JPH05166517A - 固体電解質型燃料電池と製造方法 - Google Patents

固体電解質型燃料電池と製造方法

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JPH05166517A
JPH05166517A JP3327888A JP32788891A JPH05166517A JP H05166517 A JPH05166517 A JP H05166517A JP 3327888 A JP3327888 A JP 3327888A JP 32788891 A JP32788891 A JP 32788891A JP H05166517 A JPH05166517 A JP H05166517A
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JP
Japan
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fuel cell
support tube
solid electrolyte
oxide fuel
anode
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JP3327888A
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Kazushi Shimizu
一志 清水
Shizuyasu Yoshida
静安 吉田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
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    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/12Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte
    • H01M8/1213Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte characterised by the electrode/electrolyte combination or the supporting material
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガス拡散性と機械的強度に優れるうえ、固体電
解質体と熱膨張率が整合した多孔質支持管を得る。この
多孔質支持管はアノードも兼ねる。 【構成】アノードである多孔質支持管は固体電解質体と
主成分を同じくする固体電解質であるマトリックスとこ
のマトリックスに支持されたアノードの働きをする電子
伝導体からなる。電子伝導体と、固体電解質体と主成分
を同じくする固体電解質とを混合し焼成し且つ粉砕して
平均粒子径が50ないし300μmの範囲にある顆粒を
調製したあと成形し且つ焼成してアノードである多孔質
支持管を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はチューブ型の固体電解
質型燃料電池とその製造方法に係り、特にガス透過性と
機械的強度に優れる多孔質支持管およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質型燃料電池は電解質として固
体のジルコニアを用い、800ないし1000℃の高温
で作動させる燃料電池であり、電解質の支持や腐食の問
題がなく作動中の活性化過電圧を下げる触媒が不要であ
るなどの優れた特徴があり活発に研究されている。図4
は従来の固体電解質型燃料電池のユニットセルを示す斜
視図である。この電池は多孔質支持管17に機械的強度
を持たせ、この外側に単セルを形成するものでその出力
密度は平板型や一体型のように大きくはできないが軸方
向または軸に垂直方向の温度勾配による応力の解消には
対応できる最適な機械的構造である。
【0003】詳述すると多孔質支持管17の上にアノー
ド18としてニッケル−ジルコニアサーメットNi−Z
rO2 が形成され、さらに固体電解質体12としてイッ
トリア安定化ジルコニア、そしてカソード13としてス
トロンチウムがドープされたランタンマンガナイトLa
(Sr)MnO3 が形成される。ユニットセル間はラン
タンクロマイトLaCrO3 からなるインタコネクショ
ン14により内部電極であるアノード18が電子的に接
続されている。酸素または一酸化炭素等の燃料ガスは矢
印15で示すように支持管の内部を軸方向に流れ、空気
等の酸化剤ガスが矢印16に示すようにユニットセルの
外側を流れる。この方式によれば通気性のある多孔質支
持管17がユニットセルに構造上の剛性を与えている。
【0004】固体電解質型燃料電池の支持管に求められ
る主な仕様は次の通りである。 1)ガスの拡散が律速とならないだけの十分大きな貫通
孔を有し、ガスの拡散性が良好であること。 2)製作中あるいは発電中の熱衝撃に耐える機械的強度
を有すること。 3)酸化あるいは還元雰囲気中において化学的に安定で
あること。 4)他の燃料電池構成部材と化学的に反応しないこと。 5)燃料電池構成部材と熱膨張率の整合性があること。
【0005】上記のうち、ガスの拡散性と機械的強度と
は相関関係があり気孔率を高めるとガス拡散性は良好に
なるが機械的強度が減少する。これに対し気孔率を下げ
るとガスの拡散性が低下するが機械的強度は向上する。
従って支持管の性能を最適化するには気孔率を制御する
ことが必要でガス拡散性と機械的強度から最適の点が求
められる。従来支持管にはカルシアで安定化したジルコ
ニアやニッケルとイットリア安定化ジルコニアのサーメ
ット、α−アルミナ等が用いられてきた。
【0006】燃料を水素とした場合、電流i0 とアノー
ドへの必要なH2 の理論供給速度Q H2との関係は次式で
表される。 QH2=i0 /2F (1) ここでFはファラディ定数である。これにより1A/c
2 電流密度においては燃料利用率を40%とするとと
アノードへのH2 の理論供給速度は17.4ml/mi
n・cm2 となる。これは最低必要とされる量であって
実際には作動温度,利用率等を考慮してこれより大きな
ガス流量が必要とされる。
【0007】アノードである多孔質支持管のガス供給速
度Qとガス透過係数φは下式の関係にある。 Q/S=φ・ΔP/t (2) ここでΔPは支持管にかかる差圧、tは支持管の厚さ、
Sは断面積である。上式を用いて多孔質支持管のガス拡
散性はガス透過係数φの値により評価することができ
る。1000℃におけるガスの体積膨張等を考慮すると
支持管に必要なガス透過係数は10-2程度であると予想
される。固体電解質型燃料電池の製造に際しては支持管
を成形した後アノードやカソードの電極を積層し次いで
1200ないし1500℃の温度で焼成される。このよ
うな高温において電極物質が支持管と反応してはならな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】支持管と固体電解質体
との熱膨張率が相違するときは、表層に形成した電解質
体が剥離する。この問題は支持管にアルミナを使用した
場合に特に起こりやすい。この問題を防止するために熱
膨張率の整合した例えばカルシアで安定化したジルコニ
ア等のジルコニア質の支持管を使用することが試みられ
た。しかし原料として微粒子を使用した場合には焼結に
より緻密化して多孔質のものが得られず、また粗粒子を
使用すると焼結が阻害されて所要の機械的強度のものが
得られないという問題があった。
【0009】またニッケルNiとイットリア安定化ジル
コニアYSZで支持管を調製すると支持管をアノードと
しても使用することができるうえ、ガス拡散性の向上、
固体電解質型燃料電池の重量減少が期待できる。このよ
うな支持管は酸化ニッケルとイットリア安定化ジルコニ
アとを用いて支持管を成形し焼成したのち電池を組み立
てて燃料ガスを流すことにより調製される。燃料ガスに
より酸化ニッケルが還元される。しかしながらこのよう
にして得られたNi−YSZ支持管はそのニッケル含有
量を電子伝導性が確保できる30体積%に減少させた場
合においても還元により体積収縮が%オーダで発生し、
支持管表層の固体電解質体に曲げが生じたり、クラック
が発生したり、ひいては支持管自体にクラックが発生し
たりした。
【0010】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的は、固体電解質体と熱的整合性を有し、ガス拡散性と
機械的強度にも優れるアノードである多孔質支持管を開
発することにより、特性と信頼性に優れる固体電解質型
燃料電池およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的は第一の発明
によれば、アノードである多孔質支持管と、この多孔質
支持管の外周面に積層された固体電解質体およびインタ
コネクションと、さらに前記固体電解質体の外周面に積
層されたカソードとを有し、アノードである多孔質支持
管は前記固体電解質体と主成分を同じくする固体電解質
であるマトリックスと、このマトリックスに支持された
アノードの働きをする電子伝導体からなるとすること、
また第二の発明によれば第一の工程と第二の工程を有
し、第一の工程は、電子伝導体と、固体電解質体と主成
分を同じくする固体電解質とを混合し仮焼し且つ粉砕し
て平均粒子径が50ないし300μmの範囲にある顆粒
を調製する工程であり、第二の工程は、前記顆粒を成形
し且つ焼成してアノードである多孔質支持管を調製する
工程であるとすることにより達成される。
【0012】
【作用】電子伝導体と固体電解質からなる多孔質支持管
の組成を最適化することにより、アノードとしての伝導
性を維持し且つ多孔質支持管を固体電解質体と熱的に整
合させることができる。多孔質支持管はその平均空孔径
によりガス拡散性と機械的強度の最適化が図られる。平
均空孔径が2μm以上あると反応ガスの拡散性が良くな
る。平均空孔径が15μm以下であると、熱衝撃に対す
る機械的強度が得られる。固体電解質体は酸化、還元に
対して安定なものが使用されるので主成分を同じくする
固体電解質からなるマトリックスは酸化、還元に対して
安定である。電子伝導体と、固体電解質体と主成分を同
じくする固体電解質とを混合し仮焼し且つ粉砕して平均
粒子径が50ないし300μmの範囲にある顆粒を調製
し、次いで成形し焼成すると、ガス拡散性と機械的強度
に優れる、アノードである多孔質支持管が得ることが出
来る。
【0013】
【実施例】
実施例1 次にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1
はこの発明の実施例に係る固体電解質型燃料電池を示す
斜視図である。この電池はアノードである多孔質支持管
11とその外周面の表面に積層された固体電解質体12
とインタコネクション13、および固体電解質体12の
表面に積層されたカソード13とからなっている。アノ
ードである多孔質支持管11の内部には燃料ガスが流さ
れ、カソード13の外部には酸化剤ガス16が流され
る。
【0014】このような固体電解質型燃料電池は次のよ
うにして調製される。アノードである多孔質支持管11
は後述する。固体電解質体12はイットリアで安定化さ
れた緻密質のジルコニア(厚さ40ないし200μm)
であり、7ないし50μmの粒度範囲を持つYSZ(P
C−YZ14W/F:日本研磨工業製)を減圧プラズマ溶
射法によりアノードである多孔質支持管11の上に付着
させた。カソード13は厚さ50ないし200 μm のぺロブ
スカイト系複合酸化物である。例えばアルカリ土類また
は稀土類がドープされ、あるいはドーピングされない酸
化物又は酸化物類の混合物であり、例えばランタンマン
ガナイト LaMnO3,ランタンニッケライトLaNiO3, ランタ
ンコバルタイト LaCoO3,ランタンクロマイトLaCrO3等の
酸化物及びこれらの組み合わせからなる。好ましいドー
パントは、ストロンチウム、カルシウム等である。例え
ばストロンチウムをドープしたランタンマンガナイト L
a0 .85Sr0.15MnO3 を用いる場合について説明する。粉混
ぜ法を用いて合成する時の出発物質としては、酸化ラン
タンLa2O3 , 炭酸マンガン MnCO3及び炭酸ストロンチウ
ムSrCO3 を用い、 La0.85Sr0.15MnO3 の組成となるよう
秤量する。これに水を加え湿式混合し乾燥後解砕したも
のを、空気中, 1250℃,6h 仮焼し、 La0.85Sr0.15MnO3
の仮焼粉を得る。この仮焼粉を解砕して得られた粉末
は、X線回折により、ぺロブスカイト単相であることを
確認した。得られた粉末は、バインダとしてポリビニル
ブチラール、湿潤剤としてポリエチレングリコール、並
びに可塑剤としてフタル酸ジオクチルをトルエンとイソ
プロピルアルコールの混合溶媒(60:40wt%)中に添加し、
ボールミルで 12h湿式混合する。得られたスラリは、真
空グローブボックス内にて約 160mmHgの圧力で10〜30
分間脱泡した。このスラリを塗布法を用いて、既に形成
された固体電解質体上に塗布し且つ焼成した。
【0015】各ユニットセルは、隣接するユニットセル
と少なくとも直列に接続されている。例えば、ユニット
セルの選定した軸方向に於いて、電気化学的に活性な長
さ全体に沿って電気的な接続が行われる。ここでは、ア
ノードである多孔質支持管の外周面長さ方向の所定部に
固体電解質体形成時にマスクを施しておき、この部分に
インタコネクション14を付着させる。このユニットセ
ルの活性長全体に伸びるインタコネクション14は、還
元雰囲気及び酸化雰囲気の両雰囲気下で導電性を維持し
なければならない。従って、好ましいインタコネクショ
ン材はアルカリ土類或いは稀土類がドープされたLaCrO3
である。好ましいドーパントはストロンチウム, カルシ
ウム, マグネシウム等である。例えば、カルシウムをド
ープしたLa0.7Ca0.3CrO3を用いる場合について説明す
る。粉混ぜ法を用いて合成する時の出発物質としては、
酸化ランタンLa2O3,酸化クロム Cr2O3及び炭酸カルシウ
ムCaCO3 を用い、各粉末の所定量を混合し、空気中, 14
00℃,5h 仮焼し、これを8hボールミルにて粉砕した。合
成した仮焼粉は、X線回折を行い、ぺロブスカイト単相
であることを確認した。これを44μm 〜74μm の粒度範
囲に分級し、減圧プラズマ溶射により厚さ40ないし100
μm の緻密なインタコネクション14を形成した。
【0016】次に、アノードである多孔質支持管11の
平均空孔径とガス拡散性の関係について以下に述べる。
アノード材としては、酸化ニッケルとイットリア安定化
ジルコニア、酸化コバルトとイットリア安定化ジルコニ
ア等が好ましいが、ここでは酸化ニッケルとイットリア
安定化ジルコニアを用い、アノードである多孔質支持管
の平均空孔径はバインダの種類と添加量、焼成方法、原
料粉末の粒度などを組み合わせることで任意に制御し
た。また多孔質支持管の厚さは2.0 〜3.0 mmとし、多
孔質支持管の空孔径分布は水銀圧入法により測定した。
アノードである多孔質支持管のガス透過係数は、室温で
のN2透過量から算出した。
【0017】図2はアノードである多孔質支持管の平均
空孔径とガス透過係数の関係を示す線図である。固体電
解質型燃料電池の高温作動下における反応ガスの拡散が
電極反応の律速とならないためのガス透過係数10-2〔c
2 ・s-1・cmH2 -1〕を得るには、2 μm 以上の
平均空孔径が必要であることがわかる。なおこれはアノ
ード材とジルコニア粗粒粉からなる顆粒の平均粒子径50
μm に対応している。一方、多孔質支持管のガス透過係
数が大きくなるほど、ガス拡散性は向上するが平均空孔
径の増大に伴って、機械的強度が低下し、運転時の熱衝
撃等によってクラックが発生し易くなる。本発明の検討
範囲では、平均空孔径が20μm 以上になると極端に強度
が低下することがわかった。従って、平均空孔径の上限
を15μm とした。なおこれはアノード材とジルコニア粗
粒粉からなる顆粒の平均粒子径300μm に対応してい
る。なお従来はガス拡散性の制御因子としては気孔率が
指標とされてきたが、検討の結果、気孔率の大小とガス
透過係数は必ずしも一義的に対応していないことがわか
った。これは、気孔率が大きくても、多孔質支持管の内
外を結ぶ貫通孔が多いことを必ずしも意味しないと判断
される。即ち気孔率よりも平均空孔径がガス拡散性の制
御因子として支配的であると考えられる。
【0018】次に本発明のアノードである多孔質支持管
の詳細を述べる。スプレードライヤにて造粒されたイッ
トリア安定化ジルコニアYSZ (TZ-8Y, 東ソー) を、空気
中1500℃,2h 仮焼し、これを粉砕した後、目開き 300μ
m の篩いを通過させ、ジルコニア粗粒粉を得る。得られ
た YSZ粗粒粉の平均粒子径は50〜300 μm の範囲にあ
る。アノード材としては、酸化ニッケル( 特級, 和光純
薬工業製) とイットリア安定化ジルコニア(TZ-8Y, 東ソ
ー) とを2:1 の重量比で秤量し、バインダとしてポリビ
ニルブチラールPVA,ポリエチレングリコールPEG を添加
したエタノール中にて湿式混合する。さらに上記ジルコ
ニア粗粒粉を添加し、湿式混合後、風乾しさらに加熱乾
燥する。得られた粉末を金型に入れて 1t/cm2 の圧
力にて、常温にて 1〜3 分間一軸プレスすることによっ
てディスク状の成形体を得た。この成形体をさらにスタ
ンプミル又はカッターミルにより粗粉砕し、それらの粉
体を目開き 300μm の篩いを通過させ、造粒する。得ら
れた粗粒粉を空気中1300℃,2h仮焼し、その仮焼粉をさ
らに、目開き 300μm の篩いを通過させる。この顆粒に
例えば、ポリビニルアルコール,メチルセルロース,ワ
ックス・エマルジョン等のバインダを添加する。ここで
は、 3wt% のメチルセルロースを添加し、30分間Vコー
ン混合機で混合し、次いで30分間ダブルアーム混合機で
混練して各成分を均一に分散させた。得られたペースト
を押し出し成形機を用いて25℃で押し出し成形し、チュ
ーブを得た。チューブは、良好な生地強度を有してお
り、このチューブをオーブン内で 100℃,8h 乾燥し、次
いで空気中1600℃,4h 焼成し、長さ50cm, 外径13mm,
厚さ 2mmの焼結チューブを得た。なおNiO-YSZ 微粉の
平均粒子径が10μm を越えると支持管としての電子伝導
性を確保するニッケルのパスが分断され、比抵抗が増大
するため、粒度範囲は0.1μmから10μm の範囲にあ
ることが必要である。
【0019】実施例2 ジルコニア粗粒粉として、 9mol%のマグネシアMgO で部
分安定化されたジルコニアMSZ (TZ-9MG,東ソー) を1600
℃,2h 仮焼し、目開き300 μm の篩いを通過させ、平均
粒子径を50〜300 μm の範囲に位置するよう造粒した粉
末を用いた。以下実施例1と同様な方法により、長さ50
cm, 外径13mm, 厚さ 2mmのアノードである多孔質支
持管を得た。酸化ニッケルNiO の空気中、室温から1000
℃の平均線膨張係数は約15×10-6/℃であり、これに対
しMSZ の熱膨張係数は 9×10-6/ ℃であるので、NiO に
適量のMSZ を添加することによって固体電解質体である
イットリア安定化ジルコニアYSZ の熱膨張係数10.5×10
-6/ ℃と整合させることが可能となる。図3はこの発明
の実施例に係る固体電解質型燃料電池のアノードである
多孔質支持管につき、YSZ またはMSZ 粗粒粉の添加量
と、平均線膨張係数の関係を比抵抗の関係と併せて示す
線図である。粗粒粉無添加のNiO-YSZ (2:1wt%)では熱膨
張係数は13×10-6/ ℃であるが、YSZ 粗粒粉を50%添加
することによって熱膨張係数を11×10-6/ ℃にすること
が出来る。これに対して、MSZ 粗粒粉では10〜20%程度
の添加によってYSZ との熱膨張係数と整合させることが
出来た。
【0020】一方、比抵抗については、YSZ と比較して
MSZ の添加による比抵抗の増加分はやや大きい傾向が見
られるものの、YSZ , MSZ 何れも添加量が40%を越える
と、比抵抗が50 mΩ・cm以上になり、固体電解質型燃
料電池構成時の電圧低下が無視し得なくなる。従ってジ
ルコニア粗粒粉の添加量が 5〜40%の範囲にある時、小
さな比抵抗を維持しながらYSZ との熱的整合を図ること
が出来る。なおカルシアCaO やセリアCeO2をドープした
ジルコニアZrO2を粗粒粉として用いても同様な効果が得
られる。
【0021】
【発明の効果】第一の発明によれば、アノードである多
孔質支持管と、この多孔質支持管の外周面に積層された
固体電解質体およびインタコネクションと、さらに前記
固体電解質体の外周面に積層されたカソードとを有し、
アノードである多孔質支持管は前記固体電解質体と主成
分を同じくする固体電解質であるマトリックスと、この
マトリックスに支持されたアノードの働きをする電子伝
導体からなるので、電子伝導体と固体電解質からなるア
ノードである多孔質支持管の組成を最適化することによ
り、アノードとしての伝導性を維持し且つアノードであ
る多孔質支持管を固体電解質体と熱的に整合させること
ができる。アノードである多孔質支持管はその平均空孔
径によりガス拡散性と機械的強度の最適化が図られる。
平均空孔径が2μm以上あると反応ガスの拡散性が良く
なる。平均空孔径が15μm以下であると、熱衝撃に対
する機械的強度が得られる。固体電解質体は酸化、還元
に対して安定なものが使用されるので主成分を同じくす
る固体電解質からなるマトリックスは酸化、還元に対し
て安定である。このようにして特性と信頼性に優れる固
体電解質型燃料電池が得られる。また第二の発明によれ
ば、第一の工程と第二の工程を有し、第一の工程は、電
子伝導体と、固体電解質体と主成分を同じくする固体電
解質とを混合し仮焼し且つ粉砕して平均粒子径が50な
いし300μmの範囲にある顆粒を調製する工程であ
り、第二の工程は、前記顆粒を成形し且つ焼成してアノ
ードである多孔質支持管を調製する工程であるので、マ
トリックスの形成が可能となり、ガス拡散性が良く、機
械的強度に優れる、アノードである多孔質支持管が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る固体電解質型燃料電池
を示す斜視図
【図2】アノードである多孔質支持管の平均空孔径とガ
ス透過係数の関係を示す線図
【図3】この発明の実施例に係る固体電解質型燃料電池
のアノードである多孔質支持管につき、YSZ またはMSZ
粗粒粉の添加量と、平均線膨張係数の関係を比抵抗の関
係と併せて示す線図
【図4】従来の固体電解質型燃料電池のユニットセルを
示す斜視図
【符号の説明】
11 アノードである多孔質支持管 12 固体電解質体 13 カソード 14 インタコネクション 15 燃料ガス 16 酸化剤ガス 17 多孔質支持管 18 アノード

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アノードである多孔質支持管と、この多孔
    質支持管の外周面に積層された固体電解質体およびイン
    タコネクションと、さらに前記固体電解質体の外周面に
    積層されたカソードとを有し、 アノードである多孔質支持管は前記固体電解質体と主成
    分を同じくする固体電解質であるマトリックスと、この
    マトリックスに支持されたアノードの働きをする電子伝
    導体からなることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、アノードである多孔質支持管はその内部に含まれ
    る空孔の平均径が2ないし15μmの範囲にあることを
    特徴とする固体電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、マトリックスはイットリア,マグネシア,カルシ
    アまたはセリアにより部分安定化または完全安定化され
    たジルコニアであることを特徴とする固体電解質型燃料
    電池。
  4. 【請求項4】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、マトリックスはイットリア,マグネシア,カルシ
    アまたはセリアにより部分安定化または完全安定化され
    た平均粒子径が50ないし300μmの範囲にあるジル
    コニアを用いて形成してなることを特徴とする固体電解
    質型燃料電池。
  5. 【請求項5】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、マトリックスはイットリア,マグネシア,カルシ
    アまたはセリアにより部分安定化または完全安定化され
    た平均粒子径が50ないし300μmの範囲にあるジル
    コニアを用いて形成してなりその多孔質支持管における
    含有量が5ないし40重量%の範囲にあることを特徴と
    する固体電解質型燃料電池。
  6. 【請求項6】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、電子伝導体はニッケル−ジルコニアサーメットま
    たはコバルト−ジルコニアサーメットであることを特徴
    とする固体電解質型燃料電池。
  7. 【請求項7】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、電子伝導体は平均粒子径が0.1ないし10μm
    の範囲にあるニッケル−ジルコニアサーメットまたはコ
    バルト−ジルコニアサーメットであることを特徴とする
    固体電解質型燃料電池。
  8. 【請求項8】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、固体電解質体はイットリアで安定化されたジルコ
    ニアであることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
  9. 【請求項9】請求項1記載の固体電解質型燃料電池にお
    いて、カソードはアルカリ土類または稀土類がドープさ
    れたランタンマンガナイト,ランタンニッケライト,ラ
    ンタンコバルタイト,ランタンクロマイトまたはこれら
    の混合物であることを特徴とする固体電解質型燃料電
    池。
  10. 【請求項10】請求項1記載の固体電解質型燃料電池に
    おいて、インタコネクションはアルカリ土類または稀土
    類がドープされたランタンクロマイトであることを特徴
    とする固体電解質型燃料電池。
  11. 【請求項11】第一の工程と第二の工程を有し、 第一の工程は、電子伝導体と、固体電解質体と主成分を
    同じくする固体電解質とを混合し仮焼し且つ粉砕して平
    均粒子径が50ないし300μmの範囲にある顆粒を調
    製する工程であり、 第二の工程は、前記顆粒を成形し且つ焼成してアノード
    である多孔質支持管を調製する工程であることを特徴と
    する固体電解質型燃料電池の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007172846A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology チューブ型電気化学リアクターセル及びそれらから構成される電気化学反応システム
JP2013045772A (ja) * 2011-08-25 2013-03-04 Robert Bosch Gmbh 不活性支持体式の円筒型の燃料電池

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JP2007172846A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 National Institute Of Advanced Industrial & Technology チューブ型電気化学リアクターセル及びそれらから構成される電気化学反応システム
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