JPH0516558U - 自動車の発進方向表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、自動車の発進時に操舵輪の切れ角を
運転者に視認させる発進方向表示装置の構造を簡単に
し、かつ一定以上の切れ角の時には警告を行うと共に夜
間でも充分視認を可能とした。 【構成】ステアリングホイール１の回転中心に主軸３を
突設し、この主軸３に重錘１０により常に一定位置に保
持するケーシング４を相対回転可能に軸承する。このケ
ーシング４内で前記主軸３を中心にして左右位置に操舵
輪の舵角を表示する表示板６を回転自在に軸承し、前記
主軸３ベルト９またはギヤ１５、１６で回転伝達する。
前記ケーシング４内に照明並びにステアリングホイール
１の一定回転角以上で点滅するランプを備えたことを特
徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車ステアリングホイールに設けられた発進方向表示装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車を発進させるときに、操舵輪の切れ角を運転者に視認させる手段として 、ステアリングホイールの回転角に対する操舵輪の切れ角の減速比とほぼ等しい 比率で減速して、車輪のイラストが施された左右一対の表示板を回転するように した操舵輪の切れ角表示装置が、例えば実開昭６１−３８５１１号で提案されて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の装置では、ステアリングホイールの回転角を表示板に操舵輪の切れ 角と等比率で減速回転伝達する機構は、多数のプラネタギヤとサンギヤによる構 造であり、数多くのギヤ部品を必要とする複雑な構成であり、表示板が小さくて 見え難く、夜間等はほとんど役に立たない。

【０００４】 本考案の目的は、上記従来の問題点を解消した自動車の発進方向表示装置を提 供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の要旨は、ステアリングホイールの回転中 心に突出されステアリングホイールと一体回転する主軸と、この主軸に相対回転 可能に軸承され重錘により常に一定位置に保持されたケーシングと、このケーシ ング内で前記主軸を中心にして少なくとも左右位置に主軸と平行な軸線で突設さ れた一対の支軸と、この支軸に回転自在に軸承され操舵輪の舵角を表示する表示 板と、前記主軸と一対の表示板とにそれぞれ掛け渡されたベルトと、前記ケーシ ング内に設置したランプとを備えたものである。

【０００６】 また、ステアリングホイールの回転を左右一対の表示板に伝達する機構として 、前記主軸にギヤを設け、前記一対の表示板の外周に前記主軸のギヤと噛合する ギヤを設けてもよい。

【０００７】 さらに、前記ランプをステアリングホイールの一定回転角以上で点滅して運転 者に注意を喚起させるよう電磁スイッチと点滅回路を設けてもよい。

【０００８】

【作用】

上記の構成により、ステアリングホイールの回転によりベルトあるいは少数の ギヤによる伝達機構で左右一対の表示板が回転して操舵輪の舵角を表示すると共 に、ランプによる照明で表示板の視認が明確となり、このランプの点滅で注意を 喚起させる。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１の（Ａ）において、１は ステアリングホイール、２は本考案による自動車の発進方向表示装置であり、ス テアリングホイール１の中央部に設けられる。この自動車の発進方向表示装置２ は、図１（Ｂ）で示すように、操舵輪のイラスト８が施された左右一対の表示板 ６がカバー１２に明けられた開口窓１３より視認することができるよう配置され ている。この左右一対の表示板６はステアリングホイール１の回転と連動してス テアリングホイール１の回転角に対する操舵輪の切れ角と同等の比率で同一方向 に回転する。

【００１０】 図２〜図１３によって本考案の構成の詳細を説明する。図２〜図５において、 ステアリングホイール１の回転中心にステアリングホイール１と一体回転する主 軸３を突設し、この主軸３に円筒状のケーシング４をベアリング５を介して回転 可能に支持する。このケーシング４内の一部には重錘１０を固着し、ステアリン グホイール１の回転に拘らずケーシング４は常に一定位置に存在するよう主軸３ に相対回転可能に支持されている。

【００１１】 前記ケーシング４内には前記主軸３を中心にして左右位置に一対の支軸７を主 軸３と平行な軸線で突設し、これに円形の表示板６をベアリングを介して回転可 能に支持する。この表示板６の表面には操舵輪のイラスト８を表記したシールが 貼付されている。このシールを貼付するに当たっては、前記左右のイラスト８が 平行に位置するようにする。

【００１２】 前記主軸３と左右一対の表示板６の外周にタイミングベルト溝を設け、この溝 にそれぞれタイミングベルト９を掛け渡して主軸３の回転が左右一対の表示板６ に伝達するようにする。そこで、主軸３の径と表示板６の径は、ステアリングホ イール１の回転角に対する操舵輪の切れ角の減速比とほぼ等しい比率となるよう 計算して設定される。

【００１３】 主軸３から表示板６への回転伝達手段として上記の構成以外に図６で示すよう に、左右一対の表示板６の間に表示板６ａをもう１つ配置し、この増設した表示 板６ａにプーリ１４を設け、主軸３と増設表示板６ａとにタイミングベルト９ａ を掛け渡し、前記プーリ１４と左右一対の表示板６とにそれぞれタイミングベル ト９を掛け渡した構成でもよい。

【００１４】 さらに、図７で示すように、主軸３にギヤ１５を設け、また、左右一対の表示 板６の外周にギヤ１６を設けて前記主軸３のギヤ１５と噛合させた回転伝達構造 でもよい。

【００１５】 前記ケーシング４内にはランプ１１が設けられ、電源と接続されている。１２ は前記ケーシング４を覆うカバーであり、このカバー１２には前記表示板６が現 れるよう窓穴１３が開口されている。

【００１６】 前記ランプ１１は常時点灯でもよいが、ステアリングホイール１がある一定の 角度に回転した位置で点滅して注意をさらに喚起することが望ましい。そのため の構成を図８〜図１０で説明する。表示板６の外周面の一定角度回転位置にマグ ネット１７を取付け、この表示板６の近傍に電磁スイッチ１８を配置し、この電 磁スイッチ１８とランプ１１との間には点滅回路２０を設けた構成である。電磁 スイッチ１８は電源と接続されるが、図１０で示すように、電圧降下検出回路２ １、遅延回路２２を介して電源と接続し、電源をＯＦＦした後でも一定時間点滅 機能を保持するようにしてもよい。図８において、１９はこれらの回路を収納す るケースである。

【００１７】 図１１（Ａ）は重錘１０の代わりに乾電池１０ａとし、これをランプ１１の電 源にし、手動のスイッチ２３によってＯＮ、ＯＦＦさせるようにした構成であり 、図１１（Ｂ）はホーン電源に配線２４で接続した構成である。乾電池１０ａを 電源とする場合は図１２で示すようにスイッチ２３とランプ１１との間に遅延回 路２２を設け、またホーン電源の場合は電圧降下検出回路２１、遅延回路２２を 設ける。

【００１８】 次に本考案の動作について説明する。ケーシング４はステアリングホイール１ を回転しても相対回転し、かつ重錘１０あるいは乾電池１０ａの重力によって常 に一定の姿勢を保持している。また、左右一対の表示板６はステアリングホイー ル１の回転によって主軸３よりタイミングベルト９あるいはギヤによって左右同 一方向に回転し、イラスト８により操舵輪の切れ角を表示する。

【００１９】 ランプ１１はエンジン始動時に任意の時間で点灯され、上記表示板６を照明す る。そして、操舵輪が任意以上の切れ角のときには、表示板６の外周面に取り付 けたマグネット１７によって電磁スイッチ１８がＯＮとなり、点滅回路２０によ ってランプ１１が点滅して運転者に対し注意を喚起させる。

【００２０】 また、手動のスイッチ２３の場合は、スイッチ２３のＯＮ時に一瞬電気を流し 、これを遅延回路２２によって一定の時間ランプ１１を点灯させる。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように本考案による自動車の発進方向表示装置は、ステアリングホイー ルの回転中心に突設した主軸に相対回転可能に軸承され重錘により常に一定位置 に保持されたケーシング内で前記主軸を中心にして左右位置に回転自在に軸承さ れ操舵輪の舵角を表示する一対の表示板と前記主軸とをベルトあるいはギヤによ り直接連繋した回転伝達機構によるものであるから、構造が簡単であり、構成部 品点数の削減によりコストを低減することができる。

【００２２】 また、表示板を内設したケーシング内にはランプを設け、これで表示板を照明 するので、夜間でも表示板による操舵輪の切れ角の視認が確実に得られると共に 、ステアリングホイールが一定の回転角以上のときにはランプの点滅により警告 をするため安全性を高める。尚、表示板及びカバーを任意の色彩並びにデザイン とすることによりアクセサリーとしてのファッション性を具現する。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本考案装置を備えたステアリングホイ
ールの斜視図。（Ｂ）は本考案の正面図

【図２】本考案の断面側面図

【図３】本考案の断面平面図

【図４】本考案の要部斜視図

【図５】表示板の回転伝達機構図

【図６】表示板の回転伝達機構図

【図７】表示板の回転伝達機構図

【図８】本考案の要部斜視図

【図９】ランプの電気回路図

【図１０】ランプの電気回路図

【図１１】本考案の他の実施例を示す断面図

【図１２】ランプの電気回路図

【図１３】ランプの電気回路図

【符号の説明】

１ ステアリングホイール ２ 装置 ３ 主軸 ４ ケーシング ５ ベアリング ６ 表示板 ７ 支軸 ８ イラスト ９ タイミングベルト １０ 重錘 １０ａ 乾電池 １１ ランプ １２ カバー １３ 窓穴フト用シリンダ １５ ギヤ １６ ギヤ １７ マグネット １８ 電磁スイッチ ２０ 点滅回路 ２１ 電圧降下検出回路 ２２ 遅延回路

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステアリングホイールの回転中心に突出
   されステアリングホイールと一体回転する主軸と、この
   主軸に相対回転可能に軸承され重錘により常に一定位置
   に保持されたケーシングと、このケーシング内で前記主
   軸を中心にして少なくとも左右位置に主軸と平行な軸線
   で突設された一対の支軸と、この支軸に回転自在に軸承
   され操舵輪の舵角を表示する表示板と、前記主軸と一対
   の表示板とにそれぞれ掛け渡されたベルトと、前記ケー
   シング内に設置したランプとを備えたことを特徴とする
   自動車の発進方向表示装置。
2. 【請求項２】 ステアリングホイールの回転中心に突出
   されステアリングホイールと一体回転する主軸と、この
   主軸に相対回転可能に軸承され重錘により常に一定位置
   に保持されたケーシングと、このケーシング内で前記主
   軸を中心にして左右位置に主軸と平行な軸線で突設され
   た一対の支軸と、この支軸に回転自在に軸承され操舵輪
   の舵角を表示する表示板と、前記主軸にギヤを設け、前
   記一対の表示板の外周に設けられ前記主軸のギヤと噛合
   するギヤと、前記ケーシング内に設置したランプとを備
   えたことを特徴とする自動車の発進方向表示装置。
3. 【請求項３】 前記表示板の外周面の一定角度回転位置
   にマグネットを取り付け、前記ランプの通電回路に前記
   表示板の一定角度回転位置で前記マグネットによって作
   動する電磁スイッチと点滅回路を設けた請求項１及び２
   記載の自動車の発進方向表示装置。