JPH0516891U - 着脱式掘削刃 - Google Patents

着脱式掘削刃

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JPH0516891U
JPH0516891U JP1875492U JP1875492U JPH0516891U JP H0516891 U JPH0516891 U JP H0516891U JP 1875492 U JP1875492 U JP 1875492U JP 1875492 U JP1875492 U JP 1875492U JP H0516891 U JPH0516891 U JP H0516891U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビットを迅速かつ確実に着脱できる着脱式掘
削刃を提供する。 【構成】 ホルダ11の切欠溝13の両側壁13a、1
3bをホルダ後端側へ向かう程ホルダ幅方向中心側へ後
退する傾斜面に形成する。ビット12の嵌合部14の両
側面14a、14bも側壁13a、13bに対応して傾
斜面に形成する。ビット12とホルダ11との連結部材
には、ビット嵌合部14からホルダ切欠溝13の溝底1
3cに向けて打ち込まれるスプリングピン16を用い
る。 【効果】 スプリングピン16を打ち抜くだけでホルダ
11からビット12を抜き取ることができる。抜きる際
にはビット側面14a、14bが切欠溝13の側壁13
a、13bから離れるので、ビット12がこじれて着脱
に支障を来すこともない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、掘削機のケーシングパイプやオーガ等の掘削ヘッドの先端に取り 付けられる着脱式掘削刃に関する。
【0002】
【従来の技術】
掘削機の掘削ヘッド先端部に取り付けられる着脱式掘削刃の一例として、従来 より図14に示すものが知られている。この図に示す着脱式掘削刃1は、ケーシ ングパイプ2の先端に溶接されるホルダ3と、このホルダ3の切欠溝4にケーシ ングパイプ2の長手方向に沿って挿入されるビット5とを備えてなり、ケーシン グパイプ2の回転に伴ってビット5の先端側に形成された刃部6が地中を掘削し てゆく構成とされている。なお、ケーシングパイプ2は中空円筒状をなすもので 、その図示せぬ基端部(図において上方)が掘削機の駆動源と連結されて自身の 軸線回りに回転駆動される。
【0003】 切欠溝4はホルダ3の幅方向に対向する互いに平行な一対の側壁4a、4bと 、ホルダ3の厚さ方向(図において紙面と直交する方向)を向く側面3aから陥 没してホルダ3の先端面3bに開口する溝底4cとを有してなるもので、図示の 例ではホルダ3の厚さ方向表裏に1個ずつ対称に設けられている。また、ビット 5の後端側には上記切欠溝4と嵌合する嵌合部7が形成され、該嵌合部7はホル ダ3の切欠溝4の側壁4a、4bと当接する互いに平行な側面7a、7bと、切 欠溝4の溝底4c間に残された隔壁を受け入れるスリット7cとを有している。 そして、ビット嵌合部7には当該ビット5を厚さ方向に貫く取付穴8が形成され 、この取付穴8に挿通されるボルト9が上記切欠溝4の溝底4cにねじ込まれる ことにより、ホルダ3に挿入されたビット5が固定されるようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の着脱式掘削刃1においては、ビット5の刃部6が摩 耗した場合ビット5をホルダ3から抜き取って交換しなければならないが、刃部 6によって地中に形成される掘削面とボルト9の頭部とが擦過して摩耗が過度に 進行し、その操作が困難となることがあった。また、掘削時の荷重や振動でボル ト9のねじ部が損傷して取り外し不能となることもあった。さらに、ボルト9の 操作が可能であったとしても、ボルト9に相当大きな荷重を加えつつ数回以上回 転させないと取り外すことができないので迅速な脱着を行い難い。ここで、ボル ト9の操作ができない場合の対策としてガス溶断によってビット5を取り除くこ とも行われるが、切欠溝4の溝底4cに形成された雌ねじを損傷しないように注 意しなければならないために作業性が悪く、ビット5の脱着方法として適当なも のとは言い難い。
【0005】 また、刃部6による掘削面とホルダ3の厚さ方向の側面3a及びビット5の嵌 合部7の表面7dとが擦過して一体的に摩耗するため、これらホルダ側面3aや ビット表面7dの周縁部のうち特に側壁4a、4bや側面7a、7bに沿う部分 にかえりが生じてこれらが癒着し、この点でもビット5を取り出すことが困難と なることがあった。
【0006】 さらに、上述した着脱式掘削刃1では、ビット5の嵌合部7の側面7a、7b がビット5の挿入方向と平行に延びる平坦面に形成されているため、ボルト9を 取り外すことができたとしても、ビット5を完全に取り出すには、ビット5をそ の後端が切欠溝4の先端開口部に達するまで切欠溝側壁4a、4bに沿って真直 ぐ引き抜く必要があるが、途中でこじれて円滑に引き抜くことができないことも ある。この点、新たなビット5を挿入する際にも同様の問題が生じるおそれがあ る。
【0007】 さらにまた、ホルダ3に切欠溝4を形成することによってホルダ3の側壁4a 、4bの背後の肉厚が減少するため、ホルダ3の溶接時に歪が生じ易くなる。そ して、かかる溶接歪を放置すれば切欠溝4の溝幅が一定でなくなるため、ビット 5を挿入することさえ不可能となるおそれがある。 この考案は、このような背景の下になされたもので、ビットを迅速かつ確実に 着脱できる着脱式掘削刃を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの考案は、ホルダの切欠溝の幅方向に対向する両 方の側壁を、当該ホルダの後端側へ向かうに従って漸次ホルダの幅方向中心側へ 後退する傾斜面に形成する一方で、ホルダの切欠溝と嵌合するビットの嵌合部の 幅方向に対向する側面を、上記切欠溝の側壁と密着可能な傾斜面に形成し、かつ 、上記連結部材を、上記ビット嵌合部から上記ホルダの溝底に向けて打ち込まれ るスプリングピンとしたものである。 この場合、ホルダ切欠溝の上記両側壁と、ビット嵌合部の上記両側面のホルダ 幅方向中心線に対する傾斜角は適宜定めてよいが、なるべくは3゜ 〜15゜ に設 定することが好ましい。 また、カッタの着脱を容易とし、かつホルダ寿命の向上を図るには、上記ビッ トを上記ホルダに装着させた状態で上記ビットの上記刃部の一端部を上記ホルダ の厚さ方向を向く側面から突出させることが好ましい。 そして、ビットを一層確実に拘束するには、上記ホルダの上記切欠溝の上記側 壁間に位置して当該ホルダの先端側を向く正面壁の上記切欠溝の溝底と交差する 側に、当該ホルダの後端側へ陥没する係止溝を形成し、かつ、上記ビットの上記 嵌合部の上記正面壁と対向する端面に、当該端面から突出して上記係止溝と嵌合 可能な突起を形成すると良い。
【0009】
【作用】
上記構成によれば、スプリングピンを打ち抜くだけでビットをホルダから抜き 取ることができるので、ビットの取り外しに要する時間が短縮される。また、ホ ルダ切欠溝の両側壁及びビット嵌合部の両側面を傾斜面としているので、ビット の着脱の際にビットがこじれて着脱に支障を来すおそれもない。さらに、ホルダ 切欠溝の両側壁の背後の肉厚がホルダ後端側へ向かうほど増加してホルダ後端に 十分な肉厚が確保されるので溶接歪も生じにくくなる。
【0010】 また、刃部の一端部を上記ホルダの厚さ方向を向く側面から突出させた場合に は、刃部による掘削面よりもホルダの上記側面が後退するので掘削面との擦過に よる摩耗が防止され、ホルダとビットとの一体的な摩耗による癒着を防止してホ ルダからビットを容易に取り外すことができる。 そして、ホルダの切欠溝の正面壁に係止溝を形成し、かつ、上記ビットの上記 嵌合部の上記正面壁と対向する端面突起を形成した場合には、これら係止溝と突 起とが嵌合することによってビットの嵌合部が係止溝に係止され、当該嵌合部が ホルダの切欠溝の溝底から離れる方向へ変形できなくなる。
【0011】
【実施例】
以下、図1〜図4を参照して、本考案の一実施例を説明する。なお、上述した 従来例と同一の構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0012】 図1及び図2に示すように、本実施例の着脱式掘削刃10は、ケーシングパイ プ2の先端に設けられた凹部2a(図2参照)に嵌合されて当該ケーシングパイ プ2に溶接される直方体状のホルダ11と、このホルダ11に着脱自在に装着さ れるビット12とから概略構成され、ビット12の先端側に刃部6が形成される 点では従来例と同様である。しかし、ホルダ11の切欠溝13及びビット12の 嵌合部14は従来と異なる構成とされ、以下これらを詳細に説明する。
【0013】 図3及び図4により詳細に示すように、ホルダ11の切欠溝13は、当該ホル ダ11の幅方向に対向する一対の側壁13a、13bと、当該ホルダ11の厚さ 方向を向く側面11a、11bから陥没して側壁13a、13bと直交する溝底 13cと、側壁13a、13b間に位置して当該ホルダ11の先端側を向く正面 壁13dとを有してなるものである。そして、この切欠溝13は、ホルダ11の 上記側面11a、11bにそれぞれ1個ずつ対称に形成されかつ溝底13cが側 面11a、11bと平行な平坦面に形成される点で従来例と共通する。しかし、 切欠溝13は、その側壁13a、13bが、ホルダ11の先端側から後端側へ向 かうに従って漸次ホルダ11の幅方向中心側へ後退する傾斜面状に形成される点 において従来例と相違する。
【0014】 また、図1及び図2に示すように、ビット12の嵌合部14は、当該ビット1 2の幅方向に対向する側面14a、14bと、上記ホルダ11の2つの溝底13 c間に挟まれた隔壁部分を受け入れるスリット14cとを有してなるもので、側 面14a、14bは上記ホルダ11の切欠溝13の側壁13a、13bに対応し て当該ビット12の後端側へ向かうほどビット12の幅方向中心側へ後退する傾 斜面状に形成されている。
【0015】 さらに、ビット12の嵌合部14には、スリット13cをまたいでビット12 の厚さ方向に延び、両端がビット12の側面12a、12bに開口する取付穴1 5が形成されている。この取付穴15は、切欠溝14に挿入されたビット12を 固定するスプリングピン16が挿入されるもので、この取付穴15に対応してホ ルダ11の切欠溝13の溝底13cにもスプリングピン16と嵌合可能な嵌合穴 17が形成されている。
【0016】 なお、この嵌合穴17は、ビット12の嵌合部14をホルダ11の切欠溝13 に嵌合させた状態で取付穴15よりもホルダ11の後端側へ僅かに偏心するよう にその位置が定められている。これは、スプリングピン16の打ち込みによって ビット12をホルダ11の後端側へ押し付ける力を生じさせ、これにより側壁1 3a、13bと側面14a、14bとの密着性を高めるためである。
【0017】 また、上記スプリングピン16は、一定厚さの鋼板、特にバネ鋼を円筒状に丸 め込んで形成された周知の連結手段であり、その長さはホルダ11の厚さと同等 か、あるいは僅かに短くなっている。
【0018】 そして、ビット嵌合部14はホルダ11の先端側から切欠溝13内に挿入され て側面14a、14bが切欠溝側壁13a、13bに密着せしめられ、この後、 取付穴15の一端にはめ込まれるスプリングピン16がホルダ11の嵌合穴17 を通過して取付穴15の他端に達するまで打ち込まれることによってビット12 がホルダ11に着脱自在に連結される。これにより本実施例の着脱式掘削刃10 が構成される。
【0019】 ここで、ビット12の嵌合部14の長さは、ビット12がホルダ11に装着さ れた状態において、当該嵌合部14の後端面14dと切欠溝13の正面壁13d との間に所定の隙間Sがあくように設定されている。また、ビット12の幅方向 と直交する方向に対する嵌合部14の側面14a、14bの傾斜角θ(切欠溝1 3の側壁13a、13bの傾斜角に等しい。)は、ビット12の大きさ等に応じ て適宜定められるが、なるべくは3゜ 〜15゜ の範囲に設定することが望ましい 。3゜ を下回った場合には、掘削時の荷重で嵌合部14が切欠溝13に食い込ん でビット12を容易に取り出せなくなるおそれがあり、他方、15゜ を越えた場 合には切欠溝側壁13a、13bとビット側面14a、14bとの間に生じる掘 削荷重の反力が、ビット12を切欠溝13から押し出す方向に作用してビット1 2の安定性が損なわれるおそれがあるからである。
【0020】 しかして、以上の構成からなる着脱式掘削刃10においては、ホルダ11とビ ット12とをスプリングピン16で連結したので、ビット12の嵌合部14をホ ルダ11の切欠溝13から抜き取るには、スプリングピン16を一層打ち込んで ホルダ11の嵌合穴17から抜き取った後、ビット12をケーシングパイプ2の 先端側へ引き抜くだけで良い。従って、ボルトを使用してビットを取り付ける従 来例に比して迅速にビット12の取り外しを行い得る。
【0021】 しかも、ホルダ切欠溝13の両側壁13a、13b及びビット嵌合部14の両 側面14a、14bをともに傾斜面に形成したため、ビット12をホルダ11の 先端側へ僅かに引き抜くだけでもこれらの側壁13a、13bと側面14a、1 4bとが離間し、しかもその離間量はビット12を引き抜くに連れて次第に増加 してゆく。従ってビット12を抜き取る際にビット12がこじれるおそれもなく 、新たなビット12を挿入する際にもこじれが生じることがない。従って、ビッ ト12の着脱を常に円滑に行うことができる。
【0022】 さらに、ホルダ11の側壁13a、13bの背後の肉厚B(図2参照)がホル ダ11の後端側へ向かうほど増加するので、これら側壁13a、13bをケーシ ングパイプ2の軸方向へ真直ぐ延びる平坦面に形成した場合(図2に2点鎖線L で示す。)に比して遥かに溶接歪が生じにくくなる。従って、溶接歪に伴う切欠 溝13の変形によってビット嵌合部14の着脱に支障が生じることもない。
【0023】 加えて、本実施例ではホルダ11の切欠溝13の正面壁13dとビット12の 嵌合部14の後端面14dとの間に隙間Sを設けたので、ビット12を抜き取る 際には、かかる隙間Sにマイナスドライバー等の作業工具を押し込んでビット1 2をホルダ11の先端側へ押し出すことができ、ビット12の抜取りが一層容易 となる。
【0024】 次に、本考案の他の実施例を図5〜図9を参照して説明する。なお、これらの 図において図1〜図4に示す実施例と共通する構成要素には同一符号を付し、説 明を省略する。 図5〜図9に示すように、本実施例の着脱式掘削刃20はホルダ21とビット 22とを備え、ホルダ21の切欠溝23とビット22の嵌合部24とを嵌合させ た状態でスプリングピン16を打ち込んで両者を着脱自在に連結した概略構成と されている。そして、ホルダ21の切欠溝23の側壁23a、23bと、ビット 22の嵌合部24の側面24a、24bは、ホルダ21の後端側へ向かうほど幅 方向中心線mへ接近する傾斜面とされ、これにより上述したビットの着脱の容易 化が図られている。
【0025】 ここまでは上述した図1〜図4に示す着脱式掘削刃10と同様であって、本実 施例の着脱式掘削刃20は以下の点に特徴を有する。
【0026】 すなわち、図5、図7及び図9により詳細に示すように、本実施例の着脱式掘 削刃20では、ホルダ21の厚さT1よりもビット22の厚さT2が若干大きく 定められることにより、これらホルダ21とビット22とを連結した状態でビッ ト22の厚さ方向の側面22a、22bがホルダ21の厚さ方向側面21a、2 1bよりも突出し、これに伴ってビット22の先端に設けられた刃部25の長手 方向両端25a、25b(図9参照)がホルダ側面21a、21bよりも突出せ しめられている。なお、これらホルダ21とビット22の厚さT1、T2の差( T2−T1)は適宜定めて良いが、図示の例では、ビット22がホルダ21の厚 さ方向を向く側面21a、21bから等しく1mmずつ突出するようにT2−T1 =2mmとされている。
【0027】 このように、本実施例では刃部25の両端25a、25bがホルダ側面21a 、21bよりも突出しているので、掘削時に刃部25によって形成される掘削面 からホルダ側面21a、21bが離間し、この結果ホルダ21の側面21a、2 1bが掘削面に擦られることがない。従って、ホルダ21の側面21a、21b の摩耗が防止されてこれらホルダ21とビット22との癒着が発生せず、このた めビット22を図1〜図4に示す例よりも一層容易かつ確実にホルダ21から抜 き取ることができる。また、ホルダ21の摩耗が抑制されるのでホルダ21の寿 命が大きく向上するという効果も得られる。
【0028】 なお、図5〜図9では、特にビット22の側面22a、22bの全体をホルダ 21の側面21a、21bから突出させているが、本考案はこれに限るものでは なく、例えば図10及び図11に示すようにビット22の先端側のみの厚さを大 きくして嵌合部24をホルダ側面21a、21bと面一にしても良い。要は、ホ ルダ側面21a、21bが刃部25による掘削面に接触しないように刃部25の 端部25a、25bがホルダ側面21a、21bよりも突出していれば、摩耗に よる癒着を防ぐに十分である。
【0029】 また、着脱式掘削刃20では、図5〜図7に示すようにホルダ21の切欠溝2 3に挟まれた隔壁26が当該ホルダ21の先端面21cから切欠溝23の奥側へ 幾らか後退せしめられて空隙部27が形成されている。また、図5、図8及び図 9に示すように、ビット22の側においても、嵌合部24の基端側にスリット2 8のない基部29が形成され、この基部29がホルダ21の空隙部27と嵌合す るようになっている。そして、このような構成とすることにより、ビット22の 首折れ強度の向上が図られている。
【0030】 すなわち、掘削時において、ビット22は掘削ヘッドの回転に伴ってホルダ2 1の幅方向に沿う荷重を受けるが、ビット22の嵌合部24はホルダ21の切欠 溝23と嵌合してホルダ21の幅方向に支持されているため、かかる荷重によっ てビット22にはホルダ21の先端面21cに沿う位置に最大剪断応力が発生し 、その大きさによってはビット22が耐えきれずに切断すなわち首折れすること がある。ここで、上記剪断応力に対する許容値はビット22のホルダ先端面21 cに沿う位置の断面積に左右され、この点、図5〜図9に示す着脱式掘削刃20 では、ビット22の基部29によって断面積が増加するために許容剪断応力が大 きくなって首折れ強度が向上するのである。
【0031】 なお、このような首折れ強度の向上は、特に図5〜図9に示すように、ビット 22の先端部に凹部30を設けて異種材料からなる切刃体31をろう付けする構 成の着脱式掘削刃20において特に顕著である。なぜならば、切刃体31をろう 付けする際にビット22の凹部30の周囲は局部的に加熱され徐々に冷却される ので、硬化軟化層が出現して強度が落ちる傾向がある。そして、かかる硬化軟化 層はビット22の寸法上、最大剪断応力が生じる位置に極めて接近して出現する ことが多く、このためかかる部分の肉厚を確保して首折れ強度を予め大きく設定 しておくことが重要となるのである。
【0032】 図12及び図13は、図5〜図9に示す着脱式掘削刃20と基本構成を同じく するものにおいて、ホルダ21の切欠溝23の側壁23a、23b間に位置して ホルダ21の先端側を向く正面壁23cの溝底23dと交差する側に、ホルダ2 1の後端側へ陥没する係止溝40を形成し、かつ、ビット22の嵌合部24の正 面壁23cと対向する端面24cに、端面24cから突出して係止溝40と嵌合 可能な突起41を形成した例を示すものである。 このような例によれば、ビット22をホルダ21に装着する際に、係止溝40 と突起41とが嵌合して嵌合部24の後端側(図中上側)がホルダ21の切欠溝 23の溝底23dから離れる方向へ変形できなくなる。このため、ビット22を 一層確実に保持することができる。
【0033】 すなわち、嵌合部24をスプリングピン42によって取り付けただけでは、ボ ルトで締め付ける場合と異なってビット22の嵌合部24をホルダ21の厚さ方 向(図13における左右方向)に締め付けることができないので、嵌合部24が 特にその後端側において溝底23dから離れるように変形してビット22ががた つくおそれがある。この点、図12及び図13の例では、嵌合部24の後端側が 係止溝40に係止されるので、嵌合部24が上述のように変形するおそれがなく 、ビット22が確実に保持されることになる。また、このように嵌合部24が拘 束される場合、ビット22の側面22a、22bがホルダ21の側面21a、2 1bよりも突出することがないので、ホルダ21とビット22の厚さを異なるも のとした効果が損なわれるおそれもない。
【0034】 なお、図12及び図13に示す例では、スプリングピン42が他の例と異なる 構成とされ、具体的には、取付穴15と嵌合する第1のピン43の内周側に、小 径の第2のピン44を、スリット43a、44aの位置を周方向にずらして嵌合 させることによって一のスプリングピン42が構成されている。これは、スプリ ングピン42の断面積を増加させて許容剪断応力を増大させるとともに、スプリ ングピン42を打ち抜く際の作業工具との接触面積を増大させて、スプリングピ ン42を容易に打ち抜くことができるようにしたものである。
【0035】 以上の実施例ではホルダをケーシングパイプに取り付ける例を説明したが、本 考案はこれに限らず、アースオーガ等の種々の掘削ヘッドに取り付けられること は勿論である。
【0036】
【考案の効果】
以上説明したように、この考案によれば、スプリングピンを打ち抜くだけでビ ットをホルダから抜き取ることができ、ビットの着脱の際にビットがこじれて動 かなくなるおそれもなく、さらには、ホルダの切欠溝側壁の背後の肉厚が増加し てホルダの溶接歪も抑制されるのでビット着脱自体が困難となるおそれもなく、 従って、ビットを常に迅速かつ確実に交換できるという優れた効果を奏する。
【0037】 また、特に刃部の一端部をホルダの厚さ方向を向く側面よりも突出させた場合 には、該側面と刃部で形成される掘削面との摩擦がなくなってホルダとビットと の癒着が防止されるので、ビットの着脱を一層容易かつ確実になし得るという効 果が得られる。
【0038】 さらに、ホルダの切欠溝に係止溝を設ける一方で、ビットの嵌合部に突起を形 成した場合には、これらが嵌合することによってビットの嵌合部が係止溝に係止 されるので、ビットをスプリングピンで取り付ける構成であっても、ホルダ切欠 溝の溝底から離れる方向へのビット嵌合部の変形を防止してビットを一層確実に 保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す実施例の正面図である。
【図3】図1に示すホルダの正面図である。
【図4】図3のIV方向からの矢視図である。
【図5】本考案の他の実施例の構成を示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示すホルダの正面図である。
【図7】図6のVII方向からの矢視図である。
【図8】図5に示すビットの正面図である。
【図9】図8のIX方向からの矢視図である。
【図10】図5〜図9の着脱式掘削刃の変形例を示すビ
ットの正面図である。
【図11】図10のXI方向からの矢視図である。
【図12】図5〜図9に示す着脱式掘削刃の他の変形例
を示す正面図である。
【図13】図12に示す着脱式掘削刃を同図のXIII方向
からみた状態を一部断面視して示す図である。
【図14】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
6,25 刃部 10,20 着脱式掘削刃 11,21 ホルダ 12,22 ビット 13,23 切欠溝 13a,13b,23a,23b 切欠溝の側壁 14,24 嵌合部 14a,14b,24a,24b 嵌合部側面 16,42 スプリングピン 40 ホルダの係止溝 41 ビットの突起

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削機の掘削ヘッドの先端部に取り付け
    られるホルダと、先端側に刃部が形成されたビットとを
    備えてなり、上記ホルダに、当該ホルダの厚さ方向を向
    く側面から陥没しかつ当該ホルダの先端面に開口する切
    欠溝が形成される一方で、上記ビットの後端側に上記切
    欠溝と嵌合する嵌合部が形成され、この嵌合部が上記ホ
    ルダの先端側から上記切欠溝に挿入された状態で、該嵌
    合部側から上記切欠溝の溝底側へ向けて上記ビットのホ
    ルダ先端側への脱落を防止する連結部材が取り付けられ
    ることにより、上記ビットが上記ホルダに着脱自在に連
    結されてなる着脱式掘削刃において、 上記ホルダの上記切欠溝の幅方向に対向する両方の側壁
    を、当該ホルダの後端側へ向かうに従って漸次ホルダの
    幅方向中心側へ後退する傾斜面に形成する一方で、上記
    ビット嵌合部の幅方向に対向する側面を、上記切欠溝の
    側壁と密着可能な傾斜面に形成し、かつ、上記連結部材
    を、上記ビット嵌合部から上記ホルダの溝底に向けて打
    ち込まれるスプリングピンとしたことを特徴とする着脱
    式掘削刃。
  2. 【請求項2】 上記ホルダ切欠溝の側壁と、上記ビット
    嵌合部の側面のホルダ幅方向中心線に対する傾斜角を3
    ゜ 〜15゜ に設定したことを特徴とする請求項1記載の
    着脱式掘削刃。
  3. 【請求項3】 上記ビットが上記ホルダに装着された状
    態で、上記ビットの上記刃部の一端部が、上記ホルダの
    厚さ方向を向く側面から突出していることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載の着脱式掘削刃。
  4. 【請求項4】 上記ホルダの上記切欠溝の上記側壁間に
    位置して当該ホルダの先端側を向く正面壁の上記切欠溝
    の溝底と交差する側に、当該ホルダの後端側へ陥没する
    係止溝を形成し、かつ、上記ビットの上記嵌合部の上記
    正面壁と対向する端面に、当該端面から突出して上記係
    止溝と嵌合可能な突起を形成したことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか一に記載の着脱式掘削刃。
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