JP2009148807A - 亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視装置および亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視方法 - Google Patents
亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視装置および亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ガスバーナーを用いても火炎の温度調整を行えるようにしたろう付け装置の提供。
【解決手段】可燃性ガスと酸素とを燃焼させた火炎によってろう付けを行うガスバーナーBを用いたろう付け装置1において、
ろう付け部位近傍の火炎温度を検知可能な温度検知手段2と、温度検知手段2と接続されて温度検知手段2が検知した温度を受領し温度検知手段2の検知した温度によって可燃ガスおよび酸素の流量を制御可能なガス流量調整手段3とを設け、
ガス流量調整手段3は、温度検知手段2の検知する温度がろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように可燃性ガスと酸素との流量を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】可燃性ガスと酸素とを燃焼させた火炎によってろう付けを行うガスバーナーBを用いたろう付け装置1において、
ろう付け部位近傍の火炎温度を検知可能な温度検知手段2と、温度検知手段2と接続されて温度検知手段2が検知した温度を受領し温度検知手段2の検知した温度によって可燃ガスおよび酸素の流量を制御可能なガス流量調整手段3とを設け、
ガス流量調整手段3は、温度検知手段2の検知する温度がろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように可燃性ガスと酸素との流量を制御する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、亜鉛メッキ鋼板のろう付けを行う際のろう付け温度の監視装置およびその方法に関する。
自動車ボディーなどに多用されている亜鉛メッキ鋼板は防錆性に優れている。そこで、亜鉛メッキ鋼板は、自動車ボディーの外板部にも使用される。そしてこの亜鉛メッキ鋼板を用いるに当たっては、意匠性の自由度の向上や加工金型の費用低減あるいは部品点数の削減などから、亜鉛メッキ鋼板同士の接合が要求される。しかしながら、薄板である亜鉛メッキ鋼板同士の接合は難しく、従来はろう付けによって、慎重に行われていた。
従来の亜鉛メッキ鋼板同士の接合としては、レーザによるろう付け接合が行われていた。以下、レーザによるろう付け方法を従来例1という。
従来例1では、図3に表すように亜鉛メッキ鋼板相互の接合部分に接合継手形状の接合部を形成した母材を、相互に接合継手形状部分が当接するように付け合わせ、その付け合わせた接合位置にブロンズ系(Cu−Su)のワイヤをろう材として供給し、該ろう材に緊縮したレーザを熱源として照射してろう材を溶かし継ぎ手相互の隙間に流し込むようにして鋼板を接合していた。この従来例1では、自動機によってろう材を供給しながらレーザの照射位置を移動させて自動的にろう付けを行っていた。
この方法では、接合継手形状の接合部上に形成した継手相互の当接位置に線状にレーザトーチとワイヤ(ろう材)を同期して走行させることによりワイヤ(ろう材)を溶融して接合継手の隙間を埋めてろう付けしていた。
従来例1では、図3に表すように亜鉛メッキ鋼板相互の接合部分に接合継手形状の接合部を形成した母材を、相互に接合継手形状部分が当接するように付け合わせ、その付け合わせた接合位置にブロンズ系(Cu−Su)のワイヤをろう材として供給し、該ろう材に緊縮したレーザを熱源として照射してろう材を溶かし継ぎ手相互の隙間に流し込むようにして鋼板を接合していた。この従来例1では、自動機によってろう材を供給しながらレーザの照射位置を移動させて自動的にろう付けを行っていた。
この方法では、接合継手形状の接合部上に形成した継手相互の当接位置に線状にレーザトーチとワイヤ(ろう材)を同期して走行させることによりワイヤ(ろう材)を溶融して接合継手の隙間を埋めてろう付けしていた。
また、他の従来例としては、アークによる接合(ろう付け)も行われていた。以下、アークによるろう付けを従来例2として説明する。
従来例2では、接合する亜鉛メッキ鋼板相互の接合部分を従来例同様に接合継手形状に形成する。そして、やはり従来例1同様にろう材としてブロンズ系(Cu−Su)のワイヤを該継手部分に供給し、発生させたアーク熱源でワイヤ(ろう材)を溶かし、接合継手形状の接合部の隙間に溶融したワイヤ(ろう材)を流し込むようにして亜鉛メッキ鋼板相互を接合していた。この従来例2では、自動機によってろう材を供給しながらアークの照射位置を移動させて自動的にろう付けを行っていた。
従来例2では、接合する亜鉛メッキ鋼板相互の接合部分を従来例同様に接合継手形状に形成する。そして、やはり従来例1同様にろう材としてブロンズ系(Cu−Su)のワイヤを該継手部分に供給し、発生させたアーク熱源でワイヤ(ろう材)を溶かし、接合継手形状の接合部の隙間に溶融したワイヤ(ろう材)を流し込むようにして亜鉛メッキ鋼板相互を接合していた。この従来例2では、自動機によってろう材を供給しながらアークの照射位置を移動させて自動的にろう付けを行っていた。
従来例2では、接合継手状に形成した接合部分を相互に当接させた状態にさせて接合する両亜鉛メッキ鋼板を位置させ、継手相互の当接位置に線状にアークトーチとワイヤ(ろう材)を同期して走行させることによりワイヤ(ろう材)を溶融して接合継手の隙間を埋めてろう付けしていた。
更にまた、他の従来例としては、上記同様接合する双方の亜鉛メッキ鋼板の接合部分を接合継手状に接合部形成し、高度なろう付け技術を身につけた技能工が該接合部分を、ブロンズ系のワイヤをろう材としてガスバーナーによって溶かし、継手形状間の隙間に流し込み接合していた。以下この方法を従来例3という。
しかしながら、一般に用いられる亜鉛メッキ鋼板は、厚さ0.8[mm]程度の薄板であり、接合時に穴明きや熱歪みによって良好な状態での使用が難しく、自動車ボディーの外板部での採用の妨げとなっていた。そして、各従来例に表す方法によって行われた亜鉛メッキ鋼板同士のろう付けでは、以下に表すような問題点を有した。
即ち、従来例1では、ろう材を溶融させるレーザ熱源は一般的にエネルギー密度が高いため、ろう材であるワイヤを溶融してなお余った熱量が、亜鉛メッキ鋼板の表面に塗布してある亜鉛を沸騰させてしまい接合金属中にピットやポロシチィ等の亜鉛蒸気の内包欠陥を発生させてしまうという問題点を有した。因みに、亜鉛の融点は、419.5[℃]であり沸点は906[℃]である。
即ち、従来例1では、ろう材を溶融させるレーザ熱源は一般的にエネルギー密度が高いため、ろう材であるワイヤを溶融してなお余った熱量が、亜鉛メッキ鋼板の表面に塗布してある亜鉛を沸騰させてしまい接合金属中にピットやポロシチィ等の亜鉛蒸気の内包欠陥を発生させてしまうという問題点を有した。因みに、亜鉛の融点は、419.5[℃]であり沸点は906[℃]である。
また、従来例2では、アーク熱源は従来例1のレーザ熱源に比べて緊縮性が低く、熱量が多いので、ろう材であるワイヤを溶かすのみではなく、余剰熱が亜鉛メッキ鋼板の表面に塗布してある亜鉛を沸騰させてしまうのに加え、鋼板をも沸騰または溶融させてしまい、接合金属中にピットやポロシチィ等の亜鉛蒸気の内包欠陥を発生させるのに加え、鋼板のとけ落ちや変形、熱による歪み等を発生させてしまうという問題点を有した。
更にまた、従来例3に表す技能工によるろう付けでは、接合品質が作業者のろう付け作業熟練度によって左右されてしまうので、安定した接合品質を得ることが困難であるという問題点を有した。また、ガスバーナーによるろう付けでは、炎の温度管理が難しく、使用するアセチレンガスと酸素、あるいは、LPGと酸素のそれぞれの流量、圧力によって火力に変化が発生するので、炎色による判断が必須となり、炎色による温度管理にも熟練を要し技能工に求められる熟練度が更に高くなるという問題点を有した。更には、ろう材の熱し方とろう付けするタイミングによって接合品質が変わってしまうので、やはり接合品質を一定に保つのが困難となる問題点を有した。
そして、ガスバーナーによる加熱では、ろう付け作業部位以外の周囲部まで加熱されてしまうので、従来例1のレーザ接合、従来例2のアーク接合に比べて接合部以外の亜鉛メッキ鋼板にも加熱による影響が発生してしまうという問題点を有した。
そして、ガスバーナーによる加熱では、ろう付け作業部位以外の周囲部まで加熱されてしまうので、従来例1のレーザ接合、従来例2のアーク接合に比べて接合部以外の亜鉛メッキ鋼板にも加熱による影響が発生してしまうという問題点を有した。
この発明では、薄板である亜鉛メッキ鋼板相互のろう付け作業を、安定した品質をもって行えるようにする亜鉛メッキ鋼板のろう付け装置および同方法を提供する。
そこでこの発明では、可燃性ガスと酸素とを燃焼させた火炎によってろう付けを行うガスバーナーを用いたろう付け装置において、ろう付け部位近傍の火炎温度を検知可能な温度検知手段と、温度検知手段と接続されて温度検知手段が検知した温度を受領し温度検知手段の検知した温度によって可燃ガスおよび酸素の流量を制御可能なガス流量調整手段とを設け、ガス流量調整手段は、温度検知手段の検知する温度がろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように可燃性ガスと酸素との流量を制御することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視装置を提供する。
またその方法として、可燃性ガスと酸素とを燃焼させた火炎によってろう付けを行うガスバーナーを用いたろう付け方法において、温度を検知可能な温度検知手段がろう付け部位近傍の火炎温度を検知し、温度検知手段が検知した温度をガス流量調整手段が受領し、火炎温度を受領したガス流量調整手段がガスバーナーから照射する火炎温度をろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように可燃性ガスと酸素との流量を制御して調整することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視方法を提供する。
そして、上記ろう付け装置およびろう付け方法に用いるろう材を、Cu−Zn−NI系の合金にSnを添加して形成し、亜鉛の沸点温度より低い融点温度から形成する。
従って、上記装置では、温度検知手段がろう付けを行っている亜鉛メッキ相互の接合部に当てられている火炎の温度を検知してガス流量調整手段が感知する。
ガス流量調整手段では、検知した温度が予め設定した温度より高温であれば、可燃性ガスおよび/または酸素を供給する量を減少させ、予め設定した温度より低温であれば可燃性ガスおよび/または酸素を供給する量を増加させる等の制御を行い、ろう付け作業に供される火炎の温度をろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように調整する。
ガス流量調整手段では、検知した温度が予め設定した温度より高温であれば、可燃性ガスおよび/または酸素を供給する量を減少させ、予め設定した温度より低温であれば可燃性ガスおよび/または酸素を供給する量を増加させる等の制御を行い、ろう付け作業に供される火炎の温度をろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように調整する。
そして、上記ろう付けに用いるろう材は、Cu−Zn−NI系の合金にSnを添加した合金を用いることで、溶融温度850[℃](固相点)乃至900[℃](液相点)で湯流れ性が良く母材強度と同程度の機械強度を持つ配合としたろう材となる。
従って、この発明によれば、従来用いられていたようなレーザやアークを用いた溶接機を利用することなく、熱源である火炎の温度を制御可能となり、0.8[mm]程度の薄板からなる亜鉛メッキ鋼板同士をろう付けしても、接合金属中にピットやポロシチィ等の亜鉛蒸気による内包欠陥を生ずることが無く良好な製品を得ることが可能であるという効果を有する。勿論、ろう付け時の火炎温度が亜鉛メッキ鋼板中の鋼板の融点あるいは沸点より低いので、鋼板のとけ落ちや変形、穴明き等の不具合が発生することもなく、やはり良好な製品を得ることが出来る。
また更に、従来熟練した技能工によって行われてきたガスバーナーの温度管理を自動的に行えるので、作業員として必ずしも技能工を必要としないので、技能工の人数や技能の程度による製品製造の制約を受けることもなく、良好なろう付けを行った亜鉛メッキ鋼板を得ることが出来る。
よって、この発明によれば、しばしば敬遠されてきた亜鉛メッキ鋼板を外板材として利用するためのろう付け作業による制限を受けなくなるという効果を有する。
また更に、従来熟練した技能工によって行われてきたガスバーナーの温度管理を自動的に行えるので、作業員として必ずしも技能工を必要としないので、技能工の人数や技能の程度による製品製造の制約を受けることもなく、良好なろう付けを行った亜鉛メッキ鋼板を得ることが出来る。
よって、この発明によれば、しばしば敬遠されてきた亜鉛メッキ鋼板を外板材として利用するためのろう付け作業による制限を受けなくなるという効果を有する。
以下に、この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1はこの発明の実施例を表すブロック説明図であり、図2はこの発明の実施例を用いたろう付け装置全体の説明図であり、図3はろう付け母材の接合部を表す説明図である。
図1はこの発明の実施例を表すブロック説明図であり、図2はこの発明の実施例を用いたろう付け装置全体の説明図であり、図3はろう付け母材の接合部を表す説明図である。
1は、この発明にかかる亜鉛メッキ鋼板のろう付け装置である。亜鉛メッキ鋼板のろう付け装置1(以下、単にろう付け装置1という。)は、ろう付けを行う際の熱源とする可燃性ガスを圧縮して収めたガスボンベGBおよび酸素ボンベOBを備える。そして、ガスボンベGBと酸素ボンベOBとからガスを供給する配管Aがなされ、ろう付け用自動ロボットRに接続されて火炎を発生するガスバーナーBへ可燃性ガスおよび酸素を供給する。また、可燃性ガスであるガスボンベGB側の配管Aの途中には、ベーパータンクTを設ける。これらガスボンベGB、酸素ボンベOB、ろう付け用自動ロボットR、配管A、ベーパータンクTは、従来から行われていたろう付けの自動工程に用いられている装置であり、従来と何ら変わりない。
また、ろう付け装置1は、配管Aの途中にろう付け監視装置1aを備える。
ろう付け監視装置1aは、ろう付け時の火炎温度を検知する温度検知手段2と、温度検知手段2が検知した温度に基づいて良好な火炎を形成するためのガス供給量を制御するガス流量調整手段3とからなる。
また、ろう付け装置1は、配管Aの途中にろう付け監視装置1aを備える。
ろう付け監視装置1aは、ろう付け時の火炎温度を検知する温度検知手段2と、温度検知手段2が検知した温度に基づいて良好な火炎を形成するためのガス供給量を制御するガス流量調整手段3とからなる。
温度検知手段2は熱電対から形成し、ろう付けするガスバーナーBから照射された火炎中の温度を検知可能である。
ガス流量調整手段3は、温度検知手段2から検知した信号を受領するためのインターフェース部31と、インターフェース部31と接続され温度検知手段2が検知した温度に基づいてガス流量の調整を制御する制御部32と、制御部32と接続されて温度検知手段2が検知した温度を記憶される記憶手段33と、制御部32と接続されてバルブの開閉制御を行わせるバルブ制御部34と、ガスボンベGBとガスバーナーBとを接続する配管Aの途中に接続されると共にバルブ制御部34と接続される可燃ガス量調整バルブ35と、酸素ボンベOBとガスバーナーBとを接続する配管Aの途中に接続されると共にバルブ制御部34と接続される酸素量調整バルブ36とからなる。
ガス流量調整手段3は、温度検知手段2から検知した信号を受領するためのインターフェース部31と、インターフェース部31と接続され温度検知手段2が検知した温度に基づいてガス流量の調整を制御する制御部32と、制御部32と接続されて温度検知手段2が検知した温度を記憶される記憶手段33と、制御部32と接続されてバルブの開閉制御を行わせるバルブ制御部34と、ガスボンベGBとガスバーナーBとを接続する配管Aの途中に接続されると共にバルブ制御部34と接続される可燃ガス量調整バルブ35と、酸素ボンベOBとガスバーナーBとを接続する配管Aの途中に接続されると共にバルブ制御部34と接続される酸素量調整バルブ36とからなる。
温度検知手段2を接続され、熱電対が温度を検知して生成する電圧を受領して温度を計測可能である。
ガス流量調整手段3は、温度検知手段2から受領する情報を温度の情報に変換して制御部32へ出力するインターフェース部31を備える。そして制御部32は、インターフェース部31から温度情報を受領して記憶手段33へ記憶させる。この記憶手段33への温度記憶は、受領した時刻に対応させて行う。また、制御部32は、バルブ制御部34と接続されてバルブ制御部34を制御可能である。制御部32によるバルブ制御部34の制御は、記憶手段33が記憶した温度を監視して入力した温度を記憶手段33へ記憶させると同時に、記憶した現在の温度とそれ以前の時刻に記憶した温度とを比較してその温度変化から、バルブ制御部34にバルブの開閉制御を行わせる開閉何れかの量あるいは開閉を行わないことを指示する信号をバルブ制御部34へ出力して制御する。
制御部32が行う温度管理制御は、亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点温度以下であり、且つ、ろう材溶融温度以上となるように、バルブ制御部34へ制御信号を出力する。この時、バルブ制御部34へ出力する信号は、制御部32が記憶手段33に記憶されている温度と現在入力した温度とを比較した結果によって大きく開閉させたり小さく開閉させたりすることが可能としても良い。
そして制御部32による制御は、例えば、制御部32にはろう付けに適していると思われる最良の温度を基準温度として予め定められており、現在時刻より前に記憶手段33に記憶されていた温度を読み出すと共に現在入力している温度を用い、該基準温度と現在入力している温度およびそれ以前の時刻に記憶された温度との温度変化から、次に供給すべき可燃ガス供給量および酸素供給量を調整するようにガス量調整バルブ35および酸素量調整バルブ36へそれぞれのバルブ開閉量を調整する指示情報を出力する。従って、著しく基準温度より現在入力している温度および以前に記憶した温度が低ければ、両バルブを大きく開くように指示を出す。尚、制御部32によるガス量調節のための温度管理の手法は種々の方法が考えられ、最も単純には、現在入力している温度と基準温度とを比較して、基準温度より現在入力している温度の方が高ければ、予め定める所定量だけガス量調整バルブ35および酸素量調整バルブ36を閉めるようにバルブ制御部34へ信号出力して閉の指示を出し、逆に現在入力している温度の方が低ければ予め定める所定量だけガス量調整バルブ35および酸素量調整バルブ36を明けるようにバルブ制御部34へ信号出力して開の指示を出せばよい。そして、制御部32の温度制御の手法も、自動機である溶接機などの火炎温度の管理や、エアーコンディショナーなどに用いられる温度管理手法を利用した火炎温度の管理等、従来から種々の方法が用いられており、何れの方法を用いても良く、ガスバーナーBから照射されるろう付けに供される火炎の温度が、ろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように制御できれば足りる。
尚、温度検知手段2は、この発明では熱電対からなるとして説明したが、例えばサーモグラフィー等を利用して温度を検知するようにしても良く、熱電対で無くとも良いが、熱電対が安価で利用が容易なので、この実施例では熱電対とした。
尚、温度検知手段2は、この発明では熱電対からなるとして説明したが、例えばサーモグラフィー等を利用して温度を検知するようにしても良く、熱電対で無くとも良いが、熱電対が安価で利用が容易なので、この実施例では熱電対とした。
記憶手段33は、前記したとおり、制御部32が受領した温度の情報を時刻に対応させて記憶させるが、予め定める前記所定量や予め定める前記基準温度などの情報を記憶されても良い。また、基準温度と現在入力している温度との比較のみの場合などには、大きな記憶容量を必要としないので、RAM等で足りる。
バルブ制御部34は、制御部32と接続され、制御部32からのバルブ開閉指示信号を入力可能である。また、バルブ制御部34は、可燃ガス量調整バルブ35および酸素量調整バルブ36と接続されて可燃ガス量調整バルブ35および酸素量調整バルブ36を開閉可能である。バルブ制御部34は、電磁弁によって各バルブ35,36を所定量開閉させたり、サーボモータなどの駆動手段によって各バルブ35,36を回動操作して開閉したりすればよく、従来から用いられている種々の方法が考えられるが、どの様な方法を用いても良い。
可燃ガス量調整バルブ35は、配管Aの途中に設けられてバルブ制御部34と接続され、バルブ制御部34の開閉制御により開閉可能である。可燃ガス量調整バルブ35は、従来用いられている開閉制御可能な制御可能バルブであればどのようなバルブでも良い。勿論、可燃ガス量調整バルブ35は配管AによってガスボンベGBとガスバーナーBとの間に設置される。
酸素量調整バルブ36は、配管Aの途中に設けられてバルブ制御部34と接続され、バルブ制御部34の開閉制御により開閉可能である。酸素量調整バルブ36は、従来用いられている開閉制御可能な制御可能バルブであればどのようなバルブでも良い。もちろん、酸素量調整バルブ36は、配管Aによって酸素ボンベOBとガスバーナーBとの間に設置される。
酸素量調整バルブ36は、配管Aの途中に設けられてバルブ制御部34と接続され、バルブ制御部34の開閉制御により開閉可能である。酸素量調整バルブ36は、従来用いられている開閉制御可能な制御可能バルブであればどのようなバルブでも良い。もちろん、酸素量調整バルブ36は、配管Aによって酸素ボンベOBとガスバーナーBとの間に設置される。
尚、この実施例では、可燃ガス量調整バルブ35および酸素量調整バルブ36とを別体に設けてそれぞれについて説明したが、例えば通過させる気体、即ち可燃ガスと酸素とが一体となった混合ガスの流量が制御できると共に何れか一方のガス、即ち可燃ガスか酸素の流量を制御可能な開閉バルブを用いても良い。この場合には、制御部32は、それぞれのガス量の調整ではなく、混合ガス量の流量調整と可燃ガスか酸素の流量の調整を行わせる。
また、可燃ガスと酸素との混合比を一定として、混合ガスを各ボンベの後に混合気を設置する等して共有し、この混合ガスの流量を制御部32が制御するようにバルブ制御部34へ指示信号を出力し、バルブ制御部34が混合ガスのガス量調整弁を制御するようにしても良い。
尚、ろう付け自動ロボットRは、従来からレーザ熱源によるろう付けや、アークを熱源とするろう付けに用いられているものと同様である。
尚、ろう付け自動ロボットRは、従来からレーザ熱源によるろう付けや、アークを熱源とするろう付けに用いられているものと同様である。
上記のように形成するろう付け装置1によってろう付けされる亜鉛メッキ鋼板は、図3に表すように、予め端部を接合継手状に折曲加工されており、接合部分を付け合わせた状態でろう付けされる。該亜鉛メッキ鋼板は、厚さ0.8[mm]程度の薄板からなる。
そしてろう付け装置1では、より良好なろう付けが可能となるように、ろう材をワイヤ状に形成して供給する。そして、ろう材のワイヤ径なども、行おうとしているろう付けに適した径を選択すれば足りる。
またろう材は、Cu−Zn−NI系の合金にSnを添加した合金とする。このように形成するろう材では、固相点850[℃]、乃至、液相点900[℃]程度の合金となり、湯流れ性が良く、ろう付け母材である亜鉛メッキ鋼板の機械的強度と同程度の強度をもたせることが可能である。
そしてろう付け装置1では、より良好なろう付けが可能となるように、ろう材をワイヤ状に形成して供給する。そして、ろう材のワイヤ径なども、行おうとしているろう付けに適した径を選択すれば足りる。
またろう材は、Cu−Zn−NI系の合金にSnを添加した合金とする。このように形成するろう材では、固相点850[℃]、乃至、液相点900[℃]程度の合金となり、湯流れ性が良く、ろう付け母材である亜鉛メッキ鋼板の機械的強度と同程度の強度をもたせることが可能である。
この発明は、亜鉛メッキ鋼板同士のろう付けに利用可能である。
A 配管
B ガスバーナー
GB ガスボンベ
OB 酸素ボンベ
R ろう付け自動ロボット
T ベーパータンク
1 ろう付け装置
1a ろう付け監視装置
2 温度検知手段
3 ガス流量調整手段
31 インターフェース部
32 制御部
33 記憶手段
34 バルブ制御部
35 可燃ガス量調整バルブ
36 酸素量調整バルブ
B ガスバーナー
GB ガスボンベ
OB 酸素ボンベ
R ろう付け自動ロボット
T ベーパータンク
1 ろう付け装置
1a ろう付け監視装置
2 温度検知手段
3 ガス流量調整手段
31 インターフェース部
32 制御部
33 記憶手段
34 バルブ制御部
35 可燃ガス量調整バルブ
36 酸素量調整バルブ
Claims (4)
- 可燃性ガスと酸素とを燃焼させた火炎によってろう付けを行うガスバーナーを用いたろう付け装置において、
ろう付け部位近傍の火炎温度を検知可能な温度検知手段と、温度検知手段と接続されて温度検知手段が検知した温度を受領し温度検知手段の検知した温度によって可燃ガスおよび酸素の流量を制御可能なガス流量調整手段とを設け、
ガス流量調整手段は、温度検知手段の検知する温度がろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように可燃性ガスと酸素との流量を制御することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視装置。 - 可燃性ガスと酸素とを燃焼させた火炎によってろう付けを行うガスバーナーを用いたろう付け方法において、
温度を検知可能な温度検知手段がろう付け部位近傍の火炎温度を検知し、温度検知手段が検知した温度をガス流量調整手段が受領し、火炎温度を受領したガス流量調整手段がガスバーナーから照射する火炎温度をろう材溶融温度以上であり且つ亜鉛メッキ鋼板の亜鉛沸点以下となるように可燃性ガスと酸素との流量を制御して調整することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視方法。 - 前記ろう付けにおいて、ろう付けに使用するろう材がCu−Zn−NI系の合金にSnを添加して形成し、亜鉛の沸点温度より低い融点温度からなるろう材を用いる請求項1に記載の亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視装置。
- 前記ろう付けにおいて、ろう付けに使用するろう材がCu−Zn−NI系の合金にSnを添加して形成し、亜鉛の沸点温度より低い融点温度からなるろう材を用いる請求項2に記載の亜鉛メッキ鋼板のろう付け監視方法。
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