JP2019000854A - 溶接システム及び溶接方法 - Google Patents

溶接システム及び溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019000854A
JP2019000854A JP2017115503A JP2017115503A JP2019000854A JP 2019000854 A JP2019000854 A JP 2019000854A JP 2017115503 A JP2017115503 A JP 2017115503A JP 2017115503 A JP2017115503 A JP 2017115503A JP 2019000854 A JP2019000854 A JP 2019000854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
temperature
workpiece
preheating
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017115503A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6289713B1 (ja
Inventor
千里 福原
Chisato Fukuhara
千里 福原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NANKAI SPECIAL STEEL CO Ltd
Original Assignee
NANKAI SPECIAL STEEL CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NANKAI SPECIAL STEEL CO Ltd filed Critical NANKAI SPECIAL STEEL CO Ltd
Priority to JP2017115503A priority Critical patent/JP6289713B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6289713B1 publication Critical patent/JP6289713B1/ja
Priority to PCT/JP2018/021773 priority patent/WO2018230419A1/ja
Publication of JP2019000854A publication Critical patent/JP2019000854A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K10/00Welding or cutting by means of a plasma
    • B23K10/02Plasma welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/02Positioning or observing the workpiece, e.g. with respect to the point of impact; Aligning, aiming or focusing the laser beam
    • B23K26/03Observing, e.g. monitoring, the workpiece
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/08Devices involving relative movement between laser beam and workpiece
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/34Laser welding for purposes other than joining
    • B23K26/342Build-up welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/60Preliminary treatment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K31/00Processes relevant to this subclass, specially adapted for particular articles or purposes, but not covered by only one of the preceding main groups
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/04Welding for other purposes than joining, e.g. built-up welding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/235Preliminary treatment

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)

Abstract

【課題】溶接品質を安定させることが容易である溶接システム及び溶接方法を提供する。【解決手段】ワーク表面4に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置10と、ワーク2を予熱し保温する予熱装置30と、ワーク2の予熱後に肉盛溶接を開始するように、溶接装置10及び予熱装置30を動作させる制御装置18と、溶接装置10によってワーク表面4で溶融されている溶接材料6の温度である第1の温度Taを計測する第1のセンサ40と、ワーク2の温度である第2の温度Tbを計測する第2のセンサ42とを備える。制御装置18は、第1及び第2の温度Ta,Tbに基づいて、溶接装置10が肉盛溶接を行う間、第1及び第2の温度Ta,Tbがそれぞれ予め決められた第1及び第2の範囲内に収まるように、溶接装置10と予熱装置30とのいずれか一方又は両方の出力を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、溶接システム及び溶接方法に関し、詳しくは、肉盛溶接に用いる溶接システムに関する。
肉盛溶接は、一般に、耐食・耐熱・耐摩耗などの表面改質を目的として、母材の表面に、母材と異なる成分系の材料を溶着させる溶接法であり、アーク溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接、ガス溶接などの溶融溶接法が適用可能である。
例えば図3は、プラズマ溶接を行う粉体プラズマ溶接装置の概略図である。図3(A)は溶接トーチ8とワーク9との関係を示す構成図、図3(B)は図3(A)の線Z−Zに沿って見た断面図である。図3に示すように、この装置は、溶接トーチ8とワーク9の表面との間に形成されているプラズマアーク中に、溶接トーチ8の複数の粉体供給穴8a,8bから溶接材料の粉末を供給して液滴を形成し、その液滴をワーク9の表面に溶着させる(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−193129号公報
肉盛溶接によって表面改質を達成するためには、熱管理(予熱温度、層間温度・パス間温度及び後熱処理の管理)が必要である。例えば、金型の肉盛等では、所望の「母材強度」の素材を選び、「溶接部」及び「溶接部と母材の界面部」が母材と同等程度の強度となるようにする。強度の高い母材へ、耐熱性・耐摩耗性などが優れた強度の高い溶接材料を盛ることなるが、そのような溶接材料は、熱管理がないと、溶接中又は溶接後に割れてしまう。溶接部の強度を高めるためには、溶接部の内部欠陥(巣など)は無いことが望ましく、できるだけ少なくしなくてはならない。また、溶接品質の一つである、母材と溶接材の密着状態が良好でなくてはならない。さらに、母材の組織の品質も損なってはならない。金型では熱処理によって調質するが、溶接工程で過度に入熱昇温すると、硬度が落ちるなど変質してしまう。
しかしながら、熱管理について再現性の高い手法が確立されていないのが現状であり、溶接品質を安定させることは容易でない。
例えば、粉体プラズマ溶接装置を用いて肉盛溶接を行う場合、安定した溶接品質を得るには、電流値(溶接装置の出力)・電流プロファイル・粉末送り出し量・溶接トーチの軌道や移動速度などの溶接条件を設定し溶接を開始した後、作業員が溶接状態を観察し、観察した溶接状態から溶接条件の適否を判断し、適宜、溶接条件を微調整する必要がある。溶接状態の適否は、溶湯(母材上で溶融している溶接材料)の大きさ・形状、溶湯と母材の境界線の乱れ、溶湯の沸き立ち状態、溶湯が凝固したビードに発生するブローホールの数や大きさなどで判断するが、作業員の経験に依存する部分が多く、定量的な判断基準は確立されていない。
本発明は、かかる実情に鑑み、溶接品質を安定させることが容易である溶接システム及び溶接方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した溶接システムを提供する。
溶接システムは、(a)ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、(b)前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、(c)前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、(d)前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサと、(e)前記ワークの温度である第2の温度を計測する第2のセンサと、を備える。前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度と前記第2のセンサが計測した前記第2の温度とに基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるとともに前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の出力を制御する。
上記構成において、制御装置は、第1の温度(溶湯の温度)及び第2の温度(ワークの温度、すなわち母材の温度)の計測値に基づいて、第1及び第2の温度が、良好な溶接状態になる範囲内に収まるように、溶接装置及び/又は予熱装置の出力を制御する。これによって、溶接中に、溶接条件が適切に制御され、良好な溶接状態が維持される。
上記構成によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1及び第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
溶接装置及び/又は予熱装置の出力は、第1の温度が第1の範囲から外れてから変更してもよいし、第1の温度が第1の範囲内のときから変更してもよい。同様に、溶接装置及び/又は予熱装置の出力は、第2の温度が第2の範囲から外れてから変更してもよいし、第2の温度が第2の範囲内のときから変更してもよい。
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した溶接システムを提供する。
溶接システムは、(a)ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、(b)前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、(c)前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、(d)前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサと、前記ワークの温度である第2の温度を計測する第2のセンサとのうち、いずれか一方と、を備える。前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度、又は前記第2のセンサが計測した前記第2の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように前記予熱装置の出力を制御し、又は、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する。
上記構成によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1又は第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
好ましくは、前記制御装置は、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度が前記第1の範囲から外れたとき、又は、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度が前記第2の範囲から外れたとき、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を変更する。
この場合、溶接を継続しながら溶接条件を変更することによって、溶接品質を安定させることができる。
好ましくは、前記制御装置は、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度が前記第1の範囲から外れたとき、又は、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度が前記第2の範囲から外れたとき、前記溶接装置に前記肉盛溶接を中断させた後、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を変更し、前記出力が変更された状態で前記溶接装置に前記肉盛溶接を再開させる。
この場合、溶接を中断することによって溶接品質の劣化を未然に回避でき、溶接条件の設定を変更した後に溶接を再開することによって、溶接品質を安定させることができる。
好ましくは、溶接システムは、(e)前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記溶接装置の溶接トーチと前記ワークとが予め設定された経路に沿って相対移動するように、前記溶接トーチと前記ワークとのいずれか一方又は両方を移動させる相対移動装置と、(f)前記ワークの位置を検出する第3のセンサと、をさらに備える。前記制御装置は、前記第3のセンサによって検出された前記予熱後の前記ワークの位置に応じて、予め設定された前記経路を補正し、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記溶接トーチと前記ワークとが、補正された前記経路に沿って相対移動するように、前記相対移動装置を動作させる。
この場合、予熱後のワークの位置に応じて、適切な経路で溶接することができるので、ワークの位置決め誤差や予熱に伴うワークの熱変形などに影響されない。そのため、溶接品質が一層安定する。
好ましくは、前記溶接装置は、ガスと前記溶接材料の粉末とを供給する粉末送給装置を備えた粉体プラズマ溶接装置又はレーザ溶接装置である。
粉体プラズマ溶接装置やレーザ溶接装置を用いて1層又は2層以上の肉盛溶接する場合、溶接品質を確保するためには十分な熱管理(予熱温度、層間温度・パス間温度及び後熱処理の管理)が必要であるため、特に顕著な効果が得られる。また、溶接中のスパッタの飛び散りが少なく、温度計測が容易である。
好ましくは、前記制御装置は、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を手動で変更するための手動操作盤を含む。
この場合、溶接条件が制御装置によって変更される前に、手動で溶接条件を変更することができる。そのため、作業員が溶接状態を監視し、適切な溶接状態となるように、より迅速に溶接条件を変更するができ、溶接品質をより安定させることが可能になる。
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した溶接方法を提供する。
溶接方法は、第1ないし第3のステップを備える。前記第1のステップにおいて、予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う。前記第2のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記被溶着材料の温度である第1の温度と、前記ワークの前記表面の温度である第2の温度とを計測する。前記第3のステップにおいて、前記第2のステップで計測した前記第1及び第2の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるとともに前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の出力を制御する。
上記方法によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1及び第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
また、本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した溶接方法を提供する。
溶接方法は、第1ないし第3のステップを備える。前記第1のステップにおいて、予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う。前記第2のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記被溶着材料の温度である第1の温度、又は、前記ワークの前記表面の温度である第2の温度を計測する。前記第3のステップにおいて、前記第2のステップで計測した前記第1又は第2の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように前記予熱装置の出力を制御し、又は、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する。
上記方法によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1又は第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
本発明によれば、溶接品質を安定させることが容易である。
図1は溶接システムの構成図である。(実施例1) 図2は溶接システムの動作のフローチャートである。(実施例1) 図3は粉体プラズマ溶接装置の概略図である。(従来例1)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<実施例1> 実施例1の溶接システム50について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、溶接システム50の構成を概念的に示した構成図である。図1に示すように、溶接システム50は、大略、ワーク2の表面4に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置10と、ワーク2を加熱し保温する予熱装置30と、溶接装置10の溶接トーチ11を把持しながら移動させる把持ロボット20と、溶湯6の温度(ワーク2の表面4で溶融している溶接材料の温度、以下「第1の温度Ta」ともいう。)を検出する第1のセンサ40と、ワーク2の温度(以下「第2の温度Tb」ともいう。)を検出する第2のセンサ42と、ワーク2の位置を検出する第3のセンサ44と備えている。なお、第3のセンサ44を備えない構成とすることも可能である。また、第1及び第2のセンサ40,42のいずれか一方を備え、他方は備えない構成とすることも可能である。
溶接装置10は、例えば、溶接材料として粉体を用いる粉体プラズマ溶接装置である。この場合、溶接装置10は、溶接トーチ11にガスと溶接材料の粉末とを供給する粉末送給装置12と、溶接トーチ11に冷却水を供給し回収する冷却水循環装置14と、電圧を印加して溶接トーチ11内部の電極とワーク2の表面4との間にプラズマアークを発生させるためのプラズマ溶接電源16と、制御装置18とを備えている。
なお、溶接装置10は、粉体プラズマ溶接装置に限らず、適宜な溶融溶接法によってワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置であればよく、例えば、通常のアーク溶接装置や、レーザ溶接装置や、レーザとアークを組み合わせたハイブリッド溶接装置などでもよい。ガスと溶接材料の粉末とを供給する粉末送給装置を備えた粉体プラズマ溶接装置やレーザ溶接装置等は、溶接中のスパッタが少なく、温度計測が容易である。
予熱装置30は、溶接前にワーク2を予熱し、溶接中にワーク2を保温し、溶接後にワーク2の後熱処理を行うために用いることができる。予熱装置30は、例えば、ワーク2が載置される載置面34を有する本体32と、制御器36とを備える。本体32には、不図示の加熱器と温度検出器が内蔵されている。制御器36は、予め設定された保持温度まで載置面34が加熱された後、載置面34の温度が保持温度に維持されるように、本体32内の加熱器を制御する。制御器36には、制御装置18から制御信号が入力され、予熱装置30の予熱・保温や後熱処理の開始や終了、保持温度の設定や変更などが、制御装置18によって制御される。
なお、予熱装置30は、ワークの温度を計測する温度センサ(第2のセンサ42と兼用しても、第2のセンサ42とは別でもよい)を用いて、ワークの所定部分の温度が所定温度になるように、ワークを加熱し保温するように構成してもよい。この場合、温度むらが生じやすい大型のワークなどの温度管理が容易になる。
予熱装置30の代わりに、熱線照射、電磁誘導加熱、アーク放電、ガスバーナなどの適宜な方法で、ワークを加熱し保温する予熱装置を用いてもよい。また、予熱装置は、ワークを支持する装置(例えば、載置されたワークを移動させる移動テーブルや、ワークを把持しワークの位置や向きを変えるワーク把持装置など)に組み込んでも、ワークを支持する装置とは別に設けても構わない。
把持ロボット20は、予め決められた経路でワーク2の表面4にビードを形成するように、ワーク2の表面4に沿って溶接トーチ11を移動させる。溶接トーチ11の軌道は、例えば3Dシミュレーションで予め検討し設定しておく。
把持ロボット20は、相対移動装置(すなわち、溶接装置10が肉盛溶接を行う間、溶接装置10の溶接トーチ11とワーク2とが予め設定された経路に沿って相対移動するように、溶接トーチ11とワーク2といずれか一方又は両方を移動させる相対移動装置)である。相対移動装置は、例えば、ワークが載置され、固定された溶接トーチに対してワークを移動させる移動テーブルでもよいし、ワークを把持しワークの位置や向きを変えるワーク把持装置と、溶接トーチの位置や向きを変える把持ロボットとを組み合わせてもよい。
温度を計測する第1及び第2のセンサ40,42は、熱電対や光ファイバー温度計等も使用可能であるが、赤外線放射温度計やサーモカメラなどの非接触タイプが好ましい。第1及び第2のセンサ40,42は適宜に配置すればよく、例えば、把持ロボット20に取り付けてもよいし、把持ロボット20と協調動作する別のロボットに取り付けてもよい。第1及び第2のセンサ40,42は別々である必要はなく、例えば1台のサーモカメラで、溶湯6とワーク2との両方の温度を計測しても構わない。この場合、第1及び第2のセンサ40,42を、静止箇所に固定することができる。
第1のセンサ40は、例えば、溶接トーチ11付近から斜めの角度で溶湯6の温度を計測する。
第2のセンサ42は、ワーク2の表面4のうち溶接トーチ11の進行方向の肉盛溶接される予定の領域又はその近傍の温度を計測することが好ましいが、ワーク2の温度を計測する位置は、適宜に選択すればよい。例えば、肉盛溶接される予定の領域から離れた部分の温度を計測するように構成することも可能である。また、ワーク2の内部の温度を計測するように構成することも可能である。
第2のセンサ42は、例えば、ワーク2の表面4のうち、溶湯6の進行方向、すなわち溶湯6が凝固したビードを形成する方向に対して斜め後方の、凝固直後のビードから所定距離離れた位置の温度を計測する。この場合、溶接直後の溶接層との界面近傍の母材の温度を精度よく推定し管理することができるので、溶接層の密着強度や界面近傍の母材の変質を安定させることが容易である。
1つ又は2つ以上の第2のセンサ42によって、ワーク2の複数箇所の温度を計測するように構成すると、ワーク2の温度分布に対応した適切な制御が可能になる。
例えば、予熱である程度均一に加熱されたワーク2は、予熱装置30によって保温された状態で溶接される。一般的には、予熱装置30の出力(発熱量)は、予熱時より保温時の方が小さい。溶接部位の付近の母材は、溶接で発生する熱が直ぐに伝わるため、温度が上昇しやすい。一方、溶接部位から遠い箇所の母材は、相対的に温度が上昇しにくく、場合によっては、予熱装置30で保温されているのに温度が下がる。そのままでは、溶接されるときの温度は、母材の部位による差が大きくなり、品質ムラの原因となる。また、溶接された部位の母材温度は溶接後に降下するが、温度の降下が想定より大きい箇所では、溶接後の割れなどが発生する可能性有ある。
溶接部位の付近の母材温度のみで制御すると、その数値から想定できる以上に、実際には、溶接部位から遠い箇所の母材温度が下がった場合には、適切な制御ができない。そこで、温度センサ2で複数箇所の母材温度を計測し、平均化又はそれぞれにウェイトを適切に持たせた制御を行うなどすれば、ワーク2の温度分布に対応した適切な制御が可能になる。
ワーク2の位置を検出する第3のセンサ44は、例えばタッチプローブセンサであり、溶接開始直前のワーク2の位置を検出するために用いる。制御装置18は、把持ロボット20により移動するように予め設定された溶接トーチ11の軌道を、第3のセンサ44で検出したワーク2の位置に応じて補正し、実際のワークの位置に応じた適切な軌道を溶接トーチ11が移動するように制御する。すなわち、溶接トーチ11とワーク2とが相対移動するように予め設定された経路が補正され、補正された経路に沿って溶接トーチ11とワーク2とが相対移動する。これによって、ワークの位置決めがずれていたり、予熱でワークが熱変形したりしても、適切な経路で溶接することができ、溶接品質が安定する。
制御装置18は、溶接装置10の粉末送給装置12、冷却水循環装置14、及びプラズマ溶接電源16を制御し、さらに、把持ロボット20と予熱装置30とを制御する。
制御装置18は、制御信号を出力したり第1ないし第3のセンサ40,42,44からの検出信号が入力されたりするインターフェースと、動作状況等を表示する表示灯や表示パネルなどの表示機器と、起動・溶接開始などの操作や溶接条件の入力等に用いる操作スイッチ・操作ボタン・データ読取装置などの入力機器と、メモリ等の記憶装置と、CPU等の演算処理装置とを含み、予め決められたプログラムに従って制御を実行するように構成されている。
制御装置18は、溶接装置10と予熱装置30とのうちいずれか一方又は両方の出力を手動で変更するため手動操作盤19を含むことが好ましい。この場合、手動操作盤19は、図示したように、制御装置18の本体18aとは別体であり、制御装置18の本体18aに接続されてもよいし、制御装置18の本体18a内に組み込まれてもよい。手動操作盤19は、溶接条件を手動操作で微調整できるように構成されている。手動操作盤19を用いると、溶接条件が自動的に変更され前に、溶接条件を変更することができる。そのため、作業員が溶接状態を監視し、適切な溶接状態となるように、より迅速に溶接条件を変更するができ、溶接品質をより安定させることが可能になる。
さらに、第1及び第2のセンサ40,42で計測した第1及び第2の温度Ta,Tbのいずれか一方又は両方が表示される温度表示装置を備えることが好ましい。この場合、定量的なデータ(計測された第1及び第2の温度Ta,Tb)に基づいて、溶接条件をより適切に変更することでき、溶接品質をより一層安定させることが可能になる。
次に、溶接システム50の動作について、図2を参照しながら説明する。図2は、溶接システム50の基本的な動作のフローチャートである。
まず、ワーク2に応じた溶接条件(溶接装置10の出力を決める電流値・電流プロファイル・粉末送り出し量等や、溶接トーチ11の軌道・動作条件・移動速度、予熱装置30の保持温度等)が設定される。
次いで、制御装置18の入力機器を用いて作業員が所定の起動操作を行うと、制御装置18は、予熱装置30に加熱・保温モードの動作を開始させ、第2のセンサ42がワーク2の温度(第2の温度Tb)の計測を開始する(S10)。予熱装置30の載置面34の温度は、予め決められた保持温度に達するまで上昇する一方、保持温度に達したら保持温度を維持するように自動制御される。予熱装置30の載置面34の温度上昇に伴ってワーク2の温度が上昇し、ワーク2の温度は、予熱装置30の載置面34の温度以下になる。
次いで、第2のセンサ42が計測したワーク2の温度(第2の温度Tb)が、予め設定された溶接開始基準温度Tに達すると(S12でY)、溶接段取りが完了する。
次いで、制御装置18の入力機器を用いて作業員が所定の溶接開始操作をするのを待ち(S14でN)、溶接開始操作がされると(S14でY)、溶接工程を開始する。システム上は、ステップS14をなくし、溶接段取り完了後に溶接工程を自動スタートにすることも可能であるが、安全性の観点から手動スタートにすることが好ましい。
溶接工程では、まず、第3のセンサ44がワーク2の位置を検出し、制御装置18は、第3のセンサ44が計測したワーク2の位置に応じて、予め設定された溶接トーチ11の軌道を補正する(S16)。これによって、予熱後のワーク位置に応じて、適切な経路で溶接することができるので、ワークの位置決め誤差や予熱に伴うワークの熱変形などに影響されない。そのため、溶接品質が一層安定する。なお、ワークの位置決め誤差やワークの熱変形などが溶接品質に影響しない場合や、影響しても問題にならない場合などには、ステップ16をなくしてもよい。
次いで、制御装置18は、溶接装置10と把持ロボット20を動作させて溶接を開始する(S18)。すなわち、溶接装置10の溶接トーチ11からワーク2の表面4に、溶融している溶接材料が供給される。把持ロボット20は、補正された軌道に沿って、溶接トーチ11を移動させる。
溶接中に、第1のセンサ40は溶湯6の温度(第1の温度Ta)を計測し、第2のセンサはワーク2の温度(第2の温度Tb)を計測する。制御装置18は、第1及び第2のセンサ40,42が計測した第1及び第2の温度Ta,Tbに基づいて、第1及び第2の温度Ta,Tbがそれぞれ予め決められた第1及び第2の範囲内に収まるように、溶接装置10と予熱装置30との少なくとも一方の出力を制御する。
具体的には、第1の温度Taが第1の基準温度Tに達するまで(S20でY)、出力を変更せず、ステップS24に進む。第1の温度Taが第1の基準温度Tを超えると(S20でN)、制御装置18が予熱装置30の出力を制御する。すなわち、制御装置18は、予熱装置30に設定されている保温温度を所定値分だけ小さくする制御信号を予熱装置30の制御器36に送り、予熱装置30の出力(加熱器の発熱量)を低下させる(S22)。この場合、溶接を継続しながら溶接条件を微調整することによって、溶接品質のばらつきを抑制することができる。
次いで、ステップS24では、第2の温度Tbが第2の基準温度Tに達するまで(S24でN)、出力を変更せず、ステップS26に進む。第2の温度Tbが第2の基準温度Tを超えると(S24でN)、制御装置18は、溶接装置10と把持ロボット20の動作を一時的に停止させ、溶接を中断する(S30)。次いで、制御装置18は、予熱装置30に設定されている保温温度を所定値分だけ小さくする制御信号を予熱装置30の制御器36に送り、予熱装置30の出力(加熱器の発熱量)を低下させる(S32)。
次いで、溶接条件を変更する(S34)。具板的には、溶接開始基準温度Tを、所定値分Δだけ小さい値(T−Δ)に変更するとともに、第2の基準温度Tを、所定値分Δだけ小さい値(T−Δ)に変更する。
次いで、第2の温度Tbが変更後の溶接開始基準温度Tまで低下するのを待つ(S36でN)。第2の温度Tbが変更後の溶接開始基準温度Tまで低下したら(S36でY)、制御装置18は、溶接装置10と把持ロボット20の動作の一時的な停止を解除し、動作を再開させ(S38)、ステップ20に戻る。
このように、溶接を中断することによって溶接品質の悪化を未然に回避でき、溶接条件の設定を変更した後に溶接を再開することによって、溶接品質を安定させることができる。
次いで、ステップS26では、予め決められた範囲の溶接が終了するまで(S26でN)、ステップS20に戻り、溶接を継続する。なお、図2に図示されていないが、ステップS22で低下させた予熱装置30の出力は、再びステップS22に進んでも、所定時間が経過するまでは変更しない。
予め決められた範囲の溶接が完了したら(S26でY)、制御装置18は、溶接装置10と把持ロボット20を停止させて溶接を終了し(S40)、予熱装置30の予熱・加熱モードの動作を停止させる(S42)。
次いで、制御装置18は、予熱装置30に後熱処理モードの動作を開始させる(S44)。後熱モードにおいて、予熱装置30の載置面34の温度は、予め決められたプロファイルに従って自動制御され、予熱装置の載置面34に載置された溶接完了後のワークは、後熱処理される。
予熱装置30は後熱処理を終えると停止し、溶接システム50は動作を終了する(S46)。
なお、上述した制御や、後述する変形例1〜8の制御を適宜に取捨選択し、組み合わせて、溶接システム50の溶接装置10及び/又は予熱装置30の出力を制御することができる。
以上に説明したように、制御装置18は、第1の温度Ta(溶湯6の温度)及び第2の温度Tb(ワーク2の温度、すなわち母材の温度)の計測値に基づいて、第1及び第2の温度Ta,Tbが、それぞれ良好な溶接状態になる第1及び第2の範囲内に収まるように、溶接装置10及び/又は予熱装置30の出力を制御する。これによって、溶接中に、溶接条件が適切に制御され、良好な溶接状態が維持される。
溶接システム50は、溶接品質に影響を与える要因を第1及び第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
通常のアーク溶接では、母材の溶け込みが溶接金属の硬さの低下を招くため、2層以上の肉盛溶接が必要になる。これに対し、粉体プラズマ溶接は、母材の溶け込みが少なく、1層のみの肉盛溶接も可能である。粉体プラズマアーク溶接装置は、耐摩耗性、耐ヒートクラック性、耐剥離性に優れた鍛造用の金型など、通常のアーク溶接では製作が困難な製品を製作することができ、例えば、SKD61の母材に、溶接難易度が高いステライトを肉盛可能である。しかしながら、より厳しい熱管理が必要となるため、溶接装置10が粉体プラズマアーク溶接装置の場合、本発明の効果が特に顕著である。ガスと溶接材料の粉末とを供給する粉末送給装置を備えたレーザ溶接装置の場合も、同様に、本発明の効果が特に顕著である。
次に、溶接中に、溶接装置及び予熱装置のいずれか一方又は両方の出力を変更する制御について、変形例1〜7を説明する。
<変形例1> 第1の温度(溶湯の温度)の計測値が第1の基準温度を超えたとき、制御装置が溶接装置の出力を制御する。例えば、制御装置は、溶接装置の電流値を、所定値分だけ小さい電流値に変更する。
通常動作時には電流値の減少に連動して粉末送り出し量(溶接トーチに供給する粉末量)が減少するように溶接装置が制御される場合、例えば事前に選択した次のような手法により、単位長さあたりの盛り量(溶着量)の変動を抑制するように制御することが好ましい。ひとつの手法は、第1の温度(溶湯の温度)の計測値が第1の基準温度を超えたとき、溶接装置の電流値を小さくするともに、粉末送り出し量を、溶接装置で制御する電流値と関連づけて割り込み制御し、通常動作時に比べ粉末送り出し量を増やし、粉末送り出し量の変動を抑制する。もうひとつの手法は、第1の温度(溶湯の温度)の計測値が第1の基準温度を超えたとき、溶接装置の電流値を小さくするともに、溶接装置で制御する電流値と関連づけて、予め決められた時間(例えば所定秒数)が経過した後に、溶接トーチとワークの相対移動速度を小さくするように把持ロボットを制御する。このような手法により、ビードの均一性を維持し、溶接品質を安定させることができる。
<変形例2> 第1の温度(溶湯の温度)の計測値の計測値が、予め定められた第3の基準温度を下回ったとき、制御装置が溶接装置の出力を制御する。例えば、制御装置は、溶接装置の電流値を、所定値分だけ大きい電流値に変更する。
通常動作時には電流値の増加に連動して粉末送り出し量(溶接トーチに供給する粉末量)が増加するように溶接装置が制御される場合、例えば事前に選択した次のような手法により、単位長さあたりの盛り量(溶着量)の変動を抑制するように制御することが好ましい。ひとつの手法は、第1の温度(溶湯の温度)の計測値の計測値が、予め定められた第3の基準温度を下回ったとき、溶接装置の電流値を大きくするとともに、粉末送り出し量を、溶接装置で制御する電流値と関連づけて割り込み制御し、通常動作時に比べ粉末送り出し量を減らし、粉末送り出し量の変動を抑制する。もうひとつ手法は、第1の温度(溶湯の温度)の計測値の計測値が、予め定められた第3の基準温度を下回ったとき、溶接装置の電流値を大きくするとともに、溶接装置で制御する電流値と関連づけて、予め決められた時間(例えば所定秒数)が経過した後に、溶接トーチとワークの相対移動速度を大きくするように把持ロボットを制御する。このような手法により、ビードの均一性を維持し、溶接品質を安定させることができる。
<変形例3> 第2の温度(母材の温度)の計測値が、第2の基準温度を超えたとき、制御装置が溶接装置の出力を制御する。例えば、制御装置は、溶接装置に設定されている電流値を、所定値分だけ小さい電流値に変更する。
通常動作時には電流値の減少に連動して粉末送り出し量(溶接トーチに供給する粉末量)が減少するように溶接装置が制御される場合、例えば事前に選択した次のような手法により、単位長さあたりの盛り量(溶着量)の変動を抑制するように制御することが好ましい。ひとつの手法は、第2の温度(母材の温度)の計測値が、第2の基準温度を超えたとき、溶接装置の電流値を小さくするとともに、粉末送り出し量を、溶接装置で制御する電流値と関連づけて割り込み制御し、通常動作時に比べ粉末送り出し量を増やし、粉末送り出し量の変動を抑制する。もうひとつの手法は、第2の温度(母材の温度)の計測値が、第2の基準温度を超えたとき、溶接装置で制御する電流値と関連づけて、予め決められた時間(例えば所定秒数)が経過した後に、溶接トーチとワークの相対移動速度を小さくするように把持ロボットを制御する。このような手法により、ビードの均一性を維持し、溶接品質を安定させることができる。
例えば、小径のピン盛り等のように、溶接速度が非常に早く、短時間であるため、作業員が溶接条件を微調整しても間に合わない場合に、母材温度を溶接中に計測し、計測値が所望の母材温度プロファイル(良い品質が得られるときの母材温度プロファイル)に一致するように、溶接装置の出力などの溶接条件をリアルタイムに変える制御を行う。これによって、溶接品質を安定させることができる。
<変形例4> 第2の温度(母材の温度)の計測値が、予め定められた第4の基準温度を下回ったとき、制御装置が予熱装置の出力を制御する。例えば、制御装置は、予熱装置に設定されている保温温度を、所定値分だけ大きい温度に変更する。
<変形例5> 第1及び第2の温度(溶湯と母材の温度)の計測値に基づいて、制御装置が、溶接装置及び予熱装置の両方の出力を変更してもよい。
<変形例6> 溶接装置及び/又は予熱装置の出力は、第1の温度(溶湯の温度)が第1の範囲内(第3の基準温度以上、かつ、第1の基準温度以下)のときから変更してもよい。例えば、第1の範囲内の第1の目標温度を設定し、第1の温度が第1の範囲内であっても第1の目標温度から外れているときは、溶接装置及び/又は予熱装置の出力を変更する。同様に、溶接装置及び/又は予熱装置の出力は、第2の温度(母材の温度)が第2の範囲(第4の基準温度以上、かつ、第2の基準温度以下)内のときから変更してもよい。
<変形例7> 第1及び第2の温度(溶湯と母材の温度)のいずれか一方又は両方の温度の計測値が変化する速度又は加速度に基づいて、制御装置が、溶接装置及び予熱装置のいずれか一方又は両方の出力を変更してもよい。
例えば、小径のピン盛り等のように、溶接速度が非常に早く、短時間である場合に、母材温度変化の加速度に基づいて、先の溶接条件を予め予測変更する制御を行う。
<変形例8> 第1の温度(溶湯の温度)を計測する第1のセンサと、第2の温度(母材の温度)を計測する第2のセンサとのいずれか一方のみを備える。溶接装置が肉盛溶接を行う間、制御装置は、第1の温度が第1の範囲内に収まるように予熱装置の出力を制御し、又は、第2の温度が第2の範囲内に収まるように溶接装置の出力を制御する。
<まとめ> 以上に説明した溶接システムは、溶接品質に影響を与える要因を第1及び第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
例えば、実施例1では、溶接システムの制御装置として溶接装置の制御装置を用いる構成を例示したが、溶接システムの制御装置は、適宜に構成すればよい。例えば、溶接システムの制御装置として、相対移動装置(把持ロボット)の制御装置を用いる構成でも、溶接装置及び相対移動装置(把持ロボット)とは別の独立した制御装置を用いる構成でも構わない。
相対移動装置は、全自動でも、半自動でも、手動でも構わない。
本発明の溶接システムにIoT技術を適用して、遠隔メンテナンスができるようにしたり、システム稼働状況や加熱器の制御状況、安全性などを遠隔でモニタできるようにしたりすることも可能である。
2 ワーク
4 表面
6 溶湯(溶融されている溶接材料)
10 溶接装置
11 溶接トーチ
12 粉末送給装置
14 冷却水循環装置
16 プラズマ溶接電源
18 制御装置
19 手動操作盤
20 把持ロボット(相対移動装置)
30 予熱装置
34 載置面
40 第1のセンサ
42 第2のセンサ
44 第3のセンサ
50 溶接システム
Ta 第1の温度
Tb 第2の温度
溶接システムは、(a)ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、(b)前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、(c)前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、(d)前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサと、を備える。前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように、前記予熱装置の出力を制御する。
上記構成において、制御装置は、第1の温度(溶湯の温度)の計測値に基づいて、第1の温度が、良好な溶接状態になる範囲内に収まるように、予熱装置の出力を制御する。これによって、溶接中に、溶接条件が適切に制御され、良好な溶接状態が維持される。
上記構成によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
熱装置の出力は、第1の温度が第1の範囲から外れてから変更してもよいし、第1の温度が第1の範囲内のときから変更してもよい
溶接システムは、(a)ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、(b)前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、(c)前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、(d)前記ワークの温度である第2の温度を計測する第2のセンサと、を備える。前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度に基づいて、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する。
上記構成によれば、溶接品質に影響を与える要因を第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。溶接装置の出力は、第2の温度が第2の範囲から外れてから変更してもよいし、第2の温度が第2の範囲内のときから変更してもよい。
好ましくは、前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサを、さらに備える。前記制御装置は、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度が前記第1の範囲から外れたとき、前記予熱装置の前記出力を変更する。
この場合、溶接を継続しながら溶接条件を変更することによって、溶接品質を安定させることができる。予熱装置の出力は、第1の温度が第1の範囲から外れてから変更してもよいし、第1の温度が第1の範囲内のときから変更してもよい。
好ましくは、前記制御装置は、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度が前記第2の範囲から外れたとき、前記溶接装置に前記肉盛溶接を中断させた後、前記予熱装置の前記出力を変更し、前記出力が変更された状態で前記溶接装置に前記肉盛溶接を再開させる。
好ましくは、前記制御装置は、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行っているときに手動で変更するための手動操作盤を含む。
溶接方法は、第1ないし第3のステップを備える。前記第1のステップにおいて、予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う。前記第2のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する。前記第3のステップにおいて、前記第2のステップで計測した前記第1の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように、前記予熱装置の出力を制御する。
上記方法によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
溶接方法は、第1ないし第3のステップを備える。前記第1のステップにおいて、予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う。前記第2のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面の温度である第2の温度を計測する。前記第3のステップにおいて、前記第2のステップで計測した前記第2の温度に基づいて、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する。
上記方法によれば、溶接品質に影響を与える要因を第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
溶接システムは、(a)ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、(b)直接接触による伝熱、熱線照射、アーク放電、ガスバーナのうち少なくとも一つによって前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、(c)前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、(d)前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサと、を備える。前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように、前記予熱装置の出力を制御する。
溶接システムは、(a)ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、(b)直接接触による伝熱、熱線照射、アーク放電、ガスバーナのうち少なくとも一つによって前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、(c)前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、(d)前記ワークの温度である第2の温度を計測する第2のセンサと、を備える。前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度に基づいて、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する。
記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサを、さらに備える。前記制御装置は、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度が前記第1の範囲から外れたとき、前記予熱装置の前記出力を変更する。
溶接方法は、第1ないし第3のステップを備える。前記第1のステップにおいて、直接接触による伝熱、熱線照射、アーク放電、ガスバーナのうち少なくとも一つによってワークを予熱し保温する予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う。前記第2のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する。前記第3のステップにおいて、前記第2のステップで計測した前記第1の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように、前記予熱装置の出力を制御する。
溶接方法は、第1ないし第のステップを備える。前記第1のステップにおいて、直接接触による伝熱、熱線照射、アーク放電、ガスバーナのうち少なくとも一つによってワークを予熱し保温する予熱装置を用いて前記ワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う。前記第2のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する。前記第3のステップにおいて、前記第2のステップで計測した前記第1の温度に基づいて、前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように前記予熱装置の出力を制御する。前記第のステップにおいて、前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面の温度である第2の温度を計測する。前記第のステップにおいて、前記第のステップで計測した前記第2の温度に基づいて、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する。
上記方法によれば、溶接品質に影響を与える要因を第1及び第2の温度に集約し、定量的な基準に基づいて溶接状態を制御することができ、熱管理の再現性が高い。したがって、溶接品質を安定させることが容易である。
予熱装置30の代わりに、熱線照射、アーク放電、ガスバーナなどの適宜な方法で、ワークを加熱し保温する予熱装置を用いてもよい。また、予熱装置は、ワークを支持する装置(例えば、載置されたワークを移動させる移動テーブルや、ワークを把持しワークの位置や向きを変えるワーク把持装置など)に組み込んでも、ワークを支持する装置とは別に設けても構わない。

Claims (9)

  1. ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、
    前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、
    前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、
    前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサと、
    前記ワークの温度である第2の温度を計測する第2のセンサと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度と前記第2のセンサが計測した前記第2の温度とに基づいて、
    前記第1の温度が第1の範囲内に収まるとともに前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように、
    前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の出力を制御することを特徴とする、溶接システム。
  2. ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う溶接装置と、
    前記ワークを予熱し保温する予熱装置と、
    前記ワークの予熱後に前記肉盛溶接を開始するように、前記溶接装置及び前記予熱装置を動作させる制御装置と、
    前記溶接装置によって前記ワークの前記表面で溶融されている前記溶接材料の温度である第1の温度を計測する第1のセンサと、前記ワークの温度である第2の温度を計測する第2のセンサとのうち、いずれか一方と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記第1のセンサが計測した前記第1の温度、又は前記第2のセンサが計測した前記第2の温度に基づいて、
    前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように前記予熱装置の出力を制御し、又は、前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御することを特徴とする、溶接システム。
  3. 前記制御装置は、
    前記第1のセンサが計測した前記第1の温度が前記第1の範囲から外れたとき、又は、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度が前記第2の範囲から外れたとき、
    前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を変更することを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶接システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記第1のセンサが計測した前記第1の温度が前記第1の範囲から外れたとき、又は、前記第2のセンサが計測した前記第2の温度が前記第2の範囲から外れたとき、
    前記溶接装置に前記肉盛溶接を中断させた後、前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を変更し、前記出力が変更された状態で前記溶接装置に前記肉盛溶接を再開させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶接システム。
  5. 前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記溶接装置の溶接トーチと前記ワークとが予め設定された経路に沿って相対移動するように、前記溶接トーチと前記ワークとのいずれか一方又は両方を移動させる相対移動装置と、
    前記ワークの位置を検出する第3のセンサと、
    をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記第3のセンサによって検出された前記予熱後の前記ワークの位置に応じて、予め設定された前記経路を補正し、
    前記溶接装置が前記肉盛溶接を行う間、前記溶接トーチと前記ワークとが、補正された前記経路に沿って相対移動するように、前記相対移動装置を動作させることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一つに記載の溶接システム。
  6. 前記溶接装置は、ガスと前記溶接材料の粉末とを供給する粉末送給装置を備えた粉体プラズマ溶接装置又はレーザ溶接装置であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一つに記載の溶接システム。
  7. 前記制御装置は、
    前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の前記出力を手動で変更するための手動操作盤を含むことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一つに記載の溶接システム。
  8. 予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う第1のステップと、
    前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記被溶着材料の温度である第1の温度と、前記ワークの前記表面の温度である第2の温度とを計測する第2のステップと、
    前記第2のステップで計測した前記第1及び第2の温度に基づいて、
    前記第1の温度が第1の範囲内に収まるとともに前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように、
    前記溶接装置と前記予熱装置とのいずれか一方又は両方の出力を制御する第3のステップと、
    を備えたことを特徴とする、溶接方法。
  9. 予熱装置を用いてワークを予熱した後、前記予熱装置を用いて前記ワークを保温しながら、溶接装置のトーチと前記ワークとを、予め設定された経路に沿って相対移動させて、前記ワークの表面に溶接材料を溶着させて肉盛溶接を行う第1のステップと、
    前記第1のステップで前記肉盛溶接を行う間、前記ワークの前記表面で溶融している前記被溶着材料の温度である第1の温度、又は、前記ワークの前記表面の温度である第2の温度を計測する第2のステップと、
    前記第2のステップで計測した前記第1又は第2の温度に基づいて、
    前記第1の温度が第1の範囲内に収まるように前記予熱装置の出力を制御し、又は、
    前記第2の温度が第2の範囲内に収まるように前記溶接装置の出力を制御する第3のステップと、
    を備えたことを特徴とする、溶接方法。
JP2017115503A 2017-06-12 2017-06-12 溶接システム及び溶接方法 Active JP6289713B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017115503A JP6289713B1 (ja) 2017-06-12 2017-06-12 溶接システム及び溶接方法
PCT/JP2018/021773 WO2018230419A1 (ja) 2017-06-12 2018-06-06 溶接システム及び溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017115503A JP6289713B1 (ja) 2017-06-12 2017-06-12 溶接システム及び溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6289713B1 JP6289713B1 (ja) 2018-03-07
JP2019000854A true JP2019000854A (ja) 2019-01-10

Family

ID=61558057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017115503A Active JP6289713B1 (ja) 2017-06-12 2017-06-12 溶接システム及び溶接方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6289713B1 (ja)
WO (1) WO2018230419A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115194306A (zh) * 2022-09-14 2022-10-18 南通市征荣冷冻设备制造有限公司 一种具有自主控温功能的等离子弧焊接机

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NZ764390A (en) * 2018-04-14 2021-07-30 Aml3D Ltd Method and apparatus for manufacturing 3d metal parts
JP6923484B2 (ja) * 2018-05-15 2021-08-18 ファナック株式会社 加工条件調整装置及び機械学習装置
JP7469005B2 (ja) 2019-07-30 2024-04-16 株式会社ニデック 染色装置及び染色方法
CN116748651A (zh) * 2023-05-31 2023-09-15 扬州宏运车业有限公司 加长型皮卡车架总成防变形焊接工艺

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07148585A (ja) * 1990-06-13 1995-06-13 Gebr Sulzer Ag 誘導加熱し得る加工品上に表面層を形成する方法および装置
JPH09506039A (ja) * 1993-09-03 1997-06-17 クロマロイ ガス タービン コーポレイション 超合金製品の高温度におけるインターアクティブレーザー溶接
JP2005537934A (ja) * 2002-09-06 2005-12-15 アルストム テクノロジー リミテッド レーザー金属成形による硬い層の微細構造の制御方法
JP2005349415A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Sumitomo Metal Ind Ltd ディスクロール及びその製造方法
JP2006095575A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Kawasaki Heavy Ind Ltd 溶接装置
JP2009274136A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 General Electric Co <Ge> レーザビームを使用する予熱
JP2010203258A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 動翼の補修方法
JP2012086235A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Toshiba Corp 加熱補修装置および加熱補修方法
JP2014005754A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Hitachi Ltd タービンロータ及びその製造方法及び当該タービンロータを用いた蒸気タービン
JP2014161858A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 硬化肉盛溶接装置及び方法
JP2015120340A (ja) * 2013-11-27 2015-07-02 エスエルエム ソルーションズ グループ アーゲー 照射システムを制御する方法及び制御装置
JP2015196164A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 三菱重工業株式会社 三次元積層装置及び三次元積層方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56160877A (en) * 1980-05-16 1981-12-10 Hitachi Seiko Ltd Controller for welding machine
DE102013224649B4 (de) * 2013-11-29 2024-05-23 Dmg Mori Ultrasonic Lasertec Gmbh Werkzeugmaschine

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07148585A (ja) * 1990-06-13 1995-06-13 Gebr Sulzer Ag 誘導加熱し得る加工品上に表面層を形成する方法および装置
JPH09506039A (ja) * 1993-09-03 1997-06-17 クロマロイ ガス タービン コーポレイション 超合金製品の高温度におけるインターアクティブレーザー溶接
JP2005537934A (ja) * 2002-09-06 2005-12-15 アルストム テクノロジー リミテッド レーザー金属成形による硬い層の微細構造の制御方法
JP2005349415A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Sumitomo Metal Ind Ltd ディスクロール及びその製造方法
JP2006095575A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Kawasaki Heavy Ind Ltd 溶接装置
JP2009274136A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 General Electric Co <Ge> レーザビームを使用する予熱
JP2010203258A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 動翼の補修方法
JP2012086235A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Toshiba Corp 加熱補修装置および加熱補修方法
JP2014005754A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Hitachi Ltd タービンロータ及びその製造方法及び当該タービンロータを用いた蒸気タービン
JP2014161858A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 硬化肉盛溶接装置及び方法
JP2015120340A (ja) * 2013-11-27 2015-07-02 エスエルエム ソルーションズ グループ アーゲー 照射システムを制御する方法及び制御装置
JP2015196164A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 三菱重工業株式会社 三次元積層装置及び三次元積層方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115194306A (zh) * 2022-09-14 2022-10-18 南通市征荣冷冻设备制造有限公司 一种具有自主控温功能的等离子弧焊接机

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018230419A1 (ja) 2018-12-20
JP6289713B1 (ja) 2018-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6289713B1 (ja) 溶接システム及び溶接方法
US9095928B2 (en) Method and system for heating consumable during hot wire
JP3200387U (ja) 溶接パッドルと共にコンシューマブルを用いるシステム
US20140008354A1 (en) Method and system of using induction heating to heat consumable during hot wire process
CN108472759A (zh) 用于预热焊丝的系统、方法和设备
EP3676040B1 (en) Systems and method for adaptive control of wire preheating
CN108746959B (zh) 陶瓷粉末增强金属基焊层的制备方法及其送粉装置
CN102665995A (zh) 电阻焊接方法、电阻焊接件及电阻焊接机控制装置;电阻焊接评估方法及电阻焊接评估程序
CN103878329A (zh) 用于非晶带材制备的喷嘴加热装置和温度控制系统及方法
US20140353286A1 (en) Method for gas metal arc welding
CN110394542A (zh) 一种局部恒温预热搅拌摩擦焊接方法
US9700953B2 (en) Adaptive welding apparatus, control system, and method of controlling an adaptive welding apparatus
JP6050141B2 (ja) 硬化肉盛溶接装置及び方法
US20210237191A1 (en) Arc welding method comprising a consumable welding wire
JP7303383B2 (ja) 溶接シームを溶接するための方法および装置
JP4235873B2 (ja) 摩擦撹拌接合法の加熱装置
JP2010247180A (ja) ろう付け装置およびその装置を用いたろう付け方法
CN105986109A (zh) 一种焊接后热处理工艺
KR20190008085A (ko) 용접 퍼들과 함께 소모재 및 열원을 사용하는 방법 및 시스템
KR102189501B1 (ko) 브레이징 자동화 장치 및 이를 이용한 브레이징 방법
US20160151852A1 (en) Welding control method and control apparatus
JP4345033B1 (ja) 高周波ろう付け装置および高周波ろう付け方法
CN113165096B (zh) 用于焊接型系统中焊丝预加热的控制的系统、方法和设备
KR20160130030A (ko) 강관 용접 장치
RU128540U1 (ru) Устройство для контактной стыковой сварки с предварительным подогревом и измерением температуры изделий различного сечения

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6289713

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250