JPH05163831A - 壁紙貼り付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁紙の貼り付け作業の省力化を図るととも
に、特に、熟練を要する仮止めまでの作業を容易ならし
めること。 【構成】 基台１と、この基台１に設けられた伸縮自在
な柱部材３と、この柱部材３の上部に取り付けられた保
持フレーム４と、この保持フレーム４に取り付けられ、
壁紙10の上部を挟んで保持するチャック５と、保持フレ
ーム４に取り付けられ、壁紙10を壁面になで付ける押さ
えブラシ７と、保持フレームの角度を変えて壁紙の傾き
を調整する回動軸31とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、建築物の内装仕上げ
工事において、壁面に壁紙を貼り付けるために使用する
壁紙貼り付け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】建築物の壁面に壁紙を貼り付ける際に
は、澱粉を主原料とする糊を壁紙の裏面に塗布したの
ち、所定の長さに切断し、職人がその切断した壁紙を持
って脚立や台などの足場の上に載り、壁面の上部から壁
紙を垂らして位置決めを行ない、上部を仮止めしたのち
に貼り付けていた。

【０００３】通常、建築物における室内の壁面の高さ
は、床面から2.5〜3ｍであり、この壁面に約90cmの幅の
壁紙を縦流れに順次に貼り付けて行く。

【０００４】このような壁紙の貼り付け作業において、
職人は、足場に上がり下がりを繰り返し、さらに、糊の
付いた壁紙を位置決めしながら貼り付けるので、神経を
使い、かつ、疲れ易い熟練の要する作業であった。特
に、絵柄や模様が施されている壁紙の貼り付け作業にお
いては、絵柄や模様を合わせなければならないので、さ
らに神経を使う高度な熟練の要する作業であった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
このような壁紙の貼り付け作業の省力化を図るととも
に、特に、熟練を要する仮止めまでの作業を容易ならし
めることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】基台と、この基台に設け
られた昇降手段と、この昇降手段の上部に取り付けられ
た保持フレームと、この保持フレームに取り付けられ、
壁紙の上部を挟んで保持するチャックと、上記保持フレ
ームの角度を変えて壁紙の傾きを調整する手段とを具備
している。

【０００７】さらに、前後に移動できるスライド軸を介
して取り付けられた押さえブラシを保持フレームに設け
てもよい。

【０００８】

【実施例】この発明の壁紙貼り付け装置は、図１に示す
ように、部屋の中を移動できるようにキャスタ２を取り
付けた基台１と、この基台１に立設され、上下に伸縮自
在な柱部材３と、この柱部材３の上端に設けられた保持
フレーム４と、この保持フレーム４に適当な間隔をあけ
て取り付けられたチャック５と、保持フレーム４に対し
て前後に移動できるスライド軸６を介して保持された押
さえブラシ７とを具備している。

【０００９】柱部材３は、２重筒で構成され、エアーシ
リンダを内蔵して空気圧により上下に伸縮させるか、ス
クリュウと螺子を組み合わせた駆動機構を内蔵し、モー
タによってスクリュウを回転させることにより上下に伸
縮させるものである。

【００１０】保持フレーム４は、柱部材３の上端に回動
軸31を介して取り付けられており、ある程度、傾斜でき
るように構成されている。この回動軸31の角度の調整
は、手動で行なってもよいが、回動軸31をモータによっ
て回動させるように構成しておくと、このモータを制御
することににより、離れた場所から回動軸31の角度の調
整を行なうことが可能である。

【００１１】保持フレーム４に取り付けられたチャック
５は、裏面に糊を塗布した壁紙10の上部を挟んで保持す
るもので、その開閉は、エアーシリンダを使用して空気
圧により行なわせる。

【００１２】押さえブラシ７は、エアーシリンダを使用
して空気圧によりスライド軸６を伸縮させることによ
り、壁紙10を壁面に押し付けるものである。

【００１３】なお、図示されている棚８は、糊を塗布し
た壁紙10の下部を載置しておくための棚である。

【００１４】次に、このように構成された装置を使用し
て、壁面に壁紙を仮止めする操作について説明する。

【００１５】柱部材３を下降させた状態で、チャック５
を開いて、糊面が前向きになるように、糊を塗布した壁
紙10の上部を保持させる。

【００１６】そして、移動の妨げにならない高さまで柱
部材３を上昇させ、キャスタ２を利用して、装置を貼り
付けるべき壁面の前まで移動させたのち、目視により、
回動軸31を介して取り付けられた保持フレーム４の角度
を変化させて壁紙10の傾きを調整し、柱部材３を上下に
伸縮させて壁紙10の高さを調整する。絵柄や模様が施さ
れている壁紙10を貼り付ける場合には、壁紙の高さや傾
きのみならず、絵柄や模様も正確に合わせる。

【００１７】このようにして、壁紙10の位置設定を終了
すると、スライド軸６を伸長させて押さえブラシ７を壁
面に押し付けることにより、壁紙を壁面に仮止めするこ
とができる。

【００１８】その後、ブラシ、へら、ローラなどを使用
して、手で壁面の上から下へ壁紙を貼り付け、壁紙10が
動かなくなるまで固定されると、チャック５を開いて装
置を後退させ、仕上げ作業に移る。

【００１９】このとき、チャック５を開いたのち、ブラ
シ７を壁面に押し付けたまま、柱部材３を下降させる
と、壁紙10を壁面になで付けることができる。

【００２０】（他の実施例）以上で説明した実施例にお
いては、チャック５を取り付けた保持フレーム４および
押さえブラシ７を取り付けたスライド軸６を保持する手
段として、上下に伸縮自在な柱部材３を使用している
が、平行リンク機構よりなるパンタグラフなどの他の手
段を使用してもよいのである。

【００２１】保持フレーム４は、回動軸31によりその角
度の調整を行なっているが、基台１に対して柱部材３を
傾斜し得るように構成すれば、保持フレーム４を柱部材
３の上部に固定することができる。

【００２２】また、チャック５として、挟む幅が広いチ
ャックを使用すれば、１つのチャックを設けるだけでよ
いのである。

【００２３】

【発明の効果】以上の実施例に基づく説明から明らかな
ように、この発明の壁紙貼り付け装置によると、高所作
業を伴う壁紙の貼り付け作業の省力化を図ることがで
き、さらに、熟練を要する仮止めまでの作業を容易なら
しめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の壁紙貼り付け装置の側面図(ａ)およ
び正面図(ｂ)である。

【符号の説明】

１ 基台 ２ キャスター ３ 伸縮自在な柱部材（昇降手段） ４ 保持フレーム ５ チャック ６ スライド軸 ７ 押さえブラシ 10 壁紙

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台と、該基台に設けられた昇降手段
   と、該昇降手段の上部に取り付けられた保持フレーム
   と、該保持フレームに取り付けられ、壁紙の上部を挟ん
   で保持するチャックと、上記保持フレームの角度を変え
   て壁紙の傾きを調整する手段とを具備することを特徴と
   する壁紙貼り付け装置。
2. 【請求項２】 保持フレームに取り付けられ、前後に移
   動できるスライド軸を介して保持された押さえブラシを
   備えたことを特徴とする請求項１に記載の壁紙貼り付け
   装置。