JPH051569A - エンジンの高圧燃料噴射装置 - Google Patents

エンジンの高圧燃料噴射装置

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JPH051569A
JPH051569A JP15769591A JP15769591A JPH051569A JP H051569 A JPH051569 A JP H051569A JP 15769591 A JP15769591 A JP 15769591A JP 15769591 A JP15769591 A JP 15769591A JP H051569 A JPH051569 A JP H051569A
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Atsushi Tagami
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低速低負荷時に燃料噴射量の制御精度を向上
でき、高速高負荷時に必要な最大燃料噴射量を確保でき
るエンジンの高圧燃料噴射装置の提供。 【構成】 高圧燃料が導入される蓄圧室38と、蓄圧室
38に連通孔26aで連通する背圧室28aと、背圧室
28aに細孔28bで連通するバルブ室29と、バルブ
室29内に収容され細孔28bを開閉する電磁弁27
と、蓄圧室38内に配置され、噴射ノズル30bを開閉
する噴射弁体26と、噴射弁体26をノズル閉方向に付
勢する付勢ばね36とを備え、電磁弁27で細孔28b
を開いて背圧室28a内の圧力を逃がすことにより噴射
弁体26で噴射ノズル30bを開き、電磁弁27で細孔
28bを閉じて背圧室28a内の圧力を上昇させること
により噴射ノズル30bを閉じることにより、低速低負
荷域では噴射率が噴射期間の途中で略一定となるよう
に、高速高負荷域では、噴射率が噴射期間の後半に最大
となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高速ディーゼル
エンジンに好適の高圧燃料噴射装置に関し、特にエンジ
ンの低速回転時における噴射量の制御精度を向上でき、
かつ高速回転時に必要な最大噴射量を確保できるように
した燃料圧力−燃料噴射量特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば高速ディーゼルエンジンに採用さ
れる高圧燃料噴射装置として、いわゆる蓄圧式のものが
ある(例えば特開平1-36971号公報参照)。この公報記
載の高圧噴射装置は、高圧燃料が導入される蓄圧室と、
該蓄圧室に連通孔で連通する背圧室と、該背圧室に細孔
で連通するとともに該細孔を開閉する電磁弁を収容する
バルブ室と、後端が上記背圧室内に位置するように上記
蓄圧室内に配置され、先端で噴射ノズルを開閉する噴射
弁体と、該噴射弁体を閉方向に付勢する付勢ばねとを備
えている。この従来装置では、上記電磁弁で上記細孔を
開いて背圧室内の圧力を逃がすことにより燃料圧力によ
る開弁力が大きくなり、これによって上記噴射弁体が後
退して噴射ノズルを開く。一方、上記電磁弁で上記細孔
を閉じて背圧室内の圧力を上昇させることにより背圧室
圧力,及び付勢ばねによる閉弁力が大きくなり、これに
よって上記噴射弁体が前進して噴射ノズルを閉じる。こ
のようにして噴射ノズルが開いている期間に燃料が噴射
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の蓄
圧式高圧燃料噴射装置では、特にエンジンの低速回転時
における噴射量の制御精度が確保しにくく、アイドリン
グが不安定になり易いという問題がある。この点を図6
(a) の蓄圧室燃料圧力−燃料噴射量特性曲線を参照して
説明する。図中、特性曲線aは一回当たりの噴射時間
(具体的には駆動パルス幅)が長い低速回転側の特性
を、特性曲線dは駆動パルス幅の短い高速回転側の特性
を示している。同図からも明らかなように、低速回転・
低負荷領域では駆動パルス幅の長い特性曲線aに沿って
噴射することから燃料圧力−噴射量の関係が敏感であ
り、そのため噴射量をQmin に設定するアイドリング調
整を行う場合、僅かに設定圧力を変化させただけで噴射
量が大きく変動し、結局アイドリング回転が不安定にな
り易い。一方、高速回転側では駆動パルス幅の短い特性
曲線dに沿って噴射することから燃料の許容最大圧力P
max の如何によっては噴射量が必要最大噴射量Qmax に
達しない場合が生じる。
【0004】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、低速回転・低負荷領域における燃料噴射量の
制御精度を向上でき、かつ高速回転・高負荷時に必要な
最大燃料噴射量を確保できるようにしたエンジンの高圧
燃料噴射装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高圧燃料が導
入される蓄圧室と、該蓄圧室に連通孔で連通する背圧室
と、該背圧室に細孔で連通するバルブ室と、該バルブ室
内に収容され上記細孔を開閉する電磁弁と、上記蓄圧室
内に配置され、先端で噴射ノズルを開閉する噴射弁体
と、該噴射弁体をノズル閉方向に付勢する付勢ばねとを
備え、上記電磁弁で上記細孔を開いて背圧室内の圧力を
逃がすことにより上記噴射弁体で噴射ノズルを開き、上
記電磁弁で上記細孔を閉じて背圧室内の圧力を上昇させ
ることにより上記噴射弁体で噴射ノズルを閉じることに
より、単位時間当たりの噴射量(噴射率=δq/δt)
の噴射期間内における時間的変化である噴射パターンに
沿って燃料を噴射するようにしたエンジンの高圧燃料噴
射装置において、上記噴射パターンを、低速回転・低負
荷領域では、例えば図1に実線で示す噴射パターンAの
ように、噴射率が噴射期間の途中で略一定となるように
設定し、かつ高速運転,高負荷領域では、例えば図2に
示す噴射パターンBのように、噴射率が噴射期間の後半
に最大となるように設定したことを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明に係る高圧燃料噴射装置によれば、噴射
パターンを、低速回転・低負荷領域では、例えば図1に
実線で示すように、噴射期間θ2の途中で噴射率が略一
定となるように設定したので、燃料圧力の増大に対して
燃料噴射量は緩やかに増加することとなり、一回当たり
の駆動パルスの幅の長い低速回転・低負荷領域における
燃料圧力−燃料噴射量特性は、図6(b) に曲線a′で示
すように従来のものより緩やかになる。そのため燃料圧
力をある程度大きく変化させて始めて噴射量が大きく変
化することとなり、それだけ噴射量制御精度が向上し、
アイドリング調整が容易となる。
【0007】一方、上記噴射パターンを、高速回転・高
負荷領域では、例えば図2に実線で示すように、噴射期
間θ4の後半で噴射率が最大となるように設定したの
で、その駆動パルス幅は上記最大値が後半側に移行した
分だけ長くなる。そのためより低い燃料圧力で必要最大
噴射量が得られる特性、例えば図6(b)の特性曲線c′
に沿って噴射できることとなり、許容最大燃料圧力Pma
xの範囲で必要な最大燃料噴射量Qmax の確保が容易と
なる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1ないし図6は本発明の第1実施例による高速デ
ィーゼルエンジン用高圧燃料噴射装置を説明するための
図である。図において、10は高圧燃料噴射装置であ
り、これはケーシング25を仕切プレート28でバルブ
室29と蓄圧室38とに画成し、蓄圧室38内に噴射弁
体26を、バルブ室29内に電磁弁27をそれぞれ配置
した構造となっている。上記ケーシング25は、図示上
端が閉塞された筒状のインナケース23と、図示下端に
ノズルキャップ30が、上端に上記インナケース23が
それぞれ螺挿された円筒状のアウタケース24とから構
成されている。
【0009】上記仕切プレート28は円板状のもので、
そのフランジ部28gが上記アウタケース24の段部2
4aと上記インナケース23の図示下端とで挾持されて
いる。上記蓄圧室38は、上記仕切プレート28に形成
された燃料供給孔28c、リング状の溝28d,及び上
記インナケース23に形成された燃料導入孔23d,2
3cを介して高圧パイプ7に連通している。この高圧パ
イプ7は燃料タンク5に接続されており、該高圧パイプ
7の途中には高圧ポンプ5が介設されている。
【0010】また上記仕切プレート28の軸芯部分には
小径円筒状空間である背圧室28aが形成されており、
該背圧室28aは細孔28bで上記バルブ室29に連通
している。またこの背圧室28a内には上記噴射弁体2
6の上端のピストン部26bが摺動可能に挿入されてお
り、該ピストン部26bに形成された連通孔26aによ
って上記背圧室28aと上記蓄圧室38とが連通してい
る。
【0011】上記電磁弁27は、内側,外側部分に分解
可能のホルダ31内にリング状のコイル32を配置する
とともに、該ホルダ31の軸芯に弁軸33aを摺動可能
に挿入した構造のものである。上記ホルダ31の下端部
は上記仕切プレート28の上部外周に嵌合固着されてお
り、また上記弁軸33aの下端に一体形成された弁板3
3bが上記背圧室28aと連通する細孔28bを開閉す
るようになっている。また上記弁軸33aの上端面には
押圧ばね39が当接しており、該押圧ばね39の一端は
位置決ボルト40でホルダ31上に位置決めされてお
り、他端は調整ロッド41で押圧されている。この調整
ロッド41はインナケース23に螺挿されて外方に突出
しており、該突出部41aにはキャップ42が装着され
ている。この調整ロッド41をケーシング25の外側か
ら回転させることによって上記押圧ばね39の押圧力を
調整できるようになっている。なお、34は上記コイル
32に電圧を印加するための外部接続端子であり、これ
は上記インナケース23の上端部にシールして装着され
ている。
【0012】そして上記インナケース23の周壁には、
導入通路23a,排出通路23bが軸方向に延びるよう
形成されており、導入通路23aは上記ホルダ31の下
端外周に凹設されたリング状の溝,貫通孔を介して上記
バルブ室29の底面付近に連通しており、上記排出通路
23bは上記バルブ室29の上端付近に連通している。
さらに上記導入通路23aは、接続パイプ43a,循環
パイプ8を介して、排出通路23bは接続パイプ43
b,戻りパイプ9を介してそれぞれ上記燃料タンク2に
接続されており、循環パイプ8の途中にはフィードポン
プ6が介設されている。なお4は燃料フィルタである。
これにより、燃料タンク2とバルブ室29との間で燃料
を循環させる燃料循環系が構成されている。
【0013】上記噴射弁体26の下部は、上記ノズルキ
ャップ30に形成されたガイド孔30a内に摺動可能に
挿入され、その先端部は上記ノズルキャップ30の噴射
ノズル30bを開閉するようになっている。また上記噴
射弁体26の中程に装着固定された下ばね座37と、上
記仕切プレート28の下面に当接するように装着された
上ばね座35との間には付勢ばね36が介設されてお
り、これによりこの噴射弁体26は噴射ノズル30bを
閉じる方向に付勢されている。
【0014】ここで上記噴射ノズル30bから噴射され
る燃料の時間当たりの噴射量(噴射率=δp/δt)の
時間的変化を示す噴射パターンは、低速回転・低負荷領
域では図1に示すように、高速回転・高負荷領域では図
2に示すように、それぞれ設定されている。図中、A,
Bは本実施例の噴射パターンを、A′,B′は従来の噴
射パターンをそれぞれ示し、またTW1〜TW4は駆動
パルス幅を、θ1〜θ4は実噴射期間をそれぞれ示す。
なお、各駆動パルスにおけるONは各噴射パターンの噴射
開始時t1に対応しているのに対し、駆動パルスのOFF
は噴射終了時ではなく噴射率減小開始時t2に対応して
いる。低速回転・低負荷領域では、図1に示すように、
従来の噴射パターンA′では、実噴射期間θ1の後半部
に噴射率のピークが来るように直線的に増加し、かつ減
少しているのに対し、本実施例の噴射パターンAでは、
噴射率は実噴射期間θ2の初期において所定値に達した
後、略全域において一定になっている。そしてこの場
合、本実施例の駆動パルス幅TW2は従来の駆動パルス
幅TW1と同一長さに設定されている。
【0015】一方、高速回転・高負荷領域では、図2に
示すように、従来の噴射パターンB′では、実噴射期間
θ3の略中央に噴射率のピークが位置しているのに対
し、本実施例の噴射パターンBでは、噴射率のピークが
実噴射期間θ4の後半部に位置している。このように噴
射率のピークを後半部に位置させるため駆動パルス幅T
W4は従来のTW3に比べて長く設定されている。
【0016】上記噴射パターンを実現するために、本実
施例では、従来のものより、噴射弁体26のピストン部
26bの直径を従来の 4.2mmΦから2.5mmΦにして断面
積を小さくすることにより背圧室28aの容積を小さく
するとともに、ニードル部26cの直径を上記ピストン
部直径に近似させて該部分の断面積を相対的に大きく設
定し、付勢ばね36のばね定数を従来の5kg/cm から40
kg/cm に大きくするとともに、該付勢ばね36のセット
荷重を従来の5kgから1.5 kgに小さくしている。なお、
このセット荷重を小さくしたのは、噴射弁体26の開き
始めの燃料圧力を従来と等しくするためである。
【0017】上記噴射パターンについて図5を参照して
さらに詳細に説明する。図5において、Foは有効開弁
力、Fcは有効閉弁力、Paは蓄圧室38内の燃料圧
力、Pbは背圧室28a内の燃料圧力、Pgは燃焼室内
圧力、A1,A2は噴射弁体26のピストン部26b,
ニードル部26cの断面積、Bは付勢ばねのばね力(ば
ね定数×収縮代)である。上記、有効開弁力Fo,有効
閉弁力Fcは概略下記式の通りとなる。
【0018】 Fo=〔Pa×(A1−A2)+Pg×A2〕−〔B+Bs〕−Pb×A1
【0019】 Fc=〔Pb×A1+B+Bs〕−〔Pa×(A1−A2)+Pg×A2〕
【0020】なお、Bsは付勢ばね36のセット荷重で
ある。上記両式からも明らかなように、本実施例では、
従来のものに比較して、噴射弁体26のピストン部26
bの断面積A1を小さくし、ニードル部26cの断面積
A2を大きくし、またばね定数を大きくしたので、背圧
室28aの圧力Pbを抜いた際の有効開弁力Foは小さ
くなり、かつ背圧室28a内を圧力Pbにした際の有効
閉弁力Fcは大きくなっている。
【0021】まず、低速回転・低負荷領域では、セット
荷重Bsが小さく設定されていることから噴射開始時に
は噴射率が従来のものより比較的速く立ち上がるが、ば
ね定数が大きく設定されているため有効開弁力Foが小
さく、かつ燃料圧力が比較的低いことから、噴射弁体2
6が少し開くと開度が直ちに頭打ちとなり、その結果こ
の噴射パターンでは実噴射期間θ2の略全域に渡って噴
射率が略一定となる。
【0022】一方、高速回転・高負荷領域では、断面積
A1とA2との差が小さく設定されており、かつばね定
数が大きく設定されているため有効開弁力Foが小さい
ことから、噴射開始時には噴射率の立ち上がりが緩やか
になっている。また上記背圧室28aの容積が小さく設
定されていることから、細孔28bが閉じた際に背圧室
28a内が極短時間で燃料で満杯になって圧力が速く上
昇する点,及びばね定数が大きく設定されていることか
ら有効閉弁力Fcが大きくなっている点から、噴射終了
時には噴射率の立ち下がりが急になっている。そして噴
射率の最大値を従来のものと同様に設定するために駆動
パルス幅TW4を大きく設定しており、これらの結果、
この噴射パターンでは図2に示すようにそのピークが後
半部にずれている。
【0023】次に本実施例の作用効果について説明す
る。電磁弁27の非通電時には、弁板33bが細孔28
bを閉じており、これにより上述の有効閉弁力Fcでも
って噴射弁体26が噴射ノズル30bを閉じ、燃料は噴
射されない。一方、電磁弁27が通電されると弁板33
bが上昇して細孔28bを開く。すると背圧室28a内
の高圧燃料が細孔28bを通ってバルブ室29に逃げる
ことにより上記背圧は急激に低下し、これにより上述の
有効開弁力Foでもって噴射弁体26が噴射ノズル30
bを開き、燃料が噴射される。
【0024】このように本実施例では、噴射弁体26の
ピストン部断面積A1,ニードル部断面積A2,及び付
勢ばね36のばね定数,セット荷重等を適宜設定するこ
とによって噴射パターンを、低速回転・低負荷領域では
図1に示すように実噴射期間の略全域で噴射率が略一定
となるように、高速回転・高負荷領域では図2に示すよ
うにその噴射率のピークが実噴射期間の後半部にくるよ
うに設定した。そのため、噴射時間(駆動パルス幅)の
長い低速回転・低負荷領域においても燃料圧力−噴射量
特性(図6(b) の特性曲線a′)を緩やかにでき、噴射
量制御精度を向上してアイドリング調整を容易化でき
る。また高速回転・高負荷領域においても、比較的噴射
時間の長い特性曲線c′に沿って燃料を噴射でき、従っ
て許容最大燃料圧力Pmax の範囲内で必要最大燃料噴射
量Qmax を確保できる。
【0025】ところで、上記第1実施例では、低速時,
高速時の噴射パターンを図1,図2のように設定するた
めに、噴射弁体26のピストン部26b,ニードル部2
6cの断面積A1,A2,ばね定数,セット荷重等を上
述のように設定したが、本発明は、要は噴射パターンを
低速域では略一定に、高速域で噴射期間の後半部にピー
クがくるようにすればよく、その実現方法は上記実施例
に限定されるものではない。図7〜図9、図10及び図
11はそれぞれ上記噴射パターンを別の方法で実現する
第2実施例,第3実施例を示し、図中、図3,図4と同
一符号は同一又は相当部分を示す。この第2,第3実施
例は、噴射弁体26を閉方向に付勢する付勢ばねのばね
定数を、ばねの撓み量が大きくなるにつれて小さくなる
ように設定し、これにより噴射弁体のリフト量が大きく
なるにつれて付勢ばねの反力が過大になるのを防止する
ようにした例である。
【0026】第2実施例を示す図7〜図9において、4
6は環状の皿ばね部46aの内周縁に多数の片持はりば
ね部46bを一体形成してなる付勢ばねであり、該各付
勢ばね46は皿ばね部46a同士が対向するように二枚
重ねに配設されている。なお、この付勢ばね46は、通
常の皿ばねの内部にスリット36cを形成することによ
って製作されたものである。上記付勢ばね46のばね特
性は、図9に示すように、片持はりばね部46bによる
ばね特性e1と皿ばね部46aによるばね特性e2とを
合成したばね特性e3となる。なお、図9中、荷重,た
わみはそれぞれ燃料圧力,噴射量に対応している。その
結果、燃料圧力−噴射量特性は、図6(b) に示す特性と
なり、上記第1実施例と同様の効果が得られる。
【0027】第3実施例を示す図10,図11におい
て、56はばね定数k1,セット荷重f1の第1ばね5
6aと、ばね定数k2,セット荷重f2の第2ばね56
bとからなる付勢ばねであり、k1>k2、f1<f2
に設定されている。この付勢ばね56は、荷重の増加に
対して初期においては、(f2>f1+k1×x)とな
り、ばね定数k1で撓む。一方、後期においては、(f
2<f1+k1×x)となった時点以降はk1とk2と
を合成したばね定数ke=1/(1/k1+1/k2)
で撓むこととなる。なお、xは撓み量である。その結
果、ばね特性は図11(a) に示す特性となり、燃料圧力
−噴射量特性は図11(b) に示す特性となり、この場合
も第1実施例と同様の効果が得られる。なお、図11
(b) における荷重,たわみはそれぞれ燃料圧力,噴射量
に対応している。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明に係るエンジンの高
圧燃料噴射装置によれば、噴射パターンを、低速域では
噴射期間の途中から略一定になるように、かつ高速域で
は噴射期間の後半部にピークがくるように設定したの
で、低速域での燃料圧力−噴射量特性が緩やかになり、
噴射量制御精度が向上してアイドリング調整を容易化で
き、かつ高速域では比較的噴射時間の長い噴射特性に沿
って噴射でき、必要最大燃料噴射量の確保が容易になる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るエンジンの高圧燃料
噴射装置における高速域での噴射パターンを示す特性図
である。
【図2】上記第1実施例装置における低速域での噴射パ
ターンを示す特性図である。
【図3】上記第1実施例装置の断面正面図である。
【図4】上記第1実施例装置の断面側面図である。
【図5】上記第1実施例装置の作用を説明するための模
式図である。
【図6】上記第1実施例装置の効果を説明するための燃
料圧力−燃料噴射量特性図である。
【図7】本発明の第2実施例装置の付勢ばね部分を示す
断面正面図である。
【図8】上記第2実施例装置の付勢ばねの平面図であ
る。
【図9】上記第2実施例装置のばね特性を示す図であ
る。
【図10】本発明の第3実施例装置の付勢ばね部分を示
す断面正面図である。
【図11】上記第3実施例装置のばね特性,噴射特性を
示す図である。
【符号の説明】
10 高圧燃料噴射装置 26 噴射弁体 26a 連通孔 27 電磁弁 28a 背圧室 28b 細孔 29 バルブ室 30b 噴射ノズル 36,46,56 付勢ばね 38 蓄圧室 A,B 噴射パターン

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 高圧燃料が導入される蓄圧室と、該蓄圧
    室に連通孔で連通する背圧室と、該背圧室に細孔で連通
    するバルブ室と、該バルブ室内に収容され上記細孔を開
    閉する電磁弁と、上記蓄圧室内に配置され、先端で噴射
    ノズルを開閉する噴射弁体と、該噴射弁体をノズル閉方
    向に付勢する付勢ばねとを備え、上記電磁弁で上記細孔
    を開いて背圧室内の圧力を逃がすことにより上記噴射弁
    体で噴射ノズルを開き、上記電磁弁で上記細孔を閉じて
    背圧室内の圧力を上昇させることにより上記噴射弁体で
    噴射ノズルを閉じることにより、単位時間当たりの噴射
    量(噴射率=δq/δt)の時間変化である噴射パター
    ンに沿って燃料を噴射するようにしたエンジンの高圧燃
    料噴射装置において、上記噴射パターンを、低速回転・
    低負荷領域では上記噴射率が噴射期間の途中で略一定と
    なり、高速回転・高負荷領域では上記噴射率が噴射期間
    の後半にて最大となるように設定したことを特徴とする
    エンジンの高圧燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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