JPH05164332A - マイクロ波吸収発熱具とその製造方法 - Google Patents

マイクロ波吸収発熱具とその製造方法

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JPH05164332A
JPH05164332A JP35326391A JP35326391A JPH05164332A JP H05164332 A JPH05164332 A JP H05164332A JP 35326391 A JP35326391 A JP 35326391A JP 35326391 A JP35326391 A JP 35326391A JP H05164332 A JPH05164332 A JP H05164332A
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JP
Japan
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carbon black
microwave absorbing
heat generating
microwave
absorbing heat
Prior art date
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Application number
JP35326391A
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English (en)
Inventor
Masumi Kosho
真澄 古庄
Takaomi Sugihara
孝臣 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カーボンブラックをマイクロ波吸収材として
陶磁器内に分散複合させたマイクロ波吸収発熱具とこれ
を効率よく得るための製造方法を提供する。 【構成】 組織内部にカーボンブラックが分散した陶磁
器基材を主体に形成されてなるマイクロ波吸収発熱具。
その製造方法は、陶磁器原料にカーボンブラックを 1.0
〜10.0重量%の割合で混合し、所定の形状に成形したの
ち、不活性雰囲気中にて1100〜1500℃で焼結させ、つい
で酸化雰囲気下で 500℃以上の温度で焼成処理すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジを用いて被
調理物を誘電加熱する際に容器や介在物として使用し、
それ自体がマイクロ波を吸収する性質の発熱具とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンジは、マグネトロンから発生す
るマイクロ波を被調理物に照射し、調理物の内部で誘電
加熱させる迅速性の調理装置である。このため、被調理
物を収納して電子レンジ内にセットする容器としては、
従来からマイクロ波を吸収しない陶磁器類で形成された
ものが汎用されている。ところが、この加熱方式では被
調理物に焦げ目を付けることができず、自然の焼き上が
り状態を期待することができない。この要請に対応する
ため、内部に電熱ヒーターや炭化珪素からなるマイクロ
波吸収発熱体を設置した構造の電子レンジ(実開昭56−
146805号公報、特開平1−212821号公報) が開発されて
いるが、装置構造が複雑化するうえ大型化する問題点が
ある。
【0003】そこで、調理用の容器自体にマイクロ波を
吸収して発熱する機能を与えることにより被調理物に自
然の焼き上がり状態を与える試みがなされている。例え
ば、塩化第二錫、三塩化アンチモン等を酸化させて陶磁
器容器の表面にマイクロ波吸収性の高い酸化錫や酸化ア
ンチモンの皮膜を焼結形成する方法、あるいは陶磁器容
器表面に結晶質酸化錫・アンチモン固溶体の微粉末ゾル
を塗布する方法(特開平2−263017号公報) などが提案
されている。しかしながら、前者の方法は製造過程で腐
食性ガスの発生を伴うために製造装置が複雑化し、後者
の方法では複雑形状の容器に対して均一な塗膜を形成す
ることに困難性を伴う欠点がある。そのうえ、両方法で
形成される皮膜や塗膜は繰り返しの使用によって磨滅や
外傷を受けるなど、耐久性の面で問題がある。
【0004】このほか、マイクロ波を透過するセラミッ
ク材とマイクロ波吸収発熱性のフェライト材を粒状また
は塊状に形成した調理用加熱材(特開平2−239820号公
報)も提案されている。該調理用加熱材は、非電波吸収
断熱材で形成された調理容器内に、芋、栗あるいは魚等
の被調理物と共に複数個収容して使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
のマイクロ波吸収発熱性物質とは全く異質のカーボンブ
ラックがマイクロ波を吸収発熱する特性があることに着
目し、表面付着によらないで陶磁器基材に介在させる構
造ならびにその製造手段を解明して開発に至ったもので
ある。
【0006】したがって、本発明の目的はカーボンブラ
ックをマイクロ波吸収材として陶磁器内に分散複合させ
た構造のマイクロ波吸収発熱具とこれを効率よく得るた
めの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるマイクロ波吸収発熱具は、組織内部に
カーボンブラックが分散した陶磁器基材を主体に形成さ
れてなることを構成上の特徴とする。
【0008】本発明の対象となるマイクロ波吸収発熱具
とは、マイクロ波を吸収して発熱する調理物収納用の容
器、あるいは調理物中もしくはその近傍に介在させて使
用される粒状、塊状などの固形体を指し、また上記の構
成において、組織内部にカーボンブラックが分散した状
態とは、発熱具を形成している陶磁器基材の表面部分を
除く内部の組織にカーボンブラックが分散介在している
構造形態を意味する。なお、陶磁器基材を主体に形成さ
れた素焼き材には、常法に従い施釉処理その他の必要な
後処理を施して製品とする。
【0009】陶磁器基材の組織内部に分散されるカーボ
ンブラックは特に製造履歴や種類を問われることはな
く、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャン
ネルブラック、サーマルブラックなど各種のものを使用
することができる。
【0010】上記のマイクロ波吸収発熱具は、陶磁器原
料にカーボンブラックを 1.0〜10.0重量%の割合で混合
し、所定の形状に成形したのち、不活性雰囲気中にて11
00〜1500℃で焼結させ、ついで酸化雰囲気下で 500℃以
上の温度に焼成処理する方法により製造される。
【0011】陶磁器原料としては、例えば含水珪酸アル
ミニウム系の可塑性粘土類、珪石などの非可塑性材料、
このほか長石、アルミナ等のセラミック粉末を挙げるこ
とができ、夾雑する砂や鉄分などの不純物を分離除去し
て使用に供される。これら陶磁器原料を適宜に配合した
のち、カーボンブラックとともにボールミルやパブミル
等の混練機に投入して均一になるまで混練処理する。
【0012】この際、カーボンブラックの配合量は陶磁
器原料に対し 1.0〜10.0重量%の割合に設定する。カー
ボンブラックの配合量が 1.0重量%未満ではマイクロ波
吸収性が不足し、10.0重量%を越えると陶磁器原料の焼
結性が悪化して良質の成形品を得ることが困難となり、
また使用時に自己発熱性が著しく高くなって破損する危
険性が生じる。
【0013】ついで、混練物を鋳込み成形、加圧成形、
押出成形のような適宜な成形手段を用いて容器状、粒
状、塊状など所定の形状に成形する。成形体は乾燥処理
を施したのち、不活性雰囲気中で1100〜1500℃にて焼結
させ、次に酸化雰囲気にて 500℃以上の温度、好ましく
は600 〜1000℃の温度域で焼成処理する。この焼成処理
段階で組織表層部に介在するカーボンブラックは焼失し
組織内部にカーボンブラックが分散した陶磁器基材が形
成される。
【0014】得られた陶磁器基材には常法に従って施釉
処理を施す。この処理は前記の成形工程後におこない、
さらに必要に応じて絵付けなどの後処理をおこなって最
終的にマイクロ波吸収発熱具を得る。
【0015】
【作用】本発明に係るマイクロ波吸収発熱具は、陶磁器
基材の組織内部にカーボンブラックが分散した複合構造
を呈しているから、マイクロ波を照射するとその一部を
カーボンブラック成分が吸収して自己発熱し、同時に遠
赤外線を放射する。このため、該マイクロ波吸収発熱具
を容器または固形介在物として電子レンジ内にセットし
て被調理物を加熱すると、照射されたマイクロ波の一部
は被調理物の内部を誘電加熱し、一部は容器または固形
体中のカーボンブラックによる吸収発熱ならびに遠赤外
線放射作用を介して外部から被調理物を加熱する。この
ような両面加熱作用で調理物全体が迅速に加熱され、焦
げ目のある自然な焼き上がり状態を与えられる。
【0016】また本発明による製造方法によれば、まず
陶磁器原料を焼結させ、次に成形体を焼成する工程で表
層部に介在するカーボンブラックを焼失させるため、焼
成後における基材面には亀裂などの組織欠陥はなく、施
釉処理に障害を与えるような黒さは認められることもな
い。したがって、上記のマイクロ波吸収発熱具を効率よ
く製造することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0018】実施例1〜3、比較例1〜2 含水珪酸アルミニウムを主成分とする粘土とアルミナ粉
末からなる精製された陶磁器原料に配合量を変えてファ
ーネスカーボンブンブラック〔東海カーボン(株)製、
“シースト3”〕を配合してボールミルで十分に混練
し、ついで押出成形して直径40mm、長さ10mmの成形体を
得た。成形体の状況は、カーボンブラックを15重量%配
合したものは焼結性が悪く、亀裂等が多く発生したが、
カーボンブラック配合量が10重量%以下の例では正常な
成形体が得られた。各成形体を乾燥したのち、Ar雰囲
気中にて1200℃で焼結し、次に大気雰囲気の焼成炉中で
600℃の温度で30分間焼成処理をおこなった。この陶磁
器基材に浸し掛けにより施釉処理を施し、最終的に1200
℃の温度で焼付けした。
【0019】このようにして製造した固形物状の各マイ
クロ波吸収発熱具を出力0.5kw の電子レンジに入れ、マ
イクロ波を照射してその経時的な昇温状態を測定した。
その結果を表1に示した。なお、発熱温度の測定は、赤
外線放射温度計〔東京精工(株)製、RT−208 型〕で
おこなった。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果から、実施例1〜3のものはカ
ーボンブラック無添加の比較例1に比べてマイクロ波の
吸収発熱が高く、経時的な昇温が頗る速いことが判明す
る。しかし、カーボンブラック配合量が10重量%を越え
る比較例2では焼結性が悪くなって工業的な製造が困難
となることが認められた。
【0022】実施例4、比較例3 実施例3(カーボンブラック配合量10.0重量%) と比較
例1(カーボンブラック無添加)の混合原料を用い、加
圧成形により皿状形態に成形したのち同一条件で焼成お
よび施釉の各処理を施して調理容器を作製した。この各
容器に牛肉を入れて電子レンジ(500W)にセットし、マイ
クロ波を2分間照射した結果を表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればカーボン
ブラックをマイクロ波吸収材として陶磁器基材の組織内
部に分散複合化させることにより被調理物に内外面から
効果的に熱を与えるマイクロ波吸収発熱具を提供するこ
とができる。したがって、被調理物の収納容器または調
理物中もしくはその近傍に介在させる固形体として使用
することにより加熱を迅速に進行させ、また調理物に自
然な焼き上がり印象を与える焦げ目を付けることが可能
となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織内部にカーボンブラックが分散した
    陶磁器基材を主体に形成されてなるマイクロ波吸収発熱
    具。
  2. 【請求項2】 陶磁器原料にカーボンブラックを 1.0〜
    10.0重量%の割合で混合し、所定の形状に成形したの
    ち、不活性雰囲気中にて1100〜1500℃で焼結させ、つい
    で酸化雰囲気下で 500℃以上の温度に焼成処理すること
    を特徴とするマイクロ波吸収発熱具の製造方法。
JP35326391A 1991-12-16 1991-12-16 マイクロ波吸収発熱具とその製造方法 Pending JPH05164332A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011068892A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Evonik Degussa Gmbh カーボンブラック、その製造方法並びにその使用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011068892A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Evonik Degussa Gmbh カーボンブラック、その製造方法並びにその使用

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