JPH051583A - エンジン及び自動変速機の制御装置 - Google Patents

エンジン及び自動変速機の制御装置

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JPH051583A
JPH051583A JP3154485A JP15448591A JPH051583A JP H051583 A JPH051583 A JP H051583A JP 3154485 A JP3154485 A JP 3154485A JP 15448591 A JP15448591 A JP 15448591A JP H051583 A JPH051583 A JP H051583A
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和夫 佐々木
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Masahito Kitada
正仁 北田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時にトルクダウンが行なわれる自動変速
機搭載車において、変速機入力トルクに応じたタイミン
グでトルクダウンを行なうことができ、変速ショックを
防止することができるエンジン及び自動変速機の制御装
置を提供する。 【構成】 変速時に、エンジン1のトルクダウンを行な
うトルク変更手段(エンジン制御ユニット57)が設けら
れたエンジン1及び自動変速機Tの制御装置において、
エンジン負荷変化に対する変速機入力トルクの追従状態
に基づいて、トルク変更手段57によるトルクダウンの
タイミングを変更するタイミング変更手段(エンジン制
御ユニット57)が設けられていることを特徴とする。
好ましくは、タイミング変更手段57が、上記追従状態
を、変速初期におけるトルクコンバータ2の速度比、ま
たはスロットル開度の微分値に基づいて把握するように
なっていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン及び自動変速
機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと変速歯車機構とが設けられる。ここで、
トルクコンバータは、エンジン出力軸のトルクを変速し
てタービンシャフトに伝達し、変速歯車機構は、タービ
ンシャフトのトルクをさらに変速して、かつ後進時には
回転方向を逆転させて駆動輪側に伝達するようになって
いる。上記変速歯車機構は、通常、サンギヤとリングギ
ヤとピニオンギヤとキャリアとを備えたプラネタリギヤ
システムからなり、かかる変速歯車機構には、タービン
シャフトと所定の各ギヤとを締結または遮断する(オン
・オフする)複数のクラッチと、所定のギヤないしキャ
リアを固定または解放する(オン・オフする)複数のブレ
ーキとが設けられる。そして、変速歯車機構は、油圧機
構によって各クラッチと各ブレーキのオン・オフパター
ンが切り替えられ、これによってプラネタリギヤシステ
ム内での動力伝達経路が切り替えられ、変速及び前進・
後進切り替えが行なわれるようになっている。
【0003】このような自動変速機において、変速時、
例えば4速から3速へのシフトダウン時には、2−4ブ
レーキがオフされる一方、コーストクラッチがオンされ
ることになる。かかる変速動作においては、変速中期に
コーストクラッチが締結され始めると、エンジントルク
の駆動輪側への伝達量が急上昇するので、車体の前後加
速度が急上昇するといった現象、いわゆる突き上げが発
生し、これによって変速ショックが発生するといった問
題がある。このため、一般に自動変速機搭載車では、こ
のような突き上げによる変速ショックの発生を防止する
ために、変速時にエンジンのトルクダウンが行なわれ
る。そして、上記変速ショックは、一般にエンジン側か
ら変速機側に入力されるトルク(変速機側入力トルク)に
よって左右されるので、変速機側入力トルクに応じてト
ルクダウン特性例えばトルクダウンタイミング等を変え
るのが好ましい。そこで、エンジンの出力トルクと関連
するエンジン回転数に基づいて、トルクダウンのタイミ
ングを変えるようにしたトルクダウン制御手段が提案さ
れている(特公平2−20817号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ン回転数は、エンジンの出力トルクと関連はしているも
の、エンジンの出力トルクを的確に把握できるものでは
なく、まして変速機側入力側トルクを的確に把握できる
ものでもない。このため、エンジン回転数に基づいてト
ルクダウンのタイミングを変えるようにした上記従来の
トルクダウン制御手段では、変速時に、必ずしも変速機
入力側トルクの発生状況に応じた適切なタイミングでト
ルクダウンが行なわれるわけではなく、したがって変速
ショックの発生を有効に防止することができないといっ
た問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、変速時にエンジンのトルク
ダウンが行なわれるようになった自動変速機搭載車にお
いて、変速機の入力トルクに応じて適切なタイミングで
トルクダウンを行なうことができ、変速ショックの発生
を有効に防止することができるエンジン及び自動変速機
の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、自動変速機の変速時に、エンジンの
トルクダウンを行なうトルク変更手段が設けられたエン
ジン及び自動変速機の制御装置において、エンジン負荷
変化に対する変速機入力トルクの追従状態に基づいて、
上記トルク変更手段によるトルクダウンのタイミングを
変更するタイミング変更手段が設けられていることを特
徴とするエンジン及び自動変速機の制御装置を提供す
る。
【0007】また、第2の発明は、第1の発明にかかる
エンジン及び自動変速機の制御装置において、タイミン
グ変更手段が、エンジン負荷変化に対する変速機入力ト
ルクの追従状態を、変速初期におけるトルクコンバータ
の入出力特性に基づいて把握するようになっていること
を特徴とするエンジン及び自動変速機の制御装置を提供
する。
【0008】さらに、第3の発明は、第1の発明にかか
るエンジン及び自動変速機の制御装置において、タイミ
ング変更手段が、エンジン負荷変化に対する変速機入力
トルクの追従状態を、エンジン負荷変化自身の変化特性
に基づいて把握するようになっていることを特徴とする
エンジン及び自動変速機の制御装置を提供する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1に示すように、4気筒エンジン1と自動変速機Tと
からなる横置き搭載型パワープラントPTを備えたFF
車(フロントエンジン・フロントドライブ車)において
は、エンジン1の出力トルクが、自動変速機Tを構成す
るトルクコンバータ2及び多段変速歯車機構3によって
変速された後、ディファレンシャル装置4を介して、左
右のフロントアクスルシャフト5,6に伝達されるよう
になっている。そして、エンジン1の各気筒において
は、夫々、独立吸気通路7からシリンダ8内に混合気が
供給され、この混合気がピストン(図示せず)によって圧
縮された後点火プラグ9によって着火・燃焼させられ、
この後燃焼ガスが独立排気通路10を介して排出される
ようになっている。ここで、各独立吸気通路7に臨ん
で、夫々、吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁11
が設けられている。また、点火プラグ9へは、ディスト
リビュータ13と点火コイル部14と点火制御部15と
によって、所定のタイミングで高電圧の点火用電力が供
給されるようになっている。各独立吸気通路7は上流側
で1つの共通吸気通路17に集合され、この共通吸気通
路17には、アクセルペダル(図示せず)と連動して開閉
されるスロットル弁18が介設されている。
【0010】図2に示すように、自動変速機Tにおいて
は、トルクコンバータ2は、エンジン出力軸21のトル
クを変速してタービンシャフト22に伝達し、変速歯車
機構3は、タービンシャフト22のトルクをさらに変速
し、また後進段が選択されているときには回転を逆転さ
せて、出力ギヤ24を介してディファレンシャル装置4
(図1参照)に出力するようになっている。なお、タービ
ンシャフト22はパイプ状に形成され、その中空部には
エンジン出力軸21に連結されたポンプシャフト26が
配設され、このポンプシャフト26によってオイルポン
プ27が回転駆動されるようになっている。
【0011】トルクコンバータ2は、実質的に、連結部
材28を介してエンジン出力軸21に連結されたポンプ
29と、タービンシャフト22に連結されポンプ29か
ら吐出される作動油によって回転駆動されるタービン3
0と、タービン30からポンプ29に還流する作動油を
ポンプ29の回転を促進する方向に整流するステータ3
1とで構成され、ポンプ29とタービン30の回転数差
に応じた変速比で、エンジン出力軸21のトルクを変速
するようになっている。ここで、ステータ31はステー
タ用ワンウェイクラッチ32を介して変速機ケース33
に固定されている。なお、必要に応じてエンジン出力軸
21とタービンシャフト22とを直結させるロックアッ
プクラッチ34が設けられている。
【0012】変速歯車機構3は、一般に知られた普通の
プラネタリギヤシステムであって、この変速歯車機構3
には、タービンシャフト22に遊嵌された比較的小径の
スモールサンギヤ35と、このスモールサンギヤ35よ
り後方(図2では右側)でタービンシャフト22に遊嵌さ
れた比較的大径のラージサンギヤ36と、スモールサン
ギヤ35と噛み合う複数のショートピニオンギヤ37
(1つのみ図示)と、前部(図2では左側)がショートピニ
オンギヤ37と噛み合い後部がラージサンギヤ36と噛
み合うロングピニオンギヤ38と、さらにこのロングピ
ニオンギヤ38と噛み合うリングギヤ39と、ショート
ピニオンギヤ37とロングピニオンギヤ38とを回転自
在に支持するキャリア40とが設けられている。この変
速歯車機構3では、変速段に応じてスモールサンギヤ3
5、ラージサンギヤ36またはキャリア40がトルク入
力部となる一方、どの変速段でもリングギヤ39がトル
ク出力部となる。なお、リングギヤ39は出力ギヤ24
に連結されている。
【0013】そして、変速歯車機構3内でのトルク伝達
経路を切り替えるために、すなわち変速比を切り替えあ
るいは出力ギヤ24の回転方向を切り替えるために、複
数のクラッチ及びブレーキが設けられている。具体的に
は、タービンシャフト22とスモールサンギヤ35との
間には、フォワードクラッチ41と第1ワンウェイクラ
ッチ42とが直列に介設されるとともに、両クラッチ4
1,42に対して並列にコーストクラッチ43が介設さ
れている。そして、タービンシャフト22とキャリア4
0との間には3−4クラッチ44が介設され、タービン
シャフト22とラージサンギヤ36との間にはリバース
クラッチ45が介設されている。また、ラージサンギヤ
36とリバースクラッチ45との間には、所定の変速段
でラージサンギヤ36を固定するための、サーボピスト
ンによって作動させられるバンドブレーキからなる2−
4ブレーキ46が設けられている。さらに、キャリア4
0と変速機ケース33'との間には、所定の変速段でキ
ャリア40を固定するローリバースブレーキ47と、キ
ャリア40の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ
48とが並列に介設されている。なお、以下では、適
宜、これらのクラッチとブレーキとを 「摩擦締結要素」
と総称する。
【0014】そして、各クラッチ41,43,44,45
と各ブレーキ46,47のオン・オフパターンを組み変
えることによって、表1に示すような各種レンジないし
変速段が得られるようになっている。以下、表1を参照
しつつ、各レンジないし変速段におけるトルク伝達経路
とその変速特性とを説明する。
【0015】
【表1】
【0016】(1)Pレンジ(パーキングレンジ)…すべて
の摩擦締結要素がオフされる。この場合、タービンシャ
フト22のトルクは変速歯車機構3に伝達されない。 (2)Rレンジ(リバースレンジ)…リバースクラッチ45
とローリバースブレーキ47とがオンされ、他の摩擦締
結要素はオフされる。ローリバースブレーキ47がオン
されているので、これと並列に配設された第2ワンウェ
イクラッチ48は、格別の作用を及ぼさない。第1ワン
ウェイクラッチ42は、トルク伝達経路から外れ、格別
の作用を及ぼさない。この場合、タービンシャフト22
のトルクが、リバースクラッチ45を介してラージサン
ギヤ36に入力される。そして、ローリバースブレーキ
47によってキャリア40が固定されているので、ラー
ジサンギヤ36とロングピニオンギヤ38とリングギヤ
39とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能
する。したがって、ラージサンギヤ36に入力されたト
ルクは、このギヤ列内を上記の順に伝わり、ラージサン
ギヤ36の歯数とリングギヤ39の歯数とによって決定
される大きな減速比で変速され、出力ギヤ24に出力さ
れる。このRレンジでは、リングギヤ39(出力ギヤ2
4)はラージサンギヤ36(タービンシャフト22)と反
対方向に回転し、フロントアクスルシャフト5,6(図1
参照)が後進側に駆動される。 (3)Nレンジ(ニュートラルレンジ)…Pレンジの場合と
同様である。
【0017】(4)Dレンジ(ドライブレンジ)1速…フォ
ワードクラッチ41がオンされ、他の摩擦締結要素はオ
フされる。第1,第2ワンウェイクラッチ42,48は通
常ロック状態となるが、コースティング時には空転す
る。この場合、タービンシャフト22のトルクが、順に
フォワードクラッチ41と第1ワンウェイクラッチ42
とを介してスモールサンギヤ35に入力される。そし
て、第2ワンウェイクラッチ48によってキャリア40
が固定されるので、スモールサンギヤ35とショートピ
ニオンギヤ37とロングピニオンギヤ38とリングギヤ
39とが、この順に噛み合う固定的なギヤ列として機能
する。したがって、スモールサンギヤ35に入力された
トルクは、このギヤ列内を上記の順に伝わり、スモール
サンギヤ35の歯数とリングギヤ39の歯数とによって
決定される大きな減速比で変速され、出力ギヤ24に出
力される。この場合、リングギヤ39(出力ギヤ24)は
スモールサンギヤ35(タービンシャフト22)と同一方
向に回転し、フロントアクスルシャフト5,6(図1参
照)が前進側に駆動される。なお、このDレンジ1速で
は、第1ワンウェイクラッチ42の作用によりエンジン
ブレーキは得られない。
【0018】(5)Dレンジ2速…フォワードクラッチ4
1と2−4ブレーキ46とがオンされ、他の摩擦締結要
素はオフされる。第1ワンウェイクラッチ42は通常ロ
ック状態となるが、コースティング時には空転する。な
お、第2ワンウェイクラッチ48は常時空転する。この
場合、ラージサンギヤ36が固定されるので、ロングピ
ニオンギヤ38が、自転しつつラージサンギヤ36まわ
りを公転する。したがって、基本的には上記Dレンジ1
速の場合と同様の経路でトルクが伝達されるが、リング
ギヤ39の回転数がロングピニオンギヤ38の公転分だ
け高くなるので、Dレンジ1速よりはやや減速比が小さ
くなる。なお、このDレンジ2速では、第1ワンウェイ
クラッチ42の作用によりエンジンブレーキは得られな
い。
【0019】(6)Dレンジ3速…フォワードクラッチ4
1とコーストクラッチ43と3−4クラッチ44とがオ
ンされ、他の摩擦締結要素はオフされる。コーストクラ
ッチ43がオンされているので、これと並列に配設され
たフォワードクラッチ41及び第1ワンウェイクラッチ
42は、格別の作用を及ぼさない。なお、第2ワンウェ
イクラッチ48は常時空転する。この場合、スモールサ
ンギヤ35とキャリア40とが、コーストクラッチ43
とタービンシャフト22と3−4クラッチ44とを介し
て、互いにロックされるので、プラネタリギヤシステム
の一般的な性質に従って、すべてのギヤ35〜39とキ
ャリア40とが固定されて一体回転するようになり、タ
ービンシャフト22と出力ギヤ24とが直結され、した
がってタービンシャフト22のトルクが変速されずに
(減速比1)出力ギヤ24に伝達される。この場合、出力
ギヤ24はタービンシャフト22と同一方向に回転し、
フロントアクスルシャフト5,6(図1参照)が前進側に
駆動される。なお、直結状態にあるこのDレンジ3速
で、エンジンブレーキが得られるのは当然である。
【0020】(7)Dレンジ4速…フォワードクラッチ4
1と3−4クラッチ44と2−4ブレーキ46とがオン
され、他の摩擦締結要素はオフされる。第1,第2ワン
ウェイクラッチ42,48は常時空転する。なお、第1
ワンウェイクラッチ42が常時空転するので、フォワー
ドクラッチ41はオンされているものの、格別の作用を
及ぼさない。この場合、タービンシャフト22のトルク
が、3−4クラッチ44を介してキャリア40に入力さ
れ、このキャリア40のトルクは、順に、ロングピニオ
ンギヤ38とリングギヤ39とを介して出力ギヤ24に
伝達される。2−4ブレーキ46によってラージサンギ
ヤ36が固定されているので、ロングピニオンギヤ38
は、自転しつつラージサンギヤ36まわりを公転する。
したがって、リングギヤ39の回転数は、キャリア40
の回転数すなわちタービンシャフト22の回転数より、
ロングピニオンギヤ38の自転分だけ高くなり、変速歯
車機構3はオーバードライブ(増速)状態となる。なお、
リングギヤ39はキャリア40(タービンシャフト22)
と同一方向に回転し、駆動輪が前進側に駆動される。
【0021】(8)2レンジ1速…Dレンジ1速の場合と
同様である。 (9)2レンジ2速…フォワードクラッチ41とコースト
クラッチ43と2−4ブレーキ46とがオンされ、他の
摩擦締結要素はオフされる。コーストクラッチ43がオ
ンされているので、これと並列に配設されたフォワード
クラッチ41及び第1ワンウェイクラッチ42は、格別
の作用を及ぼさない。この場合、トルク伝達経路及び変
速特性は、基本的にはDレンジ2速の場合と同様である
が、第1ワンウェイクラッチ42が働かないので、エン
ジンブレーキが得られることになる。 (10)2レンジ3速…Dレンジ3速の場合と同様であ
る。 (11)1レンジ1速…フォワードクラッチ41とコース
トクラッチ43とローリバースブレーキ47とがオンさ
れ、他の摩擦締結要素はオフされる。コーストクラッチ
43がオンされているので、これと並列に配設されたフ
ォワードクラッチ41及び第1ワンウェイクラッチ42
は、格別の作用を及ぼさず、またローリバースブレーキ
47がオンされているので、これと並列に配設された第
2ワンウェイクラッチ48も、格別の作用を及ぼさな
い。この場合、トルク伝達経路及び変速特性は、基本的
にはDレンジ1速の場合と同様であるが、第1,第2ワ
ンウェイクラッチ42,48が働かないので、エンジン
ブレーキが得られることになる。 (12)1レンジ2速…2レンジ2速の場合と同様であ
る。
【0022】図3に示すように、多段変速歯車機構3の
各摩擦締結要素のオン・オフパターン(表1参照)を切り
替えるために、すなわちセレクトレンジないし変速段を
切り替えるために油圧回路部50が設けられている。こ
の油圧回路部50は、一般に用いられている普通の変速
機制御用の油圧機構であって、詳しくは図示していない
が、オイルポンプ27(図2参照)から作動油が供給さ
れ、この作動油の油圧を、プレッシャレギュレータバル
ブ52で、車両の運転状態に応じて調整してライン圧を
形成し、このライン圧をマニュアルバルブのセレクトレ
ンジ位置と、各シフトバルブのシフト位置とに応じて、
変速歯車機構3の所定の摩擦締結要素に供給しまたはリ
リースし、セレクトレンジないし変速段の切り替えを行
なうようになっている。この油圧回路部50において、
プレッシャレギュレータバルブ52は、ライン圧制御用
デューティソレノイドバルブ51によって形成されるパ
イロット圧に対応してライン圧を形成するようになって
いる。また、各シフトバルブ(図示せず)は、第1〜第4
ソレノイドバルブ53〜56(図1参照)によってシフト
されるようになっている。なお、ライン圧制御用デュー
ティソレノイドバルブ51と、第1〜第4ソレノイドバ
ルブ53〜56とは、後で説明するように、変速機制御
ユニット58によって制御されるようになっている。
【0023】再び図1に示すように、エンジン1に対し
て所定の各種制御を行なうエンジン制御ユニット57が
設けられるとともに、自動変速機Tに対して所定の変速
制御を行なう変速機制御ユニット58が設けられてい
る。なお、エンジン制御ユニット57及び変速機制御ユ
ニット58は、請求項1〜請求項3に記載されたトルク
変更手段及びタイミング変更手段を含む、マイクロコン
ピュータで構成された総合的な制御装置である。エンジ
ン制御ユニット57には、ディストリビュータ13に対
して設けられたエンジン回転数センサ61から出力され
るエンジン回転数信号Sn、クランク角センサ62から
出力されるクランク角信号Sc、水温センサ63から出
力される冷却水温信号Sw、ノッキングセンサ64から
出力されるノッキング強度信号Sk、スロットル弁18
に対して設けられたスロットル開度センサ65から出力
されるスロットル開度信号St、共通吸気通路17に対
して設けられたブーストセンサ66から出力されるブー
スト信号Sb、その他吸入空気量信号等が制御情報とし
て入力されるようになっている。なお、エンジン制御ユ
ニット57には、変速機制御ユニット58からも変速状
態等を示す所定の信号が入力されるようになっている。
そして、エンジン制御ユニット57は、これらの制御情
報に基づいて、燃料噴射制御、点火時期制御等の普通の
エンジン制御を行なうとともに、自動変速機Tの変速時
には、変速ショック等の発生を防止するために、後で説
明するようなトルクダウン制御を行なうようになってい
る。
【0024】ここで、燃料噴射制御は、エンジン回転
数、吸入空気量、吸気温度等に基づいて演算されるシリ
ンダ8への空気充填量をベースにして、エンジン1の運
転状態に応じて設定される所定の空燃比(A/F)の混合
気が得られるように、燃料噴射弁11の燃料噴射パルス
幅を調節することによって行なわれる。また、点火時期
制御は、エンジン1の運転状態に応じて点火進角値を演
算し、この点火進角値とクランク角信号とに基づいて設
定されるタイミングで、点火制御部15に点火時期制御
信号を出力し、これに従って所定のタイミングで点火コ
イル部14からディストリビュータ13を介して各点火
プラグ9に高電圧の点火用電力を供給するといった手順
で行なわれる。そして、一般に、点火時期がリタード
(遅角)されるほどエンジン1の出力トルクが低下するの
で、これを利用して、変速時にエンジン1のトルクダウ
ンを行なうときには、点火時期が所定量だけ強制的にリ
タードされる。なお、トルクダウン制御は、後で説明す
るように、図5〜図6のフローチャートに示すような方
法で行なわれる。
【0025】変速機制御ユニット58には、水温センサ
63から出力される冷却水温信号Sw、スロットル開度
センサ65から出力されるスロットル開度信号St、タ
ービン回転数センサ67から出力されるタービン回転数
信号Su、車速センサ68から出力される車速信号Sv、
ポジションセンサ69から出力されるセレクトレバーの
セレクト位置信号Ss等が制御情報として入力されるよ
うになっている。そして、変速機制御ユニット58は、
これらの制御情報に基づいて、所定の変速制御を行なう
ようになっている。この変速制御は、基本的には、セレ
クト位置信号すなわちセレクトされているレンジ(P,
R,N,D,2,1レンジ)と、スロットル開度と車速とに
応じて、ライン圧制御用デューティソレノイドバルブ5
1と、第1〜第4ソレノイドバルブ53〜56とに、夫
々駆動信号Ca,Cb,Cc,Cd,Ceを印加して、変速歯車
機構3の各摩擦締結要素のオン・オフパターンを切り替
え、変速歯車機構3をセレクトレンジないし車両の運転
状態に応じた変速段に切り替えるようになっている。例
えば、前進用のレンジすなわちD,2,1レンジがセレク
トされているときに、変速段は、図4に示すような変速
用マップに従って、スロットル開度と車速とに応じて自
動的に切り替えられる。なお、本発明の主旨ではないの
で、詳しい説明は省略するが、ライン圧制御用デューテ
ィソレノイドバルブ51は、前記したとおり、プレッシ
ャレギュレータバルブ52(図3参照)用のパイロット圧
を制御するためのすなわちライン圧を制御するための油
圧制御手段であり、第1〜第3ソレノイドバルブ53〜
55は、変速段を切り替えるための油圧制御手段であ
り、第4ソレノイドバルブ56は、ロックアップクラッ
チ34(図2参照)のオン・オフを切り替えるための油圧
制御手段である。
【0026】ところで、エンジン制御ユニット57は、
前記したような通常の各種エンジン制御を行なうほか、
自動変速機Tの変速時には変速機制御ユニット58から
印加される各種信号を受けて、突き上げによる変速ショ
ックの発生を防止できるようなトルクダウン制御を行な
うようになっている。以下、図5〜図6に示すフローチ
ャートに従って、適宜図1〜図4を参照しつつ、4速か
ら3速へのシフトダウンの場合を例にとって、上記トル
クダウン制御の制御方法を説明する。なお、かかるトル
クダウン制御は、すべて種類の変速時に行なわれるよう
になっているので、図示していないが、各シフトアップ
ないしシフトダウン毎に、個別的にトルクダウン制御の
制御ルーチンが備えられている。図5〜図6に示すフロ
ーチャートで用いられている各記号の意味をまとめて次
に示す。 (1)NE……………エンジン回転数センサ61によって
検出されるエンジン回転数 (2)TVO…………スロットル開度センサ65によって
検出されるスロットル開度 (3)TREV………タービン回転数センサ67によって
検出されるタービン回転数 (4)VSP…………車速センサ68によって検出される
車速 (5)VTREV……タービン回転数TREVを時間につ
いて微分することによって得られるタービン回転数変化
率 (6)CXE…………シフトダウン時に所定時間だけトル
クダウンの開始を遅らせるためのトルクダウン禁止タイ
マ (7)CRE…………トルクダウンの終了タイミングを決
定するためのトルクダウン終了タイマ (8)XETR………1がたてられたときには、点火時期
のリタードによるトルクダウンが行なわれるようになっ
ているトルクダウンフラグ (9)XY……………1がたてられたときには、ステップ
#25,#26,#13をスキップさせるようになってい
る切替フラグ (8)SFTDWN…運転状態が、4速から3速へのシフ
トダウンを行なうべき状態になったときに1がたてられ
るシフトダウンフラグ (9)XTREV1…トルクダウン開始タービン回転数 (10)TREVn…シフトダウン後予想タービン回転数
【0027】制御が開始されると、まずステップ#1
で、トルクダウン終了タイマCREと、トルクダウン禁
止タイマCXEと、トルクダウンフラグXETRと、切
替フラグXYとが初期化される(すべて0がセットされ
る)。ステップ#2では、車速VSPと、タービン回転
数TREVと、スロットル開度TVOと、エンジン回転
数NEと、タービン回転数変化率VTREVとが読み込
まれる。ステップ#3では、シフトダウンフラグSFT
DWNに1がたてられているかまたはトルクダウン終了
タイマCREが正であるか、それともこれらのいずれに
も該当しないかが比較・判定される。シフトダウンフラ
グSFTDWNは、変速機制御ユニット58によって、
車両の運転状態が、図4に示すような変速マップに照ら
して、4速から3速へのシフトダウンを行なうべき状態
となったときには1がたてられ、3速へのシフトダウン
が終了したときに0に戻されるフラグである。かかるシ
フトダウンフラグSFTDWNは、常時変速機制御ユニ
ット58からエンジン制御ユニット57に入力されてい
る。ここで、SFTDWN≠1(SFTDWN=0)かつ
CRE≦0であれば(NO)、トルクダウンを行なう必要
がないので、ステップ#21で、トルクダウン終了タイ
マCREと、トルクダウン禁止タイマCXEと、トルク
ダウンフラグXETRと、切替フラグXYとに0がセッ
トされ、ステップ#20で通常時用の点火時期制御が行
なわれ、この後ステップ#2に復帰する。
【0028】他方、ステップ#3で、SFTDWN=1
またはCRE>0であると判定されれば(YES)、ステ
ップ#4でスロットル開度TVOが所定値TVO1未満
であるかまたは変速機制御ユニット58から該シフトダ
ウン(4速→3速)以外の変速信号が出力されたか、それ
ともこれらのいずれにも該当しないかが比較・判定され
る。本実施例では、TVOが所定値TVO1未満である
ような低い負荷状態では(以下、これを低負荷時とい
う)、変速時にトルクダウンを行なわないようにしてい
る。けだし、かかる低負荷時においては、もともとエン
ジン1の出力トルクが小さいので、変速歯車機構3の各
摩擦締結要素にかかる油圧を調節するだけで、突き上げ
ないし変速ショックを抑制することができるからであ
り、トルクダウンを行なったのではかえってエンジント
ルクが低くなり過ぎ、摩擦締結要素のオン・オフ時に適
度なすべりを生じさせるためのトルクすら確保できなく
なるおそれがあるからである。また、4速から3速への
シフトダウン以外の変速信号が変速機制御ユニット58
からエンジン制御ユニット57に出力されたときには、
このフローチャートに示す制御ルーチンではなく、図示
していない他の変速時用の制御ルーチンが実行されるの
で、この制御ルーチンでトルクダウンを行なう必要がな
い。ステップ#4で、TVO<TVO1であるかまたは
他の変速信号が出力されていれば(YES)、少なくとも
この制御ルーチンでは、トルクダウンを行なう必要がな
いので、ステップ#3でNOと判定された場合と同様
に、ステップ#21とステップ#20とが実行された
後、ステップ#2に復帰する。
【0029】ステップ#4で、TVO≧0であり、かつ
他の変速信号が出力されていないと判定されれば(N
O)、ステップ#5〜ステップ#9及びステップ#22
〜ステップ#23の制御ルーチンで、トルクダウン開始
タービン回転数XTREV1が演算されるとともに、T
REV/NEが所定値E1未満である場合に限りトルク
ダウン禁止タイマCXEに所定値T1がセットされる。
【0030】本実施例では、シフトダウン初期における
タービン回転数TREVとエンジン回転数NEの比TR
EV/NEすなわちトルクコンバータ2の速度比(以
下、これをトルコン速度比という)が所定値E1未満で
ある場合には、後で説明するように、トルクコンバータ
2のトルク比が大きく、したがって変速歯車機構3に入
力されるトルクが大きくなるので、突き上げないし変速
ショックを有効に防止できるように、シフトダウン初期
からトルクダウンを開始するようにしている。しかしな
がら、シフトダウン開始直後には一時的に(一瞬)変速歯
車機構3が空転状態となり、これによって車体の前後加
速度が急減するといった、いわゆる引き込みが発生する
ので、シフトダウン開始直後からトルクダウンを開始す
ると、かかる引き込みがますます助長されることにな
る。そこで、シフトダウン開始後、所定時間T1だけト
ルクダウンの開始を遅らせるようにしている。
【0031】シフトダウン時において、このような運転
状態(TREV/NE<E1)は、例えばアクセルペダル
がゆっくり踏み込まれ、スロットル開度の変化すなわち
エンジン負荷変化に対して、エンジンの出力トルクない
しエンジン回転数、ひいては変速歯車機構3への入力ト
ルクが追従して上昇するような場合に生じる。図4にも
示しているように、一般に変速マップはスロットル開度
及び車速を元として作成されているので、かかるシフト
ダウンもスロットル開度と車速とに基づいて行なわれる
ことになる。しかしながら、スロットル開度が等しいと
きでも、アクセルペダルがゆっくり踏み込まれた場合に
は、エンジンの出力トルクないしエンジン回転数はスロ
ットル開度の変化に追従して高められている。このた
め、トルクコンバータ2を介して変速歯車機構3に入力
されるトルクが大きくなる。他方、アクセルペダルが急
激に踏み込まれた場合には、エンジンの出力トルクない
しエンジン回転数は、スロットル開度の変化に追従せ
ず、比較的低くなっている。このため、変速歯車機構3
に入力されるトルクが小さくなる。したがって、かかる
スロットル開度変化すなわちエンジン負荷変化に対する
変速歯車機構3への入力トルクの追従状態を上記トルコ
ン速度比から把握し、これによって変速歯車機構3への
入力トルクを把握し、これに応じてトルクダウンを行な
うタイミングを変更して変速特性を向上させるようにし
ている。図7に、このようにトルコン速度比が小さい場
合の、シフトダウン時の、タービン回転数(曲線G1)と
エンジン回転数(曲線G2)とトルクダウン信号(折れ線G
3)の時間に対する特性を示す。なお、以下適宜この7図
を参照する。
【0032】また、シフトダウン初期のトルコン速度比
TREV/NEが所定値E1以上である場合は、トルク
コンバータ2のトルク比が比較的小さいので、変速歯車
機構3に入力されるトルクが比較的小さくなり、突き上
げはそれほど強くない。このため、シフトダウン中期に
おいて、タービン回転数TREVが、後で説明するトル
クダウン開始タービン回転数XTREV1まで上昇した
時点からトルクダウンを開始するようにしている。な
お、このような運転状態は、前記したとおり、例えばア
クセルペダルが急激に踏み込まれ、スロットル開度の変
化に対して、変速歯車機構3への入力トルクがあまり追
従しないような場合に生じる。図8に、このようにトル
コン速度比が大きい場合の、シフトダウン時の、タービ
ン回転数(曲線G1')とエンジン回転数(曲線G2')とトル
クダウン信号(折れ線G3')の時間に対する特性を示す。
なお、以下適宜この図8を参照する。
【0033】上記トルクダウン開始タービン回転数XT
REV1は、基本的には、トルコン速度比が大きい場合
において、シフトダウン時に、タービン回転数TREV
がこのXTREV1まで上昇したときにトルクダウンが
開始されることになっているタービン回転数であって、
ステップ#9で、次の式1と式2とによって演算され
る。なお、トルコン速度比小さい場合には、上記XTR
EV1は、トルクダウンを開始するタイミングを決定す
るものではなく、単にトルクダウン終了タイマCREを
スタートさせる基準となるだけである。 XTREV1=TREV0+OTR・(TREVn−TREV0)……式1 TREVn=TREV0・GR3/GR4……………………………式2 但し、 TREV0……変化開始時タービン回転数 OTR………変速の種類に応じて設定される1未満の定
数 TREVn…シフトダウン後予想タービン回転数 GR3………変速後(3速)のギヤ比 GR4………変速前(4速)のギヤ比 なお、上記TREV0は、基本的には、ステップ#23
が実行されるとき(1回のシフトダウンで一度だけ実行
される)のタービン回転数TREVであって、シフトダ
ウン動作によってタービン回転数が上昇し始める時点に
おけるタービン回転数である。
【0034】ステップ#5〜ステップ#9及びステップ
#22〜ステップ#23の制御ルーチンにおいて、ステ
ップ#5では、前回のシフトダウンフラグSFTDWN
(i−1)が0でありかつ今回のシフトダウンフラグSF
TDWN(i)が1であるか否か、すなわちシフトダウン
が開始されて1回目であるか否かが比較・判定され、1
回目であれば(YES)、ステップ#6で、車速VSPが
所定値VSP1未満であり、かつシフトダウン初期にお
けるトルコン速度比TREV/NEが所定値E1未満で
あるか否かが比較・判定される。ここで、VSP<VS
P1かつTREV/NE<E1であれば(YES)、前記
したトルコン速度比が小さい場合のトルクダウン制御、
すなわちシフトダウン初期からトルクダウンを開始する
トルクダウン制御が行なわれることになるので、ステッ
プ#7で、トルクダウン禁止タイマCXEに所定値T1
がセットされる。なお、ここで該トルクダウン制御を、
VSP<VSP1となるような低速走行時に限定してい
るのは、高速走行時には車体の運動エネルギが大きいの
で、エンジン1側から変速歯車機構3側に急激にトルク
が伝達されても、車体の速度をほとんど変化させず、し
たがって変速ショックが生じにくいからである。他方、
ステップ#6でVSP≧VSP1またはTREV/NE
≧E1であると判定されれば(NO)、トルコン速度比が
大きい場合のトルクダウン制御、すなわちトルクダウン
中期からトルクダウンを開始するトルクダウン制御が行
なわれることになるので、ステップ#7をスキップす
る。
【0035】ステップ#8では、この時点のタービン回
転数TREV(i)が仮の変化開始時タービン開始時TR
EV0として記憶される。このTREV0は仮の値であっ
て、後記のステップ#23がフェイルした場合のバック
アップ用である。該シフトダウン時において、2回目か
らはステップ#5の次にステップ#22が実行される。
そしてステップ#22で、前回のタービン回転数変化率
VTREV(i−1)が負であり、かつ今回のタービン回
転数変化率VTREV(i)が所定値VTREV1(0以上
の値)より大きいと判定されたとき(YES)、すなわち
タービン回転数TREVが実質的に上昇し始めたときに
(図7、図8中では時刻t3)、一度だけステップ#23が
実行され、このときのタービン回転数TREV(i)が真
の変化開始時タービン回転数TREV0として記憶され
る。このTREV0に基づいて、ステップ#9で式1、
式2によりトルクダウン開始タービン回転数XTREV
1が演算される。
【0036】ステップ#10では、トルクダウン禁止タ
イマCXE(i)が0より大きいか否かが比較・判定され
る。ここで、CXE(i)>0であれば(YES)、トルコ
ン速度比が小さい場合(TREV/NE<E1)のトルク
ダウン制御が行なわれることになる。以下、トルコン速
度比が小さい場合のトルクダウン制御を説明する。この
場合、毎回ステップ#11で、CXE(i)が1づつデク
リメントされ、ステップ#12で前回のトルクダウン禁
止タイマCXE(i−1)が正であり、かつ今回のトルク
ダウン禁止タイマCXE(i)が0であると判定されたと
き(YES)、すなわちトルクダウン開始後T1が経過し
たときに、ステップ#13でトルクダウンフラグXET
Rに1がたてられ、トルクダウンが開始されることにな
る。このようにして、図7にも示しているように、シフ
トダウン開始後T1を経過した時点t2からトルクダウン
が開始されるが、ここでCXEが0となったので、次回
からは必ずステップ#10でNOと判定されることにな
り、ステップ#24〜ステップ#26が実行される(条
件によっては一部をスキップする)。この場合、ステッ
プ#25でTREV>XTREV1であると判定された
ときに(YES)1回だけステップ#26が実行され、ト
ルクダウン終了タイマCREに所定値T2がセットされ
るとともに、切替フラグXYに1がたてられる。なお、
切替フラグXYは、ステップ#26が一度実行されたと
きには、次回からステップ#25〜ステップ#26をス
キップさせるためのフラグである。ここで、上記トルク
ダウン終了タイマCREは、TREV>XTREV1と
なった時点から、時間T2だけ経過したときにトルクダ
ウンを終了させるために用いられる。
【0037】ステップ#14〜ステップ#17は、TR
EV>XTREV1となった時点から(図7中では時刻t
4)、時間T2経過後にトルクダウンフラグXETRを0
に戻す制御ルーチンである。具体的には、ステップ#1
4でトルクダウン終了タイマCRE(i)が正であると判
定されれば(YES)、毎回ステップ#15でCRE(i)
が1づつデクリメントされ、ステップ#16でCRE
(i)が0に達したと判定されたときに(YES)、ステッ
プ#17でトルクダウンフラグXETRが0に戻され
る。なお、ステップ#14でCRE(i)≦0であると判
定されれば(NO)、ステップ#15〜ステップ#17を
スキップする。
【0038】ステップ#18では、トルクダウンフラグ
XETRが1であるか否かが比較・判定され、XETR
=1であれば(YES)、ステップ#19で、トルクダウ
ン信号を出力し、点火時期のリタードによりトルクダウ
ンが行なわれた後、ステップ#20で通常の変速制御が
行なわれ、この後ステップ#2に復帰する。他方、XE
TR=0であれば(NO)、ステップ#19をスキップし
て、すなわちトルクダウンが行なわれず、ステップ#2
0で通常の変速制御のみが行なわれ、この後ステップ#
2に復帰する。
【0039】つまり、TREV/NE<E1であるこの
場合、すなわち変速歯車機構3に入力されるトルクが比
較的大きくなるこの場合においては、図7に示している
ように、時刻t1でシフトダウンが開始された後、時間T
1だけ遅れて時刻t2(シフトダウン初期)でトルクダウン
が開始され、タービン回転数が上昇してTREV/NE
<E1となった時点t4からT2経過後の時刻t5でトルク
ダウンが停止される。このように、変速歯車機構に入力
されるトルクが大きく、したがって突き上げが強くなる
TREV/NE<E1の場合には、シフトダウンの開始
タイミングがシフトダウン初期に設定されるので、強い
トルクダウンが行なわれ、突き上げが有効に抑制され、
変速ショックの発生が防止される。なお、シフトダウン
開始と同時にトルクダウンを開始するようにしてもよい
(すなわちT1を0に設定する)。また、本実施例では、
トルクダウン終了時に、時刻t5で一気にトルクダウンを
停止させるようにしているが、時刻t5から、点火時期リ
タード量を徐々にまたは段階的に変化させ、トルクダウ
ンを徐々に終了させるようにしてもよい。
【0040】以下、トルコン速度比が大きい場合(TR
EV/NE≧E1)、すなわち変速歯車機構3に入力さ
れるトルクが小さい場合のトルクダウン制御を説明す
る。この場合は、前記したとおりステップ#7が実行さ
れず、常にCXE=0なので、ステップ#10では必ず
NOと判定される。したがって、ステップ#24〜ステ
ップ#26が実行されることになるが(条件によっては
一部をスキップする)、この時点でトルクダウンフラグ
XETRが0となっているので、ステップ#25でTR
EV>XTREV1となり(YES)、ステップ#26
でCREに所定値T2がセットされた後、ステップ#1
3が実行されたときに、はじめてトルクダウンフラグX
ETRに1がたてられる。すなわち、TREV>XTR
EV1となった時点(図8では時刻t4)からトルクダウン
開始される。なお、このトルクダウンは、トルコン速度
比が小さい場合と同様に、TREV>XTREVとなっ
た時点からT2を経過したときに停止される。
【0041】つまり、TREV/NE≧E1であるこの
場合、すなわち変速歯車機構3に入力されるトルクが比
較的小さくなるこの場合には、図8に示しているよう
に、時刻t1でシフトダウンが開始された後、タービン回
転数が上昇してTREV>XTREV1となった時点t4
(トルクダウン中期)からトルクダウンが開始され、この
後T2経過後の時刻t5でトルクダウンが停止される。こ
のように、変速歯車機構に入力されるトルクが小さく、
したがって突き上げがさほど強くない、TREV/NE
≧Eの場合には、シフトダウンの開始タイミングがシフ
トダウン中期に設定されるので、変速歯車機構3への入
力トルクに応じた適切なトルクダウンが行なわれ、突き
上げが抑制され、変速ショックの発生が防止される。
【0042】要するに、本実施例では、トルコン速度比
TREV/NEによって、スロットル開度変化すなわち
エンジン負荷変化に対する変速歯車機構3への入力トル
クの追従状態を把握し、かかる追従状態に基づいてトル
クダウンの開始タイミングを変更し、変速歯車機構3へ
の入力トルクに応じた適切なトルクダウンを行なうよう
にしているわけである。なお、本実施例では、エンジン
負荷変化すなわちスロットル開度変化に対する変速歯車
機構3の追従状態を、トルコン速度比TREV/NEで
把握するようにしているが、スロットル開度TVOの時
間に対する変化率(微分値)dTVO/dtで把握するよう
にしてもよい。この場合には、ステップ#6で、dTV
O/dtが所定値Nより小さいか否かを比較・判定し、d
TVO/dt<Nであれば、スロットル開度変化にエンジ
ン出力が追従するのでステップ#7を実行させ、dTV
O/dt≧Nであれば追従しないので、ステップ#7をス
キップさせるようにすればよい。
【0043】なお、トルクダウンを、本実施例のような
点火時期の変更によってではなく、燃料噴射弁11の燃
料噴射量を変えることによって、例えば全気筒または一
部の気筒への燃料供給を停止することによって行なうよ
うにしてもよい。
【0044】
【発明の作用・効果】一般に、自動変速機の変速は、エ
ンジン負荷(例えばスロットル開度)と車速とに基づいて
行なわれるが、エンジン負荷が同じ場合でも、エンジン
負荷変化の状態によって、変速機に入力されるトルクが
異なる。そして、第1の発明によれば、エンジン負荷変
化に対する変速機入力トルクの追従状態に基づいて、変
速機に入力されるトルクが把握され、この入力トルクに
応じて適切なタイミングでトルクダウンが行なわれるの
で、エンジン負荷変化の緩急にかかわらず、常に変速機
に入力されるトルクに応じた適切なトルクダウンが行な
われ、突き上げないし変速ショックの発生が低減され
る。
【0045】第2の発明によれば、基本的には、第1の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、エンジン
負荷変化に対する変速機入力トルクの追従状態を、トル
クコンバータの入出力特性、例えばトルコン速度比から
把握するようにしているので、例えばタービン回転数と
エンジン回転数の比を演算するといった簡単な方法で、
上記追従状態を容易にかつ的確に把握することができ
る。
【0046】第3の発明によれば、基本的には、第1の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、エンジン
負荷変化に対する変速機入力トルクの追従状態を、エン
ジン負荷変化自身の変化特性、例えばスロットル開度の
時間に対する変化率から把握するようにしているので、
例えばスロットル開度を微分するといった簡単な方法
で、上記追従状態を容易にかつ的確に把握することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる制御装置を備えた、エンジンと
自動変速機の組立体(パワープラント)の平面説明図であ
る。
【図2】自動変速機のトルク伝達機構の模式図である。
【図3】自動変速機の油圧制御機構の概念図である。
【図4】自動変速機の変速マップであり、変速条件をス
ロットル開度及び車速の関数としてあらわした図であ
る。
【図5】シフトダウン時におけるトルクダウン制御の制
御方法を示すフローチャートの一部である。
【図6】シフトダウン時におけるトルクダウン制御の制
御方法を示すフローチャートの一部である。
【図7】トルコン速度比が所定値未満の場合の、シフト
ダウン時の、タービン回転数とエンジン回転数とトルク
ダウン信号の時間に対する特性を示す図である。
【図8】トルコン速度比が所定値以上の場合の、シフト
ダウン時の、タービン回転数とエンジン回転数とトルク
ダウン信号の時間に対する特性を示す図である。
【符号の説明】
PT…パワープラント T…自動変速機 1…エンジン 3…変速歯車機構 9…点火プラグ 11…燃料噴射弁 13…ディストリビュータ 18…スロットル弁 57…エンジン制御ユニット 58…変速機制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 健治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の変速時に、エンジンのトル
    クダウンを行なうトルク変更手段が設けられたエンジン
    及び自動変速機の制御装置において、エンジン負荷変化
    に対する変速機入力トルクの追従状態に基づいて、上記
    トルク変更手段によるトルクダウンのタイミングを変更
    するタイミング変更手段が設けられていることを特徴と
    するエンジン及び自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジン及び自動
    変速機の制御装置において、タイミング変更手段が、エ
    ンジン負荷変化に対する変速機入力トルクの追従状態
    を、変速初期におけるトルクコンバータの入出力特性に
    基づいて把握するようになっていることを特徴とするエ
    ンジン及び自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたエンジン及び自動
    変速機の制御装置において、タイミング変更手段が、エ
    ンジン負荷変化に対する変速機入力トルクの追従状態
    を、エンジン負荷変化自身の変化特性に基づいて把握す
    るようになっていることを特徴とするエンジン及び自動
    変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US7819776B2 (en) 2005-03-16 2010-10-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Automatic gear control device

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