
させることができ、しかも、溶接あるいはろう付けに際
して発生する内部空間にある置換ガスの膨張およびこの
あとになされる冷却に際し発生する内部空間にある置換
ガスの収縮も防ぐことができるので、酸化防止を確実に
おこなえ、品質のたかい接合をなすことができ、そし
て、炉や真空設備などの高価な装置を必要としないの
で、きわめて低いコストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一実施例の構成を示す説明図で
ある。
【図2】本発明の装置の他の実施例の構成を示す説明図
である。
【図3】本発明の装置のさらに他の実施例の構成を示す
説明図である。
【図4】本発明の装置のさらに他の実施例の構成を示す
説明図である。
【図5】本発明の装置のさらに他の実施例の構成を示す
説明図である。
【図6】本発明の装置のさらに他の実施例の構成を示す
説明図である。
【符号の説明】
4、41 〜4n 、5、51 〜5n …接続具、6、61
n …容器、8、81 〜8n 、18、181 〜18n
置換ガス供給配管、9a …置換ガス逃し配管、9b…
置換ガス分岐配管、10、101 〜10n …置換ガス排
出配管、11…置換度測定器、12…置換ガス供給源、
13…置換ガス供給元配管、15…測定配管、A、A1
〜An 、B、B1 〜Bn …置換ガス供給弁、C…系外酸
化物質侵入防止弁、a、d…置換ガス保持空間、b…ガ
ス入口、c、c’…ガス出口、e…系外ガス滞留保持空
間、f…圧力調整用開口、P、P1 〜Pn 、Q、Q1
n…置換ガス流量調節器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 幸夫 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう付けあるいは溶接によって接合され
    る接合対象部材を含み、接合対象部材におけるろう付け
    あるいは溶接などによって酸化される部位に密閉された
    置換ガス保持空間を形成する、すくなくとも一組の第一
    の手段と、不活性ガスあるいは還元性ガスからなる置換
    ガスを置換ガス保持空間に供給する第二の手段と、置換
    ガス保持空間に供給された置換ガスの流量を制御する手
    段と、置換ガス保持空間に供給された置換ガスの体積変
    化を吸収する第三の手段と、置換ガス保持空間に存在す
    る酸化物質と置換ガスとの置換度を測定する第四の手段
    とを具備していることを特徴とする溶接あるいはろう付
    けによる接合対象部材の酸化を防止する装置。
  2. 【請求項2】 ろう付けあるいは溶接などによって接合
    される両端が開放されかつ中空の接合対象部材を含み、
    密閉された置換ガス保持空間を接合対象部材の内部に形
    成させる少なくともひとつの第一の手段と、不活性ガス
    あるいは還元性ガスからなる置換ガスを置換ガス保持空
    間に供給する第二の手段と、置換ガス保持空間に供給さ
    れた置換ガスの流量を制御する手段と、置換ガス保持空
    間に供給された置換ガスの体積変化を吸収する第三の手
    段と、置換ガス保持空間に存在する酸化物質と置換ガス
    との置換度を測定する第四の手段とを具備していること
    を特徴とする溶接あるいはろう付けによる接合対象部材
    の酸化を防止する装置。
  3. 【請求項3】 ろう付けあるいは溶接などによって端部
    同志を接合される、両端が開放された中空の接合対象部
    材を含み、密閉された第一の置換ガス保持空間を接合対
    象部材の内部に形成させるとともに、接合部の外側にも
    密閉された第二の置換ガス保持空間を形成させる少なく
    とも一組の第一の手段と、不活性ガスあるいは還元性ガ
    スからなる置換ガスを置換ガス保持空間に供給する第二
    の手段と、置換ガス保持空間に供給された置換ガスの流
    量を制御する手段と、置換ガス保持空間に供給された置
    換ガスの体積変化を吸収する第三の手段と、置換ガス保
    持空間に存在する酸化物質と置換ガスとの置換度を測定
    する第四の手段とを具備していることを特徴とする溶接
    あるいはろう付けによる接合対象部材の酸化を防止する
    装置。
  4. 【請求項4】 接合対象部材を収容する密閉された置換
    ガス保持空間をもつすくなくとも一組の第一の手段と、
    置換ガス保持空間に不活性ガスあるいは還元性ガスから
    なる置換ガスを供給する第二の手段と、置換ガス保持空
    間に供給された置換ガスの体積変化を吸収する第三の手
    段と、置換ガス保持空間に存在する酸化物質と置換ガス
    との置換度を測定する第四の手段とを具備していること
    を特徴とする溶接あるいはろう付けによる接合対象部材
    の酸化を防止する装置。
  5. 【請求項5】 第一の手段が、接合対象部材の自由端に
    はめられ、接合対象部材の内部に置換ガス保持空間を形
    成させるとともに、置換ガス保持空間を残る手段につな
    ぐ接続部をもつ接続具からなる請求項2に記載の装置。
  6. 【請求項6】 第一の手段が、接合対象部材の自由端に
    はめられ、接合対象部材の内部に第一の置換ガス保持空
    間を形成させる接続具と、接合対象部材の接合部の外側
    に配置され、第二の置換ガス保持空間を形成する容器と
    からなる請求項3に記載の装置。
  7. 【請求項7】 第一の手段が、接合対象部材全体を収容
    する置換ガス保持空間を内部にもち、置換ガス保持空間
    を残る手段につなぐ接続部をもつ容器からなる請求項4
    に記載の装置。
  8. 【請求項8】 第二の手段が、置換ガス供給源と、置換
    ガス供給源から置換ガス保持空間に異なる流量の置換ガ
    スを供給するために、置換ガス供給源と第一の手段との
    あいだに設けられた複数の置換ガス供給配管を具備する
    請求項2あるいは請求項3もしくは請求項4に記載の装
    置。
  9. 【請求項9】 置換ガス供給配管の各々が、置換ガス供
    給弁、置換ガス流量調節器およびこれらを置換ガス供給
    源と第一の手段につなぐ配管を具備する請求項8に記載
    の装置。
  10. 【請求項10】 第三の手段が、一端が置換ガス保持空
    間につながれ、他端に圧力調整用開口をもつとともに、
    前記体積変化を吸収する容積をもつ管部材からなる請求
    項2あるいは請求項3もしくは請求項4に記載の装置。
  11. 【請求項11】 第三の手段が、管部材の前記他端につ
    ながれた系外酸化物質侵入防止弁を含んでいる請求項1
    0に記載の装置。
  12. 【請求項12】 第四の手段が、測定ガス供給弁、置換
    ガス保持空間の置換度を測定する置換度測定器およびこ
    れらを第一の手段につなぐ配管を具備している請求項2
    あるいは請求項3もしくは請求項4に記載の装置。
  13. 【請求項13】 第二の手段が、ひとつの置換ガス供給
    源と、置換ガス供給源から置換ガス保持空間に異なる流
    量の置換ガスを供給する第一の手段に関連する数の置換
    ガス供給配管とを具備させられ、置換ガス供給配管の各
    々が第一の手段の各々と置換ガス供給源とに接続されて
    いる請求項2あるいは請求項3もしくは請求項4に記載
    の装置。
  14. 【請求項14】 置換ガス供給配管の各々が、置換ガス
    供給弁、置換ガス流量調節器およびこれらを置換ガス供
    給源と第一の手段につなぐ配管を具備する請求項13に
    記載の装置。
  15. 【請求項15】 隣接する第一の手段において、一方の
    第一の手段につながる第二の手段と他方の第一の手段に
    おける第三の手段とをつなぐ配管を具備している請求項
    3あるいは請求項4もしくは請求項5に記載の装置。
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