JPH05168852A - 排煙脱硫反応器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型化させることなく反応器内の偏流を防止
し、かつ排水を発生させることのない排煙脱硫反応器を
提供すること。 【構成】 排ガス入口煙道１にアルカリ金属系またはア
ルカリ土類金属系の化合物を含む脱硫剤を乾式噴霧する
ノズル８と、該脱硫剤噴霧ノズル８が配置された排ガス
入口煙道１の下流側に水噴霧ノズル６および水の蒸発部
４を備えた排煙脱硫反応器１２において、該排煙脱硫反
応器１２の下部に旋回ベーン９を備えたホッパー部１１
を設け、かつ、ホッパー部１１は排ガス入口煙道１に接
続する。排ガス３は反応器１２内部に向けてホッパー部
１１で旋回流となって導入されるので、該反応器１２内
部における排ガス３の偏流が防止でき、排ガスの平均流
速は遅くなる。そのため、水噴霧ノズル６から噴霧され
る水の蒸発時間を確保する蒸発部４の高さを短くするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は排煙脱硫反応器に係り、
特に反応器内部の排ガスの偏流を低減するのに好適な反
応器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２に従来の排煙脱硫反応器の概略構成
図を示す。排煙脱硫反応器下部側面より流入する排ガス
３は、排ガス入口煙道１にてアルカリ金属系またはアル
カリ土類金属系の化合物を含む脱硫剤を脱硫剤噴霧ノズ
ル８より気流噴霧され、一部脱硫された後、反応器１２
本体へ導入される。排ガス３は、更に反応器１２下部に
設けられた水噴霧ノズル６から噴霧された水により加湿
冷却され、脱硫反応を促進させた後、水の蒸発部４を経
て反応器１２上部から外部へ排出される。一方、反応器
１２内部で生成された脱硫反応物および捕集されたばい
塵の一部は、反応器１２下部に設けられたホッパー部１
１から外部へ排出される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図２に示すような排煙
脱硫反応器１２で脱硫する場合、システムを簡素化する
目的から、排水を発生させないようにしなければなら
ず、水噴霧ノズル６から噴霧された水は、反応器１２の
蒸発部４で全て蒸発させる必要がある。

【０００４】ところで、従来の排煙脱硫反応器１２は、
反応器１２の側面から流入する排ガス３に対して偏流防
止が考慮されておらず、水の蒸発時間を確保するために
は、排ガス偏流の最大値を用いて蒸発部４の寸法を決定
するという欠点を有していた。

【０００５】そこで、本発明の目的は、前記した従来技
術の欠点をなくし、排煙脱硫反応器を大型化させること
なく反応器内の偏流を防止し、かつ排水を発生させるこ
とのない排煙脱硫反応器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は次の構成によ
って達成される。すなわち、排ガス入口煙道にアルカリ
金属系またはアルカリ土類金属系の化合物を含む脱硫剤
を乾式噴霧するノズルと、該脱硫剤噴霧ノズルが配置さ
れた排ガス入口煙道の下流側に水噴霧ノズルおよび水の
蒸発部を備えた排煙脱硫反応器において、該排煙脱硫反
応器下部に旋回ベーンを備えたホッパー部を設け、か
つ、ホッパー部には排ガス入口煙道を接続した排煙脱硫
反応器である。

【０００７】

【作用】排ガス入口煙道に接続される排煙脱硫反応器下
部の排ガス入口部のホッパーにコーン状に旋回ベーンを
設け、旋回ベーンを介して排ガスを反応器のホッパー部
から反応器内部へ導入する。これによって、排ガスは排
煙脱硫反応器内部に向けてホッパー部で旋回流となって
導入されるので、該反応器内部における排ガスの偏流は
防止できる。従って反応器下部で噴霧される水の蒸発時
間を確保する反応器蒸発部の高さは排ガスの平均流速で
決定することができるので、従来と比べて蒸発部を短く
することができ排煙脱硫反応器をコンパクトにすること
ができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。図１の（ａ）は排煙脱硫反応器の縦断面概略
図であり、図１の（ｂ）は図１の（ａ）のＡ−Ａ線断面
概略図である。排煙脱硫反応器１２の下部は排ガス入口
煙道１に接続し、排煙脱硫反応器１２の上部は排ガス出
口煙道２に接続している。排ガス入口煙道１には脱硫剤
供給配管７から供給される脱硫剤の噴霧ノズル８が設け
られている。排煙脱硫反応器１２の下部の排ガス入口煙
道１に続く、排ガス入口部には反応器１２の下端部に向
けて回収脱硫剤およびばい塵１０取り出し用のホッパー
部１１が設けられている。従って、ホッパー部１１は排
ガス入口煙道１に接続している。このホッパー部１１に
はホッパーコーン状の複数の旋回ベーン９が設置されて
いる。また、反応器１２のホッパー部１１の直上部には
水供給配管５から供給される水噴霧ノズル６が設けられ
ている。

【０００９】排ガス入口煙道１で脱硫剤が噴霧される排
ガス３は排煙脱硫反応器１２の下部側面に流入し、コー
ン状に設置された旋回ベーン９を介して反応器１２内部
へ旋回流となって導入される。そして、反応器１２の内
部では水がノズル６より噴霧されるので、脱硫剤と排ガ
ス中のＳＯｘとの反応が促進される。

【００１０】ここで、旋回ベーン９を図１に示すように
ホッパー部１１に配置すると、旋回ベーン９を介して反
応器１２内部へ導入される排ガス３はホッパー部１１で
旋回流となって上昇し、反応器１２内部における排ガス
３の偏流は防止できる。従って反応器１２の下部で噴霧
される水の蒸発時間を確保する蒸発部４の高さは平均流
速の遅い排ガス３の旋回流のため、従来と比べて短くす
ることができ、排煙脱硫反応器１２をコンパクトにする
ことができる。

【００１１】また、旋回ベーン９は反応器１２の内部で
生成された脱硫反応物および捕集ばい塵の一部を反応器
１２の外部へ排出させるホッパー部１１と兼用すること
ができるので、その点でも装置のコンパクト性が確保で
きる。

【００１２】また、旋回ベーン９をホッパー部１１に設
置することにより蒸発部４からホッパー部１１に脱落し
たばい塵、石膏、消石灰、亜硫酸カルシウム等の反応生
成物を旋回流によって乾燥させることができ、流動化さ
せて系外へ排出することもできる。また、排煙脱硫反応
器１２の外部へ排出される脱硫反応物および捕集ばい塵
が旋回ベーン９へ付着することもなくなる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、旋回ベーンを介して排
煙脱硫反応器内部へ排ガスを導入するので、排煙脱硫反
応器内部における排ガスの偏流は防止でき、反応器の下
部で噴霧される水の蒸発時間を確保する蒸発部の高さは
平均流速の遅い排ガスのため、従来と比べて短くするこ
とができ、排煙脱硫反応器をコンパクトにすることがで
きる。同時に、噴霧水の蒸発をほぼ完全に行うことがで
きるので、排水を発生させることもなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明なる排煙脱硫反応器の概略構成図であ
る。

【図２】 従来技術を示す概略構成図である。

【符号の説明】

１…排ガス入口煙道、２…排ガス出口煙道、３…排ガ
ス、４…蒸発部、５…水供給配管、６…水噴霧ノズル、
７…脱硫剤供給配管、８…脱硫剤噴霧ノズル、９…旋回
ベーン、１０…回収脱硫剤、１１…ホッパー部、１２…
反応器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排ガス入口煙道にアルカリ金属系または
   アルカリ土類金属系の化合物を含む脱硫剤を乾式噴霧す
   るノズルと、該脱硫剤噴霧ノズルが配置された排ガス入
   口煙道の下流側に水噴霧ノズルおよび水の蒸発部を備え
   た排煙脱硫反応器において、該排煙脱硫反応器下部に旋
   回ベーンを備えたホッパー部を設け、かつ、ホッパー部
   には排ガス入口煙道を接続したことを特徴とする排煙脱
   硫反応器。