JPH05165388A - ホログラム - Google Patents
ホログラムInfo
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- JPH05165388A JPH05165388A JP32768591A JP32768591A JPH05165388A JP H05165388 A JPH05165388 A JP H05165388A JP 32768591 A JP32768591 A JP 32768591A JP 32768591 A JP32768591 A JP 32768591A JP H05165388 A JPH05165388 A JP H05165388A
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- JP
- Japan
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- thermal expansion
- photosensitive material
- hologram
- linear thermal
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 温度変化によっても干渉パターンの乱れが生
じないホログラム。 【構成】 ホログラフィック干渉パターンが記録された
感材層1と、感材層1に密着する支持基材層2とからな
る層構成を有するホログラムにおいて、βを支持基材の
線熱膨張係数(K-1)、β’を感材の線熱膨張係数(K
-1)、T0 をホログラフィック干渉パターン記録時の温
度(K)、Tを後処理温度を含む使用環境温度(K)と
するとき、支持基材2の線熱膨張係数βと感材1の線熱
膨張係数β’が、 |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 の関係を満たすとき、ホログラフィック干渉パターンの
乱れが生じない。
じないホログラム。 【構成】 ホログラフィック干渉パターンが記録された
感材層1と、感材層1に密着する支持基材層2とからな
る層構成を有するホログラムにおいて、βを支持基材の
線熱膨張係数(K-1)、β’を感材の線熱膨張係数(K
-1)、T0 をホログラフィック干渉パターン記録時の温
度(K)、Tを後処理温度を含む使用環境温度(K)と
するとき、支持基材2の線熱膨張係数βと感材1の線熱
膨張係数β’が、 |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 の関係を満たすとき、ホログラフィック干渉パターンの
乱れが生じない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホログラムに関し、特
に、後処理温度、使用環境温度によっても干渉パターン
の乱れが生じないホログラムに関するものである。
に、後処理温度、使用環境温度によっても干渉パターン
の乱れが生じないホログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、図5に断面を示すよ
うに、ホログラフィック干渉パターンが記録されたフォ
トポリマー感材層1と支持基材層2とからなり、支持基
材層2としてガラスを用いる透過型ホログラムが知られ
ている。
うに、ホログラフィック干渉パターンが記録されたフォ
トポリマー感材層1と支持基材層2とからなり、支持基
材層2としてガラスを用いる透過型ホログラムが知られ
ている。
【0003】あるいはまた、両層の密着性が不十分であ
る場合には、シランカップリング剤等の両層1、2に接
着性を有する接着層3を介した図6に断面を示すような
3層構造からなる透過型ホログラムも知られている。
る場合には、シランカップリング剤等の両層1、2に接
着性を有する接着層3を介した図6に断面を示すような
3層構造からなる透過型ホログラムも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、ホログラフィック干渉パターン
は、ホログラム感材に記録した温度と異なる温度、特に
高温下に一定時間以上放置することにより、乱れが生ず
ることから、ホログラムの光学特性が変化するという問
題がある。
従来技術においては、ホログラフィック干渉パターン
は、ホログラム感材に記録した温度と異なる温度、特に
高温下に一定時間以上放置することにより、乱れが生ず
ることから、ホログラムの光学特性が変化するという問
題がある。
【0005】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、温度変化によっても干渉パタ
ーンの乱れが生じないホログラムを提供することであ
る。
ものであり、その目的は、温度変化によっても干渉パタ
ーンの乱れが生じないホログラムを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決すべ
く種々研究の結果、支持基材層の線熱膨張係数βとフォ
トポリマー感材の線熱膨張係数β’が特定の関係を満足
することにより、上記の問題点を解決し得ることを見出
して本発明を完成したものである。
く種々研究の結果、支持基材層の線熱膨張係数βとフォ
トポリマー感材の線熱膨張係数β’が特定の関係を満足
することにより、上記の問題点を解決し得ることを見出
して本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明のホログラムは、ホログ
ラフィック干渉パターンが記録された感材層と、感材層
に密着する支持基材層とからなる層構成を有するホログ
ラムにおいて、支持基材の線熱膨張係数βと感材の線熱
膨張係数β’が、以下に示す関係にあることを特徴とす
るものである。 |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 ただし、β :支持基材の線熱膨張係数(K-1) β’:感材の線熱膨張係数(K-1) T0 :ホログラフィック干渉パターン記録時の温度
(K) T :後処理温度を含む使用環境温度(K)である。
ラフィック干渉パターンが記録された感材層と、感材層
に密着する支持基材層とからなる層構成を有するホログ
ラムにおいて、支持基材の線熱膨張係数βと感材の線熱
膨張係数β’が、以下に示す関係にあることを特徴とす
るものである。 |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 ただし、β :支持基材の線熱膨張係数(K-1) β’:感材の線熱膨張係数(K-1) T0 :ホログラフィック干渉パターン記録時の温度
(K) T :後処理温度を含む使用環境温度(K)である。
【0008】この場合、感材がフォトポリマー感材から
なり、また、ホログラフィック干渉パターンが透過型で
ある場合が典型的なものである。
なり、また、ホログラフィック干渉パターンが透過型で
ある場合が典型的なものである。
【0009】すなわち、本発明は、ホログラフィック干
渉パターンが記録されたフォトポリマー感材、これと密
着する支持基材層からなる層構成を有するホログラムに
おいて、光学特性の乱れを生じない温度範囲を推定する
方法を示すと同時に、使用温度範囲を広くするためのフ
ォトポリマー感材と支持基材の組み合わせを示すことを
要旨とするものである。
渉パターンが記録されたフォトポリマー感材、これと密
着する支持基材層からなる層構成を有するホログラムに
おいて、光学特性の乱れを生じない温度範囲を推定する
方法を示すと同時に、使用温度範囲を広くするためのフ
ォトポリマー感材と支持基材の組み合わせを示すことを
要旨とするものである。
【0010】上記の本発明について、以下に詳しく説明
する。まず、本発明においては、ホログラム記録を行う
フォトポリマー感材1と支持基材2からなる感光材料4
は、図1に示すような層構成からなるものである。
する。まず、本発明においては、ホログラム記録を行う
フォトポリマー感材1と支持基材2からなる感光材料4
は、図1に示すような層構成からなるものである。
【0011】図1において、使用し得るフォトポリマー
感材1としては、ホログラム用途用のホログラム感材で
あれば何れでもよいが、入手及び作業性が良好であるこ
とから、市販品のホログラム用途用フォトポリマー感材
を使用する方が好ましい。また、図1において、使用し
得る支持基材2としては、厚さ0.01〜100mm、
好ましくは1〜5mmのガラス基板、アクリル基板、ポ
リカーボネート基板、ポリエチレン基板、ポリプロピレ
ン基板、ポリエチレンテレフタレート基板、ポリスチレ
ン基板等があげられる。これらの中、特に好ましいもの
としては、機械的強度が十分で、複屈折性が少なく、透
明度が高い樹脂基板である、アクリル基板、ポリカーボ
ネート基板である。上記に示す層構成を得る手段として
は、種々考えられるが、何れも本発明に適用可能と考え
られる。例えば、支持基材2上にフィルム形状のフォト
ポリマー感材1を貼り付ける方法、スピンコートにより
塗布乾燥する方法、バーコートにより塗布乾燥する方法
等がある。
感材1としては、ホログラム用途用のホログラム感材で
あれば何れでもよいが、入手及び作業性が良好であるこ
とから、市販品のホログラム用途用フォトポリマー感材
を使用する方が好ましい。また、図1において、使用し
得る支持基材2としては、厚さ0.01〜100mm、
好ましくは1〜5mmのガラス基板、アクリル基板、ポ
リカーボネート基板、ポリエチレン基板、ポリプロピレ
ン基板、ポリエチレンテレフタレート基板、ポリスチレ
ン基板等があげられる。これらの中、特に好ましいもの
としては、機械的強度が十分で、複屈折性が少なく、透
明度が高い樹脂基板である、アクリル基板、ポリカーボ
ネート基板である。上記に示す層構成を得る手段として
は、種々考えられるが、何れも本発明に適用可能と考え
られる。例えば、支持基材2上にフィルム形状のフォト
ポリマー感材1を貼り付ける方法、スピンコートにより
塗布乾燥する方法、バーコートにより塗布乾燥する方法
等がある。
【0012】次に、図1に示す層構成の感光材料4に、
代表的には図2に示すような光学系を用いて、2光束の
レーザ光の干渉により透過型のホログラムを記録する。
本発明においては、主にアルゴンレーザの514nmの
単色光を用いるが、フォトポリマーの種類により、種々
の波長のレーザ光を用いることができる。通常、レーザ
光によりホログラフィック干渉パターンを作成した後、
この形状を安定化し、耐環境性及び光学特性を向上する
ために、紫外線露光、加熱処理が行われる。
代表的には図2に示すような光学系を用いて、2光束の
レーザ光の干渉により透過型のホログラムを記録する。
本発明においては、主にアルゴンレーザの514nmの
単色光を用いるが、フォトポリマーの種類により、種々
の波長のレーザ光を用いることができる。通常、レーザ
光によりホログラフィック干渉パターンを作成した後、
この形状を安定化し、耐環境性及び光学特性を向上する
ために、紫外線露光、加熱処理が行われる。
【0013】したがって、理想的には、これらの後処理
を行うことができれば、ホログラフィック干渉パターン
を維持した状態で、回析効率の向上、耐候性の付与がで
きることになる。しかし、現実には、加熱処理を行うこ
とにより、干渉パターンの乱れが生ずる現象が認められ
る。このため、光学特性を損なわない範囲内でしかエネ
ルギーを加えることができないため、フォトポリマー感
材を使用したホログラムの場合に、十分な耐環境性が付
与できないという問題がよく起こってくる。
を行うことができれば、ホログラフィック干渉パターン
を維持した状態で、回析効率の向上、耐候性の付与がで
きることになる。しかし、現実には、加熱処理を行うこ
とにより、干渉パターンの乱れが生ずる現象が認められ
る。このため、光学特性を損なわない範囲内でしかエネ
ルギーを加えることができないため、フォトポリマー感
材を使用したホログラムの場合に、十分な耐環境性が付
与できないという問題がよく起こってくる。
【0014】そこで、フォトポリマー感材1と支持基材
2の物性値の測定を行い、干渉パターンの乱れに対して
影響を与える要素の検討を行った。その結果、両者の線
熱膨張係数が重要な要素になっていることを見出して本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、干渉パ
ターンの乱れは、フォトポリマー感材1と支持基材2の
線熱膨張係数の差異により生ずる熱応力に起因すること
を見出したものである。この理由について、以下に詳し
く説明する。
2の物性値の測定を行い、干渉パターンの乱れに対して
影響を与える要素の検討を行った。その結果、両者の線
熱膨張係数が重要な要素になっていることを見出して本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、干渉パ
ターンの乱れは、フォトポリマー感材1と支持基材2の
線熱膨張係数の差異により生ずる熱応力に起因すること
を見出したものである。この理由について、以下に詳し
く説明する。
【0015】温度T0 (K)で記録したホログラフィッ
ク干渉パターンにおいては、温度T(K)では、フォト
ポリマー感材1と支持基材2の線熱膨張係数が異なる場
合に、それらの界面5に熱応力が発生する(図3)。フ
ォトポリマー感材1の線熱膨張係数をβ’(K-1)、支
持基材2の線熱膨張係数をβ(K-1)とすると、感材1
側には、単位長さ当たり、 β’×|T−T0 | 基材2側には、単位長さ当たり、 β×|T−T0 | の熱膨張が生ずる。フォトポリマー感材1と支持基材2
は密着しているため、界面5上でのホログラフィック干
渉パターンのピッチが保持されると考えられるので、上
記2式の差|β−β’|×|T−T0 |は、支持基材2
及びフォトポリマー感材1の厚み方向に熱応力として作
用する。この際、ホログラフィック干渉パターンが記録
されているフォトポリマー感材層1において、熱応力を
緩和する方向に例えば未反応モノマーの重合等の化学的
反応がある限度以上生ずると、記録時の温度T0 に戻し
ても、干渉パターンが変化したまま残ることになる。す
なわち、|β−β’|×|T−T0 |がある値以上にな
り、T(K)に放置することにより、変形が不可逆にな
ることを示している。この不可逆になる値は、使用する
フォトポリマー感材と支持基材の組み合わせ、T(K)
に放置する時間により異なってくることが推定される
が、実際にこの影響を受けることが分る。本発明では、
ホログラムを作製及び使用する上で、有用な光学特性が
実質的に乱れない範囲、すなわち、可逆である範囲を上
記の|β−β’|×|T−T0 |の値との関連で検討し
た。
ク干渉パターンにおいては、温度T(K)では、フォト
ポリマー感材1と支持基材2の線熱膨張係数が異なる場
合に、それらの界面5に熱応力が発生する(図3)。フ
ォトポリマー感材1の線熱膨張係数をβ’(K-1)、支
持基材2の線熱膨張係数をβ(K-1)とすると、感材1
側には、単位長さ当たり、 β’×|T−T0 | 基材2側には、単位長さ当たり、 β×|T−T0 | の熱膨張が生ずる。フォトポリマー感材1と支持基材2
は密着しているため、界面5上でのホログラフィック干
渉パターンのピッチが保持されると考えられるので、上
記2式の差|β−β’|×|T−T0 |は、支持基材2
及びフォトポリマー感材1の厚み方向に熱応力として作
用する。この際、ホログラフィック干渉パターンが記録
されているフォトポリマー感材層1において、熱応力を
緩和する方向に例えば未反応モノマーの重合等の化学的
反応がある限度以上生ずると、記録時の温度T0 に戻し
ても、干渉パターンが変化したまま残ることになる。す
なわち、|β−β’|×|T−T0 |がある値以上にな
り、T(K)に放置することにより、変形が不可逆にな
ることを示している。この不可逆になる値は、使用する
フォトポリマー感材と支持基材の組み合わせ、T(K)
に放置する時間により異なってくることが推定される
が、実際にこの影響を受けることが分る。本発明では、
ホログラムを作製及び使用する上で、有用な光学特性が
実質的に乱れない範囲、すなわち、可逆である範囲を上
記の|β−β’|×|T−T0 |の値との関連で検討し
た。
【0016】具体的には、回析角度が45°の透過型ホ
ログラムを作製し、|β−β’|×|T−T0 |を変化
させたときに、最大回析効率を与える入射角度がどのよ
うに変化するかにより評価した。その結果、|β−β’
|×|T−T0 |が1/100より小さいとき、一般的
に、入射角度が維持される、すなわち、光学特性が維持
されることが分かった。
ログラムを作製し、|β−β’|×|T−T0 |を変化
させたときに、最大回析効率を与える入射角度がどのよ
うに変化するかにより評価した。その結果、|β−β’
|×|T−T0 |が1/100より小さいとき、一般的
に、入射角度が維持される、すなわち、光学特性が維持
されることが分かった。
【0017】
【作用】本発明においては、ホログラフィック干渉パタ
ーンが記録された感材層と、感材層に密着する支持基材
層とからなる層構成を有するホログラムにおいて、βを
支持基材の線熱膨張係数(K-1)、β’を感材の線熱膨
張係数(K-1)、T0 をホログラフィック干渉パターン
記録時の温度(K)、Tを後処理温度を含む使用環境温
度(K)とするとき、支持基材の線熱膨張係数βと感材
の線熱膨張係数β’が、 |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 の関係を満たすとき、ホログラフィック干渉パターンの
乱れが生じないことが見出された。
ーンが記録された感材層と、感材層に密着する支持基材
層とからなる層構成を有するホログラムにおいて、βを
支持基材の線熱膨張係数(K-1)、β’を感材の線熱膨
張係数(K-1)、T0 をホログラフィック干渉パターン
記録時の温度(K)、Tを後処理温度を含む使用環境温
度(K)とするとき、支持基材の線熱膨張係数βと感材
の線熱膨張係数β’が、 |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 の関係を満たすとき、ホログラフィック干渉パターンの
乱れが生じないことが見出された。
【0018】ホログラムの使用温度範囲を広げたい場合
は、上記βとβ’が近い材料の組み合わせを選択すれば
よいことも、併せて見出された。
は、上記βとβ’が近い材料の組み合わせを選択すれば
よいことも、併せて見出された。
【0019】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例について説
明する。 実施例1 厚さ30mmのガラス基板(スズキグラステック(株)
製)上に、スピンコート法にてホログラム記録用フォト
ポリマー感材(オムニデクス352原版:Dupont
社製)を10μmの膜厚に塗布し、その上にPETフィ
ルム(帝人(株)製:HP−7,50μm)をラミネー
トした。これに、25℃の温度にて、514nmのアル
ゴンレーザーを用いて透過型のホログラム回折格子を作
製した。このホログラム回折格子に、25℃の温度に
て、高温水銀燈(80W/cm2 の出力:日本電子
(株)製)を用いて紫外線を50mJ/cm2 照射し
た。
明する。 実施例1 厚さ30mmのガラス基板(スズキグラステック(株)
製)上に、スピンコート法にてホログラム記録用フォト
ポリマー感材(オムニデクス352原版:Dupont
社製)を10μmの膜厚に塗布し、その上にPETフィ
ルム(帝人(株)製:HP−7,50μm)をラミネー
トした。これに、25℃の温度にて、514nmのアル
ゴンレーザーを用いて透過型のホログラム回折格子を作
製した。このホログラム回折格子に、25℃の温度に
て、高温水銀燈(80W/cm2 の出力:日本電子
(株)製)を用いて紫外線を50mJ/cm2 照射し
た。
【0020】得られたホログラフィック干渉パターンが
記録されたフォトポリマー感材の線熱膨張係数は、熱力
学分析器(略してTMA:Perkin Elmer社
製)を用いて測定したところ、次の通りであった。
記録されたフォトポリマー感材の線熱膨張係数は、熱力
学分析器(略してTMA:Perkin Elmer社
製)を用いて測定したところ、次の通りであった。
【0021】 7.1 ×10-5 K-1(25℃〜59℃) 25.0×10-5 K-1(59℃〜120℃) 59℃で線熱膨張係数が変化するのは、59℃がガラス
転移温度であるためである。
転移温度であるためである。
【0022】同様にして、支持基材であるガラス基板の
線熱膨張係数を測定したところ、次の通りであった。 1.0 ×10-6 K-1(25℃〜120℃) 上記ホログラムを、40、50、60、70、80℃の
条件下に、3時間放置し、光学特性の検討を行った。光
学特性の評価は、記録時の2光束の一方は感材に対して
垂直に入射させたので、ホログラム作製時と反対側の面
から514nmのレーザー光を入射したときに、最大の
回析効率を与える入射角度の垂直方向からのずれで行っ
た。光学特性に変化がない場合は、入射角度ずれは0°
になることになる。
線熱膨張係数を測定したところ、次の通りであった。 1.0 ×10-6 K-1(25℃〜120℃) 上記ホログラムを、40、50、60、70、80℃の
条件下に、3時間放置し、光学特性の検討を行った。光
学特性の評価は、記録時の2光束の一方は感材に対して
垂直に入射させたので、ホログラム作製時と反対側の面
から514nmのレーザー光を入射したときに、最大の
回析効率を与える入射角度の垂直方向からのずれで行っ
た。光学特性に変化がない場合は、入射角度ずれは0°
になることになる。
【0023】次の表−1には、上記各温度条件における
|β−β’|×|T−T0 |と入射角度ずれの値を示し
た。
|β−β’|×|T−T0 |と入射角度ずれの値を示し
た。
【0024】上記表−1から、何れの温度においても、
|β−β’|×|T−T0 |の値は1/100以下であ
り、これらの場合は入射角度ずれは起こらない。すなわ
ち、干渉縞のピッチが保持されていることが分かった。
|β−β’|×|T−T0 |の値は1/100以下であ
り、これらの場合は入射角度ずれは起こらない。すなわ
ち、干渉縞のピッチが保持されていることが分かった。
【0025】比較例1 実施例1のホログラムを、90、100、110、12
0℃の条件に3時間放置し、同様に光学特性の検討を行
った。その結果を次の表−2に示す。
0℃の条件に3時間放置し、同様に光学特性の検討を行
った。その結果を次の表−2に示す。
【0026】上記表−2の何れの温度においても、|β
−β’|×|T−T0 |の値は1/100以上であり、
これらの場合は入射角度ずれが起こる。すなわち、干渉
縞のピッチが乱れていることが分かった。
−β’|×|T−T0 |の値は1/100以上であり、
これらの場合は入射角度ずれが起こる。すなわち、干渉
縞のピッチが乱れていることが分かった。
【0027】実施例1と比較例1の結果をまとめてグラ
フにすると、図4のようになる。これから、|β−β’
|×|T−T0 |の値が0.01近傍で変曲点を有する
ことが分る。すなわち、1/100以下にて光学特性が
維持できた。
フにすると、図4のようになる。これから、|β−β’
|×|T−T0 |の値が0.01近傍で変曲点を有する
ことが分る。すなわち、1/100以下にて光学特性が
維持できた。
【0028】実施例2 厚さ30mmのアクリル基板(日東樹脂(株)製)上
に、フィルム形状のホログラム記録用フォトポリマー感
材(HRF−600:Dupont社製,厚さ11.0
μm)を、ゴムローラーを用いて積層した。以下、実施
例1と同様の手順でホログラム回折格子を作製した。
に、フィルム形状のホログラム記録用フォトポリマー感
材(HRF−600:Dupont社製,厚さ11.0
μm)を、ゴムローラーを用いて積層した。以下、実施
例1と同様の手順でホログラム回折格子を作製した。
【0029】ホログラム感材の線熱膨張係数は実施例1
と同様であり、また、アクリル基板の線熱膨張係数は
7.0×10-5 K-1(40℃〜120℃)であった。
と同様であり、また、アクリル基板の線熱膨張係数は
7.0×10-5 K-1(40℃〜120℃)であった。
【0030】上記ホログラムを、40、50、60、7
0、80、90、100、110、120℃の条件に、
3時間放置し、光学特性の検討を行った。その結果を次
の表−3に示す。
0、80、90、100、110、120℃の条件に、
3時間放置し、光学特性の検討を行った。その結果を次
の表−3に示す。
【0031】上記表−3から、110℃以下の温度で
は、|β−β’|×|T−T0 |は1/100以下であ
り、光学特性の変化は認められなかった。また、ガラス
基板を用いた実施例1に比較して、アクリル基板を用い
た方が使用温度範囲が拡大できた。
は、|β−β’|×|T−T0 |は1/100以下であ
り、光学特性の変化は認められなかった。また、ガラス
基板を用いた実施例1に比較して、アクリル基板を用い
た方が使用温度範囲が拡大できた。
【0032】実施例3〜5 ホログラム感材を実施例2のHRF−600とし、数種
類の支持基板について検討を行った。次の表−4に支持
基板の種類、線熱膨張係数、使用温度、|β−β’|×
|T−T0 |、入射角度のずれの関係を示す。
類の支持基板について検討を行った。次の表−4に支持
基板の種類、線熱膨張係数、使用温度、|β−β’|×
|T−T0 |、入射角度のずれの関係を示す。
【0033】
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のホログラムによれば、ホログラフィック干渉パターン
が乱れない温度範囲を予想することができる。また、使
用温度範囲を広げるためには、フォトポリマー等の感材
の線熱膨張係数と支持基材の線熱膨張係数の差が小さい
ことが必要であることも分かった。
のホログラムによれば、ホログラフィック干渉パターン
が乱れない温度範囲を予想することができる。また、使
用温度範囲を広げるためには、フォトポリマー等の感材
の線熱膨張係数と支持基材の線熱膨張係数の差が小さい
ことが必要であることも分かった。
【0035】なお、本発明において、上記のような効果
を有する理由は、線熱膨張係数の差が|β−β’|×|
T−T0 |≦1/100の関係を満たす限り、フォトポ
リマー等の感材と支持基材の界面に働く熱応力が、光学
特性を維持できる範囲内にあるためと推定される。
を有する理由は、線熱膨張係数の差が|β−β’|×|
T−T0 |≦1/100の関係を満たす限り、フォトポ
リマー等の感材と支持基材の界面に働く熱応力が、光学
特性を維持できる範囲内にあるためと推定される。
【0036】また、本発明は、正確な回折角度及びビー
ム収束性が要求されるホログラフィック光学素子の後処
理の条件の決定及び耐候性の予想に応用可能である。
ム収束性が要求されるホログラフィック光学素子の後処
理の条件の決定及び耐候性の予想に応用可能である。
【図1】本発明のホログラムを記録する感光材料の層構
成を示す断面図である。
成を示す断面図である。
【図2】ホログラム撮影光学系の1例を示す光路図であ
る。
る。
【図3】感材層と支持基材層の間の熱膨張の差を示すた
めの図である。
めの図である。
【図4】実施例1と比較例1の|β−β’|×|T−T
0 |と入射角度ずれの関係を示す図である。
0 |と入射角度ずれの関係を示す図である。
【図5】フォトポリマー感材とガラス基材からなるホロ
グラムの積層構造を示す断面図である。
グラムの積層構造を示す断面図である。
【図6】フォトポリマー感材とシランカップリング材と
ガラス基材からなるホログラムの積層構造を示す断面図
である。
ガラス基材からなるホログラムの積層構造を示す断面図
である。
1…感材 2…支持基材 4…感光材料 5…界面
Claims (3)
- 【請求項1】 ホログラフィック干渉パターンが記録さ
れた感材層と、感材層に密着する支持基材層とからなる
層構成を有するホログラムにおいて、支持基材の線熱膨
張係数βと感材の線熱膨張係数β’が、以下に示す関係
にあることを特徴とするホログラム: |β−β’|×|T−T0 |≦1/100 ただし、β :支持基材の線熱膨張係数(K-1) β’:感材の線熱膨張係数(K-1) T0 :ホログラフィック干渉パターン記録時の温度
(K) T :後処理温度を含む使用環境温度(K)である。 - 【請求項2】 感材がフォトポリマー感材からなること
を特徴とする請求項1記載のホログラム。 - 【請求項3】 ホログラフィック干渉パターンが透過型
であることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラ
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32768591A JPH05165388A (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | ホログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32768591A JPH05165388A (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | ホログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05165388A true JPH05165388A (ja) | 1993-07-02 |
Family
ID=18201836
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32768591A Pending JPH05165388A (ja) | 1991-12-11 | 1991-12-11 | ホログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05165388A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1991
- 1991-12-11 JP JP32768591A patent/JPH05165388A/ja active Pending
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