JPH05170539A - 鋳込成形用SiC基スラリー - Google Patents

鋳込成形用SiC基スラリー

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JPH05170539A
JPH05170539A JP3354051A JP35405191A JPH05170539A JP H05170539 A JPH05170539 A JP H05170539A JP 3354051 A JP3354051 A JP 3354051A JP 35405191 A JP35405191 A JP 35405191A JP H05170539 A JPH05170539 A JP H05170539A
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JP
Japan
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sic
slurry
powder
molding
cast
Prior art date
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Pending
Application number
JP3354051A
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English (en)
Inventor
Yushi Horiuchi
雄史 堀内
Masatoshi Onishi
正俊 大西
Kunie Yoshida
久仁恵 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Ceramics Co Ltd filed Critical Toshiba Ceramics Co Ltd
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Publication of JPH05170539A publication Critical patent/JPH05170539A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 品質の面で再現性が良く割れや亀裂のない焼
結体を得ることができる鋳込成形用SiC基スラリーを
提供すること。 【構成】 泥漿鋳込成形に用いるSiC基スラリーにお
いて、酸処理によって表面を清浄化しさらに酸素含有雰
囲気中での熱処理によって表面にSiO2 被膜を形成し
たSiC粉末を用いて構成したことを特徴とする鋳込成
形用SiC基スラリー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は泥漿鋳込成形に用いる
SiC基スラリーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】泥漿鋳込(スリップキャスト)成形は、
セラミック粉末を含むスラリーを吸水性の型に流し込む
成形方法である。スラリーは、セラミック粉末に必要に
応じて焼結助剤と成形助剤を加え、水等の溶媒中で懸濁
させることによって構成する。吸水性の型としては通常
石膏が用いられる。金型やCIPを用いる乾式成形の場
合には、成形用顆粒を作製する工程がなく、スラリー状
態から直接成形体が得られる。従って、理論的にはより
均質な成形体を得ることが期待できる。また、複雑な形
状の製品を容易に成形できることも長所の1つである。
【0003】しかし、実際には水等の溶媒に粉末を均一
に分散させることが難しく、粉末の種類や粒径に応じた
分散剤の選択が重要なポイントになる。粉末が均一に分
散していない場合には、製品の乾燥時に亀裂や割れが生
じることもある。また、着肉面と排泥面の乾燥収縮率の
違い、鋳込体の不均一性、型合わせ面の不適合等も亀裂
や割れの原因となっている。
【0004】泥漿鋳込成形において、割れや亀裂をなく
し、寸法制御性が良好であって、かつ所望の特性を有す
る焼結体を再現性良く得るためには、まず何よりもスラ
リーの品質を安定させることが重要である。
【0005】一般に良好なスラリーの条件は、粉末が溶
媒に対して充分に濡れていて、かつ粉末が溶媒中に均質
に分散していることである。また、大きな着肉速度を得
るためには、スラリーが高濃度でありかつ鋳込が可能な
程度の流動性を有し低粘度であることも重要である。
【0006】従来、高濃度で低粘性のスラリーを得るた
めに、分散剤の種類や量を適当に定めたり、スラリーの
PHを調整する試みが成されている。例えば、特開昭6
3−225580,62−167254,62−167
255号公報がその点に関して開示している。また、型
の材質や構造等も含めた鋳込システム全体を改良する試
みも多数行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、良好な
成形体を再現性良く得るには調整すべきファクターが多
く、実際の製造工程においては、pHや分散剤の量を一
定に調整しても必ずしも品質の面で再現性の良いスラリ
ーが得られない。そして、原料粉末のロット差によって
製品の品質に差が出てしまうのが現状である。製造ロッ
トによって鋳込特性が異なる原因は明確にはなっていな
いが、金属不純物の量や粒度または粒形の微妙な差が水
との濡れ性に影響を及ぼしていると考えられる。
【0008】この発明は、原料ロット毎にバラツキがな
く、品質の面で再現性が良く、割れや亀裂のない焼結体
を得ることができる鋳込成形用SiC基スラリーを提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、泥漿鋳込成
形に用いるSiC基スラリーにおいて、酸処理によって
表面を清浄化しさらに酸素含有雰囲気中での熱処理によ
って表面にSiO2 被膜を形成したSiC粉末を用いて
構成したことを特徴とする鋳込成形用SiC基スラリー
を要旨としている。
【0010】
【実施例】本発明の好ましい実施例においては、炭化け
い素質セラミックスの泥漿鋳込成形を行なうに際し、原
料となるSiC粉末を予め酸処理した後、酸素を含む雰
囲気中の400〜800℃で1〜5時間熱処理し、Si
Cの粉末表面にSiO2 被膜を形成して鋳込成形用Si
C基スラリーを提供する。
【0011】酸処理によって、SiC粉末の特に表面に
含まれるFeやMg等の不純物を取り除いてその表面を
清浄化する。酸処理に用いる酸としては、フッ酸、硝
酸、塩酸等の前記不純物元素を取り除けるものを用いる
ことができる。酸処理は処理するSiC粉末の粒径によ
って適当な条件で行う。例えば粒径が1〜20μmのS
iC粉末ならば、約10%濃度の液中に2時間程度浸せ
ば充分である。
【0012】酸処理で表面が清浄化されたSiC粉末
は、次に酸化処理によって表面が酸化され、SiO2
膜が形成される。酸化処理は酸素含有雰囲気中でSiC
粉末を加熱することによって行う。酸化処理は空気中で
行ってもよい。加熱温度は400℃〜800℃が望まし
い。400℃未満では、酸化膜の形成が不充分となりや
すい。また、800℃を超えると、酸化が進みすぎると
共に粒子同志が焼結し粗大化する不都合が生じやすい。
【0013】SiC粉末はα型,β型いずれのタイプの
粉末でもよい。また、SiC粉末の粒径はサブミクロン
のものから数10ミクロン程度の比較的大きなものでも
よいが、最も好ましい粒径範囲は1〜20μmである。
【0014】本発明は種々のSiC基セラミックスに適
用することができる。本発明は例えばSi含浸SiC製
品の成形ばかりでなく、BとCやAl2 3 を焼結助剤
とした自焼結SiC等にも適用でき、いずれの場合にも
すぐれた効果を得ることができる。
【0015】なお、SiC粉末の表面に形成されたSi
2 被膜が焼結時に弊害をきたす恐れがある場合には、
スラリー製造時に予めカーボンを余分に添加しておけば
よい。この場合、焼結時にカーボンによってSiO2
還元除去されるため何ら問題がない。
【0016】実験例1 実験例1ではスラリーの品質面での再現性を試験するた
めに以下の実験を全く同じ条件で5つのロットA〜ロッ
トEにおいて行った。
【0017】まず、平均粒径1μmのα−SiC粉末1
kgを準備し、次の条件で酸処理を施した。すなわち、
20%HF水溶液2リットル中に浸し、2時間放置後、
充分水洗いし、100℃で1夜乾燥した。
【0018】次に、酸処理を施したα−SiC粉末を空
気中において500℃で3時間熱処理した。
【0019】このように酸処理と熱処理を行ったα−S
iC粉末に関し、レーザー分散型のゼータ電位計を用い
て、PH−ゼータ電位曲線を測定し等電点を求めた。そ
の結果を表1に示した。
【0020】
【表1】 このSiC粉末と水を60対40の比でボールミル中に
入れて1時間混合して粘度測定用のスラリーを準備し
た。そして、B型粘度計を用いてこのスラリーの粘度を
測定した。この結果も表1に示した。
【0021】次に、焼成体製造のためのスラリーを調製
した。すなわち、水250cc中に熱処理粉500g、
B粉末5g、カーボンブラック15g及び分散剤(デモ
ール−N)7.5ccを加え、ボールミルで48時間混
合した。このスラリーにアクリル系バインダーを30g
加え、55×55×7の大きさを有する石膏の型にスラ
リーを流し込み鋳込成形を行った。そして、脱型後この
成形体を自然乾燥させ、成形体密度を測定した。この結
果を表2に示した。その後成形体を窒素中、600℃で
脱脂した。さらに2100℃、Ar雰囲気中で3時間常
圧焼結し、焼結体の密度を測定した。この結果も表2に
示した。
【0022】
【表2】 表1,2には等電点、粘度、成形体密度及び焼成体密度
の平均値と標準偏差も示した。
【0023】比較例1 実験例1と比較するために、酸処理と熱処理を行わない
他は、実験例1と同様の条件で比較例1を行った。その
結果も合わせて表1,表2に示した。
【0024】表1と表2において実験例1と比較例1を
くらべると、等電点、粘度、成形体密度及び焼結体密度
の4項目の標準偏差のすべてにおいて実験例1の方が比
較例1よりも値が小さいことがわかる。すなわち、本発
明においては、スラリーを構成するSiC粉末の等電点
が全てのロットで安定しており、全てのロットで粘度が
安定した(再現性が高い)スラリーを得ることができる
ことがわかる。そして、このスラリーを用いることによ
って密度が安定した(再現性が高い)焼結体を得ること
ができることが明らかになった。
【0025】実験例2 400℃で5時間熱処理を行った以外は実験例1と同じ
条件で焼結体を製造した。
【0026】以下の実験例3〜7と比較例4〜5も記載
した事項(処理温度や処理時間)以外は実験例1と同様
である。
【0027】実験例3 600℃で3時間の熱処理を行った。
【0028】実験例4 700℃で2時間の熱処理を行った。
【0029】実験例5 800℃で2時間の熱処理を行った。
【0030】実験6 300℃で5時間の熱処理を行った。
【0031】実験例7 900℃で1時間の熱処理を行った。
【0032】比較例4 酸処理を行わなかった。
【0033】比較例5 酸処理を行わず、900℃で2時間の熱処理を行った。
【0034】実験例2〜7及び比較例4〜5においてス
ラリー粘度と焼結体密度を測定し、それらの平均値と標
準偏差を表3に示した。
【0035】
【表3】 酸処理によってα−SiCに含まれる不純物元素がどの
程度低減されるかを表4に例示した。
【0036】
【表4】 また、400℃,600℃,800℃で熱処理した場合
のSiO2 量の増加と被膜の厚さ(オングストローム)
を表5に示した。
【0037】
【表5】 表3で実験例2〜7と比較例4〜5のスラリー粘度と焼
結体密度の標準偏差をくらべると、いずれも実験例の方
が値が小さめであることがわかる。従って、実験例1と
比較例1に関しても述べたように、本発明の実験例では
比較例にくらべて粘度が安定した(再現性がある)スラ
リーが得られ、かつ密度が安定した(再現性がある)焼
結体が得られることが明らかになった。特に実験例2〜
5の値が優れている。
【0038】
【発明の効果】本発明の鋳込成形用SiC基スラリーは
品質面で安定していて、製造ロットによる粘度の差が少
ない。従って本発明によるスラリーを用いることによっ
て、割れや亀裂のない良好な性質の焼結体を得ることが
できる。特に焼結体の密度を安定させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 泥漿鋳込成形に用いるSiC基スラリー
    において、酸処理によって表面を清浄化しさらに酸素含
    有雰囲気中での熱処理によって表面にSiO2 被膜を形
    成したSiC粉末を用いて構成したことを特徴とする鋳
    込成形用SiC基スラリー。
JP3354051A 1991-12-19 1991-12-19 鋳込成形用SiC基スラリー Pending JPH05170539A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012106888A (ja) * 2010-11-18 2012-06-07 Shinano Denki Seiren Kk 高絶縁性炭化ケイ素粉体及び該粉体を含有する組成物
CN103922756A (zh) * 2014-04-28 2014-07-16 湖南金马铝业有限责任公司 一种碳化硅粉表面处理工艺方法
CN107159443A (zh) * 2017-06-28 2017-09-15 烟台华锐微粉有限公司 一种粉料静悬浮分级方法
WO2019222953A1 (zh) * 2018-05-24 2019-11-28 湖州晶矽粉体材料有限公司 无磁性异物的无机填料粉体的制备方法及其制备的无机填料粉体及其应用

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