JPH05163287A - ペプチド誘導体 - Google Patents

ペプチド誘導体

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JPH05163287A
JPH05163287A JP4113771A JP11377192A JPH05163287A JP H05163287 A JPH05163287 A JP H05163287A JP 4113771 A JP4113771 A JP 4113771A JP 11377192 A JP11377192 A JP 11377192A JP H05163287 A JPH05163287 A JP H05163287A
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Vincent Dive
ヴィンセン・ダイブ
Flavio Toma
フラボウ・トーマ
Athanasios Yiotakis
アサイショス・ユータキス
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】細菌性コラゲナーゼの阻害剤として用いられる
ペプチド誘導体。 【構成】一般式1のペプチド誘導体。 (R1は、水素原子、保護基、または好ましくは保護基
により保護されたペプチドまたはアミノ酸から誘導され
たラジカルを示し、R2は、α−アミノ酸の側鎖を示
し、R3は、水素原子、金属原子、アルキル基もしくは
ベンジル基を示し、R4は、プロリン、ヒドロキシプロ
リン、チアゾリジン(thiazolidine)もしくはデハイドロ
プロリンの誘導体を示し、R5は、水素原子もしくはア
ルキル基を示し、R6は、アミノ酸の側鎖を示し、R7
OR8で示され、R8は、水素原子、金属原子、アルキル
基もしくはベンジル基を示し、またはR1およびR7のい
ずれもが、共にペプチドもしくはアミノ酸から誘導され
る2価のラジカルを形成する。) 【効果】R3 が、金属もしくは水素原子である誘導体
は、細菌性コラゲナーゼの阻害剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛の金属結合タンパ
ク質の種類に属する細菌性コラゲナーゼの阻害剤として
用いられる新規なペプチド誘導体に関するものである。
さらに詳しくは、コラゲナーゼの活性部位の亜鉛原子と
強力に相互に作用することが可能なホスフィンのキレー
ト基 PO2−CH2を有するポリペプチド誘導体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】コラーゲンは、多細胞真
核生物の生体の細胞外基質の構成要素の多くを占めるも
のである。したがって、皮膚、腱、骨、軟骨および組織
の主たる構成要素であり、人体の全てのプロテイン約4
0%に相当するものである。
【0003】コラーゲン分子は、多数のプロテアーゼの
活性に対してとても良く抵抗するのにもかかわらず、例
えばコラゲナーゼのような特別のプロテナーゼに対して
は分解されるものである。
【0004】コラーゲナーゼの区別される二つの分類
は、今までは鑑定されており、それらがコラーゲン分子
において引き起こす分離特性の特殊性により特徴付られ
ていた。コラゲナーゼの第1の種類は、より高い有機物
質のコラゲナーゼより構成されており、これはGly−
IleもしくはGly−Leuを含むペプチドの結合を
加水分解する。第2の種類は、細菌性のコラゲナーゼで
構成されるものであり、連続するX−Glyを有するペ
プチド結合全てを組織的に加水分解し、通常全てのコラ
ーゲン分子を劣化させる。
【0005】細菌性のコラゲナーゼは、亜鉛の金属結合
タンパク質の種類に属し、基質のペプチド結合の加水分
解反応において含まれる直接的なそれらの触媒部分にお
ける亜鉛分子の存在は、これらの酵素の競合する阻害剤
の開発を可能とする。これらの阻害剤は、ペプチドの誘
導体であり、ペプチドの部分を有するものであり、その
機能は、活性部分の亜鉛原子との強力な相互作用を可能
とするキレート基と共に、酵素の結合の基質との間に特
別な相互作用を及ぼすところにある。
【0006】亜鉛プロテアーゼのグループのこの酵素−
基質相互作用モデルは、近年においては、興味ある薬学
的な特性を有する強力な阻害剤を開発することを可能と
する。後者の例の中には、変換酵素(conversion enzym
e)の阻害剤、およびエンケファリナーゼの阻害剤を合成
することが可能である。しかしながら、これらの合成物
は、細菌性のコラゲナーゼを阻害することはできない。
これは、これらの3個の亜鉛プロテアーゼ(エンケファ
リナーゼ、変換酵素および細菌性コラゲナーゼ)の各々
が異なる特異性を有する事実により証明される。
【0007】細菌性コラゲナーゼの場合、最近の研究
は、今までの仮説に従って、チオール、ケトンもしくは
フォスフォアミド(phosphoramide)のキレート基を有す
るプロテナーゼの擬ペプチド阻害剤の前記種類のために
製造されることも可能であることを論証する。
【0008】ヨタキス等の文献(Yotakis et al. in Eu
r. J. Biochem., vol.160, pp.413-418, 1986 and in E
ur. J. Biochem., vol.172, pp.761-766,1988)は、HS
−CH2−CH2−CO−Pro−ArgとHS−CH2
−CH2−CO−Pro−Harが、アクロモバクター
イオファクス(Achromobacter iophaqus)により、また
クロスツリディアム ヒストリティカム(Clostridium h
istolyticum)により製造されたコラゲナーゼを阻害し、
阻害常数Kiが400・10-9Mおよび210・10-9
Mで与えられたことを論証している。
【0009】ガラディらの文献(Galardy at al. in Bio
chemistry, vol.22, no.19, pp.4556-4561,1983 and in
US-A-4 558 034)は、フォスフォニル基(phosphonyl gr
oup)を有するジペプチドおよびトリペプチドが、クロス
トリディアム ヒストリティカム(Clostridium histoly
ticum) のコラゲナーゼを阻害することを論証してい
る。この場合、より好ましい化合物 イソアミル−PO2
Gly−Pro−Alaとしては、阻害常数Kiが20
・10-6Mであった。
【0010】ムックチアー等の文献(Mookhtiar et al i
nBiochemistry, vol.27, pp.4299-4304, 1988)は、ケト
ン作用基を有するペプチド誘導体が、クロストリディア
ムヒストリティカム(Clostridium histolyticum) のコ
ラゲナーゼを阻害することができたことを検証してい
る。この場合、阻害定数Kiは、最も好ましい化合物
(シンナモイル(cinnamoyl)-Leuk−Gly−Plo
−Arg)の場合、1・10- 6Mである。このように、
いずれの公知の阻害剤も、約1ナノモルの阻害定数を導
くものではない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のための研究は、
他のより活性な阻害剤を発見するために行われた。本発
明は、特により強力でより選択的な細菌性コラゲナーゼ
阻害剤である新規なペプチド誘導体に関するものであ
る。本発明によれば、これらのペプチド誘導体は、以下
の式に示されるものである。
【0012】
【化21】
【0013】式中、R1は、水素原子、α−アミノ酸の
N末端を保護することができる保護基、またはそのCO
末端によりNHに結合し、そして水素原子もしくはα−
アミノ酸のN末端をブロックすることができる基をその
N末端条に有するペプチドもしくはα−アミノ酸から誘
導されるラジカルである。R2は、α−アミノ酸の側鎖
である。R3は、水素原子、金属原子、炭素数が1から
5までのアルキル基もしくはベンジル基である。R
4は、以下の式に示されるプロリン、ヒドロキシプロリ
ン、チアゾリジン(thiazolidine) およびデハイドロプ
ロリンの中から選択されたα−アミノ酸から誘導された
2価のラジカルである。
【0014】
【化22】
【0015】これらは、その窒素原子によりCOに連結
している。R5は、水素原子もしくは炭素数1から4ま
でのアルキル基である。R6は、炭素数が1から5まで
のアルキル基もしくはα−アミノ酸の側鎖である。R7
はOR8で示され、R8は水素原子、金属原子、炭素数が
1から5までのアルキル基もしくはベンジル基である。
または、R1およびR7のいずれも、もしくはR1および
6のいずれもが、共に2から3のアミノ酸残基を有す
るペプチドもしくはα−アミノ酸から誘導される2価の
ラジカルを形成している。
【0016】これらのペプチド誘導体において、コラゲ
ナーゼの活性部分の亜鉛原子と相互作用しやすい化学基
として用いられるものは、フォスフィン基PO2 -−CH
2である。これは、誘導体に良好な化学的安定性を与え
ると共に高い阻害力を有するものである。したがって、
このフォスフィン結合を用いることにより、特に酸の媒
体中においてこれらの新規な誘導体は安定性を有する。
さらに、これらの誘導体は、細菌性コラゲナーゼに関し
て優秀な親和力を有すると同時に、それらは公知の阻害
剤と比較してより良い選択性を有するという興味深い特
性を有する。
【0017】さらにまた、R1とR7とが共にα−アミノ
酸もしくはペプチドから誘導される2価のラジカルを形
成する式(I)で示される本発明によるペプチド誘導体
は、プロテアーゼにより可能な分解に関しての改良され
た安定性を有する。したがって、生理学的な媒体中にお
けるペプチドを用いた場合に直面する問題の一つは、こ
れらの分子がこれらの分子内に存在するペプチド結合を
切断することができるプロテナーゼにより急激に失活さ
れるという事実である。
【0018】本発明によるペプチドの定義において、用
語「α−アミノ酸」は、タンパク質において通常見いだ
される20個のα−アミノ酸に関するものであり、標準
的なアミノ酸およびその類似物の名称として知られたも
のである。これらのアミノ酸の側鎖は、直線および分岐
を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキ
シアルキル基、アラルキル基、アミノアルキル基、カル
ボキシアミドアルキル基、メルカプトアルキル基、フェ
ニルアルキル基、ヒドロキシフェニルアルキル基、グア
ジノアルキル基、イミダゾイルアルキル基、インドリル
アルキル基およびピロリジニル基を有するものである。
【0019】好ましいアミノ酸の例としては、アラニ
ン、アルジニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シス
テイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチ
ジン、イソロイシン、ロイシン、ノルロイシン、リジ
ン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロ
キオシプロリン、セリン、トレオニン、トリプトファ
ン、チロシン、バリン、ニトロフェニルアラニン、ホモ
アルギニン、チアゾリジンおよびデハイドロプロリンが
挙げられる。
【0020】用語「α−アミノ酸のN末端をブロックす
ることができる基」としては、アミノ酸およびペプチド
のアミノ作用基をブロックするために用いられる全ての
ブロック基を含むものであり、例えば、t−ブトキシカ
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル、シンナモイル、
ピバロイル、およびN−(9−フルオレニル−メトキシ
カルボニル)基等が挙げられる。
【0021】R3およびR5に用いられる金属としては、
特に生理学的に受容可能な金属であり、例えば、ナトリ
ウムおよびリチウム等のアルカリ金属である。
【0022】本発明の第1の実施例によれば、R1は水
素原子、α−アミノ酸のN末端をブロックすることがで
きる基、もしくはブロックする基によりプロテクトされ
た任意のペプチドもしくはα−アミノ酸から誘導される
ラジカルである。そして、R7は、OR8であり、R8
水素原子、金属原子、アルキル基、もしくはベンジル基
である。
【0023】これらの誘導体において、R2は、α−ア
ミノ酸の側鎖であってこれは例えばフェニルアラニンで
あり、R4はプロリン、ヒドロキシプロリン、チアゾリ
ジンおよびデヒドロプロリンから選択されるアミノ酸か
ら誘導される。R4としては、好ましくは以下の式のプ
ロリンの誘導体を用いて与えられるものである。
【0024】
【化23】
【0025】これらの誘導体において、末端
【0026】
【化24】
【0027】は、異なるアミノ酸に相当するものであっ
てもよい。例えば、ノルロイシンであり、そしてこの場
合R5は水素原子で、R6はn−ブチル基である。
【0028】本発明の第1の実施例においては、R
1は、例えばベンジルオキシカルボニル基のような保護
基として示され、そして例えば保護基により保護された
グリシンのような保護されたアミノ酸の残基、もしくは
例えば保護基により保護された−Pro−Glyのよう
な保護されたペプチド残基に相当するものである。この
保護基もまた、ベンジルオキシカルボニル基である。
【0029】本発明のペプチド誘導体が、細菌性コラゲ
ナーゼの阻害剤として用いようとする場合、R3はナト
リウムのような金属であることが好ましく、そして
7、すなわちOR8において、R8もまた、ナトリウム
といった金属であることが好ましい。
【0030】本発明の第2の実施例によれば、ペプチド
誘導体は、例えば以下の式に相当するような環状ペプチ
ドである。
【0031】
【化25】
【0032】ここでR10は、ペプチドもしくはα−アミ
ノ酸から誘導された2価のラジカルを示すものである。
【0033】通常R10は、ペプチドから誘導され、そし
て例えば二つのアミノ酸残基を有する。このようなR10
と共に、環状の誘導体は非環状の式(I)の誘導体より
プロテナーゼによる劣化により対抗性があり、細菌性の
コラゲナーゼに関する無傷の阻害特性を保持するもので
ある。本発明の第2の実施例において、R2、R3
4、R5およびR6は、本発明の第1の実施例と同一の
基であることが好ましい。
【0034】本発明によるペプチド誘導体は、従来の製
造方法により製造することが可能である。したがって、
本発明の第1の実施例に相当する誘導体は、以下に示す
工程により製造される。ここで、R1は保護基であり、
2、R3、R4、R5およびR6は、上述したものと同じ
ものであり、そしてR7はOR8で示され、R8はR3と同
一である。
【0035】a)以下の式(II)に示すジフェニルメチ
ルアミノアルキルフォスフィニックアシドを得るため
に、式R2−CHOのアルデヒドをジフェニルアミノ次
亜リン酸塩と反応させる。ここで、R2は、上述したも
のと同じものである。
【0036】
【化26】
【0037】b)以下の式(III)で示すアミノアルキ
ルフォスフィニックアシドを得るために、式(II)に示
すジフェニルメチルアミノアルキルフォスフィニックア
シドを、式 HX で示すハロゲン化水素酸と反応させ
る。ここで、Xはハロゲン原子を示すものである。
【0038】
【化27】
【0039】c)以下の式(IV)で示すアミノアルキル
フォスフィニックアシドを得るために、式(III)に示
すアミノアルキルフォスフィニックアシドのN末端を保
護する基R1でプロテクトする。
【0040】
【化28】
【0041】d)以下の式のアルキルアクリレートと式
(IV)の酸とを反応させる。
【0042】
【化29】
【0043】ここでR9は、アルキルラジカルである。
反応の結果、以下の式(V)の化合物が得られる。
【0044】
【化30】
【0045】e)以下の式(VI)を得るために、式
(V)の化合物をけん化する。
【0046】
【化31】
【0047】f)以下の式のペプチドと式(VI)の酸と
を反応させる。
【0048】
【化32】
【0049】ここで、R9はアルキルラジカルを示すも
のである。反応の結果、式(VII)のペプチドが得られ
る。
【0050】
【化33】
【0051】g)式R3Xのハロゲン化物と、式(VII)
のペプチドとを反応させて、式(I)のペプチドを得
る。ここでR3は上述したものと同じであり、Xはハロ
ゲン原子を示すものである。
【0052】例えば、式(I)に示す本発明の第1の実
施例に相当するペプチドの誘導体は、以下に示す連続す
る工程により製造されることも可能である。ここで、R
1はアミノ酸もしくはペプチドから誘導されるラジカル
であり、またN末端は保護基により保護されており、R
2、R3、R4、R5およびR6は、上述したものと同じも
のであり、そしてR7はOR8で示され、R8はR3と同一
である。
【0053】a')上述した工程の内、a)からf)ま
での工程により、式(VII)のペプチドを合成する。
【0054】b')以下の式(VIII)のペプチドを得る
ために、式(VII)のペプチドの保護基R1を除去する。
【0055】
【化34】
【0056】c')上記式(VIII)のプロテインを、アミ
ノ酸とペプチドと反応させる。これらのN末端は、ブロ
ックする基により保護されており、これらのC末端は、
ニトロフェニル基により活性化される。
【0057】d')工程c')で得られたペプチドを式R
3Xとを反応させる。ここでXはハロゲン原子である。
【0058】本発明の第2の実施例に相当するシクロペ
プチド誘導体は、以下の式で表される。
【0059】
【化35】
【0060】式中、R10はペプチドまたはアミノ酸から
誘導された2価のラジカルを示し、R2、R3、R4、R5
およびR6は、上述したものと同じものである。この化
合物は、以下に示す連続する工程により合成される。
【0061】a")上述した工程のa)からf)までの
工程を行うことにより、式(VII)のペプチドを合成す
る。
【0062】b")以下の式(VIII)のペプチドを得る
ために、式(VII)のペプチドの保護基R1を除去する。
【0063】
【化36】
【0064】c")式R1−R10−OR11で示されるペプ
チドと、式(VIII)のペプチドとを反応させることによ
り、以下に示す式(IX)のペプチドを得た。ここで、R
1はペプチドのN末端を保護する基であり、R11はニト
ロフェニル基である。
【0065】
【化37】
【0066】d")ヒドラジンと式(IX)のペプチドと
を反応させて以下に示す式(X)のヒドラジドを得た。
【0067】
【化38】
【0068】e")式(X)のヒドラジドを脱保護するこ
とにより以下の式(XI)に示すヒドラジドを得た。
【0069】
【化39】
【0070】f")式(XI)のヒドラジドを環化するこ
とにより式(1a)のシクロペプチドが得られる。
【0071】
【化40】
【0072】上述した工程において、種々の工程は、こ
れらのタイプの反応を行うためにペプチドの化学におい
て通常用いられる試薬や溶媒を用いた技術により実行さ
れる。本発明のペプチド誘導体は、細菌性のコラゲナー
ゼに関する阻害力のための多数の種々の処方を有する。
特にそれらは、コラゲナーゼを排出することができる細
菌の存在のために、ある感染病の処理をするように薬学
的組成物として用いることも可能である。
【0073】したがって、このような細菌の存在は、コ
ラーゲンの深刻な破壊を招くものであり、したがって感
染した有機体の結合組織の完全な状態を攻撃するもので
ある。特に、これは、クロストリジウム ヒストリティ
カム(Clostridium histlyticum)もしくはプセウドモナ
ス アエルジノサ(Pseudomonas aeruginosa)により感染
したケースである。それらは、特にコラーゲンの破壊の
原因であるコラーゲン分解性の微生物による歯周囲の病
気の処理のために用いられる。例えば、歯肉組成物に入
った場合等である。したがって、本発明によるペプチド
誘導体がコラーゲン分解性の微生物に対する直接の活性
を有していないにもかかわらず、それらはある病理学に
おける興味ある治療手段となるものである(例えば、壊
疽および歯の感染である。)。なぜならば、これらは強
力であり、特別の細菌性のコラゲナーゼの阻害剤だから
である。このような薬学的な適用において、コラーゲン
の代謝に含まれる細菌性のコラゲナーゼのものと近い特
異性を有する他の金属結合プロテナーゼを阻害するため
の阻害性ペプチド誘導体を用いることも可能である。
【0074】本発明は、上記一般式(I)で示される本
発明のペプチド誘導体の薬学的効果の量を含む薬学的組
成物にも関連するものである。組成物は、媒体もしくは
適当な生理学的に許容しうる担体中で、ペプチド誘導体
の生理学的に許容できる塩の形であることも可能であ
る。それは、例えば注射により溶液もしくは懸濁液の形
で投与されてもよい。投与のための好ましい量は、約1
〜5mg/kg/dayの範囲内である。
【0075】組成物は、例えば錠剤もしくはカプセルの
ような経口投与するための形であることも可能である。
例えば、カルボン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネ
シウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペプチン、デキス
トリン、スターチ、ジェラチン、トラガカント、メチル
セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、
カカオバター等の通常知られている種類の担体、賦形剤
及び添加剤と本発明のペプチド誘導体とを混ぜて投与す
ることも可能である。希釈剤、香料、可溶化剤、滑材、
沈澱防止剤、結着剤、粉砕剤等をこの組成物に添加する
ことも可能である。活性成分もまた他の担体等と共にカ
プセル内に入れてもよい。
【0076】本発明のペプチド誘導体は、他の分野でも
用いることができる。例えば、革製品の表面の保護およ
びこの製造物を用いた異なる用途におけるゼラチンの保
護等である。したがって、細菌性コラゲナーゼの通常の
基質が、主に天然のコラーゲンであることが明かである
にもかかわらず、このプロテアーゼが、変性された形、
すなわちジェラチンにおいて基質のコラーゲンとして用
いることができることは知られている。現在では、ジェ
ラチンは種々の分野で用いられており、これらの用途の
ためには、ジェラチンを完全に劣化させずに維持するこ
とは重要である。これは、本発明のジェラチンを破壊す
るであろう細菌性のコラゲナーゼの拮抗的阻害としてペ
プチド誘導体を用いることにより可能となる。
【0077】本発明のペプチド誘導体は、特に高い有機
体の範囲内において、細菌性のコラゲナーゼのものと近
い特異性を有する独立した新規な亜鉛プロテアーゼのた
めに用いることも可能である。この場合、本発明のペプ
チド誘導体を、他の亜鉛プロテアーゼに関して分離する
ための親和性カラムを製造するための配位子として用い
ることも可能である。さらにまた、本発明のペプチド誘
導体を細菌性のコラゲナーゼの活性を制御するために用
いることも可能である。例えば、コラーゲン溶解細菌を
用いることを基礎とした生物工学的工程、および肉を柔
らかくするためや沈澱タンクにおける沈澱物の分解等の
用途である。本発明の他の特徴および有利な点は、以下
に示す限定されない実施例から推測されるであろう。
【0078】
【実施例】
実験例 1 以下の一般式で示される化合物Aを合成する。(化合物
A)
【化41】
【0079】a)D,L ジフェニルメチルアミノ−1
−フェニル−2−エチルフォスフィニックアシド(D,L d
iphenylmethylamino-1-phenyl-2-ethyl phosphinic aci
d)(1)(化合物 1)の合成
【0080】
【化42】
【0081】フェニルアセトアルデヒド(12g、0.
1mole)のジオキサン溶液(12ml)は、ジフェ
ニルアミノハイポフォスファイト(diphenyl aminohypop
hosphite)(24.9g、0.1mole)を懸濁状に含
むジオキサン溶液(300ml)に除々に添加する。フ
ェニルアセトアルデヒドの添加は、100℃を越えない
温度下で、3時間かけた方法により窒素雰囲気下で10
0℃で行われる。反応の間合成される水は、共沸混合物
の蒸留により除去される。全てのアルデヒドを添加した
後、反応は15分間還流して終了する。この混合物は冷
却され、100mlのエタノールで希釈される。結晶性
の合成物は、濾過され、エタノール、その後エーテルで
洗浄され、その後乾燥される。これは、12gの合成物
1(34%)として与えられる。(m.p.=210
℃,Rf(1)=0.81)
【0082】b)以下の式で示されるD,L アミノ−
1−フェニル−2−エチルフォスフィニックアシド
(2)の合成
【0083】
【化43】
【0084】合成物1(3.51g,10mmole)
は、48%HBr/H2O混合物(12ml)中で1時
間100℃で加熱される。この混合物は、高真空下で乾
燥させるため蒸発され、合成物は水により溶解される。
ジフェニルメチルブロマイドは、エーテル処理による前
記溶液から抽出される。脱水の後、合成物は30mlの
エタノール中に溶解される。プロピレンオキサイド1m
lが添加されたこの混合物は、合成物の完全な沈澱が行
われるまで、4℃に冷却される。濾過された合成物は、
エタノールで洗浄された後、エーテルで洗浄され、乾燥
される。要求される第2の化合物は、収量76%(1.
42g)、Rf(1)=0.37、Rf(2)=0.7、
m.p. 226℃であった。
【0085】c)以下の式のD,L ベンジルオキシカ
ルボニルアミノ−1−フェニル−2−エチル フォスフ
ィニックアシド(3)の合成
【0086】
【化44】
【0087】化合物2(1.1g、6mmole)は、
10mlの水に溶解され、その後この溶液のpHを4N
のソーダ溶液により9.5に調整する。アイスバス中で
冷却されたこの混合物に、ベンジルクロロフォルメイト
(benzylchloroformate)(1.2ml,7.5mmol
e)を徐々に添加し、同時に連続するソーダの添加によ
り反応のpHを9.5で保たせる。反応混合物の攪拌は
30分間、0℃で継続され、その後1時間室温で継続さ
れる。ジエチルエーテル処理の後、混合物は冷却され、
そして、塩酸の添加により酸性化される。沈澱物を濾過
した後、冷水で洗浄し、乾燥させる。要求される化合物
3は、収量76%(1.5g)、Rf(1)=0.57、
Rf(2)=0.76、m.p. 100℃であった。
【0088】d)以下の式に示されるD,L−(ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−1'−フェニル−2')−ヒ
ドロキシフォスフィニルエチル−3−プロピネート(D,L
-(benzyloxycarbonylamino-1'-phenyl-2')-hydroxyphos
phinylethyl-3-propionate)(4)の合成
【0089】
【化45】
【0090】ヘキサメチルジシラザン(hexamethyl disi
lazane)(0.968g、6mmole)中の化合物3
(1.27g、4mmole)の懸濁液を、110℃4
0分間窒素雰囲気下でこの攪拌しつつ加熱する。この混
合物を90℃まで冷却した後、エチルアクリレート
(0.48g,4.8mmole)を滴下する。この反応
は、90℃で15分間、攪拌下で放置される。12ml
のアブソリュートエタノール(absolute ethanol)は、そ
の温度が70℃になった際に前記混合物に添加され、温
度は一度室温に戻され、乾燥のための蒸発が行われる。
残渣は、10%のNaHCO310ml中に溶解され、
その後ジエチルエーテルで洗浄される。水溶液を冷却
し、1NのHClでpH1.5まで酸性にする。沈澱物
は濾過され、冷水で洗浄された後、乾燥される。求めら
れる化合物4は、収量84%(1.4g)、Rf(1)
=0.52、Rf(3)=0.8で得られる。
【0091】e)以下の式に示すベンジルオキシカルボ
ニルアミノ−1'−フェニル−2'−ヒドロキシフォスフ
ィニルエチル−3−オロピオニックアシド(benzyloxyca
rbonylamino-1'-phenyl-2'-hydroxyphosphinylethyl-3-
propionic acid)の合成
【0092】
【化46】
【0093】化合物4(1.26g、3mmole)
は、6.5mlの1NのKOH中に溶解され、そして4
5分間室温で攪拌下放置される。混合物は、1NのHC
lでpH1.5まで酸性とされる。沈澱物は、エチルア
セテートで抽出され、そしてこの相はNaClで飽和さ
れた水溶液で洗浄され、硫酸ナトリウムで乾燥され、小
体積に濃縮される。4℃で一晩放置した後、沈澱物は濾
過され、少量のエチルアセテートで洗浄された後乾燥さ
れる。求められる化合物5は、収量88%(1g)、R
f(1)=0.51、Rf(2)=0.93、Rf(3)
=0.55、Rf(5)=0.41で得られた。
【0094】f)以下の式のペプチドの合成
【0095】
【化47】
【0096】テトラヒドロフラン(12ml)中に溶解
された化合物5の4℃に冷却された溶液に1,1−カル
ボニルジイミダゾール(1.78g,11mmole)
を添加する。室温で45分間攪拌の後、前記混合物に、
テトラヒドロフラン(5ml)中に希釈されたペプチド
Pro−Nle−OCH3(5.5mmole)が添加さ
れる。24時間攪拌の後、混合物は乾燥のため蒸発され
る。この残渣は、0.27NのKOH 20ml中に溶
解され、前記相は即座にジエチルエーテルで洗浄され、
1NのHClでpH1.5まで酸性とされる。沈澱物が
エチルアセテート中に溶解され、そしてこの相を水で洗
浄された合成物は、硫酸ナトリウムで洗浄され、乾燥す
るために濃縮される。この残渣は、少量のクロロホルム
中に溶解され、石油エーテルの添加により沈澱される。
濾過後、洗浄され、乾燥された最終の化合物6は、収量
89%(3g)、Rf(5)=0.6、Rf(6)=0.
33であった。
【0097】g)以下の式のペプチドの合成
【0098】
【化48】
【0099】化合物6(0.15g、0.19mmol
e)は、10%のエタノール(15ml)中に溶解さ
れ、その後室温で3時間攪拌と共に2NのKOH(0.
475ml)を添加する。水の相は1NのHClでpH
1.5まで酸性にされる。沈澱物は、エチルアセテート
中に溶解され、そして有機相は飽和NaCl溶液で洗浄
され、硫酸ナトリウムで乾燥され、乾燥により濃縮され
る。残渣は、NaHCO3(0.38mmole)を含む
水溶液中で希釈され、その後凍結乾燥される。求められ
る化合物は、93%の収量で、Rf(1)=0.27、
Rf(2)=0.85、Rf(8)=0.57である。
【0100】1HNMR(H2O):CHεNle0.9
4;CHδ,γNle1.37(m,4);CHβNl
e1.84(m,1);CHβNle1.73(m,
1);CHαNle4.18(m,1);NHNle
8.08(d,1);CHγPro2.02(m,
2);CHβPro2.02(m,1);CHβPro
2.28(m,1);CHδPro3.63(m,
1);CHδPro3.48(m,1);CHαPro
4.41(q,1);P−CH2−CH22.57(m,
2);P−CH2−CH21.88(m,2);CHβP
he2.73(m,1);CHβPhe3.26(m,
1);CHαPhe3.96(m,1);NHPhe
7.26(d,1);Z−CH2−5(m,2);Ar
7.35(m,10).
【0101】31PNMR(H2O):43.83
【0102】実験例 2 ペプチドの合成
【0103】
【化49】
【0104】化合物6の保護基Zは、通常の触媒による
水素添加分解により除去される。得られた合成物は、ジ
メチルホルムアミド中で、市販の種類のZ−Pro−O
Nph(ニトロフェニルエステル)と結合される。合成
物は、鹸化され、その後化合物Aを得るために記載され
た方法と同じ条件で処理される。
【0105】1HNMR(H2O):CHεNle0.8
9;CHδ,γNle1.35(m,4);CHβNl
e1.84(m,1);CHβNle1.73(m,
1);CHαNle4.12(m,1);NHNle
7.96(d,1);CHγPro2.02(m,
2);CHβPro1.98(m,1);CHβPro
2.25(m,1);CHδPro3.63(m,
1);CHδPro3.52(m,1);CHαPro
4.28(q,1);P−CH2−CH22.63(m,
2);P−CH2−CH21.70(m,2);CHβP
he2.73(m,1);CHβPhe3.31(m,
1);CHαPhe4.42(m,1);NHPhe
8.16(d,1);CHγPro1.55(m,
2);CHβPro1.72(m,1);CHβPro
2.15(m,1);CHδPro3.42(m,
1);CHαPro4.32(q,1);Z−CH2
5(m,2);Ar7.35−7.45(m,10).
【0106】31PNMR(H2O):43.2
【0107】実験例 3 ペプチドの合成
【0108】
【化50】
【0109】このペプチドの合成は、合成物6へZ−G
ly−Pro−ONphを結合することにより行われ
る。この合成物6は、予め通常の触媒の水素添加が行わ
れ、その後合成物Aを得るための記載として、同じ条件
下で処理されたものである。
【0110】1HNMR(H2O):CHεNle0.8
9;CHδγNle1.35(m,4);CHβNle
1.84(m,1);CHβNle1.73(m,
1);CHαNle4.12(m,1);NHNle
7.96(d,1);CHγPro2.02(m,
2);CHβPro1.98(m,1);CHβPro
2.25(m,1);CHδPro3.63(m,
1);CHδPro3.52(m,1);CHαPro
4.28(q,1);P−CH2−CH22.63(m,
2);P−CH2−CH21.70(m,2);CHαG
ly3.65(d,1);CHαGly3.45(d,
l);CHβPhe2.73(m,1);CHβPhe
3.31(m,1);CHαPhe4.37(m,
1);NHPhe8.2(d,1);CHγPro1.
55(m,2);CHβPro1.70(m,1);C
HβPro2.15(m,1);CHδPro3.40
(m,1);CHαPro4.29(q,1);Z−C
2−5(m,2);Ar7.35−7.45(m,1
0).
【0111】31PNMR(H2O):43.35
【0112】実験例 4 シクロペプチドの合成
【0113】
【化51】
【0114】この化合物の合成は、実験例3における化
合物Cの合成の間に得られる化合物Z-Gly-Pro-
Phe*-PO(OH)-CH2-CO-Pro-Nle0-O
CH3から行われる。この合成物のヒドラジドは、メタ
ノール中のヒドラジン処理により合成され、その後保護
基Zが通常の触媒水素添加により除去される。環化は、
ボダンスキー M.およびヘンス G.B.の文献(Bod
anzsky M. and HenesG.B., 1975, Bioorg. Chem., vol.
4 pp.212-218)にしたがって行われる。
【0115】1HNMR(H2O):CHεNle0.9
2;CHδNle1.28(m,2);CHγNle
1.28(m,2);CHβNle1.95(m,
1);CHβNle1.67(m,1);CHαNle
4.5(m,1);NHNle8.31(d,1);C
HγPro2.11(m,2);CHβPro2.02
(m,1);CHβPro2.38(m,1);CHδ
Pro3.63(m,1);CHδPro3.82
(m,1);CHαPro4.38(q,1);P−C
2−CH22.68(m,2);P−CH2−CH21.
62(m,1);P−CH2−CH22.29(m,
1);CHβPhe2.78(m,1);CHβPhe
3.25(m,1);CHαPhe4.27(m,
1);NHPhe8.33(d,1);CHγPro
1.88(m,2);CHβPro1.18(m,
1);CHβPro2.06(m,1);CHδPro
3.58(m,1);CHδPro3.41(m,
1);CHαPro4.28(q,1);Ar7.35
−7.45(m,10).
【0116】31PNMR(H2O):43.83
【0117】実験例 5 阻害剤の活性の決定 異なる化合物A、B、C、およびDの活性は、一の方法
としては、阻害剤がゆっくりした結合タイプの場合に適
用されるモリソンおよびワルシュの文献(Morrison, J.
& walsh, C.T., 1987, Adv., Enzymol. Relat. Aeras M
ol. Biol.)の方法により、コラゲナーゼのための阻害剤
の会合(association)速度定数を測定することにより決
定され、他の方法としては、酵素−阻害剤錯体の混合物
の解離速度定数を測定することにより決定される。この
場合、過剰な阻害剤の存在のにおいて、コラゲナーゼを
予備保温した後、形成された酵素−阻害剤錯体が、ゲル
濾過により精製される。精製された錯体を含む溶液は、
参照する緩衝液により10,000の率で希釈され、そ
して測定は、時間の関連として、酵素−阻害剤錯体の阻
害剤の解離を示すコラゲナーゼの活性の戻りを行う。
【0118】表に示される阻害定数は、解離速度定数K
offの比率に相当するものであり、会合速度定数Ko
nは、この方法で測定される。全ての活性測定の実験に
おいて、我々は、pH7のトリシンバッファー(Tricine
Buffer)において、合成基質Fa−Leu−Gly−P
ro−Alaとして用いた。細菌性コラゲナーゼの発生
源として用いられるのは、エンペドバクテリウム コラ
ゲノリティカム(Empedobacterium collagenolyticum)株
である。比較のため、以下の化合物の活性も同様の方法
で測定した。
【0119】
【化52】
【0120】
【化53】
【0121】化合物Eについては、工程f)において、
ペプチドPro−Nle−OCH3の代わりにAla−
Nle−OCH3を用いることにより、また化合物Fに
ついては、工程d)においてエチルアクリレートの代わ
りにエチルメタアクリレートを用いることにより、化合
物Aと同じ方法により求められる。
【0122】以下の表の結果を基礎として、ヒドロキシ
プロリン、チアゾリンおよびデヒドロプロリンの基に属
さないアミノ酸によるProの化合物Aについての置換
は、細菌性のコラゲナーゼに関する化合物の活性を減少
させることが示されている。また同様に、アラニンによ
るグリシンの置換は、良くない結果を招いている。
【0123】
【表1】
【0124】
【発明の効果】本発明は、新規なペプチド誘導体であ
り、細菌性コラゲナーゼの阻害剤として有用である。
フロントページの続き (72)発明者 アサイショス・ユータキス ギリシャ・アテネ・リュ・パラディゾウ・ 7

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示されるペプチド誘導体
    であって、 【化1】 式中、R1は、水素原子、α−アミノ酸のN末端を保護
    することができる保護基、またはそのCO末端によりN
    Hに結合し、水素原子もしくはα−アミノ酸のN末端を
    保護することができる保護基をそのN末端上に有するペ
    プチドもしくはα−アミノ酸から誘導されるラジカルを
    示し、 R2は、α−アミノ酸の側鎖を示し、 R3は、水素原子、金属原子、炭素数が1から5までの
    アルキル基もしくはベンジル基を示し、 R4は、以下の式に示されるプロリン、ヒドロキシプロ
    リン、チアゾリジン(thiazolidine)およびデハイドロプ
    ロリンの中から選択されたα−アミノ酸から誘導された
    2価のラジカルを示し、 【化2】 これらは、その窒素原子によりCOに連結しており、 R5は、水素原子もしくは炭素数1から4までのアルキ
    ル基を示し、 R6は、炭素数が1から5までのアルキル基もしくはα
    −アミノ酸の側鎖を示し、 R7は、OR8で示され、 R8は、水素原子、金属原子、炭素数が1から5までの
    アルキル基もしくはベンジル基を示し、 または、R1およびR7のいずれも、もしくはR1および
    6のいずれもが、共に2から3のアミノ酸残基を有す
    るペプチドもしくはα−アミノ酸から誘導される2価の
    ラジカルを形成していることを特徴とするペプチド誘導
    体。
  2. 【請求項2】 R4が、以下の式で示されるラジカルで
    あることを特徴とする請求項1記載のペプチド誘導体。 【化3】
  3. 【請求項3】 R5が水素原子であり、R6がn−ブチル
    基であることを特徴とする請求項1記載のペプチド誘導
    体。
  4. 【請求項4】 R2が、フェニルメチルラジカルである
    ことを特徴とする請求項1記載のペプチド誘導体。
  5. 【請求項5】 R1が、α−アミノ酸のN末端を保護す
    ることが可能な保護基であることを特徴とする請求項1
    記載のペプチド誘導体。
  6. 【請求項6】 R1が、ベンジルオキシカルボニル基で
    あることを特徴とする請求項5記載のペプチド誘導体。
  7. 【請求項7】 R1が、そのN末端を保護することが可
    能な保護基を有するプロリンの誘導体ラジカルであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のペプチド誘導体。
  8. 【請求項8】 R1が、保護基によりGlyのN末端が
    保護されたペプチドPro−Glyから誘導されたラジ
    カルであることを特徴とする請求項1記載のペプチド誘
    導体。
  9. 【請求項9】 保護基が、ベンジルオキシカルボニル基
    であることを特徴とする請求項8記載のペプチド誘導
    体。
  10. 【請求項10】 R7が、OR8で示され、このR8がナ
    トリウム原子であり、R3がナトリウム原子であること
    を特徴とする請求項1記載のペプチド誘導体。
  11. 【請求項11】 R1およびR7が共に2価のラジカルP
    ro−Glyを形成することを特徴とする請求項1記載
    のペプチド誘導体。
  12. 【請求項12】 R2が、フェニルメチル基であり、R3
    がナトリウム原子であり、R4がProであり、R5が水
    素原子であり、R6がn−ブチル基であり、R7がONa
    であることを特徴とする請求項1記載のペプチド誘導
    体。
  13. 【請求項13】 R1が、ベンジルオキシカルボニル基
    であることを特徴とする請求項12記載のペプチド誘導
    体。
  14. 【請求項14】 R1が、C65−CH2−O−CO−P
    roであることを特徴とする請求項12記載のペプチド
    誘導体。
  15. 【請求項15】 R1が、C65−CH2−O−CO−G
    ly−Pro−であることを特徴とする請求項12記載
    のペプチド誘導体。
  16. 【請求項16】 R2がフェニルメチル基であり、R3
    Naであり、R4がProであり、R5が水素原子であ
    り、R6がn−ブチル基であり、R1およびR7が共に−
    Pro−Gly−ラジカルで形成されていることを特徴
    とする請求項1記載のペプチド誘導体。
  17. 【請求項17】 一般式(I)で示されるペプチド誘導
    体であって、 【化4】 式中、R1がα−アミノ基のN末端を保護することがで
    きる保護基であり、R2、R3、R4、R5およびR6は、
    請求項1記載のものと同義であり、そしてR7はOR8
    示され、R8はR3と同一であるペプチド誘導体の合成方
    法であって、 a)式(II)に示すジフェニルメチルアミノアルキルフ
    ォスフィニックアシドを得るために、R2が前記と同義
    である式R2−CHOのアルデヒドをジフェニルアミノ
    次亜リン酸塩と反応させる工程 【化5】 b)式(III)で示すアミノアルキルフォスフィニック
    アシドを得るために、式(II)に示すジフェニルメチル
    アミノアルキルフォスフィニックアシドを、Xがハロゲ
    ン原子を示す式HXで示されるハロゲン化水素酸と反応
    させる工程 【化6】 c)式(IV)で示すアミノアルキルフォスフィニックア
    シドを得るために、式(III)に示すアミノアルキルフ
    ォスフィニックアシドのN末端を保護基R1で保護する
    工程 【化7】 d)R9がアルキルラジカルである以下の式で示される
    アルキルアクリレートと式(IV)の酸とを反応させ、 【化8】 式(V)の化合物を得る工程 【化9】 e)式(VI)の化合物を得るために、式(V)の化合物
    を鹸化する工程 【化10】 f)R9がアルキルラジカルを示す以下の式のペプチド
    と、式(VI)の酸とを反応させ、 【化11】 式(VII)のペプチドを得る工程 【化12】 g)R3が前記と同義であり、Xがハロゲン原子である
    式R3Xのハロゲン化物と、式(VII)のペプチドとを反
    応させて、式(I)のペプチドを得る工程 からなることを特徴とするペプチド誘導体の合成方法。
  18. 【請求項18】 式(I)で示されるペプチド誘導体で
    あって、 【化13】 式中、R1はアミノ酸もしくはペプチドから誘導される
    ラジカルであり、またそのN末端は保護基により保護さ
    れており、R2、R3、R4、R5およびR6は、請求項1
    の記載と同義であり、R7はOR8で示され、R8はR3
    同一であるペプチド誘導体の合成方法であって、 a')請求項17の工程a)からf)により、式(VII)
    のペプチドを合成する工程 b')式(VIII)のペプチドを得るために、式(VII)の
    ペプチドの保護基R1を除去する工程 【化14】 c')N末端を保護基により保護し、C末端をニトロフ
    ェニル基により活性化した式(VIII)のプロテインを、
    アミノ酸もしくはペプチドと反応させる工程 d')工程c')で得られたペプチドを、Xがハロゲン原
    子である式R3Xと反応させる工程 からなることを特徴とするペプチド誘導体の合成方法。
  19. 【請求項19】 式(Ia)で示されるシクロペプチド
    誘導体であって、 【化15】 式中、R10はペプチドまたはアミノ酸から誘導された2
    価のラジカルを示すシクロペプチド誘導体の合成方法で
    あって、 a")請求項17の工程a)からf)までを行うことに
    より、式(VII)のペプチドを合成する工程 b")式(VIII)のペプチドを得るために、式(VII)の
    ペプチドの保護基R1を除去する工程 【化16】 c")R1がペプチドのN末端を保護する保護基であり、
    11がニトロフェニル基である式R1−R10−OR11
    示されるペプチドと、式(VIII)のペプチドとを反応さ
    せることにより、式(IX)のペプチドを得る工程 【化17】 d")式(X)のヒドラジドを得るためにヒドラジンと式
    (IX)のペプチドとを反応させる工程 【化18】 e")式(X)のヒドラジドを脱保護することにより式
    (XI)に示すヒドラジドを得る工程 【化19】 f")式(XI)のヒドラジドを環化することにより式(I
    a)のシクロペプチドを得る工程 【化20】 からなることを特徴とするペプチド誘導体の合成方法。
  20. 【請求項20】 R3が金属または水素原子である請求
    項1記載のペプチド誘導体の薬学的に有効な量を含むこ
    とを特徴とする薬学的組成物。
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