JPH05167123A - 超伝導素子の絶縁方法及び超伝導素子 - Google Patents

超伝導素子の絶縁方法及び超伝導素子

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JPH05167123A
JPH05167123A JP3333758A JP33375891A JPH05167123A JP H05167123 A JPH05167123 A JP H05167123A JP 3333758 A JP3333758 A JP 3333758A JP 33375891 A JP33375891 A JP 33375891A JP H05167123 A JPH05167123 A JP H05167123A
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Japan
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electrode layer
oxide film
film
niobium
resist pattern
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JP3333758A
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English (en)
Inventor
Teruo Kido
照雄 木戸
Yukihiro Utaka
幸弘 烏鷹
Tetsuo Tajima
哲郎 田嶋
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な平坦化処理を必要とせず、接合分離、
素子分離を達成する。 【構成】 基板2上に第1のニオブ薄膜4、トンネル障
壁層6、第2のニオブ薄膜8を形成し、トンネル障壁層
6をエッチングストッパとして、ジョセフソン接合部の
パターンニングを行なった後、トンネル障壁層6を介し
て第1のニオブ薄膜4の上部所定範囲を陽極酸化して接
合分離用の第1のニオブ酸化膜12を形成し、次いで、
残った第1のニオブ薄膜4aの所定箇所を基板2までの
全範囲、陽極酸化して、素子分離用の第2のニオブ酸化
膜16を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超伝導素子の絶縁方
法及び超伝導素子に関し、さらに詳細にいえば、特別な
平坦化処理を必要とせず、素子分離および接合分離がで
きる超伝導素子の絶縁方法及び超伝導素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン接合部のパターンニング方
法として特開昭62−172774号に開示された方法
がある。この方法は、図7に示すように、まず、基板7
1上にニオブ系の超伝導材料よりなるベース電極72の
被膜を形成し、レジスト74を用いて、ベース電極72
の上面の接合部76を形成する領域以外に、陽極酸化膜
73を形成する(図7(a)参照)。次いで、レジスト
74を残したままで、その陽極酸化膜73の上にエッチ
ングストッパ膜75を形成し(図7(b)参照)、ベー
ス電極72のパターンニングを行なう(図7(c)参
照)。次いで、その上に絶縁膜77を被膜し、エッチン
グによりこの絶縁膜77に接合部76を中心にした、接
合部76よりも大きい接合穴78を開口する(図7
(d)参照)。次いで、接合部76にトンネルバリア7
9の薄膜を形成し、このトンネルバリア79の上部およ
びエッチングストッパ膜75の露出面上と、絶縁膜77
の一部の上部にカウンター電極80を形成する(図7
(e)参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この特開昭62−17
2774号に示す従来技術では、ジョセフソン接合部7
6のパターンニングの前に素子の分離を行なっている。
従って、この方法では素子の分離(図7(c)における
基板71までのエッチング)と、接合の分離(図7
(d)における絶縁膜77のエッチング)との2回のエ
ッチングが必要であり、平坦化のプロセスもそれぞれの
エッチングに対応して2回必要となる。また、2回のエ
ッチングは、いずれもドライエッチングであるために、
真空が必要であり、素子の作製時間も長くなるという問
題点がある。
【0004】しかも、従来の平坦化のプロセスは、プロ
セスの制御が困難であったり、また、絶縁の不良を起こ
しやすいという難点がある。例えば、公知の平坦化技術
として、リフトオフ平坦化法とエッチバック平坦化法が
知られているが、リフトオフ平坦化法では、パターンニ
ングされたニオブ薄膜側面が絶縁膜で覆われず、隙間が
生じ、短絡等の問題が起こる恐れがある。また、単純に
リフトオフ平坦化法を採用すると、レジスト側面の絶縁
膜が完全に除去できない場合、この部分が残留し、素子
の輪郭部にバリが発生し、パターン切れを生じて素子の
歩留まりが低下する問題がある。また、エッチバック平
坦化法では、接合部を覆う絶縁膜とスピンコートされた
樹脂のエッチング速度が等しく、かつ導電性薄膜に対す
るエッチング速度の小さい条件を見つけねばならず、こ
のような条件を備えたエッチングを達成することが著し
く困難である。また、どこでエッチングを止めるべきか
が分かりにくく、エッチングしすぎると段差が生ずる、
逆にエッチング不足なら上部導電性薄膜が露出しなくな
るという製造上の難点がある。
【0005】従って、このような難点のある従来の平坦
化のプロセスを2回も行なうことに起因して、素子の信
頼性、再現性が大幅に低下してしまうという問題点があ
る。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、特別な平坦化プロセスを必要とせず、簡単
かつ高速に素子分離及び接合分離を達成することができ
る超伝導素子の絶縁方法と超伝導素子を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の超伝導素子の絶縁方法は、下部電極
層、トンネル障壁層、上部電極層のサンドイッチ構造を
作成するトンネル型ジョセフソン接合層形成工程と、ジ
ョセフソン接合層上に第1のレジストパターンを形成
し、そのレジストパターンをマスクとして上部電極層を
トンネル障壁層までエッチングし、ジョセフソン接合部
をパターンニングするエッチング工程と、第1のレジス
トパターンを残したまま、トンネル障壁層を介して下部
電極層を上部所定厚み範囲において陽極酸化して、ジョ
セフソン接合部分離用の絶縁膜を形成する第1の陽極酸
化膜形成工程と、第1のレジストパターンを含んで、第
1のレジストパターンよりも大きい、第2のレジストパ
ターンを形成し、そのレジストパターンをマスクとし
て、残された下部電極層をその膜厚の全範囲まで陽極酸
化して、素子分離用の絶縁膜を形成する第2の陽極酸化
膜形成工程と、を含んでいる。
【0008】請求項2の超伝導素子の絶縁方法は、請求
項1に記載の超伝導素子の絶縁方法であって、第2の陽
極酸化膜の上面が、上部電極層の上面と一致する厚みと
なるように、下部電極層と上部電極層の層厚比を設定す
る。請求項3の超伝導素子の絶縁方法は、請求項1に記
載の超伝導素子の絶縁方法であって、第1の陽極酸化膜
の上面が、上部電極層の上面と一致する厚みとなるよう
に、下部電極層と上部電極層の層厚比を設定する。
【0009】請求項4の超伝導素子の絶縁方法は、請求
項3に記載の超伝導素子の絶縁方法であって、第2の陽
極酸化膜の上面を第1の陽極酸化膜の上面と一致させる
べく、第2の陽極酸化膜が形成される下部電極層の領域
の層厚を薄く設定する。請求項5の超伝導素子の絶縁方
法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の超伝導
素子の絶縁方法であって、下部電極層の下面に、超伝導
特性を示さない導電膜を形成する導電膜形成工程をさら
に含んでいる。
【0010】請求項6の超伝導素子は、下部電極層、ト
ンネル障壁層、上部電極層のサンドイッチ構造を作成す
るトンネル型ジョセフソン接合部と、第1の陽極酸化膜
と下部電極層より薄い電極層との積層構造部と、第2の
陽極酸化膜とが、トンネル型ジョセフソン接合部を基準
としてこの順に配置されている。
【0011】
【作用】請求項1の超伝導素子の絶縁方法であれば、第
1の陽極酸化膜を形成することによりジョセフソン接合
部の分離が達成され、また、第2の陽極酸化膜を形成す
ることによりジョセフソン接合を有する超伝導素子の素
子分離を行なうことができるので、簡単に素子分離およ
び接合分離ができる。また、エッチングに伴って従来は
必要であった平坦化処理が不要となり、素子の信頼性、
再現性が向上する。さらに、エッチングが1回だけです
み、エッチングのために真空にひくことが1回だけでよ
いので素子の製作が高速化できる。
【0012】請求項2の超伝導素子の絶縁方法であれ
ば、第2の陽極酸化膜の上面が、上部電極層の上面と一
致するように下部電極層と上部電極層の層厚比が設定さ
れているので、2回の陽極酸化を行なうだけで、素子の
上面がほぼ平坦化される。なお、この方法では、第1の
陽極酸化膜の上面は第2の陽極酸化膜の上面に比べて、
微小距離だけ凹んだ構成となるが、平坦化の要請は充足
している。
【0013】請求項3の超伝導素子の絶縁方法であれ
ば、第1の陽極酸化膜の上面が、上部電極層の上面と一
致できるので、2回の陽極酸化を行なうだけで、素子の
上面がほぼ平坦化される。なお、この方法では、第2の
陽極酸化膜の上面は第1の陽極酸化膜の上面に比べて、
微小距離だけ突出した構成となるが、平坦化の要請は充
足している。
【0014】請求項4の超伝導素子の絶縁方法であれ
ば、予め、第2の陽極酸化膜が形成される下部電極層の
領域の層厚を薄くなっているので、上部電極層の上面、
第1の陽極酸化膜の上面、第2の陽極酸化膜の上面をす
べて面一にすることができ、2回の陽極酸化を行なうだ
けで、素子の上面が完全に平坦化される。請求項5の超
伝導素子の絶縁方法であれば、下部電極層の下面に、超
伝導特性を示さない導電膜を形成することにより、陽極
酸化時に、部分的に陽極酸化されない領域をなくすこと
ができ、陽極酸化すべき領域全面を完全に陽極酸化する
ことができ、この部分を良好に平坦化することができ
る。
【0015】請求項6の超伝導素子であれば、第1の陽
極酸化膜は接合部分離用の絶縁層として機能し、積層構
造部の下部電極層より薄い電極層は下部配線層として機
能し、第2の陽極酸化膜は素子分離用の絶縁膜として機
能する。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(c)
はそれぞれこの発明の第1実施例の超伝導素子の絶縁方
法を示す図である。シリコンウエハーからなる基板2上
に、スパッタリング法などにより、下部電極層としての
第1のニオブ薄膜4、トンネル障壁層6(Al−AlO
x薄膜)、上部電極層としての第2のニオブ薄膜8を形
成する(図1(a)参照)。この時、第1のニオブ薄膜
4と第2のニオブ薄膜8の膜厚比ta:tbは約1:
1.6となるように形成する。具体的には、アルゴンガ
ス圧8mTorr、電流2AのDCスパッタリング法に
より膜厚100nmの第1のニオブ薄膜4、膜厚5nm
のトンネル障壁層6、膜厚160nmの第2のニオブ薄
膜8をこの順に積層する。
【0017】次いで、パターン幅L1のジョセフソン接
合部のレジストパターン10(第1のレジストパター
ン)を形成して(図1(a)参照)、第2のニオブ薄膜
8をRIE(Reactive Ion Etching 反応性イオンエッ
チング)によりエッチングし、ジョセフソン接合部のパ
ターンニングを行なう(図1(b)参照)。代表的なエ
ッチング条件は、エッチングガスCF4、ガス圧200
mTorr、RFパワー100Wである。このとき、エ
ッチングはトンネル障壁層6が露出した位置で終了す
る。
【0018】次いで、この第1のレジストパターン10
を残したまま、トンネル障壁層6を介して第1のニオブ
薄膜4を上部所定厚み範囲において、陽極酸化して第1
のニオブ酸化膜12を形成する(図1(c)参照)。こ
の時、トンネル障壁層6は5nmなので、そのまま第1
のニオブ薄膜4の酸化が可能となる。また、基板2まで
完全に陽極酸化せずに残った第1のニオブ薄膜4a(膜
厚はt0)は、下部電極の配線用に残す(図1(c)参
照)。また、その残された第1のニオブ薄膜4aの平面
領域の一部が、後述する超伝導素子の分離用の第2のニ
オブ酸化膜の形成に使われる。
【0019】次いで、第1のレジストパターン10を除
去した後(図1(d)参照)、素子分離用のレジストパ
ターン14(第2のレジストパターン)を作成する。素
子分離用のレジストパターン14の幅L2はジョセフソ
ン接合部のパターン幅L1(図1(a)参照)よりも大
きく形成され、L1をその範囲に含むように形成される
(図2(a)参照)。
【0020】次いで、素子分離用のレジストパターン1
4を残したまま、膜厚t0で残された第1のニオブ薄膜
4aを基板2の上面まで陽極酸化して、第2のニオブ酸
化膜16を形成する(図2(b)参照)。最後に、素子
分離用のレジストパターン14を除去して、接合分離及
び素子分離のプロセスが終了する(図2(c)参照)。
【0021】なお、ニオブの陽極酸化の形成条件とし
て、例えば、ほう酸アンモニウム156g、エチレング
リコール1120ml、水760mlを混合したもの
を、電解液として用い、白金電極を陰極に設定し、ニオ
ブ薄膜の形成された基板を陽極に設定する(H.Kroger,L.
N.Smith,and D.W.Jillie ,“Selective niobium anodiz
ation process for fabricating Josephson tunnel jun
ctions" ,Applied PhysicsLetter,39(3), p.280-282, A
ugust 1981)。このとき、軽く溶液を攪拌させながら、
電流が一定になるように電圧を加えることが好ましい。
【0022】図3は上記のような陽極酸化を行なう装置
の模式的な構成を示す縦断面図である。この陽極酸化装
置においては、電解溶液25を入れた容器22内に、白
金(Pt)電極23とニオブ薄膜が形成されたシリコン
基板ウエハー24が対向して、それぞれ電解溶液25内
に漬けられた状態で設けられている。また、白金電極2
3とシリコン基板ウエハー24との間には電圧源26、
電流計27を直列に接続し、印加電圧を陽極酸化厚みに
適合する所定電圧まで徐々に増加するとともに、電流値
を確認できるようにしている。電解溶液25が入った容
器22の底の下側にはスターラ28が設けられ、電解溶
液25内に置かれた磁性部材29を動かすことにより、
電解溶液25を攪拌する。また、必要に応じて容器22
内の所定位置にはヒータ30が設けられ、電解溶液25
を加熱できるように構成されている。なお、図3におい
て、白金電極23とニオブ薄膜が形成されたシリコン基
板ウエハー24からなる対向電極を複数並列に容器22
内に配置すれば、1回の陽極酸化処理で複数のニオブ膜
を陽極酸化できる。
【0023】ニオブの陽極酸化では、電圧1Vあたり、
膜厚0.88nmのニオブを用いて、膜厚2.3nmの
ニオブ酸化膜が形成される。従って、図1(c)に示し
た第1のニオブ薄膜4をその膜厚の全てを陽極酸化した
ときに、形成される第2の陽極酸化膜16の膜厚t3
が、ジョセフソン接合部の膜厚t1と同じになるよう
に、第1のニオブ薄膜4と第2のニオブ薄膜8の膜厚比
を予め、設定しておく。具体的には、先述したように、
第1のニオブ薄膜4と第2のニオブ薄膜8の膜厚比t
a:tbを約1:1.6とする。つまり、エッチングに
より除去される第2のニオブ薄膜8の膜厚を、第1のニ
オブ薄膜4が陽極酸化されることに伴う膜厚増加を予
め、見込んで設定しておく。そして、第1のニオブ薄膜
4の膜厚に応じて、印加電圧を設定することにより、第
2のニオブ酸化膜16の上面と、第2のニオブ薄膜8の
上面(ジョセフソン接合部の上面)とを面一状にでき
る。
【0024】なお、下部配線層として残された第1のニ
オブ薄膜4aと第1のニオブ酸化膜12の合計の膜厚t
2は、ジョセフソン接合部の膜厚t1、第2のニオブ酸
化膜16の膜厚t3とはそれぞれ一致しない。しかしな
がら、第1のニオブ酸化膜12の上面と第2のニオブ酸
化膜16の上面との微小段差Δx1は、基板2上に積層
される上層の配線の厚みに比べて十分に小さい段差であ
るから、平坦化の要請に適合するものである。
【0025】なお、この実施例において、図1では、第
1のレジストパターン10を除去した後、第2のレジス
トパターン14を作成する場合を示したが、第1のレジ
ストパターン10を残したまま、第2のレジストパター
ン14を作成してもよい。
【0026】
【実施例2】次に、この発明の第2実施例を図4に従っ
て説明する。この実施例はスパッタリング法などにより
超伝導特性を示す第1のニオブ薄膜4を形成する前に、
その第1のニオブ薄膜4の下面に超伝導特性を示さない
導電膜20を形成する導電膜形成工程を、さらにつけ加
えたものである。
【0027】このように超伝導特性を示す第1のニオブ
薄膜4の下面に超伝導特性を示さない導電膜20を設け
ることにより、陽極酸化速度のばらつきに起因して、陽
極酸化されず残る部分に対しても陽極酸化を続行できる
ことになり、陽極酸化すべき領域の全範囲にわたって完
全な陽極酸化が可能になる。従って、陽極酸化のばらつ
きに起因する凹凸を排除し、良好な平坦化が可能にな
る。また、超伝導薄膜素子の動作時には、導電膜20は
絶縁膜として働くので、絶縁不良の問題は生じない。
【0028】なお、ニオブを陽極酸化するときに、Nb
Oは超伝導特性を示すので、NbOではなくてNb25
にすることが好ましい。また、Nb25は誘電率が高い
ので超伝導コンピュータ用の素子としてはあまり好まし
くないが、例えば、dc−SQUID磁力計として採用
する場合にはこのような不都合はない。
【0029】
【実施例3】次に、この発明の第3実施例について図5
(a)〜(d)に従って説明する。この実施例は、第1
実施例における第1のニオブ酸化膜12の形成時に(図
1(d)参照)、ジョセフソン接合部の上面と第1のニ
オブ酸化膜12の上面の微小段差Δx1をなくし、面一
にするために、第1のニオブ酸化膜12をジョセフソン
接合部の上面と同一位置まで形成する方法である(図5
(a)参照)。この面一状態まで形成された第1のニオ
ブ酸化膜を符号32で示す。このように、第1のニオブ
酸化膜32をジョセフソン結合部の上面と面一にするた
めに、下部電極層である第1のニオブ薄膜4の膜厚が、
上部所定厚み範囲において部分的に陽極酸化しただけ
で、第1のニオブ酸化膜32が面一になるように、第1
のニオブ薄膜4と第2のニオブ薄膜8の膜厚比ta:t
bを設定しておく。即ち、第1実施例に比べて、第1の
ニオブ薄膜4を厚く設定する。従って、第1のニオブ薄
膜4を厚さ方向に全範囲、陽極酸化してできる第2のニ
オブ酸化膜36は、ジョセフソン接合部の上面位置より
も、すこし高くなる。
【0030】以下、図面に従って、説明すれば、第1の
ニオブ酸化膜32を面一状態まで形成された後に(図5
(a)参照)、第1実施例と同様に、素子分離用のレジ
ストパターン34を作成する(図5(b)参照)。そし
て、素子分離用のレジストパターン34を残したまま、
膜厚t0で残された第1のニオブ薄膜4aを基板2まで
陽極酸化して、第2のニオブ酸化膜36を形成する(図
5(c)参照)。
【0031】その後、素子分離用のレジストパターン3
4を除去して、接合分離及び素子分離、平坦化のプロセ
スが終了する(図5(d)参照)。この実施例で作成さ
れる超伝導素子は、接合部の膜厚t1と、下部配線層と
して残された第1のニオブ薄膜4aと第1のニオブ酸化
膜32とトンネル障壁層6の合計の膜厚t2が等しく、
第2のニオブ酸化膜36の膜厚t3だけが、突出した構
成となる。なお、この突出厚みΔx2(=t3−t1)
は平坦化の要請の限界値を越えない値である。
【0032】
【実施例4】この発明の第4実施例について図6(a)
〜(d)に従って説明する。この実施例は、素子形成後
の面がすべて面一になるように構成するものである。そ
のためには、下部電極層としての第1のニオブ薄膜4を
形成するに当たって、前記第3実施例と同様に陽極酸化
を行なった場合に、第2のニオブ酸化膜36の微小段差
Δx2に相当する微小段差Δdを、第2のニオブ酸化膜
36が形成される領域に対応させて予め設けておけばよ
い(図6(a)参照)。この微小段差Δdは、例えば、
スパッタリングにより、第1のニオブ薄膜4を形成する
ときに、その部分だけマスクをしておくことにより、形
成できる。
【0033】そして、その後は、前記実施例と同様に、
第1のニオブ酸化膜32を形成し(図6(b)参照)、
素子分離用のレジストパターン40を形成した後、陽極
酸化により第2のニオブ酸化膜42を形成して、素子の
全面を面一にする(図6(c)参照)。その後、素子分
離用のレジストパターン40を除去して、接合分離及び
素子分離、平坦化のプロセスが終了する(図6(d)参
照)。
【0034】この実施例の場合、基板からのジョセフソ
ン接合部の厚さt1、下部配線層として残された第1の
ニオブ薄膜4aと第1のニオブ酸化膜32とトンネル障
壁層6との合計の厚さt2,及び第2のニオブ酸化膜4
2の厚さt3がすべて同じであり、平坦化の精度は一番
良好である。なお、この発明は上記の実施例に限定され
るものではなく、この発明の要旨を変更しない範囲内に
おいて種々の設計変更を施すことが可能である。例え
ば、前記実施例では導電性材料としてニオブを用いた
が、ニオブ以外の材料であっても陽極酸化が可能な導電
性材料ならば、同様に適用可能である。また、前記実施
例では、基板2の上にこの発明に係る超伝導素子を作成
したが、幾層にも積層された薄膜上に、絶縁膜を介し
て、この発明の超伝導素子を形成してもよいことは明ら
かである。
【0035】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、厚みを
異ならせて、2段階に陽極酸化膜を形成することによ
り、簡単に、ジョセフソン接合分離と素子分離が達成さ
れ、かつ特別な平坦化処理も不要であり、さらにエッチ
ングも1回だけでよいので製造が高速化でき、簡単に良
好な絶縁を得ることができるという特有の効果を奏す
る。
【0036】請求項2の発明は、第2の陽極酸化膜の上
面が、上部電極層の上面と一致するように下部電極層と
上部電極層の層厚比を設定しているので、陽極酸化を行
なうだけで、特別な平坦化プロセスを必要とせず、素子
の上面を平坦化できるという特有の効果を奏する。請求
項3の発明は、第1の陽極酸化膜の上面を上部電極層の
上面と一致でき、特別な平坦化プロセスを必要とせず、
素子の上面を平坦化できるという特有の効果を奏する。
【0037】請求項4の発明は、上部電極層の上面、第
1の陽極酸化膜の上面、第2の陽極酸化膜の上面をすべ
て面一にすることができ、良好な平坦化を達成できると
いう特有の効果を奏する。請求項5の発明は、下部電極
層の下面に、超伝導特性を示さない導電膜を形成するこ
とにより、陽極酸化領域の全範囲を平坦化できるので、
一層良好な平坦化を達成できるという特有の効果を奏す
る。
【0038】請求項6の発明は、エッジ段差に起因する
短絡、パターン切れ等を大幅に軽減でき、素子の信頼性
と再現性を向上させることができるという特有の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の超伝導素子の絶縁方法の第1実施例
の一部を説明する縦断面図である。
【図2】この発明の超伝導素子の絶縁方法の第1実施例
の残部を説明する縦断面図である。
【図3】陽極酸化装置の構成を概略的に示す縦断面図で
ある。
【図4】この発明の超伝導素子の絶縁方法の第2実施例
を説明する縦断面図である。
【図5】この発明の超伝導素子の絶縁方法の第3実施例
を説明する縦断面図である。
【図6】この発明の超伝導素子の絶縁方法の第4実施例
を説明する縦断面図である。
【図7】従来のジョセフソン接合部のパターンニング方
法を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2 基板 4 第1のニオブ薄膜 4a 残された
第1のニオブ薄膜 6 トンネル障壁層 8 第2のニオブ薄膜 10 ジョセフソン接合分離用レジストパターン 12,32 第1のニオブ酸化膜 14,34,40 素子分離用レジストパターン 16,36,42 第2のニオブ酸化膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部電極層(4)、トンネル障壁層
    (6)、上部電極層(8)のサンドイッチ構造を作成す
    るトンネル型ジョセフソン接合層形成工程と、ジョセフ
    ソン接合層上に第1のレジストパターン(10)を形成
    し、そのレジストパターン(10)をマスクとして上部
    電極層(8)をトンネル障壁層(6)までエッチング
    し、ジョセフソン接合部をパターンニングするエッチン
    グ工程と、第1のレジストパターン(10)を残したま
    ま、トンネル障壁層(6)を介して下部電極層(4)を
    上部所定厚み範囲において陽極酸化して、ジョセフソン
    接合部分離用の絶縁膜を形成する第1の陽極酸化膜(1
    2)の形成工程と、第1のレジストパターン(10)を
    含んで、第1のレジストパターン(10)よりも大きい
    第2のレジストパターン(14)を形成し、そのレジス
    トパターン(14)をマスクとして、残された下部電極
    層(4a)をその膜厚の全範囲まで陽極酸化して、素子
    分離用の絶縁膜を形成する第2の陽極酸化膜(16)の
    形成工程と、を含むことを特徴とする超伝導素子の絶縁
    方法。
  2. 【請求項2】 第2の陽極酸化膜(16)の上面が、上
    部電極層(8)の上面と一致する厚みとなるように、下
    部電極層(4)と上部電極層(8)の層厚比を設定する
    請求項1に記載の超伝導素子の絶縁方法。
  3. 【請求項3】 第1の陽極酸化膜(32)の上面が、上
    部電極層(8)の上面と一致する厚みとなるように、下
    部電極層(4)と上部電極層(8)の層厚比を設定する
    請求項1に記載の超伝導素子の絶縁方法。
  4. 【請求項4】 第2の陽極酸化膜(42)の上面を第1
    の陽極酸化膜(32)の上面と一致させるべく、第2の
    陽極酸化膜(42)が形成される下部電極層(4)の領
    域の層厚を薄く設定する請求項3に記載の超伝導素子の
    絶縁方法。
  5. 【請求項5】 下部電極層(4)の下面に、超伝導特性
    を示さない導電膜(20)を形成する導電膜形成工程を
    さらに含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    超伝導素子の絶縁方法。
  6. 【請求項6】 下部電極層(4)、トンネル障壁層
    (6)、上部電極層(8)のサンドイッチ構造を作成す
    るトンネル型ジョセフソン接合部と、第1の陽極酸化膜
    (12)(32)と下部電極層(4)より薄い電極層
    (4a)との積層構造部と、第2の陽極酸化膜(16)
    (36)(42)とが、トンネル型ジョセフソン接合部
    を基準としてこの順に配置されていることを特徴とする
    超伝導素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5710437A (en) * 1993-03-05 1998-01-20 Nippon Steel Corporation Radiation detecting device using superconducting tunnel junction and method of fabricating the same
CN108539004A (zh) * 2018-04-25 2018-09-14 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 亚微米约瑟夫森隧道结及其制备方法

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