JPH05176777A - ラクトバチルス属乳酸桿菌の形質転換方法 及びその形質転換体 - Google Patents

ラクトバチルス属乳酸桿菌の形質転換方法 及びその形質転換体

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JPH05176777A
JPH05176777A JP3361359A JP36135991A JPH05176777A JP H05176777 A JPH05176777 A JP H05176777A JP 3361359 A JP3361359 A JP 3361359A JP 36135991 A JP36135991 A JP 36135991A JP H05176777 A JPH05176777 A JP H05176777A
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delbrueckii
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JP3361359A
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Takashi Sasaki
隆 佐々木
Yasuko Sasaki
泰子 佐々木
Yoshiyuki Ito
喜之 伊藤
Kimiyoshi Otsu
公美 大津
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Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ラクトバチルス属乳酸桿菌の形質
転換方法及びその形質転換体を示すものである。 【構成】 その要点は、pHを低くし、蟻酸塩を添加
した培地で培養した菌体を用い、菌体懸濁液を例えば
45℃で30分の温度処理をした後、本菌で複製可能
なプラスミドとともに電気パルスをかけ(エレクトロポ
レーション法)、本菌に適する培地で発現培養した
後、選択培地で培養して形質転換株を取得するというも
のである。 【効果】乳酸桿菌Lactobacillus del
brueckii subsp.bulgaricus
は、ヨーグルトの製造等で産業上重要な乳酸菌である。
しかし、多くの研究にも拘らず今まで本菌での形質転換
は成功しておらず、本発明の方法による成功が初めての
例である。本方法を用いて異種の遣伝子(Strept
ococcus salivarius subsp.
thermophilus由来のL−乳酸脱水素酵素遺
伝子)を本菌に導入し発現させることにも成功したの
で、本発明の有用性が証明された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳酸桿菌Lb.del
brueckii種として分類されている(文献1)3
亜種bulgaricus,delbrueckii及
びlactis全てに共通のものであるが、とりわけ産
業上有用で形質転換の報告のないLb.delbrue
ckii subsp.bulgaricusの形質転
換方法及びその形質転換体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】乳酸菌
は多くの食品製造に用いられ、又、腸内常在細菌として
も有用な細菌であり、乳酸菌を遺伝子操作で改良するこ
とができればその有用性を一層増すことが期待される。
例えばチーズ・ヨーグルト等の発酵乳製品、漬物・ハム
・パンなど乳酸菌が重要な役割を果たす食品、家畜の飼
料(サイレージ)等の改良を科学的に進めることができ
る。
【0003】又、乳酸菌は安全で美味しく多量の生菌を
摂取できる特徴を持っているので、乳酸菌に「健康増
進」効果を賦与して、今までにない新しい「機能性」食
品を開発することも可能である。更に将来は、腸内常在
細菌の改良による健康増進効果の発揮など、今後様々な
応用が考えられる魅力ある細菌である。
【0004】この様な乳酸菌に、突然変異の誘起、接
合、細胞融合、遺伝子組換え操作などを行うことによっ
て、更によりよい形質を持つ優良菌株を作出することは
産業上極めて有用である。
【0005】現在、外来遺伝子導入による乳酸菌の形質
転換には、菌体と外来遺伝子との懸濁液に高電圧のパル
スをかけ可逆的に膜破壊を起こさせ遺伝子を導入する技
術(電気穿孔法、エレクトロポレーション)が各種乳酸
菌で広く用いられている。この技術を利用した初めての
乳酸菌の形質転換の成功例としてStreptococ
cus lactisの形質転換がある。その後乳酸桿
菌であるLb.casei、Lb.acidophil
us、Lb.plantarumやヨーグルト乳酸球菌
のS.thermophilusでも用いられて高い形
質転換頻度を得ており、応用のレベルに近づきつつある
(文献2、文献3、文献4)。しかしながらLb.de
lbrueckii種の形質転換については多くの研究
者が試みているにも拘らず困難を極め、ごく最近になっ
て本菌種と同一の種に属する他の亜種であるLb.de
lbrueckii subsp.lactisにおい
て形質転換の報告(特願平3−183922)(文献
5)があるのみであり、ヨーグルト製造において中心的
な乳酸菌であるLb.delbrueckii sub
sp.bulgaricusでの形質転換は今まで全く
成功していない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはLb.de
lbrueckiiの組換えプラスミドによる形質転換
について研究を重ねてきた。その結果、Lb.delb
rueckii種で前記唯一の報告を除いてエレクトロ
ポレーション法による形質転換が全く成功しなかった理
由が、例えばLb.delbrueckii subs
p.bulgaricusの場合には通常の液体培地で
培養すると、連鎖すると同時に細胞が長くなり、細胞が
短い菌に比べると一定電圧下でのパルスによる細胞への
障害が著しく大きくなり、DNA導入に必要なパルスに
耐えられないのが原因であると考えた。そして、細胞が
短くかつ生育が良好な培養方法を種々検討し、又、電気
パルス印加後の培養法を検討した結果、以下に記載の形
質転換方法を見い出し、Lb.delbrueckii
形質転換に成功した。
【0007】即ち本発明は、乳酸桿菌Lactobac
illus属に属するLb.delbrueckii
に、組換えプラスミドDNAを導入して当該組換えプラ
スミドDNAの遺伝子形質を獲得したLb.delbr
ueckiiの形質転換体を得るに際し、Lb.del
brueckiiを初発pH4.5〜6.5に調整した
培地で本培養した後、Lb.delbrueckiiと
組換えプラスミドDNAとの懸濁液に電気パルスを印加
し(エレクトロポレーション法)、次いで発現培養培地
で培養することにより、組換えプラスミドDNAの遺伝
形質を獲得した形質転換体が得られることを特徴とする
Lb.delbrueckiiの形質転換方法及びその
形質転換体である。本発明の詳細は次の通りである。
【0008】(1)ベクターの構築 Lb.delbrueckii種を宿主として働くベク
ターとしては、食品として安全な乳酸菌から分離したプ
ラスミドであることが望ましく、特に宿主であるLb.
delbrueckii種から分離したプラスミドがそ
の宿主の遺伝子発現系を利用でき好適である。
【0009】例えば本発明者らはLb.delbrue
ckii約100株をスクリーニングしてその内の1株
からLb.delbrueckii subsp.bu
lgaricus M−878株(明治乳業ヘルスサイ
エンス研究所保存株;M−878株と略称;微工研寄託
番号FERM P−11978)から約8.0kbのプ
ラスミドpBUL1(特願平3−183922)を得て
いる。このM−878株の脱脂粉乳培地での継代中での
自然のプラスミドの欠落(curing)からこのpB
UL1プラスミドの担う形質は不明(cryptic)
であることが判明している。
【0010】更に本発明者らはLactococcus
lactisの幾つかの株についてもその保持するプ
ラスミドの検索を行ったところ、明治乳業ヘルスサイエ
ンス研究所保存株Lactococcus lacti
s subsp.lactis M−128C株(微工
研菌寄託番号FERM P−12650;以下M−12
8C株と言うことがある)から約2.8kbという比較
的小さなサイズを持つ環状二本鎖DNAプラスミドpS
Y1を得ている。このpSY1は唯一の制限酵素部位と
して、EcoRI、ClaI、HaeIII及びSca
Iを有し、HindIII、SphI、PstI、Sa
lI、XbaI、BamHI、SmaI、KpnI及び
SacIの制限酵素認識部位を有しない。
【0011】これらのプラスミドに選択マーカーや乳酸
菌由来の酵素遺伝子を結合して組換えプラスミドを作製
する。例えばpBUL1を用いた組換えプラスミドの場
合には、pBUL1のXbaI部位に、薬剤耐性遺伝子
としてエリスロマイシン耐性(Em)遺伝子を結合し
た組換えプラスミドpX3や、このpX3にヨーグルト
乳酸球菌であるS.thermophilus由来のL
−乳酸脱水素酵素(ST−LDH)遺伝子を組込んだp
XL48などがある(特願平3−183922)。pS
Y1の場合は後で詳細に述べるがpSY1のEcoRI
部位に前記のEm遺伝子を組込んだpSYE2や、こ
のpSYE2をBamHIとKpnIで切断したものと
前記ST−LDH断片をライゲーション(ligati
on)して得られるpSYEL29などがある。
【0012】更に食品として使用できる選択マーカー遺
伝子として、例えばLb.delbrueckii s
ubsp.bulgaricus由来のチミジン合成酵
素遺伝子、或いはプロテアーゼ遺伝子をクローニング
し、それらを選択マーカーとして、前記のプラスミドp
BUL1やpSY1に結合して組換えプラスミドを作成
し、Lb.delbrueckii subsp.bu
lgaricusのチミジン或いはプロテアーゼ遺伝子
を欠損した変異株に、本発明方法を用いて導入し形質転
換することができる。
【0013】チミジン合成酵素遺伝子の場合は大腸菌等
の該遺伝子欠損変異株(thyA)を宿主とし、プロテ
アーゼ遺伝子の場合は該酵素活性を欠損しているチーズ
乳酸球菌(Lactococcus lactis s
ubsp.lactis)等を宿主として、各々の酵素
活性を相捕するDNA断片を、常法によりLb.del
brueckii subsp.bulgaricus
の染色体DNAよりクローニングすればよい。クローニ
ングされた各々の酵素遺伝子を含むDNA断片を、ベク
ターのユニークな制限酵素切断部位、例えばpBUL1
の場合はXbaI、BglII、ScaI、pSY1の
場合はEcoRI、ClaI、HaeIII等の部位に
挿入することにより、選択マーカー遺伝子を保持し食品
として安全なベクターが出来上がる。
【0014】この場合、形質転換株の選択は、脱脂粉乳
培地での生育で行うことができる。即ち、本培地中には
チミジンが殆ど存在しないので、チミジン合成酵素遺伝
子を欠損している宿主に本遺伝子が導入された形質転換
株のみが生育できる。あるいは、Lb.delbrue
ckii subsp.bulgaricus由来のプ
ロテアーゼ遺伝子を選択マーカーとして用いた場合も、
脱脂粉乳培地中では遊離アミノ酸が少ないので、乳蛋白
であるカゼインを分解してアミノ酸を取り込んで生育で
きるのは、プラスミドが導入された形質転換株のみであ
る。
【0015】また、Lb.delbrueckii s
ubsp.bulgaricusが資化できる糖の種類
がグルコース、マンノース、フルクトース及びラクトー
スの4種類のみと極めて少ないという性質を利用する
と、食品製造に用いられる他の乳酸菌、例えば、Lb.
acidophilus、Lb.casei、Lb.d
elbrueckii subsp.lactis、
S.thermophilus等が保持するマルトー
ス、シュークロース、ソルビトール等の資化性遺伝子を
選択マーカーにすることができる。これらの乳酸菌染色
体DNAからの該糖資化性酵素遺伝子のクローニング
は、例えば、該糖資化性能が無い乳酸菌(Lactoc
occus lactis subsp.lactis
IL1403株)等を宿主として、常法により該糖の
資化性を獲得した形質転換株を選択することによって行
うことが出来る。該遺伝子を含むクローニングされたD
NA断片は、上述の様にLb.delbrueckii
subsp.bulgaricusで用いることので
きる安全な選択マーカーを持つベクターとすることがで
きる。これらの場合、Lb.delbrueckii
subsp.bulgaricusの野生株を宿主とす
ることができ、それぞれの糖を唯一の炭素源とする培地
で形質転換株を選択できる。
【0016】更に、Lb.delbrueckii s
ubsp.bulgaricusが資化出来ない糖を分
解できる菌体外酵素遺伝子をマーカーとして利用するこ
とができる。例えば、納豆菌や食用酵母などのアミラー
ゼ、グルコシダーゼ等の遺伝子を用い、デンプンやマル
トースを唯一の炭素源とする培地で形質転換株を選択す
る。なお、これらの他に、乳酸菌で使用可能な他の遺伝
子を食品用の安全なマーカーとすることが出来ることは
言うまでもない。例えば、乳糖資化性遺伝子、キシロー
ス資化性遺伝子、ナイシン耐性遺伝子、バクテリオファ
ージ耐性遺伝子、アミノ酸合成遺伝子、等がある。
【0017】(2)プラスミドDNAの調製 乳酸菌由来のプラスミドDNAの調整は、Anders
onとMcKayの方法(文献6)に準じて行えば良
い。例えば、Lactococcus lactisか
らのプラスミドは、AndersonとMcKayの方
法の通り調製し、エチジウムブロマイド(EtBr)存
在下での塩化セシウム(CsCl)密度勾配遠心法によ
り精製する。Lb.delbrueckii subs
p.bulgaricusからのプラスミドは本発明者
ら独自の方法(特願平3−183922)、即ち洗浄菌
体を0.3Mラフィノース含有緩衝液に懸濁し、リゾチ
ームとムタノリシンを併用して溶菌させ、遠心した後、
緩衝液を0.4Mシュークロースを含有するのもの(文
献6)と入れ換える。その後の溶菌以降の操作はAnd
ersonとMcKayの方法に従って調製し、EtB
r−CsCl密度勾配遠心法で精製する。
【0018】(3)宿主 形質転換に用いる宿主は一般にプラスミドを持たない株
(又はcuring処理によりプラスミドを除去した
株)が用いられるが、本Lb.delbrueckii
種の場合、殆ど全ての菌株がプラスミドを持たないので
そのまま宿主となり得る。更に、Lb.delbrue
ckiiの制限・修飾酵素が欠損した変異株を用いれば
外来DNAによる形質転換効率が上昇する利点がある。
ベクターとしてプラスミドpBUL1を用いる場合、プ
ラスミドの複製可能性などの観点から、pBUL1の由
来株であるLb.delbrueckii subs
p.bulgaricus M−878株より自然にプ
ラスミドpBUL1が脱落した1株BG(−)A株を宿
主として用いることが合理的である。と同時に、Lb.
delbrueckii subsp.bulgari
cusの標準株であるATCC11842株等の同亜種
に属する菌株はもとより、他の亜種であるdelbru
eckiiやlactisも宿主として用いてもよい。
【0019】(4)形質転換 エレクトロポレーション法による形質転換は、受容菌の
培養→集菌と洗浄→菌体を緩衝液に懸濁→氷冷→組換え
プラスミドDNAの添加→電気パルスを印加→発現培養
→選択培地での培養、の手順で行う。以下に記載する方
法は、Lb.delbrueckii種のうち、Lb.
delbrueckii subsp.bulgari
cusの場合に適用されるものであるが、他の亜種にも
該方法に準じて適用できる。
【0020】(4−1)前培養 前培養に用いる培地は通常の乳酸菌培養に用いられる培
地例えばLCM培地(文献7)、又は、LCM培地に1
%グルコースを添加し、121℃で15分間オートクレ
ーブした培地(LCMG培地)、又はLCMG培地に蟻
酸ナトリウムを添加した培地(F−LCMG培地)、例
えば蟻酸ナトリウムを5mg/mlを添加し、pHを
5.5に調整した後メンブレンフィルター(孔径0.4
5μm)で除菌した培地などが用いられる。培養温度及
び培養時間は菌株によるが、通常37〜42℃で10〜
20時間静置培養する。前培養後、菌体を遠心集菌し、
洗浄用緩衝液例えば、20mM Tris−HCl緩衝
液(pH 7.0)などで菌体を洗浄し次の本培養に移
行する。
【0021】(4−2)本培養 本培養の培養条件に関しては、培地の種類、初発pH、
培養時間によって細胞の形態等が変化し形質転換頻度に
大きく影響を与えるので重要である。
【0022】本培養培地には、前記LCMG培地又はF
−LCMG培地を使用する。培地の初発pHは4.5〜
6.5の範囲内であることが必須条件である。初発pH
が6.5を越えると形質転換株を得ることは出来ない。
更に好ましくは初発pHが5.0〜5.5の範囲内であ
ることが形質転換頻度を高める要因となる。前記F−L
CMG培地の場合、LCMG培地よりも形質転換頻度が
格段に良い。なお、蟻酸塩の添加量は0.2〜10mg
/mlで効果があり、好ましくは2〜5mg/mlであ
る。培養温度は37〜42℃で1〜5時間であり、好ま
しくは42℃で2〜3時間静置培養する。
【0023】培養後、遠心で集菌して前記洗浄用緩衝液
で丁寧に洗浄(通常3回)した後、イオン強度の低い高
張緩衝液、例えば0.3Mラフィノース、2mMK
PO(pH7.0)、1mM MgClからなるエ
レクトロポレーション用緩衝液(以下EB)で1回洗浄
し次の工程に移行する。
【0024】(4−3)菌体懸濁液の調製と各種温度処
理 高濃度の形質転換用菌体懸濁液(以下菌体懸濁液)を調
製する。即ち、0℃に保持した前記EB等に、菌体を高
濃度で懸濁し、0℃に保持する。更に、該菌体懸濁液を
0〜15℃で3〜24時間、20〜37℃で約3時間、
40〜50℃で10〜60分保持してから、エレクトロ
ポレーションを行うと0℃の菌体懸濁液を直ちにエレク
トロポレーションにかける場合と比較して、2〜10倍
の形質転換頻度が認められる。従ってエレクトロポレー
ション前の菌体懸濁液の前記温度処理は、形質転換頻度
向上に有効であることが認められる(なお、該菌体懸濁
液を−80℃で凍結保存した後、エレクトロポレーショ
ンしても形質転換頻度は低下しない)。
【0025】(4−4)エレクトロポレーション エレクトロポレーションは、前記菌体懸濁液と、組換え
プラスミドDNA溶液とを混合したものを容器に入れ、
それに2つの電極を差込んでパルス発生装置とを連結さ
せ電気パルスを印加する。パルス発生装置として例えば
米国バイオラド社(Bio−Rad社)製のジーンパル
サー(Gene Pulser、登録商標)を用いた場
合、0.2cmキュベットに、40〜80μlの前記菌
体懸濁液と組換えプラスミドDNA溶液1〜2μlとを
入れ、25μF、1〜2kV/0.2cmの電気パルス
を、例えば200Ωの抵抗を接続して印加すれば良い。
【0026】(4−5)発現培養 電気パルス印加後は、電気パルスによる菌体の損傷を回
復し、導入されたプラスミドにコードされた遺伝子の発
現を促すため、発現(expression)培養を行
う。発現培養においては、本発明者らが考案した独自の
発現培養培地、例えば脱脂粉乳培地(以下SM培地と言
う;10%脱脂粉乳、0.1%酵母エキス;120℃で
7分間オートクレーブ滅菌)と、0.3Mラフィノー
ス、2%カザミノ酸及び50mM MgClを含有す
る液(孔径0.45μmのメンブレンフィルターで除菌
濾過)とを、1:1(v/v)に混合した培地(EXB
G培地)を用いるとBG(−)A株での電気パルスによ
る損傷の修復が促進され、形質転換効率は向上する。パ
ルス印加後、菌体懸濁液全てを発現培養培地に移して懸
濁した後、37℃2時間程度培養する。
【0027】発現培養培地での培養後、培養液を選択培
地に移して選択培養[GasPakジャー(BBL社
製、登録商標)嫌気培養、37〜42℃で2〜4日間]
し、生じたコロニーを選び、選択培地で形質転換株を純
化した後、各種の性質を調べる。
【0028】なお、本発明の方法を用いてLb.del
brueckiiを形質転換可能する場合、使用可能な
プラスミドは、Lb.delbrueckii内で複製
可能なプラスミドである必要は必ずしもない。例えば、
他の微生物で複製可能であるがLb.delbruec
kii内で複製が不可能なプラスミドDNA(例えばE
scherichia coliのpBR322プラス
ミドなど)に、Lb.delbrueckiiの染色体
の一部と乳酸菌由来の酵素遺伝子を組込んだ組換えプラ
スミドを作製し、該組換えプラスミドを本発明の形質転
換方法を用いてLb.delbrueckiiを形質転
換してもよい。この場合、導入した組換えプラスミドが
宿主染色体に組込まれ子孫代々安定に保持される。続い
て本発明の実施例を以下に記載する。
【0029】
【実施例】
実施例1 プラスミドpX3によるBG(−)A株の形
質転換 プラスミドpBUL1の保有株であるLb.delbr
ueckii subsp.bulgaricus M
−878株を、SM培地で継代培養し、自然にプラスミ
ドpBUL1を失った株[BG(−)A株と略称]を用
いた。組換えプラスミドとしては、Lactococc
us lactis subsp.lactis IL
1403株(フランスINRAのAlain Chop
in博士より分与;以下IL1403株)からAnde
rson&Mckayの方法によりプラスミドpX3を
調製し(特願平3−183922)、EtBr−CsC
l密度勾配遠心法で精製したものを用いた。この組換え
プラスミドpX3は、M−878株由来のプラスミドp
BUL1のXbaI部位に選択マーカーとしてpAMβ
1(文献9)由来のエリスロマイシン(Emと略称)耐
性遺伝子を挿入したものである(特願平3−18392
2)。BG(−)A株を、F−LCMG培地(初発pH
5.5)に0.5%(v/v)接種し37℃で15時間
静置培養(前培養という)した。
【0030】この前培養液を遠心(3,000rpm、
室温、5分)し、菌体を20mMTris−HCl(p
H7.0)で1回洗浄した後、予め42℃に保持したF
−LCMG培地に初発濁度(OD660nm)が0.2
5となるように菌体を接種し、42℃で2時間静置培養
(本培養)した。培養液を遠心(3,000rpm、室
温、5分)し、菌体を20mM Tris−HCl(p
H7.0)で3回洗浄した後、更にEBで1回洗浄し、
遠心(3,000rpm、0℃、5分)した。菌体を濁
度(OD660nm)が50となるようにEBに懸濁
し、エレクトロポレーションまで0℃に保持した。BG
(−)A株の組換えプラスミドpX3による形質転換
は、米国バイオラド社のジーンパルサーをパルス発生装
置として用い、エレクトロポレーション法により行っ
た。
【0031】プラスミドpX3(約1μgDNA/μl
TE緩衝液)1〜2μlを0.2cmキュベットに入
れ、これに前記の菌体懸濁液80μlを加えて電気パル
ス(1.5kV/0.2cm、25μF、200Ω)を
1回印加した。次いでキュベット内の液全てを発現培養
するためのEXBG培地2mlに接種し、37℃で2時
間静置培養して、電気パルス印加による菌体の損傷の修
復とEm耐性発現を行った。
【0032】EXBG培地での培養後、培養液をリトマ
スミルク(Difco)寒天培地に25μg/mlのE
mを添加した培地に混釈固化し、GasPakジャーで
42℃、2〜4日間嫌気培養した。
【0033】この結果、1個のエリスロマイシン耐性コ
ロニーを得ることが出来た。このコロニーをエリスロマ
イシン添加(25μg/ml)寒天培地で純化した後、
各種性質を調べた結果、真の形質転換株であることが判
明した。これはLb.delbrueckii sub
sp.bulgaricusでの世界で初めての形質転
換株であり、この株をA1−A株と命名した(微工研寄
託番号FERM P−12654)。本形質転換株はエ
リスロマイシン耐性を示し、pX3プラスミドを保持す
る点を除けば、微生物学的性質は宿主であるBG(−)
A株と差異が認められなかった。
【0034】A1−A株の性質をまとめると、 i)Em耐性:1mgEm/mlでも生育し、強いEm
耐性を示した。 ii)プラスミド:アガロースゲル電気泳動上で用いた
pX3プラスミドと同じ移動度を示すプラスミドが検出
され、精製後調べた結果、IL1403株由来のpX3
と同じ制限地図を示した。 iii)微生物学的性状:表1に示されるように宿主の
BG(−)A株と同一であり、Em耐性株がLb.de
lbrueckii subsp.bulgaricu
s株であることが確認された。
【0035】
【表1】
【0036】次に、この結果の再現性を前記と全く同じ
条件で試みた。パルス当たり1〜2μgのIL1403
株由来のpX3DNAを用いると、エリスロマイシン耐
性コロニーの出現数は、実験により1μg当たり0〜3
個(平均で約0.5個)であり、再現性は確かめられた
ものの形質転換頻度は極めて低いことが明らかとなっ
た。
【0037】実施例2 プラスミドpX3によるLb.
delbrueckiisubsp.bulgaric
us標準株(ATCC11842株)の形質転換 次に、実施例1の方法がLb.delbrueckii
subsp.bulgaricus一般に適用出来る
かどうかを調べるため、BG(−)A株の代わりにL
b.delbrueckii subsp.bulga
ricusの標準株であるATCC11842株につい
て検討した。ATCC11842株を、F−LCMG培
地ではなく、LCMG培地で前培養した点及び宿主とし
前記ATCC11842株を使用した点を除いて、実施
例1と同じ材料及び方法で形質転換を行った。
【0038】その結果、BG(−)A株を用いたときと
ほぼ同等の(平均で約0.2個)形質転換頻度を得るこ
とが出来た。また、得られたコロニーはpX3プラスミ
ドを保持しエリスロマイシン耐性を示し、真の形質転換
株であることが判明した。その1株であるD10株(微
工研寄託番号 FERM P−12652)の性質を表
2に示す。従って、実施例1の方法がLb.delbr
ueckii subsp.bulgaricus一般
に適用できることが示された。
【0039】
【表2】
【0040】実施例3 Lb.delbrueckii
subsp.bulgaricus形質転換株由来の
pX3プラスミドによるBG(−)A株とATCC11
842株の形質転換 実施例1及び2では形質転換頻度が極めて低かったが、
この原因の一つとして所謂「制限系」による障壁が考え
られた。即ち、宿主として用いたBG(−)A株とAT
CC11842株は、多くの細菌に認められる「制限・
修飾系」をもち、外来のDNAを切断するため形質転換
頻度が低くなる可能性である。
【0041】この「制限系」による障壁を迂回するた
め、実施例1で得られたLb.delbrueckii
subsp.bulgaricusの形質転換株A1
−A株及び、実施例2で得られたD10株より各々pX
3プラスミドDNAを特願平3−183922記載の方
法で調製した。EtBr−CsCl密度勾配遠心法で精
製した。得られたpX3プラスミドは約1μgDNA/
μlの濃度でTE緩衝液に溶解した。
【0042】前記プラスミドpX3を用いて、BG
(−)A株及びATCC11842株を宿主として、実
施例1及び実施例2に示した方法で形質転換した結果、
A1−A株由来のpX3プラスミド1μg当りBG
(−)A株では平均約1,000個、D10株由来pX
3プラスミド1μg当たりATCC11842株では平
均約2個の形質転換株が得られた。
【0043】IL1403株由来のpX3と比べ、形質
転換頻度が飛躍的に向上したので、BG(−)A株及び
ATCC11842株に「制限・修飾系」の存在が示さ
れ、形質転換頻度が低い理由の少なくとも一つが判明し
た。
【0044】同時に、A1−A株由来のプラスミドを用
いるとBG(−)A株での形質転換頻度が高くなったの
で、A1−A株由来のpX3プラスミドとBG(−)A
株の組合せで、形質転換頻度に関する条件検討を行うこ
とが可能となった。
【0045】実施例4 Lb.delbrueckii
subsp.bulgaricusの形質転換頻度に
及ぼす培養条件の検討 実施例1〜3に示したように、F−LCMG培地で本培
養したLb.delbrueckii subsp.b
ulgaricusで形質転換が成功した。しかし、L
CMG培地、MRS培地など通常乳酸桿菌用に用いられ
ている液体培地で本培養した細胞を用いると形質転換株
が全く得られなかった。そこで前培養及び本培養の培地
がLb.delbrueckii subsp.bul
garicusの形質転換頻度に及ぼす効果について検
討した。
【0046】(1)前培養培地の効果 実施例1では前培養をF−LCMG培地で行ったが、前
培養の培地の効果を調べるためBG(−)A株をF−
LCMG培地、LCMG培地、SM培地(寒天培地
上に菌を塗布し、GasPakジャーで嫌気培養)、の
3通りで培養(37℃15時間)し、菌体を洗浄後(S
M培地の場合は、滅菌水で菌体を寒天培地上に回収した
後遠心して洗浄)F−LCMG培地に接種して本培養
(42℃、2時間)した。各々の菌体を集菌し洗浄した
後、A1−A株由来のpX3プラスミドDNAを用いた
以外は実施例1と同様の方法でBG(−)A株の形質転
換を行った。A1−A株由来のpX3を用いた理由は、
外来(IL1403株由来)のpX3を用いるよりも格
段に高い形質転換効率が得られるためである。
【0047】その結果、、、のどの培地を前培養
に用いても、得られたエリスロマイシン耐性コロニーの
数は1μgDNA当り約1,000であったので、少な
くとも前培養の培地は形質転換頻度には殆ど無関係であ
ることが分かった。以後の実験では、BG(−)A株の
前培養にはF−LCMG培地を用いている。
【0048】(2)本培養用培地の初発pH及び蟻酸ナ
トリウムの添加効果 LCMG培地をオートクレーブ滅菌したのちpHを測定
すると約6.5である。このオートクレーブしたLCM
G培地及び、該LCMG培地に蟻酸ナトリウム5mg/
ml添加した培地の二種類を作成した。これらの培地に
それぞれ塩酸を添加してpHを4.5、5.0,5.
5、6.0、及び6.5に調整してからメンブレンフィ
ルター(孔径 0.45μm)で除菌濾過した。
【0049】これら合計10種の培地を予め42℃に保
持し、これらの培地にBG(−)A株を初発濁度(OD
660nm)が0.25となるように接種して42℃で
2時間本培養した(但し、pH=4.5に調整した培地
では生育が悪かったので本培養を4時間行った)。A1
−A株由来のpX3プラスミドDNAを用いた以外は実
施例1と同じ方法でBG(−)A株の形質転換を行っ
た。結果を図1に示す。
【0050】これらの結果から、以下の結論が得られ
た。 本培養培地の初発pHが4.5から6.5で形質転換
株が得られた。特に5.0から5.5で形質転換効率が
高く、乳酸菌で通常用いられる培地のpHである6.5
以上では殆ど形質転換株が得られなかった。従って、L
b.delbrueckii subsp.bulga
ricusの形質転換に必須の本培養の培地の初発pH
は5.0〜5.5付近であることが明らかとなった。
【0051】LCMG培地に蟻酸ナトリウムを5mg
/ml添加した培地では、無添加のLCMG培地と比較
して、どのpHでも形質転換頻度が格段に高くなってい
た。従って、蟻酸塩の添加は形質転換頻度の上昇に有効
であることが判明した。また、蟻酸ナトリウムの添加量
を0.2から10mg/mlまで変化させ初発pHを
5.5に調整した培地で検討した結果、2〜5mg/m
lが形質転換頻度の向上に最も有効であった。
【0052】従って、細胞形態が短くなる培地として
当初選択したF−LCMG培地は、同時にLb.del
brueckii subsp.bulgaricus
の形質転換のための本培養の培地としても最も良好なも
のの一つであることが判明し、この培地を用いたために
実施例1でLb.delbrueckiisubsp.
bulgaricusの形質転換株が初めて得られたと
考えられる。
【0053】実施例5 菌体懸濁液を各種温度で保持す
る効果 (1)凍結保存 実施例1と同じ方法で調製したBG(−)A株の菌体懸
濁液を小チューブに分注し、−80℃フリーザーで凍結
保存(1日以上)した後、0℃で溶解しその80μlを
使ってA1−A株由来のプラスミドpX3を用いた以外
は実施例1と同じ方法で形質転換を行った。その結果、
調製当日の細胞で行ったのとほぼ同じかそれ以上の形質
転換頻度が得られた。
【0054】従って、菌体懸濁液を−80℃で凍結保存
しても形質転換頻度が低下しないので、一度菌体懸濁液
を調製しておけばいつでも同一の菌体が使用でき、菌体
調製が容易になったばかりではなく信頼性のある比較実
験が可能となった。
【0055】(2)0℃以上での保持効果 1)次に、BG(−)A株について0℃以上での保持効
果を調べた。実施例1と同じ方法で調製したBG(−)
A株の菌体懸濁液を小チューブに分注し、エレクトロポ
レーション前にそれぞれ0、10、15、20、30、
37、45℃の湯浴中に一定時間(10分〜24時間)
保持した後、0℃にしてからA1−A株由来のプラスミ
ドpX3を用いて実施例1と同じ方法で形質転換を行っ
た。
【0056】その結果、菌体懸濁液を、0〜20℃では
3〜24時間、30℃では約3時間、37℃〜45℃で
は10分〜1時間保持することによって、無処理の細胞
と比較して2〜10倍形質転換頻度の上昇が認められ
た。これらの効果は若干の振れがあるものの上昇効果自
体の再現性はあった。
【0057】図2に、45℃での保持時間を変えて形質
転換頻度を調べた結果を示した。
【0058】なお、45℃で10〜60分保持した細胞
懸濁液を−80℃で凍結保存しても形質転換頻度は凍結
前の細胞を使った結果と大差はなかった。
【0059】以上検討してきた結果、BG(−)A株の
場合、 本培養の培地をF−LCMG(pH=5.5、5mg
/mlの蟻酸ナトリウム含有LCMG)培地で42℃2
〜3時間培養し、 菌体懸濁液を、ある温度で保持(例えば、45℃30
分)、 A1−A株由来の(「制限系」による障壁の無い)プ
ラスミドpX3を用いて、エレクトロポレーションを行
うと、形質転換頻度として、1μgDNA当り最高約1
個の形質転換株が得られることが明らかとなった。
【0060】2)更に ATCC11842株につい
て、本培養培地にLCMG培地及びF−LCMG培地
(蟻酸ナトリウム5mg/ml添加)を用い、それぞれ
の初発pHを5.5及び6.5とし、更にそれぞれの菌
体懸濁液を45℃30分処理した場合と無処理の場合の
形質転換頻度をD10由来のpX3プラスミドを用いて
検討した。
【0061】その結果、本培養培地の初発pHが6.5
では蟻酸ナトリウムの添加効果も菌体懸濁液の加温処理
効果も全く認められなかったが、pHが5.5ではそれ
のみで平均0.2個の形質転換が認められ、更に蟻酸ナ
トリウムの添加及び45℃での保持によって最高78個
の形質転換株が得られた。
【0062】従って、Lb.delbrueckii
subsp.bulgaricusの標準株の場合で
も、本培養培地の初発pHを5.5とすることが必須で
あり、更に蟻酸ナトリウムの添加と菌体懸濁液の45℃
での保持が有効であることが示された(なお、本株でも
詳細に条件検討を行うことによって、形質転換頻度を飛
躍的に上昇させることが出来る)。
【0063】実施例6 Lc.lactis IL14
03株由来pX3プラスミドによるLb.delbru
eckii subsp.bulgaricusの至適
条件下での形質転換効率 実施例4及び5で、BG(−)A株やATCC1184
2株の形質転換の至適条件が明らかとなった。これら
は、「制限系」の障壁の無いプラスミドを用いた結果で
あるが、次に、「制限系」の障壁のある外来(IL14
03株由来の)プラスミドpX3による形質転換頻度
を、BG(−)A株の至適条件(本培養をF−LCMG
培地で行い、菌体懸濁液を45℃30分保持した後エレ
クトロポレーションを行う方法)で測定した。
【0064】その結果、1μgDNA当り、BG
(−)A株では約60個、ATCC11842株では
約5個の形質転換株が得られた。即ち、45℃で30分
の保持処理を加えることによって、「制限系」の障壁の
ある外来プラスミドpX3による形質転換株が、実施例
1、2と比較すると、格段に高い頻度で得られるように
なった。
【0065】実施例7 pSYE2プラスミドによるL
b.delbrueckii subsp.bulga
ricus BG(−)A株の形質転換 以上はプラスミドとしてpBUL1を用いた結果である
が、次に、他のプラスミドでのLb.delbruec
kii subsp.bulgaricusの形質転換
可能性について検討した。
【0066】本発明者らが構築したpSYE2プラスミ
ドを用い、実施例6と同じ方法でBG(−)A株の形質
転換を行った結果、1μgDNA当り1〜2個の形質転
換株(0−6A株、微工研寄託番号FERM P−12
653)が得られたので、本pSYE2プラスミドもL
b.delbrueckii subsp.bulga
ricusの形質転換に有効であることが判明した。
【0067】pSYE2プラスミドの調製方法は以下の
通りである。
【0068】Lactococcus lactis
subsp.lactis M−128C株よりAnd
ersonとMcKayの方法に準じた方法でpSY1
プラスミドDNAを調製した。即ち、M−128C株を
500mlのLysis培地に1%の初発濃度で植菌
し、32℃で4時間培養して得られた菌体について、リ
ゾチームとSDSによる溶菌からプラスミドDNAの粗
精製までを行なった。
【0069】得られた粗プラスミドDNA標品を常法
(文献8)に従ってRNase処理を行なった後、アガ
ロースゲル電気泳動を行なってpSY1に相当するDN
Aバンドを切り出し、BI0101社のGENECLE
AN DNA精製キットを用いて回収したものを精製p
SY1標品(約5μg)とした。
【0070】pSY1を各種制限酵素(寳酒造社製)で
切断し、得られた切断片の塩基対の長さをアガロースゲ
ル電気泳動により求めた結果、pSY1はEcoRI、
HaeIII,ClaI及びScaIの認識部位をそれ
ぞれ1ケ所づつ持つ環状二本鎖DNAプラスミドであ
り、pSY1全体の長さは約2,800塩基対(bp)
であった。また、HindIII、SphI、Pst
I、SalI、XbaI、BamHI、SmaI、Kp
nI及びSacIの認識部位は存在しなかった。図3に
pSY1の制限酵素地図を示す。表3の配列番号1にp
SY1のDNA配列を示す。
【0071】
【表3】
【0072】pAMβ1由来のエリスロマイシン耐性遺
伝子を約1.1kbの長さのカセットとして持つプラス
ミドp8Eml(特願平3−183922参照)を、p
8Emlを含む大腸菌TG1の形質転換株から文献8に
従って調製した。p8EmlをEcoRIで切断し、p
SY1をEcoRIで切断したものとライゲーション反
応させた。ライゲーション反応後の反応液をChang
らの方法(文献10)に従ってBacillus su
btilis 207−25株(文献11)の形質転換
に用い、25μg/mlのエリスロマイシンを含むDM
3培地プレート(文献10)上で選択してEm耐性の形
質転換株を得た。得られた形質転換株よりプラスミドを
調製し、その制限酵素切断パターンを解析した。形質転
換株中は図4のA及びBに示される制限酵素地図を有す
るプラスミドのうちいずれかを含有していた。図4のA
のプラスミドをpSYE1、BのプラスミドをpSYE
2と命名した。
【0073】実施例8 BG(−)A株への乳酸菌由来
の酵素遺伝子(L−乳酸脱水素酵素遺伝子)の導入と発
現 次に、本発明の形質転換系を用いて、乳酸菌由来の酵素
の遺伝子の導入と発現が可能であることを示す。
【0074】乳酸菌由来の酵素遺伝子として、Stre
ptococcus salivarius subs
p.thermophilus M−192株由来のL
−乳酸脱水素酵素遺伝子(特開平3−251172;S
T−LDHと略称)を選んだ。この遺伝子を含むM−1
92株の染色体DNAのSspI断片1.1kbをpX
3プラスミドに挿入して得たpXL48プラスミド(特
願平3−183922)を用い、実施例6と同じ方法で
BG(−)A株を形質転換した(なお、pXL48プラ
スミドDNAは、IL1403株より調製し、約1μg
/μlの濃度でTE緩衝液に溶解した)。
【0075】その結果、1μgDNA当り1〜2個のエ
リスロマイシン耐性コロニーが得られた。これらのコロ
ニー合計8個を各々純化した後、各種性質を調べると全
て同一であった。その内の1株H11−1A株(微工研
菌寄託番号FERM P−12651)は、エリスロマ
イシン耐性を示し、アガロースゲル電気泳動でIL14
03株由来のpXL48と同一の移動度を示すプラスミ
ドを保持した。また、宿主のBG(−)A株が生成する
乳酸の旋光性はD(−)なのに対して、H11−1A株
の生成する乳酸を調べると、D(−)乳酸とともにそれ
とほぼ同量のL(+)乳酸が存在していた。生成した乳
酸の合計量は、宿主のBG(−)A株のそれとほぼ同じ
であった。従って、形質転換株H11−1A株では、導
入されたpXL48プラスミドに存在するL−乳酸脱水
素酵素遺伝子(ST−LDH遺伝子)が発現し、L
(+)乳酸生成能が賦与されたことが示された。
【0076】なお、H11−1A株は、pXL48プラ
スミドを保持しエリスロマイシン耐性とL(+)乳酸生
成能を示す点以外の微生物学的性質はBG(−)A株と
差異が認められなかった。
【0077】更に、形質転換株H11−1A株よりpX
L48プラスミドDNAを調製し、実施例6と同じ方法
でBG(−)A株を形質転換すると、1μgDNA当り
約200から300個の形質転換株が得られたが、これ
らも全てpXL48プラスミドを保持し、エリスロマイ
シン耐性とL(+)乳酸生成能を示した。以上の結果か
ら、本発明の形質転換方法を用いることによって、乳酸
菌由来の酵素遺伝子を含め、他の有用な異種遺伝子の導
入と発現が可能であることが証明され、本発明の有用性
が示された。
【0078】
【引用文献】
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【発明の効果】本発明により、今まで形質転換の報告が
全くなかったLb.delbrueckii subs
p.bulgaricusで形質転換が可能になり、更
にLb.delbrueckiiの他の亜種であるde
lbrueckiiやlactisにも本発明の形質転
換方法の適用が可能となった。又、乳酸菌由来の酵素遺
伝子を含め、他の有用な異種遺伝子の発現も可能となる
ことから、本発明は乳酸菌の形質改良に広い応用が期待
できる。まず、本方法を用いてヨーグルトの改良が可能
である。例えば、実施例3で示した結果の延長線上に
は、D−乳酸を作らずL−乳酸100%のヨーグルト製
造が可能となり、より人体に良いヨーグルトを製造でき
る。又、ジアセチル生成に関する酵素遺伝子等の改良に
より、香味の改良も可能となる。更に、糖の代謝に関与
する酵素遺伝子の改良により、発酵スピードの増大や酸
度のコントロール等、製造上重要な形質を改良すること
も可能となる。甘味蛋白質ソーマチン(thaumat
in)合成遺伝子を導入することによって、摂食時に砂
糖を添加する必要のない、甘味を有するヨーグルトの製
造が可能になる。更に、Lb.delbrueckii
subsp.bulgaricusが関与するヨーグ
ルト以外のチーズ等の乳製品の改良も、本方法を応用し
て達成できる。また、本方法により新しい物性を賦与し
たLb.delbrueckiisubsp.bulg
aricusを用いて、従来知られていない食品や飲料
の製造も考えられる。Lb.delbrueckiis
ubsp.bulgaricus等によって作られる食
品が、広く飲食し易く美味であると認められている点を
考慮すると、人の健康に有用な各種ペプチド・蛋白質
(酵素、ホルモン、抗原など)の遺伝子をLb.del
brueckiisubsp.bulgaricusに
本方法で導入し、医薬品分野で有効な飲食物の創製も可
能であろう。上記の可能性は、言うまでもなく、Lb.
delbrueckii subsp.bulgari
cusへの有用遺伝子をプラスミドの形で導入し、複製
させても良いが、染色体へ組込ませることによって、安
定化をも保証することによって、より一層有用性を増す
こともできる。即ち、Lb.delbrueckiis
ubsp.bulgaricusの染色体の一部などを
結合したプラスミドにより、宿主Lb.delbrue
ckii subsp.bulgaricusの染色体
へ組込ませ、有用遺伝子の安定化を図ること、及び不用
の遺伝子を失活させることもできる。
【図面の簡単な説明】
以下の図面において用いられている制限酵素の略称とそ
の正式名とを以下に示した。 Bm:BamHI、Cl:ClaI、Ec:EcoR
I、Hd:HindIII、HIII:HaeIII、
Kp:KpnI、Ml:MluI、Sa:SacI、S
c:ScaI、Ss:SspI、Sp:SphI
【図1】本培養用培地の初発pH及び蟻酸ナトリウムの
添加が形質転換効率に及ぼす効果を示すグラフである。
【図2】菌体懸濁液の45℃での保持時間が形質転換頻
度に与える影響を示すグラフである。
【図3】pSY1の制限酵素地図である。各制限酵素の
認識部位をScaIを基準として、kb単位で示した
(pSY1は環状であるが、ScaIを基準として直線
状にして示した)。また、HindIII、SphI、
PstI、SalI、XbaI、BamHI、Sma
I、KpnI、SacIの認識部位は存在しなかった。
【図4】pSY1誘導体である、pSYE1、pSYE
の制限酵素地図である。図中二重線はpSY1の配列
を、太線矢印はpAMβ1由来のエリスロマイシン耐性
遺伝子(およびその転写方向)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/04 7823−4B 15/53 15/74 // A23C 9/123 7144−4B C12M 1/42 9050−4B (C12N 1/21 C12R 1:225) (C12N 9/04 C12R 1:225) (C12N 15/53 C12R 1:46) (72)発明者 大津 公美 神奈川県小田原市成田540 明治乳業ヘル スサイエンス研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトバチルス属(Lactobaci
    llus、以下単にLb.とも言う)に属するLb.d
    elbrueckiiに、組換えプラスミドDNAを導
    入して当該組換えプラスミドDNAの遺伝形質を獲得し
    たLb.delbrueckiiの形質転換体を得るに
    際し、Lb.delbrueckiiを初発pHを4.
    5〜6.5に調整した培地で本培養した後、Lb.de
    lbrueckiiと組換えプラスミドDNAとの懸濁
    液に電気パルスを印加し(エレクトロポレーション法)
    次いで発現培養培地で培養することにより組換えプラス
    ミドDNAの遺伝形質を獲得した形質転換体を得ること
    を特徴とするLb.delbrueckiiの形質転換
    方法。
  2. 【請求項2】 本培養培地に0.2〜10mg/mlと
    なるように蟻酸又は蟻酸塩を添加する請求項1記載のL
    b.delbrueckiiの形質転換方法。
  3. 【請求項3】 エレクトロポレーション前のLb.de
    lbrueckiiの懸濁液を0〜50℃で10分〜2
    4時間保持した後エレクトロポレーションを行う請求項
    1記載のLb.delbrueckiiの形質転換方
    法。
  4. 【請求項4】 Lb.delbrueckiiの懸濁液
    を0〜15℃で3〜24時間又は20〜37℃で1〜3
    時間又は40〜50℃で10〜60分保持した後、エレ
    クトロポレーションを行う請求項3記載のLb.del
    brueckiiの形質転換方法。
  5. 【請求項5】 発現培養培地にカザミノ酸を添加した請
    求項1記載のLb.delbrueckiiの形質転換
    方法。
  6. 【請求項6】 電気パルス(5.0〜10.0kV/c
    m、1〜25μF)を印加する請求項1若しくは請求項
    3若しくは請求項4記載のLb.delbruecki
    iの形質転換方法。
  7. 【請求項7】 組換えプラスミドDNAが、Lb.de
    lbrueckiiで複製可能なLactobacil
    lus属又はLactococcus属乳酸菌由来のプ
    ラスミドに、選択マーカー遺伝子及び/又は乳酸菌由来
    の酵素遺伝子を組込んだものである請求項1記載のL
    b.delbrueckiiの形質転換方法。
  8. 【請求項8】 Lb.delbrueckii内で複製
    不可能な微生物由来プラスミドに、Lb.delbru
    eckiiの染色体DNAの一部を組込んだ組換えプラ
    スミドDNAを作成し、Lb.delbrueckii
    の染色体へ該組換えプラスミドDNAを組込むことを特
    徴とする請求項1記載のLb.delbrueckii
    の形質転換方法。
  9. 【請求項9】 選択マーカー遺伝子がエリスロマイシン
    耐性遺伝子である請求項7若しくは請求項8記載のL
    b.delbrueckiiの形質転換方法。
  10. 【請求項10】 選択マーカー遺伝子がLb.delb
    rueckii subsp.bulgaricus由
    来のチミジン合成酵素遺伝子若しくはプロテアーゼ遺伝
    子又はLb.acidophilus、Lb.delb
    rueckii subsp.lactis若しくはS
    treptococcus salivarius s
    ubsp.thermophilus(以下、S.th
    ermophilus)由来の糖資化性遺伝子である請
    求項7若しくは請求項8記載のLb.delbruec
    kiiの形質転換方法。
  11. 【請求項11】 乳酸菌由来の酵素遺伝子がS.the
    rmophilus由来のL−乳酸脱水素酵素である請
    求項7若しくは請求項8記載のLb.delbruec
    kiiの形質転換方法。
  12. 【請求項12】 組換えプラスミドDNAがプラスミド
    pX3又はプラスミドpSYE2又はプラスミドpXL
    48である請求項1若しくは請求項7記載のLb.de
    lbrueckiiの形質転換方法。
  13. 【請求項13】 Lb.delbrueckiiがL
    b.delbrueckii subsp.bulga
    ricus又はLb.delbrueckiisubs
    p.lactis又はLb.delbrueckii
    subsp.delbrueckiiである請求項1〜
    12記載のLb.delbrueckiiの形質転換方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の方法によって形質転
    換されたLb.delbrueckiiの形質転換体。
  15. 【請求項15】 形質転換されたLb.delbrue
    ckii subsp.bulgaricusが微工研
    寄託番号FERM P−12651又はFERMP−1
    2652又はFERM P−12653又はFERM
    P−12654である請求項12の形質転換体。
  16. 【請求項16】 pBUL1又はpSY1の複製部位を
    含むプラスミドにより形質転換されたLb.delbr
    ueckii形質転換体。
  17. 【請求項17】 微工研寄託番号FERM P−126
    51又はFERMP−12652又はFERM P−1
    2653又はFERM P−12654から得られた組
    換えプラスミドDNA。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2798669A1 (fr) * 1999-09-17 2001-03-23 Agronomique Inst Nat Rech Souche de lactobacillus delbrueckii et son utilisation pour le criblage de plasmides
CN113133483A (zh) * 2020-01-20 2021-07-20 内蒙古蒙牛乳业(集团)股份有限公司 一种欧姆杀菌工艺生产酸奶的方法

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