JPH05172627A - 気体膨脹型エネルギー測定装置 - Google Patents

気体膨脹型エネルギー測定装置

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Publication number
JPH05172627A
JPH05172627A JP35565591A JP35565591A JPH05172627A JP H05172627 A JPH05172627 A JP H05172627A JP 35565591 A JP35565591 A JP 35565591A JP 35565591 A JP35565591 A JP 35565591A JP H05172627 A JPH05172627 A JP H05172627A
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JP
Japan
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flexible film
small chamber
amount
probe
energy
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Withdrawn
Application number
JP35565591A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Kimura
茂行 木村
Sunao Miyazaki
直 宮崎
Tsutomu Masujima
努 升島
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Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定精度の高い気体膨脹型エネルギー測定装
置を提供すること。 【構成】 入射された電磁波のエネルギーを吸収する吸
収膜3を内蔵する小室2と、その小室の他端面に形成さ
れた開口部を覆うようにして装着された可撓性膜8とを
備え、前記吸収膜で吸収される電磁波のエネルギーの量
に応じて可撓性膜の膨出量が変化する。そして、この可
撓性膜の膨出量を検出する装置が、可撓性膜に対向配置
された探針15と、その探針が取付けられ前記可撓性膜
に対して前後進移動させるピエゾ素子17と、探針と可
撓性膜の間に電圧を印加する電圧印加手段と、その電圧
により探針と可撓性膜との間に生じるトンネル電流を計
測するとともに、トンネル電流を一定にすべく所定のバ
イアス電圧をピエゾ素子に印加しそれを伸縮させる制御
手段(能動素子20,21,電子回路22等)から構成
される。このトンネル電流を利用して可撓性膜の膨出量
が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体膨脹型エネルギー
測定装置に関するもので、より具体的には電磁波のエネ
ルギーを小室内の吸収部材で吸収し、それにより小室内
の気体を膨脹させて、その膨脹の度合いを計測すること
により入射された電磁波の強度(エネルギー)を測定す
るためのエネルギー測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】気体の膨脹を利用してエネルギーを測定
する装置として、従来図3に示すようなゴレイ(gol
ay)セルと称される測定装置がある。同図に示すよう
に、中空の容器Aの内部に設けられた小室Bの一端に窓
孔Cが形成され、その窓孔Cが透明板Dで覆われてい
る。また、小室Bの他端側は、開口されており、その開
口部Eを覆うようにして可撓性膜Fが装着されており、
その可撓性膜Fの外側面に金属膜が被着されて反射面と
なっている。そして、上記小室Bは、透明板D並びに可
撓性膜Fにて密閉空間となっており、この密閉された小
室B内に不活性ガスであるHeガスが密封されている。
さらに、この小室B内には小室内に入射されたエネルギ
ーを吸収する吸収膜Gが配置されている。従って、光
(赤外線)が小室B内入射されると、その光のエネルギ
ーが吸収膜Gにて吸収されてその膜の温度が上昇し、そ
の温度上昇により、Heガスが加熱膨脹し、その膨脹に
よる圧力変化に対応して可撓性膜Fが所定量だけ膨出す
る。
【0003】一方、可撓性膜Fの外側には、白色光を発
する光源Hが配置され、その光源Hと可撓性膜Fとの間
に、集光レンズI並びに透過格子Jが配置されている。
さらに、集光レンズIの外側(可撓性膜Fと反対側)の
所定位置には、光電管Kが配置されている。これによ
り、光源Hから出射された光が、集光レンズIにて可撓
性膜F上に集光されるが、集光レンズIの可撓性膜F側
の直近に設けた透過格子Jのため、上記集光された光が
可撓性膜Fにて反射されて戻ってきた反射光が、透過格
子J上に格子像Lとして結象される。
【0004】よって、小室B内に光が入射されないと
き、すなわち、図示のごとく可撓性反射膜Fが平坦で膨
出していない状態のときに、上記格子像Lが透過格子J
の格子上に重なって光が通らないように位置調整してお
けば、入射エネルギーがないときには光電管Kに光が入
射されずに出力が零となる。そして、小室B内に光が入
射されると、そのエネルギーの量に応じて可撓性膜Fが
膨出するため、光源Hから可撓性膜Fまでの距離並びに
その可撓性膜Fから透過格子Jまでの距離が変更し、格
子像Lが透過格子Jの格子に完全に重ならず、その一部
或いは全部が透過して集光レンズIを介して光電管Kに
反射光が入射され、光電管Kに出力が生じる。そして、
その出力の大きさは、可撓性膜Fの膨出量(エネルギー
の大きさ)に対応しているため、予めその対応関係を調
べておくことにより、光電管Kの出力を測定することに
より、小室B内に入射されたエネルギー量を計測するこ
とができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のエネルギー測定装置では、以下に示す問題を有
している。すなわち、構成部品の一つである透過格子J
は、1mmにつき5〜10本の平行縦縞を設けなければ
ならないと共に、上述したごとく、小室B内への入射エ
ネルギー零のときに透過格子Jの格子と格子像Lとが完
全に重なりあうように各部品の位置調整を行わなければ
ならないため、その製造並びに組立が煩雑であるばかり
でなく、熟練した技術を要する。
【0006】また、光源に白色光を用いていたため、そ
の熱伝導が大きく、小室B内に充填された気体(Heガ
ス)の分子の擾乱を生じ、測定誤差の一因となる。さら
に、入射エネルギー零の時には、可撓性膜Fは平坦であ
るために平面鏡として作用するが、入射エネルギーがあ
ると可撓性膜Fが膨出するため凸面鏡として作用するこ
とになる。しかも、そのエネルギーの大きさに応じて膨
出量が異なるため、可撓性膜Fの反射面(鏡)の焦点距
離がそれぞれ異なってしまう。その結果、入射エネルギ
ーがあると、可撓性膜Fで反射された反射光が透過格子
J上で結象できなくなり、ぼやけた象となってしまう。
よって、測定精度が低下してしまう。
【0007】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、比較的簡単に製造・
組立を行うことができ、熱的に安定で測定精度の高い気
体膨脹型エネルギー測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る気体膨脹型エネルギー測定装置で
は、測定対象である電磁波のエネルギーを吸収する吸収
部材を内蔵する小室と、その小室の一端面に形成され前
記電磁波を前記小室内に入射させる窓孔と、前記小室の
他端面に形成された開口部を覆うようにして装着された
可撓性膜とを備え、前記吸収部材で吸収される前記電磁
波のエネルギーの量に応じて変動する前記可撓性膜の膨
出量を検出することにより前記エネルギーを測定するよ
うにした気体膨脹型エネルギー測定装置において、前記
可撓性膜の膨出量を検出する手段が、前記可撓性膜に対
し所定距離隔てて対向配置された探針と、その探針と前
記可撓性膜との間に電圧を印加する手段と、前記電圧に
より前記探針と前記可撓性膜との間に生じるトンネル電
流を測定する手段とから構成した。
【0009】また、前記可撓性膜の膨出量を検出する手
段としては、前記可撓性膜に対して対向配置された探針
と、その探針を前記可撓性膜に対して前後進移動させる
駆動手段と、前記探針と前記可撓性膜との間に電圧を印
加する手段と、前記電圧により前記探針と前記可撓性膜
との間に生じるトンネル電流を測定するとともに、その
トンネル電流を一定にすべく前記駆動手段を作動させる
とともに、その探針の移動量を検出する制御手段とから
構成しても良い。
【0010】
【作用】窓孔を介して小室内に電磁波が入射されると、
そのエネルギーが吸収部材に吸収される。すると、その
エネルギーにより加熱され小室内のガス圧が上昇し、可
撓性膜が膨出する。そして、その膨出する量はエネルギ
ーの大きさに対応する。
【0011】一方、可撓性膜と探針との間に電圧を印加
しておく。そして、電磁波の入射にともない可撓性膜が
膨出すると、その可撓性膜と探針の先端との距離が狭く
なるそして、その係る可撓性膜と探針との間には、離反
距離に応じたトンネル電流が流れる。したがって、探針
が移動しない場合にはそのトンネル電流の値を検出する
ことにより、可撓性膜の膨出量が検出され、ひいては入
射された電磁波のエネルギーが測定される。
【0012】また、係るトンネル電流を測定するととも
に、そのトンネル電流を一定にすべく前記駆動手段を作
動させ探針を移動させる。これにより探針の先端と可撓
性膜との間の距離は一定に保たれる。そして、この探針
の移動量を検出することにより可撓性膜の移動量(膨出
量)が検出され、ひいては入射された電磁波のエネルギ
ーが測定される。
【0013】
【実施例】以下本発明に係る気体膨脹型エネルギー測定
装置について添付図面を参照にして詳述する。図1,図
2は、本発明の好適な実施例を示している。まず、本発
明は、上記した従来の透過格子を用いて可撓性膜の変位
量を測定していたのに替えて、新たな機構により係る計
測を行うようにしたことを特徴としている。よって、入
射エネルギーの量に応じて可撓性膜を膨出させる基本構
成は、上記した従来のものと同様である。
【0014】すなわち、適度な肉厚を有する板部材1の
中心を厚さ方向に切除して両端が開口された貫通孔を形
成し、小室2を構成する。そして、その小室2の中央部
に入射される電磁波エネルギーを吸収する吸収膜3を装
着している。また、小室2の一方開口部(窓孔)を覆う
ようにして、透明板4が板部材1に接着一体化され、密
閉される。さらに、小室2の他方開口部を覆うようにし
て、閉塞板5が捩子にて板部材1に装着されている。
【0015】この閉塞板5は、その中心位置に断面略T
字状の連通孔7が形成されており、その連通孔7の一端
が上記小室2に連通している。また、連通孔7の他端に
は、可撓性膜8が装着されている。そして、この可撓性
膜8の外側面には、蒸着などにて金属薄膜8aが形成さ
れている。
【0016】さらに、この小室2並びに連通孔7内にH
eガスが充填されている。また、閉塞板5と板部材1と
の間には、所定の間隙9が形成されており、上記充填さ
れたHeガスが、その間隙9を通って外部に流出可能と
なっている。すなわち、小室2内に電磁波が入射され、
Heガスが膨脹して可撓性膜8が膨出することによりエ
ネルギー測定が行われた後、次の測定に備えるためにH
eガスが定常状態(可撓性膜8が平坦)になるまでの時
間を短縮させるべく、係る間隙を介してHeガスをリー
クできるようになっている。
【0017】さらに本例では、板部材1の他方開口部側
に、上記閉塞板5を内包するようにして両端開口された
円筒状の側壁部材10が取り付けられており、その側壁
部材10の先端開口部10aに蓋部材11が固着されて
いる。そして、これら板部材1,側壁部材10並びに蓋
部材11で画成される空間内12に、Heガスが充填さ
れている。よって、可撓性膜8がHeガス内に位置する
ことになる。
【0018】ここで本発明では、上記可撓性膜8の膨出
量(変位量)を測定するための手段として、まず、可撓
性膜8の外側表面に探針15を直交状態で対向配置して
いる。この探針15は、タングステン或いは白金等の良
導電体から構成され、その先端15aは、機械的または
電気的に研磨されて50〜100nm程度の近似的な球
状となっている。また、この探針15の基端側には、取
付台16を介して駆動手段たるピエゾ素子17に固定さ
れており、このピエゾ素子17の基端側は上記蓋部材1
1の内側面に取付けられている。
【0019】また、このピエゾ素子17は、例えばチタ
ン酸ジルコン酸鉛系(PZT)のセラミックスなどから
構成され、このピエゾ素子17に電圧が印加されること
により軸方向に伸縮するもので、nm単位の高精度で制
御される。具体的には、PZTが30mmの長さとする
と、1V(直流)の印加電圧に対して約1nm伸縮す
る。
【0020】そして、図示省略するが上記可撓性膜8の
金属薄膜8aと、探針15との間に所定の電圧を印加す
る電圧印加手段が配置されている。したがって、上記ピ
エゾ素子17を駆動させて探針15の先端15aと金属
被膜8aとの間隙を所定の距離(例えば1nm程度)に
設定すると、量子力学効果により上記間隙を通過して双
方の金属の電子が行き来しだす。係る状態で上記電圧印
加手段を作動させて両者8a,15a間にトンネル電流
が流れる。そして、仮に上記印加する電圧が数mVとす
ると、トンネル電流は1nA程度となる。
【0021】そして、上記のピエゾ素子17を駆動する
ための能動素子20並びに上記トンネル電流を測定する
ための初段の増幅回路を構成する能動素子21が、蓋部
材11の内側面に取付けられている。さらに本例では、
探針15の先端15aと金属薄膜8aとの間隙の距離を
一定に保つべく、両者間に流れるトンネル電流を検出し
それが一定になるようにフィードバック制御を行いピエ
ゾ素子17を伸縮するようになっている。係る制御を行
う手段としては、本例では、上記能動素子21にて検出
したトンネル電流を所定の係数で増幅し、それを直接逆
位相でピエゾ素子17にバイアスするようになってい
る。
【0022】すなわち、両者8a,15a間の距離が短
くなると、トンネル電流が大きくなるため、増幅回路か
ら出力される大きな逆バイアスをピエゾ素子17に印加
することによりピエゾ素子17が収縮する。これによ
り、探針15の先端15aと金属薄膜8aとの間隙の距
離が長くなる。一方、それとは逆に両者8a,15a間
の距離が長くなると、トンネル電流が小さくなるため、
増幅回路から出力される小さな逆バイアスをピエゾ素子
17に印加することによりピエゾ素子17が伸長し、両
者8a,15aの距離が長くなる。また、両者8a,1
5a間が所望の距離の場合には、そのときに流れるトン
ネル電流に基づいてフィードバックされるピエゾ素子1
7へのバイアス電圧は、そのときのピエゾ素子17の長
さを維持する(伸縮しない)値となっている。これによ
り、探針15の先端15aと金属薄膜8aとの間が常時
一定の距離に維持されるようになっている。すなわち、
本例では探針15の移動量をフィードバック量を検出す
ることにより間接的に検出したが、他の手段を用いて間
接的或いは直接的に検出するようにしても良い。なお、
上記した各素子20,21の駆動電源回路や動作の制御
や上記フィードバック量を検出する回路等の電子回路2
2が蓋部材11の外側面に取付けられている。
【0023】また本例では、上述した側壁部材10の先
端側外周面に形成したネジ部に有底筒状の断熱材25を
螺合しており、この断熱材25内に、上記測定手段が内
蔵されている。そして、係る断熱材25並びに上述した
側壁部材10や板部材1の周囲を断熱吸音材27にて囲
繞し、その断熱吸音材27の底面をベースプレート28
上に載置した除振材29上に固定している。
【0024】これにより、たとえ測定装置外の温度変化
があっても上記断熱材25並びに断熱吸音材27により
確実に断熱されるため、温度変化によるHeガスに対す
る影響を生じさせない。また、従来の測定装置では、外
来の気圧の変動や、機械的振動並びに音波等の外乱によ
ってもHeガスの分子の擾乱を生じるが、本例では、上
記した断熱吸音材27並びに除振材29を設けたことに
より、上記外乱の影響を抑制し安定作動を行えるように
なっている。
【0025】さらにまた、本例では、上記した断熱吸音
材27内に補助用のHeガスを充填したリザーブタンク
30を埋設するとともに、そのリザーブタンク30と空
間12との間を細径からなる放出管31で連結してい
る。そして本例では、リザーブタンク30の容量(約1
ml)を小室2(約6μl)並びに空間12(約100
μl)に比し充分大きくしているため、特別なバルブ等
を設けることなく、上記のごとく放出管31で連通する
だけで、各空間に存在するHeガスの存在量の平衡を保
つべく、徐々に空間12(小室2)側にリザーブタンク
30内のHeガスが供給されるようにしているが、バル
ブ等を設け、所定のタイミングで補充用のHeガスを供
給するようにしても良い。
【0026】これにより、小室2内のHeガスが拡散し
装置外に散逸してしまうことにより、小室2内に存在す
るHeガスの量が減少し、与えられたエネルギーに対す
るHeガスの膨脹量が変化して誤測定をするのが抑制さ
れ、小室2内のHeガスの量を略一定に保たれ、長期間
にわたって安定作動がなされる。
【0027】次ぎに、上記した実施例の作用にいて説明
する。まず、上述した従来例と同様に、電磁波が小室2
内に入射されると、その電磁波のエネルギーが吸収膜3
にて吸収されてその膜の温度が上昇し、その温度上昇に
より、小室2内のHeガスが加熱膨脹し、その膨脹によ
る圧力変化に対応して可撓性膜8が所定量だけ膨出す
る。そして、この膨出量はエネルギーが大きいほど大き
くなる。そこで、この膨出量を検出することによりエネ
ルギーの量を測定するのである。
【0028】そして、係る膨出量を測定する手段におけ
る作用は以下の通りである。すなわち、まず電磁波が入
射されずに可撓性膜8が平坦な状態において、トンネル
電流が所定値になるべくフィードバック制御によりピエ
ゾ素子17を伸縮させて探針15と可撓性膜8に設けた
金属薄膜8aとの間隙の距離を所定の値(1nm)にセ
ット(基準位置)する。
【0029】この状態で、小室2内に電磁波が入射され
ると、可撓性膜8が膨出し、金属薄膜8aと探針15の
先端15aとの間隙の距離が短くなる。すると、上記し
た原理に基づきフィードバック制御によりピエゾ素子1
7が所定量収縮し両者8a,15a間の距離を一定に保
つ。そして、そのときのフィードバック量、すなわち、
バイアス電圧と上記基準位置における基準バイアス電圧
との差が可撓性膜8の膨出量に比例する。
【0030】その結果、電子回路22等により係るフィ
ードバック量(電圧)を検出することにより、可撓性膜
8の膨出量、すなわち、入射された電磁波のエネルギー
強度を測定することができる。
【0031】なお、上記した実施例では、可撓性膜8の
膨出(変動)に応じて探針15を前後進移動させたが、
本発明はこれに限ること無く計測時(可撓性膜8の膨出
時)に探針15を移動させないようにしても良い。係る
場合には、可撓性膜8の膨出量が多くなるほど発生する
トンネル電流も大きくなるため、係るトンネル電流を検
出することにより上記膨出量、すなわち、電磁波のエネ
ルギーを測定することができる。そして、具体的な探針
15の設置位置の一例を示すと、電磁波が入射していな
いときにはトンネル電流が流れないような所定距離だけ
離反させた位置に設置し、電磁波が入射されることによ
りトンネル電流が流れ始め、その電磁波のエネルギーが
大きくなるにつれて流れるトンネル電流が大きくなるよ
うにすることが好ましいが、最初からトンネル電流が流
れるようにしておいても構わない。
【0032】また、係る場合の探針の保持機構として
は、上記した実施例における蓋部材11その他の移動し
ない部位に直接或いは間接的に取付けても良く、或い
は、上記した実施例のようにピエゾ素子17に取付けて
移動可能としても良い(この場合には測定時には移動さ
せない)。すなわち、探針15の先端15aと可撓性膜
8の金属被膜8aとの離反距離は、非常に高精度に位置
決めしなければならないため、上記した実施例における
基準位置にセットするまでは、トンネル電流を利用して
ピエゾ素子を作動させて探針15を所定位置に、簡単に
精度良く位置させることができる。
【0033】なお、上記した各実施例では、吸収手段と
して従来から用いられている吸収膜を用いた例について
説明したが、本発明はこれに限ること無く、他の固体物
質、さらには測定対象の電磁波(波長)を吸収できる気
体など種々のものが用いられる。そして、気体を用いる
場合には、Heガスを封入することなく係る気体を小室
2内に密封収納し、電磁波が入射されると係る気体がそ
のエネルギーを吸収すると共に膨脹して可撓性膜を膨出
させるような構成とすることができる。
【0034】また、上記した各実施例とも探針15と可
撓性膜8の金属薄膜8aとが直接接触するとトンネル電
流が流れなくなるため、測定中に両者15,8aが当接
しあうことがないように両者の位置を保たなければなら
ない。したがって、エネルギーが大きく可撓性膜8が瞬
時に大きく膨出するような測定対象には好まず、係る場
合には、時定数を調整することにより可撓性膜8の膨出
する時間を遅らせる等して、可撓性膜8の金属薄膜8a
が探針15に接触する前に、探針15を後退移動させる
ことが必要となる。
【0035】さらにまた、両者8a,15a間の距離が
0.1nm増減した場合には流れるトンネル電流は1桁
のオーダーで増減することになる。すなわち、表面に存
在する電子の存在確立が、距離にしたがって指数関数的
に変化しているためである。したがって、本発明は、可
撓性膜8が微少変動するような微少エネルギーの測定に
適している。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る気体膨脹型
エネルギー測定装置では、探針と可撓性膜との間に流れ
るトンネル電流を利用して可撓性膜の膨出量を測定する
ようにしたため、非常に高精度(従来のものに比し1〜
2桁以上の分解能)となる。さらに、従来のように格子
像を所定位置に結象させる必要がないため、たとえ可撓
性膜が湾曲状に膨出したとしても、像がぼけたりするこ
とがなく、正確に検出することができる。
【0037】また、従来のように白色光源が必要ないた
め、装置内での発熱が少なく、熱的に安定となる。さら
に、Heガスのリザーブタンクを設けた場合には、長期
間にわたってHeガスを小室内等に適正量維持すること
ができるため、長期間安定動作させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体膨脹型エネルギー測定装置の
好適な第1実施例を示す断面図である。
【図2】その要部を示す拡大構成図である。
【図3】従来の気体膨脹型エネルギー測定装置の原理図
を示す図である。
【符号の説明】
2 小 室 3 吸収膜(吸収手段) 8 可撓性膜 15 探 針 17 ピエゾ素子(駆動手段) 20,21 能動素子(制御手段) 22 電子回路(制御手段) 30 リザーブタンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象である電磁波のエネルギーを吸
    収する吸収部材を内蔵する小室と、その小室の一端面に
    形成され前記電磁波を前記小室内に入射させる窓孔と、
    前記小室の他端面に形成された開口部を覆うようにして
    装着された可撓性膜とを備え、前記吸収部材で吸収され
    る前記電磁波のエネルギーの量に応じて変動する前記可
    撓性膜の膨出量を検出することにより前記エネルギーを
    測定するようにした気体膨脹型エネルギー測定装置にお
    いて、 前記可撓性膜の膨出量を検出する手段が、前記可撓性膜
    に対し所定距離隔てて対向配置された探針と、その探針
    と前記可撓性膜との間に電圧を印加する手段と、前記電
    圧により前記探針と前記可撓性膜との間に生じるトンネ
    ル電流を測定する手段とからなることを特徴とする気体
    膨脹型エネルギー測定装置。
  2. 【請求項2】 測定対象である電磁波のエネルギーを吸
    収する吸収部材を内蔵する小室と、その小室の一端面に
    形成され前記電磁波を前記小室内に入射させる窓孔と、
    前記小室の他端面に形成された開口部を覆うようにして
    装着された可撓性膜とを備え、前記吸収部材で吸収され
    る前記電磁波のエネルギーの量に応じて変動する前記可
    撓性膜の膨出量を検出することにより前記エネルギーを
    測定するようにした気体膨脹型エネルギー測定装置にお
    いて、 前記可撓性膜の膨出量を検出する手段が、前記可撓性膜
    に対して対向配置された探針と、その探針を前記可撓性
    膜に対して前後進移動させる駆動手段と、前記探針と前
    記可撓性膜との間に電圧を印加する手段と、前記電圧に
    より前記探針と前記可撓性膜との間に生じるトンネル電
    流を測定するとともに、そのトンネル電流を一定にすべ
    く前記駆動手段を作動させるとともに、その探針の移動
    量を検出する制御手段とからなることを特徴とする気体
    膨脹型エネルギー測定装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2に記載された気体
    膨脹型エネルギー測定装置において、前記小室内にHe
    ガスを充満させるとともに、その小室内への補充用のH
    eガスのリザーブタンクを装着したことを特徴とする気
    体膨脹型エネルギー測定装置。
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