JPH05163335A - 熱可塑性合成高分子用改質剤及びこれを含有する重合体組成物 - Google Patents

熱可塑性合成高分子用改質剤及びこれを含有する重合体組成物

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JPH05163335A
JPH05163335A JP35220091A JP35220091A JPH05163335A JP H05163335 A JPH05163335 A JP H05163335A JP 35220091 A JP35220091 A JP 35220091A JP 35220091 A JP35220091 A JP 35220091A JP H05163335 A JPH05163335 A JP H05163335A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、熱可塑性合成高分子に、耐久性を有
する、且つ該熱可塑性合成高分子本来の物性を低下させ
ることのない、優れた帯電防止性及び染色性を付与でき
る、熱可塑性合成高分子用改質剤及びこれを含有する重
合体組成物を提供するものである。 【構成】本発明の熱可塑性合成高分子用改質剤は、特定
のホスホニウムスルホイソフタレート単位を30モル%
以上含有する芳香族ジカルボン酸単位と、特定の2価の
アルコールより導かれるジオール単位とで構成されるポ
リエステルから成ることを特徴としており、また本発明
の重合体組成物は、上記の熱可塑性合成高分子用改質剤
と、分子中にスルホン酸基を有しない熱可塑性合成高分
子とから成り、且つ該熱可塑性合成高分子用改質剤をス
ルホイソフタレート単位として0.1〜8重量%含有し
て成ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性合成高分子用改
質剤及びこれを含有する重合体組成物に関する。熱可塑
性合成高分子は、材料として優れた特性を有するため、
種々の産業分野に広く利用されている。しかし、熱可塑
性合成高分子は一般に非極性的性質が大きいため、帯電
防止性や染色性に問題がある。本発明は、熱可塑性合成
高分子に、耐久性を有する、且つ該熱可塑性合成高分子
本来の物性を低下させることのない、優れた帯電防止性
及び染色性を付与できる改質剤、及びこれを含有する重
合体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性合成高分子に帯電防止性
や染色性を付与する手段として、該熱可塑性合成高分子
中にイオン性基を導入する数多くの試みがなされてい
る。これらのうちで熱可塑性合成高分子中へスルホン酸
基を導入する手段としては、スルホン酸基を有する非反
応性化合物を添加する例(特開昭62−23083
5)、スルホン酸基を有する反応性化合物を共重合する
例(特開昭62−299526)がある。ところが、前
者の例には、非反応性化合物が水や溶剤等によって容易
に除去されるため、効果の耐久性が低いという欠点があ
り、また後者の例には、所望の効果を得るのに反応性化
合物の共重合比率を高める必要があるため、熱可塑性合
成高分子本来の物性を低下させるという欠点がある。そ
こでかかる欠点を改良するため、スルホン酸基を導入し
たポリエーテルエステルや脂肪族ポリエステルを添加す
る例(US4006123)、スルホン酸基を有する反
応性化合物を合成高分子の分子末端に導入する例(特開
昭62−238883)が提案されている。ところが、
前者の例には、脂肪族ポリエステル部分やポリエーテル
部分の存在に起因して、耐熱性が不十分という欠点があ
り、また後者の例には、スルホン酸基の濃度を改質効果
を十分発揮し得る程度まで高めることができないため、
所望の効果が得られないという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来手段では、もともと所望の帯電防止性
や染色性を付与できず、或はまたその耐久性が低かった
り、熱可塑性合成高分子本来の物性を低下させる点であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記観点で鋭意研究した結果、スルホン酸ホスホニウム
を置換基とするイソフタル酸誘導体をジカルボン酸成分
として30モル%以上共重合したポリエステルを用いる
ことが正しく好適であることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、下記の式1で示される
ホスホニウムスルホイソフタレート単位を30モル%以
上含有する芳香族ジカルボン酸単位と、下記の式2で示
される2価のアルコールより導かれるジオール単位とで
構成されるポリエステルから成ることを特徴とする熱可
塑性合成高分子用改質剤、及び該熱可塑性合成高分子用
改質剤と、分子中にスルホン酸基を有しない熱可塑性合
成高分子とから成り、且つ該熱可塑性合成高分子用改質
剤を下記の式3で示されるスルホイソフタレート単位と
して0.1〜8重量%含有して成る重合体組成物に係わ
る。
【0006】
【式1】
【0007】
【式2】
【0008】
【式3】
【0009】[式1及び式2において、 R1〜R4:同時に同一又は異なる、炭素数1〜18の脂
肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、ア
ルキルアリル基 A:炭素数2〜22の炭化水素基
【0010】式1で示されるホスホニウムスルホイソフ
タレート単位において、そのカチオン部分を構成するホ
スホニウムとしては、1)テトラメチルホスホニウム、
テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウ
ム、トリエチルメチルホスホニウム、トリブチルメチル
ホスホニウム、トリオクチルメチルホスホニウム、トリ
ブチルエチルホスホニウム、トリメチルブチルホスホニ
ウム、トリエチルオクチルホスホニウム、トリブチルオ
クチルホスホニウム、トリメチルラウリルホスホニウ
ム、トリメチルステアリルホスホニウム等の、炭素数1
〜18の脂肪族炭化水素基を有するホスホニウム、2)
テトラフェニルホスホニウム、トリフェニルメチルホス
ホニウム、トリフェニルエチルホスホニウム等の、芳香
族炭化水素基を有するホスホニウム、3)トリフェニル
ベンジルホスホニウム、トリトルイルブチルホスホニウ
ム、トリブチルベンジルホスホニウム等の、アラルキル
基又はアルキルアリル基を有するホスホニウムが挙げら
れる。これらのうちでは、テトラブチルホスホニウム、
テトラフェニルホスホニウムが有利である。
【0011】本発明の熱可塑性合成高分子用改質剤とし
て用いるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸単位と、
式2で示される2価のアルコールより導かれるジオール
単位とで構成されるものである。そして該芳香族ジカル
ボン酸単位は、前記したような式1で示されるホスホニ
ウムスルホイソフタレート単位を、全芳香族ジカルボン
酸単位中で30モル%以上、好ましくは50モル%以
上、更に好ましくは70モル%以上含有するものであ
る。式1で示されるホスホニウムスルホイソフタレート
単位の占める割合が全芳香族ジカルボン酸単位中で30
モル%未満の場合、帯電防止性や染色性を付与する上
で、熱可塑性合成高分子用改質剤を多量に添加する必要
があり、このため熱可塑性合成高分子本来の物性を低下
させる。
【0012】式1で示されるホスホニウムスルホイソフ
タレート単位以外の芳香族ジカルボン酸単位としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸から誘導される芳香族ジカルボ
ン酸単位があるが、これらのうちではテレフタル酸単位
が好ましい。
【0013】式2で示される2価のアルコールとして
は、いずれも炭素数2〜22の炭化水素基を有する、
1)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6ヘ
キサンジオール等の脂肪族グリコール、2)シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール
等の脂環族グリコール、3)p−キシリレングリコール
等の芳香族グリコールが挙げられる。かかる2価のアル
コールより導かれるジオール単位のうちでは、エチレン
グリコール単位が有利である。
【0014】本発明の熱可塑性合成高分子用改質剤とし
て用いるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸又はその
エステル形成性誘導体、例えばそれらのメチルエステル
やヒドロキシエチルエステル等と、前記したようなグリ
コール類との公知のエステル化反応又はエステル交換反
応、及びこれに引き続いて行なわれる重縮合反応によっ
て得られる。
【0015】本発明の熱可塑性合成高分子用改質剤とし
て用いるポリエステルは、その分子量が3000〜30
000のものが好ましく、5000〜20000のもの
が更に好ましい。その分子量が3000未満であると、
熱可塑性合成高分子中においてかかるポリエステルが移
動し易くなるため、耐久性が劣るようになる傾向を示
し、逆にその分子量が30000を超えると、かかるポ
リエステルを製造するためには通常の縮重合に加えて固
相重合等の特別な反応が必要になるため、それだけ不利
である。
【0016】本発明の重合体組成物は、以上説明したよ
うな熱可塑性合成高分子用改質剤と、分子中にスルホン
酸基を有しない熱可塑性合成高分子とから成り、且つ該
熱可塑性合成高分子用改質剤を式3で示される、スルホ
イソフタレート単位として0.1〜8重量%となるよう
に含有させて成るものである。この場合、その主目的が
帯電防止性の付与にある場合には式3で示されるスルホ
イソフタレート単位として0.2〜4重量%となるよう
に含有させるのが好ましく、またその主目的が染色性の
付与、例えばカチオン染料染色性の付与にある場合には
式3で示されるスルホイソフタレート単位として1〜5
重量%となるように含有させるのが好ましい。含有させ
る量が、式3で示されるスルホイソフタレート単位とし
て0.1重量%未満であると、所望の帯電防止性及び染
色性の改質効果が得られず、逆に8重量%を超えると、
重合体組成物の物性低下が著しくなる。
【0017】本発明が適用される熱可塑性合成高分子と
しては、1)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリメチルメタアクリレート等のビニル重合型高
分子、2)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミ
ド等の縮重合型高分子が挙げられる。これらのうちで
も、本発明は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
アミド等の加工温度の高い縮重合型高分子に対して、と
りわけポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートに対して有効である。
【0018】本発明の重合体組成物を調製するには、公
知の混練プロセスが適用できる。かかる混練プロセスと
しては、ミル、カレンダー、ニーダー、エクストルーダ
ー等が挙げられる。混練する温度は、熱可塑性合成高分
子の融点以上、一般には160〜300℃である。本発
明の重合体組成物は各種の成形方法を用いて重合体成形
物に加工することができる。加工に際し、種々の目的
で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、易滑剤、無機
微粒子等の任意の添加剤を、本発明の効果を損なわない
範囲内で併用することができる。
【0019】
【実施例】
試験区分1(ホスホニウムスルホイソフタレートのエチ
レングリコール溶液等の製造) ・テトラブチルホスホニウム−5−スルホイソフタル酸
−ビス−(2−ヒドロキシエチル)エステルのエチレン
グリコール溶液(DC−1)の製造 特開平2−188592に記載の方法に準じて得たテト
ラブチルホスホニウム−5−スルホイソフタル酸504
部(1モル、部は重量部、以下同じ)及びエチレングリ
コール500部を反応容器に仕込み、窒素気流下に生成
する水を溜去しつつ、180℃で8時間加熱撹拌した。
次いで同温度にて、アスピレーター減圧下に濃縮し、テ
トラブチルホスホニウム−5−スルホイソフタル酸−ビ
ス−(2−ヒドロキシエチル)エステルのエチレングリ
コール溶液(DC−1)を得た。このDC−1は、酸価
2.7、鹸化価154であった。
【0020】以下同様にして、テトラフェニルホスホニ
ウム−5−スルホイソフタル酸−ビス−(2−ヒドロキ
シエチル)エステルのエチレングリコール溶液(DC−
2)、トリエチルベンジルホスホニウム−5−スルホイ
ソフタル酸−ビス−(2−ヒドロキシエチル)エステル
のエチレングリコール溶液(DC−3)、トリブチルオ
クチルホスホニウム−5−スルホイソフタル酸−ビス−
(2−ヒドロキシエチル)エステルのエチレングリコー
ル溶液(DC−4)を得た。DC−2は酸価2.1、鹸
化価134、DC−3は酸価3.2、鹸化価170、D
C−4は酸価3.0、鹸化価137であった。またUS
P4035346に記載の方法に準じて、テトラブチル
ホスホニウム−5−スルホイソフタル酸−ジメチル(D
C−5)を得た。このDC−5は酸価0.5、鹸化価2
10であった。
【0021】・テトラブチルホスホニウム−m−スルホ
安息香酸−(2−ヒドロキシエチル)エステルのエチレ
ングリコール溶液(DC−10)の製造 USP4035346に記載の方法に準じて得たテトラ
ブチルホスホニウム−m−スルホ安息香酸460部(1
モル)及びエチレングリコール600部を反応容器に仕
込み、窒素気流下に生成する水を溜去しつつ、180℃
で8時間加熱撹拌した。次いで同温度にて、アスピレー
ター減圧下に濃縮し、テトラブチルホスホニウム−m−
スルホ安息香酸−(2−ヒドロキシエチル)エステルの
エチレングリコール溶液(DC−10)を得た。このD
C−10は、酸価2.3、鹸化価61であった。
【0022】試験区分2(熱可塑性合成高分子用改質剤
として用いるポリエステルの製造) ・実施例1{ポリエステル(A)の製造} 試験区分1で得たDC−1を715部、触媒としてテト
ラブチルチタネートを0.5部及びテトラブチルホスホ
ニウムハイドロオキサイドを1.0部反応容器に仕込
み、アスピレーター減圧下に200℃まで昇温撹拌し、
次いで減圧度を高めつつ240℃まで昇温撹拌した。更
に同温度で1mmHg以下の真空下に2時間重合反応を行な
い、ポリエステル(A)を得た。このAは、外観が淡黄
色透明固体状で、酸価4.3、水酸基価6.6、平均分
子量10300(酸価及び水酸基価より計算、以下同
じ)であった。
【0023】・実施例2〜7{ポリエステル(B)〜
(G)の製造} 実施例1の場合と同様にして、ポリエステル(B)〜
(G)を得た。
【0024】・実施例8{ポリエステル(H)の製造} 試験区分1で得たDC−5を426部、テレフタル酸ジ
メチルを39部、1,4−ブタンジオールを360部、
触媒としてテトラブチルチタネートを1.0部及びテト
ラブチルホスホニウムハイドロオキサイドを1.0部反
応容器に仕込み、常圧下に180℃でエステル交換を行
なった。次いでアスピレーター減圧下に200℃まで昇
温撹拌し、引き続き減圧度を高めつつ240℃まで昇温
撹拌した。更に同温度で1mmHg以下の真空下に2時間重
合反応を行ない、ポリエステル(H)を得た。このH
は、外観が淡黄色透明固体状で、酸価8.5、水酸基価
6.5、平均分子量7500であった。実施例1〜8で
得たポリエステル(A)〜(H)の内容を表1にまとめ
て示した。
【0025】・比較例1{ポリエステル(R−1)の製
造} Na−5−スルホイソフタル酸−ビス−(2−ヒドロキ
シエチル)エステルのエチレングリコール溶液(鹸化価
126)267部、テレフタル酸−ビス−(2−ヒドロ
キシエチルエステル)254部、触媒としてテトラブチ
ルチタネート0.5部及びテトラブチルホスホニウムハ
イドロオキサイド1.0部を反応容器に仕込み、以下実
施例1の場合と同様にして反応を行なった。反応の進行
にともない粘度が著しく上昇し、撹拌不能となったた
め、反応を中断して内容物であるポリエステル(R−
1)を取り出した。このR−1は外観が白色固体状で、
酸価8.2、水酸基価41.8、平均分子量2200で
あった。
【0026】・比較例2〜4{ポリエステル(R−2)
〜(R−4)の製造} 実施例1の場合と同様にして、ポリエステル(R−2)
〜(R−4)を得た。比較例1〜4で得たポリエステル
(R−1)〜(R−4)の内容を表1にまとめて示し
た。
【0027】
【表1】
【0028】表1において、 DC−1〜DC−5,DC−10:試験区分1で得たも
の DC−6:テレフタル酸−ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)エステル DC−7:イソフタル酸−ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)エステル DC−8:テレフタル酸ジメチル DC−9:Na−5−スルホイソフタル酸−ビス−(2
−ヒドロキシエチル)エステルのエチレングリコール溶
液 DC−11:アジピン酸−ビス−(2−ヒドロキシエチ
ル)エステル HD:1,6−ヘキサンジオール BG:1,4−ブタンジオール ポリマー組成:ポリエステルを構成する芳香族ジカルボ
ン酸単位とジオール単位とをそれぞれ相当するジカルボ
ン酸とジオールとして表示した IPS−1:テトラブチルホスホニウム−5−スルホイ
ソフタル酸 IPS−2:テトラフェニルホスホニウム−5−スルホ
イソフタル酸 IPS−3:トリエチルベンジルホスホニウム−5−ス
ルホイソフタル酸 IPS−4:トリブチルオクチルホスホニウム−5−ス
ルホイソフタル酸 IPS−5:Na−5−スルホイソフタル酸 TPA:テレフタル酸 IPA:イソフタル酸 AA:アジピン酸 EG:エチレングリコール BS:テトラブチルホスホニウム−m−スルホ安息香酸 MW:分子量
【0029】試験区分3(重合体組成物の調製及びその
評価) 熱可塑性合成高分子と試験区分2で得たポリエステルと
を、表3に示す配合量で2軸押し出し機にて練り込み、
ペレット化した。このペレットを熱風乾燥後、射出成型
機(日精樹脂工業社製)を用いて、試験片を作製した。
この試験片について、引張強度及び表面抵抗を測定し
た。結果を表2に示した。尚、引張強度はASTM−D
638に基づき測定した。また表面抵抗は試験片を20
℃×65%RHの恒温恒湿室に一夜放置後、超絶縁抵抗
計(SM−5E型、東亜電波工業社製)を用いて測定
し、次いで同試験片を市水で水道流水下に5分間洗浄
し、20℃×65%RHの恒温恒湿室に一夜放置後、同
様にして測定した。
【0030】
【表2】
【0031】表2において、 PET:ポリエチレンテレフタレート(引張強度=55
0kg/cm2) PBT:ポリブチレンテレフタレート(引張強度=55
0kg/cm2) PC:ポリカーボネート(引張強度=580kg/cm2) PS:ポリスチレン(引張強度=380kg/cm2) PMMA:ポリメチルメタクリレート(引張強度=60
0kg/cm2) SIP単位:スルホイソフタレート単位の重合体組成物
中で占める割合 引張強度比:ブランクに対する引張強度比
【0032】試験区分4(重合体組成物の調製、紡糸延
伸及びその評価) 熱可塑性合成高分子としてのポリエチレンテレフタレー
トと試験区分2で得たポリエステルとを、表3に示す配
合量で、2軸押し出し機を用い、290℃にて溶融混合
し、ペレット化した。このペレットを、130℃で5時
間乾燥した後、孔径0.25mmの円形紡糸孔を24個穿
設の紡糸口金を使用した紡糸機(SM−907、帝人エ
ンジニアリング社製)を用い、295℃で溶融紡糸し、
引き取り速度2500m/分で引き取った。そして常法
で延伸し、75デニール24フィラメントのポリエステ
ル糸を得た。このポリエステル糸を0.5%の水酸化ナ
トリウム水溶液で90℃×30分間処理し、アルカリ減
量処理を行なった。アルカリ減量処理後の糸強度低下率
と重量減量率を測定しこれらを耐アルカリ加水分解性の
指標とした。また上記で得たポリエステル糸をカチオン
染料 ( CathionCD-FRLH/Cathion Blue CD-FBLH=1/
1、保土谷化学社製)を2%OWF含む染浴(助剤とし
て Na2SO4 3部/リットル、 CH3COOH 0.3部/リッ
トルを含む)で120℃×60分間染色し、染色糸を得
た。この染色糸について、染色性を目視にて観察し、下
記に示す基準で評価した。更にこの染色糸をザブ(商品
名)の0.1%水溶液により40℃×10分間家庭用洗
濯機で洗濯した後、流水で充分に水洗し、耐洗濯性を洗
濯前の物と目視にて比較観察した。結果を表3に示し
た。
【0033】染色性の基準 ○:鮮明な濃青色 ×:くすんだ濃青色 耐洗濯性の基準 ○:色落ちなし △:僅かに色落ちあり ×:色落ちあり
【0034】
【表3】
【0035】表3において、 PET,SIP単位:表2の場合と同じ PETの糸強度:4.8g/d(dはデニール)
【0036】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、熱可塑性合成高分子に、耐久性を有する、且つ
該熱可塑性合成高分子本来の物性を低下させることのな
い、優れた帯電防止性及び染色性を付与できるという効
果がある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式1で示されるホスホニウムスル
    ホイソフタレート単位を30モル%以上含有する芳香族
    ジカルボン酸単位と、下記の式2で示される2価のアル
    コールより導かれるジオール単位とで構成されるポリエ
    ステルから成ることを特徴とする熱可塑性合成高分子用
    改質剤。 【式1】 【式2】 [式1及び式2において、 R1〜R4:同時に同一又は異なる、炭素数1〜18の脂
    肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、アラルキル基、ア
    ルキルアリル基 A:炭素数2〜22の炭化水素基
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性合成高分子用改
    質剤と、分子中にスルホン酸基を有しない熱可塑性合成
    高分子とから成り、且つ該熱可塑性合成高分子用改質剤
    を下記の式3で示されるスルホイソフタレート単位とし
    て0.1〜8重量%含有して成る重合体組成物。 【式3】
JP03352200A 1991-12-13 1991-12-13 熱可塑性合成高分子用改質剤及びこれを含有する重合体組成物 Expired - Lifetime JP3090519B2 (ja)

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Cited By (3)

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