JPH05173119A - 表示素子 - Google Patents

表示素子

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JPH05173119A
JPH05173119A JP35717091A JP35717091A JPH05173119A JP H05173119 A JPH05173119 A JP H05173119A JP 35717091 A JP35717091 A JP 35717091A JP 35717091 A JP35717091 A JP 35717091A JP H05173119 A JPH05173119 A JP H05173119A
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JP
Japan
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liquid crystal
polymer
refractive index
display device
display
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Withdrawn
Application number
JP35717091A
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English (en)
Inventor
Eiji Chino
英治 千野
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電圧印加による透過率変化の急峻な、コント
ラストの良い表示素子を提供する。又これらの優れた特
性を持つ大容量表示体を提供する。 【構成】 高分子分散型液晶表示素子において、熱可塑
樹脂、熱硬化樹脂あるいは高分子液晶をマトリックスと
して用い、液晶とともに配向させる。またこの表示素子
と複合2端子素子あるいは3端子素子基板とを反射モー
ドで組み合わせる。 【効果】 さまざまな高分子を用い、電圧印加による透
過率変化の急峻な、コントラストの良い表示素子を作成
できるようになった。又これらの優れた特性を持つ大容
量表示体を提供することができるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレイある
いはプロジェクターなどに応用される表示素子、さらに
詳しくは、ポリマーディスパース液晶を用いた表示素子
及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶と高分子を互いに分散させた
液晶(ポリマーディスパース液晶、以下「PDLC」と
略す。)の表示素子は図12に示すアメリカ特許443
5047などに示されている。同図において1、8はそ
れぞれ基板、2、7はそれぞれ電極、24は高分子、2
5は液晶である。高分子24は液晶25を中に分散する
網目状の組織としてマトリックス状に形成されている。
電界が無印加時には同図(a)に示すように液晶25の
液晶分子はランダム配向しているために屈折率が常光屈
折率(1.5程度)と異常光屈折率(1.7程度)の平
均である1.6程度であり、高分子部分の屈折率は1.
5程度であるので、屈折率の差は0.1程度であり、入
射した光は散乱状態となって表示素子は白濁して非透明
状態となる。しかし、電界印加時には同図(b)に示す
ように液晶分子が一方向に配向し液晶25の屈折率は
1.5程度となるために高分子部分の屈折率と近似し、
入射した光が液晶25と高分子24を散乱せずに透過し
て表示素子は透明状態となる。
【0003】また、液晶中にポリマーゲルを分散させ
て、電圧無印加時に透明状態となるPDLC(リバース
型PDLC)としては、R.A.M.Hikmetの方
法(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,Vo
l 198,p357(1991)、Liquid C
rystals,Vol9, p405, (199
1))、あるいは、J.W.Doaneらの方法(Pr
oceedings ofIDRC p157(199
1))が提案されている。
【0004】Hikmetの方法では、一方向にラビン
グされた配向膜を持つ基板間に二官能性高分子前駆体と
液晶の混合物を封入した後紫外線硬化により、液晶相と
ポリマーゲル相に分離する。ポリマーゲル相は並行なラ
メラル構造を形成し、電圧無印加状態では、そのラメラ
ル構造に沿って液晶分子が配向する。この状態では、両
者の屈折率の差はほとんどないので入射した光は散乱さ
れず表示素子は透明状態となる。素子に電圧を印加する
と、液晶分子は電界方向に配向しその屈折率は約1.7
となる。そのため一方向に配向しているポリマーゲルの
屈折率約1.5と屈折率の差を生じ表示素子は白濁して
非透明状態となる。
【0005】Doaneらの方法では、一方向にラビン
グされた配向膜を持つ基板間に二官能性高分子前駆体と
ネマチック液晶とコレステリック液晶の混合物を封入し
た後紫外線硬化により、コレステリック液晶相とポリマ
ーゲル相に分離する。電圧無印加状態ではコレステリッ
ク液晶相は透明性のグランジャン組織をとるため、入射
光は散乱されず表示素子は透明状態となる。電圧を印加
すると、コレステリック液晶相はフォーカルコニック組
織に変化し、多数の欠陥ができて光が散乱される。その
ため表示素子は白濁し非透明状態になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来のアメ
リカ特許4435047号の表示素子では液晶粒子径が
不揃いのため表示品質が低い問題点があるばかりか、高
分子マトリックスの屈折率が1.5〜1.6程度であ
り、液晶の屈折率との差を稼げないので散乱度が低い。
散乱度を稼ぐために液晶/高分子層を厚くしなければな
らず、その結果駆動電圧が高くなる。また、液晶部分の
配向が規制されていないために各液晶分子の電気応答に
おけるしきい電圧が不揃いとなり、素子全体としてのし
きい特性が悪くなるなどの課題を有していた。 又、上
記従来のPDLCは電圧が無印加のとき非透明(電圧印
加時に透明となる。)状態であるので、電圧無印加時に
透明状態が要求されるいわゆるフェールセイフな調光窓
などには応用できない。
【0007】また、Hikmetの方法では、ポリマー
ゲルが一方向に配向しているため、その方向と並行な偏
光は散乱状態でも透過してしまう。そのため入射光の最
大50%は散乱されずに透過するため、表示素子として
みた場合最大コントラストは1:2であり実用性はない
に等しい。また、Doaneらの方法では従来から公知
のコレステリック−ネマチック相転移モードと本質的に
大差なく、ポリマーゲルがコレステリック液晶相中に存
在する意味がない(相転移モードに関しては、液晶デバ
イスハンドブック 編者日本学術振興会第142委員
会、発行所 日刊工業新聞社 に詳しい。)また、駆動
電圧も40ボルト前後と高く、ヒステリシスも存在し、
実用性が乏しい。
【0008】本発明はこのような課題を解決するもので
あり、その目的とするところは、電圧無印加時に透明状
態となるPDLC(リバース型PDLC)において、液
晶/高分子層の配向を制御してしきい特性の優れた表示
素子を提供し、あるいはカイラル成分を添加することに
より、液晶部分の配向をも規制し、散乱効率を向上さ
せ、高コントラストでしきい特性の優れた表示素子及び
これを応用した表示体を提供することにある。又、上記
従来の表示素子をTFTなどのアクティブ素子で駆動し
ようとするとその表示素子の比抵抗が低いため、十分な
保持ができず、表示装置としての表示性能に問題があっ
た。本発明は、それらの問題点をも解決する表示素子の
駆動方法を提供することをも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、液晶と高分子
を互いに分散させた表示素子において、基板付近の液晶
/高分子層を1方向に配向させたことを特徴とし、更に
詳しくは液晶と高分子あるいは高分子前駆体が互いに相
溶して、しかも液晶状態をとる温度領域を有し、この液
晶状態で1方向に配向させ、その後高分子前駆体を高分
子化するかあるいは高分子部分を硬化させて、液晶部分
と相分離させたことを特徴とする。前記液晶中にカイラ
ル成分を混合してあれば更に良い結果が得られる。
【0010】高分子層に用いる高分子材料あるいは高分
子前駆体としては、紫外線硬化型、熱硬化型、熱可塑型
あるいは高分子液晶が利用できる。また液晶との共溶媒
を有し、相溶した状態で液晶相をとるものも利用でき
る。
【0011】更に前記表示素子を用いた表示体で、複合
2端子素子あるいは3端子素子を組み合わせたことを特
徴とする。またこの表示体が反射モードであることを特
徴とする。
【0012】又本発明は、液晶と高分子を互いに配向分
散させた表示素子において、高分子材料としては、側鎖
にパラフェニルフェノキシ基を有する高分子、パラフェ
ニルフェノールアクリル酸エステル誘導体、パラフェニ
ルフェノールメタクリル酸エステル誘導体を、高分子前
駆体としてビフェニルメタノールのメタクリル酸エステ
ル誘導体あるいはアクリル酸エステル誘導体を用いる
か、あるいは高分子前駆体としてナフトールのメタクリ
ル酸エステル誘導体あるいはアクリル酸エステル誘導体
を用い、さらに望むらくは液晶中にカイラル成分を混合
したことを特徴とする。また、用いる高分子前駆体の1
成分として、ビフェノールのメタクリル酸エステル誘導
体あるいはアクリル酸エステル誘導体と混合したことを
特徴とする。
【0013】
【作用】以上の構成により、図1(a)に示したように
高分子4は液晶に沿って配向し液晶と同様の屈折率異方
性(視野方向での屈折率1.7程度)を示す。そのため
電解無印加時には液晶と高分子の視野方向での屈折率の
差がなくなり、透明状態となる。電解を印加すると同図
(b)に示すように高分子部分はそのままで液晶5だけ
垂直配向するために、高分子部分の屈折率は水平配向し
た状態での屈折率(1.7程度)のままであるのに液晶
部分での屈折率は垂直配向した状態での屈折率(1.5
程度)となる。そのため高分子部分と液晶部分での屈折
率の差は0.2程度となり、従来の2倍程度の散乱強度
となる。カイラル成分の添加効果については動作原理が
十分解明されてはいないが、おそらくコレステリックピ
ッチを解く過程が入ることと、電界印加時の垂直配向性
が向上するためであろうと考えられる。以下、実施例に
より本発明の詳細を示す。
【0014】
【実施例】
〔実施例1〕図2に本実施例で用いられた表示素子の縦
断面図を示す。同図において、1、8は表面が平坦な基
板であり、2、7はその表面に蒸着法等により形成され
た電極である。電極2と電極7はその間隙(以後この間
隙をセル厚と言う。)が10μmになるように固定され
ており、その間隙に高分子モノマーとして4−ビフェニ
ルメタクリレートと液晶PN001(ロディック社製)
を1:9で混合したものを封入して25℃で紫外線を照
射した。わずかに白濁した素子となっている。図におい
て、高分子4は粒子状の組織として立体的なネットワー
クを形成されたマトリックスとなっており、その組織に
液晶5が担持されている状態である。
【0015】電極2、7の間に電圧を印加しない場合の
光の透過率は70%であるが、10kHz、60Vの交
流電界を印加すると光は散乱し(以下、光散乱時で10
kHz、60Vの交流電界を印加するという。)、表示
素子は非透過となる。コントラスト比は20:1以上で
あった。ここで用いる液晶5は屈折率異方性Δnのでき
るだけ大きいものがよく、さらに液晶の常光屈折率と異
常光屈折率の平均が高分子の屈折率に近いものがよい。
液晶5の含有量は、高分子4及び液晶5の全体に対して
50〜98%が最適である。これより少ないと電界に対
して応答しなくなり、またこれより多いとコントラスト
が取れなくなる。
【0016】〔実施例2〕本実施例では高分子のモノマ
ーとしてパラフェニルフェノールアクリル酸エステルを
用いた例を示す。素子構成及び高分子と液晶の混合比は
実施例1に同じである。液晶はZLI3926(メルク
社製)を使用した。混合したものを封入して25℃にて
紫外線を照射したところ、わずかに白濁した素子を作成
できた。
【0017】2つの電極2、7間に光散乱時で10kH
z60Vなる交流電流を印加した。コントラスト15:
1以上、透過率50%が得られた。本実施例においても
液晶5は屈折率異方性Δnのできるだけ大きいものがよ
く、さらに液晶の常光屈折率と異常光屈折率の平均が高
分子の屈折率に近いものがよい。液晶の含有量は50〜
98%が最適である。これより少ないと電界に対して応
答しなくなり、これより多いとコントラストが取れなく
なる。
【0018】〔実施例3〕本実施例では用いる基板を1
枚とした例を示す。素子の断面図を第3図に示す。電極
7がついた基板8上に、実施例1に示した液晶モノマー
混合物を10μの厚さに塗布した。ここに紫外線を照射
して重合相分離した。この上に電極として導電性フィル
ム20を接着した。導電性フィルム20と電極7の間に
光散乱時で10kHz60Vなる交流電界を印加した。
コントラスト20:1以上、透過率60%が得られた。
ここで用いる液晶は屈折率異方性Δnのできるだけ大き
いものがよく、さらに液晶の常光屈折率と異常光屈折率
の平均が高分子の屈折率に近いものがよい。液晶の含有
量は50〜98%が最適である。これより少ないと電界
に対して応答しなくなり、またこれより多いとコントラ
ストが取れなくなる。本実施例を用いれば、軽量コンパ
クトな表示素子あるいは調光素子を簡便に作成すること
ができる。本発明は他にディスプレイ、調光素子、ライ
トバルブ、調光ミラーなどに応用が可能である。
【0019】〔実施例4〕本実施例では用いる高分子と
して熱硬化型高分子を用いた例を示す。図1(a)は本
実施例の表示素子における断面図を示す。同図において
表面の平坦な基板1及び基板8の表面に電極2及び電極
7が蒸着法により形成されている。これらの基板表面に
配向膜3、6としてポリイミド(日本合成ゴム社製 J
IB)の2%溶液を2000RPMにてスピンコートし
た。これらの基板を150℃にて焼成し、その後この配
向膜表面をさらしで1方向にこすった。配向処理はここ
に示した方法の他、斜方蒸着法、LB膜法など、液晶が
配向する方法であれば何でも用いることができる。こす
る方向は2枚の基板を組み合わせたときにこする方向が
ほぼ平行となるようにした。これら2枚の基板の配向膜
3、6の各表面を向かい合わせてセル厚10μmになる
ように固定した。
【0020】この間隙にエポキシ系樹脂としてYDF−
170(東都化成製)と硬化剤121(油化シェル製)
を用い、これと液晶(液晶混合物LV−R2にカイラル
成分S−1011を1%混合した物、LV−R2はロデ
ィック社製、S−1011はメルク社製である)を1:
9で100℃にて混合したものを封入して徐冷し液晶/
モノマー混合物を配向させ、室温にて1日放置したとこ
ろ、液晶と高分子が相分離し、ほとんど透明な素子を作
製できた。
【0021】2つの電極2、7間に光散乱時で10kH
zの交流電界を印加すると透過光は散乱され透過率は1
%である。電圧無印加時は透過率80%が得られた。印
加電圧と透過率の関係を図4に示す。従来の高分子分散
型液晶表示素子の電気光学特性(図13)に比べ格段に
急峻性が改善されている。カイラル成分が含有されてい
ない液晶を使用した場合では図5に示すように電圧印加
時の透過率が40%程度であるのでカイラル成分を混合
したことにより特性が改善されている。また、電圧を変
化したときの透過光量の変化を示すしきい特性も格段に
改善されている。
【0022】ここで用いる配向膜はポリイミドに限られ
ず、ポリビニルアルコールなど、液晶を配向させる力の
あるものであれば何でも良い。また配向処理は片面の基
板のみでも効果はある。両面の基板表面を配向処理する
場合には互いの配向処理方向についてはカイラル成分の
含量と関係するのでその都度最適化する必要がある。
【0023】ここで用いる液晶は屈折率異方性Δnので
きるだけ大きいものがよい。また液晶の誘電異方性は正
のものを用いることができる。液晶の含有量は50〜9
8%が最適である。液晶含有量がこれより少ないと電界
に対して応答しなくなり、またこれより多いとコントラ
ストが取れなくなる。
【0024】液晶中に混入させるカイラル成分はここに
示した物でなくとも用いることができるが、混合した場
合の液晶のピッチを決める旋回能が重要なのである。す
なわち、カイラル成分S−1011を混合したときの液
晶のピッチは、P=1/34Cのように書き表せる。こ
こでPはピッチで単位はμm、Cは濃度で単位は%であ
る。濃度は0.1%〜5%程度であり、ピッチに直すと
0.29〜0.0059μmである。他のカイラル成分
を用いる場合でも液晶のピッチがこの範囲である必要が
ある。もちろんカイラル成分が多成分系でも何等問題な
い。
【0025】ここで用いる高分子は液晶と混合した状態
で配向し、その状態で硬化重合できる熱硬化型高分子で
あれば同様に用いることができる。たとえば、4,4′
−n−プロピルビフェニル−ω,ω′−ジイソシアネー
トとビフェニルのジオールを混合し重合させることもで
きる。理想的には液晶分子に似た骨格を有する高分子前
駆体であれば同様に用いることができる。
【0026】〔実施例5〕本実施例は、実施例4におい
て高分子として熱可塑型高分子を用いた例を示すもので
ある。セル厚間に熱可塑樹脂ポリαメチルスチレンと液
晶(液晶混合物RDP80616、ロディック社製)を
100℃にて混合したものを封入して徐冷し液晶/樹脂
混合物を配向させ室温としたところ、透明な素子を作製
できた。交流電界(10kHz)と透過率の関係を図6
に示す。6Vの電界で光散乱が生じそれ以上の電圧では
透過率1%が得られるが電圧無印加時では透過率が20
%である。この特性はそれほど良好な特性ではないが、
熱可塑樹脂の構造を最適化すれば更に特性の向上が期待
される。具体的にはビフェニル基を側鎖あるいは主鎖に
導入するなど、液晶分子となじみやすい骨格を導入すれ
ば良い。配向膜、液晶の屈折率異方性Δn、液晶含有
量、配向処理方向とカイラル成分量との関係については
実施例4と同様のことが言える。カイラル成分(メルク
社製S−1011)を添加するとしきい特性の向上、コ
ントラストの向上が確認された。液晶中に混入させるカ
イラル成分は実施例4に示した条件で添加すれば良い。
ここで用いる高分子は使用温度より高温で液晶と相溶
し、更に相溶した液晶状態で配向し、冷却して高分子と
液晶を相分離できる熱可塑性高分子であれば同様に用い
ることができる。
【0027】〔実施例6〕本実施例は実施例4において
高分子として高分子液晶を用いた例を示すものである。
セル厚間にシアノビフェニル基を有する
【0028】
【化1】 で示す側鎖型高分子液晶(等方相転移点は112℃、マ
ネチック相転移点は62℃、C6H4はベンゼン環を示
す。)を用い、これと液晶(液晶混合物LV−R2にカ
イラル成分S−1011を1%混合した物、LV−R2
はロディック社製、S−1011はメルク社製である)
を120℃にて混合したものを封入して徐冷し、液晶/
高分子液晶混合物を配向させ70℃としたとしたとこ
ろ、液晶と高分子液晶が相分離しているにも関わらず透
明な表示素子ができた。交流電界(10kHz)と透過
率の関係を図7に示す。10Vの電界で光散乱が生じそ
れ以上の電圧では透過率1%である。電圧無印加状態で
は透過率80%が得られた。この特性は格段に改良され
ていることがわかる。配向膜、液晶の屈折率異方性Δ
n、液晶の含有量、配向処理方向とカイラル成分量との
関係は実施例4と同様のことがあてはまる。液晶中に混
入させるカイラル成分は実施例4に示した条件で添加す
れば良い。ここで用いる高分子液晶は使用温度より高温
で液晶と相溶し、更に相溶した液晶状態で配向し、冷却
して高分子と液晶を使用温度にて相分離できるものであ
れば側鎖型、主鎖型を問わず同様に用いることができ
る。たとえば、
【0029】
【化2】 (mは正の整数、C6H4はベンゼン環を示す。)
【0030】
【化3】 (mは正の整数、Rはアルキル基、C6H4はベンゼン
環を示す。)
【0031】
【化4】 (mは正の整数、Rはアルキル基、C6H4はベンゼン
環を示す。)
【0032】
【化5】 (等方相転移点は112℃、ネマチック相転移点は50
℃、C6H4はベンゼン環を示す。)
【0033】
【化6】 (mは正の整数、C6H4はベンゼン環を示す。)
【0034】
【化7】 (mは正の整数、Rはアルキル基、C6H4はベンゼン
環を示す。)
【0035】
【化8】 (mは正の整数、Rはアルキル基、C6H4はベンゼン
環を示す。)
【0036】
【化9】 (C6H4はベンゼン環を示す。)
【0037】などの高分子液晶を用いることができる。
もちろんここに示した高分子はほんの1例であり、用い
る液晶などにより構造の最適化を図る必要がある。また
本実施例において、液晶と高分子液晶との相溶性が悪い
場合には液晶と高分子液晶の共溶媒を用いることもでき
る。その場合、共溶媒を混合した時点で液晶相を有し、
配向させた後に溶媒を留去し、液晶と高分子液晶を相分
離させる。 〔実施例7〕本実施例は、実施例4において、高分子と
してビフェニルメタノールのメタクリル酸エステルおよ
びビフェニルのメタクリル酸エステルを用いた例を示
す。基板の配向処理及びパネル組立までは実施例4と同
じである。セル厚間に紫外線硬化型高分子モノマーとし
てビフェノールメタクリレートとビフェニルメタノール
のメタクリル酸エステルの1:1混合物と、液晶(液晶
混合物LV−R2にカイラル成分S−1011を1%混
合した物、LV−R2はロディック社製、S−1011
はメルク社製である)を1:9で100℃にて混合した
ものを封入して徐冷し、液晶/モノマー混合物を配合さ
せ、紫外線にて重合したところ、液晶と高分子が相分離
し、ほとんど透明な素子を作製できた。交流電界(kH
z)と透過率の関係を図8に示す。急峻性が格段に改善
されていることがわかる。次に時分割駆動波形を印加し
た。この時のコントラストは1/4デューティで33:
1、1/8デューティで27:1、1/16デューティ
で4:1であった。従来は時分割駆動は1/3デューテ
ィが限界であったので格段に改善されている。
【0038】液晶の含有量は高分子モノマーに対して5
0〜98%が最適である。液晶含有量がこれより少ない
と電界に対して応答しなくなり、またこれより多いとコ
ントラストが取れなくなる。
【0039】液晶中に混入させるカイラル成分はここに
示した物でなくとも用いることができるが、混合した場
合の液晶のピッチを決める旋回能が重要なのである。す
なわち、S−1011を混合したときの液晶のピッチ
は、P=1/34Cのように書き表せる。ここでPはピ
ッチで単位はμm、Cは濃度で単位は%である。濃度は
0.1%〜5%程度であり、ピッチに直すと0.29〜
0.0059μmである。他のカイラル成分を用いる場
合でも液晶のピッチがこの範囲内である必要がある。も
ちろんカイラル成分が多成分系でも何等問題ない。
【0040】ビフェニルメタノールエステルの含有量が
増えるほどしきい特性における急峻性は良好となるが、
余り加えすぎると電界に対して光学応答しなくなる。そ
こで高分子中におけるビフェニルメタノールエステルの
許容含有量は用いる液晶の種類により大きく変化するが
液晶としてLV−R2あるいはRDP80616を用い
る際には高分子中における含有比率は80%である必要
がある。
【0041】ここで用いる高分子は液晶と混同した状態
で配向し、その状態で光重合できる高分子前駆体であれ
ば同様に用いることができる。ただし混合する際の1つ
の高分子前駆体はビフェニルメタノールのビニルエステ
ル誘導体である必要がある。液晶分子に似た骨格を有す
る高分子前駆体であればここに示した例と同様にコント
ラスト、透過率ともに優れた表示素子を作製することが
できる。
【0042】〔実施例8〕本実施例は、実施例4におい
て高分子としてナフトールのメタクリル酸エステルを用
いた例を示す。セル厚の間隙に紫外線硬化型高分子モノ
マーとしてビフェノールアクリレートとナフトールのア
クリル酸エステルの1:1混合物と、液晶(液晶混合物
RDP80616にカイラル成分S−1011を1%混
合したもの、RDP80616はロディック社製、S−
1011はメルク社製である)を1:9で100℃にて
混合したものを封入して徐冷し、液晶/モノマー混合物
を配向させ、紫外線にて重合したところ、液晶と高分子
が相分離し、ほとんど透明な素子を作製できた。
【0043】次に素子の電気光学特性を測定した。ほと
んど実施例7に同じ電気光学特性となった。時分割駆動
特性についてもコントラストは1/4デューティで2
0:1、1/8デューティで15:1、1/16デュー
ティで4:1であった。液晶の含有量、液晶中に混入さ
せるカイラル成分については実施例7と同様のことが言
える。ナフトールエステルの含有量が増えるほどしきい
特性における急峻性は良好となるが、余り加えすぎると
電界に対して光学応答しなくなる。そこで高分子中にお
けるナフトールエステルの許容含有量は用いる液晶の種
類により大きく変化するが、液晶としてLV−R2ある
いはRDP80616を用いる際には高分子中における
含有比率は80%以下である必要がある。ここで用いる
高分子は液晶と混合した状態で配向し、その状態で光重
合できる高分子前駆体であれば同様に用いることができ
る。ただし混合する際の1つの高分子前駆体はナフトー
ルのビニルエステル誘導体である必要がある。液晶分子
に似た骨格を有する高分子前駆体であればここに示した
例と同様にコントラスト、透過率ともに優れた表示素子
を作製することができる。
【0044】〔実施例9〕本実施例では実施例4、実施
例5、実施例6において反射モードとした場合について
の例を示す。図1において基板8上に形成した電極7を
透明導電材料から金属材料にするだけで反射モードとす
ることができる。具体的にはアルミニウムを用いた。反
射モードとすることで実施例4と同じセル厚とした場
合、散乱時の透過率(反射率)を半減することができ
た。即ちコントラストが2倍となった。実施例4と同じ
コントラストを得るには半分のセル厚で良いため駆動電
圧を半分にできる利点がある。具体的には、セル厚5μ
mで駆動電圧5Vとすることができた。
【0045】〔実施例10〕本実施例では先に示した表
示素子と複合2端子素子としてMIM(メタル/インシ
ュレーター/メタル)素子を組み合わせた表示体につい
て示す。MIM素子は金属/絶縁物/金属の層で構成さ
れるアクティブ素子である。図9に本実施例を示す表示
体の1部の断面図を示す。素子部の基本構成については
実施例4に同じである。素子部の作製法について説明す
る。実施例4と異なる点は基板8の替わりにMIM素子
基板を用いた点である。図9に示すように素子基板側の
画素電極9にアルミニュウムを用い、反射板を兼ねさせ
た。まず表面の平坦な基板8の表面に電極11としてタ
ンタルを蒸着し、表面を酸化して絶縁層10とした。こ
の上に画素電極9としてアルミニュウムを蒸着した。さ
らにこの上に配向膜6としてポリイミドを塗布し、焼成
し、配向処理した。この配向処理は配向膜とラビングを
組み合わせる方法の他、斜方蒸着法を用いることもでき
る。こうして作製した素子基板と対向基板を組み合わ
せ、セル厚7μmに固定して周囲をモールドした。
【0046】この間隙にエポキシ系樹脂としてYDF−
170(東都化成製)と硬化剤121(油化シェル製)
を用い、これと液晶(液晶混合物LV−R2にカイラル
成分S−1011を1%混合した物、LV−R2はロデ
ィック社製、S−1011はメルク社製である)を1:
9で100℃にて混合したものを封入して徐冷し、液晶
/モノマー混合物を配向させ、室温にて1日放置したと
ころ、液晶と高分子が相分離し、ほとんど透明な素子を
作製できた。
【0047】次に素子の駆動方法であるが、2つの電極
間に光散乱時で10kHz 7Vなる交流電界を印加し
た。光透過時で0Vを印加した。この時、反射率75%
が得られた。光散乱時では反射率1%が得られた。本実
施例では走査線数400本、信号線数640本なる表示
体の試作を行ったが、全画面で均一な表示を得ることが
できた。このように、反射モードとすることにより、M
IM素子と組み合わせることが可能となり、大容量表示
体への応用が可能となった。
【0048】ここで用いる配向膜はポリイミドに限ら
ず、ポリビニルアルコールなど、液晶を配向させる力の
あるものであれば何でも良い。また配向処理は片面の基
板のみでも効果はある。両面の基板表面を配向処理する
場合には互いの配向処理方向についてはカイラル成分の
含量と関係するのでその都度最適化する必要がある。
【0049】ここで用いる液晶は屈折率異方性Δnので
きるだけ大きいものがよい。また液晶の誘電異方性は正
のものを用いることができる。液晶分子の構造とモノマ
ーの構造が似ている物どおしを用いると透過状態での透
過率あるいは反射率を向上させることができる。液晶の
含有量は高分子モノマーに対して50〜98%が最適で
ある。液晶含有量がこれより少ないと電界に対して応答
しなくなり、またこれより多いとコントラストが取れな
くなる。液晶中に混入させるカイラル成分は実施例4に
示した条件で添加すれば良い。ここで用いる高分子は実
施例1ないし8に示した高分子でも良い。本実施例では
反射膜を素子基板側に設けたが、対向基板側の電極上に
反射層を形成するか、あるいは対向基板側の電極に反射
層を兼ねさせることもできる。
【0050】〔実施例11〕本実施例では先に示した表
示素子と3端子素子としてTFT素子を組み合わせた表
示体について示す。TFT素子ドレイン/ゲート/ソー
スの層で構成されるアクティブ素子である。図10は本
実施例を示す表示体の一部の断面図である。素子部の基
本構成は実施例4に同じである。素子部の作製方につい
て説明する。実施例4と異なる点は基板8の替わりにT
FT素子基板を用いた点である。図10に示したように
素子基板側の画素電極9にアルミニュウムを用い、反射
板を兼ねさせた。まず表面の平坦な基板8の表面にゲー
ト電極17を形成してその上にゲート絶縁層16を設け
てさらに半導体層15、ドレイン電極14、ソース電極
13、反射層を兼ねる画素電極9を形成して素子基板と
した。この素子基板の上に配向膜6を形成して配向処理
を施した。対向基板1については、電極2を形成してそ
の上に配向膜3を形成して配向処理を施した。この配向
処理は配向膜とラビングを組み合わせる方法の他、斜方
蒸着法を用いることもできる。次にこれらの2枚の基板
を配向処理方向がほぼ平行となるように組み合わせ、セ
ル厚7μmとなるように固定して周囲をモールドした。
【0051】この間隙にシアノビフェノール基を有する
側鎖型高分子液晶を用い、これと液晶(液晶混合物LV
−R2にカイラル成分S−1011を1%混合した物、
LV−R2はロディック社製、S−1011はメルク社
製である)を120℃にて混合したものを封入して徐冷
し、液晶/高分子液晶混合物を配向させ70℃としたと
したところ、液晶と高分子液晶が相分離しているにも関
わらず透明な素子を作製できた。
【0052】次に素子の駆動方法は、2つの電極間に光
散乱時で10kHz 7Vなる交流電界を印加した。光
透過時で0Vを印加した。この時、反射率75%が得ら
れた。光散乱時では反射率1%が得られた。本実施例で
は走査線数400本、信号線数640本なる表示体の試
作を行ったが、全画面で均一な表示を得ることができ
た。このように、反射モードとすることにより、TFT
素子と組み合わせることが可能となり、大容量表示体へ
の応用が可能となった。
【0053】ここで用いる高分子材料配向膜、屈折率異
方性Δn、液晶の誘導異方性、液晶分子及び高分子の構
造と透過率あるいは反射率の関係、液晶の含有量カイラ
ル成分については実施例10と同様のことが言える。
【0054】実施例10でMIM素子、本実施例でTF
T素子への応用について反射モードでの実施例を示した
が、もちろん表示素子部の駆動電圧が低減されれば透過
モードでのMIM素子、TFT素子への応用も実現でき
る。あるいは、MIM素子、TFT素子の耐圧が向上す
れば、そのまま透過モードでMIM素子、TFT素子を
組み合わせることができる。又、実施例では2枚の基板
を用いたが、1枚の基板上に液晶/高分子層を形成する
こともできる。また配向膜は両側基板に形成する必要は
なく片側基板処理だけでも効果を発揮する。またセル厚
についてもここに示した値でなくとも良く、用途に合わ
せて決めれば良い。
【0055】〔実施例12〕本実施例は先に示した表示
素子と複合2端子素子としてFEMT素子を組み合わせ
た場合について示す。FEMT素子は金属/強誘電体/
金属の層で構成され、強誘電体層を電極間に設けて駆動
するアクティブデバイスである。図11に本実施例を示
す表示素子の断面図を示す。図において平坦な基板8の
表面に強誘電体層19を形成してさらに電極12と画素
電極9としてアルミニュウムを形成し素子基板とし、こ
の素子基板上に配向膜6を形成して配向処理を施した。
対向基板1については、電極2を形成して配向処理を施
した。対向基板1については、電極2を形成してその上
に配向膜3を形成して配向処理を施した。次にこれらの
2枚の基板を配向方向からほぼ平行となるように組み合
わせセル厚7μmとなるように固定して周囲をモールド
した。
【0056】この間隙に封入する物質及び封入の操作方
法は実施例11と同じであり、同様に透明な素子ができ
た。本実施例においては電極12、強誘電体層19及び
画素電極9で形成された部分が液晶を駆動するアクティ
ブデバイス部分となり、強誘電体層が用いられているこ
とに特徴を有し、一般にFEMT素子と呼ばれている。
強誘電体層19は、TiBaO3 、PbTiO3 、WO
3 などのベロブスカイト型の強誘電体の他にロッシェル
塩系強誘電体、ポリフッ化ビニリデン及びその共重合
体、ポリフッ化ビニリデンとテロラフルオロエチレンな
どとの共重合体、シアン化ビニリデンと酢酸ビニルの共
重合体、ポリフッ化ビニリデンとトリフルオロエチレン
などとの共重合体などの高分子強誘電体等が用いられ
る。又、電極/強誘電体層/電極の三層の接続関係は図
11のように平面基板8上に並列して形成されるものに
限られず強誘電体層19の残留分極を利用したスイッチ
ング機能を発揮させる接続関係であればよい。例えば強
誘電層を導電性電極でサンドイッチ状の層構造としては
さんだものであってもよい。
【0057】従来のアクティブ素子は画素電極間に保持
された液晶に、データ電圧を液晶の電荷量として保持し
ていた。ところが、液晶の電荷は薄膜トランジスターの
リーク電流などのために時間とともに減少していく。こ
れは、時間とともにデータ電圧が失われ、その結果、コ
ントラストが低下することを意味している。これを防止
するために、通常は液晶の比抵抗を1012Ωcm以上の
高抵抗に保ち、リーク電流を極力小さくする努力が払わ
れていた。しかし、通常のPDLCの比抵抗は109 Ω
cm程度であり、アクティブ素子で駆動することは困難
であった。これに対し、本発明のFEMT素子は強誘電
体に印加する電界と、その電界を切った後に強誘電体表
面に残留するメモリー性の表面電荷密度を利用する駆動
素子である。そのため、リーク電流に影響されず、また
PDLCの比抵抗が若干低くても駆動が可能である。
【0058】従来のPDLCに比べ本発明のPDLCは
比抵抗が一桁高い(約1010Ωcm)のでFEMT素子
で駆動することが十分可能である。FEMT素子は、一
般的に強誘電体層がその圧電効果によって基板面から剥
離しやすいが、本実施例においては高分子4のマトリッ
クスによって駆動素子であるFEMT素子を基板8上に
しっかり固着しているので剥離することがない。又、P
DLCは、セルギャップと透過率の関係において、ツイ
ストネマティック液晶(TN液晶)のように透過率がセ
ルギャップに対して極大値、極小値をとることなくセル
ギャップに対して透過率が単純に減少するので製造工程
におけるセル厚の要求精度は高くない。従って、TN液
晶の表示素子の製造時において要求されたセル厚精度約
0.1μmに対しPDLCの表示素子についてはセル厚
精度は約1μmでよい。本実施例は応答速度が速く、明
るい表示素子を提供することができた。
【0059】〔実施例13〕本実施例では、先に示した
表示素子と、複合2端子素子としてラテラル型MIM素
子を組み合わせた表示体について示す。ラテラル型MI
M素子は、基本的には先に実施例10に示した通常のM
IM素子と同じく金属/絶縁物/金属で構成されるアク
ティブ素子である。実施例10と異なる点は、実施例1
0の通常のMIM素子は、基板に対して平行方向に金属
/絶縁物/金属の層を積み重ね素子を形成するのに対
し、本実施例では駆動素子として機能する絶縁層の形成
を特開昭59−131974号に示すように基板にほぼ
垂直方向に金属/絶縁物/金属の層を重ねた。ラテラル
型MIMを採用することによって、素子自身の寄生容量
を大幅に小さくすることができるので、液晶に印加され
る直流電圧成分を大幅に小さくすることができ、表示画
質や信頼性が向上する。
【0060】以下、素子部の作成法について説明する。
基板表面上にタンタル膜を蒸着、スパッタなどにより形
成し、フォトエッチング法によりタンタルを選択的にエ
ッチングしテーパー状にする。次に陽極酸化によりタン
タルを酸化し、画素電極を形成した。さらにこの上に配
向膜としてポリイミドを塗布、焼成し、配向処理した。
この配向処理は配向膜とラビングを組み合わせる方法の
他、斜方蒸着などを用いることもできる。こうして作成
した素子基板と対抗基板を組み合わせ、セル厚10μm
に固定して周囲をモールドした。この隙間に高分子前駆
体として4−ビフェニルメタクリレートと液晶MJ90
657(メルク社製)を5:95で混合したものを封入
し、30度で紫外線を照射した。ほとんど透明の素子が
得られた。電極間に電圧を印加しない場合の光の透過率
は79%であるが、10kHz、60vの交流電界を印
加すると光は散乱し、表示素子は非透過となった。コン
トラスト比は20:1以上であった。
【0061】
【発明の効果】本発明は、高分子分散型液晶表示素子に
おいて高分子材料を改良することにより、しきい特性及
びコントラストを改善することができ、これにより大容
量時分割駆動が可能となった。
【0062】又、本発明は、液晶/高分子を配向させて
相分離させ、さらにカイラル成分を添加することによ
り、電界無印加時に良好な透明状態、電圧印加時に良好
な散乱状態を実現することが可能となった。さらに同時
にしきい特性も良好となり、電圧を上下した際にみられ
る応答におけるヒステリシスも低減された。
【0063】さらに本発明は、高分子分散型液晶素子あ
るいは液晶分散型高分子素子の単純マトリックス型表示
素子への応用の可能性を広げる基本的な技術であり、ま
た同時にTFT素子、MIM素子、FEMT素子等のア
クティブマトリックス型表示素子との組み合わせによる
大容量表示を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の表示素子の断面を示す概念
図。
【図2】本発明の実施例の表示素子の断面を示す概念
図。
【図3】本発明の実施例の表示素子の断面図を示す概念
図。
【図4】本発明の実施例の表示素子の電気光学特性を示
す図。
【図5】本発明の実施例の表示素子の電気光学特性を示
す図。
【図6】本発明の実施例の表示素子の電気光学特性を示
す図。
【図7】本発明の実施例の表示素子の電気光学特性を示
す図。
【図8】本発明の実施例の表示素子の電気光学特性を示
す図。
【図9】本発明の実施例における表示体の断面図。
【図10】本発明の実施例における表示体の断面図。
【図11】本発明の実施例における表示体の断面図。
【図12】従来の表示素子の断面を示す概念図。
【図13】従来の表示素子の電気光学特性を示す図。
【符号の説明】
1、8 基板 2、7、11、12 電極 3、6 配向膜 4、24 高分子 5、25 液晶 9 画素電極 10 絶縁層 13 ソース電極 14 ドレイン電極 15 半導体層 16 ゲート絶縁層 17 ゲート電極 19 強誘電体層 20 導電性フィルム

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶と高分子を互いに分散させた表示素
    子において、高分子化合物は側鎖にパラフェニルフェノ
    キシ基を有する高分子である表示素子。
  2. 【請求項2】 高分子はパラフェニルアクリル酸エステ
    ル誘導体又はパラフェニルメタクリル酸エステル誘導体
    である請求項1記載の表示素子。
  3. 【請求項3】 液晶と高分子を互いに分散させた表示素
    子において、該高分子の前駆体がビフェニルメタノール
    のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル又はこれ
    らの誘導体である表示素子。
  4. 【請求項4】 液晶と高分子を互いに分散させた表示素
    子において、該高分子の前駆体がナフトールのメタクリ
    ル酸エステル、アクリル酸エステル又はこれらの誘導体
    である表示素子。
  5. 【請求項5】 高分子前駆体にビフェニルのメタクリル
    酸エステル誘導体又はアクリル酸エステル誘導体が混合
    されている請求項3又は4記載の表示素子。
  6. 【請求項6】 液晶中にカイラル成分が混合されている
    請求項3、4又は5記載の表示素子。
  7. 【請求項7】 2枚の基板間に液晶と高分子を互いに分
    散させた表示素子において、基板付近の液晶と高分子を
    1方向に配向させた表示素子。
  8. 【請求項8】 液晶中にカイラル成分が混合されている
    請求項7記載の表示素子。
  9. 【請求項9】 高分子の前駆体が紫外線硬化の特性を有
    する請求項7記載の表示素子。
  10. 【請求項10】 高分子の前駆体が熱硬化の特性を有す
    る請求項7記載の表示素子。
  11. 【請求項11】 高分子の前駆体が熱可塑の特性を有す
    る請求項7記載の表示素子。
  12. 【請求項12】 高分子が高分子液晶である請求項7記
    載の表示素子。
  13. 【請求項13】 液晶と、高分子又は高分子前駆体を相
    溶させて液晶状態となし、基板付近においてそれらを一
    方向に配向させた後高分子を硬化させて液晶と相分離さ
    せる工程を含む請求項7記載の表示素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 液晶と高分子が互いに分散され、基板
    付近の液晶と高分子が1方向に配向された表示素子と、
    それを駆動する2端子素子又は3端子素子を有する表示
    体。
  15. 【請求項15】 2端子素子は金属/絶縁物/金属の層
    で構成される請求項14記載の表示体。
  16. 【請求項16】 2端子素子は金属/強誘導体/金属の
    層で構成される請求項14記載の表示体。
  17. 【請求項17】 3端子素子はドレイン/ゲート/ソー
    スの層で構成される請求項14記載の表示体。
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