JPH0515731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (1) 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、メモリーカード用ポストヘツダーに
関し、さらに詳しくは、ヘツダーハウジングにお
けるポストの配置状態の改良に関する。

（従来の技術） 周知のとおり、大容量のICメモリー、さらに
は、CPUを組み込んだ薄型板からなるメモリー
カードは、ポータブルフアイルやカード化コンピ
ユーターとして注目されるところであり、すでに
そのパーソナル性を活かして金融および決済サー
ビスなど多方面に利用されている。

こうしたメモリーカードにおけるデータフアイ
ルの読み出しまたは書き込みは、該カードを読取
機やコンピユーターとの送受信制御をはかるリー
ダーライターにおけるカード受け口への挿入によ
つて行われる。

さらに、これを本考案の第１図および第２図を
参照して説明すると、カード受け口には、挿入さ
れるメモリーカード１のためのガイド枠２を備え
るポストヘツダー３内に電気的接続ピンとしての
多数本のポスト４が整列配置されている。一方、
カード１の挿入先端に備えるコネクター５には受
け側接触片６が同じく多数本配置されている。こ
れらポスト４と受け側接触片６とは、それぞれ対
応下に嵌合接続される。

こうした嵌合接続をはかるうえで、受け側接触
片６は、挿入されるポスト４に対して適度の挟持
圧をうるため、弾性を有する形状・構造に形成さ
れ、かつ、その接触面には電気的接触抵抗を軽減
するための金メツキ処理などが施されている。一
方、ポスト４としては、コスト面やヘツダーハウ
ジングへの組み付け作業の容易性から、平板を打
ち抜いて形成された平型ピンが用いられている。
しかし、このような形状のポスト４によると、受
け側接触片６との接続が面接触となり、接触面お
よび接触圧が安定せず、その結果、各回路の接続
状態が不均一となつて、回路動作に安定性を欠く
おそれがある。

したがつて、最近では、接触状態の画一性を保
ち易い線接触をうるため、丸型ピンからなるポス
ト４も採用される傾向にある。

（考案が解決しようとする問題点） メモリーカード用コネクター機構は、その特殊
性として、各回路の接続部が超小型であり、しか
も多回数（5000回以上）の挿脱に耐えることが要
求される。こうした条件下の各接続部が多数個並
列配置されることから、受け側接触片６を低接触
圧型に形成して、前記多回数の挿脱に適応させる
とともに挿脱時の操作力の軽減をはかるように考
慮される。

一方、ポスト４は、受け側接触片６との嵌合位
置決めと、その挿入性を良くするため、その先端
頭部を丸頭型に形成することが要求される。

ポスト４における前記要求に対処すべく、丸型
ピンの先端部を型押し形成とともに挟み切りによ
つて丸頭（弾頭状）に形成する場合、先端頭部面
にバリ破断面が生じる。この破断面は、ポスト４
のヘツダーハウジングへの組み付け下で、受け側
接触片６の接触面と摺接する方向に位置すると、
接触片６との嵌合時、その接触面が傷つけられ、
その接触面のメツキコートが損なわれる。しかも
このポスト４の組み付けの方向（破断面の占位向
き）がヘツダー内の多数個のポスト４間において
不揃いであると、一枚のカード１を数機の読取機
などに使用する間に個々の受け側接触片６の接触
面には前記不揃いの破断面による多数の条痕が生
じる。その結果、ポスト４との間で接触不良が生
じることになることは避けられない。

本考案の目的は、上述のような丸型ピンからな
るポストの先端頭部における前記破断面による受
け側接触片の損傷を未然に防止することができる
メモリーカード用ポストヘツダーを提供すること
にある。

(2) 考案の構成 （問題点を解決するための手段） 本考案は、メモリーカードの複数の受け側接触
片とそれぞれ接触する複数のポストと、それらポ
ストを保持するハウジングとを備え、前記各受け
側接触片が対向する２枚の接触片を有するメモリ
ーカード用ポストヘツダーを前提とする。

前記前提において、前記各ポストは、断面円形
の線材を切断して形成されるとともに、それらの
先端頭部がほぼ一定幅のバリ破断面を有するほぼ
弾頭状に形成され、前記各ポストは、前記メモリ
ーカードと組み合されたとき、前記バリ破断面が
前記各受け側接触片の接触面の対向方向の中間に
かつ該接触面と平行に占位して、該接触面の間に
受容されるように配置されていることを特徴とす
る。

（作用） ヘツダーへのメモリーカード挿入に際し、各ポ
ストは、常に、バリ破断面が受け側接触片の接触
面域外にあつて、該接触面と滑面接触による安定
した線接触状態がえられるように機能する。

（実施例） 第３図において、バンド１０は、帯状の金薄板
からなり、リール１１に巻き重ねられ、巻き戻し
て移送される過程または予め、両側縁に保持爪１
２と、その上面中央部に保持爪１３とが打ち抜き
によつてその長さ方向へ一定間隔で列設される。
これら保持爪１２，１３は、バンド１０の移送に
つれてその上面に垂直に順次折り起こされる。

一方、リール１５には断面円形で表面平滑な金
属のいわゆる丸線材からなるポスト素材１４が巻
き重ねられ、バンド１０の移送方向と交差する方
向へ巻き戻して移送され、その移送過程で、一定
間隔にスターセクシヨン１７が押し型１６によつ
て形成される（第４Ａ図参照）。スターセクシヨ
ン１７が形成されたポスト素材１４は、バンド１
０の両側縁に起立した保持爪１２間にあつてバン
ド１０を横切つた状態で挟持されるとともに、中
央部に起立した保持爪１３が折り戻され、これに
よつてスターセクシヨン１７が抑止され（第４Ｂ
図参照）、こうした状態で、順次一定長さに切断
機（図示せず）によつて切断され、ポスト４に形
成される。ただし、この切断は、ポスト素材１４
の前記保持前になされてもよい。バンド１０に保
持された各ポスト４は、バンド１０の移送過程
で、第４Ｃ図に示すように、ポスト４の先端頭部
が移送路に対して上下方向から押し切り刃１９
ａ，１９ｂで押圧されながら、該先端頭部４ａが
弾頭状に形成され、かつ、張り出した素材バリが
該押圧の最終端で切断される。この切断により、
先端頭部４ａの軸半截方向には、第４Ｄ図に示す
ように、粗面でほぼ幅がほぼ一定の条状のバリ破
断面４ｂが生じる。

先端頭部４ａの加工を終えたバンド１０上の各
ポスト４は、第５図に示すように、各破断面４ｂ
が横方向へ揃つた状態で、リール２０に巻き取ら
れる。

第６図および第７図において、リール２０に巻
き取られたポスト４を整列状態で保持するバンド
１０は、巻き戻されながら載置台２１における送
り込み域に送り込まれ、ここに到来した各ポスト
４の一方側（タイン側）には、これを緩く保持す
るクリツプ装置２２が設置されており、該装置に
よるポスト４の保持下に、ポスト４の他方側（接
触作用側）がヘツダーハウジング２３の挿入孔２
４に浅く仮り挿入される。載置台２１上にはこれ
とともに下降するバンド押え手段２５が臨ましめ
られており、これがバンド１０の前記仮り挿入を
終えたポスト保持部分に向けて同じく第６図の上
方から降下せしめられ、載置台２１と押え手段２
５との間にバンド１０が挟み込まれたのち、引き
続く押え手段２５の降下で載置台２１がともに押
し下げられる。したがつて、第７図に示すよう
に、ポスト４は、クリツプ装置２２とヘツダーハ
ウジング２３との間に橋架け状に保持された状態
で、バンド１０から引き離される。同時に、この
引き離しによつてクリツプ装置２２とヘツダーハ
ウジング２３との間に橋架されたポスト４は、そ
の一方側の先端近傍部が押圧手段２６により、第
７図における矢標方向へ押圧され、ポスト４の係
止部としてのスターセクシヨン１７が挿入孔２４
に圧入されるとともに、係止凹部２７に係合され
る。

こうして、ポスト４は、第８図に示すように、
ヘツダーハウジング２３中に圧入固定され、前記
押圧側端部が折り曲げられて回路基板（図示せ
ず）への接続部が構成され、ポスト４の組み付け
が完了される。したがつて、前記組み付けられた
各ポスト４は、バンド１０上における整列状態が
保たれたままで、ヘツダーハウジング２３内に圧
入固定され、先端頭部４ａの破断面４ｂが横方向
に整然と配置される。

したがつて、第９図に示すように、各ポスト４
は、先端頭部４ａの破断面４ｂが、受け側接触片
６を構成する２枚の接触片６ａの接触面の対向方
向の中間に占位する、換言すると、該接触面に接
触しないとともに、破断面４ｂを除く部位が該接
触面に線接触する。

(3) 考案の効果 本考案にかかるポストヘツダーによれば、つぎ
の効果を奏する。

すなわち、ポスト群は、それらの先端頭部のバ
リ破断面がほぼ一定幅であり、該バリ破断面が受
け側接触片群の接触面の対向方向の中間にかつ該
接触面とほぼ平行に占位しているので、該バリ破
断面により該接触面が損傷を受けることがない。
たとえポスト群のうちの一部がその外周向へ多少
傾いたとしても、該バリ破断面が該接触面に接触
するおそれもない。したがつて、メモリーカード
を多数回にわたつて挿抜しても、長期の寿命が得
られるとともに安定した電気的信頼性が確保され
る。

さらに、ポスト群は、断面円形の線材を切断し
て形成することができるので、安価に量産するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示すもので、第１図
はメモリーカード用コネクター機構の一例を示す
斜視図、第２図は前記コネクター機構におけるポ
ストと受け側接触片の一例を示す斜視図、第３図
はポストヘツダーにおけるポストの保持バンドへ
の保持状態を示す工程図、第４Ａ図ないし第４Ｄ
図は第３図における要部の状態をそれぞれ示す拡
大図、第５図はポストヘツダーにおけるポスト保
持バンドへの保持状態を示す側面図、第６図およ
び第７図はポストヘツダーにおけるポスト組み付
け工程をそれぞれ示す説明図、第８図はポストヘ
ツダーの一例を示す縦断側面図、第９図はポスト
とメモリーカードにおける受け側接触片の接触部
との接触状態を示す断面図である。 １……メモリーカード、３……ポストヘツダ
ー、４……ポスト、４ａ……先端頭部、４ｂ……
破断面、６……受け側接触片、６ａ……接触片、
２３……ハウジング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 メモリーカードの複数の受け側接触片とそれぞ
   れ接触する複数のポストと、それらポストを保持
   するハウジングとを備え、前記各受け側接触片が
   対向する２枚の接触片を有するメモリーカード用
   ポストヘツダーにおいて、 前記各ポストは、断面円形の線材を切断して形
   成されるとともに、それらの先端頭部がほぼ一定
   幅のバリ破断面を有するほぼ弾頭状に形成され、 前記各ポストは、前記メモリーカードと組み合
   されたとき、前記バリ破断面が前記各受け側接触
   片の接触面の対向方向の中間にかつ該接触面とほ
   ぼ平行に占位して、該接触面の間に受容されるよ
   うに配置されていることを特徴とする前記ポスト
   ヘツダー。