JPH05175225A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法 - Google Patents

ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法

Info

Publication number
JPH05175225A
JPH05175225A JP35520191A JP35520191A JPH05175225A JP H05175225 A JPH05175225 A JP H05175225A JP 35520191 A JP35520191 A JP 35520191A JP 35520191 A JP35520191 A JP 35520191A JP H05175225 A JPH05175225 A JP H05175225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
insulating film
collector
emitter
semiconductor layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35520191A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiyouji Yamahata
章司 山幡
Takumi Iritono
巧 入戸野
Yutaka Matsuoka
松岡  裕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP35520191A priority Critical patent/JPH05175225A/ja
Publication of JPH05175225A publication Critical patent/JPH05175225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ベース抵抗RB 及びベース・エミッタ接合容
量CBEの低減化されたコレクタアップ構造のHBT、ま
たはベース抵抗及びベース・コレクタ接合容量CBCの低
減化されたエミッタアップ構造のHBTの製造方法を提
供する。 【構成】 GaAs基板1上にn型AlGaAsエミッ
タ層3、その上に形成されたバンドギャップのより狭い
p型GsAsベース層4、及びその上に形成されたn型
GaAsコレクタ層5を含む半導体層から構成されたコ
レクタアップ構造のn−p−n型HBTを製造する際
に、第1絶縁膜と第2絶縁膜側壁をマスクとする酸素イ
オン注入により、上記n型AlGaAsエミッタ層3中
に選択的に高抵抗領域9を構成する。さらに前記のマス
クを用いエピタキシャル再成長法により、p型GaAs
外部ベース層10を高抵抗化した外部エミッタ層9とベ
ース層4にのみ接触するよう選択的に堆積してコレクタ
アップ型HBTを製造する。エミッタアップ構造も同様
にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造方法に関し、特に、外部ベー
ス層の下地層としての外部エミッタ層(もしくは外部コ
レクタ層)への酸素のイオン注入による安定化した高抵
抗層形成とサイドウォールマスクを用いて内部ベース層
と接して上記高抵抗層上に外部ベース層を高濃度に再成
長形成することによって、ベース抵抗RB を低減化し、
ベース・エミッタ接合容量CBE(もしくはベース・コレ
クタ接合容量CBC)を低減化する点に特徴を有するコレ
クタアップ(もしくはエミッタアップ)構造のヘテロ接
合バイポーラトランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】III −V族化合物半導体を用いたヘテロ
接合バイポーラトランジスタ(以下HBTと略す)は、
メサ型構造を有する縦型トランジスタであり、エミッタ
が半導体表面側に設けられたエミッタアップ構造と、コ
レクタが半導体表面側に設けられたコレクタアップ構造
に分けられる。
【0003】HBTの高周波特性は、真性トランジスタ
及び外部寄生効果も含めた等価回路から理解できる。超
高周波特性の性能指数は、電流利得遮断周波数fT と最
高発振周波数fmax であるが、この内電流利得遮断周波
数fT は少数キャリアがエミッタからコレクタへ流れて
いくときの遅延時間と関係があり、素子寸法の微細化が
進めば、主にエミッタ、ベース、コレクタ各層の不純物
濃度、層構造等で決定されるので、エミッタアップで
も、コレクタアップでもその値は構造にほとんどよらな
い。
【0004】一方、最高発振周波数fmax は、(1)式
で表される様にベース抵抗RB 、ベース・コレクタ接合
容量CBCに大きく依存している。
【0005】
【数1】 fmax =(fT /8πRBBC1/2 ……(1)
【0006】HBTはメサ型構造であるためコレクタ面
積の小さいコレクタアップの方がエミッタアップよりも
ベース・コレクタ接合容量CBCは小さい。特に、エミッ
タアップ構造では、素子寸法が微細になるほどベース・
エミッタ接合面積に占める外部ベースの面積の割合が急
激に増加するため、ベース・コレクタ接合容量CBCを低
下させるにはコレクタアップ構造が圧倒的に有利であ
る。
【0007】RB は真性ベースのシート抵抗、外部ベー
スのシート抵抗とコレクタ抵抗で決まり、エミッタアッ
プにしてもコレクタアップでも変わらない。従って、超
高速化を図る(最高発振周波数fmax の向上)には、ベ
ース・コレクタ接合容量CBCが小さく、ベース抵抗RB
も遜色のないコレクタアップ構造の方が断然有利であ
る。この点については、例えば、H. Kroemer による論
文、" HeterostructureBipolar Transistors and Integ
rated Circuits ", Proceedings of the IEEE.vol.70,
No.1, pp.19 〜24 において開示されている通りであ
る。これに加えて、コレクタアップ構造は、エミッタを
半導体基板側に設けることができるため、集積化や実装
上問題になる表面配線等の影響が少ないという利点も有
する。
【0008】この様に、コレクタアップ構造は、超高速
化、高集積化に優れており、また、fmax が高いことか
らパワー用トランジスタとしても可能性を秘めている
が、前述した様にエミッタ面積がコレクタ面積よりも大
きくなってしまうため、エミッタアップ構造に較べて電
流増幅率が低くなってしまう。また、外部ベース下部に
蓄積するキャリアによりベース・エミッタ接合容量CBE
が増大し、電流利得遮断周波数fT が低くなる問題も生
ずる。これらの問題点を解決するためには、エミッタか
ら外部ベース領域へのキャリア注入を抑制することが第
1である。
【0009】例えば、III −V族化合物半導体によって
形成されたHBTでは、外部ベース領域のP−N接合を
ベース層下のワイドバンドギャップ半導体(エミッタ)
層中に形成することにより、真性トランジスタ部分のヘ
テロP−N接合の障壁電位とワイドバンドギャップエミ
ッタ中ホモP−N接合の障壁電位の差を利用して、外部
ベース領域へのキャリア注入を抑制することができる。
特に、最も研究が盛んであったn−p−n型AlGaA
s/GaAsHBTでは、Be,Mg,C等のアクセプ
タ不純物を外部ベース上からイオン注入することにより
ワイドバンドギャップAlGaAsエミッタ中にP−N
接合を形成する方法が主流であった。この点について
は、例えば、K. Morizuka, T. Nozu, K. Tsuda 及び
M. Azuma らによる論文、" Collector-top GaAs/AlGaAs
HeterojunctionBipolar Transistors for High-Speed
Digital ICs ", Electronics Letters, vol.22, pp.315
〜316, 1986 において開示されている通りである。
【0010】しかしながら、AlGaAs中にイオン注
入法で形成されたP−N接合は、エピタキシャル成長法
により形成された接合に較べP−N接合ダイオードの性
能指数であるn値が高く、再結合電流成分が多い。この
点については、例えば、S. Yamahata, S. Adachi 及び
T. Ishibashi らによる論文、" Electrical propertie
s of Be + ion-Implanted Alx Ga1-x As p-n junctions
", J. Appl. Phys.,vol.62, pp.3042 〜3046, 1987
において開示されている通りである。コレクタアップ構
造では、外部ベース下部のP−N接合はトランジスタ動
作時には順方向にバイアスされており、高電流を流すと
この再結合電流に起因するリーク電流が増大し、トラン
ジスタ特性が著しく低下する。エミッタ・ベース接合が
順方向バイアス状態下にあっても、トランジスタが正常
動作するためには、電気的に絶縁された高抵抗領域を外
部エミッタ・ベース接合中に設けることが最も有効な方
策である。特に、ワイドバンドギャップの高抵抗半導体
層は、電子、正孔いずれに対しても高いヘテロ障壁が生
じており、キャリア注入は少ない。
【0011】この様な高抵抗領域は、プロトンや酸素等
の不活性ガスをイオン注入して形成する方法が実用上最
も簡便で、信頼性に優れているが、中でもAlGaAs
中では酸素イオン注入で形成した高抵抗層が熱的安定性
に優れており、素子間分離に用いられる様になりつつあ
る。この点については、例えば、S.J. Pearton, M.P.Ia
nnuzzi, C.L. Reynolds, Jr., 及び L. Peticolas ら
による論文、" Formation of thermally stable high-r
esistivity AlGaAs by oxygen implantation ", Appl.
Phys. Lett., 52, pp.395 〜397 において開示されてい
る通りである。
【0012】ところで、前述した様に、最高発振周波数
max の向上には、ベース・コレクタ接合容量CBCはも
とよりベース抵抗RB の低減も重要であるが、この様な
酸素イオン注入を外部ベース層を通して行うと、放射損
傷による欠陥によりベース抵抗RB が著しく増大し、正
常なトランジスタ動作を示さなくなる。このため、酸素
イオン注入後に更にp型不純物を導入し表面濃度を高め
ることが不可欠となるが、III −V族化合物半導体表面
の高濃度化にはZn拡散が最も有効であることが知られ
ている。実際、酸素イオン注入後にZn拡散を行えば、
かなりの程度までベース抵抗が改善され、正常なトラン
ジスタ動作を示すようになる。
【0013】しかし、外部ベース部にZn拡散を用いて
表面濃度を高めても、やはり酸素イオン注入を行ってそ
の下のAlGaAs層を高抵抗化している影響のために
そのベース抵抗RB の値には限界がある。また、Zn拡
散は拡散係数が他のp形ドーパントと較べて大きく、過
剰のZnは真性トランジスタ領域へも拡散し、トランジ
スタ特性を劣化させる。従って、Zn拡散は必要最低限
であることが望ましい。信頼性に富みかつより高速の動
作を達成するためには、Zn拡散をなるべく用いないで
更にベース抵抗RB を低減させる必要がある。
【0014】以上の問題点を更に図面を用いて具体的に
説明する。
【0015】図7は、酸素イオン注入により高抵抗化し
たAlGaAs外部エミッタ層9を形成後、Zn拡散を
行った高濃度p−GaAs外部ベース層を形成した従来
の典型的なコレクタアップ構造のn−p−n型AlGa
As/GaAsHBTの断面構造図を示したものであ
る。半絶縁性GaAs基板1上に、Siドープn−Ga
As(Siドーピング濃度;5×1018cm-3)バッフ
ァ層2を0.7μm、SiドープN−AlGaAs(S
iドーピング濃度;2×1018〜3×1017cm-3、A
l−As組成;0〜0.3)エミッタ層3を0.4μ
m、CドープP−GaAs(Cドーピング濃度;2.5
×1018cm-3)ベース層4を0.08μm、Siドー
プn−GaAs(Siドーピング濃度;5×1016〜2
×1017cm-3)コレクタ層5を0.5μm、Siドー
プn−GaAs(Siドーピング濃度;5×1018cm
-3)キャップ層6を0.1μm、それぞれ分子線エピタ
キシャル成長(MBE)法により順次エピタキシャル成
長させたウエハを用いて、酸素イオンを加速電圧100
keVで注入し、N−AlGaAs外部エミッタ層9を
高抵抗化し、更に外部ベース上にZn拡散を550℃、
3分間開管法で行い、表面濃度を高めた。図中14は、
Zn拡散を行った領域を示している。その後、AuGe
/Ni/Ti/Pt/Auのコレクタ電極11、Ti/
Pt/Auノンアロイベース電極12、AuGe/Ni
/Ti/Pt/Auのエミッタ電極13を設け、プロト
ン注入で素子間分離を行いトランジスタを製作した。メ
サエッチング等半導体加工技術はドライエッチング法を
用いた。
【0016】図8は、図7で示した従来型コレクタアッ
プHBTについて、素子サイズ2μm×10μm、コレ
クタ電流密度2.5×104 A/cm2 における電流利
得遮断周波数fT ,最高発振周波数fmax の酸素イオン
注入ドーズ量依存性を示している。●がfT 、○がf
max を表している。
【0017】酸素イオン注入ドーズ量が増えるとN−A
lGaAs外部エミッタ層9の高抵抗化が促進され、Z
n拡散を行った高濃度p−GaAs外部ベース層14へ
のキャリア注入が抑制され、ベース・エミッタ間の接合
容量CBEが低下することにより電流利得遮断周波数fT
が増加し、酸素イオン注入ドーズ量が1.5×1014
ほぼfT =50GHzに飽和する。一方、最高発振周波
数fmax はこのドーズ量を越えると減少し始める。
【0018】図9は、TLM(Transmission Line Mode
l) 法で求めた酸素イオン注入、Zn拡散を行った高濃
度p−GaAs外部ベース層14のシート抵抗RS 及び
コンタクト抵抗率ρC の酸素イオン注入ドーズ量依存性
を示している。酸素イオン注入ドーズ量の増加に伴いシ
ート抵抗RS 、コンタクト抵抗率ρC 共に増大すること
が一目瞭然であり、従って、図8中で示した最高発振周
波数fmax の減少は明らかに外部ベース抵抗の増大に起
因する。酸素イオン注入を行わないでGaAs中にZn
拡散を同じ条件で行えば、シート抵抗RS は260Ω/
sq程度であり、酸素イオン注入ドーズ量が最も少ない
(5×1013cm-2)場合でさえもシート抵抗RS は3
倍に増加する。結局、酸素イオン注入とZn拡散を用い
てもその高周波特性(最高発振周波数fmax )には限界
があり、コレクタアップHBTの性能を充分引き出すに
至っていない。
【0019】図10は、従来型コレクタアップAlGa
As/GaAsHBTの高周波特性解析から得られた電
流利得遮断周波数fT 、ベース・コレクタ接合容量CBC
の値(素子寸法2μm×10μm)を用いて、(1)式
で計算した最高発振周波数fmax のベース抵抗RB 依存
性を示している。グラフより最高発振周波数fmax の向
上には、ベース抵抗RB の低減が不可欠であることがわ
かる。図8に示した従来例では、最高発振周波数fmax
の最高値は40GHz程度であるので、この計算結果か
らベース抵抗RB は、125Ω見積もることができる。
【0020】従来の酸素イオン注入によりN−AlGa
As外部エミッタ層9を高抵抗化し、Zn拡散で高濃度
p−GaAs外部ベース層を形成する方策では、ベース
抵抗RB の低減に限界があり、高周波特性、特に最高発
振周波数fmax の向上が望めない。コレクタアップ構造
のHBTのポテンシャルを引き出す上でベース抵抗RB
の改善は不可欠である。同様にエミッタアップ構造のH
BTにおいても従来の外部コレクタ層への酸素イオン注
入による高抵抗化工程後、Zn拡散で高濃度p−GaA
s外部ベース層を形成する方策では、コレクタアップ構
造のHBTの場合と同様の問題点が生ずることも明らか
である。
【0021】
【発明が解説しようとする課題】本発明の目的の1つ
は、ベース抵抗RB が低減化されかつベース・エミッタ
接合容量の低減化されたコレクタアップ構造のヘテロ接
合バイポーラトランジスタの製造方法を提供することに
ある。
【0022】本発明の別の目的の1つは、ベース抵抗R
B が低減化されかつベース・コレクタ接合容量の低減化
されたエミッタアップ構造のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、基板(1)上に、n型の導電型を有する第
1の半導体層から成るエミッタ層(3)、前記エミッタ
層(3)上に形成された前記第1の半導体層よりもバン
ドギャップの小さい、p型の導電型を有する第2の半導
体層から成るベース層(4)、及び前記ベース層(4)
上に形成されたn型の導電型を有する第3の半導体層か
ら成るコレクタ層(5)を含む半導体層から構成された
コレクタアップ構造のn−p−n型ヘテロ接合バイポー
ラトランジスタにおいて、
【0024】上記コレクタ層(5)上にキャップ層
(6)を介して第1の絶縁膜(7)を堆積し、パタニン
グによりマスクを形成し、エッチング処理によって、選
択的に上記第1の絶縁膜(7)を除去する工程(図1)
と、
【0025】上記パタニングされた第1の絶縁膜(7)
をマスクとするエッチング処理によって、上記コレクタ
層(5)の一部または全部を除去してメサ型構造を形成
する工程と、
【0026】上記エッチング工程により露出したベース
層(4)またはコレクタ層(5)、メサ型構造を有する
コレクタ層(5)の側壁、及び上記第1の絶縁膜(7)
の全てに渡る平面上に、第2の絶縁膜(8)を堆積し、
反応性イオンエッチング法により上記第2の絶縁膜
(8)を除去することで上記メサ型構造を有するコレク
タ層(5)の側壁上の全体に渡り上記第2の絶縁膜のサ
イドウォール(8)を形成する工程(図2)と、
【0027】上記第1の絶縁膜(7)及び上記第2の絶
縁膜サイドウォール(8)をマスクとするエッチング処
理によって、p型の導電型を有する第2の半導体層から
成るベース層(4)を選択的に除去する工程と、
【0028】上記第1の絶縁膜(7)及び上記第2の絶
縁膜サイドウォール(8)をマスクとする酸素イオン注
入によって、上記n型の導電型を有する第1の半導体層
から成るエミッタ層(3)中に選択的に高抵抗領域
(9)を形成する工程(図3)と、
【0029】上記第1の絶縁膜(7)及び上記第2の絶
縁膜サイドウォール(8)をマスクとするエピタキシャ
ル再成長法によって、p型の導電型を有する第4の半導
体層(10)を、上記酸素イオン注入によって高抵抗化
した外部エミッタ層(9)と上記第2の半導体層から成
るベース層(4)にのみ連続的に接触する様に選択的に
堆積する工程(図4)とを含むことを特徴とするコレク
タアップ形ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
法を発明の要旨とするものである。
【0030】或いはまた、本発明は上記構成において、
前記基板(1)は半絶縁性GaAs基板であり、前記第
1の半導体層からなるエミッタ層(3)がAlGaAs
層、前記第2の半導体層からなるp形ベース層(4)が
GaAs層、前記第3の半導体層からなるコレクタ層
(5)がGaAs層、前記第1の絶縁膜(7)及び前記
第2の絶縁膜サイドウォール(8)が共にシリコン窒化
膜、前記第4の半導体層からなる再成長半導体層(1
0)がGaAs層であるコレクタアップ形ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタの製造方法としての構成を有する
ものである。
【0031】上記ベース抵抗RB に伴う問題点を解決す
るためには、N−AlGaAsエミッタ層(3)を高抵
抗化するために行う酸素イオン注入の外部ベース層(1
0)に与える影響を完全に取り除くことが必要である。
【0032】そのためには、酸素イオン注入を外部ベー
ス層(4)の上から行うのではなく、予め外部ベース層
(4)をエッチング処理により取り除き、N−AlGa
Asエミッタ層(3)を露出させた後に行う。更にその
酸素イオン注入により高抵抗化したAlGaAsエミッ
タ層(9)上に選択再成長技術により新たに高濃度のp
形不純物をドーピングしたGaAs層(10)を埋め込
む。
【0033】本発明のヘテロ接合バイポーラトランジス
タ(HBT)の製造方法は、上記のコレクタアップ構造
に限定されるものではなく、同様の製造方法をエミッタ
アップ構造のヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HB
T)の製造方法においても適用することができる。その
場合の本発明の構成は下記に示す通りである。即ち、図
6を参照して、本発明は基板(1)上に、n型の導電型
を有する第1の半導体層から成るコレクタ層(5)、前
記コレクタ層(5)上に形成されたp型の導電型を有す
る第2の半導体層から成るベース層(4)、及び前記ベ
ース層(4)上に形成された前記第2の半導体層よりも
バンドギャップの広い、n型の導電型を有する第3の半
導体層から成るエミッタ層(3)を含む半導体層から構
成されたエミッタアップ構造のn−p−n型ヘテロ接合
バイポーラトランジスタにおいて、
【0034】上記エミッタ層(3)上にキャップ層
(2′)を介して第1の絶縁膜(7)を堆積し、形成さ
れたパタニングをマスクとするエッチング処理によっ
て、選択的に上記第1の絶縁膜(7)を除去する工程
と、
【0035】上記パタニングされた第1の絶縁膜(7)
をマスクとするエッチング処理によって、上記エミッタ
層(3)の一部または全部を除去してメサ型構造を形成
する工程と、
【0036】上記エッチング工程により露出したベース
層(4)またはエミッタ層(3)、メサ型構造を有する
エミッタ層(3)の側壁、及び上記第1の絶縁膜(7)
の全てに渡る平面上に、第2の絶縁膜(8)を堆積し、
反応性イオンエッチング法により上記第2の絶縁膜
(8)を除去することで上記メサ型構造を有するエミッ
タ層(3)の側壁上の全体に渡り上記第2の絶縁膜のサ
イドウォール(8)を形成する工程と、
【0037】上記第1の絶縁膜(7)及び上記第2の絶
縁膜サイドウォール(8)をマスクとするエッチング処
理によって、p型の導電型を有する第2の半導体層から
成るベース層(4)を選択的に除去する工程と、
【0038】上記第1の絶縁膜(7)及び上記第2の絶
縁膜サイドウォール(8)をマスクとする酸素イオン注
入によって、上記n型の導電型を有する第1の半導体層
からなるコレクタ層(5)中に選択的に高抵抗領域
(9′)を形成する工程と、
【0039】上記第1の絶縁膜(7)及び上記第2の絶
縁膜サイドウォール(8)をマスクとするエピタキシャ
ル再成長法によって、p型の導電型を有する第4の半導
体層(10)を、上記酸素イオン注入によって高抵抗化
した外部コレクタ層(9′)と上記第2の半導体層から
なるベース層(4)にのみ連続的に接触する様に選択的
に堆積する工程とを含むことを特徴とするエミッタアッ
プ形ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法とし
ての構成を有するものであり、或いはまた、
【0040】前記基板(1)は半絶縁性GaAs基板で
あり、前記第1の半導体層からなるコレクタ層(5)が
GaAs層、前記第2の半導体層からなるp形ベース層
(4)がGaAs層、前記第3の半導体層からなるエミ
ッタ層(3)がGaAlAs層、前記第1の絶縁膜
(7)及び前記第2の絶縁膜サイドウォール(8)が共
にシリコン窒化膜、前記第4の半導体層からなる再成長
半導体層(10)がGaAs層であるエミッタアップ形
ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法としての
構成を有するものである。
【0041】
【作用】本発明で形成される高濃度p−GaAs外部ベ
ース層(10)は、コレクタアップ構造の場合その下地
層としてのAlGaAsエミッタ層(3)を高抵抗化さ
せるために行う酸素イオン注入の影響を全く受けること
がなく、ベース抵抗RB が飛躍的に減少する。加えて、
AlGaAsエミッタ層(3)の高抵抗化に関しては、
酸素イオン注入のドーズ量を更に増やすことにより信頼
性に優れた高抵抗層(9)を形成することが可能にな
る。エミッタアップ構造の場合にはGaAsコレクタ層
(5)の高抵抗化のために行う酸素イオン注入の影響を
高濃度p−GaAs外部ベース層(10)は受けること
がなく、ベース抵抗が飛躍的に減少する。同様にGaA
sコレクタ層(5)の高抵抗化に関しては、酸素イオン
注入のドーズ量を更に増やすことにより、信頼性に優れ
た高抵抗層(9′)を形成できる。
【0042】これにより、高周波特性、信頼性に優れた
コレクタアップ構造或いはエミッタアップ構造のAlG
aAs/GaAsHBTを提供できるようになる。
【0043】
【実施例】以下、図面に基づき実施例について説明す
る。なお、実施例はあくまでも一つの例示であって、本
発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更或いは改良を
行いうることは言うまでもない。
【0044】
【実施例1】図1乃至図5は、本発明によるn−p−n
型コレクタアップ構造HBTの製造工程を図示したもの
であり、全て素子断面構造図を示している。本実施例で
は、トランジスタの結晶材料として、半絶縁性のGaA
s基板(1)上にエピタキシャル成長したAlGaAs
/GaAs半導体結晶(2,3,4,5,6)を例にと
って説明する。
【0045】図1は、半絶縁性GaAs基板1上にSi
ドープn−GaAs(Siドーピング濃度;5×1018
cm-3)バッファ層2を0.7μm、SiドープN−A
lGaAs(Siドーピング濃度;2×1018〜3×1
17cm-3、Al−As組成;0〜0.3)エミッタ層
3を0.4μm、CドープP−GaAs(Cドーピング
濃度;4×1019cm-3)ベース層4を0.05μm、
Siドープn−GaAs(Siドーピング濃度;5×1
16〜2×1017cm-3)コレクタ層5を0.5μm、
Siドープn−GaAs(Siドーピング濃度;5×1
18cm-3)キャップ層6を0.1μm、それぞれ有機
金属熱分解(MOCVD)法により順次エピタキシャル
成長させたウエハ全面にシリコン窒化膜(Si3 4
7をプラズマCVD法により堆積させた工程を示したも
のである。
【0046】本実施例ではCドープP−GaAsベース
層4のドーピング濃度を高めるためにMOCVD法を用
いてエピタキシャル成長を行ったが、MOMBE法を用
いることも可能である。MOMBE法は原料にガスソー
スを用い、MBE法とMOCVD法の中間領域の真空度
(10-5Torr前後)で行うもので、ガスソースMB
E法、真空MOCVD法、化学ビームエピタキシャル
(CBE)法とも呼ばれている。
【0047】図2は、フォトリソグラフィによりパタニ
ングを行い、このパタニングしたフォトレジストをマス
クに上記シリコン窒化膜(Si3 4 膜)7をC2 6
ガスRIE及びSF6 ガスRIE法によりエッチング
し、更に同じマスクで図中6のSiドープn−GaAs
キャップ層、及び5のコレクタ層をCl2 ガスECRプ
ラズマRIE法でエッチングを行い、CドープP−Ga
Asベース層4を露出させた後、プラズマCVD法とC
2 6 ガスRIE及びSF6 ガスRIE法を用いてシリ
コン窒化膜(Si3 4 膜)サイドウォール8をコレク
タメサの両側に形成する工程を示したものである。上記
シリコン窒化膜サイドウォール8の幅は0.1μm程度
とした。
【0048】図3は、上記シリコン窒化膜7及びシリコ
ン窒化膜サイドウォール8をマスクとして、選択エッチ
ング液により、露出しているCドープP−GaAsベー
ス層4のみを除去した後、同じマスクで酸素イオン注入
を行い、SiドープN−AlGaAs外部エミッタ層3
を高抵抗化する工程を示したものである。ここで用いた
AlGaAs/GaAs選択エッチング液は、NaOH
/H2 2 系のエッチング液である。また、酸素イオン
注入の加速電圧はSiドープN−AlGaAsエミッタ
層3の厚さにより決められるが(AlGaAs外部エミ
ッタ層9の全域に渡って高抵抗化するため)、本実施例
では、100keVとした。この時の射影飛程Rp は、
0.15μm程度である。酸素イオンの注入ドーズ量は
2×1014cm-2で、この注入条件によりAlGaAs
外部エミッタ層9は図3中9で示される様に全域に渡っ
て高抵抗化される。
【0049】図4は、酸素イオン注入により高抵抗化し
たAlGaAs外部エミッタ層9の表面を洗浄した後、
MOMBE法により、トリメチルガリウム(TMG)、
As4 を成長原料として成長温度450〜500℃でC
ドープ高濃度(正孔濃度1×1020程度)p−GaAs
外部ベース層10を酸素イオン注入により高抵抗化した
AlGaAs外部エミッタ層9上に再成長させた工程を
示したものである。キャリア濃度の制御は、TMG供給
量を一定として、As4 圧を制御することで行った。本
実施例では、再成長の方法としてMOMBE法を用いた
が、MOCVD法を用いることも可能である。一般に、
再成長を行う際、成長膜の堆積速度は、成長面と成長面
に対し垂直をなす側壁とでは異なることが知られてお
り、本来必要のない半導体側壁への再成長を制御するこ
とは難しい。本実施例では、シリコン窒化膜サイドウォ
ール8でコレクタメサ部を覆っているので、半導体側壁
上に再成長膜が堆積することはなく、図4中再成長高濃
度p−GaAs外部ベース層10として示したように選
択的に真性ベース層4と連続して堆積することができ
る。再成長時に不必要な部分への堆積を防ぐ目的でシリ
コン窒化膜サイドウォール8を導入したことが本発明の
特徴の一つである。本実施例では、再成長高濃度p−G
aAs外部ベース層10の厚さは0.1μmとした。
【0050】図5は、再成長高濃度p−GaAs外部ベ
ース層10に対してフォトリソグラフィによりパタニン
グを行い、スペーサリフトオフ法を用いてTi/Pt/
Auベース電極12を形成し、更にこのTi/Pt/A
uベース電極12の丁度外側までフォトリソグラフィに
よりパタニングを行い(コレクタ部(5,6)全体、T
i/Pt/Auベース電極12の内側、Ti/Pt/A
uベース電極12もフォトレジストでカバーされる)、
このパタニングしたフォトレジストをマスクにして、上
記再成長した高濃度p−GaAs外部ベース層10及び
酸素イオン注入により高抵抗化したAlGaAs外部エ
ミッタ層9をCl2 ガスECRプラズマRIE法でエッ
チングし、高濃度Siドープn−GaAsバッファ層2
を露出させ、フォトリソグラフィによりパタニングを行
い、通常のリフトオフ法によりAuGe/Ni/Ti/
Pt/Auエミッタ電極13を形成し、この後、コレク
タ部(5,6)にも同様なスペーサリフトオフ法によ
り、AuGe/Ni/Ti/Pt/Auコレクタ電極1
1を形成する工程を示したものである。本実施例では、
上述の如くベース電極12用金属としてTi/Pt/A
u、エミッタ電極13及びコレクタ電極11用金属とし
てAuGe/Ni/Ti/Pt/Auを用いているが、
これらに限るものではなく、例えばベース電極12は、
Pt/Ti/Pt/Auでも可能である。
【0051】その後、アロイオーミック処理を360℃
で行い、SiO2 層間絶縁膜をプラズマCVD法により
堆積させる。プロトン注入により素子間分離を行った
後、フォトリソグラフィによりパタニングし、RIE法
で各電極部(11,12,13)への開孔を行う。最後
にパッド配線を施し素子製作工程は終了する。
【0052】本発明では、外部SiドープN−AlGa
Asエミッタ層3の高抵抗化を酸素イオン注入を用いて
行ったが、他のドーパント種のイオン注入により形成さ
れた高抵抗層は、比較的高温の再成長プロセス(500
〜550℃)により容易にその効果が消滅する。酸素イ
オン以外のドーパントのイオン注入により形成された高
抵抗層は、放射損傷によるダメージに起因しており、ア
ニール温度の上昇に伴い高抵抗性が回復する傾向があ
る。一方、AlGaAs層中に酸素イオンを注入した層
ももちろん放射損傷ダメージによる高抵抗性はアニール
温度の上昇とともに回復するが、新たに深い準位に起因
する高抵抗性を示すようになる。この深い準位に起因す
る高抵抗層はAlGaAs中に酸素原子が含まれる場合
に特有なもので、熱的安定性に断然優れており、デバイ
ス性能は基よりデバイスの信頼性の面からも有効であ
る。この点については、例えば S.J. Pearton, M.P. Ia
nnuzzi, C.L. Reynolds, Jr., 及び L. Peticolas らに
よる論文、" Formation of thermally stable high-res
istivity AlGaAs by oxygen implantation ", Appl. Ph
ys. Lett., 52, pp.395 〜397 において開示されている
通りである。
【0053】外部エミッタ層である高抵抗AlGaAs
層(図3の9の領域に相当する層)は再成長法でも形成
可能である。図3の工程においてシリコン窒化膜7及び
シリコン窒化膜サイドウォール8をマスクとして、Cl
2 ガスECRプラズマRIE法で外部領域のCドープP
−GaAsベース層4及びSiドープN−AlGaAs
エミッタ層3を選択的にエッチングし、MOMBE法で
アンドープAlGaAs外部エミッタ層9、高濃度p−
GaAs外部ベース層10の順で再成長することで図4
に示したのと同様な構造を形成することができる。しか
し、成長原料としてトリメチルアルミニウム(TM
A)、トリメチルガリウム(TMG)、As4 を用いて
アンドープAlGaAs外部エミッタ層9を成長させた
場合メチル基のCが多量に結晶内に入り込み高抵抗化が
難しい、また、比較的Cが入り込みずらいとされるトリ
エチルアルミニウム(TEA)を用いても酸素イオン注
入法で達成できる様な高抵抗AlGaAs外部エミッタ
層9の実現は難しい。加えて、再成長法では、アンドー
プAlGaAs外部エミッタ層9、高濃度p−GaAs
外部ベース層10の膜厚制御が難しく、簡便に高抵抗層
が形成できる酸素イオン注入法がスループットの向上、
信頼性の面から有利である。
【0054】
【実施例2】本実施例1の記載では、コレクタアップ構
造HBTについて説明したが、本発明はエミッタアップ
構造HBTにも適用可能である。この場合は酸素イオン
注入はベース・コレクタ接合容量CBCの低減に効果があ
る。図6は本発明のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
の製造方法をエミッタアップ構造HBTに適用した場合
の図5に対応する工程図である。本発明によるエミッタ
アップ構造HBTの製造方法においても、前述の如く図
1乃至図4に示した工程が同様に適用できることは明ら
かである。図6に示した実施例2においても、酸素イオ
ン注入により高抵抗化したGaAs外部コレクタ層9′
を用いることが望ましい。これによってベース・コレク
タ容量が低減されるからである。実施例2においても、
高濃度p−GaAs外部ベース層10は実施例1と同様
にシリコン窒化膜サイドウォール8のマスクを用いて、
酸素イオン注入により高抵抗化したGaAs外部コレク
タ層10上において、CドープP−GaAsベース層と
接触してMOMBE法によりトリメチルガリウム(TM
G)、As4 を成長原料として成長温度450〜500
℃で再成長により形成することができる。従って、ベー
ス抵抗RB が低減化され、かつベース・コレクタ接合容
量CBCの低減化されたエミッタアップ構造のHBTを形
成することができる。
【0055】
【発明の効果】上述した様にコレクタアップ構造AlG
aAs/GaAsHBTの外部ベース領域形成におい
て、本発明によれば、高濃度p−GaAs層を再成長法
で、酸素イオン注入により高抵抗化したAlGaAs層
の上に堆積させることで、酸素イオン注入の影響を受け
ない極めて高濃度の外部ベース層を形成することが可能
になった。また、再成長の際にコレクタメサ部の両側に
シリコン窒化膜のサイドウォールを設けることで、成長
条件によらず選択性が増す。これらの特徴により、ベー
ス抵抗を著しく低減できる様になり、高いコレクタ電流
密度領域での電流増幅率の改善、高周波特性、特に最大
発振周波数fmax の向上、信頼性に優れたコレクタアッ
プ構造AlGaAs/GaAsHBTを提供できる効果
を有する。また、本発明によればエミッタアップ構造の
HBTにおいても同様に電流増幅率の改善、高周波特
性、特にfmax の向上、信頼性の向上を期待することが
できる。
【0056】例えば、本発明により製造したコレクタア
ップAlGaAs/GaAsHBTでは2μm×10μ
mの素子寸法でベース抵抗は10Ω程度に低減され、最
大発振周波数fmax =140GHzと見積もることがで
き、高周波特性は格段に向上することになる。
【0057】また本発明によるHBTの製造方法によれ
ば、コレクタアップ構造の素子特性が格段に改善される
ため、エミッタアップ構造の素子と同時に集積化形成す
ることが期待できる。即ち、本発明の製造方法はコレク
タアップ構造にも、エミッタアップ構造にも適用するこ
とができるため、これら2つの素子を組み合わせる論理
回路構成を有効に実現することができる。例えば、両構
造のトランジスタを集積化することにより、I2 L/M
TL,STL,ECL/CML相当の論理回路の性能を
大幅に改善することが期待できる。また導電型を反対に
して構成することにより、コンプリメンタリー構成の論
理回路等も構成できる。
【0058】更にまた、PINフォトダイオード,AP
D等の受光素子や、LED,レーザーダイオード等の発
光素子と集積化構成することにより、光電子集積回路
(OEIC)の製造方法にも適用することができる。更
にまた、本発明によるHBTの製造方法によってこれら
のHBTを並列化構成することによって超高周波高出力
のパワーバイポーラトランジスタを実現することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例としてのn−p−n型コレ
クタアップ構造HBTの製造工程を図示したものであっ
て、半絶縁性GaAs基板(1)上にn−GaAsバッ
ファ層(2)と、N−AlGaAsエミッタ層(3)
と、p−GaAsベース層(4)と、n−GaAsコレ
クタ層(5)と、n−GaAsキャップ層(6)とを有
機金属熱分解(MOCVD)法により順次エピタキシャ
ル成長させたウエハ全面にシリコン窒化膜(Si3 4
膜)(7)をプラズマCVD法により堆積させた工程図
である。
【図2】フォトリソグラフィによりパタニングを行い、
このパタニングしたフォトレジストをマスクに上記シリ
コン窒化膜(7)をC2 6 ガスRIE及びSF6 ガス
RIE法によりエッチングし、更に同じマスクで図中
(6)のSiドープn−GaAsキャップ層、(5)の
Siドープn−GaAsコレクタ層をCl2 ガスECR
プラズマRIE法でエッチングを行い、CドープP−G
aAsベース層(4)を露出させた後、プラズマCVD
法とC2 6 ガスRIE及びSF6 ガスRIE法を用い
てシリコン窒化膜サイドウォール(8)をコレクタメサ
の両側に形成する工程図である。
【図3】シリコン窒化膜(7)及びシリコン窒化膜サイ
ドウォール(8)をマスクとして、選択エッチング液に
より、露出しているCドープP−GaAsベース層のみ
を除去した後、同じマスクで酸素イオン注入を行い、S
iドープN−AlGaAsエミッタ層(3)を高抵抗化
してAlGaAs外部エミッタ層(9)を形成する工程
図である。
【図4】酸素イオン注入したAlGaAs外部エミッタ
層(9)の表面を洗浄した後、MOMBE法によりCド
ープ高濃度p−GaAs外部ベース層(10)をAlG
aAs外部エミッタ層(9)上に再成長させた工程図で
ある。
【図5】Cドープ高濃度p−GaAs外部ベース層(1
0)にフォトリソグラフィによりパタニングを行い、ス
ペーサリフトオフ法を用いてベース電極(12)を形成
し、更にこのベース電極(12)の丁度外側までフォト
リソグラフィによりパタニングを行い、このパタニング
したフォトレジストをマスクにして、上記再成長したC
ドープ高濃度p−GaAs外部ベース層(10)及び酸
素イオン注入により高抵抗化したAlGaAs外部エミ
ッタ層(9)をCl2 ガスECRプラズマRIE法でエ
ッチングし、高濃度Siドープn−GaAsバッファ層
(2)を露出させ、フォトリソグラフィによりパタニン
グを行い、通常のリフトオフ法によりエミッタ電極(1
3)を形成し、この後、コレクタ部にも同様なスペーサ
リフトオフ法により、コレクタ電極(11)を形成する
工程図である。
【図6】本発明の別の実施例(実施例2)を示し、本発
明のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法をエ
ミッタアップ構造HBTに適用した場合の図5に対応す
る工程図である。
【図7】従来の典型的なn−p−n型コレクタアップ構
造AlGaAs/GaAsHBTの模式的素子断面構造
図を示す図である。
【図8】素子寸法2μm×10μmの従来の典型的なコ
レクタアップHBTにおける電流利得遮断周波数f
T (GHz)の最高発振周波数fmax (GHz)の酸素
イオン注入ドーズ量依存性を示す図である。
【図9】酸素イオン注入後Zn拡散を行った外部ベース
に相当するCドープp型GaAs層のTLM法から求め
たシート抵抗RS (Ω/sq)とコンタクト抵抗率ρC
(Ω・cm2 )の酸素イオン注入ドーズ量依存性を示す
図である。
【図10】図8に示した従来型コレクタアップHBTの
高周波特性解析から得られたfT とベース・コレクタ接
合容量CBCの値を用いて、fmax のベース抵抗R
B (Ω)依存性を計算した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAs基板 2 Siドープn−GaAsバッファ層 2′ Siドープn−GaAsキャップ層 3 SiドープN−AlGaAsエミッタ層 4 CドープP−GaAsベース層 5 Siドープn−GaAsコレクタ層 6 Siドープn−GaAsキャップ層 6′ Siドープn−GaAsバッファ層 7 シリコン窒化膜 8 シリコン窒化膜サイドウォール 9 酸素イオン注入により高抵抗化したAlGaAs外
部エミッタ層 9′ 酸素イオン注入により高抵抗化したGaAs外部
コレクタ層 10 再成長高濃度p−GaAs外部ベース層 11 AuGe/Ni/Ti/Pt/Auコレクタ電極 12 Ti/Pt/Auベース電極 13 AuGe/Ni/Ti/Pt/Auエミッタ電極 14 Zn拡散を行った高濃度p−GaAs外部ベース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、n型の導電型を有する第1の
    半導体層から成るエミッタ層、前記エミッタ層上に形成
    された前記第1の半導体層よりもバンドギャップの小さ
    い、p型の導電型を有する第2の半導体層から成るベー
    ス層、及び前記ベース層上に形成されたn型の導電型を
    有する第3の半導体層から成るコレクタ層を含む半導体
    層から構成されたコレクタアップ構造のn−p−n型ヘ
    テロ接合バイポーラトランジスタにおいて、 上記コレクタ層上に第1の絶縁膜を堆積し、形成された
    パタニングをマスクとするエッチング処理によって、選
    択的に上記第1の絶縁膜を除去する工程と、 上記パタニングされた第1の絶縁膜をマスクとするエッ
    チング処理によって、上記コレクタ層の一部または全部
    を除去してメサ型構造を形成する工程と、 上記エッチング工程により露出したベース層またはコレ
    クタ層、メサ型構造を有するコレクタ層の側壁、及び上
    記第1の絶縁膜の全てに渡る平面上に、第2の絶縁膜を
    堆積し、反応性イオンエッチング法により上記第2の絶
    縁膜を除去することで上記メサ型構造を有するコレクタ
    層の側壁上の全体に渡り上記第2の絶縁膜のサイドウォ
    ールを形成する工程と、 上記第1の絶縁膜及び上記第2の絶縁膜サイドウォール
    をマスクとするエッチング処理によって、p型の導電型
    を有する第2の半導体層から成るベース層を選択的に除
    去する工程と、 上記第1の絶縁膜及び上記第2の絶縁膜サイドウォール
    をマスクとする酸素イオン注入によって、上記n型の導
    電型を有する第1の半導体層から成るエミッタ層中に選
    択的に高抵抗領域を形成する工程と、 上記第1の絶縁膜及び上記第2の絶縁膜サイドウォール
    をマスクとするエピタキシャル再成長法によって、p型
    の導電型を有する第4の半導体層を、上記酸素イオン注
    入によって高抵抗化した外部エミッタ層と上記第2の半
    導体層から成るベース層にのみ連続的に接触する様に選
    択的に堆積する工程とを含むことを特徴とするコレクタ
    アップ形ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基板は半絶縁性GaAs基板であ
    り、前記第1の半導体層からなるエミッタ層がAlGa
    As層、前記第2の半導体層からなるp形ベース層がG
    aAs層、前記第3の半導体層からなるコレクタ層がG
    aAs層、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜サイ
    ドウォールが共にシリコン窒化膜、前記第4の半導体層
    からなる再成長半導体層がGaAs層である請求項1記
    載のコレクタアップ形ヘテロ接合バイポーラトランジス
    タの製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に、n型の導電型を有する第1の
    半導体層から成るコレクタ層、前記コレクタ層上に形成
    されたp型の導電型を有する第2の半導体層から成るベ
    ース層、及び前記ベース層上に形成された前記第2の半
    導体層よりもバンドギャップの広い、n型の導電型を有
    する第3の半導体層から成るエミッタ層を含む半導体層
    から構成されたエミッタアップ構造のn−p−n型ヘテ
    ロ接合バイポーラトランジスタにおいて、 上記エミッタ層上に第1の絶縁膜を堆積し、形成された
    パタニングをマスクとするエッチング処理によって、選
    択的に上記第1の絶縁膜を除去する工程と、 上記パタニングされた第1の絶縁膜をマスクとするエッ
    チング処理によって、上記コレクタ層の一部または全部
    を除去してメサ型構造を形成する工程と、 上記エッチング工程により露出したベース層またはエミ
    ッタ層、メサ型構造を有するエミッタ層の側壁、及び上
    記第1の絶縁膜の全てに渡る平面上に、第2の絶縁膜を
    堆積し、反応性イオンエッチング法により上記第2の絶
    縁膜を除去することで上記メサ型構造を有するエミッタ
    層の側壁上の全体に渡り上記第2の絶縁膜のサイドウォ
    ールを形成する工程と、 上記第1の絶縁膜及び上記第2の絶縁膜サイドウォール
    をマスクとするエッチング処理によって、p型の導電型
    を有する第2の半導体層から成るベース層を選択的に除
    去する工程と、 上記第1の絶縁膜及び上記第2の絶縁膜サイドウォール
    をマスクとする酸素イオン注入によって、上記n型の導
    電型を有する第1の半導体層から成るコレクタ層中に選
    択的に高抵抗領域を形成する工程と、 上記第1の絶縁膜及び上記第2の絶縁膜サイドウォール
    をマスクとするエピタキシャル再成長法によって、p型
    の導電型を有する第4の半導体層を、上記酸素イオン注
    入によって高抵抗化した外部コレクタ層と上記第2の半
    導体層から成るベース層にのみ連続的に接触する様に選
    択的に堆積する工程とを含むことを特徴とするエミッタ
    アップ形ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基板は半絶縁性GaAs基板であ
    り、前記第1の半導体層からなるコレクタ層がGaAs
    層、前記第2の半導体層からなるp形ベース層がGaA
    s層、前記第3の半導体層からなるエミッタ層がGaA
    lAs層、前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜サイ
    ドウォールが共にシリコン窒化膜、前記第4の半導体層
    から成る再成長半導体層がGaAs層である請求項3記
    載のエミッタアップ形ヘテロ接合バイポーラトランジス
    タの製造方法。
JP35520191A 1991-12-20 1991-12-20 ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法 Pending JPH05175225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35520191A JPH05175225A (ja) 1991-12-20 1991-12-20 ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35520191A JPH05175225A (ja) 1991-12-20 1991-12-20 ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05175225A true JPH05175225A (ja) 1993-07-13

Family

ID=18442537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35520191A Pending JPH05175225A (ja) 1991-12-20 1991-12-20 ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05175225A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5729033A (en) * 1995-06-06 1998-03-17 Hughes Electronics Fully self-aligned submicron heterojunction bipolar transistor
JP2005347735A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Lucent Technol Inc トランジスタおよび同製造方法
US7804106B2 (en) 2003-01-06 2010-09-28 Nippon Telegraph And Telephone Corporation P-type nitride semiconductor structure and bipolar transistor

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5729033A (en) * 1995-06-06 1998-03-17 Hughes Electronics Fully self-aligned submicron heterojunction bipolar transistor
US7804106B2 (en) 2003-01-06 2010-09-28 Nippon Telegraph And Telephone Corporation P-type nitride semiconductor structure and bipolar transistor
JP2005347735A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Lucent Technol Inc トランジスタおよび同製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2771423B2 (ja) バイポーラトランジスタ
US4751195A (en) Method of manufacturing a heterojunction bipolar transistor
JP3368452B2 (ja) 化合物半導体装置及びその製造方法
JP2006332257A (ja) ヘテロ接合半導体装置及びその製造方法
Sugiura et al. High-current-gain InGaAs/InP double-heterojunction bipolar transistors grown by metal organic vapor phase epitaxy
US5648666A (en) Double-epitaxy heterojunction bipolar transistors for high speed performance
US5296389A (en) Method of fabricating a heterojunction bipolar transistor
JP3565274B2 (ja) バイポーラトランジスタ
JPH05175225A (ja) ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
US7157749B2 (en) Bipolar transistor with a GaAs substrate and a SiGe base or collector
JPS63200567A (ja) ヘテロ接合バイポ−ラトランジスタおよびその製造方法
JP3228431B2 (ja) コレクタアップ構造ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
US6800879B2 (en) Method of preparing indium phosphide heterojunction bipolar transistors
JP2890729B2 (ja) バイポーラトランジスタおよびその製造方法
JPH11121461A (ja) ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
Glaeser et al. Fabrication and characterization of ZnSe/GaAs heterostructure bipolar transistors grown by molecular beam epitaxy
JP3859149B2 (ja) ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造方法
JP2841380B2 (ja) ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
KR950001149B1 (ko) 이종접합 바이폴라 트랜지스터의 제조방법
JP5290909B2 (ja) ヘテロ接合バイポーラトランジスタの製法
JPH05129322A (ja) 半導体装置の製造方法
Kawai et al. A collector-up AlGaAs/GaAs heterojunction bipolar transistor fabricated using three-stage MOCVD
JPH0883806A (ja) ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
Matsuoka et al. High-frequency InP/InGaAs double heterojunction bipolar transistors on Si substrate
JP2000133654A (ja) バイポーラトランジスタの製造方法