JPH05171445A - フレキシブルチューブの加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】表面に凹凸のあるフレキシブルチューブであっ
ても、その全体を加熱できるようにする。 【構成】フレキシブルチューブ３を、弾力性及び断熱性
を有する材料からなる囲繞チューブ４で包囲し、その囲
繞チューブ４の一方の端部を、送風機６から送り出され
た空気を加熱するヒータ７の吹き出し口７ａに接続し、
囲繞チューブ４の他方の端部には隙間５を設ける。 【効果】フレキシブルチューブ３と囲繞チューブ４との
間の空間に加熱空気が充満するから、フレキシブルチュ
ーブ３全体が加熱される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、配管系統に含まれる
フレキシブルチューブを加熱する装置に関し、特に、表
面に凹凸のあるフレキシブルチューブの全体を加熱でき
るようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、ジクロルシラン−アンモニア反
応系のように、塩化アンモニウム等のような反応生成物
を生じる真空系（例えば、半導体装置の製造プロセスに
用いられる装置の一つである減圧ＣＶＤ装置の排気系）
にあっては、配管内面への生成物の付着を抑えるため
に、配管を加熱する必要があり、このような要求に対し
て従来は、配管にラバーヒータ等を巻き付けて対処して
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ここで、通常の配管系
統では、配管の軸方向の伸縮や横方向の変位等を吸収す
るために、ステンレス等の金属製の管とともにフレキシ
ブルチューブが用いられているが、フレキシブルチュー
ブはその表面に凹凸があるので、上述したようなラバー
ヒータを隙間なく巻き付けることが困難であり、特にフ
レキシブルチューブをエルボ管として使用する場合には
湾曲部でラバーヒータが縒れ易いから、ラバーヒータを
巻き付けても加熱不十分となる部分ができ、場合によっ
ては全くラバーヒータを巻き付けないこともあった。こ
のため、フレキシブルチューブの内側には上述したよう
な生成物が付着し易く、フレキシブルチューブ交換等の
メンテナンスが頻繁に必要になるという不具合があっ
た。

【０００４】この発明は、このような従来の技術が有す
る未解決の課題に着目してなされたものであって、表面
に凹凸のあるフレキシブルチューブであっても、容易に
その全体を加熱することができるフレキシブルチューブ
の加熱装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、配管系統に含まれるフレキシブルチュー
ブを加熱する装置であって、弾力性及び断熱性を有する
材料からなり且つ前記フレキシブルチューブを包囲する
囲繞チューブと、この囲繞チューブと前記フレキシブル
チューブとの間の空間に加熱流体を送り込む加熱流体供
給手段と、を備えた。

【０００６】

【作用】フレキシブルチューブを包囲する囲繞チューブ
は、弾力性及び断熱性を有するから、フレキシブルチュ
ーブの可撓性を損なうことはなく、且つ、その内側の熱
を外部に逃がし難い。そして、加熱流体供給手段が、フ
レキシブルチューブと囲繞チューブとの間の空間に加熱
流体を送り込むと、凹凸の有無に関係なくフレキシブル
チューブ表面全体に加熱流体が行き渡るから、フレキシ
ブルチューブ全体が加熱される。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、本発明の一実施例を示す図であり、配
管系統の内、ステンレス等の金属製の直管１及び２間
を、Ｌ字型に折り曲げたフレキシブルチューブ３を介し
て連通させた部分を示す。

【０００８】先ず、構成を説明すると、直管１のフラン
ジ１ａとフレキシブルチューブ３の一方のフランジ３ａ
とをボルト・ナット等により結合し、直管２のフランジ
２ａとフレキシブルチューブ３の他方のフランジ３ｂと
をボルト・ナット等により結合している。なお、直管１
及び２には、適宜ラバーヒータを巻き付ける。そして、
フレキシブルチューブ３は、弾力性及び断熱性のある材
料（例えば、フッ素樹脂，ウレタン樹脂等）からなる囲
繞チューブ４に覆われていて、この囲繞チューブ４は、
フランジ３ｂには隙間なく接着されているが、フランジ
３ａとの間には例えば周方向の２〜３箇所を非接着とす
ることにより僅かな隙間５が設けられている。

【０００９】さらに、囲繞チューブ４のフランジ３ｂ側
の端部周面には、その囲繞チューブ４の内外を通じる管
部４ａが一体に形成されていて、この管部４ａの外端部
は、送風機６から送り出された空気を加熱するヒータ７
の吹き出し口７ａに接続されている。なお、ヒータ７の
形式は、特に限定されるものではなく、例えば電熱線を
利用したヒータ等が適用される。さらに、温度調整装置
を別途設ける構成としてもよい。

【００１０】また、ヒータ７での加熱温度は、この配管
系統を通じる気体の種類によって異なるが、例えば、半
導体装置の製造プロセスに用いられる減圧ＣＶＤ装置の
排気系であれば、配管内の温度を１００℃以上に加熱す
る必要があるから、フレキシブルチューブ３内に送り込
まれる空気の温度は余裕をみて１５０℃程度にすること
が望ましい。

【００１１】次に、本実施例の作用効果を説明する。即
ち、送風機６から送り出された空気は、ヒータ７で加熱
され、管部４ａを介して囲繞チューブ４及びフレキシブ
ルチューブ３で囲まれた空間内に送り込まれ、フレキシ
ブルチューブ３に沿ってフランジ３ａ側に向けて移動し
た後に、隙間５から外部に排気される。

【００１２】このため、囲繞チューブ４内に送り込まれ
た加熱空気は、隙間５を適宜絞っておけばフレキシブル
チューブ３及び囲繞チューブ４で囲まれた空間に充満す
るから、フレキシブルチューブ３の表面に凹凸があって
も、フレキシブルチューブ３全体が加熱されることにな
る。なお、囲繞チューブ４は断熱性を有するから、加熱
空気によって効率よくフレキシブルチューブ３を加熱す
ることができる。

【００１３】よって、部分的に加熱不十分となるような
ことがないから、反応生成物の付着を確実に低減するこ
とができ、メンテナンス周期を延ばすことができる。従
って、本実施例の構成は、上述した減圧ＣＶＤ装置の排
気系等のように、塩化アンモニウム等の反応生成物を生
じる真空配管等に好適である。また、囲繞チューブ４
は、弾力性をも有するため、フレキシブルチューブ３の
可撓性を損なうようなことはない。

【００１４】さらに、本実施例では、流体として空気を
利用しているため、囲繞チューブ４内に送り込まれた空
気の排気系を特に考慮する必要がなく、隙間５を設ける
だけでよい。ここで、本実施例では、送風機６及びヒー
タ７によって、流体供給手段が構成される。

【００１５】なお、上記実施例では、加熱された空気を
囲繞チューブ４内に供給するために、送風機６及びヒー
タ７を設けているが、例えばボイラ等の廃熱等を利用し
てもよい。また、上記実施例では、流体として空気を適
用した場合について説明したが、これに限定されるもの
でなく、他の流体、例えば水とエチレングリコールの混
合液体等も適用可能である。ただし、流体として液体を
適用する場合には、囲繞チューブ４からの排液系を考慮
する必要がある。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フレキシブルチューブを弾力性及び断熱性のある囲繞チ
ューブで包囲し、そのフレキシブルチューブ及び囲繞チ
ューブ間に加熱流体を送り込んでフレキシブルチューブ
を加熱する構成としたため、表面に凹凸のあるフレキシ
ブルチューブであってもその全体を加熱することがで
き、フレキシブルチューブ内側への反応生成物の付着を
低減することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示す部分断面図であ
る。

【符号の説明】

３ フレキシブルチューブ ４ 囲繞チューブ ４ａ 管部 ５ 隙間 ６ 送風機 ７ ヒータ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配管系統に含まれるフレキシブルチュー
   ブを加熱する装置であって、弾力性及び断熱性を有する
   材料からなり且つ前記フレキシブルチューブを包囲する
   囲繞チューブと、この囲繞チューブと前記フレキシブル
   チューブとの間の空間に加熱流体を送り込む加熱流体供
   給手段と、を備えたことを特徴とするフレキシブルチュ
   ーブの加熱装置。