JPH0516561B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は光フアイバの劈開方法及びその装置、
特に適切な光相互接続と伝送特性をもつたフアイ
バ端面を提供する劈開工具に関する。

発明の背景 接合部やタツプのようなところで光伝送用のフ
アイバをインターフエイス（界面接合）するに当
つてこのようなインターフエイスのところで伝送
損失が最少となるようにすることが必要である。
伝送損失の主な原因は接続すべき光フアイバの端
面の状態と整合いかんによる。

光フアイバ端面を平滑な鏡面仕上げの形にし端
面の光伝送面積を大きくすることが特に望まし
い。これに加え、フアイバの長手軸に対しフアイ
バの端面をほぼ直角にすることがまた望ましい。
後者のことは“光素子の接合方法及び装置”なる
名称で1980年３月３日米国出願された米国出願第
06／126887号に示したような形の接続装置の場合
には特に重要である。この形の接続装置はフアイ
バの直径よりも小さい間入形の開口を形成するよ
うに構成された一連の球面を含んでいる。従つ
て、対向するフアイバ端面は球面上で軸方向に離
間した表面とつき合わすことになる。フアイバの
端面が直角であるとこの形の接続装置ではフアイ
バの軸方向の整合を能く保証し、光伝送を大なら
しめるはづである。ところが直角でないと、フア
イバの端面は相対的にゆがみ、光伝送は阻害され
ることになる。

接続端面を形成する光フアイバ劈開工具は周知
である。典型的にはこれらの装置はフアイバの表
面に刻目又は切目を入れるためフアイバと接触さ
れるべき刻目フレードを備えている。フアイバを
分離する１つの方法が1980年５月13日発行の米国
特許第4202425号に記載されており、それによる
と、フアイバは刻目ブレードの方に移動され、刻
目を入れた点で曲げられ切断される。刻目を入れ
た点で曲げる方法はフアイバにクラツクが走る速
さを減じ、光フアイバ端面に光伝送を最大とする
ような優れた鏡面領域を与える。しかし、優れた
鏡面領域が得られる反面、刻目を入れた領域でフ
アイバを曲げるので常に直角な端面が得られると
は限らない。

光フアイバの表面周囲に刻目を入れてその刻目
を入れた部分のフアイバに軸方向の引張力を加え
る方法も周知である。この方法を実施する装置が
1982年８月５日付け発行の米国特許第4216004号
に開示されている。これによると、より良好な直
角端面を形成することができるが、軸方向のみの
引張力を加えるため端面が判然とせず光伝送の効
率を低下する。また全周に亘つて刻目を入れる場
合には正確性と構造上の複雑さが要求されること
になる。

フアイバを劈開しフアイバの軸にほヾ直角で充
分大きな鏡面領域をもつたフアイバ端面を形成し
たフアイバの相互接続を促進する光フアイバ劈開
工具を提案することが望まれる。

発明の要約 本発明は相互接続するのに適したフアイバ端面
を与える光フアイバ劈開装置を提供することを目
的とする。

本発明の他の目的はフアイバの長手軸に対しほ
ぼ直角の鏡面形端面を与えるようにフアイバを劈
開する劈開工具を提供することにある。

上記目的を達成するため本発明の方法と装置で
は光フアイバは劈開装置に支持される。フアイバ
刻目素子はフアイバと接触するように持来され、
支持パツド上に支持された部分に切目又は刻目の
ような限定されたきずをつける。フアイバの端部
は握持され、フアイバの軸から横の方向にフアイ
バ支持パツドからずれた位置まで移動される。握
持された端部は縦方向に引張られフアイバを分断
する。出来上つた端面はフアイバの軸に直角であ
り、充分平滑な鏡面を備えている。

実施例の説明 第１図は本発明によるフアイバ１２を劈開する
光フアイバ劈開装置１０の略図を示す。

劈開装置１０は細長いハウジング１１を含み、
その一端にフアイバ保持部材１４を有し開口１３
を通して延び、所定のフアイバ軸１６に沿つて横
たわるようにフアイバを支持する。フアイバ保持
部材１４は通常の方法で定位置１８にフアイバを
固定する。フアイバを直接受け入れ支持するため
にフアイバ保持部材を作ること又は選ばれたよう
に実施例のとおりフアイバ１２自体が固定される
フアイバ終端装置を凹み１９に受け入れ固定する
ための保持部材を形成することは本発明の範囲を
逸脱するものではない。

フアイバ１２はまたその延びている部分に沿つ
て開口１３に隣接したフアイバ支持パツド２０に
支持されている。支持パツド２０は、保持部材１
４から延びているハウジング１１の本体部分２２
に固定されている。支持パツド２０は保持部材１
４から延びているハウジング１１の本体部分２２
に固定設置されている。支持パツド２０はフアイ
バ軸１６に平行で比較的近くに横たわる上部支持
面２４を有し、フアイバ１２を軸に沿つて支持す
る。好ましい実施例では、支持パツド２０は、ゴ
ムのような圧縮可能な可塑性物質から形成され、
上部支持面２４に隣接し開口１３からそれていて
先細りの縁の部分２４ａを含んでいる。その目的
については以下に詳細に述べる。

フアイバに刻目を付ける刻目素子２６が、フア
イバ支持パツド２０の真向いに、支持されたフア
イバ１２の真上に設けてある。刻目素子２６は刻
目素子支持２８によつて可動的に支持されフアイ
バ１２と接触するように動くことができる。刻目
素子２６は切れ目又は刻目をつけた点のようなフ
アイバ１２の外周に限られたきずをつけ、そこで
フアイバを弱くする。フアイバ１２と支持パツド
２０の両方に関する刻目素子２６の相対移動は従
来技術で知られている方法で行うことができる。
その従来技術は例えば同時出願した米国出願第
394526号（1982年７月２日出願）に示され記述さ
れているが、本発明の部分については少しも触れ
ていない。

細長い本体１１の端部で、保持部材１４の反対
側にフアイバ締めつけ（クランプ）手段３０があ
る。フアイバ締めつけ手段３０は締めつけ台３２
とフアイバ係合部材３４を含み、フアイバ係合部
材３４はフアイバ締めつけ台３２から離間し、台
の上に支持され、矢印Ａ−Ａの方向に台と共に相
対移動する。フアイバ係合部材３４は、支持パツ
ド２０と類似する締めつけパツド３６とフアイバ
１２と接触するフアイバ係合面３７を含んでい
る。これ等について以下に詳細に述べる。締めつ
け台３２はさらにハウジング１１に関し固定位置
でその台の上に支持されている締めつけ（クラン
プ）面３３を有す。締めつけ面３３は固定される
と、軸１６から距離ｄが大きく離間するにつれ
て、横方向に支持面２４から偏倚される。

締めつけ手段３０全体は、矢印Ｂ−Ｂの方向に
保持部材１４に関して動けるようにハウジング１
１に可動的に装着されている。中央支持カラ３８
が締めつけ手段３０と本体部分２２の隣接する両
端を受容し、その間で長手（軸）方向に相対移動
させる。締めつけ手段の構成と相対移動は例とし
て示すだけで明らかに理解できる。バネにより負
荷され引込めることのできる引張り手段のよう
な、同じような相対運動に対して同じような素子
を支持する装置についてはいづれも本発明に考慮
されている。

第１図に示すように、刻目を入れる前の位置に
おいて、フアイバ１２は軸１６に沿つて保持部材
１４から直線的に延びており、支持パツド２０の
上に横たわり且つ支持されている。フアイバは、
普通に離間した締めつけ台３２と係合部材３４の
間に形成された通路３９へ連続して延びている。
フアイバ１２は通路３９を通りこえて延びている
支持されてない自由端１２ａを有す。

上述のように又第１図に於いて、刻目素子２６
がフアイバ１２と接触し、好ましくは支持面２４
に支持された定位置１２ｂに於いてフアイバを刻
目を入れるか又は切れ目をつけ、そのようなフア
イバに構造上のきずをつける。それから第１図に
示すように刻目素子２６は元の位置に戻される。
フアイバに定位置１２ｂを刻目をつけてから、フ
アイバはそこで所望のフアイバ端面を残して切断
される。

第２図に於いて、フアイバ締めつけ手段３０が
フアイバ１２の自由端１２ａと係合している状態
が示されている。フアイバ係合部材３４が下に動
かされるのでフアイバ係合面３７は自由端１２ａ
と接触して動く。更に係合部材３４の下方移動
（締めつけ台３２の方へ）が、第２図に示すよう
に締めつけ面３３に締めつけ台を接触させて軸１
６の下で自由端１２ａを圧するのでさらにフアイ
バの動きを制限する。この位置で、自由端１２ａ
は係合面３７と締めつけ面３３の間の締めつけ手
段３０で締めつけられ、かくて、支持面２４から
横方向に偏倚される。軸１６に沿つて元の位置か
ら締めつけられる位置まで自由端１２ａの移動す
る量は、0.020吋のオーダか又は約1.5°乃至2.0°で
ある。第１図に示された位置から第２図に示す位
置まで自由端１２ａが動かされ且つフアイバは定
位置１２ｂで完全に切断されていないので、フア
イバは、保持部材１４の固定位置１８と締付け手
段３０の定位置４０に於ける締めつけられた長さ
との間の非直線通路をたどることになる。自由端
１２ａの移動量は、このような非直線通路を与え
るには十分であるがフアイバを切断するには足り
ない。第２図に示すように、自由端１２ａが下に
曲げられるので、フアイバ１２は弓なり又は固定
位置１８から上方に曲がり始め支持面２４から僅
かずれ上がり、先細の縁の部分の上部すみの部分
と接線的に係合するだけとなり、隣接する刻目を
つけた位置１２ｂにその弓の頂点が達する。それ
から湾曲が続き、自由端１２ａは軸１６の下に延
びる。締めつけた長さ位置４０に隣接する湾曲点
１２ｄに於いて、湾曲部が変り、フアイバ長の凹
みが位置４０で締めつけ手段３０と係合している
から反対になる。このようなフアイバの湾曲部が
第２図に示され明らかにするため非常に誇張され
ている。自由端１２ａの横方向の動きは締めつけ
られた部分で約0.020吋に過ぎないので、自由端
１２ａの各湾曲した部分のこのような湾曲部の半
径は比較的大きく、50吋のオーダーになる。しか
しこの湾曲部は刻目の領域で曲がつているためフ
アイバにかかる張力と適した劈開をするために刻
目と直径的に向い合つた領域にかかる圧縮力との
双方を与えるのに十分である。前に1976年１月27
日チノツク（CHINNOCK）他に授与された米国
特許第3934773号に述べたように、刻目をつけた
領域において又はその近くでのフアイバのこのよ
うな曲がりはフアイバを通して割れ目を伝えてい
く速度を減らし、かくて切断すると大きな鏡の領
域をもつた平滑な端面を生ずることになる。自由
端１２ａを横方向に偏倚することによつて、フア
イバに刻目をつけて曲げやすくして、自由端はフ
アイバ１２の保持された部分から切断される。

第３図に示すように、自由端１２ａのまわりを
締めつけている締めつけ手段３０が、保持部材１
４の固定されたフアイバの位置１８から離れて矢
印Ｂ−Ｂ方向で軸方向に引張られる。これによつ
て、フアイバに沿つて最も弱い点となつている刻
目をつけた点１２ｂでフアイバ１２から自由端１
２ａが切断される。

フアイバ１２から自由端１２ａを軸方向に直線
的に引張ることができる一方フアイバは、刻目を
つけた位置１２ｂの近傍でわずかに湾曲するよう
に支持される。この軸方向に直線的に引張られる
と同時に一方ではフアイバがわずかに湾曲するよ
うに支持されるので優れた劈開が得られ、他のフ
アイバ又は他の光学的素子と相互接続するに適し
た端面を与えることができる。刻目をつけられた
点１２ｂに於いて、フアイバ１２は、曲がりのた
めに割れ目の伝わる速度が減ずるので平滑な端面
を有し、フアイバが軸方向に直線的に引張られる
のでフアイバ軸に対して略、垂直な端面を持つ。

前述の実施例に対する各種の改良、変更が行わ
れることは当業者には明らかなことであり、かく
て、特に述べた好ましい実施例は例示的に説明す
るのに意図されたものでこれに限られるものでは
ない。本発明の請求の範囲は、特許請求の範囲に
記載するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のフアイバ劈開装置を刻目を入
れる前の位置で示した概略図、第２図は第１図の
装置を刻目を入れた後分断する前に示したその概
略図、第３図は第２図の装置をフアイバを分断し
た位置で示すその概略図である。 主要部分の符号の説明、光フアイバ……１２、
光フアイバ劈開装置……１０、刻目素子……２
６、クランプ手段……３０、ハウジング……１
１。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 光フアイバを納める細長のハウジングと、前
   記ハウジング上に固定され、前記フアイバを軸方
   向の第１の範囲にわたつて支持する第１の表面
   と、 前記ハウジング上に固定され、前記フアイバと
   軸方向の第２の範囲にわたつて係合し、前記第１
   表面からこれを横切る方向に偏倚される第２の表
   面と、 前記ハウジング上に移動自在に支持され、前記
   フアイバの第１範囲上の位置で前記フアイバに刻
   目素子と、 前記ハウジング上に設けられ、前記フアイバを
   前記第２範囲にわたつて前記第２表面と係合させ
   るクランプ手段と、 前記ハウジング上に設けられ、前記フアイバ
   を、フアイバ軸に実質的に平行な方向に、前記刻
   目を付けた位置から引き離す手段を含み、 前記クランプ手段は前記引離し手段の動作とは
   独立して動作されることを特徴とする光フアイバ
   の劈開装置。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の装置におい
   て、前記第１の固定された表面は弾性であること
   を特徴とする装置。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の装置におい
   て、前記クランプ手段は前記引き離し手段を含む
   ことを特徴とする装置。 ４ 特許請求の範囲第１項に記載の装置におい
   て、前記クランプ手段は、前記ハウジング上に移
   動自在に支持されフアイバと係合しない第１の位
   置からフアイバと係合する第２の位置に移動する
   係合面を有することを特徴とする装置。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載の装置におい
   て、前記係合面は弾性であることを特徴とする装
   置。 ６ ハウジングと、 前記ハウジング上に設けられ、光フアイバを固
   定的に支持し該フアイバの所定の軸を画定するホ
   ルダと、 前記ハウジング上に設けられ、前記フアイバを
   軸方向のある範囲にわたつて前記フアイバの所定
   の軸に沿つて前記ホルダから離間して支持するフ
   アイバ支持部と、 前記フアイバ支持部に隣接して前記ハウジング
   上に移動自在に支持され、前記フアイバの範囲内
   で該フアイバに刻目を付ける劈開素子と、 前記フアイバを前記フアイバ支持部から離間し
   た位置で該フアイバを把持し、該フアイバを前記
   フアイバ軸と平行な方向に引張るフアイバ引張手
   段とを含む細長い光フアイバの劈開装置であつ
   て、 前記引張手段はフアイバと係合する面を有する
   クランプ部材を含み、該係合面は前記フアイバ軸
   を横切る方向に、前記引張手段の動作とは独立し
   て、前記フアイバ軸と交差しない第１の位置から
   該フアイバ軸と交差する第２の位置に移動して該
   フアイバのある部分を該フアイバ軸から偏倚した
   クランプ位置に移動させることを特徴とする光フ
   アイバの劈開装置。 ７ 特許請求の範囲第６項記載の装置において、
   前記クランプ部材は、さらに、前記ハウジングに
   固定して支持され前記第２の位置で前記係合面と
   係合するフアイバクランプ面を含むことを特徴と
   する装置。 ８ 所定の軸に沿つて光フアイバを保持する工程
   と、 支持された軸方向のある範囲内の位置で前記フ
   アイバに刻目を付ける工程と、 前記フアイバの一部を、前記刻目を付けられた
   位置から軸方向に離間し前記所定の軸を横切る方
   向に偏倚させる工程と、 前記偏倚を、前記刻目を付けた位置で切断する
   には不十分な程度に限定する工程と、 前記フアイバの偏倚した部分を、前記軸に対し
   て実質的に平行な方向にかつ前記刻目を付した位
   置から切離れるように引張して該フアイバを切断
   する工程とを含み、 前記偏倚工程は前記引張工程とは独立して行わ
   れることを特徴とする光フアイバの劈開方法。 ９ 特許請求の範囲第８項に記載の方法におい
   て、前記偏倚工程が、前記フアイバの一部をフア
   イバクランプ部材で把持することを特徴とする方
   法。 １０ 特許請求の範囲第８項に記載の方法におい
   て、前記フアイバの偏倚した部分を引張する工程
   が、該フアイバをフアイバクランプ部材で把持す
   ることを特徴とする方法。