JPH05169302A - 被覆セラミックス工具 - Google Patents

被覆セラミックス工具

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JPH05169302A
JPH05169302A JP35598291A JP35598291A JPH05169302A JP H05169302 A JPH05169302 A JP H05169302A JP 35598291 A JP35598291 A JP 35598291A JP 35598291 A JP35598291 A JP 35598291A JP H05169302 A JPH05169302 A JP H05169302A
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JP
Japan
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base material
layer
coating layer
cutting
oxides
Prior art date
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Pending
Application number
JP35598291A
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English (en)
Inventor
Hideki Moriguchi
秀樹 森口
Akinori Kobayashi
晄徳 小林
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造コストが安価なAl23系セラミックス
を基材とし、基材の耐欠損性を低下させることなく耐摩
耗性を更に向上させ、高温特性に優れ、鋼や鋳鉄の高速
切削が可能な被覆セラミックス工具を提供する。 【構成】 焼結助剤成分としてMg、Ca、Si、Z
r、Cr、Ni、Y及び希土類元素の酸化物の少なくと
も1種を含有する95重量%以上のAl23からなる基
材と、このAl23基材の表面上に設けた周期律表の4
A、5A族金属及びAlの酸化物、窒化物、酸窒化物、
炭化物、炭窒化物、ホウ化物、ホウ窒化物及びこれらの
固溶体の少なくとも1種からなる単層又は2層以上の複
層で、全体の層厚が平均0.1〜5μmの被覆層とから
なる被覆セラミックス工具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼や鋳鉄などの高速切
削に適した、高密度で耐摩耗性に優れた被覆セラミック
ス工具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼や鋳鉄などを高速で切削する
と、切削工具の刃先は1000℃以上の高温に達するた
め、バインダーとして金属成分を含むTiC系のサーメ
ットやAl23などで被覆した超硬合金の工具を用いる
と、高温で急激に軟化して耐摩耗性が著しく低下するの
で、切削速度に限界がある。そこで、鋼や鋳鉄などの高
速切削にはAl23系セラミックス焼結体からなる工具
が使用されている。
【0003】一方、立方晶窒化ホウ素(cBN)焼結体
からなる工具の研究開発が近年進展し、従来は焼込れ鋼
の切削にしか適用できなかったcBNが鋳鉄の高速仕上
げ切削にも使用され始めている。cBNは耐摩耗性が非
常に優れているため、切削加工の生産性がAl23系セ
ラミックスに比べて飛躍的に向上するが、製造コストが
高いため工具としての価格も極めて高価であり、まだ一
般に普及していない現状である。
【0004】そのため、安価であって一般に広く採用さ
れ易いAl23系セラミックス工具の耐摩耗性を一層高
め、cBN工具に劣らない性能とすることが望まれてい
る。この要望に対して、特開昭63−55181号公報
には、ZrO2やSiCウイスカー等を含む50〜85
重量%のAl23を基材とし、このAl23基材の上に
層厚1〜50μmのTiC又はTiCNの被覆層を設け
た被覆セラミックス工具が提案されている。しかし、こ
の工具は基材中に鉄との反応性の高いZrO2又はSi
Cウイスカーを多量に含むため、クレーター摩耗が進展
しやすく、欠損を招きやすい欠点があった。
【0005】又、特開昭63−147884号公報に
は、5〜70重量%のSiCウイスカーが均一に分散さ
れたAl23系セラミックス基材の上に、周期律表の4
A、5A族金属及びAlの酸化物、窒化物、酸窒化物、
炭化物、ホウ化物及びこれらの固溶体から選ばれた1種
からなる単層又は2層以上の複層で、全体の層厚が平均
0.3〜20μmの被覆層を設けた被覆セラミックス工
具が提案されている。しかし、この工具も基材中に耐摩
耗性に劣るSiCウイスカーを含むので、耐摩耗性が充
分ではなく、耐欠損性に劣る欠点があった。しかも、ウ
イスカーを含むと焼結性が極めて悪くなるので、その製
造にはホットプレス法を採用せざるを得なくなる。その
ため、チップブレーカーを設けることが難しく、鋼やF
CD(ダクタイル鋳鉄)のような連続的な切り粉の発生
する被削材に対して適用することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
事情に鑑み、立方晶窒化ホウ素に比較して製造コストが
安価なAl23系セラミックスを基材とし、基材の耐欠
損性を低下させることなく耐摩耗性を更に向上させこと
により、高温特性に優れ、鋼や鋳鉄の高速切削が可能な
被覆セラミックス工具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による被覆セラミックス工具は、焼結助剤成
分としてMg、Ca、Si、Zr、Cr、Ni、Y及び
希土類元素の酸化物から選ばれた少なくとも1種を含有
する95重量%以上のAl23からなる基材と、このA
23基材の表面上に設けた周期律表の4A、5A族金
属及びAlの酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、炭窒
化物、ホウ化物、ホウ窒化物及びこれらの固溶体から選
ばれた少なくとも1種からなる単層又は2層以上の複層
で、全体の層厚が平均0.1〜5μmの被覆層とからな
ることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の被覆セラミックス工具において、基材
中のAl23量を95重量%以上とする理由は、Al2
3が95重量%未満ではAl23本来の優れた耐熱
性、耐酸化性、耐摩耗性などが低下するからである。
又、基材中に含まれるMg、Ca、Si、Zr、Cr、
Ni、Y及び希土類元素の酸化物からなる焼結助剤成分
は5重量%以下であり、これらの添加により焼結性が向
上すると同時に、粒成長が抑制され、緻密で高強度のA
23基材を構成することが出来る。
【0009】上記基材上に、周期律表の4A、5A族金
属及びAlの酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、炭窒
化物、ホウ化物、ホウ窒化物及びこれらの固溶体から選
ばれた少なくとも1種からなる単層又は複層の被覆層を
設けることにより、Al23基材の耐欠損性を損なうこ
となく、耐摩耗性を一層向上させることが出来る。かか
る単層又は複層からなる被覆層全体の層厚を平均で0.
1〜5μmとする理由は、0.1μm未満では被覆層と
しての耐摩耗性向上の効果が小さく、又5μmを越える
と耐欠損性が急激に低下するからである。被覆層全体の
層厚の更に好ましい範囲は、0.5〜2μmである。
【0010】特に、被覆層は複層からなることが好まし
く、その場合Al23基材の表面に直接形成される第1
層をAl23とすることにより、被覆層が基材と一体化
して密着強度が極めて高くなるので、更に優れた耐摩耗
性を得ることが出来る。又、被覆層を構成するAl23
の結晶粒径を基材のAl23の結晶粒径よりも小さくす
れば、耐摩耗性に優れるうえ被覆層の強度が高くなるの
で、耐欠損性においても一層優れた効果が得られる。
【0011】更に、被覆層が単層又は複層のいずれの場
合であっても、被覆層のうちの少なくとも1層をAl2
3よりも高硬度なTiC又はTiCNとすることによ
り、鋳鉄中に含まれるセメンタイト(Fe3C)などの
硬質物質によるアブレッシブ摩耗及び一般的なフランク
摩耗を小さくすることが出来るので好ましい。
【0012】尚、本発明の被覆セラミックス工具の基材
であるAl23の焼結体は、通常の常圧焼結法やHIP
法により製造出来るので、金型プレスが可能であり、切
削工具としてのすくい面にチップブレーカーを設けるこ
とができ、鋼やダクタイル鋳鉄などの連続的な切り粉の
発生する被削材に対して非常に好適である。又、基材上
の被覆層は通常のCVD法などの化学的合成法又は蒸着
やスパッタリング法などの物理的合成法により形成する
ことが出来る。
【0013】
【実施例1】市販のAl23粉末に下記表1に示す焼結
助剤をそれぞれ添加混合し、成形した後、真空中におい
て1450℃で常圧焼結することにより、ISO規格S
NGN120408(チャンファーホーニング0.1×
−25°)のチップ形状を有する基材を得た。次に、各
基材の表面上に公知の化学蒸着法により表1に示す複層
(第1層が最下層である)からなる被覆層を形成した。
【0014】
【表1】 試料 焼 結 助 剤 被 覆 層(層厚μm) (重量%) 第1層 第2層 第3層 第4層 1 MgO+Y2O3 Al2O3 TiC TiN − (0.2) (0.1) (0.5) (1.0) (0.3) 2 NiO+Y2O3 TiCN Al2O3 TiC TiN (0.5) (0.3) (0.3) (2.0) (2.0) (0.5) 3 MgO Al2O3 TiBN TiC − (1.5) (0.3) (1.0) (0.5) 4 ZrO2 Al2O3 NbN − − (5.0) (2.5) (0.5) 5 SiO2+MgO TiC Al2O3 − − (0.5) (0.5) (1.0) (0.5) 6 MgO+Cr2O3+NiO Al2O3 HfC TiN − (0.5) (0.3) (0.5) (1.0) (2.5) (0.3) 7 CaO+ZrO2 TiN Al2O3 TiN − (0.5) (3.0) (0.3) (1.0) (0.3) 8 NiO+ZrO2 ZrB2 TiBN TiC TiAlN (0.2) (1.0) (0.5) (0.3) (0.5) (0.5)
【0015】得られた各試料1〜8の被覆切削チップを
用いて、下記条件にて切削試験を行い、フランク摩耗量
が0.2mmに達するまでの時間を測定して寿命時間と
し、下記表2に示した。切削条件1 被削材 : FC25丸棒 切削速度: 400m/min. 送 り : 0.2mm/rev. 切り込み: 0.5mm 切削油 : 乾式 又、被覆層を有せず上記表1に示した試料1〜8の基材
のみからなる各切削チップを、試料1〜8に対応する比
較試料1〜8とし、これらについても上記切削条件1に
て切削試験を行い、同様に寿命時間を測定して表2に併
せて示した。
【0016】
【表2】 本発明の試料1〜8は、被覆層のない比較試料1〜8に
比べて、いずれも寿命時間が2倍以上になっていること
が分かる。
【0017】
【実施例2】実施例1の試料1の基材に、最下層の第1
層Al23/第2層TiC/第3層TiNからなる被覆
層を下記表3に示す層厚でそれぞれ形成した。基材のA
23の平均粒径は1.5μmであった。得られた試料
9〜14の各第1層Al23の平均粒径を測定すると共
に、各試料の切削チップを用いて上記切削条件1で切削
試験を行い、フランク摩耗量が0.2mmに達するまで
の時間を測定し、その値を下記表3に寿命時間として示
した。
【0018】又、上記と同じ構成の試料9〜14を用い
て、下記切削条件2により切削試験を行い、各試料の欠
損率を求めて下記表3に併せて示した。切削条件2 被削材 : SCM435(4溝材) 切削速度: 500m/min. 送 り : 0.5mm/rev. 切り込み: 0.5mm 切削油 : 乾式 切削時間: 3min. 切削コーナー数: 10コーナー
【0019】
【表3】 試料 被 覆 層 の 層 厚(μm) 第1層Al23 寿命時間 欠損率 Al2O3 TiC TiN 合計 平均粒径(μm) (min) (%) 9 0.3 0.5 0.3 1.1 0.3 26 10 10 0.6 0.5 0.3 1.4 0.5 28 10 11 1.0 0.5 0.3 1.8 0.9 30 20 12 3.5 0.5 0.3 4.3 3.6 22 50 13* 5.0 0.5 0.3 5.8 4.8 16 90 14* 8.5 0.5 0.3 9.3 8.1 12 100 (注)試料13と14は比較例である。
【0020】
【実施例3】実施例1における表1の試料2に示す0.
5重量%NiOと0.3重量%Y23を含むAl23
材の表面に、下記表4に示す単層の被覆層を形成し、得
られた各被覆層の密着力を測定して表4に併せて示し
た。尚、密着力の測定は、先端半径200μm、頂角1
20°の円錐形ダイヤモンドコーンを被覆層表面に当
て、一定荷重を掛けながら被覆層表面を3mmの距離だ
けスクラッチし、剥離が生じる荷重を求めてこれを密着
力とした。
【0021】
【表4】 被覆層がAl23の場合は他の被覆層に比べて密着力が
特に優れ、又その層厚も薄いほど密着力に優れて、特に
層厚が1μm程度の場合に好ましい結果が得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、立方晶窒化ホウ素に比
較して製造コストが安価なAl23系セラミックスを基
材としながら、耐欠損性と共に耐摩耗性にも優れた、鋼
や鋳鉄の高速切削に好適な被覆セラミックス工具を提供
することが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結助剤成分としてMg、Ca、Si、
    Zr、Cr、Ni、Y及び希土類元素の酸化物から選ば
    れた少なくとも1種を含有する95重量%以上のAl2
    3からなる基材と、このAl23基材の表面上に設け
    た周期律表の4A、5A族金属及びAlの酸化物、窒化
    物、酸窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、ホウ窒化
    物及びこれらの固溶体から選ばれた少なくとも1種から
    なる単層又は2層以上の複層で、全体の層厚が平均0.
    1〜5μmの被覆層とからなることを特徴とする被覆セ
    ラミックス工具。
  2. 【請求項2】 上記被覆層が複層からなり、Al23
    材の表面に直接形成された第1層がAl23からなるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の被覆セラミックス工
    具。
  3. 【請求項3】 上記被覆層の少なくとも1層がTiC又
    はTiCNであることを特徴とする、請求項1又は2に
    記載の被覆セラミックス工具。
  4. 【請求項4】 被覆層を構成するAl23の結晶粒径が
    基材のAl23の結晶粒径よりも小さいことを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の被覆セラミックス工具。
JP35598291A 1991-12-20 1991-12-20 被覆セラミックス工具 Pending JPH05169302A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011093003A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Kyocera Corp 表面被覆部材

Cited By (1)

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