JPH0516911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は刈取穀稈を脱穀処理する扱胴を備えた
コンバインの脱穀用扱胴装置。

「従来の技術」 従来、特公昭50−21943号公報に示す如く、扱
胴の胴部端面形状を略長方形に形成し、短辺側の
扱胴外面に扱歯を固設させると共に、扱胴の軸芯
位置に中空の扱胴軸を挿通させる技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、扱胴軸に取付けたフランジに
よつて扱胴軸に扱胴を支持させていたが、前記フ
ランジと扱胴の胴部端面とを略同一形状とし、扱
胴内部にフランジを嵌合挿入させる構成であつた
から、扱胴内部に扱胴軸を挿入させる作業並びに
扱胴にフランジを固定させる作業などが極めて面
倒であり、組立作業の簡略化並びに製造コストの
低減などを容易に図り得ない等の構造上の問題が
あつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、脱穀用スクリユを外周に設
ける扱胴の円筒状胴部の前後方向中間部に固定面
板を内設固定させると共に、扱胴の胴部軸芯位置
に挿通させる中空の扱胴軸中間部に略三角形の胴
固定フランジを一体固定させ、胴固定フランジの
三角形よりも小さな円形の前軸受フランジと、胴
固定フランジの三角形よりも大きな外形の後軸受
フランジと、前記胴固定フランジとにより、前記
扱胴軸の前後部及び中間部を扱胴に連結固定させ
たことを特徴とするものである。

「作用」 従つて、前軸受フランジが挿通するように固定
面板を開設させ、胴固定フランジが挿通するよう
に扱胴後面を開設させることにより、前記各フラ
ンジを固定した状態の扱胴軸を扱胴内部に後方側
から容易に挿入させ得ると共に、扱胴前面に前軸
受フランジを、また扱胴後面に後軸受フランジ
を、また固定面板に胴固定フランジを、扱胴軸軸
芯方向に夫々当接させることにより、扱胴の前後
面及び固定面板に各フランジを容易に固定させ
得、また胴固定フランジを三角形にしたから、胴
固定フランジを他の多角形よりも小面積にして固
定面板との重ね合せ部分を大きく形成し得、しか
も扱胴軸軸芯を中心とする同一円周上で等間隔に
胴固定フランジの頂角部を固定面板に固定させ
得、従来に比べて扱胴組立作業の簡略化並びに製
造コストの低減などを容易に行い得るものであ
る。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部である扱胴の断面図、第２図は
全体の側面図、第３図は同平面図であり、図中１
は走行クローラ２をトラツクフレーム３に装備す
る機台、４はスクリユ形扱胴５及び選別機構６を
備えていて前記機台１に搭載する脱穀部、７は揚
穀筒８を介して取出す脱穀部４の穀粒を溜める穀
物タンク、９は前記脱穀部４の下部前方に油圧シ
リンダ１０を介して昇降可能に装設する刈取部、
１１は運転席１２及び運転操作部１３を備えてい
て前記穀物タンク７の前方に固設させる運転台、
１４は前記穀物タンク７の後方に備えていてエン
ジン１５を内設するエンジン室、１６は前記穀物
タンク７内の穀粒を取出す穀粒排出オーガであ
る。

そして前記刈取部９は、未刈り穀稈を取入れる
穀物ヘツダー１７と、該ヘツダー１７の後部略中
央に連結させて刈取り穀稈を脱穀部４に送給する
供給室１８とによつて構成すると共に、未刈り穀
稈掻込み用リール１９及び往復駆動型刈刃２０及
び穀稈掻込ドラム２１とを前記穀物ヘツダー１７
に備え、前記ヘツダー１７に取込まれる刈取穀稈
を供給室１８に内設する供給チエンコンベア２２
を介し脱穀部４に送込み脱穀処理するように構成
している。

第４図乃至第５図にも示す如く、前記扱胴５は
扱室２３に扱胴軸２４を介し軸支させたもので、
扱胴５と扱胴軸２４とを取外し自在に一体連結さ
せている。前記扱胴５は外周に脱穀用のスクリユ
２５を有し、前端側と略中間に点検口２６，２６
を開設し、該点検口２６，２６をボルト２７…を
有し盲蓋２８，２８で閉封している。

前記扱胴軸２４は扱胴５の全長と略同じ長さの
中空軸で形成し、この扱胴軸２４の前後端扱室２
３の前後壁に支承させる軸受フランジ２９，３０
を一体固設すると共に、軸２４中間に前後胴固定
フランジ３１，３２を一体固設している。そして
前記扱胴５内にこの後方より扱胴軸２４を挿入
し、扱胴５の前面板５ａにボルト３３を介し前軸
受２９を、また扱胴５前端近傍の固定面板３４に
ボルト３５を介し前胴固定フランジ３１を、さら
に扱胴５略中間の固定面板３６にボルト３７を介
し後胴固定フランジ３２を、またさらに扱胴５後
端の固定面板３８にボルト３９を介し後軸受フラ
ンジ３０を着脱自在に取付けて、扱胴５と扱胴軸
２４との一体連結を図るように構成している。

ところで、前記胴固定フランジ３１，３２は略
三角形状の板部材で形成したもので、前記面板３
４，３６には前記フランジ３１，３２を挿通させ
る略同形の三角孔４０，４０を開設し、前記扱胴
５後方より扱胴軸２４を挿入するとき前胴固定フ
ランジ３１を前記固定面板３６の三角孔４０を挿
通させ所定位置まで扱胴軸２４を挿入すると共
に、所定位置に至つたとき扱胴軸２４を略60度回
転させることによつて各面板３４，３６に対する
フランジ３１，３２のボルト３５，３７による取
付けを可能とさせるように構成している。また前
軸受フランジ２９の最大外側径Ａは各面板３４，
３６の三角孔４０，４０の内接円の径Ｂより小径
（Ａ＜Ｂ）に形成していて、前記フランジ２９の
各面板３４，３６通過を可能とさせる一方、各面
板３４，３６に対する胴固定フランジ３１，３２
のボルト３５，３７による取付時にあつては前記
点検口２６，２６よりこれらの取付けを行うよう
に構成している。なお、４１は前記固定面板３８
に開設する各フランジ２９，３１，３２挿通用孔
である。

上記から明らかなように、脱穀用スクリユ２５
を外周に設ける扱胴５の円筒状胴部の前後方向中
間部に固定面板３４，３６を内設固定させると共
に、扱胴５の胴部軸芯位置に挿通させる中空の扱
胴軸２４中間部に略三角形の胴固定フランジ３
１，３２を一体固定させ、胴固定フランジ３１，
３２の三角形よりも小さな円形の前軸受フランジ
２９と、胴固定フランジ３１，３２の三角形より
も大きな外形の後軸受フランジ３０と、前記胴固
定フランジ３１，３２とにより、前記扱胴軸２４
の前後部及び中間部を扱胴５に連結固定させてい
る。

本実施例は上記の如く構成するものにして、前
記扱胴５と扱胴軸２４の一体連結時にあつては、
前記扱胴５の後方より扱胴軸２４を挿入させるも
ので、前胴固定フランジ３１と前記面板３６の三
角孔４０を一致させて挿通させ、各面板５ａ，３
４，３６，３８を各フランジ２９，３１，３２，
３０が当接したとき扱胴軸２４を略60度回転させ
て各面板５ａ，３４，３６，３８にそれぞれボル
ト３３，３５，３７，３９を介し各フランジ２
９，３１，３２，３０を取付けて扱胴５に対する
扱胴軸２４の一体固設を行う。

而して扱胴軸２４が中空軸のため従来の中実丸
軸のものに比べ、軸重量を軽減させることができ
てコストダウンが図れる許りでなく剛性アツプが
図れて例え回転数が高くなつても軸２４が危険速
度となることが回避され安全回転が行える。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、脱穀
用スクリユ２５を外周に設ける扱胴５の円筒状胴
部の前後方向中間部に固定面板３４，３６を内設
固定させると共に、扱胴５の胴部軸芯位置に挿通
させる中空の扱胴軸２４中間部に略三角形の胴固
定フランジ３１，３２を一体固定させ、胴固定フ
ランジ３１，３２の三角形よりも小さな円形の前
軸受フランジ２９と、胴固定フランジ３１，３２
の三角形よりも大きな外形の後軸受フランジ３０
と、前記胴固定フランジ３１，３２とにより、前
記扱胴軸２４の前後部及び中間部を扱胴５に連結
固定させたもので、前軸受フランジ２９が挿通す
るように固定面板３４，３６を開設させ、胴固定
フランジ３１，３２が挿通するように扱胴５後面
を開設させることにより、前記各フランジ２９，
３０，３１，３２を固定した状態の扱胴軸２４を
扱胴５内部に後方側から容易に挿入させることが
できると共に、扱胴５前面に前軸受フランジ２９
を、また扱胴５後面に後軸受フランジ３０を、ま
た固定面板３４，３６に胴固定フランジ３１，３
２を、扱胴軸２４軸芯方向に夫々当接させること
により、扱胴５の前後面及び固定面板３４，３６
に各フランジ２９，３０，３１，３２を容易に固
定させることができ、また胴固定フランジ３１，
３２を三角形にしたから、胴固定フランジ３１，
３２を他の多角形よりも小面積にして固定面板３
４，３６との重ね合せ部分を大きく形成でき、し
かも扱胴軸２４軸芯を中心とする同一円周上で等
間隔に胴固定フランジ３１，３２の頂角部を固定
面板３４，３６に固定させることができ、従来に
比べて扱胴５組立作業の簡略化並びに製造コスト
の低減などを容易に行うことができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は扱胴部の断面説明図、第２図は全体の
側面図、第３図は同平面図、第４図は第１図の
−線視図、第５図は扱胴軸の外観斜視図であ
る。 ５……扱胴、２４……扱胴軸、２９，３０……
軸受フランジ、３１，３２……胴固定フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀用スクリユ２５を外周に設ける扱胴５の円
   筒状胴部の前後方向中間部に固定面板３４，３６
   を内設固定させると共に、扱胴５の胴部軸芯位置
   に挿通させる中空の扱胴軸２４中間部に略三角形
   の胴固定フランジ３１，３２を一体固定させ、胴
   固定フランジ３１，３２の三角形よりも小さな円
   形の前軸受フランジ２９と、胴固定フランジ３
   １，３２の三角形よりも大きな外形の後軸受フラ
   ンジ３０と、前記胴固定フランジ３１，３２とに
   より、前記扱胴軸２４の前後部及び中間部を扱胴
   ５に連結固定させたことを特徴とする脱穀用扱胴
   装置。