JPH0516848U - バケツト付き運搬車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷台へ土砂等を積み込むバケットを備えたバ
ケット付き運搬車において、土砂等を荷台に均平して多
く積み込めるようにすると共に、荷台に積み込んだ土砂
等を地面上へ撒く場合に均一に広く撒けるようにするこ
とを目的とする。 【構成】 車台１前部の荷台３にベルトコンベア２を設
け積荷を前後へ移動できるようにして、荷台３の左右側
部から前方へ突設したリフトアーム７，７にバケット８
を回動可能に設け、バケット８を荷台３上方で反転して
ベルトコンベア２に接近して収納可能にした。 【効果】 荷台３へ積み込む土砂等はベルトコンベア２
で後方へ送って均しながら多く積み込め、土砂等を地面
に撒く場合には、ベルトコンベア２で土砂等を前方へ送
りながらバケット８との間隙から排出させて均一に幅広
く撒ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、土砂や堆肥等を掬い上げるバケットを備えたバケット付き運搬車に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

バケット付運搬車は、例えば実公昭６１−８１３４号公報に記載されている。 この構造は、ダンプ可能にした荷台の左右両側部にショベル（バケット）を枢支 したアームを枢着したもので、荷台前方で掬い上げた土砂等の入ったショベルを 荷台上へ持ち上げて反転して落し込み、荷台上の土砂等を降す場合には荷台を前 方へダンプさせるようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のバケット付き運搬車は、荷台の中央部に土砂等をまとめてバケットから 落して積み込むため、荷台全体に均一にならず積み込み量が限られていた。 又、積み荷を降す場合には、荷台をダンプさせるため、一箇所にまとめて降す ことになり、例えば、路面上に土砂を均一に撒いたり田畑に堆肥を散布する作業 には使えない。 そこで、本考案では、荷台上へ多くの土砂等を積み込め、積み込んだ土砂等を 少しずつ均一に撒きながら走行する作業が行えるバケット付き運搬車を具現する ことを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

車台１上の前部にベルトコンベア２を前後方向へ移動可能に張架した荷台３を 設け、後部に原動機４を搭載した原動部５と操縦操作部６を設け、荷台３の先端 左右側部にリフトアーム７，７を上下回動可能に枢支し、このリフトアーム７， ７の先端にバケット８を回動可能に設け、リフトアーム７，７を上方へ回動して バケット８を反転してベルトコンベア２へ接近した状態で保持可能にバケット付 き運搬車を構成した。

【０００５】

【考案の作用及び効果】

左右のリフトアーム７，７を前下方へ回動してバケット８を掬い取り状態とし て車台１を前方へ走行させるとバケット８へ土砂等が掬い込まれ、リフトアーム ７，７を上方へ回動してバケット８を荷台３上で反転させると土砂等が荷台３上 へ落下し、ベルトコンベア２の後方への移動によって土砂等が荷台３の全体へ分 散されて均一に積み込まれる。

【０００６】 又、土砂等を撒きながら走行する場合には、バケット８を荷台３の前端位置で 反転してベルトコンベア２との間隙を適度に調節して保持しベルトコンベア２を 前方へ移動し車台１を後方へ走行することで、土砂等がバケット７とベルトコン ベア２との間隙より一定量ずつ地面へ撒かれることになる。 このように、本考案のバケット付き運搬車では、荷台３上へ土砂等を均一に多 く積み込め、又、地面へ土砂等を均一に撒きながら走行することもできることに なる。

【０００７】 尚、ベルトコンベア２を張架した荷台３を左右側方へダンプ可能にすれば、積 荷の土砂等を車台１の左右側方へ降す場合に、ベルトコンベア２を前方あるいは 後方へ動かしながら荷台３をダンプさせることで、土砂等がリフトアーム７，７ 等に溜ることを防ぐことができる。 バケット８の後側壁を上下調節可能にして、バケット８を荷台３上へ反転収納 した際にベルトコンベアとバケット８の後側壁との間隙を調節すればベルトコン ベア２を前方へ移動させて土砂等の積荷を路面上へ撒く際に排出量を調節できる ことになる。

【０００８】 さらに、左右のリフトアーム７，７の基部を一本の連動軸１１で連結して左右 一側部に配設した一個のアクチュエータ９の作動により連動軸１１を回動させて リフトアーム７，７を上下させ、他側部に配設した別のアクチュエータ１０の作 動によりバケット８を回動させる構成にすれば、アクチュエータ９，１０を左右 側部に１個ずつ設けることで構成でき、機構が簡単になる。

【０００９】

【実施例】

次に、図面に示す本考案の一実施例を説明する。 前後方向に長い車台１の下部にはクローラ１２からなる走行装置を具備し、車 台１の前部には荷台３を搭載し、車台１の後部には原動機４と油圧モータ１３を 搭載して原動部５を構成している。 原動部５の上部はカバー１４で覆い、後方へ向けてＵ字状に湾曲させたハンド ル杆１５を突設し、上方に向けて、操向用サイドクラッチレバー１６や走行・停 止を行う走行レバー１７を設け、ハンドル１５下方に変速レバー１８を立設して 操縦操作部６を構成している。

【００１０】 又、カバー１４の上部には、ベルトコンベア２の送り方向を前後に切り換えた り、駆動停止を行うコンベア操作レバー１９と、荷台３前方に設けるバケット８ を上下したり反転させたりするためのバケット操作レバー２０とを設けている。 荷台３の前端左右側部には、縦長の駆動ケース２１，２１を固着し、その下部 に横架した連動軸１１から前下方に向けてリフトアーム７，７を突設し、このリ フトアーム７，７の先端にバケット８を枢支している。

【００１１】 駆動ケース２１の一方には、バケット８の回転用油圧シリンダ１０をケース２ １に取り付けそのロッドを支軸２２に軸支したスプロケット２３のアーム２４に 取り付け、この油圧シリンダ１０の伸縮によってスプロケット２３が回転するよ うにしている。 スプロケット２３には、連動軸１１に回転可能に枢支したスプロケット２４と の間にチェン２５を巻き掛け、スプロケット２４と一体となったスプロケット２ ６とバケット８の支軸２７に固着したスプロケット２８との間にチェン２９を巻 き掛け、バケット回転用油圧シリンダ１０の伸縮でバケット８が回転するように している。

【００１２】 駆動ケース２１の他方には、バケット８の上下動用油圧シリンダ９をケース２ １に取り付けそのロッドを支軸３０に軸支したスプロケット３１のアーム３２に 取り付け、この油圧シリンダ９の伸縮によってスプロケット３１が回転するよう にしている。 尚、油圧シリンダ９，１０の代わりに油圧モータを用いてもよい。 スプロケット３１は、連動軸１１に固着したスプロケット３３との間にチェン ３４を巻き掛けている。

【００１３】 連動軸１１は、六角軸で左右両端部近くにリフトアーム７，７を固着し、この 連動軸１１が回転することでバケット８が上下動することになる。 バケット８は下方から前方へ向けて爪を突出させた掬い面３５と後側で起立し た後側壁３６を左右側壁３７，３８で一体化していて側壁３７，３８に突設した 支軸２７，２７をリフトアーム７，７に枢支している。 図示を省略したが、後側壁３６の上端部を別の板体で構成し上端位置を変更可 能に取り付けるようにする。

【００１４】 以上の如く構成したバケット付運搬車で土砂や堆肥等を荷台３上へ積み込む場 合には、バケット８を前下方に位置させて車台１を前進させる。この際にリフト アーム７，７は若干上下動自在にしてバケット８が地面の凹凸に追従するように している。バケット８内に土砂等が溜れば、車台１を停止させてバケット８を荷 台３上へ持ち上げてバケット８を反転させて土砂等を荷台３中へ落し込み、その 後ベルトコンベア２を後方へ移動させて土砂等を荷台３の後方へ移動させる。

【００１５】 土砂等の積み込みが終り、土砂等を地面へ撒く場合には、バケット８を荷台３ 上で反転させて固定した状態（鎖線位置）としてベルトコンベア２を前方へ移動 させながら車台１を後方へ走行させる。すると、土砂等がベルトコンベア２とバ ケット８の後側壁３６との間から地面上へ放出されることになる。この際に後側 壁３６の位置を上下に調節すれば、放出量を変えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】側面図である。

【図２】平面図である。

【図３】動力伝動系統図である。

【符号の説明】

１ 車台 ２ ベルトコンベア ３ 荷台 ４ 原動機 ５ 原動部 ６ 操縦操作部 ７ リフトアーム ８ バケット ９ アクチュエータ １０ アクチュエータ １１ 連動軸

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車台（１）上の前部にベルトコンベア
   （２）を前後方向へ移動可能に張架した荷台（３）を設
   け、後部に原動機（４）を搭載した原動部（５）と操縦
   操作部（６）を設け、荷台（３）の先端左右側部にリフ
   トアーム（７），（７）を上下回動可能に枢支し、この
   リフトアーム（７），（７）の先端にバケット（８）を
   回動可能に設け、リフトアーム（７），（７）を上方へ
   回動してバケット（８）を反転してベルトコンベア
   （２）へ接近した状態で保持可能にしてなるバケット付
   き運搬車。
2. 【請求項２】 ベルトコンベア（２）を張架した荷台
   （３）を左右側方へダンプ可能にしてなる実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載のバケット付き運搬車。
3. 【請求項３】 バケット（８）の後側壁を上下調節し
   て、バケット（８）を荷台（３）上へ反転収納した際に
   ベルトコンベア（２）とバケット（８）の後側壁との間
   隙を調節可能にしてなる実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載のバケット付き運搬車。
4. 【請求項４】 左右のリフトアーム（７），（７）の基
   部を一本の連動軸（１１）で連結して左右一側部に配設
   した一個のアクチュエータ（９）の作動により連動軸
   （１１）を回動させてリフトアーム（７），（７）を上
   下させ、他側部に配設した別のアクチュエータ（１０）
   の作動によりバケット（８）を回動させてなる実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載のバケット付き運搬車。